JP2015210625A - 自動搬送機用磁気アドレスセンサ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】所定ビット数のアドレスデータが着磁された磁気アドレス情報板に、アドレスデータを規定する最下位ビットD1及び最上ビットD8に隣接する一端部及び他端部に最下位ビット及び最上位ビットの極性と異なる極性でデータ読み出しタイミング信号用磁極RL、RMが付加されており、並列した複数の磁気検出素子の両端側にデータ読み出しタイミング信号用磁気検出素子MSL、MSMを設け、それら磁気検出素子によって検出される検出信号のうち、最終に入力される検出信号における磁極の磁束密度が一旦増加した後にレベル弁別値以下に減少した時に発生するデータ読み出しタイミング信号の立下りエッジで磁気アドレス情報板のアドレスデータを読み取るようにした。
【選択図】図2
Description
従来の磁気アドレス情報板の例を図5に示す。(イ)は、一般的な8ビット情報板の機能構成と寸法を示し、(ロ)、(ハ)及び(ニ)は、情報板のアドレス=0、情報板のアドレス=255、及び、情報板のアドレス=1の着磁の例をそれぞれ示す。
D1〜D8=S アドレス “0”
D1=N D2〜D8=S アドレス “1”
D1〜D2=N D3〜D8=S アドレス “3”
D1〜D8=N アドレス “255”
と一般的なバイナリ―デジタル信号を出力し、8ビットの場合は、0〜255の256種類のアドレスとして、また4ビットの場合は、0〜15の16種類のアドレスとして制御することができるように構成されている。
2)そして、読み出しタイミング信号検出用のRL、RMは、アドレスデータに関係なく一般的にはS極が用いられ、磁気検出素子MSLがRL=S極を、MSMがRM=S極と両方がS極を検出確認された瞬間に読み出しタイミング信号を出力する。
3)図6(イ)に、従来使用されている、磁気アドレス情報板とそれを検出し自動搬送機を制御する磁気アドレスセンサとの位置関連を示す。
実際の使用時、自動搬送機に取り付けられた磁気アドレスセンサは、図5(イ)に示したようにおよそ100mm幅の磁気アドレス情報板の幅方向中央部をRLからRM方向へ或いはRMからRL方向へと通過する。したがって、通過方向に関係なく自動搬送機が磁気アドレス情報板上を通過する場合、磁気アドレス情報板のLSBは、磁気アドレスセンサのLSBと、また、磁気アドレス情報板のMSBは、磁気アドレスセンサのMSBと方向が一致するように使用される。
このとき、磁気検出素子MSLがRLのS極を、また磁気検出素子MSMがRMのS極を検出し、論理積(AND)が成立した瞬間、データ読み出しタイミング信号を発生させる。すなわち、磁気アドレス情報板のD1〜D8が磁気アドレスセンサの磁気検出素子MS1〜MS8のそれぞれの真下に来ていると仮定しているためである。
読み出しタイミング信号が発生した時、磁気アドレスセンサの磁気検出素子はD1〜D8のデータを読み取り、読み取った信号をラッチさせアドレス信号として出力する。
また、図6(イ)において磁気アドレス情報板の2個の読み出しタイミング信号用及び8個のアドレスデータ用の着磁は、一般的に30mmピッチでなされており、そのピッチに合わせて磁気アドレスセンサの磁気検出素子も実装されている。したがって、高速で走行する自動搬送機が走行中にアドレスを信頼性高く読み取り正しい制御を行うには、読み出しタイミング信号の発生タイミングが大変重要となる。図6(ロ)に、磁気アドレス情報板のアドレスを、磁気アドレスセンサを用いて検出する場合の図を例示する。
4)図7−1及び図7−2に、従来の磁気アドレス情報板が発生する読み出しタイミング信号検出用着磁部近辺の磁束密度の変化を示す。図7−1の(イ)は、RL、D1〜 D8=S極、アドレス0(ゼロ)のときの磁気検出素子がレベル弁別する等磁束密度曲線の例を示し、(ロ)は、RL=S極、D1〜D8=N極、アドレス255のときの磁気検出素子がレベル弁別する等磁束密度曲線の例を示し、図7−2の(ハ)は、アドレスが47における磁気検出素子がレベル弁別する等磁束密度曲線の例を示す。また、磁気アドレス情報板上の実線は、S極の磁気検出素子がレベル弁別する強さの磁束密度の等しい曲線を示し、破線は、N極の同様な曲線を示し、二点鎖線は、磁気アドレス情報板を検出する磁気アドレスセンサの設定距離位置を示す。
自動搬送機が図7−1(イ)の磁気情報アドレス板RL側からRM側へと高速で通過する場合、磁気アドレスセンサの磁気検出素子MSMが初めに磁気アドレス情報板上に入り、MS8からMS1、そして最後にMSLが入ると、既にMSMはRMの磁束を検出記憶し、MSLがRLの磁束を検出すると、MSMの記憶信号とMSLの信号の論理積(AND)が成立し、読み出しタイミング信号を発生する。
この読み出しタイミング信号を受けた瞬間、MS1〜MS8は、磁気検出素子の真下にある磁気アドレス情報板のデータを読み取りラッチさせアドレス信号として保持する。この読み出しタイミング信号は、自動搬送機の走行スピードが搬送する貨物の重量等の条件により一定ではないため、読み出しタイミング信号は、検出時そのままリアルタイムで出力しなければならず、タイマ回路等で定量的な時間で補正することはできない。
図7−1(イ)において、磁気アドレス情報板のRLから発生している磁束は、D1と同磁極であるため、RLとD1間には無磁束である磁束の切れ目が無く、また、アドレス0(ゼロ)においてはRMとD8間も同様であるため、読み出しタイミング信号は、磁気アドレス情報板の端面から外側にL1離れた位置のRLが発生する磁束密度が強くなる立ち上がり部でしか出来ない。このことは、自動搬送機が磁気アドレス情報板のRMの方からRL側へ走行する場合でも同様で、磁気情報板より外側になるRMの立ち上がり部でしか読み出しタイミング信号は発生させることはできない。
本質的に、磁気アドレス情報板の検出面がS極の場合、裏側は必ずN極であり、また磁石の原理からS極から出た磁束はN極へと戻る。このため、図7−1(ロ)に示すようなアドレスの場合、RLの磁束密度は、D1との境目がD1やD2による異磁極の影響を受け減算され、磁気アドレス情報板の端面側はD1〜D8の帰り磁束が加算される影響を受け、磁気アドレス情報板の端面から遠く離れた位置まで磁束密度が高くなる。
図7−1(イ)のRL部のL1の距離は、磁気アドレス情報板が発する磁力線の強さと磁気アドレスセンサの検出感度によっても異なるが、一般的には10mm程度となり、また、図7−1(ロ)のL2の距離は、およそ20mm程度と大きくなる。したがって、読み出しタイミング信号の出力ポイントの誤差はおよそ10mm発生する。この10mmの差はそのまま、磁気アドレス情報板のD1〜D8とその磁束を読み取る磁気アドレスセンサの磁気検出素子MS1〜MS8のセンタずれとなるため、読み取りミスの原因となり非常に信頼性を落とし多発する誤動作の原因となっている。何故なら、30mmピッチの磁気アドレス情報板の磁束密度分布は中央点から±15mmを超えると隣のビットの領域となるため ピッチの中央部が一番高く、その中央から10mmずれると、磁束密度は大幅に減衰し信頼性の高いデータの読み取りが困難となる。
この点について、アドレスデータ85の等磁束密度曲線例を図7−2の(ニ)に例示する。
図7−2(ニ)から分るように、上記した原因により読み出しタイミング信号の発生は、磁気アドレスセンサのMS1〜MS8が磁気アドレス情報板のD1〜D8それぞれの中央真上に来た時でなければならず、磁気検出素子MSL或いはMSMが磁気アドレス情報板のRL或いはRMの磁束を検出したタイミングの立ち上がりエッジとなるように、磁気アドレス情報板の端面から大きく外側に移動させて配置しなければならない。このために、MSLとMS1間の間隔Lは、L=P+(1/2P)+(L1+L2)÷2となる。但し、(L1+L2)÷2は、色々な着磁パターンでの誤動作を避けるため立ち上がりエッジ位置を平均化したものである。
これを図8に示す。図8において、実線は、S極のセンサが検出する、レベル弁別値の等磁束密度曲線を示し、破線は、N極のセンサが検出する、レベル弁別値の等磁束密度曲線を示し、二点鎖線は、磁気アドレスセンサの設定位置を示す。この図からも分るように、磁気アドレスセンサの検出点は磁気アドレス情報板の端面から大幅に外側へ出るため、磁気アドレスセンサが磁気アドレス情報板より大変大きなものとなる原因となり、製品を大変高価なものとしている。
1)磁気アドレスセンサの各ビットの磁気検出素子がそれぞれ磁気アドレス情報板の各ビットの情報磁極の中央に位置する時、アドレスを読み出す読み出しタイミング信号を出力してアドレスを読み取り、
2)磁気アドレスセンサの大きさを小型化することにより、使い勝手が良く安価にし、
3)自動搬送機に搭載されるインバータやモーター等が発生する電磁波によって磁気アドレスセンサのアドレス情報の読み取り誤動作を防止することを目的とする。
1)精度の良い読み出しタイミング信号を発生させ、精度良くアドレスデータを読み出すことにより、アドレス検出ミスを無くし、信頼性の高いデータとしてその信号を出力する。
2)磁気アドレス情報板と共に用いられ、磁気アドレス情報板のデータを検出し自動搬送機を制御するための、磁気アドレスセンサを小型にすることにより安価にし、トータルコストを低下させる。
3)磁気アドレスセンサが確実に磁気アドレス情報板上に位置しているかを確認した後にアドレスを読み取り出力することを目的とする。
この点は、アドレスデータが着磁された磁気パターンに影響を受けにくく、また、変化しないため、寸法上の位置関係が磁気アドレス情報D1〜D8の中心部に、アドレスを読み出す磁気検出素子のMS1〜MS8を正確に合わせることができ、信頼性の高いアドレス情報を検出することができる。
また、読み出しタイミング信号は、磁気アドレスセンサが磁気アドレス情報板の上に来た時のみ出力するので、周囲の電磁波による誤動作も少なくすることが可能となる。
ロ)磁気アドレスセンサの大きさは、上記説明したようにMSL〜MSMの距離によって決まる。
この発明の、磁気アドレス情報板を用いた磁気アドレスセンサに設けられる読み出しタイミング信号発生用の磁気検出素子MSLは、最下位ビット(LSB)D1を読み取るMS1側に寄せ、読み出しタイミング発生用の磁気検出素子MSMは、最上位ビット(MSB)D8を読み取るMS8側に寄せることができるため、MSL〜MSM間は短くなり、磁気アドレスセンサを小さくするとともに、磁気アドレスセンサのケース内部に耐環境用として充填するシリコンゴムやエポキシ樹脂の量を少なくすることができ、安価にすることを可能とし、磁気アドレスセンサシステム全体のコストを低減させることができる。
この発明において、磁気アドレス情報板の読み出しタイミング信号を発生させる磁極は、最下位ビットD1に隣接する端部のRLが最下位ビットの磁性と異なる磁性で着磁され、また、最上位ビットD8に隣接する端部のRMが最上位ビットと異なる磁性で着磁されている。したがって、必ずD1とRL及びD8とRMは、互いが異なる磁性に着磁されている。これにより、磁束密度の変化率が高い無磁気エリアをD1とRL及びD8とRM間に作ることができる。この無磁気に近付く点の磁束密度パターンは、隣り合わせの磁極が異なるため、狭く鋭角で立ち下がり、位置的に非常に安定しており、アドレス内容によって移動変化することは少ない。
図1からも分かるように、磁気アドレス情報板端面から外側に発生している磁束については、従来のものと大きな差は無いが、この磁束密度が増加する立ち上がり点を利用することはないので、それを無視することができる。しかしながら、D1とRL及びD8とRM間に出来る磁束密度が鋭角に減衰する無磁気に近づく点は、それを読み出しタイミング信号発生に使用することができる。
1)磁気アドレスセンサのMSM側が磁気アドレス情報板のRLからRM側に向かって侵入する場合、磁気検出素子MSLがRLを検出した後無磁気に近付くA点でMS1〜MS8の磁気検出素子が丁度D1〜D8の中央真上に来るように配置し、磁気検出素子MSLがRLを検出した後無磁気に近付く点で読み出しタイミング信号を出力すれば、MS1〜MS8はそれぞれD1〜D8の真上中央に来ているので、磁気アドレス情報板のデータを正確に信頼性高く読み取ることができる。
したがって、一般的には、N極とS極のどちらでも検出することができるアナログ出力のホール素子を用いて増幅しそれをウインドコンパレータでデジタル信号化した後、N極検出信号とS極検出信号の論理和(OR)信号にすることにより、いずれの磁極で着磁されていても読み出しタイミング信号を検出することができるように構成される。この論理和信号(OR)の立下りエッジを読み出しタイミング信号として、一般的には利用する。これに関して、図3の(イ)に示す。
RL 磁気アドレス情報板の最下位ビットに隣接する端部に設けられ、自動搬送機が最下位ビット方向から侵入する場合の、読み出し信号を発生するための磁極
RM 磁気アドレス情報板の最上位ビットに隣接する端部に設けられ、自動搬送機が最上位ビット方向から侵入する場合の、読み出し信号を発生するための磁極
L 磁気アドレスセンサの最下位ビット検出用磁気検出素子と、最下位ビットに隣接する端部の読み出しタイミング信号発生用の磁気検出素子との間の距離、或いは、磁気アドレスセンサの最上位ビット検出用磁気検出素子と、最上位ビットに隣接する端部の読み出しタイミング信号発生用の磁気検出素子との間の距離
L1 最下位ビットのデータ用磁極とその隣の読み出しタイミング信号発生用磁極、或いは、最上位ビットのデータ用磁極とその隣の読み出しタイミング信号発生用磁極とが同じ場合の磁気アドレス情報板端面からはみ出す検出点までの距離
L2 最下位ビットのデータ用磁極とその隣の読み出しタイミング信号発生用磁極、或いは、最上位ビットのデータ用磁極とその隣の読み出しタイミング信号発生用磁極とが異なる場合の磁気アドレス情報板端面からはみ出す検出点までの距離
D1〜D8 着磁されたアドレスデータ
D1 着磁されたアドレスを規定するための最下位ビット
D8 着磁されたアドレスを規定するための最上位ビット
MSL 磁気アドレスセンサの最下位ビットに隣接する端部に設けられ、自動搬送機が最下位ビット方向から侵入する場合の、RLの磁束を検出し、読み出し信号を発生するための磁気検出素子
MSM 磁気アドレスセンサの最上位ビットに隣接する端部に設けられ、自動搬送機が最上位ビット方向から侵入する場合の、RMの磁束を検出し、読み出し信号を発生するための磁気検出素子
MS1〜MS8 磁気アドレスセンサのアドレスデータを検出する磁気検出素子
MS1 最下位ビットのアドレスデータを検出するための磁気検出素子
MS8 最上位ビットのアドレスデータを検出するための磁気検出素子
P 磁気データの着磁ピッチ
A 自動搬送機が最下位ビット方向から侵入する場合の読み出し信号発生ポイント
B 自動搬送機が最上位ビット方向から侵入する場合の読み出し信号発生ポイント
Claims (3)
- S及びNの磁極によって所定ビット数のアドレスデータが着磁された磁気アドレス情報板の上部を通過する自動搬送機に取り付けられ、前記磁気アドレス情報板のアドレスデータを示す磁極を、並列した複数の磁気検出素子によって検出することにより前記自動搬送機が通過する通過点の位置を検出する自動搬送機用磁気アドレスセンサにおいて、
前記磁気アドレス情報板が、アドレスデータを規定する最下位ビットに隣接する一端部及び最上位ビットに隣接する他端部に、最下位ビット及び最上位ビットのそれぞれの極性と異なる極性でデータ読み出しタイミング信号用の磁極がそれぞれ付加されたものであって、前記並列した複数の磁気検出素子の両端側にデータ読み出しタイミング信号用磁気検出素子をそれぞれ設け、それら2個のデータ読み出しタイミング信号用磁気検出素子によってそれぞれ検出される検出信号のうち、最終に入力される検出信号におけるデータ読み出しタイミング信号用磁極の磁束密度が一旦増加した後にレベル弁別値以下に減少した時に発生するデータ読み出しタイミング信号の立下りエッジで前記磁気アドレス情報板のアドレスデータを読み取るようにしたことを特徴とする自動搬送機用磁気アドレスセンサ。 - 2個のデータ読み出しタイミング信号用磁気検出素子によってそれぞれ検出される検出信号のうち、一方の最初に検出され入力される検出信号を、磁気アドレス情報板の上部に入ったことを確認する確認信号とし、他方の最後に検出され入力される検出信号により、前記確認信号が有るときのみにデータ読み出しタイミング信号を出力して前記磁気アドレス情報板のアドレスデータを読み取るようにしたことを特徴とする請求項1記載の自動搬送機用磁気アドレスセンサ。
- 磁気アドレス情報板のデータ読み出しタイミング信号用磁極の検出は、S及びNの両磁極について行う双極磁気検出であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の自動搬送機用磁気アドレスセンサ。
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