JP2015210277A - トナー用結着樹脂組成物の水系分散体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリエステル系樹脂とワックス(A)とを含むトナー用結着樹脂組成物の水系分散体であって、前記ワックス(A)が、エステルワックス及び炭化水素ワックスからなる群より選ばれた少なくとも1種であり、前記ワックス(A)の含有量が、ポリエステル系樹脂100質量部に対して、3〜50質量部であり、前記ポリエステル系樹脂が、融点が60〜110℃であり、分子量が400以上である水酸基及び/又はカルボキシ基を有する炭化水素ワックス(B)由来の構成部位を、1〜20質量%有する、トナー用結着樹脂組成物の水系分散体、その製造方法、及び該水系分散体を用いて得られる電子写真用トナー。
【選択図】なし
Description
前記凝集粒子が形成された水系媒体中にワックス安定剤を添加する添加工程、および、
前記ワックス安定剤が添加された水系媒体を加熱する工程を経ることを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法が記載されている。
〔1〕 ポリエステル系樹脂とワックス(A)とを含むトナー用結着樹脂組成物の水系分散体であって、
前記ワックス(A)が、エステルワックス及び炭化水素ワックスからなる群より選ばれた少なくとも1種であり、前記ワックス(A)の含有量が、ポリエステル系樹脂100質量部に対して、3〜50質量部であり、
前記ポリエステル系樹脂が、融点が60〜110℃であり、分子量が400以上である水酸基及び/又はカルボキシ基を有する炭化水素ワックス(B)由来の構成部位を、1〜20質量%有する、
トナー用結着樹脂組成物の水系分散体、
〔2〕 工程1:炭化水素ワックス(B)の存在下、ポリエスエル系樹脂の原料モノマーを重縮合してポリエステル系樹脂を得る工程、及び
工程2:工程1で得られたポリエスエル系樹脂に水系媒体を添加し、転相乳化する工程
を含むトナー用結着樹脂組成物の水系分散体の製造方法であって、工程1及び/又は工程2で、前記ワックス(A)を添加する、前記〔1〕記載のトナー用結着樹脂組成物の水系分散体の製造方法、並びに
〔3〕 工程A:前記〔1〕記載のトナー用結着樹脂組成物の水系分散体を凝集工程に供して凝集粒子の水系分散体を得る工程、及び
工程C:前記凝集粒子を融着させる工程
を含む方法により得られる、電子写真用トナー
に関する。
で表される、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、水素添加ビスフェノールA等の2価のアルコール;ソルビトール、ペンタエリスリトール、グリセリン、トリメチロールプロパン等の3価以上の多価アルコール等が挙げられる。
エステル化触媒としては、スズ触媒、チタン触媒等が挙げられる。スズ触媒としては、酸化ジブチル錫、2-エチルヘキサン酸錫(II)等が挙げられるが、反応性、分子量調整及び樹脂の物性調整の観点から、2-エチルヘキサン酸錫(II)等のSn−C結合を有していない錫(II)化合物が好ましい。チタン触媒としては、チタンジイソプロピレートビストリエタノールアミネート等が挙げられる。エステル化触媒の使用量は、アルコール成分とカルボン酸成分の総量100質量部に対して、0.01〜1.5質量部が好ましく、0.1〜1.0質量部がより好ましい。
エステル化助触媒としては、没食子酸等が挙げられる。エステル化助触媒の使用量は、アルコール成分とカルボン酸成分の総量100質量部に対して、0.001〜0.5質量部が好ましく、0.01〜0.1質量部がより好ましい。
重合禁止剤としては、tert-ブチルカテコール等が挙げられる。重合禁止剤の使用量は、アルコール成分とカルボン酸成分の総量100質量部に対して、0.001〜0.5質量部が好ましく、0.01〜0.1質量部がより好ましい。
従って、ポリエステル系樹脂に含まれる炭化水素ワックス(B)由来の構成部位の量は、ポリエステル系樹脂100質量部中、前記の観点から、1質量部以上であり、3質量部以上が好ましく、5質量部以上がより好ましく、7質量部以上がさらに好ましく、20質量部以下であり、15質量部以下が好ましく、12質量部以下がより好ましい。
工程1:炭化水素ワックス(B)の存在下、ポリエスエル系樹脂の原料モノマーを重縮合してポリエステル系樹脂を得る工程
工程2:工程1で得られたポリエスエル系樹脂に水系媒体を添加し、転相乳化する工程
中和度={[中和剤の質量(g)/中和剤の当量]/〔[樹脂の酸価(mgKOH/g)×樹脂の質量(g)]/(56×1000)〕}×100
工程A:本発明のトナー用結着樹脂組成物の水系分散体を凝集工程に供して凝集粒子の水系分散体を得る工程
工程C:前記凝集粒子を融着させる工程
工程A:本発明のトナー用結着樹脂組成物の水系分散体を凝集工程に供して凝集粒子の水系分散体を得る工程
工程B:工程Aで得られた分散体に、ポリエステル系樹脂の水系分散体を混合し、凝集させて凝集粒子を得る工程
工程C:前記凝集粒子を融着させる工程
フローテスター「CFT-500D」((株)島津製作所製)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/minで加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出す。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とする。
示差走査熱量計「Q-100」(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン(株)製)を用いて、試料0.01〜0.02gをアルミパンに計量し、200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/minで0℃まで冷却する。次に試料を昇温速度10℃/minで昇温し、吸熱の最高ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度をガラス転移温度とする。
JIS K 0070の方法に基づき測定する。ただし、測定溶媒のみJIS K 0070の規定のエタノールとエーテルの混合溶媒から、アセトンとトルエンの混合溶媒(アセトン:トルエン=1:1(容量比))に変更する。
示差走査熱量計「DSC210」(セイコー電子工業社製)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/minで0℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/minで昇温し、融解熱の最大ピーク温度を融点とする。
下記の測定装置と分析カラムを用い、溶離液としてクロロホルムを、毎分1mlの流速で流し、40℃の恒温槽中でカラムを安定させる。そこに試料溶液100μlを注入して測定を行う。試料の分子量は、あらかじめ作成した検量線に基づき算出する。このときの検量線には、数種類の単分散ポリスチレン(東ソー社製のA-500(5.0×102)、A-1000(1.01×103)、A-2500(2.63×103)、A-5000(5.97×103)、F-1(1.02×104)、F-2(1.81×104)、F-4(3.97×104)、F-10(9.64×104)、F-20(1.90×105)、F-40(4.27×105)、F-80(7.06×105)、F-128(1.09×106))を標準試料として作成したものを用いる。
測定装置:HLC-8220GPC(東ソー社製)
分析カラム:GMHXL+G3000HXL(東ソー社製)
JIS K0070の方法により測定する。但し、測定溶媒のみJIS K0070の規定のエタノールとエーテルの混合溶媒から、キシレンとエタノールの混合溶媒(キシレン:エタノール=3:5(容量比))に変更する。
ワックス(A)を用いないで製造した樹脂の吸熱面積と、反応前の炭化水素ワックス(B)の吸熱面積を、示差走査熱量計「DSC210」(セイコー電子工業社製)を用いてワックスの融点の測定条件で測定し、下記式に従って算出した未反応率(%)から、反応率(100−未反応率,%)を算出する。樹脂と炭化水素ワックス(B)は、同じ質量を用いて測定する。
(1)測定装置:レーザー回折型粒径測定機「LA-920」(堀場製作所社製)
(2)測定条件:測定用セルに蒸留水を加え、吸光度を適正範囲になる温度で体積中位粒径を測定する。
赤外線水分計「FD-230」(ケツト科学研究所社製)を用いて、測定試料5gを乾燥温度150℃、測定モード96(監視時間2.5min/変動幅0.05%)にて、水分量を測定する。固形分濃度は下記の式に従って算出する。
固形分濃度(質量%)=100−M
M:水分量(質量%)
測定機:「コールターマルチサイザーIII」(ベックマンコールター社製)
アパチャー径:50μm
解析ソフト:「マルチサイザーIIIバージョン3.51」(ベックマンコールター社製)
電解液:「アイソトンII」(ベックマンコールター社製)
分散液:ポリオキシエチレンラウリルエーテル「エマルゲン109P」(花王(株)製、HLB:13.6)を前記電解液に溶解させ、濃度5質量%の分散液を得る。
分散条件:前記分散液5mLに試料10mg(固形分換算)を添加し、超音波分散機にて1分間分散させ、その後、電解液25mLを添加し、さらに、超音波分散機にて1分間分散させて、試料分散液を作製する。
測定条件:前記試料分散液を前記電解液100mLに加えることにより、3万個の粒子の粒径を20秒で測定できる濃度に調整した後、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から体積中位粒径を求める。
外添剤の走査型電子顕微鏡(SEM)写真から測定した、500個の粒子の粒径の数平均値をいう。長径と短径がある場合は長径を指す。
表1、2に示すフマル酸、無水トリメリット酸及びワックス(B)以外のポリエステル樹脂の原料モノマー、エステル化触媒及びエステル化助触媒を、温度計、ステンレス製撹拌棒、流下式コンデンサー及び窒素導入管を装備した10リットルの四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気にてマントルヒーター中で、235℃まで2時間かけて昇温を行った。その後235℃にて反応率が95%以上に到達したのを確認した。その後180℃まで冷却し、無水トリメリット酸、フマル酸、ワックス(B)、ワックス(A)「HNP-9」(日本精蝋社製、パラフィンワックス、融点:78℃)及び4-tert-ブチルカテコールを加え、2時間かけて210℃まで昇温した。その後、210℃にて1時間反応後、8kPaにて表1、2に記載の軟化点に達するまで反応を行って、樹脂組成物A、B、D〜Iを得た。
ワックス(A)を用いなかったことを除いては、樹脂組成物Aと同様に製造し、樹脂Cを得た。
表2に示すフマル酸以外のポリエステル樹脂の原料モノマー、エステル化触媒及びエステル化助触媒を、温度計、ステンレス製撹拌棒、流下式コンデンサー及び窒素導入管を装備した10リットルの四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気にてマントルヒーター中で、235℃まで2時間かけて昇温を行った。その後235℃にて反応率が95%以上に到達したのを確認した。その後180℃まで冷却し、無水トリメリット酸、フマル酸及び4-tert-ブチルカテコールを加え、2時間かけて210℃まで昇温した。その後、210℃にて1時間反応後、8kPaにて表2に記載の軟化点に達するまで反応を行って、樹脂Jを得た。
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート、温度計及び窒素導入管を備えた3L容の容器に、表4に示す樹脂又は樹脂組成物(ワックス(A)を含む場合)150g、メチルエチルケトン75gを仕込み、73℃にて2時間かけて溶解させた。得られた溶液に、5質量%水酸化ナトリウム水溶液を樹脂の酸価に対して中和度100モル%になるように添加して中和し、30分撹拌した。冷却後、30℃に保持したままで280r/min(周速88m/min)の撹拌を行いながら、イオン交換水(30℃)675gを77分かけて添加した。ついで30分かけて50℃に昇温させた後、メチルエチルケトンを減圧下で留去した。その後、250r/min(周速88m/min)の撹拌を行いながら水系分散体を30℃に冷却した後、アニオン性界面活性剤「エマールE27C」(ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、花王(株)製)を16.7g混合し、完全に溶解させた。その後分散液の固形分濃度を測定し、20質量%になるようにイオン交換水を加えて、分散体a−1、b、c−1、d〜i、jを得た。
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート、温度計及び窒素導入管を備えた3L容の容器に、樹脂c-2 150g、メチルエチルケトン75g、「HNP-9」(日本精蝋社製、パラフィンワックス、融点:78℃)13.7gを仕込み、73℃にて2時間かけて溶解させた。得られた溶液に、5質量%水酸化ナトリウム水溶液を樹脂の酸価に対して中和度100モル%になるように添加して中和し、30分撹拌した。その後30℃に保持したままで280r/min(周速88m/min)の撹拌を行いながら、イオン交換水675gを77分かけて添加した。ついで30分かけて50℃に昇温させた後、メチルエチルケトンを減圧下で留去した。その後、250r/min(周速88m/min)の撹拌を行いながら水系分散体を30℃に冷却した後、アニオン性界面活性剤「エマールE27C」(ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、花王(株)製)を16.7g混合し、完全に溶解させた。その後分散液の固形分濃度を測定し、20質量%になるようにイオン交換水を加えて、分散体c−2を得た。
分散体c−2の製造において、「HNP-9」を「WEP-8」(日本精蝋(株)製、エステルワックス、融点:80℃)に変更した以外は同様にして、分散体c−3を得た。
樹脂組成物A 150g、酢酸エチル75g、アニオン性界面活性剤(花王(株)製、商品名:「エマールE27C」)16.7gを25℃にて溶解させ、73℃にて2時間かけて溶解させた。得られた溶液に、5質量%水酸化ナトリウム水溶液を、樹脂の酸価に対して中和度70モル%になるように添加して、その後、イオン交換水600gを混合し、超音波ホモジナイザー(ドクターヒールッシャー(株)製、商品名:「UP-400S」)を用いて出力350Wで30分散処理した。その後73℃にて、酢酸エチルを減圧留去し、分散体a−2を得た。
銅フタロシアニン「ECB-301」(大日精化工業(株)製)50g、非イオン性界面活性剤「エマルゲン150」(ポリオキシエチレンラウリルエーテル、花王(株)製)5g及びイオン交換水200gを混合し、ホモジナイザーを用いて10分間分散させて、着色剤微粒子を含有する着色剤分散液を得た。着色剤微粒子の体積中位粒径(D50)は120nmであり、固形分濃度は22質量%であった。
荷電制御剤としてサリチル酸系化合物「ボントロンE-84」(オリエント化学工業(株)製)50g、非イオン性界面活性剤として「エマルゲン150」(花王(株)製)5g及びイオン交換水200gを混合し、ガラスビーズを使用し、サンドグラインダーを用いて10分間分散させて、荷電制御剤微粒子を含有する荷電制御剤分散液を得た。荷電制御剤微粒子の体積中位粒径(D50)は400nmであり、固形分濃度は22質量%であった。
実施例1〜7及び比較例1〜5
表5に示すコア用水系分散体300g、着色剤分散液8g、荷電制御剤分散液2g及び脱イオン水52gを2L容の容器に入れ、アンカー型の撹拌機で100r/min(周速31m/min)の撹拌下、20℃で0.1質量%塩化カルシウム水溶液150gを30分かけて滴下した。その後、撹拌しながら50℃まで昇温した。体積中位粒径が5μmになるまで50℃で保持した。3時間たった時点で体積中位粒径が5μmに達した。その後、シェル用水系分散体(分散体j)75gを加え、撹拌して分散させた。その後、凝集停止剤としてアニオン性界面活性剤「エマールE27C」(花王(株)製、固形分28質量%)4.2gを脱イオン水37gで希釈した希釈液を添加した。次いで80℃まで昇温し、80℃になった時点から1時間80℃を保持した後、加熱を終了した。これにより融着粒子を形成させた後、20℃まで徐冷し、150メッシュ(目開き150μm)の金網でろ過した後、吸引ろ過を行い、洗浄、乾燥工程を経てトナー粒子を得た。
得られたトナー粒子100質量部に対して、疎水性シリカ「NAX-50」(日本アエロジル(株)製、疎水化処理剤:HMDS、個数平均粒子径40nm)1.0質量部、疎水性シリカ「R972」(日本アエロジル(株)製、疎水化処理剤:DMDS、個数平均粒子径16nm)0.6質量部、及び酸化チタン「JMT-150IB」(テイカ(株)製、個数平均粒子径15nm)0.5質量部を、ST、Ao撹拌羽根を装着した10Lヘンシェルミキサー(三井鉱山(株)製)に投入し、3000r/minにて2分間撹拌して、トナー(体積中位粒径:約5μm)を得た。
表5に示すコア用水系分散体375g、着色剤分散液8g、荷電制御剤分散液2g及び脱イオン水52gを2L容の容器に入れ、アンカー型の撹拌機で100r/min(周速31m/min)の撹拌下、20℃で0.1質量%塩化カルシウム水溶液150gを30分かけて滴下した。その後、撹拌しながら50℃まで昇温した。体積中位粒径が5μmになるまで50℃で保持した。3時間たった時点で体積中位粒径が5μmに達した。その後、凝集停止剤としてアニオン性界面活性剤「エマールE27C」(花王(株)製、固形分28質量%)4.2gを脱イオン水37gで希釈した希釈液を添加した。次いで80℃まで昇温し、80℃になった時点から1時間80℃を保持した後、加熱を終了した。これにより融着粒子を形成させた後、20℃まで徐冷し、150メッシュ(目開き150μm)の金網でろ過した後、吸引ろ過を行い、洗浄、乾燥工程を経てトナー粒子を得た。
非磁性一成分現像方式プリンター「OKI Microline 18」((株)沖データ製)にトナーを実装し、温度30℃、湿度80%の条件下にて、黒化率5.5%の斜めストライプのパターンを連続で耐刷を行った。途中、500枚ごとにベタ画像を印字し、画像上のスジを確認した。画像上にスジが目視にて観察された時点までの印字枚数を耐刷枚数とした。結果を表5に示す。耐刷枚数が大きいものほど、耐フィルミング性に優れ、耐刷枚数は、4500枚以上が好ましく、5500枚以上がより好ましく、6000枚以上がさらに好ましく、6800枚以上がさらに好ましい。結果を表5に示す。
複写機「AR-505」(シャープ(株)製)の定着機を装置外での定着が可能なように改良した装置にトナーを実装し、未定着の状態で印刷物を得た(印字面積:2cm×12cm、付着量:0.5mg/cm2)。その後、総定着圧が40kgfになるように調整した定着機(定着速度300mm/sec)を用い、定着ロールの温度を80℃から240℃へと5℃ずつ順次上昇させながら、各温度で未定着状態の印刷物の定着試験を行った。得られた印刷物の画像部分にセロハン粘着テープ「ユニセフセロハン」(三菱鉛筆(株)製、幅:18mm、JIS Z 1522)を貼り付け、30℃に設定した定着ローラーに通過させた後、テープを剥がした。なお、定着紙には、「CopyBond SF-70NA」(シャープ(株)製、75g/m2)を使用した。
テープを貼る前と剥がした後の光学反射密度を反射濃度計「RD-915」(グレタグマクベス社製)を用いて測定し、両者の比率(剥離後/貼付前×100)が最初に90%を超える定着ローラーの温度を最低定着温度とした。最低定着温度が低いほど、低温定着性に優れ、最低定着温度は、115℃以下が好ましく、110℃以下がより好ましく、108℃以下がさらに好ましい。
また、上記で得られた定着画像を目視で判断し、ホットオフセットが見られた定着ロールの最低温度をホットオフセット温度とした。ホットオフセット温度が高いほど、耐ホットオフセット性に優れ、ホットオフセット温度は、170℃以上が好ましく、180℃以上がより好ましく、185℃以上がさらに好ましい。結果を表5に示す。
実施例3では、ワックス(B)の分子量が470であり、実施例1の800に対して小さく、耐フィルミング性、耐ホットオフセット性及び低温定着性がやや低下する。
実施例4では、ワックス(B)の分子量が1500であり、実施例1の800に対して大きく、耐フィルミング性、耐ホットオフセット性及び低温定着性がやや低下している。
実施例5では、結着樹脂の重合時にワックス(A)を存在させず、結着樹脂組成物の乳化時に、ワックス(A)を添加しているため、耐フィルミング性、耐ホットオフセット性及び低温定着性がやや低下している。
実施例6では、結着樹脂の重合時にワックス(A)を存在させず、結着樹脂組成物の乳化時にワックス(A)を添加し、さらにワックス(A)を、実施例1で用いたパラフィンワックスからエステルワックスに代えたものであり、低温定着性は向上しているものの、耐フィルミング性、及び耐ホットオフセット性がやや低下している。
実施例7では、実施例1の転相乳化と異なって、超音波により乳化して得られた結着樹脂を用いており、耐フィルミング性、耐ホットオフセット性及び低温定着性がやや低下している。
実施例8では、シェル層を有さないため、耐フィルミング性、及び耐ホットオフセット性がやや低下している。
比較例2ではワックス(A)が用いられておらず、耐フィルミング性はよいものの、耐ホットオフセット性、低温定着性が低下している。
比較例3では、耐フィルミング性及び低温定着性が低下し、耐ホットオフセット性がやや低下しているが、これは、ワックス(B)の融点が119.4℃(実施例1では76.1℃)と高すぎるため、ポリエステル系樹脂の乳化性が低下したためと考えられる。
比較例4では、耐フィルミング性及び耐ホットオフセット性が低下し、低温定着性がやや低下しているが、これは、ポリエステル系樹脂100質量部中のワックス(B)の含有量が23.1質量部(実施例1では9.1質量部)と多すぎるためと考えられる。
比較例5では、耐フィルミング性、耐ホットオフセット性及び低温定着性が低下しているが、これは、ワックス(B)の分子量が270(実施例1では800)と小さすぎるため、ワックス(A)の分散力が低下したためと考えられる。
Claims (9)
- ポリエステル系樹脂とワックス(A)とを含むトナー用結着樹脂組成物の水系分散体であって、
前記ワックス(A)が、エステルワックス及び炭化水素ワックスからなる群より選ばれた少なくとも1種であり、前記ワックス(A)の含有量が、ポリエステル系樹脂100質量部に対して、3〜50質量部であり、
前記ポリエステル系樹脂が、融点が60〜110℃であり、分子量が400以上である水酸基及び/又はカルボキシ基を有する炭化水素ワックス(B)由来の構成部位を、1〜20質量%有する、
トナー用結着樹脂組成物の水系分散体。 - 炭化水素ワックス(B)の水酸基価と酸価との合計値が、40〜200mgKOH/gである、請求項1記載の水系分散体。
- ワックス(A)と炭化水素ワックス(B)の質量比(ポリエステル系樹脂100質量部に対するワックス(A)の量/ポリエステル系樹脂100質量部中の炭化水素ワックス(B)由来の量)が、0.2〜20である、請求項1又は2記載の水系分散体。
- トナー用結着樹脂組成物が、ワックス(A)及び炭化水素ワックス(B)の存在下、ポリエステル系樹脂の原料モノマーを重合して得られる樹脂組成物である、請求項1〜3いずれか記載の水系分散体。
- ポリエステル系樹脂の原料モノマーであるカルボン酸成分が、カルボン酸成分中、芳香族ジカルボン酸化合物を50モル%以上含有する、請求項1〜5いずれか記載の水系分散体。
- 工程1:炭化水素ワックス(B)の存在下、ポリエスエル系樹脂の原料モノマーを重縮合してポリエステル系樹脂を得る工程、及び
工程2:工程1で得られたポリエスエル系樹脂に水系媒体を添加し、転相乳化する工程
を含むトナー用結着樹脂組成物の水系分散体の製造方法であって、工程1及び/又は工程2で、前記ワックス(A)を添加する、請求項1〜6いずれか記載のトナー用結着樹脂組成物の水系分散体の製造方法。 - 工程A:請求項1〜6いずれか記載のトナー用結着樹脂組成物の水系分散体を凝集工程に供して凝集粒子の水系分散体を得る工程、及び
工程C:前記凝集粒子を融着させる工程
を含む方法により得られる、電子写真用トナー。 - さらに、
工程B:工程Aで得られた分散体に、ポリエステル樹脂の水系分散体を混合し、凝集させて凝集粒子を得る工程
を含み、かつ工程Cでは工程Bで得られた凝集粒子を融着させる工程を含む方法により得られる、請求項8記載の電子写真用トナー。
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