JP2015209990A - 真空焼入れ処理設備 - Google Patents

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松井 宏司
Koji Matsui
宏司 松井
石浜 克則
Katsunori Ishihama
克則 石浜
丸山 崇
Takashi Maruyama
崇 丸山
正光 赤尾
Masamitsu Akao
正光 赤尾
慧 柴田
Kei Shibata
慧 柴田
堀 哲
Satoru Hori
堀  哲
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Abstract

【課題】従来の真空焼入れ処理設備の構造を利用して、製造コストの大幅な上昇を招くことなく必要なガス焼入れ処理を行うことができる真空焼入れ処理設備を提供する。
【解決手段】複数の真空加熱室21A〜21Cとこれら真空加熱室内へワークを出し入れする搬送装置3とを、一端が開放する筐体1内に収納し、当該筐体1の開放部に気密的にガス冷却室4のハウジング41を連結した真空焼入れ処理設備において、
ガス冷却室4のハウジング41に設けた開口44に、独立した冷却ガス循環配管61,64を接続し、冷却ガス循環配管中に熱交換器62と送風ファン63を設置して、開口44からガス冷却室4内の冷却ガスを吸引し熱交換させた後に再び開口44からガス冷却室4内へ冷却ガスを戻すようにする。
【選択図】 図3

Description

本発明は真空焼入れ処理設備に関し、特に簡易な改造でガス冷却能力を増大することができる真空焼入れ処理設備に関する。
特許文献1には上下方向に配設された複数の浸炭室(真空加熱室)とこれら浸炭室に処理品を搬送する上下動可能な垂直リフト装置、および浸炭後の処理品を冷却する冷却室を一体的に備えたコンパクトな真空浸炭焼入れ処理設備が示されている。
特表2013−504686
ところで、上記焼入れ処理設備では冷却室としてガス冷却室が付設されていることが多く、処理されるワークに対して冷却ガスの種類、圧力、流速、風向等を適宜制御して最適な焼入れ効果を得るようにしている。しかし、常温の窒素等の冷却ガスで油冷、水冷等の液冷却に相当する焼入れ効果を得ようとすると、20〜30気圧以上のガス圧あるいは2〜3倍の冷却ガス量が必要となり、冷却室の耐圧構造化、冷却室に設けた冷却ファンモータの大容量化による冷却室の大型化によって製造コストの大幅上昇を招き、現実的でないという問題がある。
そこで、本発明はこのような課題を解決するもので、従来の真空焼入れ処理設備の構造を利用して、製造コストの大幅な上昇を招くことなく必要なガス焼入れ処理を行うことができる真空焼入れ処理設備を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本第1発明では、複数の真空加熱室(21A〜21C)とこれら真空加熱室内へワークを出し入れする搬送装置(3)とを、一端が開放する筐体(1)内に収納し、当該筐体(1)の開放部に気密的にガス冷却室(4)のハウジング(41)を連結した真空焼入れ処理設備において、前記ガス冷却室(4)のハウジング(41)に設けた開口(44)に独立した冷却ガス循環配管(61,64)を接続し、冷却ガス循環配管中に熱交換器(62)と送風ファン(63)を設置して、前記開口(44)から前記ガス冷却室(4)内の冷却ガスを吸引し熱交換させた後に再び前記開口(44)から前記ガス冷却室(4)内へ冷却ガスを戻すようにする。
本第1発明においては、ガス冷却室内の冷却ガスを、ハウジングの開口に連結した冷却ガス循環配管からガスを吸入して外部の熱交換器へ送ってここで十分に冷却し、十分に冷却された冷却ガスを大容量の送風ファンを経由して上記配管によって再びガス冷却室内へ戻して室内のワークに送給することにより冷却する。このように冷却室の外部に送風ファンを設置し独立した冷却ガス循環配管を設けることで送風ファンの大型化が可能となり、大容量の冷却ガスを流すことができるため、液冷却に近い焼入れ効果をもったワークのガス焼入れが可能となる。本第1発明によれば、既存の真空焼入れ処理設備の大部分を利用することができるから、製造コストの大幅な上昇が避けられる。
本第2発明では、前記ハウジング(41)の開口(44)は、当該開口(44)に設けられた、ガス冷却室(4)の撹拌扇を駆動する駆動モータ(42)を取り去って開口させたものである。
本第2発明によれば、駆動モータ取付用の開口を配管連結用の開口として利用しているから、さらに製造コストを抑えることができる。
上記カッコ内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
以上のように、本発明の真空焼入れ処理設備によれば、従来の焼入れ処理設備の構造を利用して、製造コストの大幅な上昇を招くことなく必要なガス焼入れ処理を行うことができる。
真空焼入れ処理設備の筐体の斜視図である。 真空焼入れ処理設備の筐体の端面図である。 真空焼入れ処理設備の全体構成を示す概略図である。 搬送装置の概略側面図である。
なお、以下に説明する実施形態はあくまで一例であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が行う種々の設計的改良も本発明の範囲に含まれる。
以下、ワークの焼入れ処理を行う本発明の一実施形態を示す。図1において、真空焼入れ処理設備は矩形の筐体1を備えており、筐体1内には後述するようにその半部に加熱装置2が、残る半部に搬送装置3が設けられている。筐体1には搬送装置3に面する端面に開口11が設けられて、当該開口11を覆うように外方から長円容器状のガス冷却室4のハウジング41が筐体1に接合固定されている。また、搬送装置3に面する筐体1の側面には、上下に延びる長方形の点検扉12が設けられている。
ガス冷却室4の端面下半部にはワーク出し入れ用の開口43(図2)が設けられて、駆動シリンダ51によって上下方向へスライド開閉する真空扉52によって開閉されるようになっている。駆動シリンダ51及び真空扉52は、ハウジング41にボルト固定された枠体53に一体に組み付けられて扉アセンブリ5となっている。
ガス冷却室の端面上半部には撹拌扇を室内に挿入するための開口44が設けられている。この開口44は図1および図2の鎖線で示すように、従来は駆動モータ42のフランジ部421によって閉鎖されている。すなわち、駆動モータ42の出力軸に装着された撹拌扇(図示略)を、上記開口44を経てガス冷却室4のハウジング41内に挿入し、この状態で駆動モータ42をその端面外周に形成された上記フランジ部421によってハウジング41にボルト固定している。
本実施形態では、上記駆動モータ42とその出力軸に装着されている撹拌扇を取り去って、取り去った跡に露出開口した上記開口44に、独立した冷却ガス循環配管を構成すべく、後述のように大容量の送風ファンとガスクーラを設けたダクトを連結する。このような真空焼入れ処理設備の全体構成を図3に示す。
図3において、筐体1内の加熱装置2は上下方向へ配置された三基の真空加熱室(以下、単に加熱室という)21A〜21Cから構成されている。各加熱室21A〜21Cにはヒータが設けられて当該加熱室21A?21C内を所定温度へ昇温できるようになっている。また、各加熱室21A?21Cにはアセチレン等の浸炭ガス供給管が連結されて、浸炭処理を行うことができる。筐体1には真空排気管(図示略)が連結されて上記各加熱室21A〜21C内を所定の真空度に維持できるようになっている。なお、各加熱室21A〜21Cは図略のゲート弁によって搬送装置3に面する側が開閉できる。
搬送装置3は垂直リフト31を備えている。垂直リフト31は上記特許文献1(特表2013−504686)に記載されたものと同様の構造である。すなわち、図4に示すように垂直リフト31は上下方向へ架設された左右一対のチェーン311,312を備え、チェーン312には水平なプラットホーム313が装着されている。プラットホーム313上にはギア機構33が設けられて当該ギア機構33の入力側はチェーン311に連結されている。また、プラットホーム32上には側方へ二段で伸縮可能なフォーク体34,35が配設されており、これらフォーク体34,35は上記ギア機構33の出力側に連結されて伸縮駆動されるようになっている。
ワークは例えば格子状のトレイ上に複数が平面状に配置されてフォーク体35上に載置される。ワークを上下方向へ搬送する場合には両チェーン311,312を同時に作動させて、プラットホーム313を所定の加熱室21A〜21Cに対向する位置へ昇降させる。この後、チェーン312を停止してチェーン311のみを作動させ、ギア機構33を介してフォーク34,35を側方へ伸長させて、加熱室21A〜21C内へワークを載せたトレイを挿入し、ないし処理後のワークを載せたトレイを加熱室21A〜21C内から取り出す。なお、搬送装置3は上記構造に限られず、公知の他の構造を採用することができる。
ガス冷却室4には真空排気管が連結されるとともに窒素等の冷却ガス供給管が連結されている(いずれも図示略)。ガス冷却室の上部の開口には既述のようにダクト61が連結されている。ダクト61は室外に設けた熱交換器としてのガスクーラ62に至っている。ガスクーラ62を経てさらに延びるダクト61は送風ファン63の吸引側に連結されている。送風ファン63の吐出側からは送風配管64が延び、送風配管64は途中からダクト61内に挿通されてガス冷却室4内の上部に突出開口している。このようなダクト61と送風配管64とで冷却ガス循環配管を構成している。垂直リフト31のフォーク34,35(図4)は加熱装置2とは反対側にあるガス冷却室4内へも伸長可能である。なお、ガス冷却室4に通じる筐体1の上記開口11には真空扉71が設けられている。
このような構造の真空焼入れ処理設備において、真空扉52を開放して開口43からガス冷却室4内へワークが装入されると、真空扉52が閉鎖されてガス冷却室4の真空排気が行われて筐体1内と同じ真空度まで減圧される。その後、真空扉71が開放されて、搬送装置3によってワークがガス冷却室4内から取り出され、必要な温度に設定された加熱室21A〜21A内にワークが装入されて加熱ないし加熱浸炭処理が行なわれる。加熱室21A〜21Cにおける処理を終えたワークは搬送装置3によってガス冷却室4へ戻される。
ワークをガス焼入れする場合は、真空扉71が閉鎖された後、ガス冷却室4内にガス供給管64から冷却ガスが供給される。ここで、本実施形態では、ダクト61とガス供給管64とで独立した冷却ガス循環配管を設置し、当該冷却ガス配管中に設置した大型の送風ファン63によって大容量の冷却ガスをガス冷却室4に供給することができるからワーク冷却能力が増大しており、このような冷却ガスがガス冷却室4内のワークに送給されることによって、液冷却に近い焼入れ効果が発揮されてワークのガス焼入れが行われる。ガス焼入れ終了後は、復圧の後、真空扉52が開放されてワークは開口43から外へ取り出される。
なお、上記実施形態では、冷却ガス循環配管を構成する送風配管64をダクト61内に通しているが、送風配管をダクト外に独立して設けるようにしても良い
1…筐体、2…加熱装置、21A,21B,21C…真空加熱室、3…搬送装置、4…ガス冷却室、41…ハウジング、42…駆動モータ、44…開口、61…ダクト(冷却ガス循環配管)、62…ガスクーラ(熱交換器)、63…送風ファン、64…送風配管(冷却ガス循環配管)。

Claims (2)

  1. 複数の真空加熱室とこれら真空加熱室内へワークを出し入れする搬送装置とを、一端が開放する筐体内に収納し、当該筐体の開放部に気密的にガス冷却室のハウジングを連結した真空焼入れ処理設備において、前記ガス冷却室のハウジングに設けた開口に独立した冷却ガス循環配管を接続し、冷却ガス循環配管中に熱交換器と送風ファンを設置して、前記開口から前記ガス冷却室内の冷却ガスを吸引し熱交換させた後に再び前記開口から前記ガス冷却室内へ冷却ガスを戻すようにしたことを特徴とする真空焼入れ処理設備。
  2. 前記ハウジングの開口は、当該開口に設けられた、ガス冷却室の撹拌扇を駆動する駆動モータを取り去って開口させたものである請求項1に記載の真空焼入れ処理設備。
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