JP2010107194A - 熱処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱処理室の径方向の寸法を小さくすることによって装置の小型化を実現すると共に、熱処理室内でのガスのスムーズな流れを確保することにより被処理物を均一に熱処理する。また被処理物に熱処理を施すガスの圧力損失を小さくすることによって高性能なファンを不要とし、装置コスト、運転コストを削減する。
【解決手段】被処理物を熱処理室に搬入または搬出するため若しくは点検を行うための扉を有する熱処理装置において、上記扉に上記被処理物を冷却するファンと、ファンにより流れを与えられたガスと熱処理室の外部から熱処理室の内部に導かれる冷媒とを熱交換する熱交換器12と、熱交換器12のガスの流入面に設けられると共にガスを分散させた状態で熱交換器12にガスを送り込むガス分散部16とを設ける。
【選択図】図4

Description

本発明は、被処理物に対して熱処理を行う熱処理装置に関する。
被処理物である金属材を加熱し、冷却することによって所謂焼入れ等の処理を行う熱処理装置の1つに、複数の熱処理室を備える多室型熱処理装置があり、熱処理室として、被処理物を加熱する加熱室と、被処理物を冷却する冷却室とを備えている。一般的に、被処理物を冷却する方法としては、被処理物を冷却油に浸漬して冷却する油冷却方法と冷却室を加圧してから被処理物に冷却ガスを吹付けて冷却する高圧ガス冷却方法とがある。油冷却方法によると、冷却後、被処理物に冷却油が付着するので洗浄等によって冷却油を落とさなくてはならない。このため被処理物の処理工程が増えてしまい、装置の巨大化、コスト増大等の問題が生じる。
したがって、近年では、高圧ガス冷却方法が注目されている。この高圧ガス冷却方法によれば、油冷却方法に近い冷却時間で被処理物を冷却することも可能であり、冷却油の付着もないので、冷却した被処理物をすぐに装置から搬出できる。この高圧ガス冷却方法を実施する冷却室は、高圧に耐える構造とするために中空の円筒材を用いて形成され、被処理物を搬入等するための扉が設けられている。そして、冷却ガスを冷却室内部において循環させることによって対処物にあてるファンと冷却ガスを冷却するための熱交換器とが冷却室の内周面上にそれぞれ設置されている。
特許第2731127号公報 中谷好良,「熱処理(35巻2号)最新の加圧冷却真空炉」,平成7年4月,p.124〜128
しかしながら、上述のように、従来の多室型熱処理装置においては、冷却ガスを循環させるためのファン及び熱交換器が冷却室の内周面上に設置されており、被処理物との干渉を避けるために冷却室の径方向の寸法を大きくする必要があり、結果として装置の大型化を招くことになる。また、ファン等が冷却室の内周面上に設置されるので、ガス流路の制約が多く、ガスの流れにムラが生じやすくなり、被処理物を均一に冷却するような流れを冷却ガスに与えることが困難であるという問題が生じる。これに加え、冷却ガスの流れがスムーズでないことから冷却ガスの圧力損失が大きくなり、大きな出力を有するファンを用いなくては冷却ガスに充分な流速を与えることができないという問題も生じる。例えば、冷却室の外部にファン及び熱交換器を配置してダクトを介して冷却室内部に冷却ガスを流し込むという技術も考えられるが、この場合、ダクトも冷却室と同様に耐圧設計する必要があり、コスト面等から不利となる。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、以下の点を目的とするものである。
(1)熱処理室の径方向の寸法を小さくすることによって装置の小型化を実現すると共に、熱処理室内でのガスのスムーズな流れを確保することによって被処理物を均一に熱処理する。
(2)被処理物に熱処理を施すガスの圧力損失を小さくすることによって高性能なファンを不要とし、装置コスト、運転コストを削減する。
上記目的を達成するために、本発明では、第1の手段として、被処理物に対して熱処理を行いかつ扉を有する熱処理室であって、前記扉に前記被処理物を冷却するファンを設けるという構成を採用する。
第2の手段として、上記第1の手段において、前記扉は、前記被処理物を熱処理室内に搬入または搬出するため、若しくは前記熱処理室内を点検するために使用される扉であるという構成を採用する。
第3の手段として、上記第1または第2の手段において、上記ファンにより形成されるガス流を所定の経路で循環させるためのガス流路形成装置を備えるという構成を採用する。
第4の手段として、上記第1〜第3いずれかの手段において、上記ファンにより流れを与えられたガスと、上記熱処理室の外部から熱処理室の内部に導かれる冷媒とを熱交換する熱交換器を備えるという構成を採用する。
第5の手段として、上記第4の手段において、上記熱交換器は、上記被処理物と上記ファンとの間に設置され、上記ガス流は、ファン・被処理物・熱交換器の順またはファン・熱交換器・被処理物の順に循環されるという構成を採用する。
第6の手段として、上記第4または第5の手段において、上記熱交換器のガスの流入面には、上記ガスを分散させた状態で上記熱交換器に上記ガスを送り込むガス分散部が備えられるという構成を採用する。
第7の手段として、上記第1〜第6いずれかの手段において、上記扉は、上記熱処理室に対して近接あるいは離間するためのスライド装置を備えるという構成を採用する。
第8の手段として、上記第1〜第7いずれかの手段において、上記ガスが熱処理室の外部から熱処理室の内部に供給される際に、上記ガスは、ガス吐出枝管を介して上記被処理物全体に吹付けられるという構成を採用する。
被処理物を均一に熱処理することが可能となる。また、装置コスト、運転コストを削減することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る熱処理装置1の縦断面の概略図である。 本発明の一実施形態に係る熱処理装置1の横断面の概略図である。 (a)は本発明の一実施形態に係る冷却室2の拡大図であり、(b)は(a)のA−A矢視図である。 本発明の一実施形態に係る熱交換器12周辺の拡大図である。 複数の熱処理室を有する熱処理装置20の全体を模式的に示した図である。 図5に示した熱処理装置とは異なる形態を有する熱処置装置の横断面図である。
以下、図面を参照して、本発明に係る熱処理装置の一実施形態について説明する。図1及び図2は、本実施形態に係る熱処理装置1の全体構成の概略図であり、図1は縦断面図、図2は横断面図である。これらの図に示すように、本熱処理装置1は、被処理物Xを冷却する冷却室(熱処理室)2、被処理物Xを加熱する加熱室3を備える多室型熱処理装置であり、これらに加えて、冷却室2と加熱室3との間に中間室4を有している。この熱処理装置1は、扉5が閉じた状態では、内側空間が外部と遮断された密閉状態となる。
図3の(a)は冷却室2の拡大図であり、(b)は(a)のA−A矢視図である。冷却室2は、冷却室2の内部が加圧状態となった場合にその圧力に耐えられるように略円筒形に形状設定されており、この円筒形の中心軸が水平となるように姿勢設定されている。冷却室2の側面部(円筒形の底面部)には、一方側(図1及び図2における右側)にクラッチ式の扉5が設置されており、他方側(図1及び図2における左側)にクランプ式の真空シールド扉(中間扉)8が設置されている。この冷却室2の内部には、冷却室2の中心軸方向に長い略直方体形の風路室6が設置され、該風路室6の上方にはガス流案内板7aが、風路室6の下方にはガス流案内板7bが設置されている。そして、図3(b)に示すように、風路室6の外側は、仕切板33によって上下に2分されている。
風路室6の長手方向に対応する側面部6a,6bは、風路室6の本体に対して着脱自在に形成されており、側面部6aが扉5に固定され、側面部6bが真空シールド扉8に固定されている。そして、扉5及び真空シールド扉8が閉まった場合に風路室6の内部が閉じられた空間となる。風路室6の上壁部及び下壁部には、冷却ガスYを整流して通過させる格子状の整流板9a,9bが形成されている。これに加え、風路室6の内部には、被処理物Xを載置するための載置台10が設置されている。この載置台10は、冷却ガスYが通過できるように、例えばフレーム状に形成されると共に、被処理物Xの移送を良好に行うためのフリーローラ11が設置されている。
また、風路室6の内部には、冷却室2の外部から供給される冷却ガスYが被処理物Xの全体に吹付けられるように形状設定されたガス吐出枝管30が被処理物Xを囲むように設置されている。具体的には、4本のガス吐出枝管30が各々風路室6の長手方向に配置されている。このガス吐出枝管30は、被処理物Xに向けて冷却ガスYが吐出するようなガス吐出口が複数形成されており、ヘッダー管34に各々接続されている。そして、ガス吐出枝管30は、ヘッダー管34を介して冷却ガスYがガス吐出枝管30に供給される。なお、このように構成された冷却室2は、扉5及び真空シールド扉8が閉まった場合には、外部と遮断された密閉空間となる。
本熱処理装置1の特徴的部分である扉5は、図示するように、中空に形状設定されており、その内部には、熱交換器12、冷却ファン13及びダンパ14a,14b(ガス流路形成装置)が備えられている。この熱交換器12の外部は、冷却室2と同様に仕切板(図示せず)によって上下に2分されており、この仕切板によって熱交換器12を格納する略直方体形の熱交換器収納室15が扉5内部のほぼ中央に支持されている。
この熱交換器格納室15の一方側の側面部には、上述した風路室6の側面部6aが固定されている。また、熱交換器格納室15の他方側の側面部と上壁部と下壁部には、図4に示すように、各々冷却ガスYが通過するためのガス通過口15a〜15cが形成されている。熱交換器12は、水と冷却ガスYを熱交換することによって冷却ガスYを冷却するものであり、熱交換器格納室15の内部に格納されるように設置されている。
この熱交換器12と熱交換器格納室15との間には、該熱交換器12を囲むようにガス分散部16が配置されている。このガス分散部16は、ガス通過口15bあるいはガス通過口15cから熱交換器格納室15の内部に流入してきた冷却ガスYを分散させてガス分散部16の内部に流入させるものであり、例えば金属材に複数の穴を形成したパンチングメタル等で構成されている。
冷却ファン13は、熱交換器12からガス通過口15aを通過してきた冷却ガスYに流れを与えるためのものであり、熱交換器12と扉5の内周面との間、すなわち、冷却室2に載置される被処理物Xの側面から水平方向に離間するように配置されている。この冷却ファン13は、扉5から突出するように設置された冷却ファンモータ17(図1及び図2参照)によって駆動される。
ダンパ14a,14bは、冷却ファン13によるガス流の方向を決定するものである。ダンパ14aはガス通過口15b及びガス通過口5aに対応して設置され、熱交換器格納室15の上方に形成されたガス通過口5a(図3参照)あるいはガス通過口15bを選択的に閉鎖するものである。一方、ダンパ14bはガス通過口15c及びガス通過口5bに対応して設置され、熱交換器格納室15の下方に形成されたガス通過口5b(図3参照)あるいはガス通過口15cを選択的に閉鎖するものである。
このような構成によれば、ダンパ14aがガス通過口15bを閉鎖し、ダンパ14bがガス通過口5bを閉鎖している場合には、冷却ガスYは、冷却ファン13→ガス通過口5a→ガス流案内板7a→整流板9a→被処理物X→整流板9b→ガス流案内板7b→ガス通過口15c→熱交換器12→ガス通過口15a→冷却ファン13の順に流れる。また、ダンパ14aがガス通過口5aを閉鎖し、ダンパ14bがガス通過口15cを閉鎖している場合には、冷却ガスYは、冷却ファン13→ガス通過口5b→ガス流案内板7b→整流板9b→被処理物X→整流板9a→ガス流案内板7a→ガス通過口15b→熱交換器12→ガス通過口15a→冷却ファン13の順に流れる。すなわち、ダンパ14a,14bによって選択的にガス通過口15b,15c,5a,5bを閉鎖することによって所定のガス流が形成される。
また、扉5は、支持脚28によって支持されており、この支持脚28は地面に設置されたスライド装置29に固定されている。このスライド装置29が駆動することによって、扉5は、図示するように、冷却室2に対して水平方向に近接あるいは離間する。このようなスライド装置29を採用することによって扉5の開閉を容易に行うことが可能となる。なお、容易に扉5を開閉する機構としては、スライド装置29に限られるものではなく、例えば、ヒンジ装置等であっても良い。
再び図1及び図2の説明に戻ると、加熱室3は、冷却室2と同様に略円筒形に形状設定されており、図示するように、冷却室2に対向配置されている。また、加熱室3に連結された搬送棒収納室18の内部には、本熱処理装置1の内部において、被処理物Xが載置されたトレーTを搬送することによって被処理物Xを搬送するための搬送棒19が設置されている。
加熱室3の内部には略直方形に形状設定された断熱室20が設置されている。この断熱室20の一方側(冷却室2と対向する側)の側面部20aには、断熱扉21が設置されており、他方側の側面部20bには搬送棒19の出入口となる搬送棒用扉22が設置されている。この搬送棒用扉22は、加熱室3の外壁から突出するように設置された昇降部26によって開閉が規定される。なお、この搬送棒用扉22も断熱扉21と同様に断熱設計されている。断熱室20の内部には、被処理物Xを載置するための載置台23が設置されている。この載置台23は、被処理物Xが均一に加熱されるように、例えばフレーム状に形成されると共に、被処理物Xの移送を良好に行うためのフリーローラ24が設置されている。なお、断熱室20内部に設置された載置台23と風路室6内部に設置された載置台10は、同じ高さに配置されている。また、断熱室20の内部には、被処理物Xを加熱するためのヒータ25が複数設置されている。
中間室4は、中空の略方形状に形状設定されており、冷却室2と加熱室3との間に配置されている。その上部には、真空シールド扉8を昇降するためのシールド扉用昇降部26と断熱扉21を昇降するための断熱扉用昇降部27とが設置されている。
また、冷却室2、加熱室3及び中間室4の外部には、加圧ガス供給装置31及び減圧装置32が設置されている。加圧ガス供給装置31は、冷却ガスYをヘッダー管30を介して冷却室2内部に供給するものである。また、減圧装置32は、熱処理室の内部を真空引きするためのものであり、冷却室2及び中間室4に各々接続されている。
次に、このように構成された本発明に係る熱処理装置の動作について説明する。
まず、スライド装置29によって扉5が冷却室2に対して離間された状態で、トレーTに載置された被処理物Xは、風路室6内部の載置台10に載置される。そして、扉5がスライド装置29によって冷却室2に当接され、冷却室2が密閉される。そして、冷却室2、加熱室3及び中間室4は、減圧装置32の駆動によって真空引きされる。そして、昇降部26、真空シールド扉用昇降部26及び断熱扉用昇降部27とが駆動することによって搬送棒用扉22、真空シールド扉8及び断熱扉21が開放される。
ここで、搬送棒19の先端部にトレーTが係合されて引かれることによって、被処理物Xは、風路室6内部の載置台10から断熱室20内部の載置台23上に移送される。そして、再び昇降部26及び断熱扉用昇降部27とが駆動して搬送棒用扉22及び断熱扉21が閉じられる。そして、この状態において、被処理物Xは、ヒータ25によって加熱される。被処理物Xの加熱が完了すると、搬送棒用扉22及び断熱扉21が開放され、被処理物Xは、搬送棒19によって再び風路室6内部の載置台10に移送される。そして、被処理物Xが風路室6の載置台10に移送されると、真空シールド扉8が密閉される。
そして、図3(b)に示すように、加圧ガス供給装置31から加圧された冷却ガスYがヘッダー管34を介してガス吐出枝管30に供給され、さらにこのガス吐出枝管30からガス吐出口を介して被処理物X全体に均一に吹付けられる。したがって、加圧ガス供給装置31から供給される冷却ガスYが、ただ冷却室2に供給されるのではなく、被処理物X全体に吹付けられるため、これにより、被処理物Xが均一に冷却される。すなわち、冷却ガスYを有効活用することができる。このように加圧ガス供給装置31から冷却ガスYが冷却室2に供給されることによって、冷却室2内部は、例えば900kPa〜5MPaに加圧される。
そして、ダンパ14a,14bが所定時間ごとに閉鎖するガス通過口15b,15c,5a,5bを変えることによって冷却ガスYの流れる方向を変化させ被処理物Xを均一に冷却する。ここで、ダンパ14aがガス通過口15bを閉鎖し、ダンパ14bがガス通過口5bを閉鎖している場合、図4に示すように、冷却ガスYは、冷却ファン13によって流れを与えられ、ガス通過口5aを通過してガス流案内板7aに向かって流れる。そして、冷却ガスYは、ガス流案内板7aによって緩やかに上方から下方に向かう流れに変換され、その後整流板9aによって均等流化されて被処理物Xに向かう。
整流板9aによって均等流化された冷却ガスYは、上方から被処理物Xに均等にあたることによって被処理物Xの上部を均一に冷却し、さらに積置台10及び整流板9bを通過してガス流案内板7bに向かう。そして、冷却ガスYは、ガス流案内板7bによって緩やかに水平方向の流れに変換され、ガス通過口15cを通過して熱交換器12に向かう。その後冷却ガスYは、熱交換器12によって冷却されからガス通過口15aを通過して、再び、冷却ファン13によって流れを与えられる。なお、熱交換器12は、ガス分散部16によって囲まれている。このため、冷却ガスYの流れに圧力損失が生じ、冷却ガスYは、熱交換器12の全体に行きわたるので、熱交換器12によって効率的に冷却ガスYを冷却することができる。
一方、ダンパ14aがガス通過口5aを閉鎖し、ダンパ14bがガス通過口15cを閉鎖している場合、冷却ガスYは、冷却ファン13によって流れを与えられ、ガス通過口5bを通過してガス流案内板7bに向かって流れる。そして、冷却ガスYは、ガス流案内板7bによって緩やかに下方から上方に向かう流れに変換され、その後整流板9bによって均等流化されて被処理物Xに向かう。
整流板9bによって均等流化された冷却ガスYは、積置台10を通過して下方から被処理物Xに均等にあたることによって被処理物Xの下部を均一に冷却し、さらに整流板9aを通過してガス流案内板7aに向かう。そして、冷却ガスYは、ガス流案内板7aによって緩やかに水平方向の流れに変換され、ガス通過口15bを通過して熱交換器12に向かう。その後冷却ガスYは、熱交換器12によって冷却されからガス通過口15aを通過して、再び、冷却ファン13によって流れを与えられる。
そして、被処理物Xが所定の温度まで冷却されると、扉5が冷却室2から脱離され、被処理物Xが外部に搬出される。
このように、本熱処理装置1によれば、冷却ファン13が扉5に設置されている。このため、冷却室2の径を小さくすることができるので、被処理物Xを均一に冷却することが可能となる。また、ガス流案内板7a,7bによって緩やかに冷却ガスYの流れが変換されるので、圧力損失が抑制され、結果、出力の小さい冷却ファン13を用いることができるのでコストを削減することが可能となる。
図5は、さらに複数の熱処理室を有する熱処理装置20の全体を模式的に示した図である。この図5に示す熱処理装置20は、上述の冷却室2の他に、被処理物Xに対して浸炭処理を行う複数の浸炭処理室21〜24や準備室29を備えており、これらの浸炭処理室21〜24、冷却室2及び準備室29が各々搬送室27に接続されている。この搬送室27には、各室に被処理物Xを搬送する機構(不図示)が設けられている。そして、図5に示す熱処理装置20においては、熱処理装置20に被処理物Xを搬入または熱処理装置20から被処理物Xを搬出するための扉28が設置されている。また、冷却室2には、冷却室2内部の点検の場合に使用される点検用扉26が搬送室27と逆側の端部に設けられており、搬送室27側に真空シールド扉8(図1参照)を有する中間室4が設けられている。そして、この点検用扉26に冷却ファン13等(図1参照)が設置されている。このように、冷却室2の端部に設けられた扉26が被処理物Xを冷却室2内に搬入・搬出するために使用される扉でない場合であっても、点検用扉26に冷却ファン13等を設置することによって、図5において示した熱処理装置20は、図1〜図4において示した熱処理装置1と同様の効果を奏する。
なお、本実施形態において示した冷却室2のような高圧室には、定期点検が義務付けられているため、冷却室に被処理物Xを搬入・搬出するための扉が設置されていない場合であっても、点検用の扉が設置されている場合が一般的である。したがって、このような点検用の扉に冷却ファン13等を設置することによって、冷却室の径方向の寸法を小さくすることによって装置の小型化を実現すると共に、冷却室内でのガスのスムーズな流れを確保することにより被処理物Xを均一に熱処理することができる。また被処理物Xに冷却処理を施すガスの圧力損失を小さくすることによって高性能なファンを不要とし、装置コスト、運転コストを削減することができる。
また、被処理物Xを搬入・搬出するための扉でなく、点検用の扉が冷却室に設置される熱処理装置の形態としては、図5に示した熱処理装置20の他に、例えば、被処理物Xを油冷するための冷却油が貯留された油槽を囲んで、冷却室、複数の加熱室、準備室等が配置される多室型の熱処理装置等がある。また、準備室、複数の加熱室、冷却室が直列に配置されるストレート型の熱処理装置においても点検用の扉が冷却室に設置される。
図6は、点検用の扉が冷却室に設置される熱処理装置であって、図5に示した熱処理装置とは異なる形態を有する熱処置装置の横断面図である。この図に示すように、本熱処理装置は、加熱室3と冷却室2との間にある中間室4に、加熱室出口扉40と、この加熱室出口扉40に対して対向配置される炉外抽出扉41とを有しており、そして中間室4の他の壁面(紙面右側の面)に冷却室中間扉42を有する。このような熱処理装置の場合、まず、加熱室3において処理した被処理物Xを中間室4を介して冷却室2に搬送し、被処理物Xの冷却が完了した後に中間室4に戻して炉外に抽出する場合がある。この場合においても、冷却室2に設置された扉26は被処理物Xの搬入抽出目的ではなく冷却室2内の点検用として用いられる。したがって、図6において示した熱処理装置においても、扉26に冷却ファン13等を設置することによって、図1〜図4において示した熱処理装置1と同様の効果を奏することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のような変形例が考えられる。
(1)上記実施形態において、被処理物Xに対して上下方向から冷却ガスYをあてた。しかしながら、上記実施形態における冷却室2及び扉5の構成を各中心軸に対して90°回転させて構成することによって、被処理物Xに対して、左右方向から冷却ガスYをあてても良い。また、これらの組合わせによって、被処理物Xに対して上下左右方向から選択的に冷却ガスYをあてるような構成を採用しても良い。
(2)上記実施形態において、本熱処理装置1は、冷却室2と加熱室3の2つの熱処理室を備えているとした。しかしながら、これに限定されるものではなく、さらに複数の熱処理室を備えても良い。また、1つの熱処理室によって加熱及び冷却を行う単室型の熱処理装置にも本発明を採用することができる。
(3)上記実施形態において、スライド装置29が駆動することによって、扉5は、冷却室2に対して水平方向に近接あるいは離間するとした。しかしながら、これに限定されるものではなく、例えば、扉5を上下方向にスライドさせることによって冷却室2に対して近接あるいは離間させるようなスライド装置を設置しても良い。
(4)上記実施形態において、冷却ガスYを冷却ファン13・被処理物X・熱交換器12の順に循環させた。しかしながら、冷却ファン13・熱交換器12・被処理物Xの順に循環させても良い。この場合には、例えば、上記実施形態とは逆向きに冷却ガスYを流せるように冷却ファン13を設置し、冷却ファン13から送られてきた冷却ガスYが熱交換器12に分散して流入されるようにガス分散部16を形成すれば良い。
1,20……熱処理装置
2……冷却室(熱処理室)
3……加熱室
5……扉
12……熱交換器
13……冷却ファン(ファン)
14a,14b……ダンパ
29……スライド装置
30……ガス吐出枝管
X……被処理物
Y……冷却ガス(ガス)

Claims (5)

  1. 被処理物に対して熱処理を行いかつ扉を有する熱処理室を備える熱処理装置であって、
    ガスに流れを与えてガス流を形成することによって被処理物を冷却すると共に前記扉に設けられるファンと、
    前記ファンにより流れを与えられたガスと前記熱処理室の外部から熱処理室の内部に導かれる冷媒とを熱交換する熱交換器と、
    前記熱交換器のガスの流入面に設けられると共に前記ガスを分散させた状態で前記熱交換器に前記ガスを送り込むガス分散部と
    を備えることを特徴とする熱処理装置。
  2. 前記扉は、前記被処理物を熱処理室内に搬入または搬出するため、若しくは前記熱処理室内を点検するために使用される扉であることを特徴とする請求項1記載の熱処理装置。
  3. 前記ファンにより形成されるガス流を所定の経路で循環させるためのガス流路形成装置を備えることを特徴とする請求項1または2記載の熱処理装置。
  4. 前記熱交換器は、前記被処理物と前記ファンとの間に設置され、前記ガス流は、ファン・被処理物・熱交換器の順またはファン・熱交換器・被処理物の順に循環されることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の熱処理装置。
  5. 前記扉は、前記熱処理室に対して近接あるいは離間するためのスライド装置を備えることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の熱処理装置。
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