JP2015209929A - 回転軸制振制動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構成で車両の回転軸の捩り振動の増大を抑制し、且つ回転軸の回転の制動が可能な回転軸制振制動装置の提供。【解決手段】プロペラシャフト5に固定される磁石10及び回転ブラケット11と、コイルバネ12を介して回転ブラケット11に連結される回転ホイール13に磁石10と相対向して配置されて磁石10との間に空隙を区画する発電コイル部15が固定されている。プロペラシャフト5に捩り振動が発生すると、磁石10と発電コイル部15とがプロペラシャフト5の周方向へ相対移動して発電コイル部15に起電力が誘起され、静止コイル部19に捩じり振動周波数に応じた誘導電流が流れ、静止コイル部19に接続された共振回路部22で吸収される。また、車両2がエンジンブレーキ状態のときは、固定子設定部33が固定子部27の渦電流発生部28が空隙に挿入された挿入位置に渦電流発生部28を設定する。【選択図】図2

Description

本発明は、車両のエンジンの回転を車輪側に転達する回転軸の捩じり振動を抑制し、且つ回転軸の回転を制動する回転軸制振制動装置に関する。
特開2009−115184号公報には、エンジン側のプライマリフライホイールと、クラッチ側のセカンダリマスホイールとがトーションスプリング及びフランジを介して回転方向に互いに連結されたデュアルマスホイールが記載されている。この装置では、クランクシャフトからプライマリフライホイールに捩り振動成分が入力されると、プライマリフライホイールとセカンダリマスホイールとが相対回転してトーションスプリングが伸縮し、トーションスプリングの弾性作用によって捩り振動が吸収・減衰される。
また、特開平3−128661号公報には、渦電流式リターダが記載されている。この装置では、自動車のトランスミッションの出力軸に導体で且つ磁性体の材料からドラム状に形成されたロータが設けられる。このロータの内側に位置してトランスミッションケースによって支持されるステータが出力軸方向に往復自在に設けられている。このステータは複数個の永久磁石が付設された円環状の支持リングを有し、ステータがロータのドラム内に挿入されると永久磁石とロータとの間に磁気回路が構成され、ロータの内周面にロータの回転に減速制動を与える渦電流が流れ、ロータに締結された出力軸に制動力が加わり、車両の減速制動が達成される。
また、特開2005−199971号公報には、車両の振動を抑制する自動車が記載されている。この自動車では、アクセル開度と車速とに基づいてエンジンの目標トルクが設定されるが、目標トルクに対してエンジン回転数が変動しやすい領域では、エンジン回転数の変動の位相と逆位相の補正トルクをモータから出力することによって、エンジン回転数の振動に起因する車両の振動を抑制することができる。
特開2009−115184号公報 特開平3−128661号公報 特開2005−199971号公報
車両の燃費向上のためのエンジンのダウンサイジング化やダウンスピード化は、エンジン回転軸の捩り振動の増大やエンジンブレーキ力の減少等の現象を招くことから、これらの現象への適切な対策が要求されている。
しかし、特許文献1に記載の上記装置では、デュアルマスホイールによって回転軸の捩り振動が吸収・減衰されるが、上記装置によって回転軸の回転に対する制動力は生じさせることはできないのでエンジンブレーキ力減少への対応はできない。また、特許文献2に記載の装置では、渦電流によって車両の減速制動は達成されるが、出力軸の捩り振動の抑制には対応はできない。特許文献1及び特許文献2に記載の装置を組み合わせることによって、エンジン回転軸の捩り振動の抑制と回転軸の制動とが可能となるが、部品点数、重量及び設置スペースの増大を招く可能性がある。また、特許文献3に記載の上記装置では、モータの駆動出力を制御することによってエンジン回転軸の捩り振動を抑制し、またモータを回転軸の負荷とすることによって回転軸の回転を制動することが可能である。しかし、エンジンの回転数変動に伴うトルク変動に対してモータに逆位相のトルクを発生させて能動的に回転軸の捩り振動を制振するため、複雑な制御システムが必要となり回転軸の捩り振動トルクとモータの駆動トルクとの間に位相ズレなどが生じた場合には逆に回転軸の捩り振動が拡大するおそれがある。また、上記装置の適用範囲も車両駆動用モータを有するハイブリッド車等に限定されてしまう。
そこで本発明は、簡単な構成で車両の回転軸の捩り振動の増大を抑制し、且つ回転軸の回転の制動が可能な回転軸制振制動装置の提供を目的とする。
上記目的を達成すべく、本発明の回転軸制振制動装置は、車両のエンジンの回転を車輪側に転達する回転軸の捩じり振動を抑制し、且つ回転軸の回転を制動する回転軸制振制動装置であって、磁石と、第1回転子と、弾性体と、第2回転子と、第1コイル部と、固定子と、固定子設定手段と、第2コイル部と、第3コイル部と、共振回路部と、を備える。磁石は、回転軸に固定され、回転軸の軸方向と交叉する回転軸交叉方向へ磁力線を発生させる。第1回転子は、回転軸に固定される。弾性体は、一端が第1回転子に固定され回転軸と同心状の周方向へ延びる。第2回転子は、第1回転子に対して回転軸と同心状の周方向へ相対移動可能に弾性体を介して第1回転子に連結される。第1コイル部は、回転軸交叉方向を中心軸として巻回されて磁石に相対向して第2回転子に固定される第1巻線を有し、磁石との間に空隙を区画する。固定子は、導電性磁性体によって形成されて回転軸の軸方向に沿って移動可能に車両の車体側に支持され、空隙に挿入される挿入位置と、空隙から離間する待避位置とが選択的に設定される。固定子設定手段は、固定子を挿入位置と退避位置とに選択的に設定する。第2コイル部は、回転軸と同心状に巻回されて回転軸に固定される第2巻線を有し、2巻線の一端は第1巻線の一端に接続され、第2巻線の他端は第1巻線の他端に接続される。第3コイル部は、回転軸から離間して回転軸と同心状に巻回されて車体側に支持される第3巻線を有し、第2コイル部に近接して配置される。共振回路部は、第3コイル部の第3巻線に接続されて所定の共振周波数で共振する共振回路を有する。
上記構成では、エンジンの回転を車輪側に転達する回転軸に磁石が固定され、回転軸の軸方向と交叉する回転軸交叉方向へ磁力線を発生させている。また、回転軸に固定された第1回転子に弾性体を介して連結された第2回転子に固定される第1コイル部の第1巻線は、回転軸の軸方向と交叉する回転軸交叉方向を中心軸として巻回されて磁石に相対向している。このため、磁石が発生する磁力線が第1巻線を貫通する。回転軸が略一定の回転速度で回転する場合のように、回転軸に固定された磁石及び第1回転子と、第1回転子に連結された第2回転子とが一体的に回転し、第1コイル部と磁石との相対位置が維持される回転状態においては、第1コイル部の第1巻線を貫通する磁石の磁力線の数は変化せず、第1コイル部には誘導起電力が誘起されない。
一方、エンジンの回転数変化等によって回転トルクが変動すると、動力伝達系の慣性等によって回転軸に対する捩り振動が発生する。回転軸に捩り振動が発生すると、第1回転子と第2回転子とを連結している弾性体が伸縮し、第2回転子が第1回転子及び磁石に対して回転軸と同心状の周方向へ相対移動し、回転軸の捩り振動に応じて第2回転子が磁石に対して回転軸と同心状の周方向へ相対的に振動する。第2回転子が相対的に振動すると、第1コイル部の第1巻線を貫通する磁石の磁力線の数が第2回転子の相対的な振動に応じて変化し、磁力線数の変化速度に応じた誘導起電力が第1巻線に誘起される。すなわち、回転軸の捩り振動に起因する誘導起電力が第1コイル部に生じ、第1コイル部及び第1コイル部に接続された第2コイル部に回転軸の捩り振動周波数で振動する振動電流が流れる。第2コイル部に振動電流が流れると、第2コイル部の第2巻線と第3コイル部の第3巻線との電磁的な相互誘導作用によって第3巻線に振動電圧が誘起され、回転軸の捩り振動周波数で振動する振動電流が流れる。この振動電流は第3巻線に接続された共振回路の例えば抵抗素子によって熱エネルギに変換されて消費される。共振回路の共振周波数を回転軸の捩り振動の振動周波数である所定の共振周波数に予め設定しておくことによって、回転軸に捩り振動が発生したときに第3巻線に流れる電流値が最大となり、共振回路によって消費される振動エネルギが増大するので、捩り振動を好適に抑制することができる。
また、車両の車体側に支持された固定子が、固定子設定手段によって第1コイル部と磁石との空隙の中に挿入された挿入位置に設定されると、磁石から発生している磁力線が固定子を貫通する。固定子は導電性の磁性体で形成されているので、回転軸が回転している場合は回転軸の回転速度に応じて固定子に渦電流が発生する。発生した渦電流は固定子内で熱エネルギとして消費されるので、回転軸の回転エネルギが減衰して回転軸の回転が制動する。なお、固定子が空隙から離間した待避位置に設定された場合には固定子に渦電流は発生せず、回転軸の回転は制動しない。
このように、車両の回転軸の捩じり振動の制振と、回転軸の回転の制動とを1つの装置で実現できるので、捩じり振動の制振と回転軸の回転の制動とをそれぞれ個別の装置を設置して行う場合と比べて、部品点数の削減や車体重量の増大の抑制が可能である。
また、回転軸の捩じり振動の振動エネルギを共振回路部で電気的に吸収するので、例えばフライホイールを用いた機械的な制振装置と比べて車体重量の増大を抑制し、設置スペースをコンパクト化することが可能である。また、捩り振動の振動エネルギを第3コイル部の共振回路で吸収する受動的な制振装置であるので、例えば回転軸の捩り振動トルクと逆位相のトルクを駆動モータに発生させて捩り振動を抑制する能動的な制振システムと比べて、簡単な構成であり、捩り振動が拡大するおそれがない。
また、上記回転軸制振制動装置は、共振回路部が互いに共振周波数の異なる複数の共振回路を有し、ギア段情報検知手段と、制御手段とを備えてもよい。ギア段情報検知手段は、車両の変速機のギア段の状態を示すギア段情報を検知し、制御手段は、ギア段情報検知手段が検知したギア段情報に基づいて、共振回路部の複数の共振回路のうちのいずれか1つを選択的に第3コイル部に接続する。
上記構成では、車両の変速機のギア段情報に応じて制御手段が複数の共振回路のうちいずれか1つを選択的に第3コイル部に接続する。このため複数の共振回路の各共振周波数を、変速機のギア段が切替えられたときに各ギア段で発生する回転軸の捩り振動の振動周波数に対応した共振周波数に予め設定しておくことによって、ギア段の切替によって回転軸の捩じり振動の振動周波数が変化した場合であっても、より好適に回転軸の捩り振動を抑制することができる。また、互いに異なる共振周波数を有する複数の共振回路を用いることによって、より広い周波数範囲の回転軸の捩じり振動を制振することが可能となる。
本発明の回転軸制振制動装置によれば、簡単な構成で車両の回転軸の捩り振動の増大を抑制し、且つ回転軸の回転の制動が可能となる。
本実施形態に係わる回転軸制振制動装置を備える車両の動力伝達系の主要部を示す模式図である。 図1のII−II矢視断面図である。 図2の固定子が空隙に挿入された挿入位置の説明図である。 図2のIV−IV矢視断面図である。 図2のV−V矢視断面図である。 図2のVI−VI矢視断面図である。 発電コイル部、回転コイル部、静止コイル部及び共振回路部の接続を示す説明図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態の回転軸制振制動装置1を搭載する車両2は、図1に示すようにエンジン3、トランスミッション4、及びプロペラシャフト(回転軸)5等から構成される動力伝達系を有する。
エンジン3は、燃料が噴射されることによって駆動力を発生しエンジン3の出力軸を回転駆動する。エンジン3の出力軸は、トランスミッション4の入力軸に連結され、トランスミッション4の出力軸は、プロペラシャフト5、差動装置6及びリアアクスル7を介して左右の駆動輪8に連結されている。
トランスミッション4は、例えば前進5段のギア段を有する多段変速機であり、変速要求時にはシフトアクチュエータ(図示省略)によってギア段が変更される。
回転軸制振制動装置1は、図2に示すようにケース9と、磁石(以下、符号10で総称することがある)10a及び10bと、回転ブラケット(第1回転子、以下、符号11で総称することがある)11a及び11bと、コイルバネ(弾性体)12と、回転ホイール(第2回転子)13と、発電用コイル部(第1コイル部、以下、符号15で総称することがある)15a及び15bと、回転コイル部(第2コイル部)17と、静止コイル部(第3コイル部)19と、シフトセンサ(ギア段情報検出手段)25と、共振回路部22と、共振回路制御部(制御手段)26と、固定子部(固定子)27と、固定子設定部(固定子設定手段)33とを備えている。
ケース9は、回転軸制振制動装置1の外周を覆う略円筒状に形成され、プロペラシャフト5の中心軸と同心状に配置される。ケース9の軸方向の一端9aがトランスミッション4に固定されて車両2の車体側に支持される。
磁石10a及び10bは、プロペラシャフト5の中心軸に対して軸対称位置にプロペラシャフト5の外周上にそれぞれ固定され、プロペラシャフト5の中心軸と交叉する中心軸交叉方向(回転軸交叉方向)へ突出し、プロペラシャフト5と共に回転する。磁石10a及び10bには永久磁石が用いられ、共に中心軸交叉方向の両端部に磁極を有しており、中心軸交叉方向に磁力線を発生させる。
回転ブラケット11a及び11bは、プロペラシャフト5の中心軸に対して軸対称位置にプロペラシャフト5の外周上に固定されてプロペラシャフト5の中心軸交叉方向へ突出する柱形状であり、プロペラシャフト5と共に回転する。
コイルバネ12は、図4に示すように、一端が回転ブラケット11の周方向の側面に固定されてプロペラシャフト5の中心軸と同心状の周方向へ延び、他端が後述の回転ホイール13の脚部14の周方向の側面に固定される。コイルバネ12は長手方向へ伸縮することによって弾性力を発生させる。
回転ホイール13は、図2及び図4に示すように円筒状に形成されドーナツ板状の底面部13aと、周壁部13bと、底面部13aの内周面から回転ホイール部13の中心軸に向かって軸対称に伸びる2個の脚部(以下、符号14で総称することがある)14a及び14bを一体的に有する。図4に示すように、回転ホイール13の脚部14a、14bと回転ブラケット11a、11bとがコイルバネ12によって連結されることによって、回転ホイール13とプロペラシャフト5とが同心状に位置し、回転ホイール13の脚部14と回転ブラケット11とがプロペラシャフト5の外周上で互いに略90°の間隔で交互に配置されている。また、回転ホイール13の脚部14の先端はプロペラシャフト5の外周面から離間し、回転ブラケット11の先端は回転ホイール13の底面部13aの内周面から離間している。
発電コイル部15a及び15bは、図5に示すように回転ホイール13の周壁部13b内側に固定され、プロペラシャフト5の中心軸交叉方向を中心軸として巻回される2個の第1巻線(以下、符号16で総称することがある)16a及び16bをそれぞれ有する。2個の第1巻線16a及び16bは、プロペラシャフト5の中心軸に対して軸対象であって磁石10a及び10bにそれぞれ相対向して配置され、磁石10a、10bとの間にそれぞれ空隙を区画する。第1巻線16a及び16bと磁石10a及び10bとが相対向して配置されているので、磁石10a及び10bの磁力線が第1巻線16a及び16bをそれぞれ貫通する。回転ブラケット10にコイルバネ12を介して連結された回転ホイール13と、プロペラシャフト5に固定された磁石10との相対位置がプロペラシャフト5の周方向へ変動すると、第1巻線16を貫通する磁力線数が変化し、第1巻線16a及び16bにそれぞれ磁力線数の変化速度に応じた誘導起電圧が発生する。なお、第1巻線16a及び16bとは、それぞれに発生した誘導起電圧が加算されるように直列に結線されている。
回転コイル部17は、図2に示すようにプロペラシャフト5の中心軸と同心状に巻回されてプロペラシャフト5の外周上に固定される円筒状の第2巻線18を有し、プロペラシャフト5と共に回転する。第2巻線18は、図7に示すように発電コイル部15の第1巻線16と直列に接続され、発電コイル部15に誘導起電力が発生すると回転コイル部17に誘導電流が流れる。
静止コイル部19は、図2に示すようにプロペラシャフト5の外周面からプロペラシャフト5の中心軸交叉方向に離間してプロペラシャフト5と同心状に巻回される円筒状の第3巻線20を有する。第3巻線20は、ケース9の内周面に固定されプロペラシャフト5方向に延びるドーナツ板状の支持フランジ21に一端が固定されて車両2の車体側に支持される。静止コイル部19は、プロペラシャフト5に固定された回転コイル部17に流れる電流によって回転コイル部17に発生した磁力線が、円筒状の静止コイル部19の円筒内を通るように回転コイル部17に近接して配置される。この結果、回転コイル部17に流れる電流が変動すると、静止コイル部19には電磁的な相互誘導作用によって誘導起電力が発生する。
シフトセンサ25は、トランスミッション4に設けられ、トランスミッション4のギア接続の有無及び接続されているギア段を検知して検知結果を共振回路制御部26へ出力する。
共振回路部22は、図7に示すように抵抗素子と容量素子とインダクタンス素子とが直列に接続され、選択スイッチ24を介して静止コイル部19に接続される複数の共振回路23を有する。共振回路23の抵抗素子の抵抗値をR、容量素子の容量値をC、インダクタンス素子のインダクタンス値をLとすると、共振回路23の共振周波数fcは式(1)のように表される。
fc=1/(2π(L×C)1/2) ・・・ (1)
共振回路23に振動電圧が付加されると、振動電圧の振動周波数が共振回路の共振周波数fcのときに共振回路23を流れる電流が最大となり、電流は抵抗素子によって熱エネルギに変換され、消費されるエネルギが最大となる。トランスミッション4のギア段毎にプロペラシャフト5に発生する捩じり振動の周波数が異なる場合は、ギア段毎の捩り振動周波数を予め実験等で求め、ギア段毎の捩り振動周波数に応じた共振周波数が共振回路23に設定される。本実施形態では、共振回路部22は、例えばトランスミッション4の5段のギア段に応じた共振周波数にそれぞれ設定された5個の共振回路23a〜23e及び5個の選択スイッチ24a〜24eを有している。
共振回路制御部26は、シフトセンサ25から出力されるギア段情報に基づき、共振回路23a〜23eの中から各ギア段に対応する共振回路を選択し、選択された共振回路23の選択スイッチのみをオンとし、他の選択スイッチをオフとすることによって選択された共振回路23を静止コイル部19に接続する。共振回路制御部26は、例えば半導体ロジック回路(図示省略)等によって構成される。
固定子部27は、図2に示すように渦電流発生部28と、3個の支持ブラケット32と、3個のエアシリンダ(固定子設定手段)29とを有する。渦電流発生部28は、例えば鉄などの導電性磁性体で形成される円筒状であり、エアシリンダ29によって支持ブラケット32に固定されている。支持ブラケット32は、ケース9の他端9bにケース9の軸方向に略直交して固定されてプロペラシャフト5方向へ延びる板状であり、ケース9の周方向に略等間隔に配置される(図6参照)。
エアシリンダ29は、シリンダ本体31と、ピストンロッド30とを有し、3個の支持ブラケット32にそれぞれ取付けられる。シリンダ本体31は、一端が支持ブラケット32に固定され、回転ホイール13に向かってケース9の軸方向へ延びる。ピストンロッド30の一端は渦電流発生部28の端部に固定され、他端はシリンダ本体31内部に挿入されている。エアシリンダに加圧空気が導入されると、図3に示すようにピストンロッド30の一端30aがシリンダ本体31から離間する方向へ移動し、渦電流発生部28が空隙の中に挿入された挿入位置に設定される。また、エアシリンダ29から加圧空気が排出されると、ピストンロッド30の一端30aがシリンダ本体31方向へ移動し、渦電流発生部28が空隙から離間した退避位置に設定される。なお、エアシリンダ29の数量は3個に限定されない。また、渦電流発生部28の移動はエアシリンダに限定されず、例えば油圧シリンダ等を用いてもよい。
固定子設定部33は、図1に示すようにシフトセンサ25の検知信号と、アクセルペダルが操作されているか否かを検知するアクセルセンサ(図示省略)の検知信号と、車両2の車速を検出する車速センサ(図示省略)からの車速信号とを取得し、トランスミッション4のギアが接続されており、車速がゼロでなく、且つアクセルペダルが操作されていないエンジンブレーキ状態において、固定子部27のエアシリンダ29に加圧空気を導入して渦電流発生部28を挿入位置に設定する。また、固定子設定部33は、エンジンブレーキ状態が解除された場合には、エアシリンダ29から加圧空気を排出して渦電流発生部28を退避位置に設定する。固定子設定部33は、例えば半導体ロジック回路(図示省略)等によって構成される。なお、エンジンブレーキ状態で常に渦電流発生部28を挿入位置に設定せず、例えばエンジンブレーキ状態のうちブレーキペダルが踏み込まれた場合等に限定して渦電流発生部28を挿入位置に設定してもよい。
本実施形態では、プロペラシャフト5の外周上に磁石10a及び10bが固定され、プロペラシャフト5の中心軸と交叉する中心軸交叉方向へ磁力線を発生させている。また、プロペラシャフト5には回転ブラケット11が固定され、コイルバネ12を介して回転ブラケット11に連結された回転ホイール13には、中心軸交叉方向を中心として巻回され磁石10に相対向している第1巻線16を有する発電コイル部15が固定されている。このため、磁石10が発生する磁力線が第1巻線16を貫通する。プロペラシャフト5が略一定の回転速度で回転する場合のように、プロペラシャフト5に固定された磁石10及び回転ブラケット11と、回転ブラケット11に連結された回転ホイール13とが一体的に回転し、発電コイル部15と磁石10との相対位置が維持される回転状態においては、発電コイル部15の第1巻線16を貫通する磁石10の磁力線の数は変化せず、発電コイル部15には誘導起電力が誘起されない。
一方、エンジン3の回転数変化等によって回転トルクが変動すると、動力伝達系の慣性等によってプロペラシャフト5に対する捩り振動が発生する。プロペラシャフト5に捩り振動が発生すると、回転ブラケット11と回転ホイール13とを連結しているコイルバネ12が長手方向へ伸縮して、回転ホイール13が回転ブラケット11に対してプロペラシャフト5の中心軸と同心状の周方向へ相対移動する。このため、プロペラシャフト5の捩り振動に応じて回転ホイール13が磁石10に対してプロペラシャフト5と同心状の周方向へ相対的に振動し、発電コイル部15の第1巻線16を貫通する磁石10の磁力線数が変化して、磁力線数の変化速度に応じた誘導起電力が第1巻線16に誘起される。すなわち、プロペラシャフト5の捩り振動に起因する誘導起電力が発電コイル部15に生じ、発電コイル部15及び発電コイル部15に直列に接続された回転コイル部17にプロペラシャフト5の捩り振動周波数で振動する振動電流が流れる。回転コイル部17に振動電流が流れると、回転コイル部17の第2巻線18と、回転コイル部17に近接して配置される静止コイル部19の第3巻線20との電磁的な相互誘導作用によって第3巻線20に振動電圧が誘起され、プロペラシャフト5の捩り振動周波数で振動する振動電流が第3巻線20に流れる。この振動電流は第3巻線20に接続された共振回路23の抵抗素子によって熱エネルギに変換されて消費されるので、プロペラシャフト5の捩り振動が減衰し、捩り振動を好適に抑制することができる。また、共振回路制御部26は、トランスミッション4のギア段に対応する共振回路23を共振回路部22から選択して静止コイル部19に接続している。共振回路23の共振周波数は、各ギア段で発生するプロペラシャフト5の捩り振動の振動周波数に対応した共振周波数に予め設定されているので、プロペラシャフト5に捩り振動が発生したときに、第3巻線20に流れる電流値が最大となり、共振回路23によって消費される振動エネルギが増大するので、捩り振動をより好適に抑制することができる。
また、車両2がエンジンブレーキ状態になった場合、固定子設定部33がエアシリンダ29を操作して固定子部27の渦電流発生部28が発電コイル部15と磁石10との空隙の中に挿入された挿入位置に設定すると、磁石10から発生している磁力線が渦電流発生部28を貫通する。渦電流発生部28は導電性磁性体で形成されているので、プロペラシャフト5の回転速度に応じて渦電流発生部28に渦電流が発生する。発生した渦電流は渦電流発生部28内で熱エネルギとして消費されるので、プロペラシャフト5の回転エネルギが減衰してプロペラシャフト5の回転が制動する。また、エンジンブレーキ状態が解除されると、固定子設定部33がエアシリンダ29を操作して渦電流発生部28を空隙から離間した待避位置に設定するので、渦電流発生部28での渦電流の発生が回避され、プロペラシャフト5の回転は制動しない。
このように、車両のプロペラシャフト5の捩じり振動の制振と、プロペラシャフト5の回転の制動とを1つの装置で実現できるので、捩じり振動の制振とプロペラシャフト5の回転の制動とをそれぞれ個別の装置を設置して行う場合と比べて、部品点数の削減や車体重量の増大の抑制が可能である。
また、プロペラシャフト5の捩じり振動の振動エネルギを共振回路部22で電気的に吸収するので、例えばフライホイールを用いた機械的な制振装置と比べて車体重量の増大を抑制し、設置スペースをコンパクト化することが可能である。
また、捩り振動の振動エネルギを静止コイル部19の共振回路23で吸収する受動的な制振装置であるので、例えばプロペラシャフト5の捩り振動トルクと逆位相のトルクを駆動モータに発生させて捩り振動を抑制する能動的な制振システム等と比べて、簡単な構成であり、捩り振動が拡大するおそれがない。
また、互いに異なる共振周波数を有する複数の共振回路23を用いることによって、簡単な構成で広い周波数範囲のプロペラシャフト5の捩じり振動を制振することが可能となる。
なお、本実施形態では、共振周波数の異なる複数の共振回路23a〜23eの中から適切な共振回路を選択することによって共振回路部22の共振周波数を変更したが、例えば共振回路部の共振周波数を捩じり振動の抑制が必要な所定の周波数に固定してもよい。この場合は、共振回路部の構成が簡素化される。
また、共振回路部22の共振周波数は、例えば共振回路の容量素子やインダクタンス素子に、容量値Cやインダクタンス値Lが可変である可変素子を用いることによって変更してもよい。
また、磁石及び相対向して配置される発電コイル部の数は、本実施形態のそれぞれ2個に限定されず、例えばそれぞれ3個以上設けてもよい。
また、静止コイル部19は、回転コイル部17からプロペラシャフト5の軸方向に離間し、回転コイル部17に近接して配置されているが、静止コイル部は、回転コイル部17からプロペラシャフト5の中心軸交叉方向へ離間し、回転コイル部17と静止コイル部とが2重の円筒状となるように配置されてもよい。この場合は回転軸制振制動装置1の回転軸方向の設置スペースが短縮される。
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施形態について説明したが、この実施形態による本発明の開示の一部をなす論述及び図面により本発明は限定されることはない。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論である。
本発明は、車両の回転軸の捩り振動を制振し、且つ回転を制動する回転軸制振制動装置として広く適用可能である。
1 回転軸制振制動装置
2 車両
5 プロペラシャフト(回転軸)
10 磁石
11 回転ブラケット(第1回転子)
12 コイルバネ(弾性体)
13 回転ホイール(第2回転子)
15 発電コイル部(第1コイル部)
16 第1巻線
17 回転コイル部(第2コイル部)
18 第2巻線
19 静止コイル部(第3コイル部)
20 第3巻線
22 共振回路部
23 共振回路
25 シフトセンサ(ギア段情報検知手段)
26 制御部(制御手段)
27 固定子部(固定子)
29 エアシリンダ(固定子設定手段)
33 固定子設定部(固定子設定手段)

Claims (2)

  1. 車両のエンジンの回転を車輪側に転達する回転軸の捩じり振動を抑制し、且つ前記回転軸の回転を制動するための回転軸制振制動装置であって、
    前記回転軸に固定され、前記回転軸の軸方向と交叉する回転軸交叉方向へ磁力線を発生させる磁石と、
    前記回転軸に固定される第1回転子と、
    一端が前記第1回転子に固定され前記回転軸と同心状の周方向へ延びる弾性体と、
    前記第1回転子に対して前記回転軸と同心状の周方向へ相対移動可能に前記弾性体を介して前記第1回転子に連結される第2回転子と、
    前記回転軸交叉方向を中心軸として巻回されて前記磁石に相対向して前記第2回転子に固定される第1巻線を有し、前記磁石との間に空隙を区画する第1コイル部と、
    導電性磁性体によって形成されて前記回転軸の軸方向に沿って移動可能に前記車両の車体側に支持され、前記空隙に挿入される挿入位置と、前記空隙から離間する待避位置とが選択的に設定される固定子と、
    前記固定子を前記挿入位置と前記退避位置とに選択的に設定する固定子設定手段と、
    前記回転軸と同心状に巻回されて前記回転軸に固定される第2巻線を有し、前記第2巻線の一端は前記第1巻線の一端に接続され、前記第2巻線の他端は前記第1巻線の他端に接続される第2コイル部と、
    前記回転軸から離間して前記回転軸と同心状に巻回されて前記車両の車体側に支持される第3巻線を有し、前記第2コイル部に近接して配置される第3コイル部と、
    前記第3コイル部の前記第3巻線に接続されて所定の共振周波数で共振する共振回路を有する共振回路部と、を備える
    ことを特徴とする回転軸制振制動装置。
  2. 請求項1に記載の回転軸制振制動装置であって、
    前記共振回路部は、互いに共振周波数の異なる複数の共振回路を有し、
    前記車両の変速機のギア段の状態を示すギア段情報を検知するギア段情報検知手段と、
    前記ギア段情報検知手段が検知したギア段情報に基づいて、前記共振回路部の複数の共振回路のうちのいずれか1つを選択的に前記第3コイル部に接続する制御手段と、を備える
    ことを特徴とする回転軸制振制動装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR102067405B1 (ko) * 2019-05-10 2020-01-17 재단법인 중소조선연구원 축 발전기
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