JP2020020390A - 振動減衰装置 - Google Patents

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Yoshihiro Takigawa
由浩 滝川
龍 波多野
Tatsu Hatano
龍 波多野
将紀 小野田
Masanori Onoda
将紀 小野田
和巨 磯谷
Kazuo Isotani
和巨 磯谷
昇平 所
Shohei Tokoro
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平田 勝弘
Katsuhiro Hirata
勝弘 平田
昇 新口
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昇 新口
加藤 雅之
Masayuki Kato
雅之 加藤
駿人 遠藤
Hayato Endo
駿人 遠藤
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Abstract

【課題】エンジンの回転数の広範囲で良好な振動減衰効果を得られるようにする。【解決手段】エンジンからのトルクが伝達される回転要素の振動を減衰する振動減衰装置であって、回転要素に連結される第1コアと第1コアに配置される第1永久磁石とを有するロータと、ロータの径方向外側に回転自在に配置され、第2コアと第2コアに配置される第2永久磁石とを有し、ロータとの吸引反発力によりロータの回転に伴ってロータの回転中心の周りに揺動する質量体と、振動減衰装置が平衡状態からずれたときに生じる復元トルクを、ロータの回転数に応じて外部エネルギを用いて変化させる復元トルク変更部と、を備える。【選択図】図2

Description

本開示は、振動減衰装置に関する。
従来、この種の振動減衰装置としては、ロックアップ装置の出力プレートに固定されたベースプレートと、ベースプレートと回転方向に相対移動が可能なイナーシャリングと、非線形のねじり特性を有すると共にベースプレートとイナーシャリングとを回転方向に弾性的に連結する弾性ユニットとを有するダイナミックダンパが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このダイナミックダンパでは、弾性ユニットは、第1ねじり角度領域で作動する第1コイルスプリングと、第1コイルスプリングとは剛性が異なると共に第1ねじり角度領域よりも大きい第2ねじり角度領域で作動する第2コイルスプリングとを有する。
特開2015−212568号公報
上述のダイナミックダンパのように、ベースプレートとイナーシャリングとの間に第1,第2コイルスプリングを配置する構成の場合、エンジンの回転数に応じて弾性ユニット全体としてのばね定数を連続性をもって変化させることができないから、エンジンの回転数の広範囲で良好な振動減衰効果を得ることが困難である。
本開示の振動減衰装置は、エンジンの回転数の広範囲で良好な振動減衰効果を得られるようにすることを主目的とする。
本開示の振動減衰装置は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本開示の振動減衰装置は、
エンジンからのトルクが伝達される回転要素の振動を減衰する振動減衰装置であって、
前記回転要素に連結される第1コアと前記第1コアに配置される第1永久磁石とを有するロータと、
前記ロータの径方向外側に回転自在に配置され、第2コアと前記第2コアに配置される第2永久磁石とを有し、前記ロータとの吸引反発力により前記ロータの回転に伴って前記ロータの回転中心の周りに揺動する質量体と、
前記振動減衰装置が平衡状態からずれたときに生じる復元トルクを、前記ロータの回転数に応じて外部エネルギを用いて変化させる復元トルク変更部と、
を備えることを要旨とする。
この本開示の振動減衰装置では、ロータの回転に伴って振動減衰装置が平衡状態からずれると、ロータと質量体との吸引反発力に振動減衰装置(ロータ)の周方向成分が生じ、この周方向成分は、振動減衰装置を平衡状態に戻す方向の力(復元トルク)としてロータおよび質量体に作用する。この復元トルクの絶対値は、振動減衰装置の平衡状態からのずれ量が大きくなるにつれて連続性をもって大きくなるから、ロータおよび質量体は、スプリング(弾性体)と同様に考えることができる。この復元トルクにより、質量体がロータの回転中心の周りに揺動すると共に、エンジンから回転要素に伝達される振動とは逆位相の振動を回転要素に付与して回転要素の振動を減衰(吸収)することができる。そして、復元トルクをロータの回転数に応じて外部エネルギを用いて連続性をもって変化させれば、ロータと質量体との相対角度の変化量に対する復元トルクの変化量の絶対値として定義される磁気ばね定数(スプリングのばね定数に相当するもの)をロータの回転数(エンジンの回転数)に応じて連続性をもって変化させることができる。この結果、ロータの回転数(エンジンの回転数)の広範囲で良好な振動減衰効果を得ることができる。
本開示の振動減衰装置20を備える発進装置1を示す概略構成図である。 振動減衰装置20を示す断面図である。 振動減衰装置20を示す正面図(A視図)、図2のBB断面図、図2のCC断面図を組み合わせた図である。 ヨーク52が図2の位置よりも振動減衰装置20の軸方向における慣性質量体側に移動したときの振動減衰装置20の様子を示す説明図である。 ヨーク52が慣性質量体40に最接近したときの振動減衰装置20の様子を示す説明図である。 ヨーク52が図2の位置のときの振動減衰装置20の様子を示す説明図である。 ヨーク52が図5の位置のときの振動減衰装置20の様子を示す説明図である。 振動減衰装置20Bを示す断面図である。 ヨーク53,54がロータ30および慣性質量体40に最接近しているときの振動減衰装置20Bの様子を示す説明図である。 ヨーク53,54が図9の位置よりもロータ30および慣性質量体40から離間したときの振動減衰装置20Bの様子を示す説明図である。 ヨーク53,54がロータ30および慣性質量体40から最離間したときの振動減衰装置20Bの様子を示す説明図である。 振動減衰装置20Cを示す断面図である。 振動減衰装置20Cを示す断面図である。 振動減衰装置20Cを示す断面図である。 振動減衰装置120を示す断面図である。 振動減衰装置120を示す断面図である。 図15および図16の左側から振動減衰装置120を見て且つ連結部材148を省略した図である。 コイル154に通電しているときの振動減衰装置120の様子を示す説明図である。 コイル154に通電しているときの振動減衰装置120の様子を示す説明図である。 コイル154に通電しているときの振動減衰装置120の様子を示す説明図である。
次に、図面を参照しながら、本開示の発明を実施するための形態について説明する。
図1は、本開示の振動減衰装置20を備える発進装置1を示す概略構成図である。図1に示す発進装置1は、駆動装置としてのエンジン(内燃機関)EGを備える車両に搭載されてエンジンEGからの動力を変速機7を介して車両のドライブシャフトDSに伝達するためのものであり、振動減衰装置20に加えて、エンジンEGのクランクシャフトに連結されてエンジンEGからのトルクが伝達される入力部材としてのフロントカバー3や、フロントカバー3に固定されるポンプインペラ(入力側流体伝動要素)4p、ポンプインペラ4pと同軸に回転可能なタービンランナ(出力側流体伝動要素)4t、ロックアップクラッチ6、変速機7の入力軸8に接続されるダンパ装置10等を備える。ここで、変速機7としては、例えば、自動変速機(AT)や無段変速機(CVT)、デュアルクラッチトランスミッション(DCT)、ハイブリッドトランスミッション、減速機等を挙げることができる。
なお、以下の説明において、「軸方向」は、特に明記するものを除いて、基本的に、発進装置1やダンパ装置10、振動減衰装置20の中心軸(軸心)の延在方向を示す。また、「径方向」は、特に明記するものを除いて、基本的に、発進装置1やダンパ装置10、振動減衰装置20、これらの回転要素の径方向、即ち、発進装置1やダンパ装置10、振動減衰装置20の中心軸から中心軸と直交する方向(半径方向)に延びる直線の延在方向を示す。更に、「周方向」は、特に明記するものを除いて、基本的に、発進装置1やダンパ装置10、振動減衰装置20、これらの回転要素の周方向、即ち、回転方向に沿った方向を示す。
ポンプインペラ4pは、フロントカバー3に密に固定されるポンプシェル(図示省略)と、ポンプシェルの内面に配設された複数のポンプブレード(図示省略)とを有する。タービンランナ4tは、タービンシェル(図示省略)と、タービンシェルの内面に配設された複数のタービンブレード(図示省略)とを有する。タービンシェルの内周部は、複数のリベットを介して変速機7の入力軸8に固定される。
ポンプインペラ4pとタービンランナ4tとは、互いに対向し合い、両者の間には、タービンランナ4tからポンプインペラ4pへの作動油(作動流体)の流れを整流するステータ4sが同軸に配置される。ステータ4sは、複数のステータブレード(図示省略)を有し、ステータ4sの回転方向は、ワンウェイクラッチ4cにより一方向のみに設定される。これらのポンプインペラ4p、タービンランナ4t、ステータ4sは、作動油を循環させるトーラス(環状流路)を形成し、トルク増幅機能をもったトルクコンバータ(流体伝動装置)として機能する。ただし、発進装置1において、ステータ4sやワンウェイクラッチ4cを省略し、ポンプインペラ4pおよびタービンランナ4tを流体継手として機能させてもよい。
ロックアップクラッチ6は、ダンパ装置10を介してフロントカバー3と変速機7の入力軸8とを連結するロックアップを実行すると共にロックアップを解除するものである。本実施形態において、ロックアップクラッチ6は、摩擦材が貼着されたロックアップピストンを有する油圧式単板クラッチである。ロックアップクラッチ6のロックアップピストンは、変速機7の入力軸8に対して軸方向に移動自在に嵌合され、フロントカバー3のエンジンEG側の内壁面と対向する。ただし、ロックアップクラッチ6は、油圧式多板クラッチであってもよい。
ダンパ装置10は、回転要素として、ドライブ部材(入力要素)11と、ドリブン部材(出力要素)12とを有する。更に、ダンパ装置10は、トルク伝達要素(トルク伝達弾性体)として、ドライブ部材11とドリブン部材12との間で並列に作用してトルクを伝達する複数(本実施形態では、例えば6個)のスプリング(弾性体)SPを有する。
ドライブ部材11は、ロックアップクラッチ6のロックアップピストンに固定される。したがって、ドライブ部材11は、ロックアップピストンと一体に回転し、ロックアップクラッチ6の係合により、フロントカバー3(エンジンEG)に連結される。ドリブン部材12は、変速機7の入力軸8に固定される。
スプリングSPとしては、荷重が加えられてないときに真っ直ぐに延びる軸心を有するように螺旋状に巻かれた金属材からなる直線型コイルスプリングや、荷重が加えられてないときに円弧状に延びる軸心を有するように巻かれた金属材からなるアークコイルスプリングが採用される。
図2は、振動減衰装置20を示す断面図であり、図3は、振動減衰装置20を示す正面図(A視図)、図2のBB断面図、図2のCC断面図を組み合わせた図である。図3中、振動減衰装置20のロータ30、慣性質量体40、復元トルク変更部50の右下側の部分は正面図(A視図)であり、右上側の部分は図2のBB断面図であり、左側の部分は図2のCC断面図である。なお、図2および図3では、理解の容易のために、復元トルク変更部50のヨーク52およびヨークフォルダ56にだけハッチングを付した。
振動減衰装置20は、磁気カップリングによりエンジンEGから変速機7の入力軸8に伝達される振動を減衰(吸収)するための装置として構成されており、図2および図3に示すように、変速機7の入力軸8の回転に伴って回転するロータ30と、ロータ30の径方向外側に回転自在に配置される慣性質量体40と、振動減衰装置20が平衡状態からずれたときに生じる復元トルク(ロータ復元トルクTrおよび質量体復元トルクTm)を変更する復元トルク変更部50とを備える。なお、「平衡状態」や「復元トルク」の詳細については後述する。
ロータ30は、鉄などの磁性体により形成されると共に変速機7の入力軸8に連結される環状のロータコア32と、ロータコア32の外周に沿って周方向に並ぶようにロータコア32に配置される(取り付けられる)複数(実施形態では、例えば8個)の永久磁石34とを有する。複数の永久磁石34は、径方向内側がS極で径方向外側がN極となる永久磁石34aと、径方向内側がN極で径方向外側がS極となる永久磁石34bと、がロータコア32の周方向において交互に並ぶように配置される。
慣性質量体40は、鉄などの磁性体により形成される環状の質量体コア42と、質量体コア42の内周に沿って周方向に並ぶように質量体コア42に配置される(取り付けられる)複数(実施形態では、例えば8個)の永久磁石44とを有する。質量体コア42は、各永久磁石34と各永久磁石44とを通過する磁束により磁気飽和が生じるように設計されている。複数の永久磁石44は、径方向内側がS極で径方向外側がN極となる永久磁石44aと、径方向内側がN極で径方向外側がS極となる永久磁石44bと、が質量体コア42の周方向において交互に並ぶように配置される。
質量体コア42の軸方向における一端部には、環状の連結部材(図示省略)が取り付けられており、この連結部材は、変速機7の入力軸8により回転自在に支持される。なお、質量体コア42と連結部材とは、一体に形成されるものとしてもよい。
復元トルク変更部50は、鉄などの磁性体により形成される環状のヨーク52と、ステンレスなどの非磁性体により形成されると共にヨーク52を保持する環状のヨークフォルダ56と、ヨークフォルダ56を振動減衰装置20の軸方向(図2の左右方向)に移動させるアクチュエータ60と、アクチュエータ60を制御する制御部80とを有する。
ヨーク52は、慣性質量体40の外径(質量体コア42の外径)よりも若干大きい内径を有する。ヨークフォルダ56は、筒状の筒状部56aと、筒状部56aの後述のケース62側の端部から振動減衰装置20の周方向に間隔をおいて径方向外側に延出される複数(実施形態では、例えば3個)の径方向壁部56bと、複数の径方向壁部56bのそれぞれから振動減衰装置20の軸方向に筒状に延出されると共に内周にねじ溝が形成された複数(実施形態では、例えば3個)のねじ部56cとを有する。ヨーク52は、筒状部56aの内周に取り付けられる。このヨーク52は、筒状部56aに形成された段差部と、筒状部56aの内周に全周に亘って形成された凹部に嵌合された固定部材(例えばスナップリング)57と、よりヨークフォルダ56に対する軸方向における移動が規制される。
アクチュエータ60は、ケース62と、モータ(駆動源)64と、補機バッテリ90からの電力を用いてモータ64を駆動するインバータ65と、回転に伴ってヨークフォルダ56(ヨーク52)を振動減衰装置20の軸方向(図2の左右方向)に移動させる(送る)複数(実施形態では、例えば3個)の回転送り部66と、モータ64の回転を複数の回転送り部66に伝達する回転伝達部68とを有する。
ケース62は、筒状の筒状部62aと、筒状部62aのロータ30および慣性質量体40とは反対側の端部から振動減衰装置20の周方向に間隔をおいて径方向外側に延出される複数(実施形態では、例えば3個)の径方向壁部62bとを有する。複数の径方向壁部62bには、複数の支持ピン62pが、各径方向壁部62bからロータ30および慣性質量体40側に且つ振動減衰装置20の軸方向に沿って延びるようにそれぞれ取り付けられる。複数の支持ピン62pは、中空に形成される複数の回転送り部66をそれぞれ回転自在に支持する。各径方向壁部62bの、振動減衰装置20の周方向における両端部、および、各支持ピン62pの先端部(各径方向壁部62bとは反対側の端部)には、略コの字状の保持部材62hが取り付けられる。これにより、複数の支持ピン62pがそれぞれ両側支持されるから、片側支持されるものに比して、各支持ピン62pが振動減衰装置20の軸方向に対して傾くことを抑制することができる。また、ヨークフォルダ56や複数の回転送り部66が複数の支持ピン62pの先端側(図2の右側)から抜けることを抑止することができる。
モータ64としては、例えばステッピングモータが採用される。複数の回転送り部66は、それぞれ、外周にギヤ歯(外歯)を有するギヤ部66aと、ギヤ部66aから振動減衰装置20の軸方向に延出されると共に外周にねじ溝が形成されたねじ部66bとを有する。複数のねじ部66bのねじ溝とヨークフォルダ56の複数のねじ部56cのねじ溝とがそれぞれ螺合する。なお、ギヤ部66aとねじ部66bとは、別体形成されて互いに連結されるものとしてもよい。
回転伝達部68は、モータ64の回転軸に固定されるウォーム(ねじ歯車)69と、ケース62の筒状部62aにより回転自在に支持されると共にウォーム69および複数の回転送り部66の複数のギヤ部66aと噛合するウォームホイール(斜歯歯車)70とを有する。
制御部80は、図示しないが、CPUを中心としたマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMや、データを一時的に記憶するRAM、計時を行なうタイマ、入出力ポートを備える。制御部80には、変速機7の入力軸8に取り付けられた回転数センサ38からの入力軸8(ロータ30)の回転数や、モータ64の回転軸に取り付けられた回転位置センサ64aからのモータ64の回転子の回転位置などが入力ポートを介して入力される。制御部80からは、インバータ65への制御信号などが出力ポートを介して出力される。
図4は、ヨーク52が図2の位置よりも振動減衰装置20の軸方向におけるロータ30および慣性質量体側に移動したときの振動減衰装置20の様子を示す説明図であり、図5は、ヨーク52がロータ30および慣性質量体40に最接近したときの振動減衰装置20の様子を示す説明図である。
復元トルク変更部50では、制御部80は、ヨーク52が、図2の位置(慣性質量体40から最離間した位置)と、図5の位置(慣性質量体40に最接近した位置(慣性質量体40と回転中心が一致する位置、即ち、振動減衰装置20の径方向から見て軸方向に一致する位置)と、の間で図4の位置を経由して移動するようにアクチュエータ60(インバータ65)を制御する。制御部80によりモータ64およびウォーム69を図2における反時計回りに回転させると、ウォームホイール70が図3における時計回りに回転し、複数の回転送り部66(ギヤ部66aおよびねじ部66b)が図3における反時計回りに回転し、ヨークフォルダ56(ヨーク52)を図2における左側(ロータ30および慣性質量体40に接近させる側)に移動させる。また、制御部80によりモータ64およびウォーム69を図2における時計回りに回転させると、ウォームホイール70が図3における反時計回りに回転し、複数の回転送り部66(ギヤ部66aおよびねじ部66b)が図3における時計回りに回転し、ヨークフォルダ56(ヨーク52)を図2における右側(ロータ30および慣性質量体40から離間させる側)に移動させる。
次に、こうして構成される発進装置1の動作について説明する。発進装置1では、図1から分かるように、ロックアップクラッチ6によりロックアップが解除されている際には、エンジンEGからのトルク(動力)が、フロントカバー3、ポンプインペラ4p、タービンランナ4tの経路を介して変速機7の入力軸8に伝達される。また、ロックアップクラッチ6によりロックアップが実行されている際には、エンジンEGからのトルク(動力)が、フロントカバー3、ロックアップクラッチ6、ドライブ部材11、スプリングSP、ドリブン部材12の経路を介して変速機7の入力軸8に伝達される。後者の際には、フロントカバー3に伝達されるエンジンEGからのトルクが変速機7の入力軸8に伝達されると共に、エンジンEGからのトルクの変動がダンパ装置10のスプリングSPにより減衰(吸収)される。
次に、発進装置1が備える振動減衰装置20の動作について説明する。振動減衰装置20の径方向において、ロータ30の各永久磁石34aおよび各永久磁石34bと慣性質量体40の各永久磁石44aおよび各永久磁石44bとがそれぞれ対向しているとき(図3参照)には、ロータ30(複数の永久磁石34)と慣性質量体40(複数の永久磁石44)との吸引反発力における振動減衰装置20の周方向成分がゼロとなる。以下、この状態を「平衡状態」といい、振動減衰装置20が平衡状態のときのロータ30の慣性質量体40に対する相対角度θrmをゼロとする。
振動減衰装置20が平衡状態からずれると、ロータ30と慣性質量体40との吸引反発力に振動減衰装置20(ロータ30)の周方向成分が生じ、この周方向成分は、振動減衰装置20を平衡状態に戻す(相対角度θrmをゼロに戻す)方向の力としてロータ30および慣性質量体40に作用する。以下、ロータ30に作用するこの周方向成分をロータ復元トルクTrといい、慣性質量体40に作用するこの周方向成分を質量体復元トルクTmという。ロータ復元トルクTrは、相対角度θrmが負のときには正(回転方向のトルク)となり、相対角度θrmが正のときには負(回転方向とは反対方向のトルク)となる。質量体復元トルクTmは、ロータ復元トルクTrとは符号(方向)が反対で絶対値が同一のトルクとなる。ロータ復元トルクTrおよび質量体復元トルクTmの絶対値は、相対角度θrmの絶対値(振動減衰装置20の平衡状態からのずれ量)が大きくなるにつれて連続性をもって大きくなるから、ロータ30および慣性質量体40は、スプリング(弾性体)と同様に考えることができる。質量体復元トルクTmにより、慣性質量体40がロータ30の回転中心の周りに揺動する。また、ロータ復元トルクTrにより、エンジンEGから変速機7の入力軸8に伝達される振動とは逆位相の振動を変速機7の入力軸8(ロータ30)に付与してその入力軸8の振動を減衰(吸収)することができる。
図6は、ヨーク52が図2の位置のときの振動減衰装置20の様子を示す説明図であり、図7は、ヨーク52が図5の位置のときの振動減衰装置20の様子を示す説明図である。図6および図7中、破線矢印は、ロータ30(ロータコア32および各永久磁石34)と慣性質量体40(質量体コア42および各永久磁石44)とを含むと共にヨーク52を含まない磁路(以下、「ベース磁路」という)を流れる磁束、および、ロータ30と慣性質量体40とヨークとを含む磁路(以下、「追加磁路」という)を流れる磁束(図7参照)の流れを示す。なお、ベース磁路を流れる磁束および追加磁路を流れる磁束は、何れもロータ復元トルクTrおよび質量体復元トルクTmに寄与する(以下、これらの磁束を「復元トルク寄与磁束」という)。また、上述したように、振動減衰装置20が平衡状態のときには、ロータ復元トルクTrおよび質量体復元トルクTmが発生しないが、磁束の流れを分かりやすくするために、図6および図7では、振動減衰装置20が平衡状態のときを図示した。
図6および図7から分かるように、ヨーク52をロータ30および慣性質量体40(複数の永久磁石44)に接近させるにつれて、追加磁路の磁束量が増加し、復元トルク寄与磁束量が増加する。そして、復元トルク寄与磁束量が大きくなると、ロータ30と慣性質量体40との吸引反発力が大きくなり、ロータ復元トルクTrおよび質量体復元トルクTmの絶対値が大きくなり、相対角度θrmの変化量dθrmに対するロータ復元トルクTrおよび質量体復元トルクTmの変化量dTr,dTmの絶対値(磁気ばね定数Km)が大きくなる。即ち、アクチュエータ60によりヨーク52をロータ30および慣性質量体40に接近させるにつれて(追加磁路の磁束量が増加するにつれて)、ロータ30と慣性質量体40との吸引反発力や、ロータ復元トルクTrおよび質量体復元トルクTmの絶対値、磁気ばね定数Kmが連続性をもって大きくなるのである。
これを踏まえて、本実施形態では、制御部80は、ロータ30の回転数(エンジンEGの回転数)が大きくなるにつれて、ヨーク52がロータ30および慣性質量体40に接近する(図2の位置から図4の位置を経由して図5の位置に向かって移動する)ようにアクチュエータ60(インバータ65)を制御する。これにより、ロータ30の回転数に応じて、ロータ30と慣性質量体40との吸引反発力や、ロータ復元トルクTrおよび質量体復元トルクTmの絶対値、磁気ばね定数Kmを連続性をもって変化させることができる。この結果、省気筒(例えば3気筒)のエンジンEGを用いる場合でもロックアップクラッチ6によりロックアップが実行されるロックアップ回転数を低回転域に設定することができると共に、ロータ30の回転数(エンジンEGの回転数)の広範囲で良好な振動減衰効果を得ることができる。磁気ばね定数Kmがロータ30の回転数に応じて適切に変化して振動減衰装置20の共振周波数がエンジンEGの爆発(トルク変動)の周波数に適切に対応するように制御部80によりモータ64(インバータ65)を制御すれば、ロータ30の回転数(エンジンEGの回転数)の広範囲でより良好な振動減衰効果を得ることができる。
上述の振動減衰装置20では、復元トルク変更部50は、ヨーク52およびヨークフォルダ56を備えるものとした。しかし、図8の振動減衰装置20Bに示すように、復元トルク変更部50Bは、ヨーク53,54およびヨークフォルダ56Bを備えるものとしてもよい。なお、振動減衰装置20Bは、復元トルク変更部50のヨーク52およびヨークフォルダ56を復元トルク変更部50Bのヨーク53,54およびヨークフォルダ56Bに置き換えた点を除いて振動減衰装置20と略同一である。したがって、振動減衰装置20Bのうち振動減衰装置20と略同一部分については、振動減衰装置20と同一の符号を付した。
ヨーク53は、ロータ30の外径(複数の永久磁石34の外径)と略同一の外径およびロータコア32の外径(複数の永久磁石34の内径)よりも若干小さい内径を有する環状に形成される。ヨーク54は、慣性質量体40の内径(複数の永久磁石44の内径)と略同一の内径を有すると共に質量体コア42の内径(複数の永久磁石44の外径)よりも大きい外径(例えば、質量体40の外径と略同一の外径)を有する環状に形成される。
ヨークフォルダ56Bは、筒状部56aに代えて板状かつ環状の環状壁部56dを有する点を除いてヨークフォルダ56と略同一であり、複数の径方向壁部56bは、環状壁部56dの外周から振動減衰装置20Bの周方向に間隔をおいて径方向外側に延出される。環状壁部56dのロータ30および慣性質量体40側には、ロータ30の外径(複数の永久磁石34の外径)と略同一の外径およびロータコア32の外径(複数の永久磁石34の内径)よりも若干小さい内径を有する環状の内側環状凹部56i、および、慣性質量体40の内径(複数の永久磁石44の内径)と略同一の内径を有すると共に質量体コア42の内径(複数の永久磁石44の外径)よりも大きい外径(例えば、質量体40の外径と略同一の外径)を有する環状の外側環状凹部56oが形成されており、内側環状凹部56iおよび外側環状凹部56oには、それぞれヨーク53,54が配置される(取り付けられる)。したがって、振動減衰装置20Bの軸方向において、ヨーク53は、ロータコア32および複数の永久磁石34と対向し、ヨーク54は、質量体コア42および複数の永久磁石44と対向する。
図9は、ヨーク53,54がロータ30および慣性質量体40に最接近しているときの振動減衰装置20Bの様子を示す説明図であり、図10は、ヨーク53,54が図9の位置よりもロータ30および慣性質量体40から離間したときの振動減衰装置20Bの様子を示す説明図であり、図11は、ヨーク53,54がロータ30および慣性質量体40から最離間したときの振動減衰装置20Bの様子を示す説明図である。図9および図10中、破線矢印は、ロータ30(ロータコア32および各永久磁石34)とヨーク53とを含むと共に慣性質量体40(質量体コア42および各永久磁石44)を含まない磁路(以下、「内側短絡磁路」という)を流れる磁束、および、慣性質量体40とヨーク53とを含むと共にロータ30を含まない磁路(以下、「外側短絡磁路」という)を流れる磁束の流れを示す。なお、内側短絡磁路を流れる磁束および外側短絡磁路を流れる磁束は、何れもロータ復元トルクTrおよび質量体復元トルクTmに寄与しない。
図9〜図11から分かるように、ヨーク53,54をロータ30(複数の永久磁石34)および慣性質量体40(複数の永久磁石44)から離間させるにつれて、内側短絡磁路の磁束量および外側短絡磁路の磁束量が減少する。これに伴って、ベース磁路の磁束量が増加し、復元トルク寄与磁束量が増加する。そして、復元トルク寄与磁束量が大きくなると、ロータ30と慣性質量体40との吸引反発力が大きくなり、ロータ復元トルクTrおよび質量体復元トルクTmの絶対値が大きくなり、磁気ばね定数Kmが大きくなる。即ち、アクチュエータ60によりヨーク53,54をロータ30および慣性質量体40から離間させるにつれて(内側短絡磁路の磁束量および外側短絡磁路の磁束量が低下してベース磁路の磁束量が増加するにつれて)、ロータ30と慣性質量体40との吸引反発力や、ロータ復元トルクTrおよび質量体復元トルクTmの絶対値、磁気ばね定数Kmが連続性をもって大きくなるのである。
これを踏まえて、この実施形態では、制御部80は、ロータ30の回転数(エンジンEGの回転数)が大きくなるにつれて、ヨーク53,54がロータ30および慣性質量体40から離間する(図9の位置から図10の位置を経由して図11の位置に向かって移動する)ようにアクチュエータ60(インバータ65)を制御する。これにより、振動減衰装置20と同様に、ロータ30の回転数に応じて、ロータ30と慣性質量体40との吸引反発力や、ロータ復元トルクTrおよび質量体復元トルクTmの絶対値、磁気ばね定数Kmを連続性をもって変化させることができ、省気筒(例えば3気筒)のエンジンEGを用いる場合でもロックアップクラッチ6によりロックアップが実行されるロックアップ回転数を低回転域に設定することができると共にロータ30の回転数(エンジンEGの回転数)の広範囲で良好な振動減衰効果を得ることができる。
上述の振動減衰装置20Bでは、ヨーク53,54を1つのヨークフォルダ56Bに取り付けて振動減衰装置20Bの軸方向に一体に移動させるものとしたが、それぞれ独立して振動減衰装置20Bの軸方向に移動させるものとしてもよい。こうすれば、設計の自由度(例えば、磁気ばね定数Kmの設計の自由度)を向上させることができる。この結果、磁気ばね定数Kmをロータ30の回転数に応じてより適切に変化させることが可能となり、ロータ30の回転数(エンジンEGの回転数)の広範囲でより良好な振動減衰効果を得ることが可能となる。
上述の振動減衰装置20では、復元トルク変更部50は、ヨーク52およびヨークフォルダ56を備えるものとし、振動減衰装置20Bでは、復元トルク変更部50Bは、ヨーク53,54およびヨークフォルダ56Bを備えるものとした。しかし、図12〜図14の振動減衰装置20Cに示すように、復元トルク変更部50Cは、ヨーク52,53,54およびヨークフォルダ56Cを備えるものとしてもよい。なお、振動減衰装置20Cは、復元トルク変更部50のヨーク52およびヨークフォルダ56や、復元トルク変更部50Bのヨーク53,54およびヨークフォルダ56Bを、復元トルク変更部50Cのヨーク52,53,54およびヨークフォルダ56Cに置き換えた点を除いて、振動減衰装置20,20Bと略同一である。したがって、振動減衰装置20Cのうち振動減衰装置20,20Bと略同一部分については、振動減衰装置20,20Bと同一の符号を付した。
図12は、ヨーク52がロータ30および慣性質量体40から最離間すると共にヨーク53,54がロータ30および慣性質量体40に最接近しているときを示し、図13は、ヨーク52が図13の位置よりもロータ30および慣性質量体40に接近すると共にヨーク53,54が図13の位置よりもロータ30および慣性質量体40から離間したときを示し、図14は、ヨーク52がロータ30および慣性質量体40に最接近すると共にヨーク53,54がロータ30および慣性質量体40から最離間したときを示す。
ヨークフォルダ56Cは、筒状部56aと複数の径方向壁部56bと複数のねじ部56cとを有するヨークフォルダ56と、環状壁部56dと複数の径方向壁部56bと複数のねじ部56cとを有するヨークフォルダ56Bと、を組み合わせたものであり、筒状部56aと環状壁部56dと複数の径方向壁部56bと複数のねじ部56cとを有する。ヨーク52は、筒状部56aの内周に取り付けられ、ヨーク53,54は、それぞれ、ロータ30,慣性質量体40の複数の永久磁石34,44と振動減衰装置20の軸方向において対向するように環状壁部56dの内側環状凹部56iおよび外側環状凹部56oに取り付けられる。
振動減衰装置20Cでは、図6および図7を用いて上述したのと同様に、アクチュエータ60によりヨーク52をロータ30および慣性質量体40に接近させる(図12の位置から図13の位置を経由して図14の位置に向かって移動させる)につれて、即ち、追加磁路の磁束量が増加するにつれて、ロータ30と慣性質量体40との吸引反発力や、ロータ復元トルクTrおよび質量体復元トルクTmの絶対値、磁気ばね定数Kmが連続性をもって大きくなる。また、図9〜図11を用いて上述したのと同様に、アクチュエータ60によりヨーク53,54をロータ30および慣性質量体40から離間させる(図12の位置から図13の位置を経由して図14の位置に向かって移動させる)につれて、即ち、内側短絡磁路の磁束量および外側短絡磁路の磁束量が低下してベース磁路の磁束量が増加するにつれて、ロータ30と慣性質量体40との吸引反発力や、ロータ復元トルクTrおよび質量体復元トルクTmの絶対値、磁気ばね定数Kmが連続性をもって大きくなる。
これを踏まえて、この実施形態では、制御部80は、ロータ30の回転数(エンジンEGの回転数)が大きくなるにつれて、ヨーク52がロータ30および慣性質量体40に接近すると共にヨーク53,54がロータ30および慣性質量体40から離間する(ヨーク52,53,54が図12の位置から図13の位置を経由して図14の位置に向かって移動する)ようにアクチュエータ60(インバータ65)を制御する。これにより、振動減衰装置20と同様に、ロータ30の回転数に応じて、ロータ30と慣性質量体40との吸引反発力や、ロータ復元トルクTrおよび質量体復元トルクTmの絶対値、磁気ばね定数Kmを連続性をもって変化させることができ、省気筒(例えば3気筒)のエンジンEGを用いる場合でもロックアップクラッチ6によりロックアップが実行されるロックアップ回転数を低回転域に設定することができると共にロータ30の回転数(エンジンEGの回転数)の広範囲で良好な振動減衰効果を得ることができる。
そして、振動減衰装置20Cでは、ヨーク52,53,54を備えるから、ヨーク52を備えるがヨーク53,54を備えない振動減衰装置20や、ヨーク53,54を備えるがヨーク52を備えない振動減衰装置20Bに比して、ヨークフォルダ56(ヨーク52,53,54)の移動量に対する、ロータ30と慣性質量体40との吸引反発力の変化量や、ロータ復元トルクTrおよび質量体復元トルクTmの絶対値の変化量、磁気ばね定数Kmの変化量が大きくなる。したがって、ロータ30の回転数の変化量に対する、ロータ30と慣性質量体40との吸引反発力の変化量や、ロータ復元トルクTrおよび質量体復元トルクTmの絶対値の変化量、磁気ばね定数Kmの変化量が振動減衰装置20,20Bと同一になるように振動減衰装置20Cを設計する場合、ロータ30の回転数の変化量に対するヨークフォルダ56の移動量を小さくすることができる。これにより、アクチュエータ60の複数の回転送り部66や支持ピン62pの軸短を図ることができ、振動減衰装置20Cの搭載性の向上を図ることができる。
上述の振動減衰装置20Cでは、ヨーク52,53,54を1つのヨークフォルダ56Cに取り付けて振動減衰装置20Cの軸方向に一体に移動させるものとしたが、それぞれ独立して振動減衰装置20Cの軸方向に移動させるものとしてもよい。こうすれば、設計の自由度(例えば、磁気ばね定数Kmの設計の自由度)を向上させることができる。この結果、磁気ばね定数Kmをロータ30の回転数に応じてより適切に変化させることが可能となり、ロータ30の回転数(エンジンEGの回転数)の広範囲でより良好な振動減衰効果を得ることが可能となる。
上述の振動減衰装置20B,20Cでは、復元トルク変更部50B,50Cは、ヨーク53,54を備えるものとしたが、これらのうちの何れかだけを備えるものとしてもよい。この場合でも、ヨーク53,54のうちの何れかの移動により、内側短絡磁路の磁束量および外側短絡磁路の磁束量のうちの何れかを変化させてベース磁路の磁束量を変化させることができ、復元トルク寄与磁束量を変化させることができる。
上述の振動減衰装置20,20B,20Cでは、アクチュエータ60は、モータ64と、回転に伴ってヨークフォルダ56,56B,56Cを振動減衰装置20,20B,20Cの軸方向に移動させる(送る)複数の回転送り部66と、モータ64の回転を複数の回転送り部66に伝達する回転伝達部68とを有するものとしたが、ヨークフォルダ56,56B,56Cを振動減衰装置20,20B,20Cの軸方向に移動させるソレノイドを有するものとしてもよい。
図15および図16は、他の実施形態に係る振動減衰装置120を示す断面図であり、図17は、振動減衰装置120のロータ130および慣性質量体140を示す正面図である。図15,図16は、それぞれ図17のAA断面,BB断面であり、図17は、図15および図16の左側から振動減衰装置120を見て且つ連結部材148を省略した図である。なお、図15〜図17では、理解の容易のために、復元トルク変更部150のヨーク152にだけハッチングを付した。
振動減衰装置120は、図15〜図17に示すように、変速機7の入力軸8の回転に伴って回転するロータ130と、ロータ130の径方向外側に回転自在に配置される慣性質量体140と、振動減衰装置120が平衡状態からずれたときに生じる復元トルク(ロータ復元トルクTrおよび質量体復元トルクTm)を変更する復元トルク変更部150とを備える。
ロータ130は、鉄などの磁性体により形成されると共に変速機7の入力軸8に連結されるロータコア132と、ロータ130の周方向に間隔をおいてロータコア132に配置される(取り付けられる)複数(実施形態では、例えば2個)の永久磁石134とを有する。ロータコア132の外周には、ロータ130の周方向に間隔をおいて振動減衰装置120の軸方向に延びる複数の軸方向凹部133が形成され、これらの複数の軸方向凹部133に複数の永久磁石134がそれぞれ収容される。複数の永久磁石134は、何れも、径方向内側がN極で径方向外側がS極となるように配置される。ロータ130は、全体として環状に形成される。
慣性質量体140は、鉄などの磁性体により形成される質量体コア142と、慣性質量体140周方向に間隔をおいて質量体コア142に配置される(取り付けられる)複数(実施形態では、例えば2個)の永久磁石144とを有する。質量体コア142の外周には、周方向に間隔をおいて振動減衰装置120の軸方向に延びる複数の軸方向凹部143が形成され、これらの複数の軸方向凹部143に複数の永久磁石144がそれぞれ収容される。複数の永久磁石144は、何れも、径方向内側がN極で径方向外側がS極となるように配置される。慣性質量体140は、全体として環状に形成される。
即ち、ロータ130および慣性質量体140は、それぞれの外周,内周に沿って永久磁石134,144の部分とロータコア132,質量体コア142の部分とが交互となるコンシクエントポール型として構成される。
質量体コア142の復元トルク変更部150から遠い側の端部には、板状かつ環状の連結部材148が取り付けられ、この連結部材148は、変速機7の入力軸8により回転自在に支持される。なお、質量体コア142と連結部材148とは、一体に形成されるものとしてもよい。
復元トルク変更部150は、鉄などの磁性体により形成されるヨーク152と、コイル154と、コイル154と補機バッテリ190とを接続する電力ラインに設けられたスイッチング素子156と、スイッチング素子156を制御する制御部180とを有する。
ヨーク152は、慣性質量体140の質量体コア142と略同一またはそれよりも若干小さい外径を有する環状に形成され、ロータコア132および質量体コア142と振動減衰装置120の軸方向において対向するように配置され、変速機7の入力軸8により相対回転自在に支持される。このヨーク152は、回転可能であるものとしてもよいし、ケース(図示省略)に回転不能に固定されるものとしてもよい。
ヨーク152のロータ130および慣性質量体140側には、ロータコア132の軸方向凹部133の内径(底面の径)よりも若干小さい内径を有すると共に質量体コア142の軸方向凹部143の外径(底面の径)よりも若干大きい外径を有する環状の外側環状凹部152o、および、外側環状凹部152oの内径よりもある程度小さい外径を有する環状の内側環状凹部152iが形成されている。外側環状凹部152o内には、コイル154が配置される。
制御部180は、図示しないが、CPUを中心としたマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMや、データを一時的に記憶するRAM、計時を行なうタイマ、入出力ポートを備える。制御部180には、変速機7の入力軸8に取り付けられた回転数センサ138からの入力軸8(ロータ130)の回転数などが入力ポートを介して入力される。制御部180からは、スイッチング素子156への制御信号などが出力ポートを介して出力される。制御部180によるスイッチング素子156の制御(デューティ制御)により、コイル154の通電電流が制御される。
図18〜図20は、コイル154に通電しているときの振動減衰装置120の様子を示す説明図である。図18〜図20は、それぞれ図15〜図17に相当する。図18〜図20中、破線矢印は、各永久磁石134および各永久磁石144により生じる磁束(以下、「磁石起因磁束」という)の流れを示し、二重破線矢印は、コイル154の通電に伴って生じる磁束(以下、「電流起因磁束」という)の流れを示す。
上述したように、振動減衰装置120では、ロータ130および慣性質量体140がコンシクエントポール型として構成されている。以下、ロータ130の外周に沿った永久磁石134の部分を「ロータ実磁石部」といい、ロータコア132の部分を「ロータ疑似磁石部」という。また、慣性質量体140の内周に沿った永久磁石144の部分を「質量体実磁石部」といい、質量体コア142の部分を「質量体疑似磁石部」という。さらに、ロータ130のロータ実磁石部およびロータ疑似磁石部よりも径方向内側の部分を「ロータ環状部」といい、慣性質量体140の質量体実磁石部および質量体疑似磁石部よりも径方向外側の部分を「質量体環状部」という。
磁石起因磁束は、図19および図20に示すように、質量体実磁石部、ロータ実磁石部、ロータ環状部、ロータ疑似磁石部、質量体疑似磁石部、質量体環状部、質量体実磁石部の順に流れる。また、電流起因磁束は、図18〜図20に示すように、ロータ疑似磁石部、質量体疑似磁石部、質量体環状部、ヨーク152、ロータ環状部、ロータ疑似磁石部の順に流れ、質量体実磁石部およびロータ実磁石部には流れない。したがって、ロータ疑似磁石部および質量体疑似磁石部では、磁石起因磁束および電流起因磁束が何れもロータ疑似磁石部から質量体疑似磁石部に向かって流れる。そして、コイル154の通電電流が増加するにつれて、磁石起因磁束量は変化しないものの、電流起因磁束量が増加し、ロータ疑似磁石部から質量体疑似磁石部に向かって流れるトータルの磁束量が増加する。これにより、コイル154の通電電流が大きくなるにつれて、各永久磁石134と各永久磁石144との吸引反発力は変化しないものの、ロータ130全体と慣性質量体140全体との吸引反発力が大きくなる。ロータ130全体と慣性質量体140全体との吸引反発力が大きくなると、ロータ復元トルクTrおよび質量体復元トルクTmの絶対値が大きくなり、磁気ばね定数Kmが大きくなる。即ち、コイル154の通電電流を大きくするにつれて(電流起因磁束量が増加するにつれて)、ロータ130全体と慣性質量体140全体との吸引反発力や、ロータ復元トルクTrおよび質量体復元トルクTmの絶対値、磁気ばね定数Kmが連続性をもって大きくなるのである。
これを踏まえて、この実施形態では、制御部180は、ロータ130の回転数(エンジンEGの回転数)が大きくなるにつれて、コイル154の通電電流が大きくなる(電流起因磁束量が大きくなる)ようにスイッチング素子156を制御(デューティ制御)する。これにより、ロータ130の回転数に応じて、ロータ130と慣性質量体140との吸引反発力や、ロータ復元トルクTrおよび質量体復元トルクTmの絶対値、磁気ばね定数Kmを連続性をもって変化させることができ、省気筒(例えば3気筒)のエンジンEGを用いる場合でもロックアップクラッチ6によりロックアップが実行されるロックアップ回転数を低回転域に設定することができると共にロータ130の回転数(エンジンEGの回転数)の広範囲で良好な振動減衰効果を得ることができる。
上述の振動減衰装置120では、ロータ130および慣性質量体140は、図19に示したように、それぞれ2個の永久磁石134,144を備えるものとしたが、コンシクエントポール型として構成されるものであればよく、永久磁石134,144の数は、それぞれ1個でもよいし、3個以上でもよい。
以上説明したように、本開示の振動減衰装置は、エンジン(EG)からのトルクが伝達される回転要素(8)の振動を減衰する振動減衰装置(20,20B,20C,120)であって、前記回転要素(8)に連結される第1コア(32,132)と前記第1コア(32,132)に配置される第1永久磁石(34,134)とを有するロータ(30,130)と、前記ロータ(30,130)の径方向外側に回転自在に配置され、第2コア(42,142)と前記第2コア(42,142)に配置される第2永久磁石(44,144)とを有し、前記ロータ(30,130)との吸引反発力により前記ロータ(30,130)の回転に伴って前記ロータ(30,130)の回転中心の周りに揺動する質量体(40,140)と、前記振動減衰装置(20,20B,20C,120)が平衡状態からずれたときに生じる復元トルクを、前記ロータ(30,130)の回転数に応じて外部エネルギを用いて変化させる復元トルク変更部(50,50B,50C,150)と、を備えることを要旨とする。
この本開示の振動減衰装置では、ロータの回転に伴って振動減衰装置が平衡状態からずれると、ロータと質量体との吸引反発力に振動減衰装置(ロータ)の周方向成分が生じ、この周方向成分は、振動減衰装置を平衡状態に戻す方向の力(復元トルク)としてロータおよび質量体に作用する。この復元トルクの絶対値は、振動減衰装置の平衡状態からのずれ量が大きくなるにつれて連続性をもって大きくなるから、ロータおよび質量体は、スプリング(弾性体)と同様に考えることができる。この復元トルクにより、質量体がロータの回転中心の周りに揺動すると共に、エンジンから回転要素に伝達される振動とは逆位相の振動を回転要素に付与して回転要素の振動を減衰(吸収)することができる。そして、復元トルクをロータの回転数に応じて外部エネルギを用いて連続性をもって変化させれば、ロータと質量体との相対角度の変化量に対する復元トルクの変化量の絶対値として定義される磁気ばね定数(スプリングのばね定数に相当するもの)をロータの回転数(エンジンの回転数)に応じて連続性をもって変化させることができる。この結果、ロータの回転数(エンジンの回転数)の広範囲で良好な振動減衰効果を得ることができる。
本開示の振動減衰装置において、前記復元トルク変更部(50,50B,50C,150)は、前記ロータ(30,130)と前記質量体(40,140)との吸引反発力を変化させることにより、前記復元トルクを変化させるものとしてもよい。こうすれば、ロータと質量体との吸引反発力を変化させることにより、復元トルクを変化させることができる。
ロータの回転数に応じてロータと質量体との吸引反発力を変化させる態様の本開示の振動減衰装置において、前記復元トルク変更部(50,50B,50C,150)は、前記ロータ(30,130)および/または前記質量体(40,140)とにより磁路を構成可能なヨーク(52,53,54,152)を有し、前記ロータ(30,130)の回転数に応じて、前記ロータ(30,130)および/または前記質量体(40,140)と前記ヨーク(52,53,54,152)とを含む磁路の磁束量を変化させることにより、前記ロータ(30,130)と前記質量体(40,140)との吸引反発力を変化させるものとしてもよい。こうすれば、ロータおよび/または質量体とヨークとを含む磁路の磁束量を変化させることにより、ロータと質量体との吸引反発力を変化させることができる。
ロータの回転数に応じてロータおよび/または質量体とヨークとを含む磁路の磁束量を変化させる態様の本開示の振動減衰装置において、前記復元トルク変更部(50,50B,50C)は、前記ヨーク(52,53,54)に加えて、前記ヨーク(52,53,54)を前記振動減衰装置(20,20B,20C)の軸方向に移動させるアクチュエータ(60)を更に有し、前記ロータ(30)の回転数に応じて前記アクチュエータ(60)により前記ヨーク(52,53,54)を移動させることにより、前記ロータ(30)および/または前記質量体(40)と前記ヨーク(52,53,54)とを含む磁路の磁束量を変化させるものとしてもよい。こうすれば、アクチュエータによりヨークを移動させることにより、ロータおよび/または質量体とヨークとを含む磁路の磁束量を変化させることができる。
この場合、前記ヨーク(52)は、前記質量体(40)の外径よりも大きい内径を有すると共に前記ロータ(30)および前記質量体(40)と同軸に配置される第1ヨーク(52)を有し、前記ロータ(30)および前記質量体(40)と前記第1ヨーク(52)とを含む磁路の磁束量が多いほど前記復元トルクが大きくなり、前記復元トルク変更部(50)は、前記ロータ(30)の回転数が大きくなるにつれて前記アクチュエータ(60)により前記第1ヨーク(52)を前記軸方向における前記ロータ(30)および前記質量体(40)に接近する側に移動させるものとしてもよい。
また、この場合、前記ヨーク(53)は、前記軸方向において前記第1コア(32)および前記第1永久磁石(32と対向する第2ヨーク(53)を有し、前記ロータ(30)と前記第2ヨーク(53)とを含むと共に前記質量体(40)を含まない磁路を流れる磁束量が少ないほど前記復元トルクが大きくなり、前記復元トルク変更部は、前記ロータ(30)の回転数が大きくなるにつれて前記アクチュエータ(60)により前記第2ヨーク(53)を前記軸方向における前記ロータ(30)から離間する側に移動させるものとしてもよい。
さらに、この場合、前記ヨーク(54)は、前記軸方向において前記第2コア(42)および前記第2永久磁石(44)と対向する第3ヨーク(54)を有し、前記質量体(40)と前記第3ヨーク(54)とを含むと共に前記ロータ(30)を含まない磁路を流れる磁束量が少ないほど前記復元トルクが大きくなり、前記復元トルク変更部(50)は、前記ロータ(30)の回転数が大きくなるにつれて前記アクチュエータ(60)により前記第3ヨーク(54)を前記軸方向における前記質量体(40)から離間する側に移動させるものとしてもよい。
加えて、この場合、前記アクチュエータ(60)は、駆動源(64)と、回転に伴って前記ヨーク(52,53,54)を前記軸方向に移動させる回転送り部(66)と、前記駆動源(64)の回転を前記回転送り部(66)に伝達する回転伝達部(68)とを有するものとしてもよい。
ロータの回転数に応じてロータおよび/または質量体とヨークとを含む磁路の磁束量を変化させる態様の本開示の振動減衰装置において、前記復元トルク変更部(150)は、前記ヨーク(152)に加えて、コイル(154)を更に有し、前記ロータ(130)の回転数に応じて前記コイル(154)の通電電流を変化させることにより、前記ロータ(130)および前記質量体(140)と前記ヨーク(152)とを含む磁路の磁束量を変化させるものとしてもよい。こうすれば、コイルの通電電流を変化させることにより、ロータおよび質量体とヨークとを含む磁路の磁束量を変化させることができる。
この場合、前記復元トルク変更部(150)は、前記ロータ(130)の回転数が大きくなるにつれて、前記コイル(154)の通電電流を増加させるものとしてもよい。
また、この場合、前記第1永久磁石(134)は、前記第1コア(132)の周方向における一部に配置され、前記第2永久磁石(144)は、前記第2コア(142)の周方向における一部に配置され、前記復元トルク変更部(150)は、前記第1コア(132)のうち前記ロータ(130)の周方向における前記第1永久磁石(134)が配置されていない部分および前記第2コア(142)うち前記質量体(140)の周方向における前記第2永久磁石(144)が配置されていない部分で、前記第1永久磁石(134)および前記第2永久磁石(144)により生じる磁束と、前記コイル(154)の通電により生じる磁束と、が強め合うように前記コイル(154)に通電するものとしてもよい。
以上、本開示を実施するための形態について説明したが、本開示はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本開示は、振動減衰装置の製造産業などに利用可能である。
1 発進装置、3 フロントカバー、4c ワンウェイクラッチ、4p ポンプインペラ、4s ステータ、4t タービンランナ、6 ロックアップクラッチ、7 変速機、8 入力軸、10 ダンパ装置、11 ドライブ部材、12 ドリブン部材、20,20B,20C,120 振動減衰装置、30,130 ロータ、32,132 ロータコア、34,34a,34b,44,44a,44b,134,144 永久磁石、38,138 回転数センサ、40,140 慣性質量体、42,142 質量体コア、50,50B,50C,150 復元トルク変更部、52,53,54,152 ヨーク、56,56B,56C ヨークフォルダ、56a,62a 筒状部、56b,62b 径方向壁部、56c ねじ部、56d 環状壁部、56i,152i 内側環状凹部、56o,152o 外側環状凹部、57 固定部材、60 アクチュエータ、62 ケース、62h 保持部材、62p 支持ピン、64 モータ、64a 回転位置センサ、65 インバータ、66 回転送り部、66a ギヤ部、66b ねじ部、68 回転伝達部、69 ウォーム、70 ウォームホイール、80,180 制御部、90,190 補機バッテリ、133,143 軸方向凹部、148 連結部材、154 コイル、156 スイッチング素子。

Claims (11)

  1. エンジンからのトルクが伝達される回転要素の振動を減衰する振動減衰装置であって、
    前記回転要素に連結される第1コアと前記第1コアに配置される第1永久磁石とを有するロータと、
    前記ロータの径方向外側に回転自在に配置され、第2コアと前記第2コアに配置される第2永久磁石とを有し、前記ロータとの吸引反発力により前記ロータの回転に伴って前記ロータの回転中心の周りに揺動する質量体と、
    前記振動減衰装置が平衡状態からずれたときに生じる復元トルクを、前記ロータの回転数に応じて外部エネルギを用いて変化させる復元トルク変更部と、
    を備える振動減衰装置。
  2. 請求項1記載の振動減衰装置であって、
    前記復元トルク変更部は、前記ロータと前記質量体との吸引反発力を変化させることにより、前記復元トルクを変化させる、
    振動減衰装置。
  3. 請求項2記載の振動減衰装置であって、
    前記復元トルク変更部は、前記ロータおよび/または前記質量体とにより磁路を構成可能なヨークを有し、前記ロータの回転数に応じて、前記ロータおよび/または前記質量体と前記ヨークとを含む磁路の磁束量を変化させることにより、前記ロータと前記質量体との吸引反発力を変化させる、
    振動減衰装置。
  4. 請求項3記載の振動減衰装置であって、
    前記復元トルク変更部は、前記ヨークに加えて、前記ヨークを前記振動減衰装置の軸方向に移動させるアクチュエータを更に有し、前記ロータの回転数に応じて前記アクチュエータにより前記ヨークを移動させることにより、前記ロータおよび/または前記質量体と前記ヨークとを含む磁路の磁束量を変化させる、
    振動減衰装置。
  5. 請求項4記載の振動減衰装置であって、
    前記ヨークは、前記質量体の外径よりも大きい内径を有すると共に前記ロータおよび前記質量体と同軸に配置される第1ヨークを有し、
    前記ロータおよび前記質量体と前記第1ヨークとを含む磁路の磁束量が多いほど前記復元トルクが大きくなり、
    前記復元トルク変更部は、前記ロータの回転数が大きくなるにつれて前記アクチュエータにより前記第1ヨークを前記軸方向における前記ロータおよび前記質量体に接近する側に移動させる、
    振動減衰装置。
  6. 請求項4または5記載の振動減衰装置であって、
    前記ヨークは、前記軸方向において前記第1コアおよび前記第1永久磁石と対向する第2ヨークを有し、
    前記ロータと前記第2ヨークとを含むと共に前記質量体を含まない磁路を流れる磁束量が少ないほど前記復元トルクが大きくなり、
    前記復元トルク変更部は、前記ロータの回転数が大きくなるにつれて前記アクチュエータにより前記第2ヨークを前記軸方向における前記ロータから離間する側に移動させる、
    振動減衰装置。
  7. 請求項4ないし6のうちの何れか1つの請求項に記載の振動減衰装置であって、
    前記ヨークは、前記軸方向において前記第2コアおよび前記第2永久磁石と対向する第3ヨークを有し、
    前記質量体と前記第3ヨークとを含むと共に前記ロータを含まない磁路を流れる磁束量が少ないほど前記復元トルクが大きくなり、
    前記復元トルク変更部は、前記ロータの回転数が大きくなるにつれて前記アクチュエータにより前記第3ヨークを前記軸方向における前記質量体から離間する側に移動させる、
    振動減衰装置。
  8. 請求項4ないし7のうちの何れか1つの請求項に記載の振動減衰装置であって、
    前記アクチュエータは、駆動源と、回転に伴って前記ヨークを前記軸方向に移動させる回転送り部と、前記駆動源の回転を前記回転送り部に伝達する回転伝達部とを有する、
    振動減衰装置。
  9. 請求項3記載の振動減衰装置であって、
    前記復元トルク変更部は、前記ヨークに加えて、コイルを更に有し、前記ロータの回転数に応じて前記コイルの通電電流を変化させることにより、前記ロータおよび前記質量体と前記ヨークとを含む磁路の磁束量を変化させる、
    振動減衰装置。
  10. 請求項9記載の振動減衰装置であって、
    前記復元トルク変更部は、前記ロータの回転数が大きくなるにつれて、前記コイルの通電電流を増加させる、
    振動減衰装置。
  11. 請求項9または10記載の振動減衰装置であって、
    前記第1永久磁石は、前記第1コアの周方向における一部に配置され、
    前記第2永久磁石は、前記第2コアの周方向における一部に配置され、
    前記復元トルク変更部は、前記第1コアのうち前記ロータの周方向における前記第1永久磁石が配置されていない部分および前記第2コアうち前記質量体の周方向における前記第2永久磁石が配置されていない部分で、前記第1永久磁石および前記第2永久磁石により生じる磁束と、前記コイルの通電により生じる磁束と、が強め合うように前記コイルに通電する、
    振動減衰装置。
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