JP2015209923A - 車両用ブレーキ - Google Patents
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Abstract
【課題】例えば、より小型に構成することが可能な車両用ブレーキを得る。
【解決手段】車両用ブレーキは、例えば、第一の部材を回すアクチュエータと、第一の部材の回転を、ホイールの第一の回転中心と略平行な第二の回転中心回りの第二の部材の回転に変更する回転方向変更機構と、第二の部材の回転を第三の部材の移動に変換する運動変換機構と、第三の部材の移動に応じて移動することにより、ホイールを制動する制動部材と、制動部材を移動可能に支持する支持部材と、を備える。
【選択図】図3
【解決手段】車両用ブレーキは、例えば、第一の部材を回すアクチュエータと、第一の部材の回転を、ホイールの第一の回転中心と略平行な第二の回転中心回りの第二の部材の回転に変更する回転方向変更機構と、第二の部材の回転を第三の部材の移動に変換する運動変換機構と、第三の部材の移動に応じて移動することにより、ホイールを制動する制動部材と、制動部材を移動可能に支持する支持部材と、を備える。
【選択図】図3
Description
本発明は、車両用ブレーキに関する。
従来、モータの回転によってケーブルを介してブレーキシューを動かすことにより制動状態を得る車両用ブレーキが知られている(例えば、特許文献1)。
従来の車両用ブレーキでは、ケーブルの延長線上にモータ等の構成部品が配置されている。このような構成では、車両用ブレーキの構成部品が、ホイールの回転中心の径方向や軸方向に比較的大きく張り出してしまう場合があった。そこで、本発明の課題の一つは、例えば、より小型に構成することが可能な車両用ブレーキを得ることである。
本発明の車両用ブレーキは、例えば、第一の部材を回すアクチュエータと、前記第一の部材の回転を、ホイールの第一の回転中心と略平行な第二の回転中心回りの第二の部材の回転に変更する回転方向変更機構と、前記第二の部材の回転を第三の部材の移動に変換する運動変換機構と、前記第三の部材の移動に応じて移動することにより、前記ホイールを制動する制動部材と、前記制動部材を移動可能に支持する支持部材と、を備える。
また、前記車両用ブレーキでは、例えば、前記アクチュエータ、前記回転方向変更機構、および前記運動変換機構が、前記第一の回転中心の周方向に沿って、車体と前記支持部材とを接続する接続部材の周りに配置される。
また、前記車両用ブレーキでは、例えば、前記ホイールは、前記第一の回転中心を中心とする筒状部を有し、前記アクチュエータ、前記回転方向変更機構、および前記運動変換機構が、前記筒状部の内側に収容される。
また、前記車両用ブレーキは、例えば、前記回転方向変更機構および前記運動変換機構を収容するケースを備える。
また、前記車両用ブレーキでは、例えば、前記回転方向変更機構がセルフロック機能を有する。
また、前記車両用ブレーキでは、例えば、前記回転方向変更機構は、ウォームおよびウォームホイールを有する。
また、前記車両用ブレーキでは、例えば、前記運動変換機構は、クランク機構を有する。
また、前記車両用ブレーキでは、例えば、前記アクチュエータが、前記回転方向変更機構よりも上方に位置される。
以下、本発明の例示的な実施形態が開示される。以下に示される実施形態の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用および結果(効果)は、一例である。本発明は、以下の実施形態に開示される構成以外によっても実現可能である。また、本発明によれば、構成によって得られる種々の効果(派生的な効果も含む)のうち少なくとも一つを得ることが可能である。
また、以下に開示される複数の実施形態には、同様の構成要素が含まれる。以下では、同様の構成要素には共通の符号が付与されるとともに、重複する説明が省略される。また、各図中では、便宜上、車両前後方向の前方が矢印Xで示され、車幅方向(車軸方向)の外方が矢印Yで示され、車両上下方向の上方が矢印Zで示される。
また、以下では、車両用ブレーキの一例であるブレーキ装置2,2Aが、左側の後輪(非駆動輪)に適用された場合が例示されるが、本発明は、他の車輪にも同様に適用可能である。
<第1実施形態>
図1に示されるように、ブレーキ装置2は、円筒状のホイール1の筒状部1a(周壁)の内側に収容されている。また、ブレーキ装置2は、ドラムブレーキとして構成されている。すなわち、図2に示されるように、ブレーキ装置2は、前後両側に円弧状のブレーキシュー3を備えている。ブレーキ装置2の周囲には、円筒状のドラム4(図5,6参照)が設けられている。ドラム4は、車幅方向(Y方向)に沿う回転中心Ax(第一の回転中心)回りに、ホイール1と一体に回転する。ブレーキ装置2は、二つのブレーキシュー3を、円筒状のドラム4の内周面4aに接触するよう移動させる。これにより、ブレーキシュー3とドラム4との摩擦によって、ドラム4ひいてはホイール1が制動される。ブレーキシュー3は、制動部材(可動部材)の一例である。
図1に示されるように、ブレーキ装置2は、円筒状のホイール1の筒状部1a(周壁)の内側に収容されている。また、ブレーキ装置2は、ドラムブレーキとして構成されている。すなわち、図2に示されるように、ブレーキ装置2は、前後両側に円弧状のブレーキシュー3を備えている。ブレーキ装置2の周囲には、円筒状のドラム4(図5,6参照)が設けられている。ドラム4は、車幅方向(Y方向)に沿う回転中心Ax(第一の回転中心)回りに、ホイール1と一体に回転する。ブレーキ装置2は、二つのブレーキシュー3を、円筒状のドラム4の内周面4aに接触するよう移動させる。これにより、ブレーキシュー3とドラム4との摩擦によって、ドラム4ひいてはホイール1が制動される。ブレーキシュー3は、制動部材(可動部材)の一例である。
ブレーキ装置2は、ブレーキシュー3を動かすアクチュエータとして、アクチュエータ51(図2参照)と、アクチュエータ52(図3参照)と、を備えている。アクチュエータ51は、例えば、油圧によって動作するホイルシリンダである。また、アクチュエータ52は、例えば、通電によって動作するモータである。二つのアクチュエータ51,52は、それぞれ、二つのブレーキシュー3を動かすことができる。アクチュエータ51は、例えば、走行中の制動に用いられ、アクチュエータ52は、例えば、駐車時の制動に用いられる。すなわち、ブレーキ装置2は、電動パーキングブレーキの一例である。なお、アクチュエータ52は、走行中の制動にも用いられうる。本実施形態によれば、アクチュエータ52に関連する新規な構成が得られる。
ブレーキ装置2は、図1〜4に示されるように、円盤状のバックプレート6を備えている。バックプレート6は、車幅方向と交差して(直交して)設けられる。すなわち、バックプレート6は、車幅方向と交差する方向(直交する方向、XZ平面)に略沿って広がっている。図1に示されるように、ブレーキ装置2の構成部品は、バックプレート6の車幅方向の外側および内側の両方に設けられている。バックプレート6は、ブレーキ装置2の各構成部品を直接的または間接的に支持する。すなわち、バックプレート6は、支持部材の一例である。また、バックプレート6は、接続部材7と接続されている。接続部材7は、バックプレート6と車体(図示されず)とを接続する。接続部材7は、例えば、サスペンションの一部(例えば、アーム、リンク、取付部材等)である。接続部材7には、バックプレート6の車幅方向内側の面6a(図3,4参照)が、取り付けられる。接続部材7の端部7a(図3,4参照)は、バックプレート6に設けられた複数の開口部6b(図2参照)のそれぞれを貫通した結合具(例えばボルト、図示されず)によって、バックプレート6と結合される。図4に示されるように、接続部材7は、バックプレート6と固定された状態で、当該バックプレート6の車幅方向内側の面6aから、車幅方向内側に向けて延びている。なお、図2に示されるように、バックプレート6の中央部には円形状の開口部6cが設けられている。本実施形態では、ブレーキ装置2が非駆動輪に用いられた場合が例示されている。本実施形態のブレーキ装置2は、駆動輪にも用いることができる。ブレーキ装置2が駆動輪に用いられる場合、開口部6cを車軸(図示されず)が貫通する。また、バックプレート6は、例えば、金属材料で構成される。
図2に示されるアクチュエータ51や、ブレーキシュー3等は、バックプレート6の車幅方向外側に配置されている。ブレーキシュー3は、バックプレート6に移動可能に支持されている。本実施形態では、例えば、ブレーキシュー3の下端部3aが、回転中心Ax1回りに回転可能に、バックプレート6に支持されている。回転中心Ax1は、ホイール1の回転中心Axと略平行である。また、アクチュエータ51は、バックプレート6の上端部に支持されている。アクチュエータ51は、車両前後方向(図2の左右方向)に突出可能な二つの可動部(ピストン、図示されず)を有する。アクチュエータ51は、油圧(加圧)に応じて、二つの可動部を突出させる。突出した二つの可動部は、それぞれ、ブレーキシュー3の上端部3bを押す。二つの可動部の突出により、二つのブレーキシュー3は、それぞれ、回転中心Ax1回りに回転し、上端部3b同士が車両前後方向に互いに離間するように移動する。これにより、二つのブレーキシュー3は、ホイール1の回転中心Axの径方向外側に移動する。各ブレーキシュー3の外周部には、円筒面に沿った帯状のライニング31が設けられている。よって、二つのブレーキシュー3の、回転中心Axの径方向外側への移動により、ライニング31とドラム4の内周面4a(図6参照)とが接触する。ライニング31と内周面4aとの摩擦によって、ドラム4ひいてはホイール1が制動される。また、図2に示されるように、ブレーキ装置2は、復帰部材32を備えている。復帰部材32は、アクチュエータ51によるブレーキシュー3を押す動作が解除された場合に、二つのブレーキシュー3を、ドラム4の内周面4aと接触する位置(制動位置Pb、図6参照)からドラム4の内周面4aと接触しない位置(非制動位置Pn、初期位置、図5参照)へ動かす。復帰部材32は、例えば、コイルスプリング等の弾性部材であり、各ブレーキシュー3に、もう一方のブレーキシュー3に近付く方向の力、すなわち、ドラム4の内周面4aから離れる方向の力を与える。
また、ブレーキ装置2は、アクチュエータ51とは別に、二つのブレーキシュー3を非制動位置Pnから制動位置Pbに移動させる移動機構8(図5,6参照)を備えている。移動機構8は、バックプレート6の車幅方向外側に設けられている。移動機構8は、図2,5,6に示されるように、レバー81(ただし、図2には示されず)と、ケーブル82と、ストラット83と、を有する。レバー81(主動部材)は、二つのうち一方(例えば図2の右側)のブレーキシュー3Rとバックプレート6との間で、当該ブレーキシュー3Rおよびバックプレート6にホイール1の回転中心Axの軸方向に重なるように、設けられている。また、レバー81は、ブレーキシュー3Rに、回転中心Ax2回りに回転可能に支持されている。回転中心Ax2は、ブレーキシュー3Rの、回転中心Ax1から離れた側(図2では上側)の端部(上端部)に位置され、回転中心Axおよび回転中心Ax1と略平行である。ケーブル82(作動部材)は、レバー81の回転中心Ax2から遠い側の端部(下端部81a)を、他方(例えば、図2の左側)のブレーキシュー3Lに近付く方向に動かす。ケーブル82は、バックプレート6に略沿って移動する。また、ストラット83(突張部材)は、レバー81と当該レバー81が支持されるブレーキシュー3Rとは別のブレーキシュー3Lとの間に介在し、レバー81と当該別のブレーキシュー3Lとの間で突っ張る。また、レバー81とストラット83との接続位置P1は、回転中心Ax2と、ケーブル82とレバー81との接続位置P2と、の間に設定されている。
このような移動機構8において、ケーブル82が図5,6の左側へ動く(引かれる)ことにより、レバー81が、図6に示されるように、ブレーキシュー3Lに近付く方向へ動くと(矢印a)、レバー81はストラット83を介してブレーキシュー3Lを押す(矢印b)。これにより、ブレーキシュー3Lは、非制動位置Pn(図5)から回転中心Ax1回りに回転し(矢印c)、ドラム4の内周面4aと接触する位置(制動位置Pb、図6)へ動く。この状態では、ケーブル82とレバー81との接続位置P2は力点、回転中心Ax2は支点、レバー81とストラット83との接続位置P1は作用点に相当する。さらに、ブレーキシュー3Lが、内周面4aに接触した状態で、レバー81が図5,6の左側、すなわち、ストラット83がブレーキシュー3Lを押す方向へ動くと(矢印a)、ストラット83が突っ張ることにより、レバー81はストラット83との接続位置P1を支点として、レバー81の動く方向とは逆方向、すなわち、図5,6での時計回りに回転する(矢印d)。これにより、ブレーキシュー3Rは、非制動位置Pn(図5)から回転中心Ax1回りに回転し、ドラム4の内周面4aと接触する位置(制動位置Pb、図6)へ動く。このようにして、移動機構8の作動により、ブレーキシュー3L,3Rは、非制動位置Pnから制動位置Pbへ動く。なお、ブレーキシュー3Lがドラム4の内周面4aに接触した以降の状態では、レバー81とストラット83との接続位置P1が支点となる。なお、ブレーキシュー3L,3Rの移動量は微少(例えば、1mm以下)である。
アクチュエータ52は、この移動機構8を介して、二つのブレーキシュー3を、非制動位置Pnから制動位置Pbへ動かす。ブレーキ装置2は、アクチュエータ52と移動機構8との間に介在する構成として、図3に示される回転方向変更機構9、運動変換機構10、およびケーブル82を備えている。回転方向変更機構9は、アクチュエータ52のシャフト5aの回転を、ウォームホイール9bの回転に変更する。運動変換機構10は、ウォームホイール9bと一体のスイングアーム10aの回転を、ケーブル82の移動(直動)に変換する。そして、ケーブル82が、レバー81(図5,6参照)を引っ張る。なお、アクチュエータ52のシャフト5aからレバー81までの各部は、アクチュエータ52のシャフト5aの正転および逆転の双方に連動する。
図3に示されるアクチュエータ52、回転方向変更機構9および運動変換機構10は、バックプレート6の車幅方向内側で、バックプレート6に沿って(XZ平面に略沿って)配置されている。また、アクチュエータ52、回転方向変更機構9、および運動変換機構10は、ケース12内に収容され、当該ケース12に支持されている。図4に示されるように、ケース12は、壁部12a,12b,12cを有する。壁部12a(底壁)は、バックプレート6と略平行に設けられている。壁部12b(周壁、側壁)は、壁部12aと交差し(直交し)、壁部12aの周縁部から車幅方向内方に延びている。壁部12bによって構成される開口部(図示されず)は、壁部12aとは反対側に設けられた平板状あるいは半円筒状の壁部12cによって覆われ、ケース12内は略密閉される。ケース12は、例えば、結合具(例えばボルト、図示されず)によって、バックプレート6に固定される。ケース12は、例えば、金属材料や合成樹脂材料等によって構成される。なお、アクチュエータ52の一部は、ケース12外に露出されてもよい。
図3に示されるように、回転方向変更機構9は、ウォーム9aや、ウォームホイール9b等を有する。ウォーム9aは、アクチュエータ52のシャフト5a(出力軸)と一体に回転する。ウォーム9aとウォームホイール9bとが噛み合う。この回転方向変更機構9では、ウォーム9aとウォームホイール9bとの噛み合いにより、回転中心の軸方向が変更される。具体的に、アクチュエータ52のシャフト5aの回転中心Ax3の軸方向は、車両上下方向(図3の上下方向)であるのに対し、ウォームホイール9bの回転中心Ax4(第二の回転中心)の軸方向は、車幅方向(図3の紙面と垂直な方向)である。回転中心Ax4の軸方向は、ホイール1の回転中心Axの軸方向と略平行である。ウォーム9aは、第一の部材の一例であり、ウォームホイール9bは、第二の部材の一例である。なお、回転中心Ax3は、バックプレート6の車幅方向内側で、バックプレート6に沿って(XZ平面に略沿って)いる。
運動変換機構10は、スイングアーム10a等を有する。スイングアーム10aは、回転中心Ax4回りに回転可能に、ケース12に支持されている。回転中心Ax4は、ホイール1の回転中心Axと略平行である。すなわち、回転中心Ax4は、バックプレート6と交差(略直交)し、XZ平面と交差(略直交)している。スイングアーム10aは、ウォームホイール9bと一体に回転する。スイングアーム10aの回転中心Ax4から径方向に離れた端部10bに、ケーブル82が接続されている。スイングアーム10aの回転中心Ax4回りの回転に応じて、端部10bは、車両前後方向(図3の左右方向)に動く。運動変換機構10によって、スイングアーム10aの回転中心Ax4回りの回転が、ケーブル82の方向Dfへの移動(直動)に変換される。すなわち、運動変換機構10のスイングアーム10aおよびケーブル82は、クランク機構(リンク機構)を構成している。また、スイングアーム10aは、第二の部材の一例であり、ケーブル82は、第三の部材の一例である。また、スイングアーム10aは、回動部材や、アーム、レバー等とも称されうる。
また、図7に示されるように、ケーブル82は、バックプレート6に設けられた開口部6dを貫通している。図3に示されるように、ケーブル82の一端は、スイングアーム10aの端部10bと結合され、図5,6に示されるように、ケーブル82の他端は、移動機構8のレバー81の下端部81aと結合されている。よって、アクチュエータ52のシャフト5aの回転によって、回転方向変更機構9、運動変換機構10、およびケーブル82を介してレバー81が動き、これにより、ブレーキシュー3が動いて、制動状態を得ることができる。また、ブレーキ装置2では、例えばECU(electronic control unit)等の制御によってアクチュエータ52に流す電流を制御することにより、アクチュエータ52のシャフト5aの回転の開始や、停止、回転方向の切り替え等を、制御することができる。アクチュエータ52のシャフト5aの正転および逆転に応じて、ブレーキシュー3は、非制動位置Pnと制動位置Pbとの間で移動することができる。また、ブレーキ装置2は、例えば、アクチュエータ52の負荷トルクに対応したアクチュエータ52の電流値が閾値と同じかあるいは超えた場合に、アクチュエータ52が動作を停止するよう、構成されうる。これにより、アクチュエータ52の動作を自動的に停止することができるとともに、アクチュエータ52やブレーキ装置2の構成部品への負荷の増大が抑制されやすい。
また、図3に示される回転方向変更機構9のウォーム9aおよびウォームホイール9bは、ねじの進み角が比較的小さく設定されることにより、セルフロック機能を備えている。
以上のように、本実施形態では、図3に示されるように、回転方向変更機構9は、ウォーム9a(第一の部材)の回転を、ホイール1の回転中心Axと略平行な回転中心Ax4回りのウォームホイール9b(第二の部材)の回転に変更し、運動変換機構10は、ウォームホイール9bおよび当該ウォームホイール9bと一体のスイングアーム10a(第二の部材)の回転中心Ax4回りの回転を、ケーブル82(第三の部材)の移動に変換する。ここで、仮に、回転方向変更機構9や運動変換機構10等を備えていない場合、運動変換機構やアクチュエータ等が、直線状に並び、例えばホイール1の回転中心Axの径方向外側等に、大きく張り出す虞がある。この点、本実施形態では、ブレーキ装置2が回転方向変更機構9および運動変換機構10を備えているため、例えば、図3に示されるように、ブレーキ装置2のアクチュエータ52や、回転方向変更機構9、運動変換機構10、ケーブル82等が、ホイール1の回転中心Axの回りに、全体的に屈曲あるいは湾曲しつつ並ぶ形態に、配置されうる。よって、本実施形態によれば、例えば、ブレーキ装置2が少なくとも径方向に大型化し難い。
また、本実施形態では、運動変換機構10は、クランク機構(リンク機構)を有している。すなわち、運動変換機構10は、図3に示されるように、スイングアーム10a(第二の部材)の、回転中心Ax4回りの回転を、ケーブル82(第三の部材)の、回転中心Ax4の軸方向とねじれの位置にある方向Dfあるいは回転中心Ax4と交差(直交)する方向への移動(直動)に変換する。クランク機構(リンク機構)を有した運動変換機構の回転中心の軸方向のサイズは、ナットとねじとを有した運動変換機構の回転中心の軸方向のサイズよりも小さくなりやすい。よって、本実施形態によれば、例えば、運動変換機構10が、回転中心Ax4の軸方向、すなわち、回転中心Ax4と略平行なホイール1の回転中心Axの軸方向に、より小型に(より薄く)構成されうる。
また、本実施形態では、図3に示されるように、アクチュエータ52、回転方向変更機構9、および運動変換機構10が、ホイール1の回転中心Axの周方向に沿って、接続部材7の周りに配置されている。よって、本実施形態によれば、例えば、接続部材7の周りのスペースを利用して、アクチュエータ52や、回転方向変更機構9、運動変換機構10、ケーブル82等が、配置されうる。
また、本実施形態では、図1に示されるように、本実施形態では、アクチュエータ52、回転方向変更機構9、および運動変換機構10が、ホイール1の筒状部1aの径方向の内側に位置されている。よって、本実施形態によれば、例えば、筒状部1a内のスペースを利用して、アクチュエータ52、回転方向変更機構9、および運動変換機構10を配置することができる。
また、本実施形態では、図1に示されるように、アクチュエータ52や、回転方向変更機構9、運動変換機構10、ケース12等が、ホイール1の筒状部1aから車幅方向内側(軸方向)に突出しない状態に、構成されている。よって、本実施形態によれば、例えば、アクチュエータ52、回転方向変更機構9、および運動変換機構10が、ホイール1によって保護されうる。また、アクチュエータ52、回転方向変更機構9、および運動変換機構10が、ホイール1の筒状部1aから車幅方向内側に出た場合に比べて、接続部材7やその他の部品の形状やレイアウト等の自由度が、高まりやすい。
また、本実施形態では、図3,4に示されるように、少なくとも回転方向変更機構9および運動変換機構10が、ケース12内に収容されている。よって、本実施形態によれば、例えば、少なくとも回転方向変更機構9および運動変換機構10が、ケース12によって保護されうる。また、例えば、ケース12に回転方向変更機構9や運動変換機構10等が収容されるため、回転方向変更機構9や運動変換機構10等が個別にあるいは直接的にバックプレート6に取り付けられる構成に比べて、製造時やメンテナンス時等における部品の着脱がより容易に行われうる。
また、本実施形態では、回転方向変更機構9は、セルフロック機能を有する。よって、本実施形態によれば、例えば、回転方向変更機構9のセルフロック機能によって、ホイール1の制動状態が維持されうる。よって、例えば、セルフロック機能を別個に設けた場合に比べて、ブレーキ装置2の構成が簡素化されうる。
また、本実施形態では、回転方向変更機構9は、ウォーム9aおよびウォームホイール9bを有する。よって、本実施形態によれば、例えば、比較的簡素な構成の回転方向変更機構9によって、セルフロック機能が得られる。
また、本実施形態では、図3に示されるように、アクチュエータ52は、回転方向変更機構9よりも上方に位置されている。また、アクチュエータ52は、ホイール1の回転中心Axおよび接続部材7よりも上方に位置されている。よって、本実施形態によれば、例えば、アクチュエータ52が浸水し難い。また、例えば、アクチュエータ52への異物の影響が減りやすい。
<第2実施形態>
本実施形態のブレーキ装置2Aは、上記第1実施形態のブレーキ装置2と同様の構成を備えている。よって、本実施形態によっても、同様の構成に基づく同様の作用および効果が得られる。
本実施形態のブレーキ装置2Aは、上記第1実施形態のブレーキ装置2と同様の構成を備えている。よって、本実施形態によっても、同様の構成に基づく同様の作用および効果が得られる。
ただし、本実施形態では、アクチュエータ52、シャフト5a、およびウォーム9aの配置が、第1実施形態とは相違している。すなわち、図8に示されるように、シャフト5aおよびウォーム9aの回転中心Ax3が、ウォームホイール9bおよびスイングアーム10aの回転中心Ax4回りに、第1実施形態よりも反時計回り方向に傾けられている。よって、本実施形態によれば、例えば、アクチュエータ52およびウォーム9aを、周方向に沿わせることができる。よって、本実施形態によれば、例えば、アクチュエータ52がホイール1の回転中心Axの径方向の、より内側に位置される場合がある。
また、本実施形態では、運動変換機構10Aの構成が、第1実施形態と相違している。すなわち、図8,9に示されるように、スイングアーム10aの端部10bが、ロッド10cを介して、レバー81の下端部81aと接続されている。スイングアーム10aの回転中心Ax4回りの回転に応じて、端部10bおよびロッド10cが車両前後方向に動き、ロッド10cが接続されるレバー81の下端部81aも、車両前後方向に動く。ロッド10cは、第三の部材の一例である。なお、本実施形態でも、アクチュエータ52からレバー81までの各部は、正方向および逆方向に連動する。また、ケースの壁部(底壁、図示されず)に設けられた開口部(図示されず)およびバックプレート6に設けられた開口部6eを、ロッド10cが貫通している。また、ロッド10cは、スイングアーム10aに移動可能に支持されている。具体的には、スイングアーム10aには長穴10dが設けられ、ロッド10cは、長穴10dに沿って移動可能(スライド可能)に支持されている。また、第2実施形態では、レバー81は、図5,6の移動機構8とは左右逆(車両前後方向に逆)の位置に設けられており、第2実施形態の移動機構8の各部は、図5,6とは左右逆に動く(図示されず)。
本実施形態のブレーキ装置2Aも、第1実施形態とは一部構造が異なるものの、回転方向変更機構9および運動変換機構10Aを備えている。よって、本実施形態によっても、第1実施形態と同様に、例えば、ブレーキ装置2Aが少なくとも径方向に大型化し難い。また、本実施形態のブレーキ装置2Aは、ケーブル82に替えて、ロッド10c(第三の部材、作動部材)を備えている。よって、本実施形態によれば、例えば、ブレーキ装置2Aがより小さく構成される場合がある。また、本実施形態によれば、ケーブル82を組み付ける構成に比べて、例えば、第三の部材の取り付けや取り外しがより容易に行われる場合がある。
以上、本発明の実施形態が例示されたが、上記実施形態はあくまで一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。また、各構成や、形状、等のスペック(構造や、種類、方向、形状、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数、配置、位置、材質等)は、適宜に変更して実施することができる。また、複数の実施形態間で、構成を部分的に入れ替えて実施することができる。
例えば、上記実施形態では、ブレーキ装置2,2Aは、リーディングトレーリング式のドラムブレーキとして構成されたが、本発明は他の形式のブレーキ装置としても構成することができる。また、一のアクチュエータによるディスクブレーキと他のアクチュエータによるドラムブレーキとを有するブレーキ装置の、当該他のアクチュエータに対応した構成として、本発明を実施することが可能である。また、アクチュエータは、モータ以外であってもよい。また、アクチュエータや、回転方向変更機構、運動変換機構、ケース等は、接続部材の車両後方や、車両上方等にも配置されうるし、上記実施形態の位置から周方向に所定角度回転した位置等にも配置されうる。
1…ホイール、1a…筒状部、2,2A…ブレーキ装置(車両用ブレーキ)、3,3L,3R…ブレーキシュー、52…アクチュエータ、6…バックプレート(支持部材)、7…接続部材、9…回転方向変更機構、9a…ウォーム(第一の部材)、9b…ウォームホイール(第二の部材)、10,10A…運動変換機構、10a…スイングアーム(第二の部材、クランク機構)、10c…ロッド(第三の部材)、82…ケーブル(第三の部材、クランク機構)、Ax…(第一の)回転中心、Ax4…(第二の)回転中心。
Claims (8)
- 第一の部材を回すアクチュエータと、
前記第一の部材の回転を、ホイールの第一の回転中心と略平行な第二の回転中心回りの第二の部材の回転に変更する回転方向変更機構と、
前記第二の部材の回転を第三の部材の移動に変換する運動変換機構と、
前記第三の部材の移動に応じて移動することにより、前記ホイールを制動する制動部材と、
前記制動部材を移動可能に支持する支持部材と、
を備えた、車両用ブレーキ。 - 前記アクチュエータ、前記回転方向変更機構、および前記運動変換機構が、前記第一の回転中心の周方向に沿って、車体と前記支持部材とを接続する接続部材の周りに配置された、請求項1に記載の車両用ブレーキ。
- 前記ホイールは、前記第一の回転中心を中心とする筒状部を有し、
前記アクチュエータ、前記回転方向変更機構、および前記運動変換機構が、前記筒状部の内側に収容された、請求項1または2に記載の車両用ブレーキ。 - 前記回転方向変更機構および前記運動変換機構を収容するケースを備えた、請求項1〜3のうちいずれか一つに記載の車両用ブレーキ。
- 前記回転方向変更機構がセルフロック機能を有する、請求項1〜4のうちいずれか一つに記載の車両用ブレーキ。
- 前記回転方向変更機構は、ウォームおよびウォームホイールを有する、請求項5に記載の車両用ブレーキ。
- 前記運動変換機構は、クランク機構を有する、請求項1〜6のうちいずれか一つに記載の車両用ブレーキ。
- 前記アクチュエータが、前記回転方向変更機構よりも上方に位置された、請求項1〜7のうちいずれか一つに記載の車両用ブレーキ。
Priority Applications (1)
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JP2014092118A JP2015209923A (ja) | 2014-04-25 | 2014-04-25 | 車両用ブレーキ |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2014092118A JP2015209923A (ja) | 2014-04-25 | 2014-04-25 | 車両用ブレーキ |
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JP2015209923A true JP2015209923A (ja) | 2015-11-24 |
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ID=54612278
Family Applications (1)
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2020008162A (ja) * | 2018-06-29 | 2020-01-16 | ダイハツ工業株式会社 | ドラムブレーキ構造 |
-
2014
- 2014-04-25 JP JP2014092118A patent/JP2015209923A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2020008162A (ja) * | 2018-06-29 | 2020-01-16 | ダイハツ工業株式会社 | ドラムブレーキ構造 |
JP7102645B2 (ja) | 2018-06-29 | 2022-07-20 | ダイハツ工業株式会社 | ドラムブレーキ構造 |
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