JP2015209022A - 要救助者揚収ウィンチ昇降方法及び昇降装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】モータ15の回転により索16を介して揚収ネット17を水面W1に対して昇降方向に移動させる要救助者揚収ウィンチ昇降方法において、モータ15を所定速度となるように速度制御することによって、揚収ネット17を移動させる速度制御モードと、索16を緊張状態に維持可能なトルク出力となるように、モータ15をトルク制御することによって、揚収ネット17を水面W1上に保持する第1トルク制御モードと、第1トルク制御モードにおけるトルクより小トルク出力となるように、モータ15をトルク制御することによって、揚収ネット17を水中W2で上昇させる第2トルク制御モードとを備える。
【選択図】図1
Description
図1に示すように、この実施形態においては、船舶11の甲板111上にクレーン12が搭載されている。クレーン12のアームの先端には装着部材13が吊下され、その装着部材13には要救助者揚収ウィンチ昇降装置14が着脱可能に装着されている。この要救助者揚収ウィンチ昇降装置14は、ACサーボモータよりなるモータ15と、水面W1上に漂っている物体Oを引き上げる際に、モータ15の回転により索16を介して海面等の水面W1に対して昇降方向に移動される揚収ネット17とを備えている。要救助者揚収ウィンチ昇降装置14のモータ15と揚収ネット17とはパッケージ化されて、クレーン12の先端の装着部材13に吊下されるようになっている。
水面W1上からの物体Oの引き上げ時には、図5(a)に示すように、クレーン12の先端の装着部材13に要救助者揚収ウィンチ昇降装置14を装着した状態で、船舶11の甲板111上に設けられた制御盤27上の操作部29の下降スイッチ291を操作する。すると、モータ15が速度制御モードにより、索16の巻き戻し方向へ所定速度となるように速度制御されながら回転されて、縮小状態の揚収ネット17を収容した図示しないパッケージケースが空中から水中W2に下降される。そして、揚収ネット17が所定の水深まで下降されて、物体Oの下方位置付近に達したとき、モータ15の運転開始からの計測時間の経過に基づいて、モータ15がトルク制御されて、揚収ネット17の下降が停止される。
・この実施形態の要救助者揚収ウィンチ昇降方法においては、索16を介して揚収ネット17を水面W1に対して昇降方向に移動させるモータ15が、速度制御モードと、トルク制御モードとに切り換えて運転される。速度制御モードでは、モータ15が所定速度となるように速度制御されることによって、揚収ネット17が昇降方向に移動される。トルク制御モードでは、索16が緊張状態に維持可能な第1の値のトルク出力となるように、モータ15がトルク制御されることによって、揚収ネット17が水面W1上に保持される。またトルク制御モードでは、第1の値より小さな第2の値のトルク出力となるように、モータ15がトルク制御及び巻取り速度を制限した速度制御されることによって、揚収ネット17が水中W2で上昇される。
一実施形態の装置を一般的なウィンチのように使用し、船甲板上において索の先端に接続した揚収ネット等の救助資機材を揚降させる。なお、船甲板の揚降速度は必要に応じ調整できる。
ウィンチモードにより揚収ネットを海面まで降下、着水させた後、海面から一定水深まで沈降させる間、揚収ネットの海中での沈降を妨げず、且つ海面の上下動及び船体動揺による、船甲板と海面間との間の距離の変化に自動的に追従し、索の張力を常に緊張状態に保持する。なお、使用時の気象、海象や船体動揺の状態及び吊り下げた救助資機材等の状態に応じて、索の張力を調整できる。
前記沈降モードにより、揚収ネットを海面下一定水深まで沈降させた後、海面の浮力体(浮環等)から索により吊り下がった状態で、水深を一定に保っている揚収ネットの水深を変化させず、且つ海面の上下動及び船体動揺による船甲板と海面(浮力体)との間の距離の変化に自動的に追従し、索の張力を常に緊張状態に調整する。なお、使用時の気象、海象や船体動揺の状態及び吊り下げた救助資機材等の状態に応じて、索の張力を調整できる。
前記展張準備モードの状態から揚収ネットが海面まで浮上、展張する際、浮上とともに弛む索を揚収ネットの展張動作に悪影響を与えないように巻き取り、且つ、海面の上下動及び船体動揺による船甲板と海面との間の距離の変化に自動的に追従し、索の張力を常に緊張状態に調整する。なお、使用時の気象、海象や船体動揺の状態及び吊り下げた救助資機材等の状態に応じて、索の張力を調整できる。
揚収ネットが海面に浮上し、展張動作が完了した後、揚収ネットが常に海面に張り付いた姿勢となるように、海面の上下動及び船体動揺による船甲板と海面との間の距離の変化に自動的に追従し、索の張力を常に緊張状態に調整する。なお、使用時の気象、海象や船体動揺の状態及び吊り下げた救助資機材等の状態に応じて、索の張力を調整できる。
前記オートテンションモードから、索長が最短となった時に揚収ネットを巻き上げ、船上に揚収可能な状態とする。なお、巻き上げる速度は、ネットの異常な変形を起こさないよう調整できる。
前記揚収モードから、クレーンのウィンチにより索の巻き上げ、繰り出しがなされることのないように保持する。
(1)運転ボタン102を押して装置起動。
(2)ウィンチモード表示ランプ120点灯。
(4)制御システムを揚収ネットモードに切替(運転状態ランプ126はオレンジ点滅→オレンジ点灯)。
(6)索の巻上げ、繰り出しはボタン104,105を押し続けることで作動。離すと停止。
(8)前記(7)において巻上げ、ボタン104、105を離すと速度は初期設定値に戻る。
(10)沈降ボタン104を押すとトルク制御最弱、速度最大で揚収ネットをスム−ズに沈降させる。
(12)前記(11)を確認後、準備ボタン105にて展張モードのオートテンションモードに切り替え(沈降ボタン104無効)。
(15)揚収ネットが浮上〜展張〜水面の一連の動作後、自動的にオートテンションモード制御に移行。
(18)海面、船体横揺を見計らって、巻上げボタン107により揚収ネットを水切りから巻上げする。
(20)揚収ネットが巻き取られ、リミットスイッチが作動するとサーボモータは最大保持力に切り替わると同時に、前記(16)において緊急揚収モードとなっていたウィンチのトルク設定を通常に戻す。(ランプ120青点灯)。
レスキューモード
(1)前記揚収ネットモード(1)〜(3)、(5)〜(6)と同じ。
(2)展張開始ボタン106を押すと、オートテンション機能が作動する。
(4)前記揚収ネットモードの(17)と同じ。
(6)前記揚収ネットモードの(18)以降と同様に揚収完了。
排他制御
揚収ネットモード
(1)沈降〜巻上げの一連の動作は、逆順で操作するとネット展張に不都合が起こるので、誤って他のボタンを押さないよう排他制御を行う。
(3)沈降ボタン104を押すと準備ボタン105の排他制御が解除される。
(5)この段階でネット位置修正等によりボタン100,101を押した場合、排他制御は前記(2)に戻る。
(7)同時にウィンチ制御が緊急モードに切り替わり、最大トルク、高速巻上げ・繰り出しに設定される。
(9)ネットが巻き上げられ、リミットスイッチが作動すると(2)に戻り、ウィンチの緊急モードが解除される。
(1)レスキューモードを起動した場合には、沈降・準備ボタン104,105及び巻上げボタン107に排他制御がかかる。
(4)ネットが巻き上げられ、リミットスイッチが作動すると前記(2)に戻り、ウィンチの緊急モードが解除される。
なお、この実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・操作部29に進行スイッチを設けて、その進行スイッチを操作するごとに、物体Oの引き上げ作業のステップが自動的に進行するように構成すること。
・前記実施形態におけるトルク制御や速度制御の数値を適宜に変更すること。
Claims (9)
- モータの回転により索を介して揚収ネットを水面に対して昇降方向に移動させる要救助者揚収ウィンチ昇降方法において、
前記モータを所定速度となるように速度制御することによって、前記揚収ネットを移動させる速度制御モードと、
前記索を緊張状態に維持可能なトルク出力となるように、前記モータをトルク制御することによって、前記揚収ネットを水面上に保持する第1トルク制御モードと、
前記第1トルク制御モードにおけるトルクより小トルク出力となるように、前記モータをトルク制御することによって、前記揚収ネットを水中で上昇させる第2トルク制御モードと
を備えた要救助者揚収ウィンチ昇降方法。 - 前記揚収ネットを空中から水中に移動させるときに、前記モータを速度制御モードで運転させる請求項1に記載の要救助者揚収ウィンチ昇降方法。
- 前記揚収ネットを縮小状態で空中から水中に下降させた後に水中で展張させ、その展張された揚収ネットを水面まで上昇させる請求項2に記載の要救助者揚収ウィンチ昇降方法。
- 前記揚収ネットが縮小状態から展張されるときに、前記モータを第2トルク制御モードで運転させて、揚収ネットを水面まで上昇させる請求項3に記載の要救助者揚収ウィンチ昇降方法。
- 展張状態の前記揚収ネットが水面上に漂う状態で、前記モータを第1トルク制御モードで正逆方向に運転させる請求項2〜4のうちのいずれか一項に記載の要救助者揚収ウィンチ昇降方法。
- 前記揚収ネットを水面上から引き上げるときに、前記モータを速度制御モードで運転させる請求項2〜5のうちのいずれか一項に記載の要救助者揚収ウィンチ昇降方法。
- モータと、そのモータの回転により索を介して水面に対して昇降方向に移動される揚収ネットとを備えた要救助者揚収ウィンチ昇降装置において、
前記揚収ネットを所定速度で昇降方向に移動させるように、前記モータを速度制御する速度制御部と、
緊張状態の索を介して前記揚収ネットを水面上に保持するように、前記モータをトルク制御するとともに、前記揚収ネットを水中で上昇させる際に、前記トルク制御時のトルクより小トルク出力で前記モータをトルク制御するトルク制御部と
を備えた要救助者揚収ウィンチ昇降装置。 - 前記モータと揚収ネットとをパッケージにして、船上クレーンの先端に吊下するように構成した請求項7に記載の要救助者揚収ウィンチ昇降装置。
- 船上に制御盤を設け、その制御盤に前記速度制御部及び制御部を設けた請求項8に記載の要救助者揚収ウィンチ昇降装置。
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