特許文献1の洗浄ブラシにおいては、ブラシ束のブラシ板からの突出寸法が、ブラシ板の幅(直径)寸法の半分以下になっている。そのため、ブラシ束の腰が比較的強く、ブラシ束を肌面にあてがったときに、肌面がダメージを受けるおそれがある。すなわち、腰が強いブラシ束の毛先を肌面にあてがって、洗浄ブラシを回転駆動すると、肌面がブラシ束の毛先で擦られて赤くなり、あるいはひりひりするなどのダメージを受けやすい。また、特許文献1の洗浄ブラシは、泡立器と共に装置本体に組付けられているため、洗浄ブラシだけを単独で使用することができず、使い勝手が悪い。
特許文献2の泡発生装置によれば、クリーム状の石鹸泡を自動的に生成できる。しかし、生成された石鹸泡を顔肌や髪に塗付する際には、受け皿内の石鹸泡を手やブラシで繰返しすくい取って、顔肌や髪に塗付ける必要があり、泡立後の塗付作業に多くの手間が掛かる。
本発明の目的は、ブラシ束で肌面にダメージを与えることを防止でき、しかも泡立器から分離できて使い勝手が良い電動式の洗浄ブラシを提供することにある。
本発明の目的は、発泡要素を効果的に発泡させてムース状の泡塊を効率よく生成でき、しかも泡立後の塗付作業を簡便に、しかも速やかに行うことができる泡立器を提供することにある。
本発明に係る電動式の洗浄ブラシは、ブラシ体20と、ブラシ体20を駆動するブラシ駆動構造とを備える。図1に示すようにブラシ体20は、上下に伸びる一群のブラシ毛からなるブラシ束61と、ブラシ束61の下端部を固定保持する筒状の保持リング75とを含む。保持リング75の内周面の水平方向の最大横幅をD0とし、ブラシ束61の保持リング75からの突出寸法をH0とするとき、保持リング75の最大横幅D0とブラシ束61の突出寸法H0とが、不等式(D0/2<H0)を満足するように設定してあることを特徴とする。
本発明においてブラシ束61は、断面円形状、断面楕円形状、断面多角形状などに形成することができ、保持リング75は、ブラシ束61の形状に合わせて、円筒状、楕円筒状、多角筒状などに形成することができる。円筒状の保持リング75における最大横幅D0は、同リング75の内周面の径寸法に一致する(図1参照)。楕円筒状の保持リング75における最大横幅D0は、同リング75の内周面で規定される楕円の長軸の長さに一致する(図17参照)。正四角筒状の保持リング75における最大横幅D0は、同リング75の内周面で規定される正方形の対角線の長さに一致する(図18参照)。
保持リング75の最大横幅D0とブラシ束61の突出寸法H0とが、不等式(D0<H0)を満足するように設定する。
ブラシ束61を、保持リング75の側からブラシ束61の先端面へ向かって上広がり状に形成する。
ブラシ束61の先端面の中央に凹部78を形成する。
ブラシ束61は、棒状のブラシ軸部76と、ブラシ軸部76の先端に形成される外突湾曲状のブラシ先端部77と、ブラシ先端部77に凹み形成されて、発泡要素を保持する保持凹部78とを備えている。
別の本発明に係る電動式の洗浄ブラシは、ブラシ体20と、グリップを兼ねてブラシ体20を支持する本体ケース21と、本体ケース21に設けられてブラシ体20を駆動するブラシ駆動構造とを備える。図7に示すようにブラシ体20は、上下に伸びる一群のブラシ毛からなるブラシ束61と、ブラシ束61の下端部を支持するブラシベース60とを含む。ブラシベース60の横幅をDとし、ブラシ束61のブラシベース60からの突出寸法をHとするとき、ブラシベース60の横幅Dとブラシ束61の突出寸法Hとが、不等式(D/2<H)を満足するように設定してあることを特徴とする。
ブラシベース60の横幅Dとブラシ束61の突出寸法Hとを、不等式(D<H)を満足するように設定する。
図4に示すように、ブラシベース60の上下高さ寸法をH4とするとき、ブラシベース60の上下高さ寸法H4および横幅Dと、ブラシ束61の突出寸法Hとを、不等式(H4<D<H)を満足するように設定する。
本体ケース21の上下高さ寸法をH5とするとき、ブラシベース60の上下高さ寸法H4および横幅Dと、ブラシ束61の突出寸法Hと、本体ケース21の上下高さ寸法H5とを、不等式(H4<D<H<H5)を満足するように設定する。
ブラシ体20を本体ケース21に対して着脱可能に連結する。
図7に示すようにブラシ体20は、保持リング75の外周面に固定されるブラシベース60を備えている。ブラシベース60の横幅をDとし、ブラシ束61のブラシベース60からの突出寸法をHとするとき、ブラシベース60の横幅Dとブラシ束61の突出寸法Hとを、不等式(D/2<H)を満足するように設定する。
ブラシベース60の横幅Dとブラシ束61の突出寸法Hとを、不等式(D<H)を満足するように設定する。
ブラシ駆動構造は、上下方向に直交する水平方向の振動を発生するバイブレーター51を含む。バイブレーター51は、ブラシ体20、または、ブラシ体20を支持する本体ケース21に設けられて、ブラシ束61に水平方向の振動を付与する。
本発明に係る泡立器は、図2に示すように、泡生成部4を備えた泡立容器1と、発泡要素を撹拌して泡を生成する撹拌体2と、撹拌体2を撹拌姿勢で支持するホルダー3とを備えている。撹拌体2は、回転することにより発泡要素を撹拌するブラシ体20と、グリップを兼ねてブラシ体20を支持する本体ケース21と、本体ケース21に設けられてブラシ体20を駆動するブラシ駆動構造とを含み、撹拌体2が泡立容器1に対して着脱可能に装着されている。上記洗浄ブラシ2が撹拌体を兼ねている。
泡立容器1は、上向きに開口する泡生成部4と、泡生成部4を支持するスタンド5とを備えている。泡生成部4の周囲壁の上部に連続して、洗浄ブラシ2を支持する樋体状のホルダー3を形成する。泡生成部4の内部空間とホルダー3の内部空間とは、泡生成部4の上開口面より下方で連通させる。
洗浄ブラシ2のブラシ体20は、本体ケース21に対して着脱可能に連結する。図14に示すように、本体ケース21から分離したブラシ体20を、ホルダー3の下面に設けたブラシ支持具10に装着して保管する。
ブラシ体20のブラシベース60に、ホルダー3のブラシ支持具10に着脱される装着構造93を設ける。ブラシベース60の装着構造93をホルダー3のブラシ支持具10に装着した状態において、ブラシ束61が下向きになる状態で、ブラシ体20をブラシ支持具10で吊下げ支持する。
図7に示すように、ブラシ体20のブラシベース60に、化粧カバー80を着脱自在に支持するための装着構造93を設ける。化粧カバー80を、装着構造93を介してブラシベース60に装着した状態において、化粧カバー80で装着構造93の外面を覆う。
ブラシ体20のブラシベース60に、ブラシ駆動構造の駆動軸39に着脱可能に連結される継手体64を設ける。化粧カバー80は、装着構造93を兼ねる継手体64に着脱可能に装着する。
化粧カバー80の周縁に、ブラシベース60と化粧カバー80の接合面の外方へ突出する指掛片83を突設する。
図2に示すようにスタンド5に、ブラシベース60から分離した化粧カバー80を収納保管するカバー収納部18を設ける。
ホルダー3のブラシ支持具10に吊下げ支持したブラシ体20の下方に、ブラシ体20から落下する水滴を受止めるブラシ水受101を設ける。
図20に示すように、ホルダー3のブラシ支持具10と上下に対向するスタンド5にブラシ水受101を一体に凹み形成する。
図14に示すように、ホルダー3のブラシ支持具10と上下に対向するスタンド5にカバー収納部18を設ける。化粧カバー80は、その開口面が上向きになる状態でカバー収納部18に収容する。カバー収納部18に収容した化粧カバー80がブラシ水受101を兼ねるようにする。
発泡要素と適量の発泡液とを洗浄ブラシ2で撹拌して、泡生成部4の内部に泡塊を生成する泡立器において、化粧カバー80が、適量の発泡液を計量する計量容器85を兼ねるようにする。
図6に示すように、ブラシ駆動構造は、モーター28と、モーター28の回転動力をブラシ体20に伝動する伝動構造と、ブラシ体20を回転中心軸Pと直交する向きへ振動させる起振構造とを備えている。起泡時には、本体ケース21をホルダー3に装着した状態において、ブラシ体20をブラシ駆動構造で回転駆動して発泡要素を発泡させる。本体ケース21をホルダー3から取外すことにより、泡生成部4内の泡塊をブラシ束61ですくい取って肌面に塗付する。肌洗浄時には、起振構造を作動させてブラシ束61を振動させた状態で、ブラシ束61の周側面を肌面にあてがって肌洗浄を行う。
本体ケース21に、ブラシ駆動構造のモーター28への通電状態を切換えるスイッチ26を設ける。洗浄ブラシ2の運転モードは、ブラシ体20をモーター28で回転駆動する泡立モードと、ブラシ体20を起振構造で振動させる肌洗浄モードとを備えている。スイッチ26をオン操作すると、洗浄ブラシ2の運転モードが泡立モードになってブラシ体20をモーター28で一定時間だけ回転駆動できる。泡立モードが終了したのち、洗浄ブラシ2の運転モードが肌洗浄モードに自動的に切換って、ブラシ体20を起振構造で一定時間だけ振動できるようにする。
図7に示すように、ブラシ体20の下部に把持部79を設ける。把持部79の上縁からブラシ束61が上向きに突出する。把持部79の横幅をD3とし、把持部79の上下高さ寸法をH3とするとき、把持部79の横幅D3と上下高さ寸法H3とを、不等式(D3>H3)を満足するように設定する。
把持部79は、保持リング75が固定されるブラシベース60と、ブラシベース60に着脱可能に装着される計量容器85とを含んで構成する。
把持部79の外面に指掛片83を突設する。
指掛片83を計量容器85に突設する。
指掛片83に吊掛穴84を形成する。
洗浄ブラシに係る本発明においては、ブラシ体20を構成するブラシ束61の下端部を筒状の保持リング75で固定保持し、保持リング75の最大横幅D0とブラシ束61の突出寸法H0とが、不等式(D0/2<H0)を満足するように設定した。これによれば、肌面をブラシ束61で洗浄するときのブラシ束61の腰の強さを弱くできるので、ブラシ束61の肌面に対する接触感をソフトで滑らかにすることができる。さらに、上下に長いブラシ束61に洗浄剤の泡を多く含ませて、ブラシ束61と肌面の接触を滑らかなものとして、洗浄時に肌面がダメージを受けるのを防止できる(請求項1)。
保持リング75の最大横幅D0とブラシ束61の突出寸法H0とが、不等式(D0<H0)を満足するように設定すると、ブラシ束61の保持リング75からの突出寸法H0をさらに大きくすることができる。これにより、ブラシ束61の肌面に対する接触感をさらにソフトで滑らかなものとすることができ、上下に長いブラシ束61にさらに多くの泡を含ませて、ブラシ束61と肌面の接触を滑らかなものとすることができる(請求項2)。
ブラシ束61をその先端面へ向かって上広がり状に形成すると、ブラシ体20の回転時におけるブラシ束61の周側面の上部の周速度を大きくして、ブラシ束61の周側面で肌面を洗浄する際の洗浄効果を高めることができる。さらに、ブラシ束61の周速度を大きくすると、ブラシ体20の回転動作で洗浄剤を泡立てる際に、泡を効果的に生成することができる(請求項3)。
ブラシ束61の先端面の中央に凹部78を形成すると、ブラシ束61の先端面で肌面を洗浄する際に、ブラシ束61の中央のブラシ毛が肌面に接触することを避けることができる。ブラシ束61の中央のブラシ毛は、その周囲のブラシ毛に比べて弾性変形し難いので、中央のブラシ毛の接触を避けることにより、洗浄時に肌面がブラシ毛からダメージを受けるのを防止することができる(請求項4)。
棒状のブラシ軸部76と、ブラシ軸部76の先端に形成される外突湾曲状のブラシ先端部77と、ブラシ先端部77に凹み形成されて発泡要素を保持する保持凹部78とでブラシ束61を構成すると、発泡要素がブラシ束61で跳ね飛ばされるのを抑止しながら、ブラシ束61と発泡要素との接触機会を増加して泡塊を効果的に生成できる。また、ブラシ軸部76に生成した大量の泡を含ませることができる。とくに、保持凹部78がブラシ束61の先端中央に設けてある場合には、発泡要素に遠心力が作用するのを極力避けながら、発泡要素をもみ動かして泡塊をさらに効果的に生成できる(請求項5)。
洗浄ブラシに係る別の本発明では、ブラシ束61の下端部をブラシベース60で支持するブラシ体20において、ブラシベース60の横幅Dとブラシ束61の突出寸法Hとが、不等式(D/2<H)を満足するように設定した。これによれば、肌面をブラシ束61で洗浄するときのブラシ束61の腰の強さを弱くできるので、ブラシ束61の肌面に対する接触感をソフトで滑らかにすることができる。さらに、上下に長いブラシ束61に洗浄剤の泡を多く含ませて、ブラシ束61と肌面の接触を滑らかなものとして、洗浄時に肌面がダメージを受けるのを防止できる(請求項6)。
ブラシベース60の横幅Dとブラシ束61の突出寸法Hとの関係が、不等式(D<H)を満足するように設定されていると、ブラシ束61のブラシベース60からの突出寸法Hをさらに大きくすることができる。これにより、ブラシ束61の肌面に対する接触感をさらにソフトで滑らかなものとすることができ、上下に長いブラシ束61にさらに多くの泡を含ませて、ブラシ束61と肌面の接触を滑らかなものとすることができる(請求項7)。
ブラシ束61の突出寸法Hを、ブラシベース60の上下高さ寸法H4よりも大きく設定すると(H4<H)、ブラシ束61の肌面に対する接触感をさらにソフトで滑らかなものとすることができ、上下に長いブラシ束61にさらに多くの泡を含ませて、ブラシ束61と肌面の接触を滑らかなものとすることができる。また、ブラシベース60の上下高さ寸法H4を横幅Dよりも小さく設定すると(H4<D)、ブラシベース60を含むブラシ体20の全体の上下高さ寸法を小さくすることができる。これにより、ブラシ体20を支持する本体ケース21を含む洗浄ブラシの全体を、上下に長いブラシ束61を備えるものでありながら、コンパクトに収めることができる(請求項8)。
上記に加えて、本体ケース21の上下高さ寸法H5を、ブラシベース60の上下高さ寸法H4および横幅Dと、ブラシ束61の突出寸法Hよりも大きく設定すると(H4<D<H<H5)、全体がコンパクトな洗浄ブラシにおいて、グリップを兼ねる本体ケース21を、上下に長くつかみやすいものとすることができる(請求項9)。
ブラシ体20を本体ケース21に対して着脱可能に連結すると、ブラシ体20を本体ケース21から取外した状態で単独で使用できるので、本体ケース21を含む洗浄ブラシの全体を保持する場合に比べて、持ち重りすることもなくていねいに肌面を洗浄することができる。ブラシ体20を単独で使用する場合には、本体ケース21に設けたブラシ駆動構造を駆動する必要がないため、電力を消費することもない。加えて、ブラシ体20を本体ケース21から分離できると、ブラシ体20を水洗い洗浄するときに、ブラシ体20の隅々までていねいに洗浄して泡を確実に洗い流すことができる(請求項10)。
ブラシベース60の横幅Dとブラシ束61の突出寸法Hとの関係が、不等式(D/2<H)を満足するように設定されていると、肌面をブラシ束61で洗浄するときのブラシ束61の腰の強さを弱くできるので、ブラシ束61の肌面に対する接触感をソフトで滑らかにすることができる。さらに、上下に長いブラシ束61により多くの泡を含ませて、ブラシ束61と肌面の接触を滑らかなものとして、肌面が洗浄時にダメージを受けるのを防止できる(請求項11)。
ブラシベース60の横幅Dとブラシ束61の突出寸法Hとの関係が、不等式(D<H)を満足するように設定されていると、ブラシ束61のブラシベース60からの突出寸法Hをさらに大きくすることができる。これにより、ブラシ束61の肌面に対する接触感をさらにソフトで滑らかなものとすることができ、上下に長いブラシ束61にさらに多くの泡を含ませて、ブラシ束61と肌面の接触を滑らかなものとすることができる(請求項12)。
ブラシ駆動構造が、水平方向の振動を発生するバイブレーター51を含んでいると、ブラシ束61の周側面で肌面を洗浄する際に、該周側面を肌面に対して小刻みに叩き付けるような振動をブラシ束61に付与して、ブラシ束61の周側面による肌面の洗浄効果を高めることができる。ブラシ束61の周側面で肌面を洗浄すると、肌面がブラシ毛の毛先で擦られて赤くなるなどのダメージを受けることが無い。本発明に係るブラシ束61は上下に長いため、バイブレーター51からの水平方向の振動が減衰し難く、従って、ブラシ束61を的確に振動させることができる(請求項13)。
泡立器に係る本発明においては、泡生成部4を備えた泡立容器1と、発泡要素を撹拌して泡を生成する撹拌体2と、撹拌体2を撹拌姿勢で支持するホルダー3などで泡立器を構成した。また、回転することにより発泡要素を撹拌するブラシ体20と、グリップを兼ねる本体ケース21と、ブラシ体20を駆動するブラシ駆動構造などで撹拌体2を構成して、撹拌体2を泡立容器1に対して着脱可能に装着した。そして、上記洗浄ブラシ2が撹拌体を兼ねるようにした。こうした泡立器によれば、泡立容器1に装着した洗浄ブラシ(撹拌体)2のブラシ体20で発泡要素を撹拌することにより、発泡要素を効果的に発泡させてムース状の泡塊を効率よく生成できる。上記洗浄ブラシのブラシ体20のブラシ束61は上下に長いため、このブラシ束61で発泡要素を的確に撹拌して、泡を効果的に生成することができ、しかも生成した泡を大量に保持することができる。泡立後の洗浄ブラシ(撹拌体)2は、泡立容器1から分離することにより、単独で使用することができるので、ブラシ体20のブラシ束61に含まれる泡塊をそのまま必要個所に塗付して、肌面を洗浄できる。このように、本発明によれば、泡立後の泡塊の塗付作業および洗浄作業を簡便に、しかも速やかに行うことができる(請求項14)。
泡生成部4の周囲壁の上部に連続して樋体状のホルダー3を形成し、泡生成部4の内部空間とホルダー3の内部空間とを、泡生成部4の上開口面より下方で連通させると、泡立容器1の全体の上下寸法を小さくできる。また、洗浄ブラシ2をホルダー3に装着した状態において洗浄ブラシ2が横臥姿勢になるので、泡立容器1および洗浄ブラシ2の重心位置を低くすることができる。従って、泡立容器1および洗浄ブラシ2をスタンド5で安定した状態で支持して泡生成作業を行うことができる(請求項15)。
ブラシ体20を本体ケース21に対して着脱可能に連結した洗浄ブラシ2によれば、本体ケース21から分離したブラシ体20を、ホルダー3の下面に設けたブラシ支持具10に装着して保管することができる。従って、ブラシ支持具10に装着したブラシ体20の外面全体を空気中に露出させて、水洗い後のブラシ体20の乾燥を促進することができる。また、ホルダー3の下面に設けたブラシ支持具10にブラシ体20を装着するので、ホルダー3の下面側のデッドスペースを利用してブラシ体20を保管できる(請求項16)。
ブラシベース60の装着構造93をホルダー3のブラシ支持具10に装着した状態において、ブラシ束61が下向きになる状態で、ブラシ体20をブラシ支持具10で吊下げ支持すると、ブラシ束61を整った外形形状のままで乾燥することができる。因みに、ブラシ束61を上向き、あるいは斜上向きになる状態で支持する場合には、ブラシ束61を乾燥する過程で、乾燥したブラシ毛が外倒れ状に開くのを避けられず、次回使用時にブラシ束61の外形を整える必要がある(請求項17)。
ブラシ体20のブラシベース60に装着構造93を設け、化粧カバー80を装着構造93に装着した状態において、化粧カバー80で装着構造93の外面を覆うと、ブラシ体20を本体ケース21から分離して使用するときの外観を化粧カバー80で整えることができる。また、装着構造93を化粧カバー80で覆うので、ブラシベース60を片手で握ってブラシ体20を使用するときに、手指が装着構造93に当たるのを防止できる(請求項18)。
ブラシ体20のブラシベース60に設けた継手体64が、化粧カバー80を連結するための装着構造93を兼ねるようにすると、継手体64の外面を化粧カバー80で覆って、継手体64の内外面に異物や塵埃が付着ないし膠着するのを防できる。従って、継手体64を駆動軸39に対して常に適正に連結することができる(請求項19)。
化粧カバー80の周縁に指掛片83を突設すると、指掛片83に指先をかけた状態で化粧カバー80を取外し操作することにより、化粧カバー80をブラシ支持体62から簡便に分離できる。また、ブラシベース60をつかんだ手指を指掛片83の周縁で受止めて、手指が滑るのを防止できるので、ブラシ体20を単独で使用するときのブラシ体20のつかみ保持を確実に行える(請求項20)。
スタンド5にカバー収納部18を設け、ブラシベース60から分離した化粧カバー80をカバー収納部18に収納保管すると、化粧カバー80を定位置に保管できるので、化粧カバー80が他物に紛れ込んで紛失してしまうのを防止できる。また、スタンド5を利用して、その一部にカバー収納部18を設けるので、ホルダー3の下面側のデッドスペースを利用して化粧カバー80を保管できる(請求項21)。
ホルダー3のブラシ支持具10に吊下げ支持したブラシ体20の下方にブラシ水受101を設けると、ブラシ束61から滴り落ちた水滴をブラシ水受101で受止めて、水滴がスタンド5あるいはスタンド5の周囲に飛散するのを防止できる(請求項22)。
ブラシ水受101をスタンド5と一体に凹み形成すると、ブラシ水受101を独立した部品として別途設ける必要がないので、ブラシ水受101を設けることに伴うコストの増加を避けることができる。ブラシ水受101がスタンド5と一体化してあるので、ブラシ水受101が他物に紛れ込むこともない。ブラシ水受101で受止めた水は、タオルや吸水紙でふき取って除去する(請求項23)。
ブラシ支持具10と上下に対向するスタンド5にカバー収納部18を設けて、カバー収納部18に収容した化粧カバー80がブラシ水受101を兼ねるようにすると、ブラシ束61から滴り落ちた水滴を化粧カバー80で受止めて、水滴がスタンド5あるいはスタンド5の周囲に飛散するのを防止できる。また、化粧カバー80をカバー収納部18から取外すことにより、化粧カバー80に溜まった水を容易に排出できる(請求項24)。
化粧カバー80が計量容器を兼ねる泡立器によれば、水などの発泡液を化粧カバー80で計量してブラシ束61に含ませることができるので、ブラシ束61に含ませる水などの発泡液の量を常に適正化して、泡および泡塊の生成を好適に行える(請求項25)。
モーター28と、伝動構造と、起振構造などでブラシ駆動構造を構成する洗浄ブラシ2によれば、本体ケース21をホルダー3に装着して、ブラシ体20をブラシ駆動構造で回転駆動して発泡要素を発泡させることができる。また、本体ケース21をホルダー3から取外すことにより、泡生成部4内の泡塊をブラシ束61ですくい取って肌面に塗付することができる。さらに、起振構造を作動させてブラシ束61を振動させた状態で、ブラシ束61の周側面を肌面にあてがうことにより肌洗浄を行うことができる。このように、本発明に係る泡立器によれば、洗浄ブラシ2を作動させてムース状の泡塊の生成を迅速に行うことができ、さらに、ホルダー3から取外した本体ケース21およびブラシ体20で泡塊をすくい取って肌面に迅速に塗付することができる。さらにブラシ体20を起振構造で振動させながら、ブラシ束61の周面を肌面にあてがって肌洗浄を効果的に行うことができる。
上記のように本発明に係る洗浄ブラシ2では、ブラシ体20の軸周面を肌面にあてがった状態で、ブラシ体20を前後、左右、あるいは上下方向へ振動させて洗浄およびマッサージを行うので、肌面がブラシで擦られるのを防止しながら肌洗浄をソフトに行うことができる。従って、ブラシ体20を使用して肌洗浄を行うにもかかわらず、肌面が赤くなり、あるいは肌面がひりひりするなどのダメージを肌面に与えることがなく、とくに肌面が外部刺激に対して敏感に反応しやすいユーザーであっても、優しく洗浄作業を行うことができる(請求項26)。
スイッチ26をオン操作すると運転モードが泡立モードになってブラシ体20をモーター28で一定時間だけ回転駆動でき、泡立モードが終了したのちに運転モードを肌洗浄モードに自動的に切換えて、再びスイッチ26をオン操作するのに伴い、ブラシ体20を起振構造で一定時間だけ振動できるようにした。こうした洗浄ブラシ2によれば、泡立作業から肌洗浄に至る一連の動作を連続して行わせることができる。従って、必要以上にブラシ体20が回転駆動され、あるいは、ブラシ体20が長い時間にわたって振動されるのを防止して、肌面がダメージを受けるのを確実に防止できる(請求項27)。
把持部79の横幅D3と上下高さ寸法H3との関係が、不等式(D3>H3)を満足するように設定されていると、把持部79を手指でつかみ易くなるので、ブラシ体20を単独で使用するときに、ブラシ体20を軽快に操作することができる(請求項28)。
把持部79が、ブラシベース60に着脱可能に装着される計量容器85を含んで構成されていると、水などの発泡液を計量容器85で計量してブラシ束61に含ませることができるので、ブラシ束61に含ませる水などの発泡液の量を常に適正化して、泡および泡塊の生成を好適に行える(請求項29)。
把持部79の外面に指掛片83を突設すると、把持部79をつかんだ手指を指掛片83の周縁で受止めて、手指が滑るのを防止できるので、ブラシ体20を単独で使用するときのブラシ体20のつかみ保持を確実に行える(請求項30)。
指掛片83を計量容器85に突設すると、指掛片83に指先をかけた状態で計量容器85を取外し操作することにより、化粧カバー80をブラシベース60から簡便に分離できる。また、ブラシベース60から分離した計量容器85で発泡液を計量する際に、指先で指掛片83を摘んで、計量容器85を簡便に操作することができる(請求項31)。
指掛片83に吊掛穴84を形成すると、指掛片83の表面に凹凸が生じるので、指掛片83にかけた指先が滑りにくくなって、指掛片83を摘み易くなる。また、吊掛穴84を貫通状に形成すると、吊掛穴84を利用してブラシ体20の全体を吊り下げることにより、ブラシ束61を乾燥させることができる(請求項32)。
(実施例1) 図1ないし図16は、本発明の実施例1に係る洗顔用の洗浄ブラシと、洗顔用の洗浄剤の泡立器を示しており、洗浄ブラシが泡立器の撹拌体を兼ねている。本発明における前後、左右、上下とは、図2および図5の交差矢印と、交差矢印の近傍に表記した前後、左右、上下の表示に従う。図2において泡立器は、泡立容器1と、泡立容器1に装着される洗浄ブラシ(撹拌体)2と、洗浄ブラシ2を撹拌姿勢に支持するホルダー3とで構成される。泡立容器1は、平面視が円形で上向きに開口する泡生成部4と、泡生成部4を支持するスタンド5と、泡生成部4の後上部に連続して形成されるホルダー3を一体に備えたカレーポット状のプラスチック成型品からなる。
ホルダー3は、滑らかに連続するホルダー底壁8と、ホルダー底壁8に連続して上向きに延びるホルダー側壁9とで断面U字形の樋体状に形成される。ホルダー底壁8とホルダー側壁9とは、その後端から泡生成部4へ向かって下り傾斜されており、ホルダー底壁8の後端の下面側には、後述するブラシ体20を吊下げ支持する丸軸状のブラシ支持具10が下向きに突設されている。洗浄ブラシ2の本体ケース21をホルダー3に装着して撹拌姿勢に保持した状態(図10参照)において、本体ケース21の下半周面はホルダー底壁8およびホルダー側壁9でしっかりと支持される。従って、泡立時に本体ケース21に作用する回転反力をホルダー側壁9で受止めて、洗浄ブラシ2をホルダー3で安定した状態に支持できる。
図3に示すようにホルダー3の内部空間と泡生成部4の内部空間との間には、両空間を前後に区分する逆V字状の区分壁11が形成され、その左右中央に前記両空間を連通する連通溝12が、区分壁11と直交する状態で凹み形成されている。ホルダー3の内部空間に臨む区分壁11のうち、連通溝12を囲む傾斜壁は、ホルダー3に装着した洗浄ブラシ2を受止めるための規制部13として機能する。規制部13はホルダー3の内部空間の傾斜下端に位置されている。区分壁11で前後に区分されたホルダー3の内部空間と泡生成部4の内部空間とは、泡生成部4の上開口面より下方で連通されている。
泡生成部4は、器底壁15と、器底壁15に連続して上向きに延びる器周囲壁16とで、上向きに開口する容器状に構成されており、先の区分壁11と対向する器周囲壁16の前半周面の複数個所に、ブラシ体20に強い圧力を付加し、その圧力で発泡要素に強い圧力を作用させながら泡立てを行う泡立リブ17が設けられている。この実施例では、器周囲壁16の前半周面の6個所において、連続波型の泡立リブ17を器周囲壁16の開口縁から器底壁15にわたって形成した。泡立リブ17が形成された器底壁15から器周囲壁16にわたる部分が、後述するブラシ束61と共同して泡を発生させる起泡部Fとして機能する。なお、泡立リブ17と対向する器周囲壁16の後半周面は平滑な2次元平面で形成されている。上記のように、泡立リブ17は上下方向に連続する断面が山形のリブで形成するが、上下方向に断続する断面が山形のリブで形成してあってもよい。
スタンド5は泡生成部4の下方からホルダー3の下方にわたって連出されて、前後に長い楕円形の伏皿状に形成されており、先に説明したブラシ支持具10と上下に対向するスタンド5の壁面に、後述する化粧カバー80を収納保管する円形のカバー収納部18が設けられている。なお、楕円形のスタンド5の後端は、ホルダー3の後端よりも後方に位置している。このように、スタンド5を泡生成部4の下方からホルダー3の下方にわたって、前後に長く形成することにより、泡立容器1とホルダー3に装着した洗浄ブラシ2を安定した状態で支持でき、泡立器の全体の印象を優美でありながらシンプルなものとすることができる。
図4および図5に示すように洗浄ブラシ2は、泡生成部4に収容した発泡要素を撹拌するブラシ体20と、ブラシ体20を支持する上下に長い本体ケース21と、本体ケース21の内部に設けられてブラシ体20を駆動するブラシ駆動構造などで構成する。本体ケース21はグリップを兼ねており、上半の上ケース22と、上ケース22に対して着脱される有底筒状の下ケース23と、上ケース22の上端に固定されるエンドカバー24とで構成されている。上ケース22の右側面にはスイッチ凹部25が凹み形成されており、その下部にモーター28への給電状態を切換えるメインスイッチ(スイッチ)26が設けられている。
図4に示すように、本体ケース21の内部には内フレーム27が収容されており、この内フレーム27にモーター28、電池29、起振構造、およびモーター28の回転動力を減速した状態で出力する伝動構造などが組込まれている。ブラシ駆動構造は、モーター28と伝動構造と起振構造で構成される。図5に示すように、モーター28は、本体ケース21の上下方向の中心軸Qより肩部34の側へ偏寄した位置に配置されている。符号30は洗浄ブラシ2の運転モードに応じて発光表示するLED灯である。図示していないが、スイッチ凹部25と正対する上ケース22の内部には、モーター28および起振構造(第1、第2の振動モーター51・52)の駆動状態を制御する制御基板が配置されている。該制御基板は、内フレーム27に固定されている。
上ケース22は前後に長い楕円筒状に形成されており、ケース上端における楕円の長軸寸法は、ケース下端における楕円の長軸寸法より大きく設定されており、上ケース22の全体が上広がり筒状に形成されている。図6に示すようにエンドカバー24は上ケース22の上開口を塞ぐ状態で後述するシール蓋43にビス32で締結されており、その上面にブラシ体20を連結するためのボス壁33が膨出形成され、ボス壁33の前側下縁に沿って三日月状の肩部34が前向きに張出されている。図10に示すように、本体ケース21をホルダー3に装着して撹拌姿勢に保持した状態において、本体ケース21の周面はホルダー底壁8およびホルダー側壁9で受止め支持されており、同時に肩部34が先の規制部13で受止められて位置決めされている。このように、ホルダー3に装着した洗浄ブラシ2を泡生成部4に対して位置決めすることにより、起泡部Fの器底壁15および器周囲壁16に接触したブラシ束61の弾性変形量を常に一定にして均一化できる。これにより、洗浄ブラシ2をホルダー3に装着した状態において、ブラシ束61が過剰に変形されて劣化するのを防止できる。装着状態における洗浄ブラシ2の重量の大半は、肩部34と接合する規制部13で受止められる。
図10に示すように、本体ケース21をホルダー3に装着して撹拌姿勢に保持した状態では、本体ケース21のグリップ遊端が、ホルダー3の突端(後端)から突出する。詳しくは、ホルダー3で支持されている本体ケース21の中心軸Q方向の長さをW1とし、ホルダー3の突端から突出しているグリップ遊端側の中心軸Q方向の長さをW2とするとき、不等式(W1>W2)を満足するようにホルダー3および本体ケース21が形成してある。また、メインスイッチ26の近傍に洗浄ブラシ2の重心Gがあるとき、グリップ遊端はホルダー3の突端から水平距離H2の分だけ突出しており、重心Gはホルダー3の突端から水平距離H1の分だけブラシ体20に近づく位置に位置している。なお、水平距離H1と水平距離H2の関係は、不等式(H1>H2)を満足するように設定してある。このように、本体ケース21の大半の部分をホルダー3で保持し、さらに洗浄ブラシ2の重心Gをホルダー3の突端より泡生成部4に近い側に位置させることにより、ホルダー3に装着した洗浄ブラシ2を、ホルダー3で安定した状態に支持することができる。また、泡立時に本体ケース21に回転反力が作用する状態においても、ブラシ体20が泡生成部4の器底壁15から浮き離れる向きに本体ケース21が傾くのを防止して、洗浄ブラシ2を安定した状態で撹拌姿勢に保持し続けることができる。
図6に示すように、モーター28の回転動力は、その出力軸に固定した原動ギヤ35と、第1減速ギヤ36と、第2減速ギヤ37と、終段ギヤ38とからなる伝動構造で減速されて、終段ギヤ38に固定した駆動軸39から出力される。第1減速ギヤ36と第2減速ギヤ37は、それぞれ大径ギヤと小径ギヤを一体に備えており、第1中間軸40と第2中間軸41で回転自在に支持されている。第1中間軸40は、内フレーム27と、同フレーム27の上端に固定したギヤフレーム42とで軸支されており、第2中間軸41は、ギヤフレーム42と、上ケース22の上開口を塞ぐシール蓋43とで軸支されている。駆動軸39は、シール蓋43に組付けたベアリング44で軸支されて、その上部がボス壁33の中央に設けた連結穴45に露出されている。駆動軸39の上端には、断面が六角形の駆動ピース46が固定されている(図11参照)。駆動軸39の基端は、シール蓋43に装着した防水シール47で封止されており、さらに、シール蓋43と上ケース22の接合面がOリングで封止されている。従って、洗浄剤や泡、あるいは水が連結穴45からシール蓋43の内部に浸入することはない。ギヤフレーム42とシール蓋43は、複数個のビス48で上ケース22に締結されている。
起振構造は、前後方向(水平方向)の振動を発生する第1振動モーター(バイブレーター)51と、上下方向の振動を発生する第2振動モーター52とで構成されており、それぞれモーター28の後側の上下に配置されている。第1振動モーター51は、シリンダー型のモーター53と偏心錘54とで構成されており、第2振動モーター52は、コイン型のモーター55と偏心錘56とを円盤状のケースに封入して構成されている。両振動モーター51・52を同時に駆動することにより、ブラシ体20を前後および上下に振動させることができる。
図7においてブラシ体20は、上下に伸びる一群のブラシ毛からなるブラシ束61と、ブラシ束61の下端部を固定保持する円筒状の保持リング75と、保持リング75の外周面に固定されるブラシベース60とを備えている。ブラシ束61は、繊維径が50〜70μmの合成繊維の一群を断面円形に束ねて構成されており、その下端部が金属板製の保持リング75の内周面に固定されている。ブラシベース60は、有底丸筒状のブラシ支持体62と、ブラシ支持体62で上下スライド自在に支持した調整リング63と、ブラシ支持体62の下面中央に突設した継手体64とを備えており、保持リング75をブラシ支持体62の筒壁の内面に嵌込んで接着固定することにより、ブラシ体61および保持リング75がブラシ支持体62と一体化されている。調整リング63は、ブラシ支持体62の周面を覆う通常位置(図7に示す状態)と、ブラシ支持体62の上端寄りまでスライド操作されて、ブラシ束61の中途部を絞る縮径位置(図9に示す状態)とにスライド操作できる。継手体64は、ブラシ体20をブラシ支持具10に係合装着するための装着構造93を兼ねている。
調整リング63を上下スライドのみ可能に案内するために、図8に示すようにブラシ支持体62および調整リング63の対向周面のそれぞれに平坦なスライド面65を設け、スライド面65の中央にガイドリブ66とスライド溝67を設けている。さらに、調整リング63を通常位置と縮径位置において位置保持するために、スライド面65から位相が90度ずれた位置のブラシ支持体62の周面の上下と、調整リング63の内周面の下端とに係合リブ68・69を設けている。図11に示すように、継手体64は、回転力を受ける3個の受動壁70と、駆動ピース46に係合する3個の弾性腕71とを交互に配置して六角筒状に形成されており、各弾性腕71の内面の下端寄りに係合片72が突設されている。
ブラシ束61は、保持リング75の上縁から上方へ延びる棒状のブラシ軸部76と、ブラシ軸部76の先端に形成される外突湾曲状のブラシ先端部77と、ブラシ先端部77の中央に凹み形成される保持凹部(凹部)78とを備えている。この実施例においては、ブラシ束61をブラシベース60の側からブラシ先端部77へ向かって上広がり状に形成して、ブラシ軸部76を逆円錐台状に形成し、ブラシ先端部77を部分球面状に形成した。また、保持凹部78は部分球面状の凹曲面で形成して、その内部に洗顔剤などの発泡剤を保持できるようにした。ブラシ軸部76は、より多くの泡や洗浄剤を含むことに役立っており、ブラシ先端部77は洗浄剤を効果的に泡立てることに役立っている。
ブラシ体20を構成するブラシ束61、保持リング75、およびブラシベース60の寸法関係は、以下に説明するように設定することが好ましい。図1に示すように、保持リング75の内周面の水平方向の最大横幅、すなわち内径をD0とし、ブラシ束61の保持リング75からの突出寸法をH0とするとき、保持リング75の内径D0とブラシ束61の突出寸法H0とが、不等式(D0/2<H0)を満足するように設定する。また図7に示すように、ブラシベース60の直径(横幅)をDとし、ブラシ束61のブラシベース60からの突出寸法をHとするとき、ブラシベース60の横幅Dとブラシ束61の突出寸法Hとが、不等式(D/2<H)を満足するように設定する。後述するように、洗顔を行う場合には、ブラシ軸部76の軸周面を顔肌にあてがった状態で洗浄するが、上記のように、ブラシ束61の保持リング75あるいはブラシベース60からの突出寸法H0・Hを大きくすると、顔肌をブラシ束61で洗浄するときのブラシ軸部76の腰の強さを弱くできるので、ブラシ軸部76の顔肌に対する接触感をソフトで滑らかなものとすることができる。また、上下に長いブラシ束61により多くの泡を含ませて、ブラシ軸部76と顔肌の接触を滑らかなものとして、顔肌がダメージを受けるのを防止できる。
さらに、保持リング75の内径をD0とし、ブラシ束61の保持リング75からの突出寸法をH0とするとき、保持リング75の内径D0と、ブラシ束61の突出寸法H0とが、不等式(D0<H0)を満足するように設定する。また図4に示すように、ブラシベース60の上下高さ寸法をH4とし、ブラシベース60の横幅をDとし、ブラシ束61のブラシベース60からの突出寸法をHとするとき、ブラシベース60の上下高さ寸法H4および横幅Dと、ブラシ束61の突出寸法Hとが、不等式(H4<D<H)を満足するように設定する。こうしたブラシ体20によれば、ブラシ束61の保持リング75あるいはブラシベース60からの突出寸法H0・Hをさらに大きくすることができる。従って、ブラシ軸部76の顔肌に対する接触感をさらにソフトで滑らかなものとすることができ、上下に長いブラシ束61にさらに多くの泡を含ませて、ブラシ軸部76と顔肌の接触を滑らかなものとすることができる。また、ブラシベース60の上下高さ寸法H4を横幅Dよりも小さく設定すると(H4<D)、ブラシベース60を含むブラシ体20の全体の上下高さ寸法を小さくすることができる。これにより、ブラシ体20を支持する本体ケース21を含む洗浄ブラシ2の全体を、上下に長いブラシ束61を備えるものでありながら、コンパクトに収めることができる。
また図4に示すように、本体ケース21の上下高さ寸法をH5とするとき、ブラシベース60の上下高さ寸法H4および横幅Dと、ブラシ束61の突出寸法Hと、本体ケース21の上下高さ寸法H5とが、不等式(H4<D<H<H5)を満足するように設定する。こうした洗浄ブラシ2によれば、上記のように洗浄ブラシ2の全体をコンパクトに収めながらも、グリップを兼ねる本体ケース21を、上下に長くつかみやすいものとすることができる。
ブラシ束61に関しては、保持リング75の内径をD0とし、ブラシベース60の直径(横幅)をDとし、ブラシ軸部76の上端における直径(横幅)をD1とするとき、保持リング75の内径D0と、ブラシベース60の直径(横幅)Dと、ブラシ軸部76の直径(横幅)D1とが、不等式(D0<D<D1)を満足するように設定する。このように、ブラシ軸部76を逆円錐台状に形成すると、ブラシ軸部76とブラシ先端部77との境界付近の直径が大きくなるので、泡立時における周速度を大きくして、泡を効果的に生成でき、しかも、ブラシ軸部76の軸周面で顔肌を洗浄する際の洗浄効果を高めることができる。また、ブラシ先端部77が部分球面状に形成してあるので、泡立時の器底壁15および器周囲壁16とブラシ先端部77の接触面積を大きくして、泡をさらに効果的に生成できる。
上記のように構成したブラシ体20は、図6に示すように、ブラシベース60の継手体64を駆動ピース46に連結して、ブラシ体20を本体ケース21と一体化して使用する。ブラシ体20を駆動軸39に連結した状態においては、各弾性腕71の係合片72が駆動ピース46の下端面に係合して、ブラシ体20が駆動軸39から分離するのを防止している。上記とは異なり、ブラシ体20を駆動軸39から取外して、ブラシベース60を片手で持った状態で、ブラシ体20を単体で使用することができる。このように、単独で使用する際のブラシ体20の外観上の体裁を向上し、さらに、ブラシベース60の下面に突出する継手体64を保護するために、ブラシベース60の下面に化粧カバー80を着脱自在に装着している(図7参照)。これらブラシベース60および化粧カバー80が、ブラシ体20を単独で使用する際の把持部79を構成する。
上記のように、洗浄ブラシ2のブラシ体20を本体ケース21に対して着脱可能に連結すると、ブラシ体20を本体ケース21から取外した状態で単独で使用できる。従って、ブラシ体20ですくい取った泡をていねいに肌面に塗付することができる。泡を塗付するときは、本体ケース21に比べて軽量のブラシ体20のみを保持すればよいので、持ち重りすることもなくていねいに泡を塗付できる。また、ブラシ体20を肌面に接触させてなでつけることにより、ユーザーの好みに合った洗浄状態で肌面を積極的に洗浄できるうえ、泡を塗付するときと同様に持ち重りすることもなく肌洗浄を行える。肌洗浄時に電力を消費することもない。加えて、ブラシ体20を水洗い洗浄するときに、ブラシ体20の隅々までていねいに洗浄して泡を確実に洗い流すことができる利点もある。
図7において化粧カバー80は、上向きに開口する円形容器状のカバー本体81と、カバー本体81の内面中央に設けた装着部82と、開口周縁に張出し形成した舌片状の指掛片83とを一体に備えたプラスチック成型品からなる。装着部82は、ブラシ支持体62の継手体64に対応して六角筒状に形成してあり、装着部82を継手体64に外嵌係合することにより、化粧カバー80をブラシ支持体62と一体化して、継手体64(装着構造93)の外面をカバー本体81で覆い隠すことができる。この状態のブラシベース60(把持部79)を片手で持って、ブラシ体20を使用することができる。
上記のように、ブラシ体20を本体ケース21から取外して、化粧カバー80で装着構造93の外面を覆うようにすると、ブラシ体20を本体ケース21から分離して使用するときの外観を化粧カバー80で整えることができる。また、装着構造93を化粧カバー80で覆うので、ブラシベース60(把持部79)を片手で握ってブラシ体20を使用するときに、手指が装着構造93に当たるのを防止できる。さらに、装着構造93を兼ねる継手体64に異物が付着するのを防止して、継手体64と駆動ピース46との接続を常に適正に行うことができる。
化粧カバー80をブラシベース60に装着した状態における指掛片83は、ブラシベース60と化粧カバー80の接合面の外方へ突出しているので、指掛片83に指先をかけた状態で化粧カバー80を取外し操作することにより、化粧カバー80をブラシ支持体62から簡便に分離できる。また、ブラシベース60(把持部79)をつかんだ手指を指掛片83の周縁で受止めて、手指が滑るのを防止できる。指掛片83には吊掛穴84が貫通状に形成されている。吊掛穴84を形成すると、指掛片83の表面に凹凸が生じるので、指掛片83にかけた指先が滑りにくくなって、指掛片83を摘み易くなる。これにより、化粧カバー80のブラシベース60からの分離操作をより簡便に行える。また、ブラシベース60に化粧カバー80に装着した状態で、吊掛穴84にフックなどを通せば、ブラシ体20の全体を吊り下げて、ブラシ束61を乾燥させることができる。
この実施例における化粧カバー80は、水または湯などの発泡液の計量容器85を兼ねており、その内面には計量表示が設けられている。詳しくは、カバー本体81の内面に設けた六角筒状の装着部82が、発泡液を計量するための計量部を構成しており、その筒壁の外周面に計量表示を印刷し、あるいは筒壁の外周面に形成した凹状リブや凸状リブで計量表示を形成している。従って、計量表示の周囲をカバー本体81で覆って保護することができる。計量容器85で発泡液を計量する際は、指掛片83を指先で摘んで計量容器85を把持することができる。また、指掛片83に設けた吊掛穴84にフックなどを通して計量容器85を吊り下げれば、計量後の計量容器85を乾燥させることができる。なお、より多くの水または湯を計量する必要がある場合には、カバー本体81を計量部とすることができ、あるいは、カバー本体81と装着部82の両者を計量部とすることができる。
把持部79の直径(横幅)D3は、ブラシベース60の直径(横幅)Dに一致する。把持部79の直径D3と上下高さ寸法H3とは、不等式(D3>H3)を満足するように設定する。このように、把持部79の直径(横幅)D3を比較的大きく設定すると、把持部79を手指でつかみ易くなるので、ブラシ体20を単独で使用する際に、ブラシ体20を軽快に操作することができる。なお、把持部79の直径(横幅)D3および上下高さ寸法H3と、ブラシベース60の直径(横幅)Dおよび上下高さ寸法H4と、ブラシ束61のブラシベース60からの突出寸法Hと、ブラシ軸部76の上端における直径(横幅)D1は、調整リング63が通常位置にある場合のものである。
以上のように構成した泡立器を用いて洗顔を行う場合について、泡立容器1と洗浄ブラシ(撹拌体)2による泡立作用の詳細と、洗浄ブラシ2による肌洗浄作用の詳細を以下に説明する。まず、ブラシ体20を駆動軸39に連結し、クリーム状の適量の洗顔用の洗浄剤を保持凹部78に付着させて、図10に示すように本体ケース21をホルダー3に装着したのち、ブラシ体20に適量の水または湯を含浸させる。この時、計量容器85(化粧カバー80)で水または湯を計量することにより、洗浄剤に対する水または湯を過不足なくブラシ体20に含ませることができる。給水後の計量容器85(化粧カバー80)は、その開口面が上向きになる状態でカバー収納部18に収納保管する。本体ケース21をホルダー3に装着した状態において、モーター28は本体ケース21の中心軸Qより肩部34の側へ偏寄した位置に位置している。そのため、ホルダー3で支持された本体ケース21の重心をホルダー底壁8に近い側に位置させて、洗浄ブラシ2の全体を安定した状態で支持することができる。なお、保持凹部78を備えていないブラシ体20の場合には、部分球面上のブラシ先端部77に洗浄剤を付着させるとよい。
図13に示すように、ホルダー3に装着した本体ケース21は、その肩部34が規制部13で受止められて斜め下向きの横臥姿勢で位置決めされる。そのため、ブラシ体20の回転中心軸Pは、泡生成部4の外周側から容器中央へ向かって下り傾斜している。このように、本体ケース21をホルダー3に装着した状態では、本体ケース21の大半の部分がホルダー3で保持され、さらに洗浄ブラシ2の重心Gがホルダー3の突端より泡生成部4に近い側に位置しているので、ホルダー3に装着した洗浄ブラシ2を、ホルダー3で安定した状態で支持することができる。また、本体ケース21を撹拌姿勢にした状態では、ブラシ束61は器底壁15から器周囲壁16にわたる起泡部Fに接触して、その先端が一定量だけ弾性変形している。この状態でメインスイッチ26をオン操作すると、図12に示すように、モーター28が起動して、その回転動力が伝動構造で減速されたのちブラシ体20に伝動される。このときのモーター28は、低速回転(5000rpm)するように設定されており、モーター28が起動してから1分が経過するまで、その状態を維持する。そして、低速回転時間が1分に達するとモーター28は増速されて高速回転(10000rpm)する。さらに、高速回転モードに移行して1分が経過すると、モーター28を停止させて泡立モードを終了する。なお、モーター28が低速で駆動されているときの駆動軸39およびブラシ体20の駆動回転数は150rpmであり、モーター28が高速で駆動されているときの駆動軸39およびブラシ体20の駆動回転数は300rpmである。
泡立モードが終了したら、本体ケース21をホルダー3から取外す。この時、図10に示すように、ホルダー3に装着した状態の本体ケース21のグリップ遊端側が、ホルダー3の突端から斜後方向へ大きく突出しているので、突出するケース部分を手掛かりにして本体ケース21を容易にホルダー3から取外すことができる。ホルダー3から分離した状態のブラシ体20のブラシ束61には生成した大量の泡が保持されている。とくにブラシ軸部76は多くの泡を含んで膨らんでおり、さらにブラシ軸部76やブラシ先端部77の周面には肌理細かな弾力に富む泡が付着している。従って、洗浄ブラシ2をホルダー3から分離したのち、余分な泡を器周囲壁16の開口縁でしごいてブラシ体20の外形を整え、ブラシ体20に保持されている泡を顔肌や肌面に直接塗付することができる。ブラシ体20に含まれる泡の残量が少なくなってきたら、泡生成部4内の泡塊をブラシ体20ですくい取って、頬回り、額、あご、鼻などの顔肌に塗付する。
洗浄ブラシ2に実装された制御基板は、泡立モードの終了後にメインスイッチ26が再びオン操作されると、肌洗浄モードを開始する。肌洗浄モードにおいては、モーター28は停止したまま、起振構造すなわち第1振動モーター51と第2振動モーター52を駆動する。ブラシ体20のブラシ軸部76の軸周面(ブラシ束61の周側面)を洗浄すべき顔肌にあてがい、メインスイッチ26をオン操作すると、第1振動モーター51と第2振動モーター52が起動し、本体ケース21およびブラシ体20が、前後を含む全周囲方向へ振動する。これにより、顔肌に付着している皮脂、古い角質、あるいは毛穴に入込んでいる汚れや化粧料などを、肌を傷めることなく洗い落すことができる。肌洗浄モードを開始してから1分が経過すると、肌洗浄モードが終了となり、第1振動モーター51と第2振動モーター52が停止するので、それまでの間に頬回りや額などをブラシ軸部76で洗浄する。最後に、本体ケース21をホルダー3に再装着して、水または湯を使用して顔肌に付着している泡を洗い流し、水気を取り除いた状態で化粧水などを顔肌に塗付して洗顔を終了する。洗浄時には、ブラシ体20の振動作用によって、顔肌をマッサージできるので血行を促進できる効果もある。なお必要があれば、肌洗浄モードの途中でメインスイッチ26を操作して、肌洗浄モードを強制的に終了することができる。
本実施例の肌洗浄モードでは、起振構造でブラシ体20を振動させたが、必ずしもその必要はない。例えば、肌洗浄モード時に、ブラシ体20を再び回転駆動して顔肌の洗浄を行うことができる。その場合のブラシ体20の回転速度は、泡立モード時のブラシ体20の回転速度よりさらに小さな回転速度で回転駆動して、顔肌に対する刺激を小さくすることが好ましい。また、肌洗浄モード時のブラシ体20の駆動時間は1分前後とすることが好ましい。より強い刺激を与えた状態で肌洗浄を行う必要がある場合には、ブラシ体20を起振構造で振動させ、さらにブラシ体20を回転駆動した状態で肌洗浄を行うことができる。また、本実施例では、メインスイッチ26のオン操作によって肌洗浄モードを開始させたが、必ずしもその必要はない。例えば、泡立モードが終了したのち、一定時間が経過した時点で自動的に肌洗浄モードに移行して、第1振動モーター51と第2振動モーター52を起動して肌洗浄を行い、さらに一定時間が経過したのちに両モーター51・52を停止させて自動的に肌洗浄モードを終了することができる。
洗顔が終了したら、本体ケース21から取外したブラシ体20と泡立容器1を水洗いし、泡立容器1およびブラシ体20に付着している泡を洗い流して水切りする。次に、図14に示すように、ブラシ体20の継手体64をホルダー3のブラシ支持具10に係合して、ブラシ束61が下向きになる状態でブラシ体20をホルダー3に固定し、ブラシ束61を乾燥させその状態のままで保管する。本実施例では、スタンド5のカバー収納部18に収容された化粧カバー80が、ブラシ支持具10に吊下げ支持したブラシ体20の下方に位置して、ブラシ束61から落下する水滴を受止めるブラシ水受101を兼ねるようにした。このように、ブラシ体20の下方にブラシ水受101を設けると、ブラシ束61から滴り落ちた水滴が、スタンド5の周囲に飛散するのを防止できる。また、化粧カバー80をカバー収納部18から取外すことにより、化粧カバー80に溜まった水を容易に排出できる。本体ケース21はホルダー3に装着してもよいし、泡立容器1から分離した状態で保管してもよい。
洗顔時における泡立器の使用法の概略は以上のとおりであり、本発明に係る洗浄ブラシ2では、ブラシ体20のブラシ軸部76の軸周面を顔肌にあてがった状態で、ブラシ体20を前後方向を含む全周方向へ振動させて、洗浄およびマッサージを行う点に特徴を有する。このように、ブラシ軸部76の軸周面を顔肌にあてがって顔肌を洗浄すると、顔肌がブラシで擦られるのを防止しながら洗顔できるので、ブラシ体20を使用して洗顔するときに肌が赤くなり、あるいは肌がひりひりするなどのダメージを顔肌に与えることがない。なお、円盤状に形成したブラシ束の平坦なブラシ先端を顔肌にあてがって、ブラシ体を回転駆動しながら顔肌を洗浄する実験を行ったが、ブラシ体のあてがい方によっては、顔肌が過剰に擦られて、先のような肌ダメージを与えてしまうことが確認された。また、ブラシ体を回転駆動しながら顔肌を洗浄する過程では、円盤形のブラシ束の回転中央に位置する毛束が、棒状にかたまった状態で肌面に押付けられているように感じられるため、電動洗顔ブラシの使用方法が不適切であると、先のような肌ダメージをひき起こしやすいことが予想される。
洗浄ブラシ2を泡立モードで作動させる状態において、ブラシ体20の回転中心軸Pは図15のように下り傾斜して、そのブラシ束61の先端が起泡部Fに臨む器周囲壁16と器底壁15とに同時に接触して、ブラシ先端が上向きに弾性変形している。また、泡生成部4のホルダー3側の器底壁15には、図15に矢印で示す範囲に、器底壁15に連続して起泡部Fへ向かって下り傾斜する泡還流壁88が設けられている。さらに、起泡部Fに臨む器周囲壁16と器底壁15に接触しているブラシ体20は、泡生成部4の左右中央に保持されており、しかも、断面円形に形成したブラシ束61の半径が、凹曲面状の器底壁15の湾曲面の曲率半径より小さく設定されているため、ブラシ束61の右半周面と器周囲壁16との間に、空気の導入を促す空気導入隙間89が形成される(図16参照)。この状態のブラシ体20を、図16に矢印Sで示すように、起泡部Fと正対する側から見て時計回転方向へ回転駆動することにより、ブラシ束61に圧力が作用する状態で発泡要素を発泡させることができ、さらに、ブラシ先端部77とブラシ軸部76の一部を泡立リブ17に衝突させて、泡塊を繰返し撹拌することができる。
詳しくは、ブラシ先端部77は起泡部Fに臨んで隣接する泡立リブ17を、弾性変形しながら次々に乗り越え、その間にブラシ束61の先端を大きく弾性変形させ、しかも泡立リブ17を乗越えるごとにブラシ束61を躍動させて、発泡要素に強い圧力を加えながら発泡要素をさらに効果的に発泡できる。さらに、ブラシ束61が弾性変形する間に、周囲の空気を取込みながら泡塊を生成することができる。従って、泡立リブ17を備えていない泡生成部4に比べて、泡塊の生成と泡の細分化とをさらに効果的に行うことができる。このとき、図16に向かって右半分側のブラシの周囲においては、ブラシ束61に付着した泡が、泡立リブ17や器周囲壁16および器底壁15に押付けられて揺さぶられ、空気が強制的に混入される。また、図16に向かって左半分側のブラシの周囲においては、生成された泡塊がブラシ体20の回転力を受けて周囲に跳ね飛ばされ、起泡部Fに臨む器周囲壁16で受止められて、同壁16に沿って器底壁15へと流れ落ちる。このように、左半分側の器周囲壁16は泡流下壁90として機能している。
泡立モードにおいては、起泡部Fに臨む器底壁15の断面形状が、凹曲面状の湾曲面で形成してあるので、起泡部Fと接触するブラシ束61の周面と器底壁15との間に形成される空気導入隙間89の周辺の空気を、ブラシ束61で巻込んで起泡部Fへと送り込むことができる。つまり、空気導入隙間89を設けることで、ブラシ束61で生成された泡塊と空気とを空気導入隙間89から同時に取込んで、ブラシ束61と器底壁15の間に巻込むことができるので、泡塊の生成と泡の細分化とをさらに効果的に行うことができる。
さらに、断面円形に形成したブラシ束61の半径が、凹曲面状の器底壁15の湾曲面の曲率半径より小さく設定してあるので、器周囲壁16と、ブラシ束61の左右周面との間に自由空間が形成され、自由空間を通過するブラシ束61によって空気を効率よく巻込むことができるので、泡塊と空気の撹拌とを繰返し行って、弾力に富む肌理の細かなムース状の泡塊を生成することができる。
泡塊の生成量が増加するのに伴って、泡塊の一部は図16に向かって右半分側の空気導入隙間89を介して泡還流壁88の側へ流動する。しかし、泡還流壁88を含む器底壁15の全体が、起泡部Fへ向かって下り傾斜されているため、ブラシ体20と泡還流壁88の間に位置する泡塊は、ブラシ束61の先端へ向かって流動し、再びブラシ束61で撹拌される。このように、泡を生成しながら泡塊をブラシ束61で繰返し撹拌することにより、泡径が小さく肌理の細かな泡塊を効率よく生成できる。従って、回転ブラシを一定の速度で回転駆動して泡立を行う従来の泡発生装置に比べて、泡の生成と泡径の微細化とを効果的に行って、ムース状の泡塊を効率よく生成できる。
先に説明したように、泡立モードの前半ではモーター28を低速回転させ、泡立モードの後半ではモーター28を高速回転させる。このように、モーター28を低速回転させると、ブラシ束61の保持凹部78に付着させた洗浄剤と、ブラシ軸部76に含ませた水とをよくなじませて、洗浄剤と水をブラシ軸部76およびブラシ先端部77に均等に含ませて泡をむらなく生成することができる。また、モーター28を高速回転させることにより、より多くの空気を取込むことができるので泡塊を効果的に生成できる。さらに、泡塊をブラシ束61で繰返し撹拌して、生成された泡の泡径を小さくし、その肌理を細かくすることができる。
上記の実施例1では、泡立モードにおいてメインスイッチ26をオン操作してブラシ体20を低速および高速で回転駆動して泡立を行い、所定時間が経過したことをタイマーで検知して泡立モードを終了し、再度メインスイッチ26をオン操作して肌洗浄モードへ移行して起振構造を作動させるようにしたがその必要はない。例えば、メインスイッチ26のオン操作でブラシ体20を一定速度で回転駆動して泡立モードとしたのち、ユーザーが泡立ち具合を目視で確認し、十分な量の泡塊が生成されたと判断した時点で、洗浄ブラシ2をホルダー3から取外し、ブラシ体20を回転駆動した状態のままで、顔肌にブラシ束61の周面をあてがって、泡塊の塗付と肌洗浄を並行して行うことができる。その場合には、タイマーおよび起振構造を省略することができる。なお、十分な量の泡塊が生成されたと判断した時点で、ユーザーがメインスイッチ26を操作してモーター28を停止し、その状態で洗浄ブラシ2をホルダー3から取外して、泡塊を顔肌に塗付することができる。泡塊を塗付したのち、再度メインスイッチ26を操作して、モーター28または起振構造を起動させた状態で顔肌の洗浄を行うようにしてもよい。
(実施例2) 図17は、実施例2に係るブラシ体20のブラシ束61を示す。このブラシ束61は、断面楕円形に形成される点と、ブラシ先端部77の保持凹部78が省略される点で、先の実施例1と相違する。このブラシ束61を固定保持する保持リング75は楕円筒状に形成される。本実施例において、保持リング75の内周面の水平方向の最大横幅D0は、該内周面で規定される楕円の長軸の長さに一致する。また、ブラシ軸部76の軸周面(ブラシ束61の周側面)の上端における横幅D1は、該軸周面の上端縁で規定される楕円の長軸の長さに一致する。他は実施例1と同じであるので、同じ部材に同じ符号を付して、その説明を省略する。以下の実施例においても同じとする。
(実施例3) 図18は、実施例3に係るブラシ体20のブラシ束61を示す。このブラシ束61は、断面正方形(逆正四角錘台状)に形成される点と、ブラシ先端部77が平坦に形成されて保持凹部78が省略される点で、先の実施例1と相違する。このブラシ束61を固定保持する保持リング75は正四角筒状に形成される。本実施例において、保持リング75の内周面の水平方向の最大横幅D0は、該内周面で規定される正方形の対角線の長さに一致する。また、ブラシ軸部76の軸周面(ブラシ束61の周側面)の上端における横幅D1は、該軸周面の上端縁で規定される正方形の対角線の長さに一致する。
(実施例4) 図19は、実施例4に係るブラシ体20のブラシ束61を示す。そこでは、実施例1のブラシ束61と同様に、ブラシ軸部76を逆円錐台状に形成するが、ブラシ先端の全体を部分球面状の凹曲面で形成して保持凹部78とする点が異なる。この場合のブラシ先端部77は、ブラシ軸部76の上端の円弧縁となる。上記のように、保持凹部78の容積を大きく設定すると、保持凹部78の内部に保持される発泡剤や発泡要素の保持量を多様に変更できるので、発泡剤や発泡要素のメーカーの違いや、発泡特性の違いに対応することができる。また、泡立時にはブラシ先端部77が弾性変形して、その内部に保持した発泡剤や発泡要素を包込んだ状態で、揺さぶりながら泡立リブ17に衝突させるので、モーター28が低速回転される泡立モードにおいて泡を速やかに生成できる。
(実施例5) 図20は実施例5に係る泡立容器1を示す。そこでは、スタンド5の一部の構造を変更して、ホルダー3のブラシ支持具10に吊下げ支持したブラシ体20の下方に、ブラシ体20から落下する水滴を受止めるブラシ水受101を設けるようにした。詳しくは、ブラシ体20と上下に正対するスタンド壁に、化粧カバー80を収容するカバー収納部18に代えてブラシ水受101を凹み形成した。このように、ブラシ水受101をスタンド5と一体に形成すると、ブラシ水受101を設けることに伴うコスト増を回避できる。本実施例においてカバー収納部18は、例えばブラシ水受101と泡生成部4の間におけるスタンド5の壁面に配置することができる。
(実施例6) 図21は実施例6に係るブラシ体20を示す。そこでは、実施例1の調整リング63を省略して、ブラシベース60をブラシ支持体62と継手体64で構成した。さらに、ブラシ束61の下端部をブラシ支持体62で固定保持して、ブラシ支持体62が実施例1の保持リング75を兼ねるようにした。ブラシ束61の下端部は、ブラシ支持体62の筒壁の内周面に接着固定されている。本実施例では、ブラシ束61のブラシベース60からの突出寸法Hと、ブラシ束61の保持リング75(ブラシ支持体62)からの突出寸法H0とが一致する。本実施例のように、ブラシ支持体62が保持リング75を兼ねていると、保持リング75を別途用意する必要がない分だけコストを削減することができる。
(実施例7) 図22は実施例7に係る洗浄ブラシ2を示す。そこでは、ブラシ体20のブラシベース60が、保持リング75に加えて本体ケース21を兼ねるようにした。すなわち、ブラシベース60は、ブラシ束61の下端部を固定保持する有底筒状のブラシ支持体62(保持リング75)と、ブラシ支持体62の底壁から下向きに伸びる筒状のケース体86と、ケース体86の下端開口を塞ぐケース蓋87とを備えている。ブラシ支持体62の底壁とケース体86とケース蓋87とで囲まれる空間には、コイン型の電池29、起振構造(ブラシ駆動構造)、および制御基板31を含む電装品ユニットが収容されている。起振構造は、水平方向の振動を発生するコイン型のバイブレーター57で構成されており、バイブレーター57への給電状態を切換えるスイッチ26は、ケース蓋87の外面に配置されている。本実施例の洗浄ブラシ2は、ブラシベース60(本体ケース21)を手指でつかんで使用することができる。
(実施例8) 図23は実施例8に係る洗浄ブラシ2を示す。そこでは、本体ケース21のグリップ部分の中心軸Qに対して、ブラシ体20が装着される本体ケース21の上端部を傾斜させて、ブラシ体20の中心軸Pが本体ケース21の中心軸Qに対して傾斜するようにした。本実施例において、本体ケース21の上下高さ寸法H5は、本体ケース21の中心軸Qに沿う同ケース21の寸法であり、ブラシベース60の上下高さ寸法H4と、ブラシ束61のブラシベース60からの突出寸法Hとは、ブラシ体20の中心軸Pに沿うブラシベース60あるいはブラシ束61の突出部分の寸法であり、ブラシベース60の横幅Dは、ブラシ体20の中心軸Pと直交する方向におけるブラシベース60の直径である。
ブラシ束61は断面円形に形成する必要はなく、断面長円状、断面楕円状、断面多角形状などであってもよい。ブラシ支持体62における継手体64と装着構造93とは個別に設けてあってもよい。ブラシ支持具10は、泡立容器1の周囲や、ホルダー3の下周面の任意位置に設けることができる。また、必要があればスタンド5にブラシ支持具10を一体に形成することができ、例えば、ホルダー3とスタンド5との間に収納区画を設けて、そこにブラシ体20を収納保管することができる。さらに、ブラシ体20は、そのブラシ束61が下向きになる状態で保管する必要はなく、斜め、あるいは横向きにした状態で保管することができる。