JP2006192074A - 超音波振動式塗布具 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ブラシ部に超音波振動を与え、このブラシ部の超音波振動を巧みに利用して当該ブラシ部に含浸された塗布剤を塗布対象の表面に浸透させて定着させることができる超音波振動式塗布具を提供すること。
【解決手段】 多数の繊維を多数束ねて成るブラシ部1と、このブラシ部1を対象面に接触させて操作する把手部2とを有する塗布具であって、
前記把手部2には、高周波のインパルス電圧が入力したとき当該入力周波数に応じて超音波振動を励起する圧電素子3と;この圧電素子3に対しインパルス電圧を出力するインパルス発生器4と;このインパルス発生器4の電源5とが内蔵されており、前記圧電素子3の発生する超音波振動が前記ブラシ部1に伝達することによってブラシ部1に含浸された塗布剤を塗布対象の表面に超音波によって浸透定着せしめるように構成するという技術的手段を採用した。
【選択図】 図1
【解決手段】 多数の繊維を多数束ねて成るブラシ部1と、このブラシ部1を対象面に接触させて操作する把手部2とを有する塗布具であって、
前記把手部2には、高周波のインパルス電圧が入力したとき当該入力周波数に応じて超音波振動を励起する圧電素子3と;この圧電素子3に対しインパルス電圧を出力するインパルス発生器4と;このインパルス発生器4の電源5とが内蔵されており、前記圧電素子3の発生する超音波振動が前記ブラシ部1に伝達することによってブラシ部1に含浸された塗布剤を塗布対象の表面に超音波によって浸透定着せしめるように構成するという技術的手段を採用した。
【選択図】 図1
Description
本発明は、塗布用のブラシの改良、更に詳しくは、ブラシ部に超音波振動を与え、このブラシ部の超音波振動を巧みに利用して当該ブラシ部に含浸された塗布剤を塗布対象の表面に浸透させて定着させることができる超音波振動式塗布具に関するものである。
従来、毛筆や絵筆、あるいは美容に使用する化粧筆など塗布用のブラシにおいては、ブラシを手先で操作して塗布剤を塗布対象の表面に塗り付けていた。しかし、塗布の対象となる表面は一様でなく、その対象表面に対して手先の操作だけでは塗布剤を浸透定着させることが難しかったため、満足な状態に仕上げることは困難であった。
ちなみに従来、手筆や絵筆については筆跡の掠れができないようにするために、墨汁が入ったタンクを内蔵し、塗布時においてそのタンク内の墨汁を必要な分だけ筆先に滲出させる毛筆ペンが知られている(特許文献1参照)。
しかし、かかる毛筆ペンは、墨汁を筆先に含浸させ、紙へと塗着させることはできるものの、塗布対象表面に塗着した墨汁は専ら紙の自然的な吸収性のみに依存し、紙面に塗着された墨汁が、どのような状態に紙面に拡展して浸透定着するかについては成り行き任せであった。このため、浸透しきれなかった墨汁は塗布した表面上に過剰に残ってしまい、その結果、それが原因で文字や絵の表面が膨らんだりテカついたりして、仕上がりが見苦しくなり易かった。
また、従来の化粧ブラシにあっては、化粧剤を筆先に付着含浸させるために、筆先に使用する繊維を加工して、化粧剤の筆先への付着含浸効果を高めた化粧筆が知られている(特許文献2参照)。
しかし、この化粧筆を使用しても化粧剤を単に皮膚に撫で付けるだけであるため、化粧剤を皮膚に浸透させて定着せしめる効果は殆どなく、皮膚に対する化粧剤の乗りは良好と言えなかった。
特開2003−136882号公報 (第2−4頁、第1−2図)
特開2001−238号公報 (第2−3頁、第1−5図)
本発明は、従来の塗装ブラシの上記の如き問題に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、ブラシ部に超音波振動を与え、このブラシ部の超音波振動を巧みに利用して当該ブラシ部に含浸された塗布剤を塗布対象の表面に浸透させて定着させることができる超音波振動式塗布具を提供することにある。
本発明者が、上記課題を解決するために採用した手段を添付図面を参照して説明すれば次のとおりである。
即ち、本発明は、多数の繊維を多数束ねて成るブラシ部1と、このブラシ部1を対象面に接触させて操作する把手部2とを有する塗布具であって、
前記把手部2には、高周波のインパルス電圧が入力したとき当該入力周波数に応じて超音波振動を励起する圧電素子3と;この圧電素子3に対しインパルス電圧を出力するインパルス発生器4と;このインパルス発生器4の電源5とが内蔵されており、前記圧電素子3の発生する超音波振動が前記ブラシ部1に伝達することによってブラシ部1に含浸された塗布剤を塗布対象の表面に超音波によって浸透定着せしめるように構成するという技術的手段を採用した点に特徴がある。
前記把手部2には、高周波のインパルス電圧が入力したとき当該入力周波数に応じて超音波振動を励起する圧電素子3と;この圧電素子3に対しインパルス電圧を出力するインパルス発生器4と;このインパルス発生器4の電源5とが内蔵されており、前記圧電素子3の発生する超音波振動が前記ブラシ部1に伝達することによってブラシ部1に含浸された塗布剤を塗布対象の表面に超音波によって浸透定着せしめるように構成するという技術的手段を採用した点に特徴がある。
また、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、インパルス発生器4にインパルス電圧に対して任意の変調制御を加えるコントローラ41を採用することができる。
また、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、圧電素子3として、セラミック積層圧電素子という技術的手段を採用することができる。
また、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、ブラシ部1の全体若しくは一部を、馬毛にするという技術的手段を採用することができる。
また、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、多数の繊維を穂状に束ねて筆先を形成してブラシ部1を構成にするという技術的手段を採用することができる。
また、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、多数の繊維の先端が大略半球状に揃えるように束ねてブラシ部1を構成するという技術的手段を採用することができる。
また、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、多数の繊維の先端が略面状に並んで束ねてブラシ部1を構成するという技術的手段を採用することができる。
本発明の超音波振動式塗布具においては、塗布剤を含浸したブラシ部が塗布対象の表面上に対して微細に高周波にて上下振動し、ブラシ部の繊維先端で塗布剤を塗布対象の表面に押し込み、効果的かつ適切に塗布剤を浸透定着せしめる。これにより、満足のいく仕上がりとなる。
具体的に本発明の塗布具が書道筆であれば、塗布された墨汁を紙の空隙に押し込むことができるため、書いた文字の表面が盛り上がったり、テカついたりすることはなくなる。
また塗布具がチークブラシであれば、チークパウダーを皮膚上の汗腺や毛穴に押し込むことができるため、パウダーがしっかりと頬に乗り、その化粧持ちは格段に良くなる。したがって、本発明の実用的利用価値は頗る高い。
本発明の実施形態を具体的に図示した図面に基いて更に詳細に説明すると次のとおりである。
[実施例1]
本発明の実施例1の説明を図1及び図2に基いて説明する。本実施例では、書道に用いる毛筆が例示される。
本発明の実施例1の説明を図1及び図2に基いて説明する。本実施例では、書道に用いる毛筆が例示される。
図1において、符号1で指示するものは、先端が鋭い多数の繊維から成るブラシ部であり、このブラシ部1は繊維群を穂状に束ねられている。
加えて本実施例では、ブラシ部1を構成する繊維に柔軟性と保汁性が求められるところから馬毛とイタチ毛とを混合して使用する。
符号2で指示するものは把手部であり、この把手部2には木製の中空パイプを用いる。
符号3で指示するものは超音波振動を励起する圧電素子であり、この圧電素子3にはコンパクトで消費電力の小さいセラミック積層圧電素子を採用している。
符号4で指示するものは高周波のインパルス電圧を出力するインパルス発生器であり、このインパルス発生器4はコントロ−ラ41を備えた発振回路として構成されている。
符号5で指示するものは前記インパルス発生器4に電力を供給する電源であり、本実施例では、電源5として出力3Vの一次電池(コイン型リチウム電池)を用いている。
符号6で示されるものは、前記電源5の電力供給において、その開始と終了をON/OFFの切り換えで操作する切換スイッチである。
しかして、本実施形態における毛筆具を構成するにあたっては、ブラシ部1と把手部2を対象面に接触させて操作できるよう直列的に真っ直ぐに接続し、この把手部2には圧電素子3とインパルス発生器4と電源5とが内蔵される。
次いで、把手部2内において、圧電素子3を振動がブラシ部1に効率的に伝動するように伝導リング31を介して前記ブラシ部1と接続する。そして、圧電素子3とインパルス発生器4及びにこのインパルス発生器4と電源5を導線51にて接続する。そして電源5には、把手部2の外側部分でON/OFF操作ができるよう切換スイッチ6を付設する(図1参照)。
次に、実施例の毛筆の使用手順を図2に基いて以下に説明する。
まず、使用を開始する前に、本実施形態品の把手部2を把持し、切換スイッチをONに切り換える。
このとき把手部2内部では、電源5がインパルス発生器4に直流電圧(例えば、3V)を供給し、インパルス発生器4は前記直流電圧を高周波(例えば、1.9MHz)のインパルス電圧に変換して圧電素子3へと出力する。
かくして、圧電素子3は、前記インパルス電圧の周波数に応じて微細に(例えば、振幅0.5μm)振動し、ブラシ部1は前記高周波振動の伝達を受けて超音波振動する。
実施例1の毛筆の使用については、上記の過程によって超音波振動しているブラシ部1を墨汁に浸して含浸させ、墨汁を含浸したブラシ部1を画箋紙に押し当てていつもどおり書画すれば良い。
ちなみに、墨汁が画箋紙表面に思うように浸透定着しない場合には、コントローラ41を使って墨汁及び画箋紙の浸透性質に応じた適切な周波数の超音波振動に調整する。
そして、当該毛筆の使用を終了するときは切換スイッチをOFFに戻す。
[実施例2]
実施例2の説明を図3及び図4に基いて説明する。本実施例は、化粧に用いるチークブラシを構成する。
実施例2の説明を図3及び図4に基いて説明する。本実施例は、化粧に用いるチークブラシを構成する。
本実施形態では、ブラシ部1の繊維に繊細な毛先を持つ灰リス毛を使用し、この繊維先端が大略半球状に揃うようにブラシ部1を束ねている(図3参照)。
次に、本実施例のチークブラシの使用手順を図4に基いて以下に説明する。
まず本実施形態品の電源を入れた後、超音波振動しているブラシ部1にチークパウダーを付着含浸させる。そして、ブラシ部1を優しく頬に押し当てパウダーを皮膚に乗せる。このとき、ブラシ部1の繊維先端が皮膚に対して垂直に当たるようにブラシ部1を操作するとより浸透定着の効果が増す(図4参照)。
本発明は、概ね上記のように構成されるが、本発明は、図示の実施形態に限定されるものでは決してなく、「特許請求の範囲」の記載内において種々の変更が可能であって、例えば、ブラシ部1が、繊維に穴熊毛を使用したシェービングブラシであって良く、また、調理用のベイティングブラシ(図5参照)や、糊刷毛のように繊維先端が略面状に並んで束ねられたものとしても適用可能であり、これらの適用例は何れも、本発明の技術的範囲に属する。
加えて、ブラシ部1の繊維には上記の実施例に挙げたものだけでなく、先端が鋭くかつ柔軟性及び吸水性の高い材質であれば他の動物繊維(例えば、山羊毛)や化学繊維(例えば、ナイロン毛)などを用いても良く、これら何れの変形例も本発明の技術的範囲に属することは云うまでもない。
1 ブラシ部
2 把手部
3 圧電素子
31 伝導リング
4 インパルス発生器
41 コントロ−ラ
5 電源
51 導線
6 スイッチ
2 把手部
3 圧電素子
31 伝導リング
4 インパルス発生器
41 コントロ−ラ
5 電源
51 導線
6 スイッチ
Claims (7)
- 多数の繊維を束ねて成るブラシ部1と、このブラシ部1を対象面に接触させて操作する把手部2とを有する塗布具であって、
前記把手部2には、高周波のインパルス電圧が入力したとき当該入力周波数に応じて超音波振動を励起する圧電素子3と;この圧電素子3に対しインパルス電圧を出力するインパルス発生器4と;このインパルス発生器4の電源5とが内蔵されており、前記圧電素子3の発生する超音波振動が前記ブラシ部1に伝達することによってブラシ部1に含浸された塗布剤を塗布対象の表面に超音波振動によって浸透定着せしめるように構成したことを特徴とする超音波振動式塗布具。 - インパルス発生器4が、インパルス電圧に対して任意の変調制御を加えるコントローラ41を備えていることを特徴とする請求項1に記載の超音波振動式塗布具。
- 圧電素子3が、セラミック積層圧電素子であることを特徴とする請求項1または2に記載の超音波振動式塗布具。
- ブラシ部1の全体若しくは一部が、馬毛であることを特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載の超音波振動式塗布具。
- ブラシ部1が、多数の繊維を穂状に束ねて筆先を形成して成ることを特徴とする請求項1〜4の何れか一つに超音波振動式塗布具。
- ブラシ部1が、多数の繊維の先端を大略半球状に揃えるようにして束ねて成ることを特徴とする請求項1〜4の何れか一つに記載の超音波振動式塗布具。
- ブラシ部1が、多数の繊維の先端が略面状に並んで束ねて成ることを特徴とする請求項1〜4の何れか一つに記載の超音波振動式塗布具。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005006722A JP2006192074A (ja) | 2005-01-13 | 2005-01-13 | 超音波振動式塗布具 |
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2005
- 2005-01-13 JP JP2005006722A patent/JP2006192074A/ja active Pending
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