(実施例1) 図1ないし図17は実施例1に係る泡立器を示す。本発明における前後、左右、上下とは、図2および図5の交差矢印と、交差矢印の近傍に表記した前後、左右、上下の表示に従う。図2において泡立器は、泡立容器1と、泡立容器1に装着される撹拌体2と、撹拌体2を撹拌姿勢に支持するホルダー3とで構成される。泡立容器1は、平面視が円形で上向きに開口する泡生成部4と、泡生成部4を支持するスタンド5と、泡生成部4の後上部に連続して形成されるホルダー3を一体に備えたカレーポット状のプラスチック成型品からなる。
図3および図11に示すように、ホルダー3は、滑らかに連続するホルダー底壁8と、ホルダー底壁8に連続して上向きに延びるホルダー側壁9とで断面U字形の樋体状に形成してある。ホルダー底壁8とホルダー側壁9とは、その後端から泡生成部4へ向かって下り傾斜されており、ホルダー底壁8の後端の下面側には、後述するブラシ体20を吊下げ支持する丸軸状のブラシ支持具10が下向きに突設されている。撹拌体2の本体ケース21をホルダー3に装着して撹拌姿勢に保持した状態において、本体ケース21の下半周面は、図11に示すようにホルダー底壁8およびホルダー側壁9でしっかりと支持される。従って、泡立時に本体ケース21に作用する回転反力をホルダー側壁9で受止めて、撹拌体2をホルダー3で安定した状態に支持できる。このように、本体ケース21をホルダー3に装着して、撹拌体2を撹拌姿勢に保持した装着状態においては、後述するスイッチノブ26aが自由空間に臨んでいる。従って、本体ケース21をホルダー3に装着した状態のままで、ホルダー側壁9に邪魔されることもなくスイッチノブ26aをオン操作することができる。
図3に示すようにホルダー3の内部空間と泡生成部4の内部空間との間には、両空間を前後に区分する逆V字状の区分壁11が形成され、その左右中央に前記両空間を連通する連通溝12が、区分壁11と直交する状態で凹み形成されている。ホルダー3の内部空間に臨む区分壁11のうち、連通溝12を囲む傾斜壁は、ホルダー3に装着した撹拌体2を受止めるための規制部13として機能する。規制部13はホルダー3の内部空間の傾斜下端に位置されている。区分壁11で前後に区分されたホルダー3の内部空間と泡生成部4の内部空間とは、泡生成部4の上開口面より下方で連通されている。区分壁11とホルダー底壁8との交差部分、つまり、ホルダー3の内部空間の傾斜下端で最も低い個所には排液口14が上下貫通状に形成されており、本体ケース21から流れ落ちてホルダー3内へ流下した液体は、先の排液口14から排出される。
泡生成部4は、器底壁15と、器底壁15に連続して上向きに延びる器周囲壁(周囲壁)16とで、上向きに開口する容器状に構成されており、先の区分壁11と対向する器周囲壁16の前半周面の複数個所に、ブラシ体20に強い圧力を付加し、その圧力で発泡要素に強い圧力を作用させながら泡立てを行う泡立リブ17が設けられている。この実施例では、器周囲壁16の前半周面の6個所において、連続波型の泡立リブ17を器周囲壁16の開口縁から器底壁15にわたって形成した。泡立リブ17が形成された器底壁15から器周囲壁16にわたる部分が、後述するブラシ束61と共同して泡を発生させる起泡部Fとして機能する。なお、泡立リブ17と対向する器周囲壁16の後半周面は平滑な2次元平面で形成されている。上記のように、泡立リブ17は上下方向に連続する断面が山形のリブで形成するが、上下方向に断続する断面が山形のリブで形成してあってもよい。
スタンド5は泡生成部4の下方からホルダー3の下方にわたって連出されて、前後に長い楕円形の伏皿状に形成されており、先に説明した排液口14と対向するスタンド5の壁面に、後述する化粧カバー80を収納保管する円形のカバー収納部18が設けられている(図1参照)。なお、楕円形のスタンド5の後端は、ブラシ支持具10の真下に位置している。このように、スタンド5を泡生成部4の下方からホルダー3の下方にわたって、前後に長く形成することにより、泡立容器1とホルダー3に装着した撹拌体2を安定した状態で支持でき、泡立器の全体の印象を優美でありながらシンプルなものとすることができる。
図4および図5に示すように撹拌体2は、泡生成部4に収容した発泡要素を撹拌するブラシ体20と、ブラシ体20を支持する上下に長い本体ケース21と、本体ケース21の内部に設けられてブラシ体20を駆動するブラシ駆動構造などで構成する。本体ケース21はグリップを兼ねており、上半の上ケース22と、上ケース22に対して着脱される有底筒状の下ケース23と、上ケース22の上端に固定されるエンドカバー24とで構成されている。上ケース22の右側面にはスイッチ凹部25が凹み形成されており、その下部にモーター28への給電状態を切換えるメインスイッチ(スイッチ)26が設けられている。図11に示すようにスイッチ26は、本体ケース21の外面に配置されるスイッチノブ26aと、スイッチノブ26aで切換え操作されるスイッチ素子26bとからなる。スイッチ素子26bは、制御基板31に実装してある。
図4に示すように、本体ケース21の内部には内フレーム27が収容されており、この内フレーム27にモーター28、電池29、起振構造、およびモーター28の回転動力を減速した状態で出力する伝動構造などが組込まれている。ブラシ駆動構造は、モーター28と伝動構造と起振構造で構成される。図5に示すように、モーター28は、本体ケース21の上下方向の中心軸Qより肩部34の側へ偏寄した位置に配置されている。スイッチ凹部25の上半側には、撹拌体2の運転状態を報知する報知部材98が設けてある。この実施例では、LED灯で構成した上側の発光体30で報知部材98を構成して、モーター28の駆動状態の変化に対応して発光体30を点灯させるようにした。発光体30の下側には、起振構造が作動する状態において点灯する、LED灯からなる発光体99が設けてある。図11に示すように、スイッチ凹部25と正対する上ケース22の内部には制御基板31が配置されて内フレーム27に固定してあり、この制御基板31に実装した電子部品で制御部50を構成して、モーター28および第1、第2の振動モーター51・52の駆動状態と、各発光体30・99の発光状態を制御部50で制御している(図13参照)。
上ケース22は前後に長い楕円筒状に形成されており、ケース上端における楕円の長軸寸法は、ケース下端における楕円の長軸寸法より大きく設定されており、これにより上ケース22の全体が上広がり筒状に形成されている。図6に示すようにエンドカバー24は上ケース22の上開口を塞ぐ状態で後述するシール蓋43にビス32で締結されており、その上面にブラシ体20を連結するためのボス壁33が膨出形成され、ボス壁33の前側下縁に沿って三日月状の肩部34が前向きに張出されている。図1に示すように、本体ケース21をホルダー3に装着して撹拌姿勢に保持した状態において、本体ケース21の周面はホルダー底壁8およびホルダー側壁9で受止め支持されており、同時に肩部34が先の規制部13で受止められて位置決めされている。このように、ホルダー3に装着した撹拌体2を泡生成部4に対して位置決めすることにより、起泡部Fの器底壁15および器周囲壁16に接触したブラシ束61の弾性変形量を常に一定にして均一化できる。これにより、撹拌体2をホルダー3に装着した状態において、ブラシ束61が過剰に変形されて劣化するのを防止できる。装着状態における撹拌体2の重量の大半は、肩部34と接合する規制部13で受止められる。
図10に示すように、本体ケース21をホルダー3に装着して撹拌姿勢に保持した状態では、本体ケース21のグリップ遊端が、ホルダー3の突端(後端)から突出する。詳しくは、ホルダー3で支持されている本体ケース21の中心軸Q方向の長さをW1とし、ホルダー3の突端から突出しているグリップ遊端側の中心軸Q方向の長さをW2とするとき、不等式(W1>W2)を満足するようにホルダー3および本体ケース21が形成してある。また、メインスイッチ26の近傍に撹拌体2の重心Gがあるとき、グリップ遊端はホルダー3の突端から水平距離H2の分だけ突出しており、重心Gはホルダー3の突端から水平距離H1の分だけブラシ体20に近づく位置に位置している。なお、水平距離H1と水平距離H2の関係は、不等式(H1>H2)を満足するように設定してある。このように、本体ケース21の大半の部分をホルダー3で保持し、さらに撹拌体2の重心Gをホルダー3の突端より泡生成部4に近い側に位置させることにより、ホルダー3に装着した撹拌体2を、ホルダー3で安定した状態に支持することができる。また、泡立時に本体ケース21に回転反力が作用する状態においても、ブラシ体20が泡生成部4の器底壁15から浮き離れる向きに本体ケース21が傾くのを防止して、撹拌体2を安定した状態で撹拌姿勢に保持し続けることができる。
図6に示すように、モーター28の回転動力は、その出力軸に固定した原動ギヤ35と、第1減速ギヤ36と、第2減速ギヤ37と、終段ギヤ38とからなる伝動構造で減速されて、終段ギヤ38に固定した駆動軸39から出力される。第1減速ギヤ36と第2減速ギヤ37は、それぞれ大径ギヤと小径ギヤを一体に備えており、第1中間軸40と第2中間軸41で回転自在に支持されている。第1中間軸40は、内フレーム27と、同フレーム27の上端に固定したギヤフレーム42とで軸支されており、第2中間軸41は、ギヤフレーム42と、上ケース22の上開口を塞ぐシール蓋43とで軸支されている。駆動軸39は、シール蓋43に組付けたベアリング44で軸支されて、その上部がボス壁33の中央に設けた連結穴45に露出されている。図12に示すように、駆動軸39の上端には断面が六角形の駆動ピース46が固定されている。駆動軸39の基端は、シール蓋43に装着した防水シール47で封止されており、さらに、シール蓋43と上ケース22の接合面がOリングで封止されている。従って、洗浄剤や泡、あるいは水が連結穴45からシール蓋43の内部に浸入することはない。ギヤフレーム42とシール蓋43は、複数個のビス48で上ケース22に締結されている。
起振構造は、前後方向の振動を発生する第1振動モーター51と、上下方向の振動を発生する第2振動モーター52とで構成されており、それぞれモーター28の後側の上下に配置されている。第1振動モーター51は、シリンダー型のモーター53と偏心錘54とで構成されており、本体ケース21の前後方向を含む中心軸Qと平行な軸周りの全周囲方向の振動を発生する。また。第2振動モーター52は、コイン型のモーター55と偏心錘56とを円盤状のケースに封入して構成されており、本体ケース21の上下を含む中心軸Qと直交する軸周りの全周囲方向の振動を発生する。両振動モーター51・52を同時に駆動することにより、ブラシ体20を前後および上下に振動させることができる。
図7においてブラシ体20は、ブラシベース60と、ブラシベース60に装着した一群のブラシ毛からなるブラシ束61を備えている。ブラシベース60は、ブラシ束61を固定保持する丸筒状のブラシ支持体62と、ブラシ支持体62で上下スライド自在に支持した調整リング63と、ブラシ支持体62の下面中央に突設した継手体64とを備えている。調整リング63は、ブラシ支持体62の周面を覆う通常位置(図7に示す状態)と、ブラシ支持体62の上端寄りまでスライド操作されて、ブラシ束61の中途部を絞る縮径位置(図9に示す状態)とにスライド操作できる。継手体64は、ブラシ体20をブラシ支持具10に係合装着するための装着構造93を兼ねている。
調整リング63を上下スライドのみ可能に案内するために、図8に示すようにブラシ支持体62および調整リング63の対向周面のそれぞれに平坦なスライド面65を設け、スライド面65の中央にガイドリブ66とスライド溝67を設けている。さらに、調整リング63を通常位置と縮径位置において位置保持するために、スライド面65から位相が90度ずれた位置のブラシ支持体62の周面の上下と、調整リング63の内周面の下端とに係合リブ68・69を設けている。図12に示すように、継手体64は、回転力を受ける3個の受動壁70と、駆動ピース46に係合する3個の弾性腕71とを交互に配置して六角筒状に形成されており、各弾性腕71の内面の下端寄りに係合片72が突設されている。
ブラシ束61は、繊維径が50〜70μmの合成繊維の一群を断面円形に束ねて、その下部を金属板製の保持リング75で固定して構成されており、保持リング75をブラシ支持体62の筒壁の内面に嵌込んで接着固定することにより、ブラシ支持体62と一体化されている。ブラシ束61は、保持リング75の上縁から上方へ延びる棒状のブラシ軸部76と、ブラシ軸部76の先端に形成される外突湾曲状のブラシ先端部77と、ブラシ先端部77の中央に凹み形成される保持凹部78とを備えている。この実施例においては、ブラシ束61をブラシベース60の側からブラシ先端部77へ向かって上広がり状に形成して、ブラシ軸部76を逆円錐台状に形成し、ブラシ先端部77を部分球面状に形成した。また、保持凹部78は部分球面状の凹曲面で形成して、その内部に洗顔剤などの発泡剤を保持できるようにした。ブラシ軸部76は、より多くの泡や洗浄剤を含むことに役立っており、ブラシ先端部77は洗浄剤を効果的に泡立てることに役立っている。
ブラシ体20を構成するブラシベース60およびブラシ束61の、各部の寸法関係は以下に説明するように設定することが好ましい。図7に示すように、ブラシベース60の直径(横幅)をDとし、ブラシ束61のブラシベース60からの突出寸法をHとするとき、ブラシベース60の横幅Dとブラシ束61の突出寸法Hとが、不等式(D/2<H)を満足するように設定する。つまり、ブラシ束61の突出寸法(縦寸法)Hと、ブラシベース60の直径(横寸法)Dの縦横比を1対2以上としている。後述するように、洗顔を行う場合には、ブラシ軸部76の軸周面を顔肌にあてがった状態で洗浄するが、上記のように、ブラシ束61のブラシベース60からの突出寸法Hを大きくすると、顔肌をブラシ束61で洗浄するときのブラシ軸部76の腰の強さを弱くできるので、ブラシ軸部76の顔肌に対する接触感をソフトで滑らかなものとすることができる。また、上下に長いブラシ束61により多くの泡を含ませて、ブラシ軸部76と顔肌の接触を滑らかなものとして、顔肌がダメージを受けるのを防止できる。
また、ブラシベース60の横幅をDとし、ブラシ束61のブラシベース60からの突出寸法をHとするとき、ブラシベース60の横幅Dと、ブラシ束61の突出寸法Hとが、不等式(D<H)を満足するように設定する。こうしたブラシ体20によれば、ブラシ束61のブラシベース60からの突出寸法Hをさらに大きくすることができる。従って、ブラシ軸部76の顔肌に対する接触感をさらにソフトで滑らかなものとすることができ、上下に長いブラシ束61にさらに多くの泡を含ませて、ブラシ軸部76と顔肌の接触を滑らかなものとすることができる。
ブラシ束61に関しては、ブラシベース60の直径(横幅)をDとし、ブラシ軸部76の上端における直径(横幅)をD1とするとき、ブラシベース60の直径(横幅)Dと、ブラシ軸部76の直径(横幅)D1とが、不等式(D<D1)を満足するように設定する。このように、ブラシ軸部76を逆円錐台状に形成し、ブラシ軸部76とブラシ先端部77との境界付近の直径が大きくなるので、泡立時における周速度を大きくして、泡を効果的に生成できる。また、ブラシ先端部77が部分球面状に形成してあるので、泡立時の器底壁15および器周囲壁16とブラシ先端部77の接触面積を大きくして、泡をさらに効果的に生成できる。
上記のように構成したブラシ体20は、図6に示すように、ブラシベース60の継手体64を駆動ピース46に連結して、ブラシ体20を本体ケース21と一体化して使用する。ブラシ体20を駆動軸39に連結した状態においては、各弾性腕71の係合片72が駆動ピース46の下端面に係合して、ブラシ体20が駆動軸39から分離するのを防止している。上記とは異なり、ブラシ体20を駆動軸39から取外して、ブラシベース60を片手で持った状態で、ブラシ体20を単体で使用することができる。このように、単独で使用する際のブラシ体20の外観上の体裁を向上し、さらに、ブラシベース60の下面に突出する継手体64を保護するために、ブラシベース60の下面に化粧カバー80を着脱自在に装着している。
上記のように、撹拌体2のブラシ体20を本体ケース21に対して着脱可能に連結すると、ブラシ体20を本体ケース21から取外した状態で単独で使用できる。従って、ブラシ体20ですくい取った泡をていねいに肌面に塗付することができる。泡を塗付するときは、本体ケース21に比べて軽量のブラシ体20のみを保持すればよいので、持ち重りすることもなくていねいに泡を塗付できる。また、ブラシ体20を肌面に接触させてなでつけることにより、ユーザーの好みに合った洗浄状態で肌面を積極的に洗浄できるうえ、泡を塗付するときと同様に持ち重りすることもなく肌洗浄を行える。肌洗浄時に電力を消費することもない。加えて、ブラシ体20を水洗い洗浄するときに、ブラシ体20の隅々までていねいに洗浄して泡を確実に洗い流すことができる利点もある。
図7において化粧カバー80は、上向きに開口する円形容器状のカバー本体81と、カバー本体81の内面中央に設けた装着部82と、開口周縁に張出し形成した舌片状の指掛片83とを一体に備えたプラスチック成型品からなる。装着部82は、ブラシ支持体62の継手体64に対応して六角筒状に形成してあり、装着部82を継手体64に外嵌係合することにより、化粧カバー80をブラシ支持体62と一体化して、継手体64(装着構造93)の外面をカバー本体81で覆い隠すことができる。この状態のブラシベース60を片手で持って、ブラシ体20を使用することができる。
上記のように、ブラシ体20を本体ケース21から取外して、化粧カバー80で装着構造93の外面を覆うようにすると、ブラシ体20を本体ケース21から分離して使用するときの外観を化粧カバー80で整えることができる。また、装着構造93を化粧カバー80で覆うので、ブラシベース60を片手で握ってブラシ体20を使用するときに、手指が装着構造93に当たるのを防止できる。さらに、装着構造93を兼ねる継手体64に異物が付着するのを防止して、継手体64と駆動ピース46との接続を常に適正に行うことができる。
化粧カバー80をブラシ体20に装着した状態における指掛片83は、ブラシベース60と化粧カバー80の接合面の外方へ突出しているので、指掛片83に指先をかけた状態で化粧カバー80を取外し操作することにより、化粧カバー80をブラシ支持体62から簡便に分離できる。また、ブラシベース60をつかんだ手指を指掛片83の周縁で受止めて、手指が滑るのを防止できる。指掛片83には吊掛穴84が形成されている。化粧カバー80のカバー本体81は、水または湯などの発泡液の計量容器を兼ねており、その内面には計量表示が設けられている。詳しくは、この実施例における計量容器は六角筒状の装着部82であって、その筒壁の外周面に計量表示を印刷し、あるいは筒壁の外周面に形成した凹リブ状や凸リブ状で計量表示を形成している。従って、計量表示の周囲をカバー本体81で覆って保護することができる。なお、より多くの水または湯を計量する必要がある場合には、カバー本体81を計量容器とすることができ、あるいは、カバー本体81と装着部82の両者を計量容器とすることができる。
以上のように構成した泡立器を用いて洗顔を行う場合について、泡立容器1と撹拌体2による泡立作用の詳細と、ブラシ体20による肌洗浄作用の詳細を以下に説明する。まず、ブラシ体20を駆動軸39に連結し、クリーム状の適量の洗顔用の洗浄剤を保持凹部78に付着させて、図10に示すように本体ケース21をホルダー3に装着したのち、ブラシ体20に適量の水または湯を含浸させる。この時、化粧カバー80のカバー本体81で水または湯を計量することにより、洗浄剤に対する水または湯を過不足なくブラシ体20に含ませることができる。給水後の化粧カバー80は、その開口面が上向きになる状態でカバー収納部18に収納保管する。この状態の化粧カバー80が、排液口14から排出されて落下する水滴を受止める水受94を兼ねている。本体ケース21をホルダー3に装着した状態において、モーター28は本体ケース21の中心軸Qより肩部34の側へ偏寄した位置に位置している。そのため、ホルダー3で支持された本体ケース21の重心をホルダー底壁8に近い側に位置させて、撹拌体2の全体を安定した状態で支持することができる。なお、保持凹部78を備えていないブラシ体20の場合には、部分球面上のブラシ先端部77に洗浄剤を付着させるとよい。
図1に示すように、ホルダー3に装着した本体ケース21は、その肩部34が規制部13で受止められて斜め下向きの横臥姿勢で位置決めされる。そのため、ブラシ体20の回転中心軸Pは、泡生成部4の外周側から容器中央へ向かって下り傾斜している。このように、本体ケース21をホルダー3に装着した状態では、本体ケース21の大半の部分がホルダー3で保持され、さらに撹拌体2の重心Gがホルダー3の突端より泡生成部4に近い側に位置しているので、ホルダー3に装着した撹拌体2を、ホルダー3で安定した状態で支持することができる。また、本体ケース21を撹拌姿勢にした状態では、ブラシ束61が器底壁15から器周囲壁16にわたる起泡部Fに接触して、その先端が一定量だけ弾性変形している。この状態では、図10に示すようにスイッチノブ26aがホルダー側壁9の上縁に沿って自由空間に臨んでいる。従って、本体ケース21とホルダー3の左側のホルダー側壁9とを片手で同時に握って、メインスイッチ26を親指でオン操作することにより、図14に示すようにモーター28が起動し、その回転動力が伝動構造で減速されたのちブラシ体20に伝動される。なお、ホルダー3の左側のホルダー側壁9とは、スイッチノブ26aが自由空間に臨んでいる側とは反対側のホルダー側壁9のことである。
起動後のモーター28の駆動回転数は制御部50によって次のように制御される。起動直後のモーター28は低速回転(5000rpm)するように設定されており、モーター28が起動してから30秒が経過するまで、その状態を維持する。そして、低速回転時間が30秒に達するとモーター28は増速されて中速回転(7500rpm)する。さらに、中速回転時間が30秒に達するとモーター28はさらに増速されて高速回転(10000rpm)する。高速回転に移行して30秒が経過すると、モーター28を再び低速回転(5000rpm)に戻し、低速回転時間が30秒に達するとモーター28を停止させて泡立モードを終了する。なお、モーター28が低速で駆動されているときの駆動軸39およびブラシ体20の駆動回転数は150rpmであり、モーター28が中速で駆動されているときの駆動軸39およびブラシ体20の駆動回転数は225rpmであり、モーター28が高速で駆動されているときの駆動軸39およびブラシ体20の駆動回転数は300rpmである。以上のように、モーター28の駆動回転数を段階的に増加させると、泡立て作業が終盤に近づくほど、モーター28の駆動回転数が大きくなり、駆動音の音量や周波数特性に顕著な変化があらわれる。従って、ユーザーは駆動音を聞くだけで、泡立て作業の進行状況を明確に把握することができる。
以上のように、泡立モードにおける制御部50は、モーター28の駆動回転数が段階的に変化するように、モーター28の駆動状態を制御しており、モーター28の起動時と、駆動回転数が変化するごとに発光体30を点灯させて、泡立て作業の進行状況をユーザーに報知する。発光体30の点灯時間は1秒である。駆動回転数が変更されるのに応じてモーター28の駆動音が異なるので、この駆動音を報知信号にして、泡立て作業の進行状況をユーザーに併せて報知することができる。とくに、泡立て作業の終盤においては、モーター28の駆動回転数を高速回転状態から低速回転状態に変化させるので、モーター28の駆動音を明確に変化させて、泡立て作業が30秒後に終了することを、発光体30と共に報知することができる。また、それまで高速回転するブラシ体20で跳ね飛ばされていた泡塊を落ち着かせ、器底壁15側へ流下させて泡塊を集約することができる。上記のように、モーター28の駆動音を報知信号として利用する場合には、モーター28が報知部材98を兼ねることになる。
以上のように構成した泡立器によれば、モーター28を起動したのちは、制御部50がモーター28の駆動状態を制御して撹拌条件を好適化でき、従って、泡の性状が均一でしかも適量のムース状の泡塊を自動的に効率よく生成できる。また、泡立てを開始した後には、発光体30を作動させて報知信号を発生することにより、泡立て作業の進行状態をユーザーに報知し認識させることができる。このように、一連の泡立て作業を行うことで泡の性状が均一で弾力に富む適量のムース状の泡塊を生成できるが、ユーザーの好みに応じて、一連の泡立て作業が終了する前段状態の泡を使用して肌洗浄を行うことができる。その場合には、例えばモーター28が中速回転状態や、高速回転状態に切換ったのちに、スイッチ26をオン操作してモーター28を停止させ、好みの状態の泡を使用することができる。また、モーター28を停止させたときの泡の状態に不足があるときは、再びスイッチ26をオン操作してモーター28を起動し低速回転状態と、中速回転状態および高速回転状態を経て泡の状態を再調整するとよい。
泡立モードが終了したら、本体ケース21をホルダー3から取外す。この時、図10に示すように、ホルダー3に装着した状態の本体ケース21のグリップ遊端側が、ホルダー3の突端から斜後方向へ大きく突出しているので、突出するケース部分を手掛かりにして本体ケース21を容易にホルダー3から取外すことができる。ホルダー3から分離した状態のブラシ体20のブラシ束61には生成した大量の泡が保持されている。とくにブラシ軸部76は多くの泡を含んで膨らんでおり、さらにブラシ軸部76やブラシ先端部77の周面には肌理細かな弾力に富む泡が付着している。従って、撹拌体2をホルダー3から分離したのち、余分な泡を器周囲壁16の開口縁でしごいてブラシ体20の外形を整え、ブラシ体20に保持されている泡を顔肌や肌面に直接塗付することができる。ブラシ体20に含まれる泡の残量が少なくなってきたら、泡生成部4内の泡塊をブラシ体20で掬いとって、頬回り、額、あご、鼻などの顔肌に塗付する。
上記の状態で、ブラシ体20のブラシ軸部76の軸周面(ブラシ束61の周側面)を洗浄すべき顔肌にあてがい、メインスイッチ26をオン操作すると、制御部50は第1振動モーター51と第2振動モーター52を起動して、本体ケース21およびブラシ体20を振動させて、肌洗浄モードに移行する。これにより、顔肌に付着している皮脂、古い角質、あるいは毛穴に入込んでいる汚れや化粧料などを、肌を傷めることなく洗い落すことができる。肌洗浄モードを開始してから1分が経過すると、制御部50は第1振動モーター51と第2振動モーター52を停止させて肌洗浄モードを終了するので、それまでの間に頬回りや額などをブラシ軸部76で洗浄する。
最後に、本体ケース21をホルダー3に再装着したのち、水または湯を使用して顔肌に付着している泡を洗い流し、水気を取り除いた状態で化粧水などを顔肌に塗付して洗顔を終了する。洗浄時には、ブラシ体20の振動作用によって、顔肌をマッサージできるので血行を促進できる効果もある。なお、肌洗浄モードでは、起振構造でブラシ体20を振動させたが、必ずしもその必要はない。例えば、肌洗浄モード時に、ブラシ体20を再び回転駆動して顔肌の洗浄を行うことができる。その場合のブラシ体20の回転速度は、泡立モード時の低速回転状態におけるブラシ体20の回転速度よりさらに小さな回転速度で回転駆動して、顔肌に対する刺激を小さくすることが好ましい。また、肌洗浄モード時のブラシ体20の駆動時間は1分前後とすることが好ましい。より強い刺激を与えた状態で肌洗浄を行う必要がある場合には、ブラシ体20を起振構造で振動させ、さらにブラシ体20を回転駆動した状態で肌洗浄を行うことができる。
洗顔が終了したら、本体ケース21から取外したブラシ体20と泡立容器1を水洗いし、泡立容器1およびブラシ体20に付着している泡を洗い流して水切りする。次に、図15に示すように、ブラシ体20の継手体64を泡立容器1のブラシ支持具10に係合して、ブラシ束61が下向きになる状態でブラシ体20を泡立容器1に固定し、ブラシ束61を乾燥させその状態のままで保管する。本体ケース21はホルダー3に装着してもよいし、泡立容器1から分離した状態で保管してもよい。なお、泡立モードが終了したのち、一定時間が経過した時点で自動的に肌洗浄モードに移行して、第1振動モーター51と第2振動モーター52を起動して肌洗浄を行い、さらに一定時間が経過したのちに両モーター51・52を停止させて自動的に肌洗浄モードを終了することができる。
洗顔時における泡立器の使用法の概略は以上のとおりであり、本発明に係る撹拌体2では、ブラシ体20のブラシ軸部76の軸周面を顔肌にあてがった状態で、ブラシ体20を前後方向を含む全周方向へ振動させて、洗浄およびマッサージを行う点に特徴を有する。このように、ブラシ軸部76の軸周面を顔肌にあてがって顔肌を洗浄すると、顔肌がブラシで擦られるのを防止しながら洗顔できるので、ブラシ体20を使用して洗顔するときに肌が赤くなり、あるいは肌がひりひりするなどのダメージを顔肌に与えることがない。なお、円盤状に形成したブラシ束の平坦なブラシ先端を顔肌にあてがって、ブラシ体を回転駆動しながら顔肌を洗浄する実験を行ったが、ブラシ体のあてがい方によっては、顔肌が過剰に擦られて、先のような肌ダメージを与えてしまうことが確認された。また、ブラシ体を回転駆動しながら顔肌を洗浄する過程では、円盤形のブラシ束の回転中央に位置する毛束が、棒状にかたまった状態で肌面に押付けられているように感じられるため、電動洗顔ブラシの使用方法が不適切であると、先のような肌ダメージをひき起こしやすいことが予想される。
撹拌体2を泡立モードで作動させる状態において、ブラシ体20の回転中心軸Pは図16のように下り傾斜して、そのブラシ束61の先端が起泡部Fに臨む器周囲壁16と器底壁15とに同時に接触して、ブラシ先端が上向きに弾性変形している。また、泡生成部4のホルダー3側の器底壁15には、図16に矢印で示す範囲に、器底壁15に連続して起泡部Fへ向かって下り傾斜する泡還流壁88が設けられている。さらに、起泡部Fに臨む器周囲壁16と器底壁15に接触しているブラシ体20は、泡生成部4の左右中央に保持されており、しかも、断面円形に形成したブラシ束61の半径が、凹曲面状の器底壁15の湾曲面の曲率半径より小さく設定されているため、ブラシ束61の右半周面と器周囲壁16との間に、空気の導入を促す空気導入隙間89が形成される(図17参照)。この状態のブラシ体20を、図17に矢印Sで示すように、起泡部Fと正対する側から見て時計回転方向へ回転駆動することにより、ブラシ束61に圧力が作用する状態で発泡要素を発泡させることができ、さらに、ブラシ先端部77とブラシ軸部76の一部を泡立リブ17に衝突させて、泡塊を繰返し撹拌することができる。
詳しくは、ブラシ先端部77は起泡部Fに臨んで隣接する泡立リブ17を、弾性変形しながら次々に乗り越え、その間にブラシ束61の先端を大きく弾性変形させ、しかも泡立リブ17を乗越えるごとにブラシ束61を躍動させて、発泡要素に強い圧力を加えながら発泡要素をさらに効果的に発泡できる。さらに、ブラシ束61が弾性変形する間に、周囲の空気を取込みながら泡塊を生成することができる。従って、泡立リブ17を備えていない泡生成部4に比べて、泡塊の生成と泡の細分化とをさらに効果的に行うことができる。このとき、図17に向かって右半分側のブラシの周囲においては、ブラシ束61に付着した泡が、泡立リブ17や器周囲壁16および器底壁15に押付けられて揺さぶられ、空気が強制的に混入される。また、図17に向かって左半分側のブラシの周囲においては、生成された泡塊がブラシ体20の回転力を受けて周囲に跳ね飛ばされ、起泡部Fに臨む器周囲壁16で受止められて、同壁16に沿って器底壁15へと流れ落ちる。このように、左半分側の器周囲壁16は泡流下壁90として機能している。
泡立モードにおいては、起泡部Fに臨む器底壁15の断面形状が、凹曲面状の湾曲面で形成してあるので、起泡部Fと接触するブラシ束61の周面と器底壁15との間に形成される空気導入隙間89の周辺の空気を、ブラシ束61で巻込んで起泡部Fへと送り込むことができる。つまり、空気導入隙間89を設けることで、ブラシ束61で生成された泡塊と空気とを空気導入隙間89から同時に取込んで、ブラシ束61と器底壁15の間に巻込むことができるので、泡塊の生成と泡の細分化とをさらに効果的に行うことができる。
さらに、断面円形に形成したブラシ束61の半径が、凹曲面状の器底壁15の湾曲面の曲率半径より小さく設定してあるので、器周囲壁16と、ブラシ束61の左右周面との間に自由空間が形成され、自由空間を通過するブラシ束61によって空気を効率よく巻込むことができるので、泡塊と空気の撹拌とを繰返し行って、弾力に富む肌理の細かなムース状の泡塊を生成することができる。
泡塊の生成量が増加するのに伴って、泡塊の一部は図17に向かって右半分側の空気導入隙間89を介して泡還流壁88の側へ流動する。しかし、泡還流壁88を含む器底壁15の全体が、起泡部Fへ向かって下り傾斜されているため、ブラシ体20と泡還流壁88の間に位置する泡塊は、ブラシ束61の先端へ向かって流動し、再びブラシ束61で撹拌される。このように、泡を生成しながら泡塊をブラシ束61で繰返し撹拌することにより、泡径が小さく肌理の細かな泡塊を効率よく生成できる。従って、回転ブラシを一定の速度で回転駆動して泡立を行う従来の泡発生装置に比べて、泡の生成と泡径の微細化とを効果的に行って、ムース状の泡塊を効率よく生成できる。
先に説明したように、泡立モードの開始直後にはモーター28を低速回転させ、30秒が経過するごとに中速回転させ、さらに高速回転させる。このように、泡立モードの開始直後にモーター28を低速回転させると、ブラシ束61の保持凹部78に付着させた洗浄剤と、ブラシ軸部76に含ませた水とをよくなじませて、洗浄剤と水をブラシ軸部76およびブラシ先端部77に均等に含ませて泡をむらなく生成することができる。さらに、生成された泡がブラシ体20の遠心力で跳ね飛ばされるのを防止できる。また、モーター28を中速回転させることにより、低速回転時より多くの空気を取込んで泡塊を効果的に生成でき、生成した泡を繰返し撹拌して泡径を小さくすることができる。さらに、モーター28を高速回転させることにより、中速回転時よりさらに多くの空気を取込むことができるので泡塊を効果的に生成できる。同時に、泡塊をブラシ束61で繰返し撹拌して、生成された泡の泡径を小さくし、その肌理を細かくして泡の性状を好適化できる。
上記のように、泡立モードにおいてモーター28の駆動回転数を、段階的に増加させると、泡立て作業が終盤に近づくほど、モーター28の駆動回転数が大きくなり、駆動音の音量や周波数特性に顕著な変化が現れる。従って、ユーザーは駆動音を聞くだけで、泡立て作業の進行状況をより明確に把握することができる。
(実施例2) 図18および図19は報知部材98を変更した実施例2に係る撹拌体2を示しており、そこでは実施例1で説明した発光体30に加えて、発音体58を併用して報知部材98とする点が実施例1と異なる。発光体30は1個のLED灯で構成し、発音体58は市販されている圧電ブザー、電磁ブザー、電子ブザーなどのいずれかひとつで構成してある。発光体30および発音体58は、内フレーム27の下端に固定されており、その外面を覆う下ケース23の端壁には、音放出窓と発光窓がそれぞれ形成してある。発光体30および発音体58は、それぞれモーター28の駆動回転数が変化するごとに同期して作動され、発光体30の点灯時間と発音体58の発音時間は、それぞれ1秒である。このように、発光体30と発音体58を併用して、泡立て作業の進行状況をユーザーに併せて報知すると、視覚による発光体30の作動状態の確認に加えて、聴覚によっても発音体58の作動状態を多重に確認することができるので、泡立て作業の進行状況をさらに明確に報知することができる。また、撹拌体2を撹拌姿勢した状態において、発光体30および発音体58が下ケース23の突端に位置しているので、発光体30の点灯状態(報知光)を離れた位置からでも明確に視認でき、さらに発音体58から放出された報知音を明確に聞取ることができる。他は実施例1と同じであるので、同じ部材に同じ符号を付して、その説明を省略する。以下の実施例においても同じとする。
(実施例3) 図20および図21はスイッチ26を変更した実施例3に係る撹拌体2を示している。そこではスイッチ26を、本体ケース21の外面のスイッチ凹部25に設けた第1スイッチ26Aと、本体ケース21の肩部34に配置した第2スイッチ26Bとで構成した。第1スイッチ26Aは、実施例1と同様にスイッチノブ26aと、スイッチノブ26aで切換え操作されるスイッチ素子26bとからなる。第2スイッチ26Bは、肩部34に臨むシール蓋43に固定したスイッチ素子26cからなり、スイッチ素子26cは先のスイッチ素子26bと同じ部品である。スイッチ素子26cをオン操作するために、規制部13にスイッチ突起85を設け、さらに肩部34にスイッチ突起85の出入りを許すスイッチ窓86が開口してある。本体ケース21をホルダー3に装着して撹拌姿勢に保持した状態においては、図20に示すように、スイッチ突起85がスイッチ窓86からエンドカバー24の内部に進入してスイッチ素子26cをオン操作できる。
実施例3に係る撹拌体2は、撹拌準備が整った状態で、本体ケース21をホルダー3に装着して撹拌姿勢に保持することにより、スイッチ素子26cがオン操作されてモーター28を起動できるので、第1スイッチ26Aを操作する必要はない。以後は、実施例1で説明した場合と同様にモーター28の駆動状態を制御部50で制御して泡立て作業を行う。泡立てが終了したら、本体ケース21をホルダー3から取外したのち、余分な泡を器周囲壁16の開口縁でしごいてブラシ体20の外形を整え、ブラシ体20に保持されている泡を顔肌や肌面に直接塗付する。次に、ブラシ体20のブラシ軸部76の軸周面を洗浄すべき顔肌にあてがい、第1スイッチ26Aをオン操作すると、制御部50は第1振動モーター51と第2振動モーター52を起動して、本体ケース21およびブラシ体20を振動させて、肌洗浄モードに移行する。このように、制御部50は、泡立モードが終了して一定時間内に第1スイッチ26Aがオン操作された場合に、肌洗浄モードへ移行するようにプログラムされている。
(実施例4) 図22は撹拌体2の支持構造を変更した実施例4に係る泡立器を示す。そこでは、撹拌体2を泡立容器1に設けたホルダー3に対して支軸143で回動可能に連結した。詳しくは、本体ケース21の肩部に左右一対のブラケット142を設け、このブラケット142を一対のホルダー3に組んだ水平の支軸143で回動可能に支持した。これにより、撹拌体2は支軸143を中心にして、実線で示すように、ブラシ体20の先端が泡生成部4の内面壁に接触して弾性変形する撹拌姿勢と、想像線で示すように、ブラシ体20が泡生成部4の外方へ退避する待機姿勢とに回動できるように支持される。本体ケース21の内部には、モーター28とモーター動力をブラシ体20に伝動する伝動構造とが設けてある。また、スタンド5の内部にモーター28の駆動電源となる電池29と、回路基板31を収容した。なお、電池29とモーター28とは、スイッチ26と図示していないリード線を介して電気的に接続してある。この実施例においては、本体ケース21のグリップ遊端の上面側に臨んで発光体30と発音体58を配置した。
撹拌体2が、待機姿勢から撹拌姿勢に回動する動作を利用してモーター28を起動させるために、スタンド5の側にスイッチ26を配置し、ブラケット142の突端にスイッチノブ26aを押下げ操作するカム片(操作具)151を設けている。スイッチノブ26aは、ベース部152の一側にカム片151で操作される上向きの受動ピン153を設け、ベース部152の他側にスイッチ素子26bをオン操作するスイッチピン154を設けたプラスチック成型品からなる。スイッチノブ26aの全体は、スタンド5の内部に設けたガイド壁(図示していない)で上下スライドのみ自在に案内支持されて、スイッチばね155で押上げ付勢してある。撹拌体2を待機姿勢から撹拌姿勢に回動操作すると、カム片151が受動ピン153をスイッチばね155の付勢力に抗して押し下げ操作されるので、スイッチ素子26bをスイッチピン154でオン操作できる。スイッチ素子26bは、撹拌体2が撹拌姿勢から待機姿勢へ回動操作されるのと同時にオフ状態に切換る。
撹拌姿勢にした撹拌体2が、ブラシ体20の回転反力を受けて待機姿勢に復帰するのを規制するために、ブラケット142と支軸143との間にクリック機構を設けている。支軸143はホルダー3で回転不能に固定してある。クリック機構は、支軸143の周面2個所に形成したクリック凹部146と、左右のブラケット142の間に固定した板バネ状のクリック板149とで構成する。クリック板149には、クリック凹部146に落込み係合するクリック突起150が一体に形成してある。このクリック突起150が各クリック凹部146と係合することにより、撹拌体2を待機姿勢と撹拌姿勢において、それぞれ回動不能に位置保持でき、とくに撹拌姿勢において、撹拌体2にブラシ体20の回転反力が作用したとしても、その回転モーメントをクリック機構で受け止めて、撹拌体2が待機姿勢へ向かって回動するのを防止できる。この実施例から理解できるように、撹拌体2およびホルダー3は泡立容器1と一体化してあってもよく、撹拌体2を撹拌姿勢にした状態において、その回転中心軸Pが下り傾斜する構造であればよい。
泡立時には図22に示すように、ブラシ体20および本体ケース21を撹拌姿勢にした状態で、ブラシ体20を回転駆動して泡および泡塊を生成する。泡立が終了したら、ブラシ体20および本体ケース21を待機姿勢に戻したのち、ブラシ体20を本体ケース21から取外す。必要に応じてブラシベース60に化粧カバー80を装着したのち、泡立容器1内の泡をブラシ体20ですくい取って肌面に塗付する。このように、本体ケース21から分離したブラシ体20を使用して泡の塗付を行うと、ブラシ体20に付着している泡をていねいに肌面に塗付することができる。また、ブラシ体20を肌面に接触させてなでつけることにより、ユーザーの好みに合った洗浄状態で肌面を積極的に洗浄できる。さらに、ブラシ体20を水洗い洗浄するときに、ブラシ体20の隅々までていねいに洗浄して泡を確実に洗い流すことができる。泡立後に、ブラシ体20および本体ケース21を待機姿勢にした状態では、泡立容器1の開口側空間の全てを開放でき、さらにブラシ体20の周囲空間を開放できるので、泡立容器1内の泡、およびブラシ体20に付着している泡の全てを余すことなくすくいとって、肌面に塗付することができる。
実施例1においては、モーター28の駆動回転数を制御部50で段階的に切換えて泡立て作業を行うようにしたが、その必要はなく、以下に説明する実施例5〜8の各実施形態に従って、モーター28の駆動状態を制御部50で制御することができる。
(実施例5) この実施例においては図23に示すように、メインスイッチ26がオン操作されると、制御部50はモーター28を低速回転(5000rpm)するように設定されており、モーター28が起動してから60秒が経過するまで、その状態を維持する。そして、低速回転時間が60秒に達するとモーター28は増速されて高速回転(10000rpm)する。高速回転に移行して60秒が経過すると、モーター28を停止させて泡立モードを終了する。このように、モーター28の駆動回転数が低速回転状態から高速回転状態へ1段階だけ増加する場合であっても、「モーター28の駆動回転数が段階的に増加する」概念に含むこととする。因みに、泡立モードに要する120秒のうち、最初の10秒間はモーター28を低速回転(5000rpm)させ、残りの110秒間はモーター28を高速回転(10000rpm)させて、高速回転状態の時間を低速回転状態の時間よりも長くするような制御を行ってもよい。この場合には、より多くの空気を取込んで泡塊の体積をより大きくできる。また逆に、低速回転状態の時間を高速回転状態の時間よりも長くするような制御を行ってもよく、この場合には、洗浄剤と水を確りとなじませて、ブラシ軸部76およびブラシ先端部77に均等に含ませて、泡をむらなく効果的に生成することができる。
(実施例6) この実施例においては、モーター28の駆動状態を実施例5の場合とは逆に設定して泡立て作業を行う。詳しくは図24に示すように、メインスイッチ26がオン操作されると、制御部50はモーター28を高速回転(10000rpm)するように設定されており、モーター28が起動してから60秒が経過するまで、その状態を維持する。そして、低速回転時間が60秒に達するとモーター28は減速されて低速回転(5000rpm)する。低速回転に移行して60秒が経過すると、モーター28を停止させて泡立モードを終了する。
(実施例7) この実施例においては図25に示すように、メインスイッチ26がオン操作されると、制御部50はモーター28を低速回転(5000rpm)するように設定されており、モーター28が起動してから60秒が経過するまで、その状態を維持する。そして、低速回転時間が60秒に達するとモーター28は一旦停止される。モーター28の停止から数秒後に、制御部50はモーター28を低速回転させ、モーター28の再起動から60秒が経過すると、モーター28を停止させて泡立モードを終了する。
上記のように、泡立て作業の途中においてモーター28を停止させると、モーター28が停止することに伴う駆動音の変化から、泡立て作業の進行状況を知ることができる。例えば、泡立て作業の途中にモーター28を1回停止させる場合には、モーター28が停止したことで泡立て作業の前段部が終了したことを報知できる。また、泡立て作業の途中にモーター28を複数回停止させる場合には、モーター28が停止した回数で泡立て作業の進行状況をより詳細に報知することができる。発光体30や発音体58などの報知部材を別途設ける必要がないので、その分だけ泡立器の構造を簡素化して低コスト化しながら、泡立て作業の進行状況をより詳細に報知できる。上記のように、モーター28の駆動音を利用して泡立て作業の進行状況を報知する場合には、モーター28が報知部材98を兼ねることになる。
(実施例8) この実施例においては図26に示すように、メインスイッチ26がオン操作されると、制御部50はモーター28が低速回転(5000rpm)するように設定されており、モーター28が起動してから60秒が経過するまで、その状態を維持する。そして、低速回転時間が60秒に達すると、制御部50はモーター28を逆回転させて、ブラシ体20を低速回転状態のままで逆転駆動する。モーター28の逆転駆動から60秒が経過すると、モーター28を停止させて泡立モードを終了する。以上のように、泡立て作業におけるモーター28の駆動状態の制御形態は、発泡要素の種類や量の違い、あるいは発泡液の違いなどに応じて種々に変更することができる。
上記のように、泡立て作業の途中にモーター28を逆転駆動すると、モーター28が逆転することに伴う駆動音の変化から、泡立て作業の進行状況を知ることができる。例えば、泡立て作業の途中にモーター28を1回だけ逆転駆動する場合には、モーター28が逆転するときの駆動音の変化から、泡立て作業の前段部が終了したことを報知できる。また、泡立て作業の途中にモーター28が正転と逆転を複数回交互に行うようにした場合には、モーター28が逆転するときの駆動音の変回数から、泡立て作業の進行状況をより詳細に報知することができる。
(実施例9) 図27は発光体30の発光形態を変更した、実施例9に係る報知部材98の制御形態を示す。そこでは、発光体30を4個のLED灯で構成し、メインスイッチ26がオン操作されてモーター28が起動するのと同時に、制御部50は第1LED灯を点灯し、以後、30秒が経過するごとに、制御部50は第2LED灯と第3LED灯と第4LED灯を順に点灯して、泡立て作業の進行状況をユーザーに報知する。また、モーター28を停止するのと同時にすべてのLED灯を消灯する。このように4個のLED灯を順に点灯すると、1個の発光体30のみで報知部材を構成する場合に比べて、より詳細で視覚的により明確な報知内容をユーザーに報知できるうえ、ユーザーは発光体30の発光状態を一瞥するだけで、報知内容を明確に認識できる。詳しくは、泡立て作業がどの程度進行しているかと、残りの時間がどのくらいあるかを大まかに知ることができる。従って、ユーザー自身の好みで泡の性状を調整したい場合に、泡立て作業を中断して好みの泡を生成することができる。
(実施例10) 図28は発音体58の発音形態を変更した、実施例10に係る報知部材98の制御形態を示す。そこでは、メインスイッチ26がオン操作されてモーター28が起動するのと同時に、制御部50は発音体58を作動させて報知音を一回だけ発生させ、以後、30秒が経過するごとに、制御部50は発音体58の作動回数を2回、3回、4回と増加して、泡立て作業の進行状況をユーザーに報知する。また、泡立て作業が終了した時点でも、発音体58を作動させて報知音を一回だけ発生させる。このように発音体58の報知音の発生回数を順に増加すると、泡立て作業がどの程度進行しているか、あるいは残りの時間がどのくらいあるかを知ることができる。また、ユーザーは泡立て作業の進行状況から、生成された泡の性状を大まかに把握できるので、泡立て作業の進行状況に応じて泡立て作業を停止することにより、好みの性状の泡を生成することができる。
(実施例11) 図29は発光体30の発光形態を変更した、実施例11に係る報知部材98の制御形態を示す。そこでは、メインスイッチ26がオン操作されてモーター28が起動するのと同時に、制御部50は発光体30を作動させて報知光を一回だけ発生させ、以後、10秒が経過するごとに制御部50が発光体30を作動させる。モーター28の起動から30秒が経過したのちは、制御部50は発光体30を7.5秒おきに作動させて、報知光の発光間隔を短くする。さらに、モーター28の起動から60秒が経過したのちは、制御部50は発光体30を6秒おきに作動させて、報知光の発光間隔をさらに短くする。最後の30秒間は、制御部50は発光体30を5秒おきに作動させて、報知光の発光回数を6回にまで増加する。このように、泡立て作業の進行状況に対応して発光体30の発光回数を増加すると、ユーザーは発光体30の発光状態を一瞥するだけで報知内容を明確に認識して、泡立て作業がどの程度進行しているか、あるいは泡立て作業が終了するまでの大まかな時間を知ることができる。
上記の実施例以外に、ブラシ束61は断面円形に形成する必要はなく、断面長円状、断面楕円状、断面多角形状などであってもよい。ブラシ支持体62における継手体64と装着構造93とは個別に設けてあってもよい。ブラシ支持具10は、泡立容器1の周囲や、ホルダー3の下周面の任意位置に設けることができる。また、必要があればスタンド5にブラシ支持具10を一体に形成することができ、例えば、ホルダー3とスタンド5との間に収納区画を設けて、そこにブラシ体20を収納保存することができる。さらに、ブラシ体20は、そのブラシ束61が下向きになる状態で保管する必要はなく、斜め、あるいは横向きにした状態で保管することができる。
上記の実施例1では、泡立モードにおいてメインスイッチ26をオン操作してブラシ体20を低速、中速、および高速で回転駆動して泡立を行い、所定時間が経過したことをタイマーで検知して泡立てモードを終了し、再度メインスイッチ26をオン操作して肌洗浄モードへ移行して起振構造を作動させるようにしたがその必要はない。例えば、メインスイッチ26のオン操作でブラシ体20を一定速度で回転駆動して泡立モードとしたのち、ユーザーが泡立ち具合を目視で確認し、十分な量の泡塊が生成されたと判断した時点で、撹拌体2をホルダー3から取外し、ブラシ体20を回転駆動した状態のままで、顔肌にブラシ束61の周面をあてがって、泡塊の塗付と肌洗浄を並行して行うことができる。その場合には、タイマーおよび起振構造を省略することができる。なお、十分な量の泡塊が生成されたと判断した時点で、ユーザーがメインスイッチ26を操作してモーター28を停止し、その状態で撹拌体2をホルダー3から取外して、泡塊を顔肌に塗付することができる。泡塊を塗付したのち、再度メインスイッチ26を操作して、モーター28または起振構造を起動させた状態で顔肌の洗浄を行うようにしてもよい。
以上のように構成した泡立器は、洗顔用の洗浄剤を泡立てる以外に、シェービング用の洗浄剤を泡立てる際や、毛染め剤を泡立てる際にも使用することができる。また、ミルクや卵白などの液状食材を泡立てる用途にも使用することができる。