JP2015208135A - 間接活線用先端工具 - Google Patents

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【課題】一人の作業者がで2本の絶縁ヤットコを持たずに、電線の接続作業を行うことが可能な間接活線用先端工具を提供する。【解決手段】間接活線用先端工具1は、間接活線用把持工具の先端に取り付け可能な一対の取付部3a,3bと、一対の取付部のそれぞれの先端部に設けられ、該取付部と一体をなして動く棒状に形成された一対の棒状部5a,5bと、一対の棒状部の両端部に取り付けられ、一方の棒状部に対して基端部が回動可能に取り付けられた第1の挟持片61aと、他方の棒状部に対して基端部が回動可能に取り付けられた第2の挟持片61bとを互いの中間部で回動可能に連結して構成された一対の挟持部6a,6bと、を有して構成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、間接活線用工具の先端に取り付ける間接活線用先端工具に関する。
従来、高圧引下線の電線の接続作業は、少なくとも2名の作業者によって行われる。具体的には、(i)先ず、一方の電線の被覆を剥いで露出した芯線を接続スリーブの一端に挿入して、その挿入部分を圧縮ペンチ等で圧縮して固定しておく。(ii)その後、他方の電線と、接続スリーブが取り付けられた一方の電線をそれぞれ絶縁ヤットコで把持して近接させ、他方の電線の端部の被覆を剥ぎ取って露出した芯線を接続スリーブの他端に挿入し、その状態を一人の作業者が保持する。(iii)そして、他の作業者が、他方の電線の芯線挿入した接続スリーブの他端近傍を圧縮ペンチで圧縮する。
ここで、上述した絶縁ヤットコは、下記する特許文献1に示されるように、たとえば、所要の長さを有する絶縁棒(主軸)と接離可能な一対のアームで構成される把持部とで構成されており、このような間接活線工具を用いることで、直接電線に触れることなく電線との離隔距離を充分に保ちつつ上記作業を行うことを可能としている(特許文献1参照)。
特開2000−102125号公報
しかしながら、上述の従来の作業では、作業者が一人で2本の絶縁ヤットコを持たなければならないため、作業者の腕に掛かる負担は大きく、左右の絶縁ヤットコのバランスが崩れると、接続スリーブから電線が抜けるおそれがある。
また、左右の絶縁ヤットコのバランスが崩れると、接続スリーブ内の電線が動くため圧縮不良となる場合がある。圧縮不良が生じた場合には、その部分を取り除いて再度電線の被覆を剥ぎ取り、スリーブ接続する必要があり、高圧引下線が短くなって接続に必要な長さを確保することができなくなると、高圧引下線の張替を伴う作業を行わなければならず、停電時間が長くなる不都合がある。
また、接続スリーブから電線が抜け電源側電線が他のものに接触すると、地絡、短絡事故となり、停電が発生する不都合が懸念される。
特に、強風時には作業者の絶縁ヤットコを保持する負担が大きくなり、左右の絶縁ヤットコのバランスが崩れることに起因する上記の問題が生じやすくなる。
また、電柱上での作業時は、作業スペースが限られているため、左右の手に1本ずつ絶縁ヤットコを持ちながら、接続スリーブから電線が抜けないように他の作業者が圧縮しやすい方向に圧縮位置を変えることは難しく、圧縮作業が難航し作業が長時間に及ぶ不都合もがある。
本発明は係る事情に鑑みてなされたものであり、一人の作業者がで2本の絶縁ヤットコを持たずに、電線の接続作業を行うことが可能な間接活線用先端工具を提供することを主たる課題としている。
上記課題を達成するために、本発明に係る間接活線用先端工具は、間接活線用把持工具の一対の把持部が取り付け可能な一対の取付部と、前記一対の取付部のそれぞれの先端部に設けられ、該取付部と一体をなして動く棒状に形成された一対の棒状部と、前記一対の棒状部の両端部に取り付けられ、一方の棒状部に対して基端部が回動可能に取り付けられた第1の挟持片と、他方の棒状部に対して基端部が回動可能に取り付けられた第2の挟持片とを互いの中間部で回動可能に連結して構成された一対の挟持部と、を具備することを特徴としている。
したがって、作業者は、絶縁ヤットコを取付部に装着して開閉操作を行うことで、一対の挟持部が連動して開閉し、この一対の挟持部で接続するそれぞれの電線を挟持することが可能となり、作業者が一人で2本の絶縁ヤットコを持たずに電線を挟持することが可能となる。
また、第1の挟持片は、二股に分かれて間に間隙が形成されると共に先端部に電線を受ける挟持形成部が形成され、第2の挟持片は、前記第1の挟持片の間隙に挿入されて先端部に電線を受ける挟持形成部が形成され、前記第1の挟持片と前記第2の挟持片とは、互いの挟持形成部を向かい合わせ、これら挟持形成部よりも基端側で回動可能に連結されているようにしてもよい。
このように、両挟持片を連結することにより、電線をより安定的に挟持することが可能となる。
第1の挟持片と第2の挟持片のそれぞれの挟持形成部は、挟持片の先端部を屈曲または湾曲させて構成されているようにしてもよい。
このように、挟持形成部を構成することで、より確実に電線を挟持することが可能となる。
第1の挟持片の挟持形成部と第2の挟持片の挟持形成部は、電線と当接する面にローレット加工が施されているようにしてもよい。
両挟持形成部の電線と当接する面にローレット加工が施されることにより、電線を挟持したときに滑り止めとしての役割を果たすことが可能となる。
以上述べたように、本発明に係る間接活線用先端工具によれば、一本の間接活線用工具で接続する2つの電線を同時に把持することができるため、作業者は、1人で2本の間接活線用把持工具を持たずに2本の電線を把持することが可能となり、作業者の労力を大幅に軽減することが可能となる。また、接続対象の2つの電線の位置のバランス(左右のバランス)をとることが不要となり、容易に接続作業を行うことができ、接続スリーブから電線が抜けることを防止することができるため、作業の安全性を確保することができる。
このように、2つの間接活線用把持工具を用いずに作業をすることが可能となるため、作業者の肉体的負担が軽減されることに加え、熟練の作業者でなくても作業が可能となり、作業効率を向上させることが可能となる。
また、他の作業者が圧縮しやすい方向に圧縮位置を変えることが容易にできるため、圧縮作業の作業時間の短縮、すなわち、停電時間を短縮することが可能となる。
図1は、本発明の間接活線用先端工具の全体を示す斜視図である。 図2は、本発明の間接活線用先端工具を用いて電線を把持する場合を示した斜視図である。 図3は、先端固定手段の拡大断面図である。 図4は、絶縁ヤットコの斜視図である。 図5は、本発明の間接活線用先端工具を用いて電線を接続する概要を示す概念図である。
以下、本発明に係る間接活線用先端工具について図面を参照しながら説明する。
図1及び2において、間接活線用先端工具1は、間接活線用把持工具2(以下、絶縁ヤットコ)の先端部の把持片21a,21bに取り付け可能な一対の取付部3a,3bと、一対の取付部3a,3bのそれぞれの先端部に設けられ、該取付部3a,3bと一体をなして動く棒状に形成された一対の棒状部5a,5bと、一対の棒状部5a,5bの両端部に取り付けられ、接続する電線4a,4bを挟持する一対の挟持部6a,6bと、を有して構成されている。
取付部3a,3bは、棒状部5a,5bの略中心から下方に向かって形成されたもので、間接活線工具の先端部を挿入可能に構成された先端挿入部31a,31bと、先端挿入部31a,31bに挿入された絶縁ヤットコ2の先端部の把持片21a,21bを固定する先端固定手段32a,32bとを備えている。
先端挿入部31a,31bは、絶縁ヤットコ2の先端部の把持片21a,21bを挿入可能に構成された挿入空間34を有し、挿入空間34内に先端固定手段32a,32bの一部が出退可能に構成されている。
先端固定手段32a,32bは、図3及び4に示すように、絶縁ヤットコ2の先端部の把持片21a,21bに形成された凹部23と係合する係合部33を備え、係合部33が先端挿入部31a,31bの挿入空間34内に出退可能に構成されている。
具体的には、先端固定手段32a,32bの基部には、その上面に中空のボス35が溶接によって固定されており、このボス35には係合部33がスライド自在に支持されている。
ボス35の頭部には挿通孔36が形成され、この挿通孔36の真下に位置する基部にも挿通孔36が形成されている。
係合部33は、ボス35の内部において外周面から外方に向かって突出するストッパ37を備えている。そして、ボス35の頭部内面とストッパ37との間には、コイルスプリング38が状態で配置されている。
したがって、係合部33は、コイルスプリング38の伸び力によって、ボス35の頭部に頭頂部33aが当接するまで、基部の挿入空間34へ突出する方向に付勢されている。
そして、頭頂部33aを摘んで引っ張ることで、係合部33の先端を凹部23から退避させることができる。
棒状部5a,5bは、取付部3a,3bの先端を中心として電線4a,4bの配線方向に略直方体状に形成されたもので、一端側(電線4a側の端部)に一方の挟持部6aが設けられ、他端側(電線4b側の端部)に他方の挟持部6bが設けられている。
また、棒状部5a,5bの全長は、一対の挟持部6a,6bが接続するそれぞれの電線4a,4bの被覆41a,41bが覆われている部分を挟持可能に形成されている。すなわち、棒状部5a,5bは、両電線4a,4bの被覆が剥された部分42a,42bよりも長く形成され、たとえば、接続スリーブ7の長さが5cm程度のものを用いた場合には、棒状部5a,5bの全長は10cm(接続スリーブ7の長さの2倍)以上にするとよい。
挟持部6a,6bは、一方の棒状部5aに対して基端部が回動可能に取り付けられた(絶縁ヤットコ2の固定側把持片21a側に取り付けられた)第1の挟持片61aと、他方の棒状部5bに対して基端部が回動可能に取り付けられた(絶縁ヤットコ2の可動側把持片21b側に取り付けられた)第2の挟持片61bとを互いの中間部で回動可能に連結して構成されている。
具体的には、第1の挟持片61aと第2の挟持片61bとは、互いの挟持片61a,61bの先端に形成された後述する挟持形成部62a、62bを向かい合わせ、これらの挟持形成部62a,62bよりも基端側で回動可能に連結されている。
第1の挟持片61aの先端には、二股に分かれて間に間隙63が形成されると共に、挟持方向の内側に屈曲して形成された固定側挟持形成部62aが設けられている。
第2の挟持片61bの先端は、一本の円弧状に湾曲して形成された可動側挟持形成部62bが設けられており、その幅Hは、間隙63の幅Mよりも狭く形成されている。
なお、両挟持形成部62a,62bは、その電線4a,4bと当接する面には、電線4a,4bを挟持したときに滑り止めとしての役割を果たす凹凸62c,62dが形成され(ローレット加工が施され)ている。
また、第2の挟持片61bは、第1の挟持片61aの間隙63に挿通され、両挟持片61a,61bが交差する位置を軸とし、可動側挟持形成部62bが回動して互いの挟持片61a,61bが離接可能に固定されている。
両挟持片61a,61bは、両挟持形成部62a,62bの基端と棒状部5a,5bの上面との間Lが、両挟持形成部の全長Sと略同等かそれ以上に長く形成されている。したがって、電線4a,4bと棒状部5a,5bの上面との間に、圧縮工具を挿通可能な作業空間Kが形成される。
ここで、上記の例のように、棒状部5a,5bの全長を10cm程度にしたときに、両挟持形成部62a,62bの基端から棒状部5a,5bの上面との間の長さLは、15cm(棒状部5a,5bの全長の1.5倍)程度にするとよい。
以上で説明した絶縁ヤットコ2を用いて、接続する電線4a,4bを接続する方法について説明する。
まず、図中(1)に示すように、接続する負荷側の電線4bの芯線を接続スリーブ7に挿入し、圧縮ペンチで圧縮する。次いで、図中(2)に示すように、電源側の電線4aの芯線と、接続スリーブ7が取り付けられた電線4bを絶縁ヤットコ2で把持して近接させ、電線4aを接続スリーブ7の他方に挿入する。
そして、図中(3)に示すように、この接続スリーブ7に電線4aが挿入された状態を維持しつつ、絶縁ヤットコ2の先端部の把持片21a,21bに間接活線用先端工具1を取り付け、両電線4a,4bの被覆41a,41bの部分を挟持が可能な位置に挟持部6a,6bの位置を合わせ、絶縁ヤットコ2を閉じる(先端が近接する)ように操作部22を操作して電線4a,4bを挟持する。
さらに、図中(5)に示すように、他の作業者が電線4aを圧縮ペンチ8で圧縮して、両電線4a,4bを接続する。
なお、本実施例においては、第1の挟持片61aの固定側挟持形成部62aの形状を二股状とし、第2の挟持片61bの可動側挟持形成部62bの形状を一本の円弧状として実施したが、これには限定されず、たとえば、両挟持形成部62a,62bを一本の円弧状に形成して実施してもよい。
以上述べたように、本発明に係る間接活線用先端工具1によれば、一本の絶縁ヤットコ2で接続する2つの電線4a,4bを同時に把持することができるため、接続対象の2つの電線4a,4bの位置のバランス(左右のバランス)をとることが不要となり、容易に接続作業を行うことができる。したがって、接続スリーブ7から電線4a,4bが抜けることを防止することができるため、作業の安全性を確保することができる。
このように、2つの絶縁ヤットコ2を用いずに作業をすることが可能となるため、作業者の肉体的負担が軽減されることに加え、熟練の作業者でなくても作業が可能となり、作業効率を向上させることが可能となる。
また、他の作業者が圧縮しやすい方向に圧縮位置を変えることが容易にできるため、圧縮作業の作業時間の短縮、すなわち、停電時間を短縮することが可能となる。
1 間接活線用先端工具
2 間接活線用把持工具
3a,3b 取付部
4a 電線(負荷側)
4b 電線(電源側)
5a,5b 棒状部
6a,6b 挟持部
61a,61b 挟持片
62a,62b 挟持形成部

Claims (4)

  1. 間接活線用把持工具の一対の把持部が取り付け可能な一対の取付部と、
    前記一対の取付部のそれぞれの先端部に設けられ、該取付部と一体をなして動く棒状に形成された一対の棒状部と、
    前記一対の棒状部の両端部に取り付けられ、一方の棒状部に対して基端部が回動可能に取り付けられた第1の挟持片と、他方の棒状部に対して基端部が回動可能に取り付けられた第2の挟持片とを互いの中間部で回動可能に連結して構成された一対の挟持部と、
    を具備することを特徴とする間接活線用先端工具。
  2. 前記第1の挟持片は、二股に分かれて間に間隙が形成されると共に先端部に電線を受ける挟持形成部が形成され、前記第2の挟持片は、前記第1の挟持片の間隙に挿入されて先端部に電線を受ける挟持形成部が形成され、前記第1の挟持片と前記第2の挟持片とは、互いの挟持形成部を向かい合わせ、これら挟持形成部よりも基端側で回動可能に連結されていることを特徴とする請求項1記載の間接活線用先端工具。
  3. 前記第1の挟持片と前記第2の挟持片のそれぞれの挟持形成部は、挟持片の先端部を屈曲または湾曲させて構成されていることを特徴とする請求項2に記載の間接活線用先端工具。
  4. 前記第1の挟持片の挟持形成部と前記第2の挟持片の挟持形成部は、電線と当接する面にローレット加工が施されていることを特徴とする請求項2又は3記載の間接活線用先端工具。
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