JP2015207609A - チップ抵抗器及びチップ抵抗器の製造方法 - Google Patents

チップ抵抗器及びチップ抵抗器の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2015207609A
JP2015207609A JP2014085927A JP2014085927A JP2015207609A JP 2015207609 A JP2015207609 A JP 2015207609A JP 2014085927 A JP2014085927 A JP 2014085927A JP 2014085927 A JP2014085927 A JP 2014085927A JP 2015207609 A JP2015207609 A JP 2015207609A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
surface electrode
resin film
chip resistor
insulating substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014085927A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6159286B2 (ja
Inventor
美香 鈴木
Mika Suzuki
美香 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taiyosha Electric Co Ltd
Original Assignee
Taiyosha Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taiyosha Electric Co Ltd filed Critical Taiyosha Electric Co Ltd
Priority to JP2014085927A priority Critical patent/JP6159286B2/ja
Publication of JP2015207609A publication Critical patent/JP2015207609A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6159286B2 publication Critical patent/JP6159286B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Non-Adjustable Resistors (AREA)
  • Details Of Resistors (AREA)
  • Apparatuses And Processes For Manufacturing Resistors (AREA)

Abstract

【課題】絶縁基板の下面側に熱応力を緩和するために樹脂による熱応力緩和層を設けたチップ抵抗器において、一次分割した際に該熱応力緩和層のバリの発生を防止することができるチップ抵抗器を提供する。
【解決手段】チップ抵抗器Aは、絶縁基板10の下面に設けられ、銀系厚膜により形成された下面電極40と、下面電極40の下面に形成され、樹脂系厚膜により形成された樹脂膜42と、下面電極40の下面から樹脂膜42の下面に形成され、樹脂銀系厚膜により形成された下面電極44とを有し、樹脂膜42と下面電極44とは、絶縁基板10の電極間方向の端部と間隔を介して形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、チップ抵抗器に関するものである。
従来より、図10に示すチップ抵抗器が存在する。図10に示すチップ抵抗器Qは、絶縁基板310と、抵抗体320と、上面電極330と、下面電極340と、側面電極350と、メッキ360と、カバーコート370と、保護膜380とを有しており、メッキ360は、内側層のニッケルメッキ362と、外側層の錫メッキ364の2層により形成されている。なお、側面電極350は、通常、銀系メタルグレーズ厚膜により形成されている。
このようなチップ抵抗器Qは、図11に示すように、配線基板200の表面に形成されたランド202にハンダフィレット210を介して実装される。つまり、チップ抵抗器Qの下面電極340側をランド202に載置し、ハンダフィレット210を介してランド202とメッキ360が接続される。
図10に示すチップ抵抗器においては、チップ抵抗器Qを図11に示すように、ハンダフィレット210を介して配線基板200のランド202に実装した場合に、チップ抵抗器周辺の温度環境が変化することにより、ハンダフィレット210とチップ抵抗器Qとの接合部分に熱応力が発生し、該接合部にクラックが生じる可能性がある。また、チップ抵抗器Qへの通電が繰り返されることによっても、該接合部分に熱応力が発生する。クラックとしては、例えば、図11に示すように下面電極340の下方位置でクラックKが発生する。該接合部にクラックが発生すると、チップ抵抗器Qとハンダフィレット210の接合が十分でなくなり、チップ抵抗器の本体の特性を得られなくなる可能性がある。
上記の熱応力に対応するチップ抵抗器として、出願人は、特許文献1の実施例4において、絶縁基板10の下面の全面に樹脂による絶縁膜12を設け、該絶縁膜12の下面に下面電極40を設けることにより熱応力を緩和したチップ抵抗器を提案している。また、出願人は、特許文献1の明細書における段落[0140]において、絶縁膜を下面電極の領域のみに形成してもよい旨を開示している。つまり、熱応力緩和層としての絶縁膜を設けることにより、熱応力を緩和している。
また、特許文献2の実施例2及び実施例3においては、アルミナ基板の裏面の全面に裏面樹脂層109(209)を設けたチップ状電子部品が開示され、裏面樹脂層109(209)を設けることにより電子部品のたわみ強度を確保している。つまり、熱応力緩和層としての裏面樹脂層を設けることにより、熱応力を緩和している。
特開2011−165752号公報 特開平8−255701号公報
しかし、上記特許文献1に示すチップ抵抗器においては、アルミナ基板(複数のチップ抵抗器の絶縁基板の大きさを少なくとも有する大判のものであり、平板状のグリーンシートを予め焼成したもの)の裏面の全面に絶縁膜を形成した後に下面電極を形成し、その後、一次スリットに沿って分割するので、絶縁膜を分割した際のバリが発生するという問題がある。このバリによって側面電極を正確に形成することができず、側面電極と下面電極の電気的接続を阻害する要因となっていた。また、該バリによって、チップ抵抗器の側面に突起が形成されてしまう。
上記特許文献2のチップ状電子部品の場合にも、アルミナ基板の裏面の全面に裏面樹脂層を形成するので、実際の製造に際しては、複数のチップ抵抗器の絶縁基板の大きさを有するアルミナ基板の裏面の全面に樹脂層を形成した後に一次分割することになるので、樹脂層によるバリが発生する。
また、特許文献1の明細書における段落[0140]に記載されているように、絶縁膜を下面電極の領域のみに形成する場合でも、実際には、複数のチップ抵抗器の絶縁基板の大きさを有するアルミナ基板に対して、隣接するチップ抵抗器の絶縁膜とともに帯状に形成することになるので、一次分割した際に絶縁膜によるバリが発生する。
そこで、絶縁基板の下面側に熱応力を緩和するために樹脂による熱応力緩和層を設けたチップ抵抗器において、一次分割した際に該熱応力緩和層のバリの発生を防止することができるチップ抵抗器を提供することを目的とするものである。
本発明は上記問題点を解決するために創作されたものであって、第1には、絶縁基板と、該絶縁基板に設けられた抵抗体と、絶縁基板に設けられ抵抗体と接続した一対の電極部とを有するチップ抵抗器であって、一対の電極部における各電極部が、抵抗体と接続し、絶縁基板の上面に設けられた上面電極と、絶縁基板の下面に設けられ、銀系厚膜により形成された第1下面電極と、第1下面電極の下面に形成され、樹脂系厚膜により形成された樹脂膜と、第1下面電極の下面から樹脂膜の下面に形成され、樹脂銀系厚膜により形成された第2下面電極と、を有し、一対の電極部における一方の電極部で、絶縁基板の電極間方向の一方である第1方向の端部側に設けられた電極部において、樹脂膜における第1方向の端部が、絶縁基板の第1方向の端部と電極間方向に間隔を介して形成され、第2下面電極における第1方向の端部が、絶縁基板の第1方向の端部と電極間方向に間隔を介して形成され、一対の電極部における他方の電極部で、絶縁基板の電極間方向の他方である第2方向の端部側に設けられた電極部において、樹脂膜における第2方向の端部が、絶縁基板の第2方向の端部と電極間方向に間隔を介して形成され、第2下面電極における第2方向の端部が、絶縁基板の第2方向の端部と電極間方向に間隔を介して形成されていることを特徴とする。
第1の構成のチップ抵抗器においては、樹脂膜と第2下面電極は絶縁基板の端部とは間隔を介して形成されているので、チップ抵抗器の製造に際して、樹脂膜や第2下面電極にバリが形成されない。
また、樹脂膜が設けられていて、チップ抵抗器の配線基板への実装状態において、樹脂膜が絶縁基板とハンダフィレット間に配置され、さらに、第2下面電極が絶縁基板とハンダフィレット間に配置され、第2下面電極には樹脂が含まれていることにより柔軟性があるので、樹脂膜と第2下面電極によって熱応力を緩和することができる。
また、第2には、上記第1の構成において、上記一方の電極部において、樹脂膜における第2方向の端部が絶縁基板の下面に接して形成されることにより、第1下面電極の第2方向の端部が樹脂膜により被覆して形成され、第2下面電極の第2方向の端部が樹脂膜の下面に位置することにより、樹脂膜の第2方向の端部が外部に露出して形成され、上記他方の電極部において、樹脂膜における第1方向の端部が絶縁基板の下面に接して形成されることにより、第1下面電極の第1方向の端部が樹脂膜により被覆して形成され、第2下面電極の第1方向の端部が樹脂膜の下面に位置することにより、樹脂膜の第1方向の端部が外部に露出して形成されていることを特徴とすることを特徴とする。
よって、樹脂膜の内側の端部は第2下面電極に被覆されておらず、これにより、電極部の表面にメッキを形成した場合でも、樹脂膜の内側の端部にはメッキが形成されずに、樹脂膜の内側の端部は外部に露出しているので、樹脂膜は熱変化により伸縮しやすい構造となっていて、その点でも熱応力を緩和することができる。
また、樹脂膜の内側の端部は絶縁基板に接して形成され、第1下面電極は樹脂膜に被覆されて露出していないので、第1下面電極において、内側の端部のみにメッキが形成されてしまって、メッキ領域が不連続となることがない。
また、第3には、上記第1の構成において、上記一方の電極部において、樹脂膜における第2方向の端部が絶縁基板の下面に接して形成されることにより、第1下面電極の第2方向の端部が樹脂膜により被覆して形成され、第2下面電極の第2方向の端部が絶縁基板の下面に接して形成されることにより、樹脂膜が第2下面電極により被覆して形成され、上記他方の電極部において、樹脂膜における第1方向の端部が絶縁基板の下面に接して形成されることにより、第1下面電極の第1方向の端部が樹脂膜により被覆して形成され、第2下面電極の第1方向の端部が絶縁基板の下面に接して形成されることにより、樹脂膜が第2下面電極により被覆して形成されていることを特徴とすることを特徴とする。
よって、樹脂膜の内側の端部は絶縁基板に接して形成され、第1下面電極は樹脂膜に被覆されて露出していないので、第1下面電極において、内側の端部のみにメッキが形成されてしまって、メッキ領域が不連続となることがない。
また、第4には、上記第1の構成において、上記一方の電極部において、樹脂膜における第2方向の端部が第1下面電極の下面に位置して形成され、第2下面電極の第2方向の端部が絶縁基板の下面に接して形成されることにより、樹脂膜が第2下面電極により被覆されるとともに、第1下面電極の第2方向の端部が第2下面電極により被覆して形成され、上記他方の電極部において、樹脂膜における第1方向の端部が第1下面電極の下面に位置して形成され、第2下面電極の第1方向の端部が絶縁基板の下面に接して形成されることにより、樹脂膜が第2下面電極により被覆されるとともに、第1下面電極の第1方向の端部が第2下面電極により被覆して形成されていることを特徴とする。
よって、樹脂膜の内側の端部は絶縁基板に接して形成され、第1下面電極は樹脂膜に被覆されて露出していないので、第1下面電極において、内側の端部のみにメッキが形成されてしまって、メッキ領域が不連続となることがない。
また、第5には、絶縁基板と、該絶縁基板に設けられた抵抗体と、絶縁基板に設けられ抵抗体と接続した一対の電極部とを有するチップ抵抗器であって、一対の電極部における各電極部が、抵抗体と接続し、絶縁基板の上面に設けられた上面電極と、絶縁基板の下面に設けられ、銀系厚膜により形成された第1下面電極と、第1下面電極の下面に形成され、樹脂銀系厚膜により形成された第2下面電極と、を有し、一対の電極部における一方の電極部で、絶縁基板の電極間方向の一方である第1方向の端部側に設けられた電極部において、第2下面電極における第1方向の端部が、絶縁基板の第1方向の端部と電極間方向に間隔を介して形成され、一対の電極部における他方の電極部で、絶縁基板の電極間方向の他方である第2方向の端部側に設けられた電極部において、第2下面電極における第2方向の端部が、絶縁基板の第2方向の端部と電極間方向に間隔を介して形成されていることを特徴とする。
第5の構成のチップ抵抗器においては、第2下面電極は絶縁基板の端部とは間隔を介して形成されているので、チップ抵抗器の製造に際して、第2下面電極にバリが形成されない。
また、樹脂銀厚膜により形成された第2下面電極が設けられていて、チップ抵抗器の配線基板への実装状態において、第2下面電極が絶縁基板とハンダフィレット間に配置されるので、この第2下面電極によって熱応力を緩和することができる。
なお、上記第5の構成において、上記一方の電極部において、第2下面電極における第2方向の端部が絶縁基板の下面に接して形成されることにより、第1下面電極の第2方向の端部が第2下面電極により被覆して形成され、上記他方の電極部において、第2下面電極における第1方向の端部が絶縁基板の下面に接して形成されることにより、第1下面電極の第1方向の端部が第2下面電極により被覆して形成されていることを特徴とするものとしてもよい。
また、上記第5の構成において、上記一方の電極部において、第2下面電極における第2方向の端部が第1下面電極の下面に位置して形成され、上記他方の電極部において、第2下面電極における第1方向の端部が第1下面電極の下面に位置して形成されていることを特徴とするものとしてもよい。
また、第6には、上記第1から第5までのいずれかの構成において、上面電極の上面及び第1下面電極の下面に接続し、絶縁基板の側面に設けられた側面電極を有することを特徴とする。
また、第7には、チップ抵抗器の製造方法であって、チップ抵抗器における絶縁基板の素体となる基板素体で、該絶縁基板の複数個分の大きさを少なくとも有する基板素体の下面に第1下面電極を形成する第1下面電極形成工程であって、チップ抵抗器の電極間方向に隣接する2つの領域を有するとともに、電極間方向と直角の方向である電極間直角方向にチップ抵抗器複数個分の領域を有する第1下面電極形成領域に銀系ペーストを印刷し、印刷した銀系ペーストを乾燥・焼成することにより第1下面電極を形成する第1下面電極形成工程と、基板素体の上面に、抵抗体と上面電極と保護膜の各形成部材を形成する形成部材形成工程と、第1下面電極に積層して、電極間直角方向にチップ抵抗器複数個分の領域を有する樹脂膜形成領域に樹脂ペーストを印刷し、印刷した樹脂ペーストを乾燥・硬化させることにより樹脂膜を形成する樹脂膜形成工程であって、基板素体においてチップ抵抗器となるそれぞれの領域である個別チップ抵抗器領域における電極間方向の一方である第1方向の端部側においては、樹脂膜形成領域における第1方向の端部が、第1方向に隣接する個別チップ抵抗器領域との間の境界位置と電極間方向に間隔を介して樹脂膜を形成し、個別チップ抵抗器領域における電極間方向の他方である第2方向の端部側においては、樹脂膜形成領域における第2方向の端部が、第2方向に隣接する個別チップ抵抗器領域との間の境界位置と電極間方向に間隔を介して樹脂膜を形成する樹脂膜形成工程と、第1下面電極及び樹脂膜に積層して、電極間直角方向にチップ抵抗器複数個分の領域を有する第2下面電極形成領域に樹脂銀系ペーストを印刷して、印刷した樹脂銀系ペーストを乾燥・硬化させることにより第2下面電極を形成する第2下面電極形成工程であって、個別チップ抵抗器領域における電極間方向の一方である第1方向の端部側においては、第2下面電極形成領域における第1方向の端部が、第1方向に隣接する個別チップ抵抗器領域との間の境界位置と電極間方向に間隔を介して第2下面電極を形成し、個別チップ抵抗器領域における電極間方向の他方である第2方向の端部側においては、第2下面電極形成領域における第2方向の端部が、第2方向に隣接する個別チップ抵抗器領域との間の境界位置と電極間方向に間隔を介して第2下面電極を形成する第2下面電極形成工程と、第1方向に隣接する個別チップ抵抗器領域間の境界位置を介して基板素体を分割して短冊状基板を形成する一次分割工程と、を有することを特徴とする。
第7の構成のチップ抵抗器の製造方法においては、樹脂膜形成工程と第2下面電極形成工程において、樹脂膜や第2下面電極が、第1方向に隣接する個別チップ抵抗器領域間の境界位置と電極間方向に間隔を介して形成されるので、一次分割工程において、樹脂膜や第2下面電極にバリが形成されない。
また、製造されたチップ抵抗器においては、樹脂膜が設けられていて、チップ抵抗器の配線基板への実装状態において、樹脂膜が絶縁基板とハンダフィレット間に配置され、さらに、第2下面電極が絶縁基板とハンダフィレット間に配置され、第2下面電極には樹脂が含まれていることにより柔軟性があるので、樹脂膜と第2下面電極によって熱応力を緩和することができる。
なお、上記第7の構成において、形成部材形成工程を「第1下面電極形成工程の後に行なう形成部材形成工程であって、基板素体の上面に、抵抗体と上面電極と保護膜の各形成部材を形成する形成部材形成工程」としてもよい。
また、上記第7の構成において、樹脂膜形成工程において、個別チップ抵抗器領域における第1方向の端部側においては、樹脂膜における第2方向の端部が絶縁基板の下面に接して形成されることにより、第1下面電極の第2方向の端部が樹脂膜により被覆して形成され、個別チップ抵抗器領域における第2方向の端部側においては、樹脂膜における第1方向の端部が絶縁基板の下面に接して形成されることにより、第1下面電極の第1方向の端部が樹脂膜により被覆して形成されることを特徴とするものとしてもよい。
また、上記第7の構成において、第2下面電極形成工程において、個別チップ抵抗器領域における第1方向の端部側においては、樹脂膜の第2方向の端部が外部に露出するように、第2下面電極の第2方向の端部が樹脂膜の下面に位置するように第2下面電極を形成し、個別チップ抵抗器領域における第2方向の端部側においては、樹脂膜の第1方向の端部が外部に露出するように、第2下面電極の第1方向の端部が樹脂膜の下面に位置するように第2下面電極を形成することを特徴とするものとしてもよい。
また、第8には、チップ抵抗器の製造方法であって、チップ抵抗器における絶縁基板の素体となる基板素体で、該絶縁基板の複数個分の大きさを少なくとも有する基板素体の下面に第1下面電極を形成する第1下面電極形成工程であって、チップ抵抗器の電極間方向に隣接する2つの領域を有するとともに、電極間方向と直角の方向である電極間直角方向にチップ抵抗器複数個分の領域を有する第1下面電極形成領域に銀系ペーストを印刷し、印刷した銀系ペーストを乾燥・焼成することにより第1下面電極を形成する第1下面電極形成工程と、基板素体の上面に、抵抗体と上面電極と保護膜の各形成部材を形成する形成部材形成工程と、第1下面電極に積層して、電極間直角方向にチップ抵抗器複数個分の領域を有する第2下面電極形成領域に樹脂銀系ペーストを印刷して、印刷した樹脂銀系ペーストを乾燥・硬化させることにより第2下面電極を形成する第2下面電極形成工程であって、基板素体においてチップ抵抗器となるそれぞれの領域である個別チップ抵抗器領域における電極間方向の一方である第1方向の端部側においては、第2下面電極形成領域における第1方向の端部が、第1方向に隣接する個別チップ抵抗器領域との間の境界位置と電極間方向に間隔を介して第2下面電極を形成し、個別チップ抵抗器領域における電極間方向の他方である第2方向の端部側においては、第2下面電極形成領域における第2方向の端部が、第2方向に隣接する個別チップ抵抗器領域との間の境界位置と電極間方向に間隔を介して第2下面電極を形成する第2下面電極形成工程と、第1方向に隣接する個別チップ抵抗器領域間の境界位置を介して基板素体を分割して短冊状基板を形成する一次分割工程と、を有することを特徴とする。
第8の構成のチップ抵抗器の製造方法においては、第2下面電極形成工程において、第2下面電極が、第1方向に隣接する個別チップ抵抗器領域間の境界位置と電極間方向に間隔を介して形成されるので、一次分割工程において、第2下面電極にバリが形成されない。
また、製造されたチップ抵抗器においては、樹脂銀厚膜により形成された第2下面電極が設けられていて、チップ抵抗器の配線基板への実装状態において、第2下面電極が絶縁基板とハンダフィレット間に配置されるので、この第2下面電極によって熱応力を緩和することができる。
なお、上記第8の構成において、形成部材形成工程を「第1下面電極形成工程の後に行なう形成部材形成工程であって、基板素体の上面に、抵抗体と上面電極と保護膜の各形成部材を形成する形成部材形成工程」としてもよい。
なお、上記第7又は第8の構成において、短冊状基板に対して樹脂銀系ペーストを印刷・乾燥・硬化させることにより、上面電極の上面及び第1下面電極の下面に接続し、絶縁基板の側面に設けられた側面電極を断面略コ字状に形成する側面電極形成工程と、短冊状基板を電極間方向の境界位置に沿って分割してチップ状基板を形成する二次分割工程と、側面電極と上面電極と第1下面電極と第2下面電極における外部に露出した領域にメッキを形成するメッキ形成工程と、を有することを特徴とするものとしてもよい。
本発明に基づく請求項1〜4に記載のチップ抵抗器によれば、樹脂膜と第2下面電極は絶縁基板の端部とは間隔を介して形成されているので、チップ抵抗器の製造に際して、樹脂膜や第2下面電極にバリが形成されない。
また、請求項5に記載のチップ抵抗器によれば、第2下面電極は絶縁基板の端部とは間隔を介して形成されているので、チップ抵抗器の製造に際して、第2下面電極にバリが形成されない。
また、請求項7に記載のチップ抵抗器の製造方法によれば、樹脂膜形成工程と第2下面電極形成工程において、樹脂膜や第2下面電極が、第1方向に隣接する個別チップ抵抗器領域間の境界位置と電極間方向に間隔を介して形成されるので、一次分割工程において、樹脂膜や第2下面電極にバリが形成されない。
また、請求項8に記載のチップ抵抗器の製造方法によれば、第2下面電極形成工程において、第2下面電極が、第1方向に隣接する個別チップ抵抗器領域間の境界位置と電極間方向に間隔を介して形成されるので、一次分割工程において、第2下面電極にバリが形成されない。
実施例1のチップ抵抗器の断面図であり、図2におけるP−P断面図である。 実施例1のチップ抵抗器の平面図である。 実施例1のチップ抵抗器の底面図である。 実施例1のチップ抵抗器の製造工程を示すフローチャートである。 実施例1のチップ抵抗器の製造工程を示す説明図である。 実施例1のチップ抵抗器の製造工程を示す説明図である。 実施例1のチップ抵抗器を配線基板に実装した状態を示す断面図である。 実施例2のチップ抵抗器の要部断面図である。 実施例3のチップ抵抗器の要部断面図である。 従来におけるチップ抵抗器の構成を示す断面図である 従来におけるチップ抵抗器を配線基板に実装した状態を示す断面図である。
本発明においては、絶縁基板の下面側に熱応力を緩和するために樹脂による熱応力緩和層を設けたチップ抵抗器において、一次分割した際に該熱応力緩和層のバリの発生を防止することができるチップ抵抗器を提供するという目的を以下のようにして実現した。
本発明に基づくチップ抵抗器Aは、図1〜図3に示すように構成され、絶縁基板(基板)10と、抵抗体20と、一対の電極部30と、カバーコート(一次コート)70と、保護膜(二次コート)80と、を有している。
ここで、絶縁基板10は、含有率96%程度のアルミナにて形成された絶縁体である。この絶縁基板10は、直方体形状を呈しており、平面視すると、略長方形形状を呈している。この絶縁基板10は、上記チップ抵抗器Aの基礎部材、すなわち、基体として用いられている。なお、絶縁基板10の大きさは、平面視において、長辺が1.0mm〜7.0mm、短辺が0.5mm〜3.5mmとなっていて、具体的には、長辺が1.6mmで短辺が0.8mm、長辺が3.2mmで短辺が1.6mm、長辺が5.0mmで短辺が2.5mm、長辺が2.0mmで短辺が1.25mmの場合が挙げられる。
また、抵抗体20は、図1に示すように、絶縁基板10の上面に層状に設けられ、長手方向(X1−X2方向)(電極間方向(抵抗体20における一対の上面電極32との接続位置を結ぶ方向、他においても同じ)、通電方向としてもよい))に帯状に形成されていて、平面視において略長方形状に形成されている。この抵抗体20の電極間方向の端部は絶縁基板10の端部までは形成されておらず、抵抗体20の電極間方向の端部と絶縁基板10の電極間方向の端部との間には所定の間隔が形成されている。また、抵抗体20の幅方向(Y1−Y2方向)の端部は絶縁基板10の端部までは形成されておらず、抵抗体20の幅方向の端部と絶縁基板10の幅方向の端部との間には所定の間隔が形成されている。この抵抗体20は、図1に示すように、全体に方形状(具体的には、長方形状)を呈し、酸化ルテニウム系メタルグレーズ厚膜により形成されている。
また、電極部30は、絶縁基板10における電極間方向の端部にそれぞれ設けられ、上面電極32と、下面電極(第1下面電極)40と、樹脂膜42と、下面電極(第2下面電極)44と、側面電極50と、メッキ60とを有している。
上面電極32は、絶縁基板10の上面の長手方向(X1−X2方向(図1参照))の両端部領域に層状に一対形成されていて、平面視において略方形状を呈している。つまり、一方の上面電極32は、絶縁基板10の上面のX1側の端部から所定の長さに形成されているとともに、他方の上面電極32は、絶縁基板10の上面のX2側の端部から所定長さに形成されている。また、上面電極32の幅方向の幅は、抵抗体20の幅方向の幅よりも大きく、絶縁基板10の幅方向の幅よりも小さく形成され、上面電極32と絶縁基板10の端部には隙間が形成されているが、絶縁基板10の幅方向の幅と略同一に形成してもよい。この上面電極32は、具体的には、銀系厚膜(銀系メタルグレーズ厚膜)により形成されている。
また、上面電極32の抵抗体20側の端部領域は、抵抗体20の端部領域の上面に積層して形成されている。つまり、上面電極32における外側の領域(絶縁基板10の端部(電極間方向の端部)側の領域)は、絶縁基板10の上面に形成されているが、内側の領域は、抵抗体20の上面に積層して形成されている。なお、抵抗体20の端部領域が上面電極32の端部領域の上面に積層した構成としてもよい。
また、下面電極40は、図1に示すように、上記絶縁基板10の下面の長手方向の両端部領域に層状に一対形成されていて、底面視において略方形状を呈している。つまり、一方の下面電極40は、絶縁基板10の下面のX1側の端部から所定の長さに形成されているとともに、他方の下面電極40は、絶縁基板10の上面のX2側の端部から所定長さに形成されている。この下面電極40の長さ(電極間方向の長さ)は、上面電極32の長さと略同一であるが、下面電極40の長さは任意としてもよい。また、下面電極40の幅方向(Y1−Y2方向)の長さは、絶縁基板10の幅方向の長さと略同一に形成されている。つまり、下面電極40は、絶縁基板10の幅方向の一方の端部から他方の端部にまで形成されている。この下面電極40は、銀系厚膜(銀系メタルグレーズ厚膜)により形成されている。
また、樹脂膜42は、下面電極40の下面から絶縁基板10の下面にかけて積層して形成され(つまり、下面電極40の下面と絶縁基板10の下面に形成されている)、樹脂膜42の外側(電極間方向における外側)の端部は下面電極40の下面に位置し、樹脂膜42の外側の端部と絶縁基板10の端部とは間隔が形成され、樹脂膜42の内側の端部は、絶縁基板10の下面に位置している。すなわち、X1側の樹脂膜42においては、樹脂膜42の外側の端部は、X1側の下面電極40の下面に位置し、樹脂膜42の外側の端部と絶縁基板10のX1側の端部間には、間隔a1が形成され(つまり、樹脂膜42のX1側(第1方向)の端部が、絶縁基板10のX1側の端部と間隔を介して形成されている)、樹脂膜42の内側の端部は、絶縁基板10の下面に接している。また、X2側の樹脂膜42においては、樹脂膜42の外側の端部は、X2側の下面電極40の下面に位置し、樹脂膜42の外側の端部と絶縁基板10のX2側の端部間には、間隔a2が形成され(つまり、樹脂膜42のX2側(第2方向)の端部が、絶縁基板10のX2側の端部と間隔を介して形成されている)、樹脂膜42の内側の端部は、絶縁基板10の下面に接している。
また、樹脂膜42の幅方向(Y1−Y2方向)の長さは、絶縁基板10の幅方向の長さと略同一に形成されている。つまり、樹脂膜42は、絶縁基板10の幅方向の一方の端部から他方の端部にまで形成されている。これにより、下面電極40の内側の端部は、樹脂膜42に被覆されて露出しない構成となっている。
また、樹脂膜42は、熱硬化型の樹脂系厚膜(例えば、エポキシ樹脂系厚膜)により形成されている。なお、樹脂膜42は、エポキシ樹脂に限らず、フェノール樹脂、シリコン樹脂、ポリイミド樹脂における少なくともいずれか等の他の樹脂であってもよい。
また、下面電極44は、下面電極40の下面から樹脂膜42の下面にかけて積層して形成され(つまり、下面電極40の下面と樹脂膜42の下面とに接して形成されている)、下面電極44の外側(電極間方向における外側)の端部は下面電極40の下面に接し、下面電極44の外側の端部と絶縁基板10の端部とは間隔が形成され、下面電極44の内側の端部は、樹脂膜42の下面に位置している。なお、下面電極44の内側の端部は絶縁基板10の下面には接しておらず、これにより、樹脂膜42の内側の端部は外部に露出した状態となっている。すなわち、X1側の下面電極44においては、下面電極44の外側の端部は、X1側の下面電極40の下面に位置し、下面電極44の外側の端部と絶縁基板10のX1側の端部間には、間隔b1が形成され(つまり、下面電極44のX1側(第1方向)の端部が、絶縁基板10のX1側の端部と間隔を介して形成されている)、下面電極44の内側の端部は、樹脂膜42の下面に位置している。また、X2側の下面電極44においては、下面電極44の外側の端部は、X2側の下面電極40の下面に位置し、下面電極44の外側の端部と絶縁基板10のX2側の端部間には、間隔b2が形成され(つまり、下面電極44のX2側(第2方向)の端部が、絶縁基板10のX2側の端部と間隔を介して形成されている)、下面電極44の内側の端部は、樹脂膜42の下面に位置している。
また、下面電極44の幅方向(Y1−Y2方向)の長さは、絶縁基板10の幅方向の長さと略同一に形成されている。つまり、下面電極44は、絶縁基板10の幅方向の一方の端部から他方の端部にまで形成されている。
なお、下面電極44は樹脂膜42の内側の端部を被覆しておらず、樹脂膜42の表面にはメッキ60が形成されないので、樹脂膜42の内側の端部は、外部に露出した構成となっている。また、樹脂膜42の内側の端部を除く領域は、下面電極44により被覆されている。
この下面電極44は、樹脂銀系厚膜により形成され、略均一の厚膜に形成されている。この下面電極44は、樹脂と銀粉末とを含む樹脂銀系厚膜であり、具体的には、エポキシ樹脂と銀粉末とを均一に混練してなる下面電極用ペーストにより構成された熱硬化型の樹脂・銀系厚膜である。ここで、下面電極44全体における樹脂と銀との比率は、例えば、重量比で、樹脂が10〜25%(好適には、14〜16%)で、銀粉末が75〜90%(好適には84〜86%)であり、容積比では、樹脂が55〜65%で、銀粉末が35〜45%となっている。なお、下面電極44を構成する樹脂としては、エポキシ樹脂には限られず、フェノール樹脂でもよく、また、エポキシ樹脂とフェノール樹脂とを混合したもの等他の樹脂であってもよい。
また、側面電極50は、上面電極32の一部と、下面電極40の一部と、絶縁基板10の側面(つまり、X1側の側面と、X2側の側面)を被覆するように断面略コ字状に層状に形成されている。この側面電極50は、X1側の端部とX2側の端部にそれぞれ設けられている。この側面電極50は、樹脂銀系厚膜により形成され、略均一の厚膜に形成されている。
この側面電極50は、樹脂と銀粉末とを含む樹脂銀系厚膜であり、具体的には、エポキシ樹脂と銀粉末とを均一に混練してなる側面電極用ペーストにより構成された熱硬化型の樹脂・銀系厚膜である。ここで、側面電極50全体における樹脂と銀との比率は、重量比で、樹脂が10〜25%(好適には、14〜16%)で、銀粉末が75〜90%(好適には84〜86%)であり、容積比では、樹脂が55〜65%で、銀粉末が35〜45%となっている。なお、側面電極50を構成する樹脂としては、エポキシ樹脂には限られず、フェノール樹脂でもよく、また、エポキシ樹脂とフェノール樹脂とを混合したもの等他の樹脂であってもよい。
なお、図1においては、側面電極50は、下面電極44には接しない構成となっているが、側面電極50が下面電極44に接する構成としてもよい。
また、メッキ60は、側面電極50の外側(つまり、露出した領域)の面と、上面電極32の露出領域と、下面電極40の露出領域と、下面電極44の外側(つまり、露出した領域)の面とに形成され、側面電極50と、上面電極32の一部と、下面電極40の一部と、下面電極44とを被覆して形成されている。
つまり、側面電極50の外側の面と、上面電極32の露出領域と、下面電極40の露出領域と、下面電極44の外側の面とに形成されたニッケルメッキ(Niメッキ)62と、ニッケルメッキ62の外側にニッケルメッキ62を被覆して形成された錫メッキ(Snメッキ)64とから構成されていて、X1側の端部領域とX2側の端部領域にそれぞれ設けられている。つまり、チップ抵抗器の電極部の表面にメッキ60が設けられていて、内側層がニッケルメッキで、外側層が錫メッキとなっている。ニッケルメッキ62と錫メッキ64とは、それぞれ略均一の厚膜に形成されている。ニッケルメッキ62と錫メッキ64は、例えば、電気メッキにより形成される。なお、絶縁基板10の下面側においては、側面電極50の下面から下面電極44の下面にかけてメッキ60が形成されているが、樹脂膜42の外側の面(表面)には、メッキ60は形成されていない。なお、錫メッキ64の代わりに、ハンダメッキとしてもよい。
また、カバーコート70は、抵抗体20の上面に層状に形成され、抵抗体20へのトリミング時の熱衝撃を緩和するために形成される。このカバーコート70は、電極間方向には、トリミング溝形成位置の領域を被覆するとともに上面電極32に接して形成し、これにより、抵抗体20は、上面電極32とカバーコート70により被覆される。また、カバーコート70の幅方向の長さは、絶縁基板10の幅方向の長さと略同一に形成する。このカバーコート70は、ガラス系材料により形成され、具体的には、ホウ珪酸鉛ガラス系厚膜により形成される。なお、抵抗体20とカバーコート70には、トリミング溝90が形成されている。
また、保護膜80は、カバーコート70と、上面電極32の一部を被覆するように設けられている。この保護膜80の形成位置をさらに詳しく説明すると、幅方向には、絶縁基板10の幅と略同一に形成され、さらに、電極間方向には、抵抗体20の長さと略同一に形成され、保護膜80の電極間方向の端部位置は、抵抗体20の電極間方向の端部位置と水平方向において略同一の位置となっている。この保護膜80は、エポキシ樹脂系厚膜により形成されている。以上のように、保護膜80は、主として、抵抗体20を保護するものである。
上記構成のチップ抵抗器Aの製造方法について、図4〜図6を使用して説明する。まず、上面に一次スリットと二次スリットとが形成されたアルミナ基板G10(このアルミナ基板は、複数のチップ抵抗器の絶縁基板の大きさを少なくとも有する大判のものであり、平板状のグリーンシート(含有率96%程度のアルミナを含有するグリーンシート)を予め焼成したものである)(基板素体)を用意し、アルミナ基板の下面(すなわち、裏面)に下面電極G40を形成する(S11、第1下面電極形成工程)(図5参照)。つまり、下面電極用のペースト(例えば、銀系メタルグレーズ等の銀系ペースト)を印刷し、乾燥・焼成する。この銀系ペーストとしては、例えば、焼成温度が約850℃の銀系ペーストとする。なお、後述するステップS16において保護膜80を樹脂系ペーストにより形成する一方で、下面電極G40の形成においては焼成を行なうことから、下面電極G40は保護膜80の形成後には形成できないので、予め下面電極G40を形成しておくのである。
なお、図5に示すように、この下面電極の形成に際しては、隣接する個別チップ抵抗器領域(基板素体においてチップ抵抗器となるそれぞれの領域)(基板素体における各チップ抵抗器となる領域)について同時に下面電極G40を形成する。つまり、X方向(このX方向は、電極間方向であるとともに、二次スリットの方向である)に隣接する2つのチップ抵抗器に対応するアルミナ基板の領域について、境界位置(つまり、上面側に設けられている一次スリットに対応する位置)となる位置を跨ぐように1つの印刷領域で下面電極を形成する。さらには、Y方向(このY方向は一次スリットの方向であり、X方向とは直角の方向である)(電極間直角方向)には、帯状に連続して下面電極を形成する。つまり、Y方向には複数のチップ抵抗器分まとめて一連の帯状に下面電極を形成し、さらに、X方向に隣接する2つの下面電極については、その2つの下面電極をまとめて形成する。この下面電極G40は、複数分の下面電極40であるといえ、下面電極G40が形成される領域が第1下面電極形成領域となる。
次に、アルミナ基板の上面に抵抗体20を形成する(S12、抵抗体形成工程)。つまり、抵抗体ペースト(例えば、酸化ルテニウム系ペースト(具体的には、酸化ルテニウム系メタルグレーズペースト))を印刷した後に乾燥・焼成して抵抗体20を形成する。
次に、アルミナ基板の上面に上面電極32を形成する(S13、上面電極形成工程)。すなわち、上面電極ペーストをその一部が抵抗体に積層するように印刷し、乾燥・焼成する。この場合の上面電極ペーストは、銀系ペースト(例えば、銀系メタルグレーズペースト)である。この銀系ペーストとしては、例えば、焼成温度が約850℃の銀系ペーストとする。なお、チップ抵抗器となった場合に隣接するチップ抵抗器の上面電極で互いに隣接し合う上面電極については1つの印刷領域で形成する。
次に、トリミングによる抵抗値調整の前にカバーコート70を形成する(S14)。つまり、ホウ珪酸鉛ガラス系のガラスペーストを印刷して焼成し、カバーコート70を形成する。この場合、カバーコート70は、電極間方向とは直角の方向であるカバーコート形成方向に帯状に形成し、該カバーコート形成方向にチップ抵抗器複数個分を有する形成領域に一度にカバーコートを形成して、チップ抵抗器複数個分のカバーコートを帯状に連続して形成してもよい。
次に、抵抗体20にトリミング溝を形成してトリミングを行なうことにより抵抗値を調整する(S15、抵抗体調整工程)。つまり、レーザートリミングにより抵抗体20にトリミング溝を形成する。
次に、保護膜80を形成する(S16、保護膜形成工程)。つまり、カバーコート70の全体と上面電極32の一部(内側の領域)とを覆うように保護膜を形成する。つまり、保護膜用ペースト(エポキシ系の樹脂ペースト)を印刷し、乾燥・硬化させる。この場合、保護膜は、電極間方向とは直角の方向である保護膜形成方向に帯状に形成し、該保護膜形成方向にチップ抵抗器複数個分を有する形成領域に一度に保護膜を形成する。
上記抵抗体形成工程から保護膜形成工程までが、「チップ抵抗器における絶縁基板の素体となる基板素体で、該絶縁基板の複数個分の大きさを少なくとも有する基板素体の上面に、抵抗体と上面電極と保護膜の各形成部材を形成する形成部材形成工程」に当たる。
なお、図5、図6は、アルミナ基板を下面側から見た状態を示す図であるが、縦方向の一点鎖線J1’と横方向の一点鎖線J2’とは個々のチップ抵抗器の境界位置を示し、縦方向の一点鎖線J1’は一次スリットJ1に対応する境界位置を示し、横方向の一点鎖線J2’は二次スリットJ2に対応する境界位置を示すものである。
次に、下面電極G40から絶縁基板10に至る樹脂膜G42を形成する(S17、樹脂膜形成工程)(図6参照)。つまり、熱硬化型の樹脂ペースト(例えば、エポキシ樹脂のペースト)を印刷し、乾燥・硬化させる。樹脂ペーストとしては、例えば、乾燥温度が約200℃の樹脂ペーストを用いる。樹脂膜G42が形成される領域が樹脂膜形成領域となる。
なお、図6に示すように、樹脂膜G42の形成に際しては、一次スリットに対応する境界位置J1’側の端部(外側の端部)は、該境界位置J1’と間隔を介して形成する。つまり、個別チップ抵抗器領域における電極間方向の一方である第1方向の端部側においては、樹脂膜形成領域における第1方向の端部が、第1方向に隣接する個別チップ抵抗器領域との間の境界位置と電極間方向に間隔を介して樹脂膜G42を形成し、個別チップ抵抗器領域における電極間方向の他方である第2方向の端部側においては、樹脂膜形成領域における第2方向の端部が、第2方向に隣接する個別チップ抵抗器領域との間の境界位置と電極間方向に間隔を介して樹脂膜G42を形成する。さらに、境界位置J1’側とは反対側の端部(内側の端部)は、絶縁基板10に接するように形成する。さらには、Y方向(このY方向は一次スリットの方向であり、X方向とは直角の方向である)には、帯状に連続して樹脂膜G42を形成する。つまり、Y方向には複数の個別チップ抵抗器領域分まとめて一連の帯状に樹脂膜を形成する。この樹脂膜G42は、一次スリットの方向に沿った複数分の樹脂膜42であるといえる。
次に、下面電極G40から樹脂膜G42に至る下面電極G44を形成する(S18、第2下面電極形成工程)(図6参照)。つまり、樹脂銀ペーストを印刷し、乾燥・硬化させる。樹脂銀ペーストとしては、例えば、乾燥温度が約200℃の樹脂銀ペーストを用いる。下面電極G44が形成される領域が第2下面電極形成領域となる。
なお、図6に示すように、下面電極G44の形成に際しては、境界位置J1’側の端部(外側の端部)は、下面電極G40に接するとともに、該境界位置J1’と間隔を介するように形成する。つまり、個別チップ抵抗器領域における電極間方向の一方である第1方向の端部側においては、第2下面電極形成領域における第1方向の端部が、第1方向に隣接する個別チップ抵抗器領域との間の境界位置と電極間方向に間隔を介して下面電極G44を形成し、個別チップ抵抗器領域における電極間方向の他方である第2方向の端部側においては、第2下面電極形成領域における第2方向の端部が、第2方向に隣接する個別チップ抵抗器領域との間の境界位置と電極間方向に間隔を介して下面電極G44を形成する。さらに、境界位置J1’側と反対側の端部は樹脂膜G42の内側の端部が露出する位置に形成する。さらには、Y方向(このY方向は一次スリットの方向であり、X方向とは直角の方向である)には、帯状に連続して下面電極G44を形成する。つまり、Y方向には複数の個別チップ抵抗器領域分まとめて一連の帯状に下面電極を形成する。この下面電極G44は、一次スリットの方向に沿った複数分の下面電極44であるといえる。
次に、一次スリットに沿って一次分割して短冊状基板とし(S19、一次分割工程)、その後、上記短冊状基板に対して、側面電極50を形成する(S20、側面電極形成工程)。つまり、側面電極用ペースト(樹脂銀ペースト)を短冊状基板に印刷し、乾燥・硬化させる。樹脂銀ペーストとしては、例えば、乾燥温度が約200℃の樹脂銀ペーストを用いる。
その後、二次スリットに沿って二次分割する(S21、二次分割工程)。次に、メッキ60を形成する(S22メッキ工程)。つまり、ニッケルメッキを形成し、その後、錫メッキを形成する。以上のようにして、チップ抵抗器Aを形成する。
上記の製造工程によれば、樹脂膜G42は一次スリットに対応した境界位置J1’に達しておらず該境界位置J1’と間隔を介して形成されているので、一次分割した際に、樹脂膜G42のバリが発生せず、さらには、樹脂銀厚膜により形成された下面電極G44も一次スリットに対応した境界位置J1’に達しておらず該境界位置J1’と間隔を介して形成されているので、一次分割した際に、下面電極G44のバリが発生しない。
本実施例のチップ抵抗器Aの使用状態について説明すると、通常のチップ抵抗器と同様に、配線基板(プリント基板としてもよい)に実装して使用する。配線基板への実装においては、図7に示すように、チップ抵抗器Aは、配線基板200上に形成されたランド202に下面電極44がランド202側としてランド202に対向するようにして、ハンダフィレット210を介して実装される。なお、チップ抵抗器Aをハンダフィレット210を介して実装した状態では、錫メッキ64はハンダフィレット210と一体になるので、図7において、錫メッキ64は描かれていない。
本実施例のチップ抵抗器Aにおいては、樹脂膜42が設けられていて、チップ抵抗器Aの配線基板への実装状態において、樹脂膜42が絶縁基板10とハンダフィレット210間に配置されるので、この樹脂膜42によって熱応力を緩和することができる。なお、熱応力の発生原因としては、チップ抵抗器周辺の温度環境が変化することや、チップ抵抗器への通電が繰り返されることが挙げられる。
さらに、チップ抵抗器Aの配線基板への実装状態において、下面電極44が絶縁基板10とハンダフィレット210間に配置され、下面電極44には樹脂が含まれていることにより柔軟性があるので、樹脂膜42と下面電極44とが積層していることによる相乗効果により、熱応力を緩和することができる。
また、樹脂膜42と下面電極44は絶縁基板10の端部とは間隔を介して形成されているので、チップ抵抗器の製造に際して、樹脂膜42や下面電極44にバリが形成されず、これにより側面電極50を正確に形成することができ、側面電極50と下面電極40の電気的接続が阻害されることがない。また、樹脂膜42や下面電極44にバリが形成されないので、チップ抵抗器の側面に突起が形成されてしまうことがない。
さらには、樹脂膜42の内側の端部は下面電極44に被覆されておらず、これにより樹脂膜42の内側の端部にはメッキ60が形成されずに、樹脂膜42の内側の端部は外部に露出しているので、樹脂膜42は熱変化により伸縮しやすい構造となっていて、その点でも熱応力を緩和することができる。つまり、仮に、樹脂膜42の全てが下面電極44に被覆されていて、樹脂膜42の内側の端部も下面電極44に被覆されている構造の場合には、下面電極44の表面にメッキが形成されてしまうので、図1〜図3に示す構造(つまり、樹脂膜42の内側の端部が外部に露出している構造)に比べると、樹脂膜42が熱変化により伸縮しにくいが、樹脂膜42の内側の端部が外部に露出した構造とすることにより、より熱応力を緩和することができる。
また、樹脂膜42の内側の端部は絶縁基板10に接して形成され、下面電極40は樹脂膜42に被覆されて露出していないので、下面電極40において、内側の端部のみにメッキが形成されてしまって、メッキ領域が不連続となることがない。つまり、樹脂膜42の内側の端部が絶縁基板10に接しておらず、下面電極40の内側の端部が露出している場合には、下面電極40の内側の端部の箇所にもメッキが形成され、下面電極44のメッキと不連続になってしまうが、本実施例の場合には、そのようにメッキ領域が不連続となることがない。
次に、実施例2のチップ抵抗器について図8を使用して説明する。図8に示すチップ抵抗器B1、B2は、チップ抵抗器Aにおいて、樹脂膜42の内側の領域が外部に露出しているのに対して、樹脂膜42の内側の領域が下面電極44により被覆されている点が異なる。
すなわち、図8(a)に示すチップ抵抗器B1においては、下面電極44は、下面電極40の下面から絶縁基板10の下面にかけて形成され(つまり、下面電極40の下面と樹脂膜42の下面と絶縁基板10の下面に形成されている)、下面電極44の外側(電極間方向における外側)の端部は下面電極40の下面に接し、下面電極44の外側の端部と絶縁基板10の端部とは間隔が形成され、下面電極44の内側の端部は、絶縁基板10の下面に位置している。
また、下面電極44の幅方向(Y1−Y2方向)の長さは、絶縁基板10の幅方向の長さと略同一に形成されている。つまり、下面電極44は、絶縁基板10の幅方向の一方の端部から他方の端部にまで形成されている。
なお、メッキ60は、下面電極44の表面に形成されているので、メッキ60の下面電極側の端部は、絶縁基板10の下面に接している。
チップ抵抗器B1の上記以外の構成は、実施例1のチップ抵抗器Aと同様であるので、詳しい説明を省略する。
また、チップ抵抗器B1の製造方法についても、下面電極G44を帯状に形成する際に下面電極G44の内側の端部が絶縁基板10に接するように形成する以外はチップ抵抗器Aの場合と同様であるの詳しい説明を省略する。また、チップ抵抗器B1の使用状態についても、チップ抵抗器Aと同様に、図7に示すように配線基板に実装する。
次に、図8(b)に示すチップ抵抗器B2は、チップ抵抗器B1と略同一の構成であるが、樹脂膜42の内側の端部が絶縁基板10の下面にまで達しておらず、樹脂膜42の内側の端部が下面電極40の下面に位置している点が異なる。つまり、樹脂膜42は、その上側には下面電極40の下面のみに接して形成され、下面電極44は、下面電極40の下面と樹脂膜42の下面と下面電極40の内側の端部と絶縁基板10の下面とに接して形成されている。チップ抵抗器B2の上記以外の構成は、チップ抵抗器B1と同様であるので、詳しい説明を省略する。
また、チップ抵抗器B2の製造方法についても、樹脂膜G42を帯状に形成する際に樹脂膜G42の内側の端部が下面電極G40の下面に位置し、下面電極G44を帯状に形成する際に下面電極G44の内側の端部が絶縁基板10に接するように形成する以外はチップ抵抗器Aの場合と同様であるの詳しい説明を省略する。また、チップ抵抗器B2の使用状態についても、チップ抵抗器Aと同様に、図7に示すように配線基板に実装する。
チップ抵抗器B1、B2においては、樹脂膜42が設けられていて、チップ抵抗器B1、B2の配線基板への実装状態において、樹脂膜42が絶縁基板10とハンダフィレット間に配置されるので、この樹脂膜42によって熱応力を緩和することができる。さらに、チップ抵抗器B1、B2の配線基板への実装状態において、下面電極44が絶縁基板10とハンダフィレット間に配置され、下面電極44には樹脂が含まれていることにより柔軟性があるので、樹脂膜42と下面電極44とが積層していることによる相乗効果により、熱応力を緩和することができる。
また、樹脂膜42と下面電極44は絶縁基板10の端部とは間隔を介して形成されているので、一次分割により樹脂膜42や下面電極44にバリが形成されず、これにより側面電極50を正確に形成することができ、側面電極50と下面電極40の電気的接続が阻害されることがない。また、樹脂膜42や下面電極44にバリが形成されないので、チップ抵抗器の側面に突起が形成されてしまうことがない。
また、樹脂膜42の内側の端部は絶縁基板10に接して形成され、下面電極40は樹脂膜42に被覆されて露出していないので、下面電極40において、内側の端部のみにメッキが形成されてしまって、メッキ領域が不連続となることがない。
次に、実施例3のチップ抵抗器について図9を使用して説明する。図9に示すチップ抵抗器C1、C2は、チップ抵抗器A、B1、B2において、下面電極40と樹脂膜42と下面電極44とが設けられているのに対して、樹脂膜42が設けられていない点が異なる。
すなわち、図9(a)に示すチップ抵抗器C1においては、下面電極44は、下面電極40の下面から絶縁基板10の下面にかけて形成され(つまり、下面電極40の下面と絶縁基板10の下面とに接して形成されている)、下面電極44の外側(電極間方向における外側)の端部は下面電極40の下面に接し、下面電極44の外側の端部と絶縁基板10の端部とは間隔が形成され(つまり、一対の電極部30における一方の電極部で、絶縁基板10の電極間方向の一方であるX1側(第1方向)の端部側に設けられた電極部30において、下面電極44におけるX1側の端部が、絶縁基板10のX1側の端部と電極間方向に間隔を介して形成され、一対の電極部における他方の電極部で、絶縁基板の電極間方向の他方であるX2側(第2方向)の端部側に設けられた電極部において、下面電極(X1側の下面電極44と左右対象位置の下面電極)におけるX2側の端部が、絶縁基板10のX2側の端部と電極間方向に間隔を介して形成されている)、下面電極44の内側の端部は、絶縁基板10の下面に位置している。これにより、下面電極40の内側の端部は、下面電極44に被覆されている。下面電極44の厚みは、下面電極40の厚みよりも大きく形成され、下面電極40の厚みの略2倍の厚みに形成されている。
また、下面電極44の幅方向(Y1−Y2方向)の長さは、絶縁基板10の幅方向の長さと略同一に形成されている。つまり、下面電極44は、絶縁基板10の幅方向の一方の端部から他方の端部にまで形成されている。
下面電極44は、チップ抵抗器A、B1、B2における下面電極44と同様に、樹脂銀厚膜により形成されている。すなわち、下面電極44は、樹脂と銀粉末とを含む樹脂銀系厚膜であり、具体的には、エポキシ樹脂と銀粉末とを均一に混練してなる下面電極用ペーストにより構成された熱硬化型の樹脂・銀系厚膜である。
なお、メッキ60は、下面電極44の表面に形成されているので、メッキ60の下面電極側の端部は、絶縁基板10の下面に接している。
チップ抵抗器C1においては、下面電極40と下面電極44の間には樹脂膜は設けられておらず、樹脂が含まれている下面電極44が応力緩和層として機能する。
チップ抵抗器C1の上記以外の構成は、実施例1のチップ抵抗器Aと同様であるので、詳しい説明を省略する。
また、チップ抵抗器C1の製造方法についても、樹脂膜を形成せず、また、下面電極G44を帯状に形成する際に下面電極G44の内側の端部が絶縁基板10に接するように形成する以外はチップ抵抗器Aの場合と同様であるの詳しい説明を省略する。また、チップ抵抗器C1の使用状態についても、チップ抵抗器Aと同様に、図7に示すように配線基板に実装する。
また、図9(b)に示すチップ抵抗器C2は、チップ抵抗器C1と略同一の構成であるが、下面電極44の内側の端部が絶縁基板10の下面にまで達しておらず(つまり、下面電極44は、上側には下面電極40の下面にのみ接して形成されている)、下面電極44の内側の端部が下面電極40の下面に位置している点が異なる。これにより、メッキ60は、下面電極40の内側の端部にも形成されている。
チップ抵抗器C2の上記以外の構成は、チップ抵抗器C1と同様であるので、詳しい説明を省略する。
また、チップ抵抗器C2の製造方法についても、樹脂膜を形成せず、また、下面電極G44を帯状に形成する際に下面電極G44の内側の端部が下面電極G40の下面に位置するように形成する以外はチップ抵抗器Aの場合と同様であるの詳しい説明を省略する。また、チップ抵抗器C2の使用状態についても、チップ抵抗器Aと同様に、図7に示すように配線基板に実装する。
チップ抵抗器C1、C2においては、樹脂銀厚膜により形成された下面電極44が設けられていて、チップ抵抗器C1、C2の配線基板への実装状態において、下面電極44が絶縁基板10とハンダフィレット間に配置されるので、この下面電極44によって熱応力を緩和することができる。
また、下面電極44は絶縁基板10の端部とは間隔を介して形成されているので、一次分割により下面電極44にバリが形成されず、これにより側面電極50を正確に形成することができ、側面電極50と下面電極40の電気的接続が阻害されることがない。また、下面電極44にバリが形成されないので、チップ抵抗器の側面に突起が形成されてしまうことがない。
なお、図8及び図9においては、チップ抵抗器の電極間方向における一方の略半分の構成のみ表しているが、他方の略半分の構成は当然該一方の略半分の構成に対して左右対称に表れる。
また、図面において、Y1−Y2方向は、X1−X2方向に直角な方向であり、Z1−Z2方向は、X1−X2方向及びY1−Y2方向に直角な方向である。
A、B1、B2、C1、C2 チップ抵抗器
10 絶縁基板
20 抵抗体
30 電極部
32 上面電極
40、44 下面電極
42 樹脂膜
50 側面電極
60 メッキ
62 ニッケルメッキ
64 錫メッキ
70 カバーコート
80 保護膜

Claims (8)

  1. 絶縁基板と、該絶縁基板に設けられた抵抗体と、絶縁基板に設けられ抵抗体と接続した一対の電極部とを有するチップ抵抗器であって、
    一対の電極部における各電極部が、
    抵抗体と接続し、絶縁基板の上面に設けられた上面電極と、
    絶縁基板の下面に設けられ、銀系厚膜により形成された第1下面電極と、
    第1下面電極の下面に形成され、樹脂系厚膜により形成された樹脂膜と、
    第1下面電極の下面から樹脂膜の下面に形成され、樹脂銀系厚膜により形成された第2下面電極と、
    を有し、
    一対の電極部における一方の電極部で、絶縁基板の電極間方向の一方である第1方向の端部側に設けられた電極部において、樹脂膜における第1方向の端部が、絶縁基板の第1方向の端部と電極間方向に間隔を介して形成され、第2下面電極における第1方向の端部が、絶縁基板の第1方向の端部と電極間方向に間隔を介して形成され、
    一対の電極部における他方の電極部で、絶縁基板の電極間方向の他方である第2方向の端部側に設けられた電極部において、樹脂膜における第2方向の端部が、絶縁基板の第2方向の端部と電極間方向に間隔を介して形成され、第2下面電極における第2方向の端部が、絶縁基板の第2方向の端部と電極間方向に間隔を介して形成されていることを特徴とするチップ抵抗器。
  2. 上記一方の電極部において、樹脂膜における第2方向の端部が絶縁基板の下面に接して形成されることにより、第1下面電極の第2方向の端部が樹脂膜により被覆して形成され、第2下面電極の第2方向の端部が樹脂膜の下面に位置することにより、樹脂膜の第2方向の端部が外部に露出して形成され、
    上記他方の電極部において、樹脂膜における第1方向の端部が絶縁基板の下面に接して形成されることにより、第1下面電極の第1方向の端部が樹脂膜により被覆して形成され、第2下面電極の第1方向の端部が樹脂膜の下面に位置することにより、樹脂膜の第1方向の端部が外部に露出して形成されていることを特徴とすることを特徴とする請求項1に記載のチップ抵抗器。
  3. 上記一方の電極部において、樹脂膜における第2方向の端部が絶縁基板の下面に接して形成されることにより、第1下面電極の第2方向の端部が樹脂膜により被覆して形成され、第2下面電極の第2方向の端部が絶縁基板の下面に接して形成されることにより、樹脂膜が第2下面電極により被覆して形成され、
    上記他方の電極部において、樹脂膜における第1方向の端部が絶縁基板の下面に接して形成されることにより、第1下面電極の第1方向の端部が樹脂膜により被覆して形成され、第2下面電極の第1方向の端部が絶縁基板の下面に接して形成されることにより、樹脂膜が第2下面電極により被覆して形成されていることを特徴とすることを特徴とする請求項1に記載のチップ抵抗器。
  4. 上記一方の電極部において、樹脂膜における第2方向の端部が第1下面電極の下面に位置して形成され、第2下面電極の第2方向の端部が絶縁基板の下面に接して形成されることにより、樹脂膜が第2下面電極により被覆されるとともに、第1下面電極の第2方向の端部が第2下面電極により被覆して形成され、
    上記他方の電極部において、樹脂膜における第1方向の端部が第1下面電極の下面に位置して形成され、第2下面電極の第1方向の端部が絶縁基板の下面に接して形成されることにより、樹脂膜が第2下面電極により被覆されるとともに、第1下面電極の第1方向の端部が第2下面電極により被覆して形成されていることを特徴とすることを特徴とする請求項1に記載のチップ抵抗器。
  5. 絶縁基板と、該絶縁基板に設けられた抵抗体と、絶縁基板に設けられ抵抗体と接続した一対の電極部とを有するチップ抵抗器であって、
    一対の電極部における各電極部が、
    抵抗体と接続し、絶縁基板の上面に設けられた上面電極と、
    絶縁基板の下面に設けられ、銀系厚膜により形成された第1下面電極と、
    第1下面電極の下面に形成され、樹脂銀系厚膜により形成された第2下面電極と、
    を有し、
    一対の電極部における一方の電極部で、絶縁基板の電極間方向の一方である第1方向の端部側に設けられた電極部において、第2下面電極における第1方向の端部が、絶縁基板の第1方向の端部と電極間方向に間隔を介して形成され、
    一対の電極部における他方の電極部で、絶縁基板の電極間方向の他方である第2方向の端部側に設けられた電極部において、第2下面電極における第2方向の端部が、絶縁基板の第2方向の端部と電極間方向に間隔を介して形成されていることを特徴とするチップ抵抗器。
  6. 上面電極の上面及び第1下面電極の下面に接続し、絶縁基板の側面に設けられた側面電極を有することを特徴とする請求項1又は2又は3又は4又は5に記載のチップ抵抗器。
  7. チップ抵抗器の製造方法であって、
    チップ抵抗器における絶縁基板の素体となる基板素体で、該絶縁基板の複数個分の大きさを少なくとも有する基板素体の下面に第1下面電極を形成する第1下面電極形成工程であって、チップ抵抗器の電極間方向に隣接する2つの領域を有するとともに、電極間方向と直角の方向である電極間直角方向にチップ抵抗器複数個分の領域を有する第1下面電極形成領域に銀系ペーストを印刷し、印刷した銀系ペーストを乾燥・焼成することにより第1下面電極を形成する第1下面電極形成工程と、
    基板素体の上面に、抵抗体と上面電極と保護膜の各形成部材を形成する形成部材形成工程と、
    第1下面電極に積層して、電極間直角方向にチップ抵抗器複数個分の領域を有する樹脂膜形成領域に樹脂ペーストを印刷し、印刷した樹脂ペーストを乾燥・硬化させることにより樹脂膜を形成する樹脂膜形成工程であって、基板素体においてチップ抵抗器となるそれぞれの領域である個別チップ抵抗器領域における電極間方向の一方である第1方向の端部側においては、樹脂膜形成領域における第1方向の端部が、第1方向に隣接する個別チップ抵抗器領域との間の境界位置と電極間方向に間隔を介して樹脂膜を形成し、個別チップ抵抗器領域における電極間方向の他方である第2方向の端部側においては、樹脂膜形成領域における第2方向の端部が、第2方向に隣接する個別チップ抵抗器領域との間の境界位置と電極間方向に間隔を介して樹脂膜を形成する樹脂膜形成工程と、
    第1下面電極及び樹脂膜に積層して、電極間直角方向にチップ抵抗器複数個分の領域を有する第2下面電極形成領域に樹脂銀系ペーストを印刷して、印刷した樹脂銀系ペーストを乾燥・硬化させることにより第2下面電極を形成する第2下面電極形成工程であって、個別チップ抵抗器領域における電極間方向の一方である第1方向の端部側においては、第2下面電極形成領域における第1方向の端部が、第1方向に隣接する個別チップ抵抗器領域との間の境界位置と電極間方向に間隔を介して第2下面電極を形成し、個別チップ抵抗器領域における電極間方向の他方である第2方向の端部側においては、第2下面電極形成領域における第2方向の端部が、第2方向に隣接する個別チップ抵抗器領域との間の境界位置と電極間方向に間隔を介して第2下面電極を形成する第2下面電極形成工程と、
    第1方向に隣接する個別チップ抵抗器領域間の境界位置を介して基板素体を分割して短冊状基板を形成する一次分割工程と、
    を有することを特徴とするチップ抵抗器の製造方法。
  8. チップ抵抗器の製造方法であって、
    チップ抵抗器における絶縁基板の素体となる基板素体で、該絶縁基板の複数個分の大きさを少なくとも有する基板素体の下面に第1下面電極を形成する第1下面電極形成工程であって、チップ抵抗器の電極間方向に隣接する2つの領域を有するとともに、電極間方向と直角の方向である電極間直角方向にチップ抵抗器複数個分の領域を有する第1下面電極形成領域に銀系ペーストを印刷し、印刷した銀系ペーストを乾燥・焼成することにより第1下面電極を形成する第1下面電極形成工程と、
    基板素体の上面に、抵抗体と上面電極と保護膜の各形成部材を形成する形成部材形成工程と、
    第1下面電極に積層して、電極間直角方向にチップ抵抗器複数個分の領域を有する第2下面電極形成領域に樹脂銀系ペーストを印刷して、印刷した樹脂銀系ペーストを乾燥・硬化させることにより第2下面電極を形成する第2下面電極形成工程であって、基板素体においてチップ抵抗器となるそれぞれの領域である個別チップ抵抗器領域における電極間方向の一方である第1方向の端部側においては、第2下面電極形成領域における第1方向の端部が、第1方向に隣接する個別チップ抵抗器領域との間の境界位置と電極間方向に間隔を介して第2下面電極を形成し、個別チップ抵抗器領域における電極間方向の他方である第2方向の端部側においては、第2下面電極形成領域における第2方向の端部が、第2方向に隣接する個別チップ抵抗器領域との間の境界位置と電極間方向に間隔を介して第2下面電極を形成する第2下面電極形成工程と、
    第1方向に隣接する個別チップ抵抗器領域間の境界位置を介して基板素体を分割して短冊状基板を形成する一次分割工程と、
    を有することを特徴とするチップ抵抗器の製造方法。
JP2014085927A 2014-04-17 2014-04-17 チップ抵抗器及びチップ抵抗器の製造方法 Active JP6159286B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014085927A JP6159286B2 (ja) 2014-04-17 2014-04-17 チップ抵抗器及びチップ抵抗器の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014085927A JP6159286B2 (ja) 2014-04-17 2014-04-17 チップ抵抗器及びチップ抵抗器の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015207609A true JP2015207609A (ja) 2015-11-19
JP6159286B2 JP6159286B2 (ja) 2017-07-05

Family

ID=54604212

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014085927A Active JP6159286B2 (ja) 2014-04-17 2014-04-17 チップ抵抗器及びチップ抵抗器の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6159286B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107359033A (zh) * 2016-03-15 2017-11-17 罗姆股份有限公司 芯片电阻器及其制造方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08255701A (ja) * 1995-03-15 1996-10-01 Matsushita Electric Ind Co Ltd チップ状電子部品
JP2005277019A (ja) * 2004-03-24 2005-10-06 Rohm Co Ltd チップ抵抗器およびその製造方法
JP2008084905A (ja) * 2006-09-26 2008-04-10 Taiyosha Electric Co Ltd チップ抵抗器
JP2011165752A (ja) * 2010-02-05 2011-08-25 Taiyosha Electric Co Ltd チップ抵抗器
JP2013070108A (ja) * 2013-01-23 2013-04-18 Taiyosha Electric Co Ltd チップ抵抗器

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08255701A (ja) * 1995-03-15 1996-10-01 Matsushita Electric Ind Co Ltd チップ状電子部品
JP2005277019A (ja) * 2004-03-24 2005-10-06 Rohm Co Ltd チップ抵抗器およびその製造方法
JP2008084905A (ja) * 2006-09-26 2008-04-10 Taiyosha Electric Co Ltd チップ抵抗器
JP2011165752A (ja) * 2010-02-05 2011-08-25 Taiyosha Electric Co Ltd チップ抵抗器
JP2013070108A (ja) * 2013-01-23 2013-04-18 Taiyosha Electric Co Ltd チップ抵抗器

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107359033A (zh) * 2016-03-15 2017-11-17 罗姆股份有限公司 芯片电阻器及其制造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6159286B2 (ja) 2017-07-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5503034B2 (ja) チップ抵抗器
JP6693125B2 (ja) 電子部品
JP2011165752A (ja) チップ抵抗器
US10192659B2 (en) Chip resistor
US9842693B2 (en) Multilayer ceramic capacitor
US9984822B2 (en) Electronic component
JP5115968B2 (ja) チップ抵抗器の製造方法およびチップ抵抗器
JP6181500B2 (ja) チップ抵抗器およびその製造方法
JP6413259B2 (ja) 積層セラミックコンデンサ及び実装構造
WO2016158240A1 (ja) チップ抵抗器
WO2014109224A1 (ja) チップ抵抗器
JP6159286B2 (ja) チップ抵抗器及びチップ抵抗器の製造方法
US20230274861A1 (en) Chip resistor
WO2016167182A1 (ja) チップ抵抗器およびその製造方法
JP5255899B2 (ja) チップ抵抗器の製造方法及びチップ抵抗器
US9691547B2 (en) Multilayer ceramic capacitor
JP6688025B2 (ja) チップ抵抗器およびチップ抵抗器の製造方法
US20180286541A1 (en) Chip Resistor
JP4729398B2 (ja) チップ抵抗器
JP6424460B2 (ja) 積層セラミックコンデンサ及びその製造方法
JP6688035B2 (ja) チップ抵抗器
JP2016195236A (ja) コンデンサ素子、およびそれを含む複合電子部品
JP2022159807A (ja) チップ抵抗器
JP6599759B2 (ja) チップ抵抗器
JP2011044551A (ja) チップ抵抗器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160226

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20161222

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170110

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170227

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170523

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170609

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6159286

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250