JP2015207531A - 通気部材および通気装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】筐体内外での水蒸気の受け渡しを促進可能な通気部材および通気装置を提供することを目的とする。【解決手段】通気部材20は、閉鎖されたランプ筐体内の水蒸気を排出する多孔質体の通気部材20であって、液水および汚染物質のランプ筐体内への侵入を阻止するとともに、ランプ筐体内から外部へ水蒸気を排出するための流路を形成する小孔径構造21と、小孔径構造21よりも径が大きく小孔径構造21と連通して設けられる大孔径構造22とを有する。【選択図】図3

Description

本発明は、通気部材および通気装置に関する。
従来、車両用ランプ等では、筐体内外の温度差に起因する筐体の変形及び破裂を防止する等の目的で、筐体に通気開口が設けられる。そして、通常、通気開口には、筐体内への水や塵埃の侵入を防止するための通気部材が取り付けられる。
例えば、特許文献1には、車両用ランプの筐体に形成された通気開口に、延伸法、抽出法等で製造される微多孔膜からなるフィルタ部材を設けることで、筐体の防水性や防塵性を高めることが記載されている。そして、微多孔膜としては、例えば孔径0.01〜10μmのポリテトラフルオロエチレン製の多孔質膜を用いることが記載されている。
特開2001−143524号公報
ところで、車両用ランプでは、外気温が低い場合や筐体内の湿度が高い場合に、筐体内で結露が生じレンズに曇りが発生する場合がある。レンズの曇りの発生を抑制し、またレンズに曇りが生じた場合に曇りを解消するためには、通気部材を介して筐体内から筐体外部へ水蒸気を迅速に排出することが好ましい。
本発明は、筐体内から筐体外部への水蒸気の排出を促進可能な通気部材および通気装置を提供することを目的とする。
かかる目的のもと、本発明が適用される通気部材20は、閉鎖されたランプ筐体内8の水蒸気を排出する多孔質体の通気部材20であって、液水および汚染物質の前記ランプ筐体内8への侵入を阻止するとともに、当該ランプ筐体内8から外部へ水蒸気を排出するための流路を形成する小孔径構造21と、前記小孔径構造21よりも径が大きく当該小孔径構造21と連通して設けられる大孔径構造22とを有する。
ここで、前記小孔径構造21は、孔径D1が0.5μm以上50μm以下であることを特徴とすることができる。
また、前記大孔径構造22は、孔径D2が5μm以上100μm以下であることを特徴とすることができる。
他の観点から捉えると、本発明が適用される通気部材20は、閉鎖された筐体内8と外部との間の通気を行う多孔質体の通気部材20であって、液水および汚染物質の前記筐体内8への侵入を阻止するとともに、当該筐体内8から外部へ水蒸気を透過させる小孔径構造21と、前記小孔径構造21よりも径が大きい大孔径構造22とを備え、形状として自立性を有する厚みを有する成形品として形成される。
ここで、前記通気部材20の厚みt1は、10mm以下であることを特徴とすることができる。
また、前記通気部材20の厚みt1は、1mm以上であることを特徴とすることができる。
さらに、前記通気部材20は凹凸成形品であり、当該凹凸により表面積を増加させ、水蒸気の透過面積を広げることを特徴とすることができる。
さらに他の観点から捉えると、本発明が適用される通気装置は、閉鎖されたランプ1内の水蒸気を排出するための通気装置であって、少なくとも一つの通気開口9を有して閉鎖されたランプ筐体2と、前記通気開口9に設けられる通気部材20とを備え、前記通気部材20は、孔径が0.5μm以上50μm以下の小孔径構造21と、前記小孔径構造21に連通して設けられ、当該小孔径構造21よりも径の大きい大孔径構造22とを有することを特徴とする。
なお、本欄における上記符号は、本発明の説明に際して例示的に付したものであり、この符号により本発明が減縮されるものではない。
本発明によれば、筐体内外での水蒸気の受け渡しを促進可能な通気部材および通気装置を提供することができる。
本実施の形態が適用される車両用ランプの全体構成を示した図である。 (a)〜(b)は、本実施の形態が適用される通気ユニットの構成を説明するための図である。 通気部材を厚み方向(通気方向)に切断した拡大断面図である。 (a)〜(b)は、通気部材の他の形態を示した図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
〔車両用ランプの全体構成〕
図1は、本実施の形態が適用される車両用ランプ1の全体構成を示した図である。
本実施の形態が適用される車両用ランプ1は、例えば自動車用に代表される各種車両のヘッドランプ、リアランプ、ブレーキランプ、フォグランプ、方向指示ランプ、走行ランプ、駐車ランプ等として用いられる。図1では、これらランプ類の一例を示している。
図1に示す車両用ランプ1は、車両の電装部品などを保護する筐体2と、筐体2に取付けられ、光をランプの前方に集中させる等、適切な角度で光を照射させるレンズ3と、を備えている。この筐体2とレンズ3とによって、車両用ランプ1の閉鎖された筐体内(ランプ筐体内)8を構成しており、筐体内8の各電装部品に対する防水性や防塵性を高めている。但し、筐体内8は、完全な密封状態ではなく、通気開口9を経由して通気が可能である。通気開口9は、筐体2から外方へ突出する円筒形状の凸部9aにより構成されている。筐体内8には、電装部品の一つとして、光を出射するバルブ4と、バルブ4から横方向や後方に放たれた光を前方へ向けて反射させるリフレクタ5とが備えられている。
また、本実施の形態では、車両用ランプ1は、換気手段の一つとして、ランプ内外の空気の受け渡しを行い、特に、筐体内8の水蒸気を車両用ランプ1の外部へ放出することが可能な通気ユニット10を備えている。そして、この通気ユニット10を有する車両用ランプ1は、通気装置の一態様として把握できる。
〔通気ユニットの構成〕
続いて、本実施の形態の通気ユニット10について説明する。図2(a)〜図2(b)は、本実施の形態が適用される通気ユニット10の構成を説明するための図であって、図2(a)は、通気ユニット10の斜視図であり、図2(b)は、通気ユニット10を、通気ユニット10における通気方向に沿って切った断面図である。
図1および図2(a)〜図2(b)に示すように、本実施の形態の通気ユニット10は、車両用ランプ1の筐体内8と車両用ランプ1の外部との間の通気を行う通気部材20と、車両用ランプ1の通気開口9を形成する凸部9aに取り付けられ、通気部材20を支持する支持部材11とを有している。
本実施の形態の支持部材11は、全体として例えば円筒状の形状を有し、内部に円柱形状の貫通孔が形成されている。そして、上述した図1も参照すると、支持部材11は、一方の端部が車両用ランプ1に形成された通気開口9を構成する凸部9aの外周に嵌め合わされて取り付けられ、車両用ランプ1の通気開口9から連続した通気経路を形成するようになっている。
また、支持部材11は、貫通孔の内周にて通気部材20を支持している。言い換えると、本実施の形態の支持部材11は、通気部材20により通気経路が塞がれた状態となっている。なお、支持部材11に対する通気部材20の取り付け方法は、特に限定されるものではなく、例えば溶着法やスナップフィット等の嵌め込み法により取り付けてもよく、粘着テープや接着剤等により取り付けてもよい。
また、支持部材11の内径(すなわち支持部材11による通気経路の径)は、特に限定されるものではないが、通気ユニット10を取り付ける車両用ランプ1の大きさ等に応じて、例えば10mm〜70mm程度とすることができる。
なお、支持部材11の内径が過度に小さい場合には、通気ユニット10における通気面積が小さくなるため、車両用ランプ1の筐体内8から外部へ水蒸気が透過しにくくなり、車両用ランプ1の曇りを抑制する効果が小さくなりやすい。
〔通気部材の構成〕
本実施の形態の通気部材20は、図2(a)等に示すように、全体として例えば円盤状の形状を有している。すなわち、本実施の形態の通気部材20は、対向する2つの円形状の平面20A、20B、および平面20Aと平面20Bとを接続する側面を有している。
そして、通気部材20は、通気ユニット10が車両用ランプ1の通気開口9に取り付けられた状態で、一方の平面(この例では、平面20A)が車両用ランプ1の筐体内8に対向し、他方の平面(この例では、平面20B)が車両用ランプ1の外部に対向するようになる。なお、後述するように、通気部材20の形状は、図2(a)に示した円盤状の形状に限られるものではない。
また、本実施の形態の通気部材20は、多孔質体の樹脂からなる。より具体的には、通気部材20は、孔径が異なる複数の孔(後述する小孔径構造21、大孔径構造22;図3参照)が互いに連通した連泡構造を有する多孔質体の樹脂からなる。
そして、通気部材20は、車両用ランプ1の筐体内8と車両用ランプ1の外部との間で通気を行うとともに、車両用ランプ1の筐体内8に塵埃等の異物や液体の水(液水)等が入り込むことを抑制している。また、通気部材20は、筐体内8の水蒸気を透過させて車両用ランプ1の外部に排出することで、レンズ3の曇りの発生を抑制している。
通気部材20の材質としては、例えば、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂(ABS樹脂)、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリアセタール等の熱可塑性樹脂を用いることができる。
これらのなかでも、通気部材20の強度や耐熱性等の観点から、PBTを用いることが好ましい。
本実施の形態の通気部材20は、単体で(すなわち支持部材11から取り外した状態で)、形状として自立する成形品からなる。言い換えると、本実施の形態では、通気部材20の通気方向に沿った厚み(以下、単に通気部材20の厚みという)t1が、通気部材20が形状として自立性を有する程度の厚みとなっている。この「形状として自立性を有する程度の厚み」とは、通気部材20がフィルム状のものではなく、例えば、支持部材11等の枠体がない場合でも一定の形状を維持できる程度とすることができる。但し、かかる場合でも、枠体を除くと全く変形しない、というものに限定されるものではなく、取付け等の作業に際して、単体として取り扱うことが可能である程度の厚みを意味する。勿論、枠体を使用した場合を含まない趣旨ではない。枠体を使用することによって更に形状が強固とできる場合がある。
また、本実施の形態の通気部材20は、その表面に撥水・撥油性の被膜を有していてもよい。通気部材20に撥水・撥油性の被膜を設けることで、通気部材20に対する油分を含んだ塵埃等の付着が抑制され、通気部材20における空気や水蒸気の透過率が低下することが抑制される。
本実施の形態において通気部材20に設ける撥水・撥油性の被膜としては、例えばフッ素系やシリコーン系等の公知の撥水・撥油処理剤を用いることができる。これらの中でも、撥水性および撥油性が高いフッ素系の撥水・撥油処理剤を用いることが好ましい。フッ素系の撥水・撥油処理剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、パーフルオロアルキル基を有する高分子を好ましく用いることができる。
続いて、本実施の形態の通気部材20の構造について、より詳細に説明する。図3は、通気部材20を厚み方向(通気方向)に切断した拡大断面図であり、図2におけるIII部の拡大図である。
図3に示すように、本実施の形態の通気部材20は、孔径の異なる孔(小孔21a、大孔22a)が複数形成された多孔質体からなる。そして、通気部材20は、複数の小孔径構造21と、小孔径構造21と比較して径が大きい複数の大孔径構造22とを有している。
具体的には、小孔径構造21は、通気部材20に形成された小孔21aを囲む壁面21bにより構成され、大孔径構造22は、通気部材20に形成された大孔22aを囲む壁面22bにより構成される。
それぞれの小孔径構造21およびそれぞれの大孔径構造22の形状(小孔21a、大孔22aの形状)は、球形状、楕円体、紡錘体、多角形状体等、概ね粒状とみなすことができる形状であれば、特に限定されるものではない。
そして、本実施の形態の通気部材20では、小孔径構造21と大孔径構造22とが互いに連通した連泡構造となっている。
ここで、小孔径構造21と大孔径構造22が連通している状態とは、小孔径構造21と大孔径構造22との間で、水蒸気や空気等が流通可能な状態である。言い換えると、小孔径構造21により囲まれる小孔21aと、大孔径構造22により囲まれる大孔22aとが、一続きの空間となっている状態である。
なお、本実施の形態の通気部材20では、複数の小孔径構造21および複数の大孔径構造22のうち、少なくとも一部が互いに連通していればよい。言い換えると、全ての小孔径構造21が大孔径構造22と連通していなくてもよく、また全ての大孔径構造22が小孔径構造21と連通していなくてもよい。
また、通気部材20において、図3に示すように、1の小孔径構造21に対して複数の大孔径構造22が連通していてもよく、1の大孔径構造22に対して複数の小孔径構造21が連通していてもよい。
さらに、通気部材20において、複数の小孔径構造21同士が連通している部分が存在してもよく、複数の大孔径構造22同士が連通している部分が存在してもよい。
本実施の形態の通気部材20において、小孔径構造21は、塵埃等の汚染物質や液体の水(液水)等の筐体内8(図1参照)への侵入を阻止するとともに、筐体内8から車両用ランプ1(図1参照)の外部へ水蒸気を排出するための流路を形成している。
また、本実施の形態の通気部材20において、大孔径構造22は、小孔径構造21に連通して設けられることで、小孔径構造21とともに、筐体内8から車両用ランプ1の外部へ水蒸気を排出するための流路を形成している。大孔径構造22は、小孔径構造21に連通することで小孔径構造21によって形成される流路を短くし、筐体内8から車両用ランプ1の外部への水蒸気の排出を促進する機能を有する。
本実施の形態では、小孔径構造21と大孔径構造22とが連通することにより形成される流路は、通気部材20の一方の平面20A側(図2(b)参照)から他方の平面20B側(図2(b)参照)へ繋がって設けられている。すなわち、通気ユニット10が車両用ランプ1の筐体2(図1参照)に取り付けられた状態では、筐体内8と車両用ランプ1の外部とが、小孔径構造21と大孔径構造22とにより形成される流路を介して接続されている。
これにより、通気ユニット10が車両用ランプ1に取り付けられた状態において、通気部材20を介して空気や水蒸気が、筐体内8と車両用ランプ1の外部とを移動できるようになっている。
ここで、通気部材20の厚みt1(図2(b)参照)は、通気部材20として用いる材料や通気部材20の形状、通気部材20を適用する対象物等によっても異なるが、例えば、1mm以上の範囲であることが好ましい。
通気部材20の厚みを1mm以上とすることで、小孔径構造21と大孔径構造22とが連通した連泡構造を十分に長く確保することが可能になり、筐体内8から車両用ランプ1の外部への水蒸気の排出を促進することが可能になる。
また、通気部材20の厚みt1は、通気部材20として用いる材料や通気部材20の形状、通気部材20を適用する対象物等によっても異なるが、例えば、10mm以下の範囲であることが好ましい。
通気部材20の厚みt1が10mmよりも厚い場合、筐体内8から車両用ランプ1(図1参照)の外部までの距離が長くなるため、車両用ランプ1の外部への水蒸気の排出に要する時間が長くなる。この場合、車両用ランプ1のレンズ3(図1参照)の曇りが晴れるまでの時間が長くなりやすい。
ただし、通気部材20の厚みt1は、成形品としての強度を保つことができ、水蒸気を透過して車両用ランプ1等の曇りを抑制し、曇りが発生した場合に迅速に曇りを解消することができる厚みであれば、上記範囲に限定されるものではない。
ここで、図3に示すように、小孔径構造21の孔径を第1孔径D1とし、大孔径構造22の孔径を第2孔径D2とすると、上述したように、第1孔径D1と比較して第2孔径D2が大きくなっている(D1<D2)。
第1孔径D1は、第2孔径D2より小さく、且つ0.5μm以上50μm以下の範囲であることが好ましい。第1孔径D1が0.5μm未満である場合、小孔径構造21により形成される流路において水蒸気が透過しにくくなり、車両用ランプ1の曇りを迅速に解消することが難しくなる。第1孔径D1が50μmよりも大きい場合、塵埃等の異物が通気部材20を通過して車両用ランプ1の筐体内8に侵入するおそれがある。
また、第2孔径D2は、第1孔径D1よりも大きく、且つ5μm以上100μm以下の範囲であることが好ましい。第2孔径D2が5μm未満である場合、大孔径構造22による水蒸気の排出を促進する効果が不十分になる場合がある。第2孔径D2が100μm以上である場合、通気部材20の強度が低下するおそれがある。
さらに、本実施の形態の通気部材20では、第1孔径D1および第2孔径D2の大きさにもよるが、第2孔径D2が、第1孔径D1の2倍以上であることが好ましく、5倍以上であることが好ましい。
第2孔径D2が第1孔径D1の2倍未満の大きさであると、小孔径構造21と大孔径構造22との孔径の差が小さいため、小孔径構造21と大孔径構造22との連泡構造による後述するポンプ効果が不十分となり、水蒸気の排出が促進されにくくなるおそれがある。
なお、本実施の形態の通気部材20において、第1孔径D1および第2孔径D2は、例えば以下の方法で測定することができる。
すなわち、通気部材20の断面の走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope;SEM)写真を撮影し、SEM写真における所定の範囲(例えば1辺を200μmとする正方形の範囲)に存在する孔の面積を市販の画像処理ソフト等により解析する。なお、複数の孔が互いに連通している場合、それぞれの孔が連通していないものと仮定して、孔の面積を解析する。そして、解析した孔の面積に基いて、それぞれの孔の円換算直径およびその分布(個数分布)を求める。本実施の形態では、通気部材20に形成される孔として、小孔径構造21に対応する小孔21aと大孔径構造22に対応する大孔22aとが存在するため、得られる円換算直径の分布は、概ね2つのピークを有するものとなる。本実施の形態では、得られた円換算直径の分布におけるピーク値のうち、小さい方の値を第1孔径D1、大きい方の値を第2孔径D2とすることができる。
ところで、従来、自動車ランプ等の車両用ランプ1では、筐体内8の湿気により発生するレンズ3の結露や曇り(レンズ3が微細な水滴により白く濁る現象)が問題となっている。車両用ランプ1の筐体内8における湿気を抑制する方法としては、車両用ランプ1の筐体2を密閉することが最も有効であるものの、レンズ3や筐体2を構成するプラスチックは吸湿性を有するため、筐体内8への水分の侵入を完全に抑制することはできない。また、車両用ランプ1の筐体2を密閉した場合、侵入した水分(湿気)を車両用ランプ1の外部に逃すことが難しくなる。
また、車両用ランプ1の筐体2を密閉すると、車両用ランプ1のバルブ4等の発熱により筐体内8が高温になり筐体内8の空気が膨張した場合に、筐体2が破損するおそれがある。
したがって、通常、車両用ランプ1の筐体2を密閉することはせず、車両用ランプ1に外部との通気を行うための通気開口9を設け、通気開口9に筐体内8への液水や汚染物質の侵入を抑制するための通気部材を設けることが多い。そしてこのような車両用ランプ1では、例えば外気温が低い場合や筐体内8の湿度が高くなった場合等に、車両用ランプ1の筐体内8で結露が生じレンズ3に曇りが発生しやすくなっている。
上述したようなレンズ3の曇りを改善するためには、車両用ランプ1の筐体内8と車両用ランプ1の外部である周囲の空気中との間の水蒸気の受け渡しを促進し、迅速に車両用ランプ1の内外の温湿度環境を一定にして、筐体内8の湿度を低くすることが好ましい。
本実施の形態では、上述したように、車両用ランプ1の通気開口9に設ける通気部材20として、小孔径構造21と大孔径構造22とが連通した連泡構造を有する多孔質体を用いることで、水蒸気を迅速に車両用ランプ1の外部へ排出することが可能になっている。これにより、車両用ランプ1のレンズ3における曇りの発生を抑制でき、またレンズ3に曇りが発生した場合であっても、迅速に曇りを解消することが可能になっている。
〔通気部材による作用〕
続いて、本実施の形態の通気部材20の作用について具体的に説明する。
通気開口9に通気ユニット10(通気部材20)を取り付けた車両用ランプ1において、筐体内8の湿度が車両用ランプ1の外部と比較して高くなった場合、筐体内8と車両用ランプ1の外部との湿度の差を解消するために、水蒸気が、筐体内8から車両用ランプ1の外部に向かって通気部材20内を移動する。より具体的には、水蒸気が、通気部材20において小孔径構造21と大孔径構造22とにより形成される流路を、筐体内8から車両用ランプ1の外部に向かって移動する。
ここで、通気部材20に形成される流路において、水蒸気が大孔径構造22から小孔径構造21へ移動した場合、小孔径構造21にて流路面積が狭くなるため、水蒸気の移動速度が速くなる。これにより、この小孔径構造21から、さらに下流側(車両用ランプ1の外部側)に連通する大孔径構造22に向けて水蒸気が押し出されるようになる(ポンプ効果)。
この結果、小孔径構造21と大孔径構造22とが連通することで水蒸気の流路が形成される本実施の形態の通気部材20では、例えば孔径が略均一な複数の孔により水蒸気の流路が形成される場合と比較して、通気部材20における水蒸気の透過が促進される。
そして、通気部材20を筐体内8から車両用ランプ1の外部への水蒸気の排出を迅速に行うことが可能になり、車両用ランプ1のレンズ3に曇りが生じることを抑制できる。また、レンズ3に曇りが発生した場合であっても、迅速にレンズ3の曇りを解消することが可能になる。
また、本実施の形態の通気部材20では、図3に示すように、複数の小孔径構造21と大孔径構造22とが連通することで、水蒸気の透過経路が網目状に繋がった状態となっている。これにより、通気部材20には、本構成を採用しない場合と比較して、水蒸気の透過経路がより多く形成されている。この結果、筐体内8からランプ1の外部へ水蒸気がより透過しやすくなっており、筐体内8から車両用ランプ1の外部への水蒸気の排出をより迅速に行うことが可能になる。
〔通気部材の他の形態〕
なお、通気部材20は、小孔径構造21と大孔径構造22とが連通した連泡構造を有する成形体であれば、その形状は図2に示した円盤形状に限られず、通気部材20を取り付ける車両用ランプ1の形状等に応じて適宜選択することができる。例えば、通気部材20の形状を、四角柱等の多角柱形状や球形状等としてもよい。また、通気部材20を支持する支持部材11の形状についても、図2に示した円筒形状に限られず、通気部材20の形状や車両用ランプ1の形状に応じて適宜選択することができる。さらに、通気部材20は、支持部材11等を介さずに、直接、通気開口9に取り付けてもよい。
図4(a)〜図4(b)は、通気部材20の他の形態を示した図であって、図4(a)は、通気部材20の斜視図であり、図4(b)は、図4(a)におけるIVB−IVB断面図である。
図4(a)〜図4(b)に示すように、本実施の形態の通気部材20は、車両用ランプ1の通気開口9等に取り付け可能な取り付け部31と、取り付け部31から突出する複数の山型突起部32とが形成されている。
本実施の形態の通気部材20は、取り付け部31と山型突起部32とを含む通気部材20の全体が、上述した小孔径構造21(図3参照)および大孔径構造22(図3参照)が連通した連泡構造を有する多孔質体から構成されている。
また、本実施の形態の通気部材20は、山型突起部32が形成されることで、表面(図4(b)における上側)および裏面(図4(b)における下側)の双方が、凹凸面となっており、山型突起部32が形成されない場合と比較して、表面積が大きくなっている。
そして、通気部材20は、車両用ランプ1の通気開口9に取り付けられた場合に、車両用ランプ1の筐体内8および車両用ランプ1の外部に、山型突起部32により形成される凹凸面が対向するようになっている。これにより、本実施の形態の通気部材20は、本構成を採用しない場合と比較して、筐体内8からの水蒸気が透過する透過面積を多くすることができる。この結果、通気開口9の大きさが同じ場合であっても、図4(a)〜図4(b)に示した通気部材20を用いることで、車両用ランプ1の筐体内8から車両用ランプ1の外部への水蒸気の透過を促進することができる。これにより、車両用ランプ1のレンズ3の曇りを抑制することができ、また、レンズ3に曇りが生じた場合に、迅速にレンズ3の曇りを解消することが可能になる。
また、図4(a)〜図4(b)に示す通気部材20は、他の部材(上述した支持部材11等;図2参照)を介すことなく、形状として自立性を有する程度の厚みを有している。そして、本実施の形態の通気部材20は、他の部材を介すことなく、取り付け部31を直接、車両用ランプ1の通気開口9等に取り付けることが可能になっている。これにより、本構成を採用しない場合と比較して、車両用ランプ1に用いる部品点数を少なくすることができ、車両用ランプ1の構成を簡素化することができる。
なお、通気部材20の通気開口9への取り付け方法としては、特に限定されず、例えば溶着法やスナップフィット等の嵌め込み法により取り付けてもよく、粘着テープや接着剤等により取り付けてもよい。
〔通気部材の製造方法〕
続いて、通気部材20の製造方法について説明する。なお、以下では、通気部材20の製造方法の一例として、通気部材20を、所謂「抽出法」により製造する方法について説明する。
通気部材20の抽出法による製造方法は、通気部材20を構成する樹脂材料、小孔径構造21および大孔径構造22を形成する気孔形成剤、必要に応じて添加される添加剤を混合する混合工程と、混合工程にて得られた混合生成物を所望の形状に成形加工して成形体を得る成形工程と、成形工程で得られた成形体から気孔形成剤を抽出して小孔径構造21および大孔径構造22を形成し通気部材20を得る抽出工程と、を含む。
(樹脂材料)
通気部材20を構成する材料としては、例えば、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂(ABS樹脂)、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリアセタール等の熱可塑性樹脂を用いることができる。
これらの中でも、強度や耐熱性が高い通気部材20を得ることができるPBTを用いることが好ましい。
(気孔形成剤)
気孔形成剤としては、後述する成形工程における成形温度で溶融し、且つ後述する抽出工程で用いる溶媒に溶解可能な材料を使用することができる。このような気孔形成剤としては、炭素数2〜5程度の多価アルコール、糖類、水溶性アルカリ金属塩、水溶性樹脂等が挙げられる。炭素数2〜5程度の多価アルコールとしては、例えば、ペンタエリスリトール、L−エリスリトール、D−エリスリトール、meso−エリスリトール、ピコナール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール等が挙げられる。糖類としては、例えば、ブドウ糖、果糖、ショ糖、麦芽糖等の単糖もしくは二糖が挙げられる。水溶性アルカリ金属塩としては、例えば、塩化カリウム、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム等が挙げられる。また、水溶性樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等が挙げられる。
上述した気孔形成剤および樹脂材料として選択する材料によって、樹脂材料中における気孔形成剤の分散状態や溶融状態等が異なる。このため、後述する抽出工程により樹脂材料中から気孔形成剤を抽出することで、気孔形成剤および樹脂材料として選択する材料によって、樹脂材料中に異なる大きさの孔が形成されることになる。
本実施の形態では、通気部材20に、孔径の異なる小孔径構造21と大孔径構造22とを形成するために、上述したような気孔形成剤のうち少なくとも2種以上の材料を選択する。
本実施の形態では、上述した気孔形成剤の中でも、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコールから選択される少なくとも一種と、ペンタエリスリトールとを組み合わせて使用することが好ましい。
これらの材料を選択することで、通気部材20の全域に亘って、小孔径構造21と大孔径構造22とが連通した連泡構造を一様に形成することができる。言い換えると、通気部材20において、気孔率のムラが生じることが抑制される。
また、これらの材料は水に溶解可能なため、後述する抽出工程において、溶媒として水を用いることができる。これにより、例えば溶媒として有機溶媒を使用する場合と比較して、洗浄や後処理が容易になり、通気部材20の製造工程を簡素化することができる。
(混合工程)
混合工程では、通気部材20を構成する樹脂材料、気孔形成剤および必要に応じて添加する添加剤を、公知の混合機を用いて混合する。なお、混合工程では、樹脂材料および気孔形成剤として選択する材料により、樹脂材料および気孔形成剤を溶融させない状態で混合してもよく、樹脂材料と気孔形成剤とを溶融した状態で混合(混練)してもよい。
混合工程では、混合機として、例えば、タンブラー混合機、ヘンシェルミキサー、オーブンロール、ニーダー、インテンシブミキサー等を用いることができる。
樹脂材料と気孔形成剤との混合比は、樹脂材料および気孔形成剤として用いる材料によっても異なるが、樹脂材料としてPBTを用い、気孔形成剤として、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコールから選択される少なくとも一種と、ペンタエリスリトールとを用いる場合、PBTを40重量部〜15重量部、ペンタエリスリトールを60重量部〜85重量部、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコールから選択される少なくとも一種を0.25重量部〜3.00重量部の割合で混合することが好ましい。
樹脂材料に対する気孔形成剤の混合量が過度に少ない場合、最終的に得られる通気部材20の気孔率が低くなり、通気部材20において小孔径構造21と大孔径構造22とが連通した連泡構造が少なくなる。この場合、通気部材20において水蒸気が透過しにくくなり、通気部材20を車両用ランプ1に適用した場合に、レンズ3の曇りを解消しにくくなる。
また、樹脂材料に対する気孔形成剤の混合量が過度に多い場合、通気部材20の気孔率が過度に高くなり、通気部材20の強度が低くなるおそれがある。
(成形工程)
成形工程では、混合工程で得られた混合生成物を、所望の形状に成形加工して成形体を得る。成形方法は、特に限定されず、例えば、圧縮成形、トランスファ成形、射出成形、押出成形、注型等の方法を用いることができる。
また、本実施の形態の成形工程では、成形温度は、樹脂材料を成形でき、且つ気孔形成剤の少なくとも一部が溶融して溶融部分が連通する温度に設定する。
ここで、例えば、樹脂材料としてPBTを選択し、気孔形成剤として、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコールから選択される少なくとも一種と、ペンタエリスリトールとを選択した場合、成形工程では、まず混合工程で得られた混合生成物を押出機により押し出した後、冷却切断してペレット化する。続いて、公知の射出成形機を用いて、ペレット化した混合生成物を所望の形状に射出成形し、成形品を得る。
(抽出工程)
抽出工程では、上述した樹脂材料は溶解しないが、気孔形成剤は溶解する溶媒に成形工程で得られた成形品を浸漬し、気孔形成剤を溶媒に溶解させ、溶解せずに残存した樹脂材料中に互いに連通した小孔径構造21および大孔径構造22を形成する。そして、溶媒を乾燥機等で乾燥させることで、小孔径構造21および大孔径構造22を有する通気部材20を得る。
抽出工程で用いる溶媒としては、樹脂材料および気孔形成剤によって異なるが、例えば、水、グリコール、グリコールエーテル、高分子量アルコール、脂肪酸、脂肪酸エステル、グリコールエステル、鉱油、石油、アルコールエトキシレート、ポリオキシエチレンエステル、グリセロール、グリセロールエステル等が挙げられる。
上述したように、気孔形成剤として、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコールから選択される少なくとも一種と、ペンタエリスリトールとを選択した場合、抽出に用いる溶媒としては水を選択することが好ましい。
抽出工程では、上述した溶媒を、例えば60℃〜100℃程度に加熱した状態で、気孔形成剤を抽出することが好ましい。溶媒を加熱することで、気孔形成剤の溶媒への抽出を促進することができ、樹脂材料に気孔形成剤が残存することが抑制される。
(撥水・撥油性処理)
なお、上述したように通気部材20に撥水・撥油性の被膜を設ける場合、続いて、抽出工程で得られた通気部材20に対して、撥水・撥油性処理を行う。
撥水・撥油性処理の方法としては、特に限定されず、例えば、小孔径構造21および大孔径構造22が形成された通気部材20を、撥水・撥油処理剤に浸漬し、その後乾燥する方法や、通気部材20に撥水・撥油処理剤を塗布し、その後乾燥する方法等が挙げられる。撥水・撥油処理剤を塗布する方法としては、例えば、スプレー法、スピンコート法、ドッピング法、ロールコータ法等を用いることができる。
また、撥水・撥油処理剤としては特に限定されず、上述したように、シリコーン系やフッ素系の撥水・撥油処理剤を用いることができる。
ここで、通気部材20の材料として用いる樹脂材料や気孔形成剤の種類によっても異なるが、通気部材20を上述した抽出法のみで作製する場合、通気部材20の厚みt1は、1mm以上であることが好ましい。抽出法により厚みt1が1mm未満の通気部材20を形成する場合、通気部材20の表面において小孔径構造21と大孔径構造22との連泡構造が崩れやすく、筐体内8から車両用ランプ1の外部への水蒸気の排出が不十分になるおそれがある。
なお、この場合、例えば抽出法により作成した通気部材20の表面を磨いたり切断したりすることで、水蒸気の排出が不十分になることを抑制しながら、厚みが1mm未満の通気部材20を形成することができる。
なお、本実施の形態の通気部材20を製造する方法は、上述した方法に限られず、例えば、樹脂材料に発泡剤を混合し発泡させることで小孔径構造21および大孔径構造22を形成してもよい。この場合、例えば発泡剤の種類、発泡剤の添加量、発泡時間、発泡温度等を調整することで、互いに連通した構造を有する小孔径構造21および大孔径構造22を形成することができる。
また、小孔径構造21と大孔径構造22とが連通していない独立気泡型の発泡体を得た後、例えばこの発泡体に機械的変形を加えることで気泡を破壊し、小孔径構造21と大孔径構造22とが連通した連泡構造を有する通気部材20を形成してもよい。
続いて、本発明を実施例に基いて説明する。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
樹脂材料としてPBTを用い、気孔形成剤としてペンタエリスリトールおよびグリセリンを用い、上述した抽出法により、通気部面積(平面面積)が300mm2、厚み1mmの円柱形状の通気部材20を作製した。
得られた通気部材20は、小孔径構造21と大孔径構造22とが連通した連泡構造を有しており、小孔径構造21の孔径(第1孔径D1)が5μmであり、大孔径構造22の孔径(第2孔径D2)が30μmであった。
(実施例2〜4)
通気部材20の厚みを、2mm(実施例2)、5mm(実施例3)、10mm(実施例4)とした以外は実施例1と同様にして、通気部材20を作製した。
(比較例1)
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルムを延伸することにより、厚み0.05mmのPTFE延伸フィルムを得た。得られたPTFE延伸フィルムは、孔径が略均一な複数の孔が形成されており、孔径は10μmであった。
(比較例2)
高分子量ポリエチレン粉末をアルミニウム製の金型に充填し、金型の表面温度が175℃になるまで加熱した後、室温まで冷却し、通気部面積が300mm2、厚み1mmの円柱形状のポリエチレン多孔体を得た。得られたポリエチレン多孔体は、孔径が略均一な複数の孔が形成されており、孔径は10μmであった。
(比較例3)
厚みを2mmとした以外は比較例2と同様にして、ポリエチレン多孔体を得た。
続いて、実施例1〜4および比較例1〜3で得られた通気部材を、以下のように調湿を行った車両用ランプ1に取り付け、曇り晴れ性の評価試験を行った。車両用ランプ1としては、内部容積が6900ccの中型車用ヘッドランプ(現代自動車製2011年式ジェネシス・クーペのヘッドランプ)を用いた。
(調湿)
まず、通気開口9等の全ての開口を開放状態とした車両用ランプ1を、高温乾燥条件(温度:80±2℃、相対湿度(RH):10%)で2時間放置した。続いて、通気開口9等を開放状態としたまま、車両用ランプ1を、常温常圧条件(温度:15℃〜35℃、RH:45%〜75%)で1時間放置した。
その後、通気開口9等を開放状態としたまま、車両用ランプ1を、調湿条件(温度:38℃、RH:70%)で1時間放置し、車両用ランプ1の筐体内8の湿度を調整した。
(曇り晴れ性試験)
上記調湿を行った直後の車両用ランプ1の通気開口9に対し、実施例1〜4および比較例1〜3で得られた通気部材20を、ソケット(支持部材11)を介して取り付けるとともに、通気開口9以外の他の開口を閉じた。そして、車両用ランプ1を20分間点灯した後、消灯した。
その後、内径が19mmのホースを使用して、消灯した状態の車両用ランプ1のレンズ3に3分間注水した。なお、水は水温10±2℃のものを用い、水圧は100±20kPaとなるようにした。また、ホースの先は、車両用ランプ1のレンズ3から10cm離れた状態とし、注水角度を、鉛直方向(水平方向に対して上方に90°)〜水平方向に対して上方へ30°まで変えながら注水を行った。
続いて、車両用ランプ1を10分間点灯した後、レンズ3の曇り状態および筐体内8への水の侵入の有無を観察した。そして、レンズ3が曇っている場合、観察を続け、曇りが解消する(曇りが晴れる)までの時間を計測した。なお、レンズ3の曇りが解消したか否かは、レンズ3を正面側から写真撮影し、写真を目視することにより判断した。
表1に、実施例1〜実施例4および比較例1〜比較例3の試験結果を示す。
Figure 2015207531
表1に示すように、小孔径構造21と大孔径構造22との連泡構造を有する実施例1〜実施例4の通気部材20では、レンズ3の曇りが解消するまでの時間が3分以下であり、レンズ3に曇りが生じた場合に、迅速に曇りを解消することができることが確認された。言い換えると、実施例1〜実施例4の通気部材20では、良好な曇り晴れ性を実現できることが確認された。
また、実施例1〜実施例4の通気部材20では、筐体内8への水(液水)の侵入が見られなかった。すなわち、実施例1〜実施例4の通気部材20では、筐体内8への液水の侵入を抑制しながら、良好な曇り晴れ性を実現できることが確認された。
これに対し、複数の孔の孔径が略均一な多孔質体からなる比較例1〜比較例3の通気部材では、筐体内8へ液水の侵入は抑制できるものの、レンズ3の曇りが解消するまでの時間が8分以上かかっており、実施例1〜実施例4の通気部材20と比較してレンズ3の曇りが解消するまでに長い時間を要することが確認された。
1…車両用ランプ、2…筐体、3…レンズ、8…筐体内、9…通気開口、10…通気ユニット、20…通気部材、21…小孔径構造、22…大孔径構造

Claims (8)

  1. 閉鎖されたランプ筐体内の水蒸気を排出する多孔質体の通気部材であって、
    液水および汚染物質の前記ランプ筐体内への侵入を阻止するとともに、当該ランプ筐体内から外部へ水蒸気を排出するための流路を形成する小孔径構造と、
    前記小孔径構造よりも径が大きく当該小孔径構造と連通して設けられる大孔径構造と
    を有する通気部材。
  2. 前記小孔径構造は、孔径が0.5μm以上50μm以下であることを特徴とする請求項1記載の通気部材。
  3. 前記大孔径構造は、孔径が5μm以上100μm以下であることを特徴とする請求項1記載の通気部材。
  4. 閉鎖された筐体内と外部との間の通気を行う多孔質体の通気部材であって、
    液水および汚染物質の前記筐体内への侵入を阻止するとともに、当該筐体内から外部へ水蒸気を透過させる小孔径構造と、
    前記小孔径構造よりも径が大きい大孔径構造と
    を備え、形状として自立性を有する厚みを有する成形品として形成される通気部材。
  5. 前記通気部材の厚みは、10mm以下であることを特徴とする請求項4記載の通気部材。
  6. 前記通気部材の厚みは、1mm以上であることを特徴とする請求項5記載の通気部材。
  7. 前記通気部材は凹凸成形品であり、当該凹凸により表面積を増加させ、水蒸気の透過面積を広げることを特徴とする請求項5または6記載の通気部材。
  8. 閉鎖されたランプ内の水蒸気を排出するための通気装置であって、
    少なくとも一つの通気開口を有して閉鎖されたランプ筐体と、
    前記通気開口に設けられる通気部材とを備え、
    前記通気部材は、
    孔径が0.5μm以上50μm以下の小孔径構造と、
    前記小孔径構造に連通して設けられ、当該小孔径構造よりも径の大きい大孔径構造と
    を有することを特徴とする通気装置。
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