JP2015206487A - 蒸気システム - Google Patents

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Kazunobu Inoue
一信 井上
大下 悟
Satoru Oshita
悟 大下
和之 大谷
Kazuyuki Otani
和之 大谷
良浩 寒川
Yoshihiro Sagawa
良浩 寒川
田中 直樹
Naoki Tanaka
直樹 田中
恭輔 大熊
Kyosuke Okuma
恭輔 大熊
尚樹 刑部
Naoki Osakabe
尚樹 刑部
恵輔 渡邊
Keisuke Watanabe
恵輔 渡邊
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  • Control Of Steam Boilers And Waste-Gas Boilers (AREA)

Abstract

【課題】より効率よく運転させられる蒸気システムを提供すること。【解決手段】蒸気システム1は、熱源流体を熱源として低圧蒸気を生成する蒸気発生装置10と、蒸気発生装置10に供給される熱源流体の流量を調整する流量調整弁19と、圧縮部21に導入される低圧蒸気の圧力が目標圧力になるように負荷率を制御する負荷率制御部22を具備し低圧蒸気を昇圧する蒸気昇圧装置20と、低圧蒸気供給ライン30と、低圧蒸気供給ライン30を流通する低圧蒸気の圧力を測定する低圧蒸気圧測定部31と、負荷率が100%を下回った場合に蒸気発生装置10に供給される熱源流体の流量が増えるように流量調整弁19を制御し、低圧蒸気の圧力が目標圧力を上回りかつ負荷率が100%である場合に蒸気発生装置10に供給される熱源流体の流量が少なくなるように流量調整弁19を制御する弁制御部52と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、蒸気システムに関する。より詳細には、温水等の熱源流体を熱源として蒸気を生成する蒸気発生装置と、この蒸気発生装置で生成された蒸気を昇圧する蒸気昇圧装置と、を備える蒸気システムに関する。
従来、温水等の熱源流体を熱源として蒸気を生成する蒸気発生装置と、この蒸気発生装置で生成された蒸気を昇圧する蒸気昇圧装置と、を備える蒸気システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このような蒸気システムでは、蒸気発生装置により生成された低圧の蒸気は、蒸気昇圧装置によって昇圧された後、蒸気使用機器に供給される。
特開2008−138924号公報
ところで、このような蒸気システムにおいては、蒸気昇圧装置の駆動状態(負荷率)を、この蒸気昇圧装置に供給される蒸気の圧力に基いて制御することが行われる。より具体的には、蒸気昇圧装置の負荷率は、蒸気昇圧装置に供給される蒸気の圧力(蒸気発生装置から蒸気昇圧装置に蒸気を供給する蒸気供給ラインの蒸気圧)が予め設定された所定の目標圧力となるように制御される。
即ち、低圧蒸気供給ラインの蒸気圧が目標圧力よりも高くなっている場合には、蒸気昇圧装置は、最大負荷率(負荷率100%)で運転される。これにより、蒸気昇圧装置には、上限量の蒸気が吸引されることになり、低圧蒸気供給ラインの蒸気圧は低下していく。尚、蒸気昇圧装置が最大負荷率で駆動した状態においても、低圧蒸気供給ラインの蒸気圧が目標圧力を上回っている場合には、蒸気昇圧装置は最大負荷率で運転を続ける。
一方、低圧蒸気供給ラインの蒸気圧が目標圧力を下回った場合には、蒸気昇圧装置は負荷率を低下させた状態で運転される。これにより、蒸気昇圧装置に吸引される蒸気の量は減少し、低圧蒸気供給ラインの蒸気圧は上昇する。
ここで、蒸気昇圧装置は、エネルギ(電力)を用いて圧縮機を回転させることで低圧の蒸気を昇圧している。そして、この蒸気昇圧装置のエネルギ効率は、圧縮機の回転数が低い(負荷率が低い)程圧縮する蒸気量に比してエネルギの使用量が多くなり、低下する。
そのため、蒸気発生装置により生成される蒸気量が少なく、蒸気昇圧装置の負荷率が低い状態が継続した場合等には、熱源流体からの熱回収を行うことによる省エネルギ効果よりも、蒸気昇圧にかかるエネルギコストが過大となってしまい、蒸気システムを運転させるコストメリットが低下してしまう場合があった。
また、蒸気昇圧装置が最大負荷率で稼動している状態において、低圧蒸気供給ラインの蒸気圧が目標圧力を上回った状態が継続している場合には、蒸気発生装置が過剰に運転され、蒸気生成が過剰となっているといえる。
従って、本発明は、より効率よく運転させられる蒸気システムを提供することを目的とする。
本発明は、熱源流体を熱源として低圧蒸気を生成する蒸気発生装置と、前記蒸気発生装置に供給される熱源流体の流量を調整する流量調整弁と、低圧蒸気を圧縮する圧縮部、及び該圧縮部に導入される低圧蒸気の圧力が設定された目標圧力になるように前記圧縮部の負荷率を制御する負荷率制御部を具備し、前記蒸気発生装置において生成された低圧蒸気を昇圧する蒸気昇圧装置と、前記蒸気発生装置において生成された低圧蒸気を前記蒸気昇圧装置に供給する低圧蒸気供給ラインと、前記低圧蒸気供給ラインを流通する低圧蒸気の圧力を測定する低圧蒸気圧測定部と、前記蒸気昇圧装置の負荷率が100%を下回った場合に前記蒸気発生装置に供給される熱源流体の流量が増えるように前記流量調整弁を制御し、前記低圧蒸気の圧力が前記目標圧力を上回り、かつ、前記負荷率が100%である場合に前記蒸気発生装置に供給される熱源流体の流量が少なくなるように前記流量調整弁を制御する弁制御部と、を備える蒸気システムに関する。
また、蒸気システムは、前記蒸気昇圧装置の負荷率が設定された基準負荷率を下回った場合に、前記蒸気発生装置に熱源流体が供給されないように前記流量調整弁を制御し、前記蒸気発生装置及び前記蒸気昇圧装置の運転を停止させる運転制御部を更に備えることが好ましい。
また、蒸気システムは、前記蒸気発生装置に熱源流体を供給する熱源流体供給ラインと、前記蒸気発生装置から排出された熱源流体が流通する熱源流体排出ラインと、前記熱源流体供給ラインと前記熱源流体排出ラインとを接続し、該熱源流体供給ラインを流通する熱源流体を前記熱源流体排出ラインにバイパスさせるバイパスラインと、を備え、前記流量調整弁は、前記熱源流体供給ライン、前記蒸気発生装置及び前記バイパスラインを接続し、前記蒸気発生装置側に流れる熱源流体の流量及び前記バイパスライン側に流れる熱源流体の流量を調整可能な三方弁により構成されることが好ましい。
本発明によれば、より効率よく蒸気システムを運転させられる。
本発明の一実施形態に係る蒸気システムの構成を示す図である。 本発明の制御の流れを示すフローチャートである。
以下、本発明の蒸気システムの好ましい一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
本実施形態の蒸気システム1は、図1に示すように、蒸気を生成する蒸気発生装置10と、この蒸気発生装置10において生成された蒸気を昇圧する蒸気昇圧装置20と、蒸気発生装置10と蒸気昇圧装置20とを接続する低圧蒸気供給ライン30と、この低圧蒸気供給ライン30を流通する蒸気の圧力(低圧蒸気圧)を測定する低圧蒸気圧測定部としての低圧蒸気圧力センサ31と、蒸気昇圧装置20から吐出される吐出蒸気が流通する蒸気吐出ライン40と、この蒸気吐出ライン40を流通する吐出蒸気の圧力を測定する吐出蒸気圧測定部としての吐出蒸気圧力センサ41と、蒸気システム1の動作を制御する制御部50と、を備える。
蒸気発生装置10は、図1に示すように、ガスエンジン200のジャケット冷却水の排熱等の比較的低温の熱源流体を利用して蒸気を発生させる。この蒸気発生装置10は、タンク部11と、タンク部11の内部に配置されるチューブ12及び噴霧ノズル13と、熱源流体供給ラインとしての温水供給ライン14と、熱源流体排出ラインとしての温水排出ライン15と、噴霧水供給ライン16と、補給水ライン17と、バイパスライン18と、流量調整弁としての三方弁19と、を備える。「ライン」とは、流路、経路、管路等の流体の流通が可能なラインの総称である。
タンク部11は、蒸気発生装置10における本体部分を構成する。タンク部11の内部は負圧もしくは低圧(例えば、−0.05MPaG〜0.1MPaG程度)に維持され、このタンク部11の内部において蒸気が生成される。このタンク部11の上部には、後述の低圧蒸気供給ライン30の基端部が接続される。
また、タンク部11には、安全弁32が設けられる。安全弁32は、タンク部11の内部の圧力が所定の圧力(設定圧力)を超えた場合に、蒸気を外部に放出してタンク部11(蒸気発生装置10)の内部の圧力を低下させる。
チューブ12は、タンク部11の内部に水平方向に延びて配置される。より具体的には、チューブ12は、タンク部11の内部において、水平方向に所定間隔をあけて複数本配置されると共に、高さ方向にも所定間隔をあけて複数本配置される。このチューブ12の内部には、熱源流体としての温水が流通する。
噴霧ノズル13は、タンク部11の内部におけるチューブ12よりも上方に配置される。この噴霧ノズル13は、チューブ12に向けて水を噴霧する。
温水供給ライン14は、チューブ12に熱源となる温水を供給する。温水供給ライン14の上流側は、熱源となる温水を供給するガスエンジン200等に接続される。温水供給ライン14の下流側は、チューブ12の一端部に接続される。
温水排出ライン15は、チューブ12の内部を流通し、熱源として利用された温水を外部に排出する。温水排出ライン15の上流側は、チューブ12の他端部に接続される。温水排出ライン15の下流側は、ガスエンジン200等に接続される。
噴霧水供給ライン16は、タンク部11の下部と噴霧ノズル13とを接続し、タンク部11の下部に貯留された水を、噴霧水として噴霧ノズル13に供給する。噴霧水供給ライン16には、噴霧水ポンプ161が配置されている。
噴霧水ポンプ161は、タンク部11に貯留された水を噴霧ノズル13まで汲み上げる。
補給水ライン17は、タンク部11と水を貯留している貯留槽等(図示せず)とを接続する。補給水ライン17は、タンク部11に補給水を供給する。この補給水ライン17には、補給水ポンプ171が配置される。
補給水ポンプ171は、貯留槽等から供給された水を昇圧してタンク部11の内部に供給する。
バイパスライン18は、温水供給ライン14と温水排出ライン15とを接続する。
三方弁19は、温水供給ライン14とチューブ12との接続部分の近傍に配置され、温水供給ライン14、チューブ12(蒸気発生装置10)及びバイパスライン18を接続する。三方弁19は、温水供給ライン14からチューブ12側に流れる温水の量及びバイパスライン側に流れる温水の流量を調整する。即ち、三方弁19により温水供給ライン14からバイパスライン18への流路を閉止した状態(全開状態)では、温水供給ライン14を流通する温水は、全量チューブ12側に流れる。この状態からバイパスライン18への流路を開くように三方弁19の開度を調整すると、温水供給ライン14を流通する温水の一部は、バイパスライン18側に流れる。また、三方弁19により温水供給ライン14からチューブ12への流路を閉止した状態(全閉状態)では、温水供給ライン14を流通する温水は、全量バイパスライン18側に流れる。このように、三方弁19の開度を調整することで、チューブ12側に流れる温水の流量を調整できる。
以上の蒸気発生装置10によれば、三方弁19により温水供給ライン14からバイパスライン18への流路を閉止した状態では、まず、ガスエンジン200等から熱源となる温水(例えば、約90℃)が、温水供給ライン14を通じてチューブ12に供給される。チューブ12に供給された温水は、タンク部11の内部に配置されたチューブ12に導入される。
一方、タンク部11の内部においては、噴霧ノズル13からチューブ12に向けて、噴霧水が噴霧される。また、タンク部11の内部は、負圧もしくは低圧(例えば、−0.05MPaG〜0.1MPaG程度)に維持されている。これにより、チューブ12を流通する温水は、噴霧水によって熱を奪われて85℃程度まで降温し、温水排出ライン15を通じて排出される。
また、温水が流通するチューブ12には、噴霧ノズル13から80℃程度の水が噴霧されることで、表面に薄い液膜が形成される。このように、タンク部11の内部が負圧に維持された状態において、チューブ12の表面に薄い液膜が形成されることによって、チューブ12の内部を流通する温水と、噴霧ノズル13によって噴霧される水との温度差が比較的小さい場合(例えば、約10℃)であっても効率的に蒸気を生成することが可能になる。
タンク部11の内部で発生した蒸気は、低圧蒸気供給ライン30を通って導出される。
タンク部11の内部で蒸気にならなかった水は、タンク部11の下部に貯留される。タンク部11の下部に貯留された水は、噴霧水供給ライン16を通じて、噴霧水ポンプ161によって噴霧ノズル13まで汲み上げられ、再びチューブ12に噴霧される。
タンク部11に貯留される水が少なくなった場合には、補給水ライン17からタンク部11に補給水が補給される。
また、三方弁19の開度を調整してチューブ12に供給される温水の流量を調整することで、タンク部11の内部で発生する蒸気の量を調整できる。
蒸気昇圧装置20は、蒸気発生装置10において生成された低圧蒸気(例えば、−0.05MPaG〜0.1MPaG)を吸引して圧縮し、昇圧する。この蒸気昇圧装置20は、低圧蒸気を圧縮する圧縮部21と、この圧縮部21の動作を制御する負荷率制御部22と、を備える。
圧縮部21は、例えば、スクリュー式の蒸気圧縮機により構成され、低圧の蒸気を0.4MpaG〜0.8MPaG程度に昇圧する。
負荷率制御部22は、低圧蒸気供給ライン30を流通する蒸気の圧力(圧縮部21に導入される蒸気の圧力)に基いて、圧縮部21の動作(負荷率)を制御する。より具体的には、負荷率制御部22は、低圧蒸気供給ライン30を流通する蒸気の圧力が設定された目標圧力(例えば、0.04MPa〜0.05MPa)となるように、蒸気昇圧装置20の負荷率を制御する。
即ち、低圧蒸気供給ライン30の蒸気圧が目標圧力よりも高くなっている場合には、負荷率制御部22は、負荷率を最大(負荷率100%)にして蒸気昇圧装置20(圧縮部21)を駆動させる。これにより、蒸気昇圧装置20には、上限量の蒸気が吸引されることになり、低圧蒸気供給ライン30の蒸気圧は低下していく傾向にある。尚、蒸気昇圧装置20が100%の負荷率で駆動した状態においても、低圧蒸気供給ライン30の蒸気圧が目標圧力を上回っている場合には、蒸気昇圧装置20は100%の負荷率で稼動を続ける。
一方、低圧蒸気供給ライン30の蒸気圧が、目標圧力を下回った場合には、負荷率制御部22は、蒸気昇圧装置20(圧縮部21)の負荷率を低下させる。これにより、蒸気昇圧装置20に吸引される蒸気の量は減少し、低圧蒸気供給ライン30の蒸気圧は上昇する。
このようにして、低圧蒸気供給ライン30の蒸気圧を目標圧力となるように制御することにより、蒸気発生装置10により蒸気を効率よくかつ安定的に生成させられる。
低圧蒸気供給ライン30は、蒸気発生装置10において生成された低圧蒸気を蒸気昇圧装置20に供給する。
低圧蒸気圧力センサ31は、低圧蒸気供給ライン30の内部における蒸気圧(低圧蒸気の圧力)を測定する。
蒸気吐出ライン40は、基端側が蒸気昇圧装置20に接続される。この蒸気吐出ライン40は、蒸気昇圧装置20において昇圧された後吐出される吐出蒸気を流通させる。蒸気吐出ライン40の先端側は、蒸気使用機器210に接続される。
吐出蒸気圧力センサ41は、蒸気吐出ライン40の内部における蒸気圧(吐出蒸気の圧力)を測定する。
制御部50は、蒸気発生装置10及び蒸気昇圧装置20の動作を制御する。
蒸気昇圧装置20は、エネルギ(電力)を用いてスクリュー式の蒸気圧縮機を回転させることで低圧の蒸気を昇圧している。そして、この蒸気昇圧装置20のエネルギ効率は、蒸気圧縮機の回転数が低い(負荷率が低い)程圧縮する蒸気量に比してエネルギの使用量が多くなり、低下する。
そのため、蒸気発生装置10により生成される蒸気量が少なく、蒸気昇圧装置20の負荷率が低い状態が継続した場合等には、温水からの熱回収を行うことによる省エネルギ効果よりも、蒸気昇圧にかかるエネルギコストが過大となってしまい、蒸気システム1を運転させるコストメリットが低下してしまう場合があった。
また、蒸気昇圧装置20が最大負荷率で稼動している状態において、低圧蒸気供給ライン30の蒸気圧が目標圧力を上回った状態が継続している場合には、蒸気発生装置10が過剰に運転され、蒸気生成が過剰となっているといえる。
そこで、本実施形態では、制御部50を、弁制御部52及び運転制御部53を含んで構成することで、より効率的な蒸気システム1の運転を実現している。
弁制御部52は、蒸気昇圧装置20の負荷率及び低圧蒸気圧力センサ31により測定される低圧蒸気供給ライン30の蒸気の圧力に基いて、三方弁19の開度を制御する。
より具体的には、弁制御部52は、蒸気昇圧装置20の負荷率が100%を下回った場合に、蒸気発生装置10に供給される温水の流量が増えるように三方弁19を制御する。また、弁制御部52は、低圧蒸気圧力センサ31により測定される低圧蒸気の圧力が目標圧力を上回り、かつ、蒸気昇圧装置20の負荷率が100%である場合に蒸気発生装置10に供給される温水の流量が少なくなるように三方弁19を制御する。
これにより、蒸気昇圧装置20の負荷率が低下した場合に、三方弁19におけるチューブ12側の流路の開度を大きくして蒸気発生装置10に供給される温水の流量を増加させることで、蒸気発生装置10における蒸気の生成量を増加させられる。よって、蒸気昇圧装置20に供給される低圧蒸気の量を増加させられるので、蒸気昇圧装置20の負荷率を上昇させられる。また、低圧蒸気の圧力が目標圧力を上回り、かつ、蒸気昇圧装置20の負荷率が100%である場合に、三方弁19におけるチューブ12側の流路の開度を小さくして蒸気発生装置10に供給される温水の流量を減少させることで、過剰な蒸気生成を抑制できる。
運転制御部53は、弁制御部52の制御によっても蒸気昇圧装置20の負荷率が予め設定された基準負荷率(例えば、60%〜100%)に到達しない場合、蒸気システム1の運転を停止させる。
より具体的には、運転制御部53は、蒸気昇圧装置20の負荷率が基準負荷率を下回った場合に、蒸気発生装置10に温水が供給されないように三方弁19を制御する。また、運転制御部53は、蒸気発生装置10及び蒸気昇圧装置20の運転を停止させる。これにより、弁制御部52による制御によっても蒸気昇圧装置20の負荷率が上昇せず、蒸気システム1を運転させることによるコストメリットが低下した場合に蒸気システム1を停止させられる。
尚、基準負荷率は、温水からの熱回収を行うことによる省エネルギ効果よりも、蒸気昇圧にかかるエネルギコストが過大となってしまう境界となる負荷率として設定される。
次に、本実施形態の蒸気システム1の具体的な制御の流れにつき、図2を参照しながら説明する。図2は、本実施形態の蒸気システム1の制御の流れを示すフローチャートである。
ステップST1において、制御部50は、蒸気昇圧装置20が最大負荷率(100%)で運転しているかを判定する。この判定がNOの場合(負荷率が100%でない場合)、処理はステップST2に移る。判定がYESの場合(負荷率が100%の場合)、処理はステップST7に移る。
ステップST2において、制御部50は、三方弁19の開度を取得し、三方弁19におけるチューブ12側への流路が全開となっているかを判定する。この判定がNOの場合(三方弁19が全開でない場合)、処理はステップST3に移る。判定がYESの場合(三方弁19が全開の場合)、処理はステップST4に移る。
ステップST3において、弁制御部52は、三方弁19の開度を所定の開度大きくし、チューブ12側に供給される温水の量を増加させる。その後、処理はステップST1に戻る。
ステップST4において、制御部50(運転制御部53)は、蒸気昇圧装置20の負荷率が予め設定された基準負荷率以下であるかを判定する。この判定がYESの場合(負荷率が基準負荷率以下である場合)、処理はステップST5に移る。判定がNOの場合(負荷率が基準負荷率よりも高い場合)、処理はステップST1に戻る。
ステップST5において、弁制御部52は、三方弁19を全閉として温水のチューブ12側への供給を停止させる。
ステップST6において、運転制御部53は、蒸気発生装置10の運転を停止させる。具体的には、運転制御部53は、噴霧水ポンプ161及び補給水ポンプ171を停止させる。
ステップST7において、運転制御部53は、蒸気昇圧装置20の運転を停止させ、処理を終える。
一方、ステップST2において、YESと判定された場合(負荷率が100%の場合)、ステップST8において、制御部50は、低圧蒸気圧力センサ31により測定される低圧蒸気圧が目標圧力よりも大きいかを判定する。この判定がYESの場合(低圧蒸気圧が目標圧力よりも大きい場合)、処理はステップST9に移る。判定がNOの場合(低圧蒸気圧が目標圧力以下である場合)、処理はステップST1に戻る。
ステップST9において、現状では蒸気発生装置10により過剰に蒸気が生成されているため、弁制御部52は、三方弁19の開度を所定の開度小さくし、チューブ12側に供給される温水の量を減少させる。その後、処理はステップST8に戻る。
以上説明した本実施形態の蒸気システム1によれば、以下のような効果を奏する。
(1)蒸気システム1を、蒸気発生装置10と、蒸気昇圧装置20と、を含んで構成すると共に、蒸気昇圧装置20を、導入される低圧蒸気の圧力が目標圧力になるように負荷率を制御する負荷率制御部22を含んで構成した。また、蒸気システム1を、蒸気発生装置10に供給される温水の流量を調整する三方弁19と、蒸気昇圧装置20の負荷率が100%を下回った場合に蒸気発生装置10に供給される温水の流量が増えるように三方弁19を制御し、低圧蒸気の圧力が目標圧力を上回り、かつ、蒸気昇圧装置20の負荷率が100%である場合に蒸気発生装置10に供給される温水の流量が少なくなるように三方弁19を制御する弁制御部52と、を含んで構成した。これにより、蒸気昇圧装置20の負荷率が低下した場合に、蒸気発生装置10に供給する温水の流量を増加させることで、蒸気発生装置10における蒸気の生成量を増加させられる。よって、蒸気発生装置10で生成される低圧蒸気の圧力を増加させられるので、蒸気昇圧装置20の負荷率を上昇させられ、蒸気昇圧装置20の運転効率を向上させられる。また、低圧蒸気の圧力が目標圧力を上回り、かつ、蒸気昇圧装置20の負荷率が100%である場合に、蒸気発生装置10に供給する温水の流量を減少させることで、蒸気発生装置10の過剰運転を防ぎ、過剰な蒸気生成を抑制できる。その結果、蒸気システム1としての運転効率をより向上させられる。
(2)蒸気システム1を、蒸気昇圧装置20の負荷率が基準負荷率を下回った場合に、蒸気発生装置10に温水が供給されないように三方弁19を制御し、蒸気発生装置10及び蒸気昇圧装置20の運転を停止させる運転制御部53を含んで構成した。これにより、弁制御部52による制御によっても蒸気昇圧装置20の負荷率が上昇せず、蒸気システム1を運転させることによるコストメリットが低下した場合に蒸気システム1を停止させられる。よって、蒸気システム1を効果的に運転させられる。
(3)蒸気システム1を、温水供給ライン14と、温水排出ライン15と、バイパスライン18とを含んで構成し、流量調整弁を、これら3つのラインにつながる三方弁19により構成した。これにより、三方弁19の開度を制御することで、蒸気発生装置10に供給される温水の流量を容易に調整できるので、本発明の蒸気システム1を簡易な構成で実現できる。
以上、本発明の蒸気システム1の好ましい一実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
例えば、本実施形態では、熱源流体として温水を用いたが、これに限らない。即ち、熱源流体として、排ガスや空気等の他の流体を用いてもよい。
また、本実施形態では、流量調整弁を三方弁19により構成したが、これに限らない。即ち、流量調整弁を、複数の弁を組み合わせて構成してもよい。
また、本実施形態では、低圧蒸気圧力センサ31を低圧蒸気供給ライン30に配置して低圧蒸気供給ライン30を流通する蒸気の圧力を測定したが、これに限らない。即ち、低圧蒸気供給ライン30を流通する蒸気の圧力は、蒸気発生装置10(タンク部11)における蒸気の圧力と等しいため、低圧蒸気圧力センサを蒸気発生装置(タンク部)に配置してもよい。
1 蒸気システム
10 蒸気発生装置
14 温水供給ライン(熱源流体供給ライン)
15 温水排出ライン(熱源流体排出ライン)
18 バイパスライン
19 三方弁(流量調整弁)
20 蒸気昇圧装置
21 負荷率制御部
22 圧縮部
30 低圧蒸気供給ライン
31 低圧蒸気圧力センサ(低圧蒸気圧測定部)
50 制御部
52 弁制御部
53 運転制御部

Claims (3)

  1. 熱源流体を熱源として低圧蒸気を生成する蒸気発生装置と、
    前記蒸気発生装置に供給される熱源流体の流量を調整する流量調整弁と、
    低圧蒸気を圧縮する圧縮部、及び該圧縮部に導入される低圧蒸気の圧力が設定された目標圧力になるように前記圧縮部の負荷率を制御する負荷率制御部を具備し、前記蒸気発生装置において生成された低圧蒸気を昇圧する蒸気昇圧装置と、
    前記蒸気発生装置において生成された低圧蒸気を前記蒸気昇圧装置に供給する低圧蒸気供給ラインと、
    前記低圧蒸気供給ラインを流通する低圧蒸気の圧力を測定する低圧蒸気圧測定部と、
    前記蒸気昇圧装置の負荷率が100%を下回った場合に前記蒸気発生装置に供給される熱源流体の流量が増えるように前記流量調整弁を制御し、前記低圧蒸気の圧力が前記目標圧力を上回り、かつ、前記負荷率が100%である場合に前記蒸気発生装置に供給される熱源流体の流量が少なくなるように前記流量調整弁を制御する弁制御部と、を備える蒸気システム。
  2. 前記蒸気昇圧装置の負荷率が設定された基準負荷率を下回った場合に、前記蒸気発生装置に熱源流体が供給されないように前記流量調整弁を制御し、前記蒸気発生装置及び前記蒸気昇圧装置の運転を停止させる運転制御部を更に備える請求項1に記載の蒸気システム。
  3. 前記蒸気発生装置に熱源流体を供給する熱源流体供給ラインと、
    前記蒸気発生装置から排出された熱源流体が流通する熱源流体排出ラインと、
    前記熱源流体供給ラインと前記熱源流体排出ラインとを接続し、該熱源流体供給ラインを流通する熱源流体を前記熱源流体排出ラインにバイパスさせるバイパスラインと、を備え、
    前記流量調整弁は、前記熱源流体供給ライン、前記蒸気発生装置及び前記バイパスラインを接続し、前記蒸気発生装置側に流れる熱源流体の流量及び前記バイパスライン側に流れる熱源流体の流量を調整可能な三方弁により構成される請求項1又は2に記載の蒸気システム。
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