JP6104702B2 - 蒸気生成システム - Google Patents
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Description
一方、蒸気供給ラインで測定される蒸気圧が、目標圧力付近まで低下した場合や、目標圧力を下回った場合には、蒸気昇圧装置は、低い負荷率で駆動される。これにより、蒸気昇圧装置に吸引される蒸気の量は減少し、蒸気供給ラインの蒸気圧は上昇する。
蒸気生成システムでは、蒸気供給ラインの蒸気圧、つまり、蒸気発生装置における蒸気の出口圧力を安定化させることで、蒸気発生装置における蒸気の生成量を安定化させている。
しかしながら、蒸気生成システムの起動時には、蒸気供給ラインの蒸気圧は、定常状態とは異なった挙動を示す。即ち、蒸気生成システムの起動時には、停止していた蒸気発生装置及び蒸気昇圧装置の駆動が開始されることに起因して、蒸気供給ラインの蒸気圧が、定常状態に比して大きく上下する。そして、蒸気供給ラインの蒸気圧が大きく上下してしまうと、目標圧力の設定値によっては、蒸気昇圧装置の負荷率を好適に制御できなくなり、蒸気供給ラインの蒸気圧が過剰に上昇してしまう場合がある。
本実施形態の蒸気生成システム1は、蒸気を生成する蒸気発生装置10と、この蒸気発生装置10において生成された蒸気を昇圧する蒸気昇圧装置20と、蒸気発生装置10と蒸気昇圧装置20とを接続する蒸気供給ライン30と、この蒸気供給ライン30を流通する蒸気の圧力(蒸気圧)を測定する蒸気圧測定部としての圧力センサ40と、この圧力センサ40により測定される蒸気圧に基いて蒸気昇圧装置20の動作を制御する制御部50と、を備える。
また、タンク部11には、安全弁31が設けられる。安全弁31は、タンク部11の内部の圧力が所定の圧力(設定圧力)を超えた場合に、蒸気を外部に放出してタンク部11(蒸気発生装置10)の内部の圧力を低下させる。
温水供給ライン14は、チューブ12に熱源となる温水を供給する。温水供給ライン14の上流側は、熱源となる温水を供給するガスエンジン100等に接続される。温水供給ライン14の下流側は、チューブ25の一端部に接続される。
噴霧水供給ライン16は、タンク部11の下部と噴霧ノズル13とを接続し、タンク部11の下部に貯留された水を、噴霧水として噴霧ノズル13に供給する。噴霧水供給ライン16には、噴霧水ポンプ161が配置されている。
噴霧水ポンプ161は、タンク部11に貯留された水を噴霧ノズル13まで汲み上げる。
補給水ポンプ171は、貯留槽等から供給された水を昇圧してタンク部11の内部に供給する。
一方、タンク部11の内部においては、噴霧ノズル13からチューブ12に向けて、噴霧水が噴霧される。また、タンク部11の内部は、負圧もしくは低圧(例えば、−0.05MPaG〜0.1MPaG程度)に維持されている。これにより、チューブ12を流通する温水は、噴霧水によって熱を奪われて85℃程度まで降温し、温水排出ライン15を通じて排出される。
タンク部11の内部で蒸気にならなかった水は、タンク部11の下部に貯留される。タンク部11の下部に貯留された水は、噴霧水供給ライン16を通じて、噴霧水ポンプ161によって噴霧ノズル13まで汲み上げられ、再びチューブ12に噴霧される。
タンク部11に貯留される水が少なくなった場合には、補給水ライン17からタンク部11に補給水が補給される。
蒸気昇圧装置20により昇圧された蒸気は、圧縮蒸気供給ライン110を介して蒸気使用機器120に供給される。
圧力センサ40は、蒸気供給ライン30の内部における蒸気圧を測定する。
このようにして、蒸気供給ライン30の蒸気圧を所定の範囲に維持させることにより、蒸気発生装置10により蒸気を効率よくかつ安定的に生成させられ、また、蒸気生成システム1を安定的に運転させられる。
蒸気昇圧装置20の負荷率が最大になると、蒸気昇圧装置20に吸引される蒸気の量が増加するため、蒸気供給ライン30の蒸気圧は低下していく。そして、蒸気供給ライン30の蒸気圧が目標圧力Pを下回る(又は目標圧力Pに近づく)と、制御部50は、蒸気供給ライン30の圧力が目標圧力を下回らないように、蒸気昇圧装置20の負荷率を低下させる。すると、蒸気昇圧装置20に吸引される蒸気の量が減少するため、蒸気供給ライン30の蒸気圧の低下はとまり、蒸気圧は再び上昇していく。
即ち、目標圧力Pを高く設定した場合には、蒸気発生装置10の起動時に蒸気供給ライン30の蒸気圧が上昇した後、この蒸気圧が低下すると目標圧力Pを下回る。すると、制御部50は、蒸気供給ライン30の蒸気圧を目標圧力P以上にするために、蒸気昇圧装置20の負荷率を大きく低下させる。これにより、蒸気圧の更なる低下は回避され、蒸気圧は再び上昇する。しかしながら、蒸気圧の低下により、蒸気発生装置10で生成される蒸気の量は増えていくため、生成される蒸気量が増加する一方で蒸気昇圧装置20の負荷率が低下するという事態が生じる。その結果、図2に示すように、蒸気圧が過剰に増加してしまう。そして、蒸気圧が過剰に増加して蒸気発生装置10の安全弁31の設定圧力を超えた場合には、安全弁31から生成された蒸気が外部に放出され、蒸気生成システム1が停止してしまう。
これにより、蒸気発生装置10の起動時に蒸気供給ライン30の蒸気圧が上昇した後、この蒸気圧が低下しても、低下した蒸気圧が目標圧力Pを下回ることを防げる。よって、蒸気発生装置10の起動時に蒸気圧が上下した場合であっても、蒸気昇圧装置20を、負荷率を大きく低下させることなく運転させられる。その結果、蒸気発生装置10の起動時に、蒸気供給ライン30の蒸気圧が過剰に増加することを防げるので、蒸気生成システム1を起動時においても安定的に運転させられる。
10 蒸気発生装置
20 蒸気昇圧装置
30 蒸気供給ライン
40 圧力センサ(蒸気圧測定部)
50 制御部
P 目標圧力
Claims (2)
- 温水を熱源として蒸気を生成する蒸気発生装置と、
前記蒸気発生装置において生成された蒸気を昇圧する蒸気昇圧装置と、
前記蒸気発生装置において生成された蒸気を前記蒸気昇圧装置に供給する蒸気供給ラインと、
前記蒸気供給ラインを流通する蒸気の圧力を測定する蒸気圧測定部と、
前記蒸気圧測定部により測定される蒸気圧が設定された目標圧力を下回らないように前記蒸気昇圧装置の負荷率を制御する制御部と、を備える蒸気生成システムであって、
前記目標圧力を、前記蒸気発生装置の起動時において前記蒸気圧測定部により測定される最低蒸気圧よりも低く設定する蒸気生成システム。 - 前記目標圧力を、前記蒸気発生装置の起動後の運転時においても継続して前記蒸気圧測定部により測定される最低蒸気圧よりも低く設定する請求項1に記載の蒸気生成システム。
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