JP6475564B2 - 蒸気システム - Google Patents

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Description

本発明は、蒸気システムに関する。より詳細には、温水等の熱源流体を熱源として蒸気を生成する蒸気発生装置と、この蒸気発生装置で生成された蒸気を昇圧する蒸気昇圧装置と、を備える蒸気システムに関する。
従来、温水等の熱源流体を熱源として蒸気を生成する蒸気発生装置と、この蒸気発生装置で生成された蒸気を昇圧する蒸気昇圧装置と、を備える蒸気システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このような蒸気システムでは、蒸気発生装置により生成された低圧の蒸気は、蒸気昇圧装置によって昇圧された後、蒸気使用機器に供給される。
特開2008−138924号公報
ここで、蒸気昇圧装置には、昇圧する低圧の蒸気として好ましい所定の圧力範囲が設定されている。そのため、蒸気発生装置と蒸気昇圧装置とを含んで蒸気システムを構成する場合、蒸気発生装置から蒸気昇圧装置に供給される蒸気の圧力を、設定された圧力範囲となるように制御することが求められる。供給される蒸気の圧力が設定された圧力範囲を外れた状態で蒸気昇圧装置が運転されると、蒸気昇圧装置に過剰な負荷がかかり、装置の寿命に悪影響を与えてしまう。
蒸気昇圧装置に供給される蒸気の圧力を設定された圧力範囲となるようにする制御は、蒸気システムの通常運転時(定常時)だけでなく、蒸気システムの起動時や停止時等の非定常時にも求められる。
従って、本発明は、起動時にも蒸気昇圧装置に安定して蒸気を供給できる蒸気システムを提供することを目的とする。
本発明は、熱源流体を熱源とし、給水を循環させて熱源に噴霧することで蒸発させて低圧蒸気を生成する蒸気発生装置と、前記蒸気発生装置に供給される熱源流体の流量を調整する流量調整弁と、前記蒸気発生装置において生成された低圧蒸気を昇圧する蒸気昇圧装置と、前記蒸気発生装置において生成された低圧蒸気を前記蒸気昇圧装置に供給する低圧蒸気供給ラインと、前記低圧蒸気供給ラインを流通する低圧蒸気の圧力を測定する低圧蒸気圧測定部と、前記蒸気発生装置の水位を測定する水位測定部と、起動時における前記蒸気発生装置及び前記蒸気昇圧装置の動作を制御する起動時制御部と、を備える蒸気システムであって、前記起動時制御部は、前記蒸気発生装置を起動させる第1起動指示部と、前記第1起動指示部により前記蒸気発生装置が起動された場合に、前記水位測定部により測定される前記蒸気発生装置の水位が予め設定された第1水位範囲に含まれるように該蒸気発生装置の水位を制御する起動時水位制御部と、前記蒸気発生装置の水位が前記第1水位範囲に含まれた場合に、前記給水の熱源への噴霧を開始させる噴霧開始制御部と、前記噴霧開始制御部により前記給水の熱源への噴霧が開始された場合に、前記低圧蒸気圧測定部により測定される低圧蒸気の圧力が予め設定された起動時目標圧力となるように前記流量調整弁を制御する起動時弁制御部と、起動時弁制御部による前記流量調整弁の制御が開始された場合に、前記低圧蒸気の圧力が前記起動時目標圧力よりも低い第1基準圧力以上であるかを判定する第1圧力判定部と、前記第1圧力判定部により低圧蒸気の圧力が前記第1基準圧力以上であると判定された場合に、前記蒸気昇圧装置の運転を開始させる第2起動指示部と、を備える蒸気システムに関する。
また、前記起動時制御部は、前記第2起動指示部により前記蒸気昇圧装置の運転が開始された場合に、該蒸気昇圧装置の負荷率が第1基準負荷率以上であるかを判定する起動時負荷率判定部を更に備え、前記起動時弁制御部は、前記起動時負荷率判定部により前記蒸気昇圧装置の負荷率が前記第1基準負荷率以上であると判定された場合に、前記低圧蒸気圧測定部により測定される低圧蒸気の圧力が前記起動時目標圧力よりも高い定常時目標圧力となるように前記流量調整弁を制御することが好ましい。
また、蒸気システムは、前記蒸気発生装置の内部の給水を排出する給水排出ラインと、前記給水排出ラインに配置されるブロー弁と、を更に備え、前記起動時水位制御部は、前記蒸気発生装置の水位が前記第1水位範囲に含まれる起動時目標水位以上であるかを判定する水位判定部と、前記水位判定部により前記蒸気発生装置の水位が前記第1目標水位以上であると判定された場合に、前記低圧蒸気圧測定部により測定される低圧蒸気の圧力が前記起動時目標圧力よりも高い第2基準圧力未満であるか否かを判定する第2圧力判定部と、前記第2圧力判定部により、低圧蒸気の圧力が前記第2基準圧力未満であると判定された場合に前記給水の熱源への噴霧を開始させ、所定時間経過後に前記ブロー弁を開放する第1ブロー制御部と、前記第2圧力判定部により、低圧蒸気の圧力が前記第2基準圧力未満であると判定されなかった場合に、前記給水の熱源への噴霧を開始させることなく前記ブロー弁を開放する第2ブロー制御部と、を備えることが好ましい。
本発明の蒸気システムによれば、起動時にも蒸気昇圧装置に安定して蒸気を供給できる。
本発明の一実施形態に係る蒸気システムの構成を示す図である。 制御装置の構成を示す機能ブロック図である。 本発明の蒸気システムの起動時における制御の流れを示すフローチャートである。 起動時水位制御部による初期水位制御の流れを示すフローチャートである。
以下、本発明の蒸気システムの好ましい一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
本実施形態の蒸気システム1は、図1に示すように、蒸気を生成する蒸気発生装置10と、この蒸気発生装置10において生成された蒸気を昇圧する蒸気昇圧装置20と、蒸気発生装置10と蒸気昇圧装置20とを接続する低圧蒸気供給ライン30と、この低圧蒸気供給ライン30を流通する蒸気の圧力(低圧蒸気圧)を測定する低圧蒸気圧測定部としての低圧蒸気圧力センサ31と、蒸気昇圧装置20から吐出される吐出蒸気が流通する蒸気吐出ライン40と、この蒸気吐出ライン40を流通する吐出蒸気の圧力を測定する吐出蒸気圧力センサ41と、蒸気システム1の動作を制御する制御装置5と、を備える。
蒸気発生装置10は、図1に示すように、ガスエンジン200のジャケット冷却水の排熱等の比較的低温の熱源流体を利用して水(給水)を加熱して蒸気を発生させる。この蒸気発生装置10は、タンク部11と、タンク部11の内部に配置されるチューブ12及び噴霧ノズル13と、温水供給ライン14と、温水排出ライン15と、噴霧水供給ライン16と、補給水ライン17と、バイパスライン18と、流量調整弁としての三方弁19と、給水排出ライン23と、給水温度センサ111と、水位センサ112と、を備える。「ライン」とは、流路、経路、管路等の流体の流通が可能なラインの総称である。
タンク部11は、蒸気発生装置10における本体部分を構成する。タンク部11の内部は負圧もしくは低圧(例えば、−0.05MPaG〜0.1MPaG程度)に維持され、このタンク部11の内部において蒸気が生成される。このタンク部11の上部には、後述の低圧蒸気供給ライン30の基端部が接続される。
また、タンク部11には、安全弁32が設けられる。安全弁32は、タンク部11の内部の圧力が所定の圧力(設定圧力)を超えた場合に、蒸気を外部に放出してタンク部11(蒸気発生装置10)の内部の圧力を低下させる。
チューブ12は、タンク部11の内部に水平方向に延びて配置される。より具体的には、チューブ12は、タンク部11の内部において、水平方向に所定間隔をあけて複数本配置されると共に、高さ方向にも所定間隔をあけて複数本配置される。このチューブ12の内部には、熱源流体としての温水が流通する。
噴霧ノズル13は、タンク部11の内部におけるチューブ12よりも上方に配置される。この噴霧ノズル13は、チューブ12に向けて給水を噴霧する。
温水供給ライン14は、チューブ12に熱源となる温水を供給する。温水供給ライン14の上流側は、熱源となる温水を供給するガスエンジン200等に接続される。温水供給ライン14の下流側は、チューブ12の一端部に接続される。
温水排出ライン15は、チューブ12の内部を流通し、熱源として利用された温水を外部に排出する。温水排出ライン15の上流側は、チューブ12の他端部に接続される。温水排出ライン15の下流側は、ガスエンジン200等に接続される。
噴霧水供給ライン16は、タンク部11の下部と噴霧ノズル13とを接続し、タンク部11の下部に貯留された給水を、噴霧水として噴霧ノズル13に供給する。噴霧水供給ライン16には、噴霧水ポンプ161が配置されている。
噴霧水ポンプ161は、タンク部11に貯留された水を噴霧ノズル13まで汲み上げる。
補給水ライン17は、タンク部11と水を貯留している貯留槽等(図示せず)とを接続する。補給水ライン17は、タンク部11に補給水を供給する。この補給水ライン17には、補給水ポンプ171が配置される。
補給水ポンプ171は、貯留槽等から供給された水を昇圧してタンク部11の内部に供給する。
バイパスライン18は、温水供給ライン14と温水排出ライン15とを接続する。
三方弁19は、温水供給ライン14とチューブ12との接続部分の近傍に配置され、温水供給ライン14、チューブ12(蒸気発生装置10)及びバイパスライン18を接続する。三方弁19は、温水供給ライン14からチューブ12側に流れる温水の量及びバイパスライン18側に流れる温水の流量を調整する。即ち、三方弁19により温水供給ライン14からバイパスライン18への流路を閉止した状態(全開状態)では、温水供給ライン14を流通する温水は、全量チューブ12側に流れる。この状態からバイパスライン18への流路を開くように三方弁19の開度を調整すると、温水供給ライン14を流通する温水の一部は、バイパスライン18側に流れる。また、三方弁19により温水供給ライン14からチューブ12への流路を閉止した状態(全閉状態)では、温水供給ライン14を流通する温水は、全量バイパスライン18側に流れる。このように、三方弁19の開度を調整することで、チューブ12側に流れる温水の流量を調整できる。
給水排出ライン23は、タンク部11の内部に貯留されている給水を排出する。給水排出ライン23には、ブロー弁231が配置される。ブロー弁231は、給水排出ライン23の流路を開閉させる。本実施形態では、給水排出ライン23は、噴霧水供給ライン16における噴霧水ポンプ161よりも下流側において噴霧水供給ライン16から分岐するように設けられる。
給水温度センサ111は、タンク部11の内部に貯留されている給水の温度を測定する。
水位センサ112は、タンク部11の内部に貯留されている給水の水位を測定する。水位センサ112は、例えば、高水位(H)、中水位(M)、低水位(L)等の複数のタンク部11の水位をそれぞれ検出可能な複数の電極棒(図示)を含んで構成される。
以上の蒸気発生装置10によれば、三方弁19により温水供給ライン14からバイパスライン18への流路を閉止した状態では、まず、ガスエンジン200等から熱源となる温水(例えば、約90℃)が、温水供給ライン14を通じてチューブ12に供給される。チューブ12に供給された温水は、タンク部11の内部に配置されたチューブ12に導入される。
一方、タンク部11の内部においては、噴霧ノズル13からチューブ12に向けて、噴霧水が噴霧される。また、タンク部11の内部は、負圧もしくは低圧(例えば、−0.05MPaG〜0.1MPaG程度)に維持されている。これにより、チューブ12を流通する温水は、噴霧水によって熱を奪われて例えば85℃程度まで降温し、温水排出ライン15を通じて排出される。
また、温水が流通するチューブ12には、噴霧ノズル13から例えば80℃程度の水が噴霧されることで、表面に薄い液膜が形成される。このように、タンク部11の内部が負圧に維持された状態において、チューブ12の表面に薄い液膜が形成されることによって、チューブ12の内部を流通する温水と、噴霧ノズル13によって噴霧される水との温度差が比較的小さい場合(例えば、約10℃)であっても効率的に蒸気を生成することが可能になる。
タンク部11の内部で発生した蒸気は、低圧蒸気供給ライン30を通って導出される。
タンク部11の内部で蒸気にならなかった水は、タンク部11の下部に貯留される。タンク部11の下部に貯留された水は、噴霧水供給ライン16を通じて、噴霧水ポンプ161によって噴霧ノズル13まで汲み上げられ、再びチューブ12に噴霧される。
タンク部11に貯留される水が少なくなった場合には、補給水ライン17からタンク部11に補給水が補給される。
タンク部11に貯留される水が多くなった場合や、水の水質が悪化した場合等には、給水排出ライン23のブロー弁231を開放することで、タンク部11に貯留された水が排出される。
また、三方弁19の開度を調整してチューブ12に供給される温水の流量を調整することで、タンク部11の内部で発生する蒸気の量を調整できる。
蒸気昇圧装置20は、蒸気発生装置10において生成された低圧蒸気(例えば、−0.05MPaG〜0.1MPaG)を吸引して圧縮し、昇圧する。この蒸気昇圧装置20は、低圧の蒸気を圧縮する圧縮部21と、この圧縮部21の動作を制御する圧縮制御部22と、を備える。
圧縮部21は、例えば、スクリュー式の蒸気圧縮機により構成され、低圧の蒸気を0.4MpaG〜0.8MPaG程度に昇圧する。
圧縮制御部22は、低圧蒸気供給ライン30を流通する蒸気の圧力(圧縮部21に導入される低圧蒸気の圧力)に基いて、圧縮部21の動作(負荷率)を制御する。より具体的には、圧縮制御部22は、圧縮部21に導入される低圧蒸気の圧力が設定された目標圧力(例えば、0.04MPa〜0.05MPa)となるように、蒸気昇圧装置20の負荷率を制御する。
即ち、低圧蒸気供給ライン30の蒸気圧が目標圧力よりも高くなっている場合には、圧縮制御部22は、負荷率を最大(負荷率100%)にして蒸気昇圧装置20を駆動させる。これにより、蒸気昇圧装置20には、上限量の蒸気が吸引されることになり、低圧蒸気供給ライン30の蒸気圧は低下していく傾向にある。尚、蒸気昇圧装置20が100%の負荷率で運転した状態においても、低圧蒸気供給ライン30の蒸気圧が目標圧力を上回っている場合には、蒸気昇圧装置20は100%の負荷率で稼動を続ける。
一方、低圧蒸気供給ライン30の蒸気圧が、目標圧力を下回った場合には、圧縮制御部22は、蒸気昇圧装置20の負荷率を低下させる。これにより、蒸気昇圧装置20に吸引される蒸気の量は減少し、低圧蒸気供給ライン30の蒸気圧は上昇する。
このようにして、低圧蒸気供給ライン30の蒸気圧を目標圧力となるように制御することにより、蒸気発生装置10により蒸気を効率よくかつ安定的に生成させられる。
低圧蒸気供給ライン30は、蒸気発生装置10において生成された低圧蒸気を蒸気昇圧装置20に供給する。
低圧蒸気圧力センサ31は、低圧蒸気供給ライン30の内部における蒸気圧(低圧蒸気の圧力)を測定する。
蒸気吐出ライン40は、基端側が蒸気昇圧装置20に接続される。この蒸気吐出ライン40は、蒸気昇圧装置20において昇圧された後吐出される吐出蒸気を流通させる。蒸気吐出ライン40の先端側は、蒸気使用機器210に接続される。
吐出蒸気圧力センサ41は、蒸気吐出ライン40の内部における蒸気圧(吐出蒸気の圧力)を測定する。
制御装置5は、蒸気発生装置10及び蒸気昇圧装置20の動作を制御する。図2は、制御装置5の構成を示す機能ブロック図である。
本実施形態では、制御装置5は、蒸気システム1の起動時における蒸気発生装置10及び蒸気昇圧装置20の動作を制御する起動時制御部50と、起動時制御部50により蒸気システム1が所定の状態に到達した状態(定常状態)において蒸気発生装置10の動作を制御する弁制御部62と、を備える。
起動時制御部50は、図2に示すように、第1起動指示部51と、起動時水位制御部52と、噴霧開始制御部53と、起動時弁制御部54と、第1圧力判定部55と、第2起動指示部56と、起動時負荷率判定部57と、を備える。
第1起動指示部51は、停止状態にある蒸気システム1の運転スイッチがONにされた場合に蒸気発生装置10及び蒸気昇圧装置20を起動させる。ここで、蒸気発生装置10及び蒸気昇圧装置20を起動させるとは、蒸気発生装置10及び蒸気昇圧装置20を制御装置5により制御可能な状態にすることをいう。
起動時水位制御部52は、蒸気システム1の運転スイッチがONにされた場合に、蒸気発生装置10の初期水位制御を行う。具体的には、起動時水位制御部52は、第1起動指示部51により蒸気発生装置10が起動された場合に、水位センサ112により測定される蒸気発生装置10(タンク部11)の水位が予め設定された第1目標水位を含む第1水位範囲に含まれるように蒸気発生装置10の水位を制御する。第1目標水位は、例えば、タンク部11に十分な給水が貯留された状態を示す水位H(高水位)として設定される。また、第1水位範囲は、第1目標水位(例えば、水位H)を中心とする所定の幅を持った範囲として設定される。
以上の初期水位制御を実現するために、起動時水位制御部52は、水位判定部521と、第2圧力判定部522と、第1ブロー制御部523と、第2ブロー制御部524と、を備える。
水位判定部521は、第1起動指示部51により蒸気発生装置10が起動された後、所定の条件が満たされると、蒸気発生装置10の水位が起動時目標水位(例えば、水位H)以上であるかを判定する。
第2圧力判定部522は、水位判定部521により蒸気発生装置10の水位が起動時目標水位以上であると判定された場合に、低圧蒸気圧力センサ31により測定される低圧蒸気の圧力が後述する起動時目標圧力P4よりも高く設定された第2基準圧力P2(例えば、50kPa)未満であるか否かを判定する。
第1ブロー制御部523は、第2圧力判定部522により、低圧蒸気の圧力が第2基準圧力P2未満であると判定された場合に噴霧水ポンプ161を運転させて給水のチューブ12への噴霧を開始させ、所定時間(例えば、10秒)経過後にブロー弁231を開放する。即ち、第2圧力判定部522により低圧蒸気の圧力が第2基準圧力P2未満である場合には、初期水位制御を行っている間に噴霧水ポンプ161を運転させる。これにより、給水のチューブ12への噴霧が開始されて蒸気が生成され、タンク部11の内部の低圧蒸気の圧力が上昇する。
また、ブロー弁231を開放することで、蒸気発生装置10の水位を低下させる。
第2ブロー制御部524は、第2圧力判定部522により、低圧蒸気の圧力が第2基準圧力P2未満であると判定されなかった場合(つまり、低圧蒸気の圧力が第2基準圧力P2以上であった場合)に、給水のチューブ12への噴霧を開始させることなくブロー弁231を開放する。即ち、第2圧力判定部522により低圧蒸気の圧力が第2基準圧力P2以上である場合には、これ以上タンク部11の内部の低圧蒸気の圧力を上昇させる必要はなく、また、蒸気昇圧装置20の運転開始前に蒸気発生装置10の低圧蒸気の圧力が上昇しすぎることは、蒸気システム1の安定的な運転を阻害する。そこで、第2圧力判定部522により、低圧蒸気の圧力が第2基準圧力P2以上であると判定された場合には、給水のチューブ12への噴霧を開始させることなくブロー弁231を開放する。これにより、初期給水制御中にタンク部11の内部の圧力をこれ以上上昇させることなく、蒸気発生装置10の水位を低下させられる。
第1ブロー制御部523又は第2ブロー制御部524によりブロー弁231が開放された場合、起動時水位制御部52は、蒸気発生装置10の水位が起動時目標水位未満となったかを判定する。そして、蒸気発生装置10の水位が起動時目標水位未満になったと判定されると、ブロー弁231を閉止させ、また、噴霧水ポンプ161が運転されている場合には、噴霧水ポンプ161の運転を停止させる。これにより、蒸気発生装置10の水位は、第1水位範囲内に収束する。
一方、水位判定部521により蒸気発生装置10の水位が起動時目標水位以上でない(起動時目標水位未満である)と判定された場合、起動時水位制御部52は、補給水ポンプ171を運転させて補給水ライン17からタンク部11に補給水を供給する。
その後、起動時水位制御部52は、蒸気発生装置10の水位が起動時目標水位以上となったかを判定し、蒸気発生装置10の水位が起動時目標水位以上となったと判定されると、補給水ポンプ171の運転を停止させる。これにより、蒸気発生装置10の水位は、第1水位範囲に収束する。
噴霧開始制御部53は、起動時水位制御部52による初期水位制御が行われて蒸気発生装置10の水位が第1水位範囲に含まれた場合に、噴霧水ポンプ161の運転を開始させて給水の熱源(チューブ12)への噴霧を開始させる。これにより、チューブ12の内部の温水と噴霧水との間で熱交換が行われ、低圧蒸気の生成が開始される。
起動時弁制御部54は、噴霧開始制御部53により給水の熱源への噴霧が開始された場合に、低圧蒸気圧力センサ31により測定される低圧蒸気の圧力が予め設定された起動時目標圧力P4(例えば、30kPa)となるように三方弁19の開度を制御する。これにより、蒸気発生装置10の起動時(つまり、蒸気昇圧装置20の運転が開始される前)に、低圧蒸気の圧力を適切な範囲に制御できる。
第1圧力判定部55は、起動時弁制御部54による三方弁19の制御が開始された場合に、低圧蒸気の圧力が起動時目標圧力よりも低い第1基準圧力P1(例えば、20kPa)以上であるか否かを判定する。
第2起動指示部56は、第1圧力判定部55により低圧蒸気の圧力が第1基準圧力P1以上であると判定された場合に、蒸気昇圧装置20の運転を開始させる。これにより、三方弁19により低圧蒸気の圧力が起動時目標圧力P4となるように制御された状態において、低圧蒸気の圧力が第1基準圧力P1以上の場合に蒸気昇圧装置20の運転を開始させられる。よって、蒸気昇圧装置20に供給する低圧蒸気の圧力を好適な範囲に保った状態で蒸気昇圧装置20の運転を開始させられる。
起動時負荷率判定部57は、第2起動指示部56により蒸気昇圧装置20の運転が開始された場合に、蒸気昇圧装置20の負荷率が予め設定された基準負荷率(例えば、10%)以上であるかを判定する。即ち、起動時負荷率判定部57は、蒸気昇圧装置20の運転が開始され、負荷率が順調に上昇しているかを判定する。
そして、起動時負荷率判定部57により蒸気昇圧装置20の負荷率が基準負荷率以上であると判定された場合、上述の起動時弁制御部54は、低圧蒸気圧力センサ31により測定される低圧蒸気の圧力が起動時目標圧力P4よりも高い定常時目標圧力P5(例えば、50kPa)となるように三方弁19を制御する(目標圧力を、起動時目標圧力P4から定常時目標圧力P5に切り替える)。言い換えれば、起動時負荷率判定部57により蒸気昇圧装置20の負荷率が基準負荷率以上であると判定された場合、制御装置5は、起動時制御部50による起動時制御を終了させ、弁制御部62による三方弁19の制御を開始させる。
弁制御部62は、起動時制御部50により起動された後の蒸気システム1の定常状態における動作を制御する。
弁制御部62は、上述のように、低圧蒸気圧力センサ31により測定される低圧蒸気の圧力が起動時目標圧力P4よりも高い定常時目標圧力P5(例えば、50kPa)となるように三方弁19を制御する。より具体的には、弁制御部62は、例えば、低圧蒸気圧力センサ31により測定された低圧蒸気の圧力が定常時目標圧力P5を下回った場合には、三方弁19の開度が大きくなるような開度値を算出し、定常時目標圧力P5を上回った場合には、三方弁19の開度が小さくなるような開度値を算出する。
尚、ここで、三方弁19の開度を大きくするとは、チューブ12側に流通する温水の量が増加するように三方弁19の開度を調整することをいう。また、三方弁19の開度を小さくするとは、チューブ12側に流通する温水の量が減少するように三方弁19の開度を調整することをいう。
以上の弁制御部62によれば、例えば、温水の温度が上昇して蒸気発生装置10による蒸気の生成量が増加し低圧蒸気圧力センサ31により測定される低圧蒸気の圧力が上昇し定常時目標圧力P5を上回ると、バイパスライン18に流通する温水の量が増加するように三方弁19が制御される。これにより、チューブ12に供給される温水の量が減少することで、蒸気発生装置10において生成される蒸気の量が減少し、低圧蒸気圧力センサ31により測定される低圧蒸気の圧力も低下する。
一方、温水の温度が低下して蒸気発生装置10による蒸気の生成量が減少し低圧蒸気圧力センサ31により測定される低圧蒸気の圧力が低下し定常時目標圧力P5を下回ると、チューブ12側に流通する温水の量が増加するように三方弁19が制御される。これにより、チューブ12に供給される温水の量が増加することで、蒸気発生装置10において生成される蒸気の量が増加し、低圧蒸気圧力センサ31により測定される低圧蒸気の圧力も上昇する。
このように、低圧蒸気の圧力に応じて三方弁19の開度を調整してチューブ12(蒸気発生装置10)に供給される温水の量を制御することで、低圧蒸気の量を調整し、低圧蒸気圧力センサ31により測定される低圧蒸気の圧力を安定化させられる。その結果、蒸気昇圧装置20を安定的に好適な負荷率で運転させられ、蒸気システム1の運転効率を向上させられる。
次に、本実施形態の蒸気システム1の具体的な制御の流れにつき、図3及び図4を参照しながら説明する。図3は、本実施形態の蒸気システム1の起動時における制御の流れを示すフローチャートである。
図3に示すように、蒸気システム1の電源がONにされ、蒸気発生装置10及び蒸気昇圧装置20の運転スイッチがONにされると、ステップST1において、第1起動指示部51は、蒸気発生装置10及び蒸気昇圧装置20を起動させる。
ステップST2において、起動時制御部50は、蒸気システム1の運転停止時間が所定時間T1(例えば、15秒)以上であったかを判定する。この判定がYESの場合、処理はステップST3に移る。判定がNOの場合、処理を所定の時間が経過するまで待機させた後、処理はステップST2に戻る。
ステップST3において、起動時制御部50は、ガスエンジン200の運転開始から所定時間T2(例えば、60秒)が経過したかを判定する。この判定がYESの場合、処理はステップST4に移る。判定がNOの場合、処理はステップST2に戻る。
ステップST4において、起動時制御部50は、蒸気発生装置10(チューブ12)に導入される温水の温度が予め設定された第1基準温度Q1(例えば、115℃)以上であるかを判定する。この判定がYESの場合、処理はステップST5に移る。判定がNOの場合、処理はステップST2に戻る。
ステップST5において、起動時制御部50は、吐出蒸気圧力センサ41により測定される吐出蒸気の圧力が所定圧力P3(例えば、600kPa)未満であるかを判定する。この判定がYESの場合、処理はステップST6に移る。判定がNOの場合、処理はステップST2に戻る。
ステップST6において、起動時水位制御部52は、蒸気発生装置10の水位が第1水位範囲となるように初期水位制御を行う。初期水位制御の詳細については、後述する。
ステップST7において、噴霧開始制御部53は、噴霧水ポンプ161の運転を開始させ、噴霧ノズル13からチューブ12への給水の噴霧を開始させる。
ステップST8において、起動時弁制御部54は、低圧蒸気圧力センサ31により測定される低圧蒸気の圧力が予め設定された起動時目標圧力P4(例えば、30kPa)となるように三方弁19の開度を制御する。
ステップST9において、第1圧力判定部55は、低圧蒸気圧力センサ31により測定される低圧の蒸気の圧力が第1基準圧力P1(例えば、20kPa)以上であるかを判定する。この判定がNOの場合、処理はステップST10に移る。判定がYESの場合、処理はステップST13に移る。
ステップST10において、起動時制御部50は、給水温度センサ111により測定される給水の温度(即ち、噴霧水の温度)が予め設定された第2基準温度Q2(例えば、100℃)以上であるか否かを判定する。この判定がYESの場合、処理はステップST11に移る。判定がNOの場合、処理はステップST10を繰り返す。
ステップST11において、起動時制御部50は、低圧蒸気圧力センサ31により測定される低圧蒸気の圧力が第1基準圧力P1以上であるか否かを判定する。この判定がYESの場合、処理はステップST12に移る。判定がNOの場合、処理はステップST10に戻る。
ステップST12において、起動時制御部50は、水位センサ112により測定される蒸気発生装置10の水位が予め設定された起動時下限水位L(例えば、第1水位範囲よりも低い水位である低水位L)以上であるかを判定する。この判定がYESの場合、処理はステップST13に移る。判定がNOの場合、処理はステップST10に戻る。
ステップST13において、第2起動指示部56は、蒸気昇圧装置20の運転を開始させる。
ステップST14において、起動時制御部50は、蒸気昇圧装置20に運転確認信号を送信し、蒸気昇圧装置20からの運転応答信号を受信したか否かを判定する。この判定がYESの場合、処理はステップST15に移る。判定がNOの場合、ステップST14の処理を繰り返す。
ステップST15において、起動時制御部50は、蒸気昇圧装置20において圧縮制御部22から圧縮部21への運転状況信号が送信されているか否かを判定する。この判定がYESの場合、処理はステップST16に移る。判定がNOの場合、ステップST15の処理を繰り返す。
ステップST16において、起動時負荷率判定部57は、蒸気昇圧装置20の負荷率が基準負荷率(例えば、10%)以上であるか否かを判定する。この判定がYESの場合、処理はステップST17に移る。判定がNOの場合、ステップST16の処理を繰り返す。
ステップST17において、起動時弁制御部54は、三方弁19の開度制御を行う目標圧力を起動時目標圧力P4から定常時目標圧力P5に切り替え、処理を終了する。
次に、起動時水位制御部52による初期水位制御の流れにつき、図4を参照しながら説明する。図4は、起動時水位制御部52による初期水位制御の流れを示すフロー図である。
ステップST61において、水位判定部521は、水位センサ112により測定される蒸気発生装置10の水位が第1目標水位H(例えば、水位H)以上であるかを判定する。この判定がYESの場合、処理はステップST62に移る。判定がNOの場合、処理はステップST67に移る。
ステップST62において、第2圧力判定部522は、低圧蒸気圧力センサ31により測定される低圧蒸気の圧力が第2基準圧力P2(例えば、50kPa)未満であるか否かを判定する。この判定がYESの場合、処理はステップST63に移る。判定がNOの場合、処理はステップST64に移る。
ステップST63において、第1ブロー制御部523は、噴霧水ポンプ161を運転させて給水のチューブ12への噴霧を開始させ、処理はステップST64に移る。
ステップST64において、第1ブロー制御部523又は第2ブロー制御部524は、ブロー弁231を開放し、処理はステップST65に移る。
ステップST65において、起動時水位制御部52は、水位センサ112により測定される蒸気発生装置10の水位が第1目標水位H未満かを判定する。この判定がYESの場合、処理はステップST66に移る。判定がNOの場合、処理はステップST65を繰り返す。
ステップST66において、起動時水位制御部52は、ブロー弁231を閉止させ、また、噴霧水ポンプ161が運転されている場合には、噴霧水ポンプ161の運転を停止させる。そして、処理を終了する。
一方、ステップST61においてNOと判定された場合、ステップST67において、起動時水位制御部52は、補給水ポンプ171を運転させて補給水ライン17からタンク部11に補給水を供給し、処理はステップST68に移る。
ステップST68において、起動時水位制御部52は、水位センサ112により測定される蒸気発生装置10の水位が第1目標水位H以上となったかを判定する。この判定がYESの場合、処理はステップST69に移る。判定がNOの場合、ステップST68の処理を繰り返す。
ステップST69において、起動時水位制御部52は、補給水ポンプ171の運転を停止させ処理を終了する。
以上説明した本実施形態の蒸気システム1によれば、以下のような効果を奏する。
(1)蒸気システム1を、起動時制御部50を含んで構成し、この起動時制御部50を、蒸気発生装置10が起動された場合に、蒸気発生装置10の水位が第1水位範囲に含まれるように水位を制御する起動時水位制御部52と、蒸気発生装置10の水位が第1水位範囲に含まれた場合に、給水の熱源への噴霧を開始させる噴霧開始制御部53と、噴霧開始制御部53により給水の熱源への噴霧が開始された場合に、低圧蒸気の圧力が起動時目標圧力P4となるように三方弁19を制御する起動時弁制御部54と、三方弁19の制御が開始された場合に、低圧蒸気の圧力が起動時目標圧力P4よりも低い第1基準圧力P1以上であるか否かを判定する第1圧力判定部55と、低圧蒸気の圧力が第1基準圧力P1以上であると判定された場合に、蒸気昇圧装置20の運転を開始させる第2起動指示部56と、を含んで構成した。
これにより、初期水位制御終了後に噴霧開始制御部53により給水の熱源への噴霧が開始された場合に、起動時弁制御部54により低圧蒸気の圧力が起動時目標圧力P4となるように三方弁19の開度を制御させられる。よって、蒸気発生装置10の起動時に、低圧蒸気の圧力を適切な範囲に制御できる。
また、起動時弁制御部54により低圧蒸気の圧力が起動時目標圧力P4となるように制御された状態において、低圧蒸気の圧力が第1基準圧力P1以上の場合に蒸気昇圧装置20の運転を開始させられる。よって、蒸気昇圧装置20に供給する低圧蒸気の圧力を好適な範囲に保った状態で蒸気昇圧装置20の運転を開始させられる。その結果、蒸気システム1を安定的に起動させられる。
(2)起動時制御部50を、第2起動指示部56により蒸気昇圧装置20の運転が開始された場合に、蒸気昇圧装置20の負荷率が基準負荷率以上であるかを判定する起動時負荷率判定部57を含んで構成し、起動時弁制御部54に、起動時負荷率判定部57により蒸気昇圧装置20の負荷率が基準負荷率以上であると判定された場合に、低圧蒸気圧力センサ31により測定される低圧蒸気の圧力が起動時目標圧力P4よりも高い定常時目標圧力P5となるように三方弁19を制御させた。これにより、起動時負荷率判定部57により蒸気昇圧装置20の運転が開始されて負荷率が順調に上昇していることが確認された場合に、起動時弁制御部54に、目標圧力を起動時目標圧力P4から定常時目標圧力P5に切り替えさせられる。よって、蒸気システム1が安定的に起動した場合に、スムーズに蒸気システム1を定常状態の制御に移行させられる。
(3)蒸気システム1を、給水排出ライン23とブロー弁231とを含んで構成し、起動時水位制御部52を、蒸気発生装置10の水位が起動時目標水位以上であると判定された場合に、低圧蒸気の圧力が起動時目標圧力P4よりも高い第2基準圧力P2未満であるかを判定する第2圧力判定部522と、第2圧力判定部522により低圧蒸気の圧力が第2基準圧力P2未満であると判定された場合に給水の熱源への噴霧を開始させブロー弁231を開放する第1ブロー制御部523と、第2圧力判定部522により低圧蒸気の圧力が第2基準圧力P2未満であると判定されなかった場合に給水の熱源への噴霧を開始させることなくブロー弁231を開放する第2ブロー制御部524と、を含んで構成した。
これにより、低圧蒸気の圧力が第2基準圧力P2未満である場合には、給水のチューブ12への噴霧を行いながらブロー弁231を開放することで、初期水位制御を行っている間に噴霧水ポンプ161を運転させられる。
一方、低圧蒸気の圧力が第2基準圧力P2以上である場合には、給水のチューブ12への噴霧を開始させることなくブロー弁231を開放することで、初期給水制御中にタンク部11の内部の圧力をこれ以上上昇させることなく初期水位制御を行える。
以上、本発明の蒸気システム1の好ましい一実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
例えば、本実施形態では、熱源流体として温水を用いたが、これに限らない。即ち、熱源流体として、排ガスや空気等の他の流体を用いてもよい。
また、本実施形態では、低圧蒸気圧力センサ31を低圧蒸気供給ライン30に配置して低圧蒸気供給ライン30を流通する蒸気の圧力を測定したが、これに限らない。即ち、低圧蒸気供給ライン30を流通する蒸気の圧力は、蒸気発生装置10(タンク部11)における蒸気の圧力と等しいため、低圧蒸気圧力センサを蒸気発生装置(タンク部)に配置してもよい。
また、本実施形態では、流量調整弁を三方弁19により構成したが、これに限らない。即ち、流量調整弁を、複数の弁を組み合わせて構成してもよい。
1 蒸気システム
5 制御装置
10 蒸気発生装置
19 三方弁(流量調整弁)
20 蒸気昇圧装置
23 給水排出ライン
30 低圧蒸気供給ライン
31 低圧蒸気圧力センサ(低圧蒸気圧測定部)
50 起動時制御部
51 第1起動指示部
52 起動時水位制御部
53 噴霧開始制御部
54 起動時弁制御部
55 第1圧力判定部
56 第2起動指示部
57 起動時負荷率判定部
112 水位センサ(水位測定部)
521 水位判定部
522 第2圧力判定部
523 第1ブロー制御部
524 第2ブロー制御部
P1 第1基準圧力
P2 第2基準圧力
P4 起動時目標圧力
P5 定常時目標圧力

Claims (3)

  1. 熱源流体を熱源とし、給水を循環させて熱源に噴霧することで蒸発させて低圧蒸気を生成する蒸気発生装置と、
    前記蒸気発生装置に供給される熱源流体の流量を調整する流量調整弁と、
    前記蒸気発生装置において生成された低圧蒸気を昇圧する蒸気昇圧装置と、
    前記蒸気発生装置において生成された低圧蒸気を前記蒸気昇圧装置に供給する低圧蒸気供給ラインと、
    前記低圧蒸気供給ラインを流通する低圧蒸気の圧力を測定する低圧蒸気圧測定部と、
    前記蒸気発生装置の水位を測定する水位測定部と、
    起動時における前記蒸気発生装置及び前記蒸気昇圧装置の動作を制御する起動時制御部と、を備える蒸気システムであって、
    前記起動時制御部は、
    前記蒸気発生装置を起動させる第1起動指示部と、
    前記第1起動指示部により前記蒸気発生装置が起動された場合に、前記水位測定部により測定される前記蒸気発生装置の水位が予め設定された第1水位範囲に含まれるように該蒸気発生装置の水位を制御する起動時水位制御部と、
    前記蒸気発生装置の水位が前記第1水位範囲に含まれた場合に、前記給水の熱源への噴霧を開始させる噴霧開始制御部と、
    前記噴霧開始制御部により前記給水の熱源への噴霧が開始された場合に、前記低圧蒸気圧測定部により測定される低圧蒸気の圧力が予め設定された起動時目標圧力となるように前記流量調整弁を制御する起動時弁制御部と、
    起動時弁制御部による前記流量調整弁の制御が開始された場合に、前記低圧蒸気の圧力が前記起動時目標圧力よりも低い第1基準圧力以上であるかを判定する第1圧力判定部と、
    前記第1圧力判定部により低圧蒸気の圧力が前記第1基準圧力以上であると判定された場合に、前記蒸気昇圧装置の運転を開始させる第2起動指示部と、を備える蒸気システム。
  2. 前記起動時制御部は、
    前記第2起動指示部により前記蒸気昇圧装置の運転が開始された場合に、該蒸気昇圧装置の負荷率が第1基準負荷率以上であるかを判定する起動時負荷率判定部を更に備え、
    前記起動時弁制御部は、前記起動時負荷率判定部により前記蒸気昇圧装置の負荷率が前記第1基準負荷率以上であると判定された場合に、前記低圧蒸気圧測定部により測定される低圧蒸気の圧力が前記起動時目標圧力よりも高い定常時目標圧力となるように前記流量調整弁を制御する請求項1に記載の蒸気システム。
  3. 前記蒸気発生装置の内部の給水を排出する給水排出ラインと、
    前記給水排出ラインに配置されるブロー弁と、を更に備え、
    前記起動時水位制御部は、
    前記蒸気発生装置の水位が前記第1水位範囲に含まれる起動時目標水位以上であるかを判定する水位判定部と、
    前記水位判定部により前記蒸気発生装置の水位が前記起動時目標水位以上であると判定された場合に、前記低圧蒸気圧測定部により測定される低圧蒸気の圧力が前記起動時目標圧力よりも高い第2基準圧力未満であるか否かを判定する第2圧力判定部と、
    前記第2圧力判定部により、低圧蒸気の圧力が前記第2基準圧力未満であると判定された場合に前記給水の熱源への噴霧を開始させ、所定時間経過後に前記ブロー弁を開放する第1ブロー制御部と、
    前記第2圧力判定部により、低圧蒸気の圧力が前記第2基準圧力未満であると判定されなかった場合に、前記給水の熱源への噴霧を開始させることなく前記ブロー弁を開放する第2ブロー制御部と、を備える請求項1又は2に記載の蒸気システム。
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