JP2015205860A - 正孔輸送材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】バンドギャップが大きく、電気的安定性・熱的安定性に優れ、有機EL素子の正孔輸送層にも用いることができる化合物及び該化合物を含む正孔輸送層を備えた長寿命で発光効率の高い有機EL素子の提供。
【解決手段】式(1)で表される化合物。

(R〜Rは各々独立にH、置換或いは未置換のアルキル基又はハロゲン基;R〜Rは各々独立に単数又は複数存在していてもよく、複数存在する場合は、互いに同一又は異なる基であってもよい;X及びXは各々独立に置換或いは未置換の芳香族環式基;Z及びZは各々独立にO又はS;nは、1〜8の整数)
【選択図】なし

Description

本発明は、新規材料の提供、新規材料の有機EL素子用正孔輸送材料としての利用、および新規材料を用いた有機EL装置に関する。
有機エレクトロルミネッセンス(以下、有機EL)素子は、自発光型、視野角が広い、視認性に優れる、低電圧駆動、面発光、薄型化・軽量化が可能、多色表示が可能、などの特徴を有しているため、ディスプレイや照明として用いることができる。
有機EL素子は通常、透明基板上に、陽極、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層、陰極がこの位置関係で積層されることにより構成される。
有機EL素子の発光は、(i)正孔および電子が電極から注入され、(ii)注入された正孔と電子が輸送され、(iii)発光層内で正孔と電子が再結合し、(iv)発光材料が電子的励起状態を形成し、(v)電子的励起状態から光を放射する、という過程を経て生じている。
発光材料がエネルギーを得て励起状態となるとき、一重項励起状態(S)と三重項励起状態(T)が1:3の確率で生成する。
発光は励起状態から基底状態に戻る際に、エネルギーを光として放出することにより生じる。蛍光材料は、Sからのエネルギーしか光に変換されないのに対し、燐光材料は、Tからのエネルギーも光に変換されるため、蛍光材料を素子に用いた場合よりも、燐光材料を素子に用いた場合の方が高効率化が期待できる(非特許文献1、非特許文献2)。
ここで、燐光材料はホスト材料に含有させる方法で使用される。電極から注入された正孔と電子は、ホスト材料と発光材料で形成された発光層で再結合し、励起されたホスト材料のエネルギーは発光材料に移動し、そのエネルギーにより発光材料が励起され、光エネルギーとして放出されることで効率的な発光を得ることができる。
ホスト材料から燐光材料(ゲスト材料)への効率的なエネルギー移動を可能とするためには、ホスト材料のTエネルギーがゲストである燐光材料のTエネルギーよりも大きいことが好ましい(非特許文献3)。ゲスト材料のTエネルギーの方が大きい場合には、通常ゲストからホストへの逆エネルギー移動が起こってしまい、燐光発光の高効率化を妨げる要因となる可能性がある。
発光層に用いられるホスト材料はこれまでにも多数報告され、例えば、カルバゾール系の化合物などが挙げられる(非特許文献4)。カルバゾール系化合物は比較的大きなTエネルギーを有し、CBPなどはホスト材料として好適に用いられる(非特許文献5)。しかし、ゲスト材料のTエネルギーが大きい場合には、CBPによっても効率を上げることができない場合もあった。そこで、Tエネルギーをさらに大きくしたCDBPが用いられる場合もある(非特許文献3)。
有機EL素子の外部量子効率のファクターの一つである再結合効率を高めるためには、注入された正孔と電子が発光層内で効率よく再結合するように、正孔と電子の輸送バランスを調整する必要がある。
正孔と電子の輸送バランスを調整するには、正孔注入材料、正孔輸送材料の正孔移動度や、電子注入材料、電子輸送材料の電子移動度、層界面での電荷注入障壁、またそれぞれの膜の厚さなど、多くのファクターを考慮した上でバランスを調整しなければならない。
しかし、材料自身がもつ正孔と電子の輸送性は、材料によって異なり、また異なる材料で形成された層の界面では、電荷注入障壁が生じるため、発光層内で正孔と電子がバランスよく再結合することは容易ではない。電荷注入・輸送バランスが悪い場合としては、正孔または電子のどちらかが少ない場合、あるいはどちらかが極端に多く、再結合せずに通り抜けてしまう場合などが考えられるが、電荷が対極へ流れ出てしまう場合には、電荷をブロックする層を設けて、電荷を発光層内に閉じ込め、再結合効率を高める方法もある。通常、流出する電荷をブロックして電荷を発光層内に閉じ込めるという役割は、正孔輸送層や電子輸送層が担うことが多い。
有機EL素子の再結合効率を高めるために用いられる正孔輸送材料に求められる特性は、正孔輸送性が高く、電子輸送性が低いことに加え、バンドギャップやイオン化ポテンシャル(IP)、電子親和力(Ea)の値が適切な値を有することが重要である。イオン化ポテンシャルは、陽極の仕事関数または正孔注入材料のイオン化ポテンシャルと発光材料のイオン化ポテンシャルとの間の値となることが望ましく、これにより発光層への正孔注入障壁を小さくできる。電子親和力は、発光材料の電子親和力よりも大きくなることが望ましく、これにより電子ブロック効果を得ることができる。なお、電荷注入の指標の一つであるイオン化ポテンシャル(IP)とほぼ同義で、HOMOレベルが用いられ、電子親和力(Ea)とほぼ同義で、LUMOレベルが用いられる場合がある。
一般に陽極として用いられる材料は、酸化インジウムスズ(ITO)であり、仕事関数は4.8〜5.0eVである。例えば、発光材料またはホスト材料のイオン化ポテンシャルが5.6eVであれば、正孔注入障壁を少なくするため、5.1〜5.5eV程度の正孔輸送材料を正孔輸送層に用いるのが好ましい。また、正孔注入障壁を緩和するために、正孔注入層を設けてもよい。発光材料またはホスト材料のイオン化ポテンシャルが変化すれば、それによって正孔輸送材料に求められるイオン化ポテンシャルの値も変化する。
正孔輸送材料としては、α−NPD、TPD、m−MTDATA、3DTAPBP(文献によっては3BTPDと表記される)など、主に第三級アミンとフェニル基の組合せからなる材料や、ジベンゾチオフェン系の化合物などが知られている(非特許文献4、非特許文献5、非特許文献6、非特許文献7、特許文献1)。また、正孔輸送材料を変更することにより、有機EL素子の外部量子効率、素子寿命が変化する例が報告されている(非特許文献8)。
特表2011−527122号公報
Nature,395,151(1998) Nature,403,750(2000) Appl.Phys.Lett.,83,569(2003) Appl.Phys.Lett.,69,2160(1996) 月間ディスプレイ別冊「有機ELディスプレイ」pp.51(1998) Appl.Phys.Lett.,55,1489(1989) J.Light&vis.Env.Mol.32,No.2,2008,75 Appl.Phys.Lett.103,143306(2013)
本発明は、新規化合物を提供することを課題とする。また、バンドギャップが大きく、電気的安定性・熱的安定性に優れ、有機EL素子の正孔輸送層にも用いることができる化合物を提供することを課題とする。
また、上記化合物を含む正孔輸送層を備えた長寿命で発光効率の高い有機EL素子を提供することを課題とする。
発明者らは、種々検討した結果、以下に示す一般式(1)で表される新規化合物の合成に成功し、さらに同化合物が、有機EL素子の正孔輸送材料、例えば正孔輸送層として極めて有用であり、有機EL素子の高効率化、長寿命化を達成することができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下に関する。
[1] 式(1)
式中、
〜Rは、各々独立して、水素、置換基を有していてもよいアルキル基およびハロゲン基からなる群から選択される基であり、
〜Rのそれぞれは、各々独立して、単数または複数存在していてもよく、複数存在する場合は、互いに同一または異なる基であってもよく、
およびXは、各々独立して、置換基を有していてもよい芳香族環式基であり、
およびZは、各々独立して、OまたはSであり、
nは、1〜8の整数である、
で表される化合物。
[2] R〜Rが、水素である、[1]に記載の化合物。
[3] nが2である[1]または[2]に記載の化合物。
[4] XおよびXが置換基を有していてもよいフェニル基である、[1]〜[3]のいずれかに記載の化合物。
[5] 式(1−I)
で表される、[1]〜[4]のいずれかに記載の化合物。
[6] 窒素の結合位が、ジベンゾチオフェンの4位である、[5]に記載の化合物。
[7] 窒素の結合位が、ジベンゾチオフェンの2位である、[5]に記載の化合物。
[8] 式(1−II)
で表される、[1]〜[4]のいずれか一項に記載の化合物。
[9] 窒素の結合位が、ジベンゾフランの4位である、[8]に記載の化合物。
[10] 窒素の結合位が、ジベンゾフランの2位である、[8]に記載の化合物。
[11] 化学式(1−Ia)、
化学式(1−Ib)、
化学式(1−Ic)、
または
化学式(1−Id)
で表される、[5]に記載の化合物。
[12] 化学式(1−IIa)、
化学式(1−IIb)、
化学式(1−IIc)、
または
化学式(1−IId)
で表される、[8]に記載の化合物。
[13] [1]〜[12]のいずれかに記載の化合物を製造する方法であって、
一般式(2)
式中、
Rは、各々独立して、[1]のR〜Rと同一の意味を示し、
Xは、[1]のXおよびXと同一の意味を示し、
Zは、[1]のZおよびZと同一の意味を示す、
で表される化合物またはその塩と、
一般式(3)
式中、
nは[1]と同一の意味を示し、
HALは、ハロゲン基である、
で表される化合物とのN−アリール化反応を行う工程を含む、前記方法。
[14] 陽極、陰極、およびこれら両電極間に、有機化合物で形成された層を含有する、有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
前記有機化合物で形成された層に[1]〜[12]のいずれかに記載の化合物を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
[15] 陽極、陰極、およびこれら両電極間に、電荷輸送材料を含有する、有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
前記電荷輸送材料に、[1]〜[12]のいずれかに記載の化合物を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
[16] 陽極、陰極、およびこれら両電極間に、正孔輸送層を含有する、有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
前記正孔輸送層に、[1]〜[12]のいずれかに記載の化合物を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
[17] 陽極、陰極、およびこれら両電極間に、発光層、正孔輸送層を含有する、有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
前記発光層が、ホスト材料と、発光材料からなるゲスト材料とを含み、
前記ホスト材料が、電子輸送性材料、または電子と正孔の両電荷輸送性材料であって、
前記正孔輸送層に、[1]〜[12]のいずれかに記載の化合物を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
[18] 発光材料が、燐光材料であることを特徴とする[17]に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
本発明により、新規化合物を提供することができる。また、バンドギャップが大きく、電気的安定性・熱的安定性に優れ、有機EL素子の正孔輸送層にも用いることができる化合物を提供することができる。
また、上記化合物を含む正孔輸送層を備えた長寿命で発光効率の高い有機EL素子を提供することができる。
本発明の化合物が、上記のような特性を有する理由は必ずしも明らかではないが、発明者らの考察によれば、オルトフェニレン骨格が化合物の中心部分の平面性を崩し、本発明の化合物のバンドギャップを広げるとともに、Tエネルギーを大きくすることに寄与しているものと考えられるが、このようなねじれた骨格は、逆に電気特性を悪化させることが懸念される。それにも拘らず、本発明の化合物は、驚くべきことに、オルトフェニレン骨格と、アミノジベンゾチオフェン骨格、アミノジベンゾフラン骨格、またはアミノジベンゾチオフェン骨格およびアミノジベンゾフラン骨格の両方とを有することにより、予想外に、高いTエネルギーを有し、かつ電気的安定性・熱的安定性に優れ、さらに適切なHOMO、LUMOレベル、電荷輸送能を備えることができる。これは、オルトフェニレン骨格と、アミノジベンゾチオフェン骨格またはアミノジベンゾフランとが組み合わさることにより相乗効果が生じたものと考えることができる。
本発明の化合物は、上記性能を備えるため、特に、有機EL素子の正孔注入層に好適に用いることができる。すなわち、適切なHOMOレベルは、陽極または正孔注入層と、正孔輸送層との正孔注入障壁を緩和し、さらに正孔輸送層から発光層への正孔注入障壁も緩和することができる。また、適切なLUMOレベルは、有機EL素子の陰極から注入された電子のうち、発光層で再結合しなかった過剰の電子が対極へ流出するのを阻止し、発光層内で正孔と電子が再結合するのを促進することができる。これにより、正孔と電子の再結合効率が高まり、有機EL素子の外部量子効率を向上させる効果が得られる。また、本発明の化合物の電気的安定性、熱的安定性は、素子の長寿命化に寄与すると考えられる。したがって、本発明により、高い外部量子効率および長寿命を兼ね備えた有機EL素子を提供することができる。
本発明は、
一般式(1)
式中、
〜Rは、各々独立して、水素、置換基を有していてもよいアルキル基およびハロゲン基からなる群から選択される基であり、
〜Rのそれぞれは、各々独立して、単数または複数存在していてもよく、複数存在する場合は、互いに同一または異なる基であってもよく、
およびXは、各々独立して、置換基を有していてもよい芳香族環式基であり、
nは、1〜8の整数である、
で表される化合物に関する。
一般式(1)における、R〜Rは、各々独立して、水素、置換基を有してもよいアルキル基またはハロゲン基である。置換基を有してもよいアルキル基の置換基としては、これに限定するものではないが、例えばアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン基などが挙げられる。
〜Rにおける置換基を有してもよいアルキル基は、直鎖状でも環状でもよい。直鎖状のアルキル基は、汎用の有機溶剤への溶解性、有機EL素子作製時の成膜性等の観点から、炭素数1〜18が好ましく、ガラス転移温度、立体障害等の観点から、炭素数1〜6がより好ましい。炭素数1〜18の直鎖状のアルキル基とは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基をいう。
環状のアルキル基は、炭素数3〜18が好ましく、ガラス転移温度、立体障害等の観点から、炭素数3〜8が好ましい。環状のアルキル基は、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、シクロウンデシル基、シクロドデシル基、シクロトリデシル基、シクロテトラデシル基、シクロヘプタデシル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、またはビシクロアルキル基、トリシクロアルキル基等の多環アルキル基が挙げられる。
〜Rにおける置換基を有してもよいアルキル基の置換基は、2以上置換してもよく、各々が異なってもよい。
置換基を有してもよいアルキル基の置換基として選ばれるアルキル基は、汎用の有機溶剤への溶解性、有機EL素子作製時の成膜性等の観点から、主鎖となるアルキル基と、その置換基であるアルキル基を合計した炭素数が1〜18となるが好ましく、ガラス転移温度、立体障害等の観点から、合計した炭素数が1〜6となるのがより好ましい。
置換基を有してもよいアルキル基の置換基としてアルキル基が選択される場合、置換基を有してもよいアルキル基としては、例えば、1−メチルエチル基、1−メチルプロピル基、1−エチルプロピル基、1−n−プロピルプロピル基、1−メチルブチル基、1−エチルブチル基、1−プロピルブチル基、1−n−ブチルブチル基、1−メチルペンチル基、1−エチルペンチル基、1−n−プロピルペンチル基、1−n−ペンチルペンチル基、1−メチルヘキシル基、1−エチルヘキシル基、1−n−プロピルヘキシル基、1−n−ブチルヘキシル基、1−n−ペンチルヘキシル基、1−n−ヘキシルヘキシル基、1−メチルヘプチル基、1−エチルヘプチル基、1−n−プロピルヘプチル基、1−n−ブチルヘプチル基、1−n−ペンチルヘプチル基、1−n−ヘプチルヘプチル基、
1−メチルオクチル基、1−エチルオクチル基、1−n−プロピルオクチル基、1−n−ブチルオクチル基、1−n−ペンチルオクチル基、1−n−ヘキシルオクチル基、1−n−ヘプチルオクチル基、1−n−オクチルオクチル基、1−メチルノニル基、1−エチルノニル基、1−n−プロピルノニル基、1−n−ブチルノニル基、1−n−ペンチルノニル基、1−n−ヘキシルノニル基、1−n−ヘプチルノニル基、1−n−オクチルノニル基、1−n−ノニルノニル基、1−メチルデシル基、iso−プロピル基、t−ブチル基、2−メチルブチル基、2−エチルブチル基、
2−n−プロピルペンチル基、2−メチルヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−n−プロピルヘキシル基、2−n−ブチルヘキシル基、2−メチルヘプチル基、2−エチルヘプチル基、2−n−プロピルヘプチル基、2−n−ブチルヘプチル基、2−n−ペンチルヘプチル基、2−メチルオクチル基、2−エチルオクチル基、2−n−プロピルオクチル基、2−n−ブチルオクチル基、2−n−ペンチルオクチル基、2−n−ヘキシルオクチル基、2−メチルノニル基、2−エチルノニル基、2−n−プロピルノニル基、2−n−ブチルノニル基、2−n−ペンチルノニル基、2−n−ヘキシルノニル基、2−n−ヘプチルノニル基、
2−メチルデシル基、2,3−ジメチルブチル基、2,3,3−トリメチルブチル基、3−メチルブチル基、3−メチルペンチル基、3―エチルペンチル基、4−メチルペンチル基、4−エチルヘキシル基、2,3−ジメチルペンチル基、2,4−ジメチルペンチル基、2,4,4−トリメチルペンチル基、2,3,3,4−テトラメチルペンチル基、3−メチルヘキシル基、2,5−ジメチルヘキシル基、3−エチルヘキシル基、3,5,5−トリメチルヘキシル基、4−メチルヘキシル基、6−メチルヘプチル基、3,7−ジメチルオクチル基、6−メチルオクチル基、等が挙げられる。
置換基を有してもよいアルキル基の置換基として選ばれるアルコキシ基は、汎用の有機溶剤への溶解性、有機EL素子作製時の成膜性等の観点から、アルキル基と、その置換基であるアルコキシ基を合計した炭素数が1〜18となるのが好ましく、ガラス転移温度、立体障害等の観点から、合計した炭素数が1〜6となるのがより好ましい。
置換基を有してもよいアルキル基の置換基として選ばれるハロゲン基は、フッ素基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基が挙げられ、このうち、電気的・熱的安定性、合成のし易さの観点から、フッ素基が好ましい。
〜Rにおけるハロゲン基としては、フッ素基が好ましい。
〜Rは、上記のように、水素、アルキル基、またはハロゲン基が選ばれるが、電気的安定性、熱的安定性、成膜性、合成・精製のし易さ等を総合して判断すると、水素またはメチル基が最も好ましい。また、メチル基が選ばれる場合、ジベンゾチオフェンおよびジベンゾフランの反応点である、2位および/または4位に置換されると電気的安定性が増すと考えられ、好ましい。
ジベンゾチオフェンおよびジベンゾフランは軸対称の構造であることから、ジベンゾチオフェンの結合位置および置換位置、ならびにジベンゾフランの結合位置および置換位置を示す場合、ジベンゾチオフェンおよびジベンゾフランそれぞれにおける1位と9位、2位と8位、3位と7位および4位と6位はそれぞれ等価である。したがって、例えば「ジベンゾチオフェンの2位に置換される」には、「ジベンゾチオフェンの8位に置換される」および「ジベンゾチオフェンの2位および8位に置換される」も概念として含まれる。同様に、例えば「ジベンゾフランの2位に置換される」には、「ジベンゾフランの8位に置換される」および「ジベンゾフランの2位および8位に置換される」も概念として含まれる。
一般式(1)におけるXおよびXは、化合物のHOMOレベル、LUMOレベル、バンドギャップなどの電子的効果、および融点、ガラス転移温度などの物性的効果、および立体障害の効果の観点から選ばれる。したがって、XおよびXで示される置換基を有してもよい芳香族環式基としては、炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、炭素数1〜30の芳香族複素環基が挙げられる。
ここで、XおよびXで示される炭素数6〜30の芳香族炭化水素基としては、6π電子系、10π電子系、12π電子系、14π電子系の芳香族炭化水素環基が挙げられ、具体的には、フェニル、ビフェニル、ナフチル、テルフェニル、アンスリル、アズレニル、フルオレニル、ピレニル、フェナンスリル、ナフスリル等が挙げられ、このうち適切な電子的効果を得るという観点から特にフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基が好ましい。
また、ビフェニル基の場合、当該ビフェニルのうちフェニル同士の結合位のオルト位にあたる部分にメチル基等のアルキル基が導入されると立体障害によりビフェニル骨格がねじれ、π共役系の広がりを抑え、適切な電子的効果を得ることができるため、特に2,2'‐ジメチル‐1,1’−ビフェニルが好ましい。
およびXで表される芳香族複素環基としては、具体的には、チエニル、フリル、ピロリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキゾリル、ピリジル、ピリダジル、オキサジアゾリル、イミダゾリル、トリアジル、チアジアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾセレナジアゾリル、チエノ[2,3−b]チエニル、チエノ[3,2−b]チエニル、チエノ[3,4−b]チエニル、9−オキソフルオレニル、カルバゾリル、ジベンゾチオフェニル、シラフルオレニル、セレノフルオレニル、キサンテニル、フェナントロリル、フェナジリル、フェニキサジリル等が挙げられる。このうち適切な電子的効果を得るという観点から特にジベンゾチオフェニル基またはジベンゾフラニル基等が好ましい。
置換基を有してもよい芳香族環式基の置換基は、2以上置換してもよく、各々異なってもよい。
置換基を有してもよい芳香族環式基の置換基としては、直鎖もしくは分岐又は環状のアルキル基、ハロゲン基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基が挙げられる。また、アルキル基としては、適切な立体的効果を得るという観点から、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基などが好ましい。また、ハロゲンとしては、合成のし易さの観点からフッ素基が好ましい。
一般式(1)におけるオルトフェニレンの両端のフェニルと、ジベンゾチオフェンとを結ぶ窒素のオルトフェニレン側の結合位はいずれであってもよい。
一般式(1)におけるオルトフェニレンの両端のフェニルと、ジベンゾフランとを結ぶ窒素のオルトフェニレン側の結合位はいずれであってもよい。
一般式(1)におけるジベンゾチオフェンと、オルトフェニレン基とを結ぶ窒素のジベンゾフラン側の結合位、およびジベンゾフランと、オルトフェニレン基とを結ぶ窒素のジベンゾフラン側の結合位は、いずれであってもよいが、合成のし易さの観点からは、ジベンゾチオフェンおよびジベンゾフランの2位、または4位であることが好ましい。
一般式(1)における中心骨格であるオルトフェニレンは、フェニル同士が近い位置に存在するため、フェニルが平面的に並びにくい。このため、分子構造の中心の平面性が崩れ、ワイドバンドギャップとすることができる。したがって、原則としてオルトフェニレンの数は特に限定されないが、素子作製時に真空蒸着法を用いて化合物を昇華させるという観点から、nの数は1〜8が好ましく、ジベンゾチオフェンおよびジベンゾフラン等の適切な電子的効果を得るという観点から、1〜4がさらに好ましい。
本明細書において、構造中にはR〜Rがそれぞれ1つ示されているが、これは複数個であってもよいことを意味し、複数個ある場合には、それぞれが同一であっても異なっていてもよい。例えばRは、単数または複数存在していてもよく、複数のRが存在する場合、該複数のRは互いに同一でも異なっていてもよい。R〜Rについても同様である。
一般式(1)で表される化合物は、ZまたはZがSであることにより、あるいはZとZの両方がSであることにより、ジベンゾチオフェンを有することができる。
一般式(1)で表される化合物は、ZまたはZがOであることにより、あるいはZとZの両方がOであることにより、ジベンゾフランを有することができる。
一般式(1)で表される化合物は、ジベンゾチオフェンとジベンゾフランの両方を有することができる。
合成のし易さの観点から、一般式(1)で表される化合物のうち、一般式(1−I)
および一般式(1−II)
で表される化合物が好ましい。
一般式(1)における、X、Xの具体的態様を含めた一般式としては、例えば、以下のものが挙げられる。
一般式(1)において、n=1〜8の場合の化合物としては、以下のものが挙げられる。
一般式(1)において、例えばn=2の場合には、中心骨格オルトフェニレンに連結する窒素の位置としては以下のものが挙げられる。
一般式(1)において、ZおよびZを含む複素環、すなわちジベンゾチオフェンまたはジベンゾフランと連結する窒素の位置としては、以下のものが挙げられる。
一般式(1)において、例えばn=2の場合には、ZおよびZを含む複素環、すなわちジベンゾチオフェンまたはジベンゾフランと連結する窒素の置換位置としては、以下のものが挙げられる。
さらに、本発明の化合物の具体例として、例えば、以下のものが挙げられる。
本発明において、電荷注入・輸送特性、電気的安定性、および熱的安定性の観点などから、特に好ましい化合物の例として、以下の化学式(1−Ia)〜(1−Id)および(1−IIa)〜(1−IId)で表される化合物が挙げられる。
有機EL材料には耐熱性が必要であり、その指標の一つがガラス転移温度(Tg)である。材料のTgが低い場合には、室温条件下でも長時間経つと結晶化して不均一な膜に変化してしまい、電荷輸送特性等に影響を与えることがある。したがって、有機EL材料のTgは高い程良い。正孔輸送材料として幅広く用いられているα−NPDのTgは95℃と低い。また、TPD、m−MTDATA、3DTAPBPのTgもそれぞれ、60℃、75℃、75℃といずれも低いことが認められた。これに対し、本発明の化合物は好ましくは100℃以上のTgを有する。
本発明の化合物は、前記特性を有するため、特に有機EL素子の正孔輸送層に好適に用いることができ、有機EL素子の高効率化、長寿命化を可能とする。
特に本発明の化合物を正孔輸送層に用い、それよりもTエネルギーが低い緑色〜赤色発光材料を発光層に用いた有機EL素子では、発光材料から正孔輸送材料への逆エネルギー移動を防ぐことができるため、高効率であって、かつ極めて長い駆動寿命を兼ね備えることができる。例えば化学式(1)で表される化合物とIr(ppy)などの緑色発光材料との組合せによる有機EL素子が挙げられる。
(化合物の合成について)
本発明の化合物は、例えば、下記反応式に示す方法により合成することができる。
すなわち、アミノジベンゾチオフェン誘導体またはアミノジベンゾフラン誘導体、例えば一般式(2)で表される化合物またはその塩と、ハロゲン化オルトフェニレン誘導体(骨格)、例えば一般式(3)で表される化合物とのN−アリール化反応により、本発明の化合物は合成される。
本明細書において、Rは特に言及しない限り、R〜Rと同一の意味を示し、複数存在する場合には各々独立して、前記R〜Rと同一の意味を示す。
Xは特に言及しない限り、XおよびXと同一の意味を示し、複数存在する場合には、各々独立して、XおよびXと同一の意味を示す。
Zは特に言及しない限り、ZおよびZと同一の意味を示し、複数存在する場合には、各々独立して、ZおよびZと同一の意味を示す。
アミノジベンゾチオフェン誘導体またはアミノジベンゾフラン誘導体、例えば下記一般式(2a)で表される化合物の代表的な合成手法について述べる。
一般式(2a)で表される化合物は、下記反応式に示すように、ジベンゾチオフェン、ジベンゾフランまたはこれらの誘導体を一般的なハロゲン化反応を用いてハロゲン化し、続いて下記一般式(4)で表されるハロゲン化ジベンゾチオフェンまたはハロゲン化ジベンゾフラン誘導体と、下記一般式(5)で表されるアミノ基を有する芳香族炭化水素とのN−アリール化反応を行うことにより合成される。
ハロゲン化反応には、例えば、臭素、ヨウ素などのハロゲンを触媒存在下で直接反応させる方法や、ハロゲン化剤を用いる方法がある。ハロゲン化剤は、クロロ化剤、ブロモ化剤、ヨード化剤がある。クロロ化剤としては、例えば、N−クロロスクシンイミド(NCS)等が挙げられ、ブロモ化剤としては、例えば、N−ブロモスクシンイミド(NBS)、ジブロモイソシアヌル酸(DBI)等が挙げられ、ヨード化剤としては、例えば、N−ヨードスクシンイミド(NIS)、1,3−ジヨード−5,5’‐ジメチルヒルダントイン(DIH)等が挙げられる。
ハロゲンの置換位置が異なるハロゲン化ジベンゾチオフェンまたはハロゲン化ジベンゾフランは、例えば以下に示す方法により合成することができる。
ハロゲン化ジベンゾチオフェンまたはハロゲン化ジベンゾフランの4位がハロゲン化された化合物を得るためには、例えば、下記反応式に示される方法が挙げられる。
すなわち、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジブロモエタン、又は1,2−ジヨードエタンなどのジハロゲン化エタンを用いて、アニオン化された炭素をハロゲン化することができ、この方法により、ジベンゾチオフェンまたはジベンゾフランの4位を優先的にハロゲン化することができる。
ジベンゾチオフェンまたはジベンゾフランの2位がハロゲン化された化合物を得るためには、例えば、下記反応式に示す方法が挙げられる。
例えば、ジベンゾチオフェンまたはジベンゾフランにハロゲン化剤の一種であるNBSを反応させることにより、ジベンゾチオフェンまたはジベンゾフランの2位が優先的にハロゲン化される。ハロゲン化剤の量を調整することにより、2以上のハロゲン基を導入することも可能である。
また、例えば、J.Org.Chem.,2006,71,6291に記載された方法を応用した下記反応式に示す方法に示す方法を用いれば、1位がハロゲン化されたジベンゾチオフェンまたはジベンゾフランやその誘導体を合成することができる。
また、Tetrahedron,2002,58,1709に記載された方法を応用した下記反応式に示す方法などを用いれば、3位がハロゲン化されたジベンゾチオフェンまたはジベンゾフランや、その誘導体を合成することができる。
続いて、下記反応式に示すように、ハロゲン化ジベンゾチオフェンまたはハロゲン化ジベンゾフランと、アミノ基が導入された芳香族環式基を、例えば、Buchwald−Hartwig反応(例えば、Org.Synth.,2002,78,23)、Ullmann反応(例えば、Angew.Chem.,Int.Ed.2003,42,5400)等を応用したN−アリール化反応を行うことで、上記一般式(2a)で表される化合物を合成することができる。
なお、下記反応式に示すように、アミノ基が導入されたジベンゾチオフェンまたはジベンゾフラン誘導体と、ハロゲン化された芳香族環式基を用いて、N−アリール化を行っても、上記一般式(2a)の化合物を同様に合成することができる。
下記反応式に示すように、任意の場所にハロゲン化されたジベンゾチオフェンまたはジベンゾフランと、例えば、アルキルグリニャール試薬等を用いれば、ジベンゾチオフェンまたはジベンゾフランにアルキル基等を導入することができる。
下記反応式に示すように、スズキカップリング反応(例えば、Chem.Rev.,1995,95,2457)等を用いれば、ジベンゾチオフェンまたはジベンゾフランに芳香族環式基を導入することも可能である。また、ボロン酸誘導体は、Rが、水素、メチル、イソプロピル等、必要に応じて任意のボロン酸誘導体を選ぶことができる。
下記一般式(2b)で表される、置換基RがHではない場合のアミノジベンゾチオフェン誘導体またはアミノジベンゾフラン誘導体も、上記反応を応用することにより合成することができる。
例えば、下記反応式に示される方法により、下記一般式(2b)で表される置換基Rを有する化合物を合成することができる。
ハロゲン化オルトフェニレン誘導体、例えば下記一般式(3)で表される化合物の合成について述べる。
n=1のオルトフェニレン骨格は、例えば、以下の方法で合成することができる。
また、出発物質の1‐ブロモ‐2−クロロベンゼンの代わりに、1‐ブロモ‐3−クロロベンゼン、または1‐ブロモ‐4−クロロベンゼンを用いれば、オルトフェニレンに導入されたクロロの位置が異なる化合物を合成することもできる。
n=2のオルトフェニレン骨格は、例えば、以下の方法で合成することができる。
また、前記と同様に、出発物質を変更すれば、オルトフェニレンに導入されたクロロの位置が異なる化合物を合成することができる。
さらに、以下の反応を行うことにより、オルトフェニレンにブロモが導入された化合物を合成することができ、前記と同様の方法により、ブロモの結合位も任意の位置に導入した化合物を合成することもできる。
また、オルトフェニレン末端のハロゲンの位置が異なる化学式(3b)または(3c)に示す化合物は下記反応式に示す方法により合成することができる。
n=3のオルトフェニレン骨格は、例えば、以下の方法で合成することができる。
n=4のオルトフェニレン骨格は、例えば、以下の方法で合成することができる。
n=5のオルトフェニレン骨格は、例えば、以下の方法で合成することができる。
n=6のオルトフェニレン骨格は、例えば、以下の方法で合成することができる。
ハロゲン化されたオルトフェニレンと、アミノジベンゾフラン誘導体とのN−アリール化反応を行うことにより、本発明の化合物を合成することができる。
なお、ここに示した合成法は、例示であり、これに限定されるものではない。
(物性評価について)
化合物の純度の測定は、例えば、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)等により行うことができる。高速液体クロマトグラフィーは試料を導入した移動相に圧力をかけ、溶媒を高流速で移動相に通し、カラムで試料(混合物)を分離して、分離された試料を検出器で検出することにより、試料の純度を測定する方法である。
カラムには順相系、逆相系を用いることができる。順相系クロマトグラフィーは、固定相の極性が移動相の極性より高い分離系をいい、固定相にはアルミナ等が用いられ、移動相にはヘキサンなどの極性の小さい溶媒を用いることができる。逆相系クロマトグラフィーは、移動相の極性が固定相の極性より高い分離系をいい、固定相には疎水処理をしたシリカ等が用いられ、移動相には、メタノールやアセトニトリルなどの極性溶媒を用いることができる。
検出器は、試料の物性に応じて様々なものを用いることができる。例えば、吸光光度検出器(UV/VIS)、蛍光検出器(FLD)、質量分析装置(MS)等が挙げられる。
化合物の分子量の測定は、質量分析法(MS)により行うことができる。質量分析は、試料導入部から導入された試料に、真空中で高電圧をかけることで、試料をイオン化し、イオンを質量電荷比に応じて分離して、検出部で検出することにより行われる。
試料導入部は、ガスクロマトグラフィー(GC/MS)、高速液体クロマトグラフィー(LC/MS)、キャピラリー電気泳動(CE/MS)に直結することができ、MSを測定するとともに、純度の測定も行うことができる。なお、試料を直接イオン化する、ダイレクトインジェクション方式(DI/MS)も採用される場合がある。
イオン源には様々なイオン化の方式が採用される。例えば、電子イオン化法(EI)、高速原子衝突法(FAB)、エレクトロスプレーイオン化法(ESI)、誘電結合プラズマ法(ICP)等が挙げられる。
化合物の同定には核磁気共鳴スペクトル(NMR)を用いることができる。NMR測定では、原子の結合状態などによって、化学シフトやカップリングの情報を知ることができるため、化合物固有のスペクトルを得ることができ、化合物を同定することができる。測定は、少量の試料を各種重溶媒に溶かし行われる。
化合物の熱安定性の評価は、示差走査熱量測定(DSC)により行うことができる。DSC測定は、試料が相転移や融解等の熱変化が生じた場合に、標準試料との熱量の差を検出することにより行われる。DSCでは、化合物の融点や、ガラス転移温度を知ることができる。
化合物の紫外可視吸収スペクトル(UV/VIS)、蛍光スペクトル(PL)、燐光スペクトルを測定することで、化合物特有のUV吸収波長、蛍光波長、燐光波長を知ることができるだけでなく、化合物のバンドギャップ、蛍光量子収率、Tエネルギー等の情報を知ることができる。
化合物のHOMOレベル、LUMOレベルは、サイクリックボルタンメトリー(CV)により測定することができる。また、HOMOレベルと同様の観念として、イオン化ポテンシャル(IP)測定も用いられ、IPは光電子分光法により測定される。
さらに、UV吸収波長から、光学的バンドギャップを求め、HOMOレベル(またはIP)から、LUMOレベル(またはEa)を計算で求める手法も用いられる。
(有機EL素子について)
本発明の有機EL素子は、本発明の化合物を正孔輸送層材料、例えば正孔輸送層に用いることを特徴とする。
一般的に、有機EL素子は、基板上に陽極、正孔注入層、正孔輸送層(電子阻止層)、発光層、電子輸送層(正孔阻止層)、電子注入層、陰極がこの位置関係で積層されて構成される。
有機EL素子は全てが有機物で形成される必要はなく、電極や正孔注入層、電子注入層等には無機材料が用いられる場合がある。
また、有機EL素子を形成する層のうち、正孔注入層、電子輸送層、電子注入層のうちいずれかが省略される場合もある。
有機EL素子は、基板側から光を取り出すボトムエミッション型素子と、基板とは反対側から光を取り出すトップエミッション型があり、本発明の有機EL素子においては、どちらの方式をとることもできる。
基板に用いられる材料は、トップエミッション型素子とボトムエミッション型素子で異なる場合がある。ボトムエミッション型素子には、透明な基板が用いられる。一方、トップエミッション型では透明な基板だけでなく、不透明な基板を用いることもできる。
基板に用いられる材料は、石英ガラス、ソーダガラス、パイレックス(登録商標)等、各種のガラスを用いることができる。また、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリエチレンテレフタレート等、各種のプラスチック基板を用いることもできる。さらに、これらを2種以上組み合わせて使用することもできる。
一般に、ボトムエミッション型素子の陽極には、透明導電材料が用いられる。また、トップエミッション型では、特に制限はないが、反射性の電極が用いられる場合がある。陽極の役割は、正孔注入層又は正孔輸送層に正孔を注入することである。このため、陽極には、仕事関数が比較的大きい各種金属材料や、各種合金等、陽極として機能する材料が用いられる。例えば、金、ヨウ化銅、酸化スズ、アルミニウムドープの酸化亜鉛(ZnO:Al)、インジウム酸化スズ(ITO)、インジウム酸化亜鉛(IZO)、フッ素酸化スズ(FTO)等が挙げられる。このうち、透明性や仕事関数の観点から、ITO、IZO、FTOが好ましい。
正孔注入層に用いられる材料は、陽極の仕事関数と正孔輸送層のIPの関係、電荷輸送特性等の観点から選ばれる。例えば、下記の化学式で表される化合物が挙げられる。このうち、下記のポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン):ポリ(スチレンスルホネート)(PEDOT:PSS)、下記の銅フタロシアニン(CuPc)、モリブデン酸化物(MoO)、酸化バナジウム(V)等が好ましく、PEDOT:PSSについても好適に用いられることがある。適切なIPと電荷輸送特性を有する化合物であれば、低分子、高分子問わず、各種の有機化合物、無機化合物を選択することができる。また、これらの材料を2種以上組み合わせて用いることもできる。
正孔輸送層には、本発明の化合物を用いることができる。該化合物は、オルトフェニレンの中心骨格と、アミノジベンゾフラン骨格を有することにより、広いバンドギャップ、適切なHOMO、LUMOレベルを有し、電気的安定性、熱的安定性にすぐれる。したがって、発光層内での電荷の再結合効率を高めることができ、より高い発光効率で、長寿命な有機EL素子を実現することができるため、好ましい。
発光効率は、外部量子効率で表され、有機EL素子の理論上の限界値は、ガラスや有機膜の屈折率によっても異なり、一般的な素子では約20%であるため20%に近い程よいが、15%程度確保されていれば十分といえる。
本発明の化合物は単独で用いることもできるが、既存の正孔輸送性材料を1種又は2種以上混合して用いることもできるし、1層又は2層以上を積層して用いることもできる。正孔輸送性材料としては、例えば、下記の化学式で表される化合物が挙げられる。
発光層には、蛍光材料、または燐光材料を用いることができる。発光材料は、電荷輸送および電荷再結合を行うホスト材料に、発光材料(ゲスト)を含有させて用いることもできる。
ホスト材料は、正孔輸送性および電子輸送性を有する両電荷輸送性の材料を用いることができる。また、本発明の正孔輸送性材料は電子阻止性能にも優れるため、ホスト材料に電子輸送性の材料を用いることもできる。
ゲスト材料として燐光材料が選ばれる場合は、ホスト材料のTエネルギーがゲスト材料のTエネルギーよりも高くなるように、ホスト材料を選択することが好ましい。
ホスト材料としては、例えば、下記の化学式で表される化合物が挙げられる。
(ホスト材料)
発光材料はホスト材料からのエネルギー移動を有効に行うために、ホスト材料の発光波長とゲスト材料の吸収波長が重なることが好ましい。また、ゲスト材料が燐光材料の場合には、ホスト材料のTエネルギーが、ゲスト材料のTエネルギーよりも大きいことが好ましい。
発光材料は特に限定されないが、蛍光材料としては、例えば、下記化学式で表される化合物が挙げられる。
(蛍光材料)
燐光材料としては、例えば、下記化学式で表される化合物が挙げられる。
(燐光材料)
電子輸送層に用いる材料としては、例えば、下記の化学式で表される化合物が挙げられる。適切なLUMOレベルを有する電子輸送層を、発光層と陰極又は電子注入層との間に設けると、陰極又は電子注入層から電子輸送層への電子注入障壁を緩和し、さらに、電子輸送層から発光層への電子注入障壁を緩和することができる。また、該材料が適切なHOMOレベルを有すると、発光層で再結合せずに対極へ流出する正孔を阻止し、発光層内に正孔を閉じ込め、発光層内での再結合効率を高めることができる。ただし、電子注入障壁が問題とならず、さらに、発光層の電子輸送能が十分に高い場合には、当該層は省略される場合がある。なお、本発明の化合物を正孔輸送層に用いる場合には、電子輸送材料をホスト材料として用いることもできる場合がある。
電子注入層に用いられる材料は、陰極の仕事関数と電子輸送層のLUMOレベル等の観点から選ばれる。電子輸送層を設けない場合には、発光材料又は後述するホスト材料のLUMOレベルを考慮して選ばれる。電子注入材料は有機化合物でも無機化合物でもよい。
電子注入層が、無機化合物からなるものである場合には、例えば、アルカリ金属や、アルカリ土類金属の他、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム、炭酸セシウム等を用いることができる。
有機EL素子の陰極は、電子注入層又は電子輸送層に電子を注入する役割を担う。陰極には、仕事関数の比較的小さな各種金属材料、各種合金等、陰極として作用する材料が用いられる。例えば、アルミニウム、銀、マグネシウム、カルシウム、金、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、マグネシウムインジウム合金(MgIn)、銀合金等が挙げられる。
ボトムエミッション方式を採用する場合、陰極には、金属からなる不透明電極を用いることができる。また、陰極を反射電極とすることもできる。
トップエミッション方式を採用する場合、陰極には、ITO、IZO等の透明電極を用いることができる。ここで、ITOは仕事関数が大きいため、電子注入が困難となることに加え、ITO膜を形成するためには、スパッタ法やイオンビーム蒸着法が用いられるが、成膜時に電子輸送層等にダメージを与える可能性がある。そこで、電子注入を改善するとともに、成膜時の電子輸送層へのダメージを低減するために、電子輸送層と、ITOとの間に、マグネシウム層や銅フタロシアニン層を設けることもできる。
以下に、本発明を実施例を参照してより詳細に説明するが、これは本発明の特定の具体例を示すものであり、本発明はこれに限定されるものではない。
同じ材料を用いても、有機ELの素子構成が異なる場合には、外部量子効率や寿命は、当然に異なった値となる。
また、評価装置や、評価環境が異なる場合も、たとえ素子構成が同じだったとしても、異なった結果となる場合がある。
このことから、有機EL素子に用いる材料の評価は、同じ素子構成、同じ評価装置、同じ評価環境で行うことが好ましい。
[化合物の合成]
合成例1
下記化学式(1−Ia)で表される化合物(1−Ia)を、以下に示す合成経路により合成した。
下記化学式(2c−I)で表される化合物2c−Iを以下に示す方法により合成した。
攪拌子を備え、アルゴン置換した300mLのシュレンク管に、4‐ブロモジベンゾチオフェン(13.16g、50mmol)、アニリン(4.66g、50mmol)、酢酸パラジウム(225mg、1.0mmol)、トルエン(150mL)、トリ−t−ブチルホスフィン(202mg、1.0mmol)、及びt−ブトキシカリウム(5.61g、50mmol)を入れ、密閉した後に、100℃で7時間、攪拌した。その後、反応容器を室温付近まで放冷し、蓋を開け、そこに水(150mL)を入れた。内容物を分液ロートに移し、有機相と水相を分離させた後、水相を取り除き、さらに有機相を水洗した。有機相は硫酸ナトリウムで乾燥させた。その後、ろ過により硫酸ナトリウムを取り除き、有機相を濃縮した。濃縮した得られた混合物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/ジクロロメタン=3/1)により精製し、目的とする上記化合物2c−Iを得た(収量10.7g、収率77.8%)。
H−NMR、DMSO−d6、δ:6.85(t、J=7.3Hz、1H)、6.98(d、J=7.8Hz、8H)、7.23(t、J=8.3Hz、2H)、7.32(d、J=7.8Hz、1H)、7.45(t、J=7.8Hz、1H)、7.50−7.53(m、2H)、8.01−8.03(m、2H)、8.17(s、1H)、8.33−8.35(m、1H)
下記化学式(3b)で表される化合物3bを以下に示す方法により合成した。
攪拌子を備え、アルゴン置換した300mLの四つ口フラスコに、2,2’−ジブロモビフェニル(7.50g、24.0mmol)及びジエチルエーテル(100mL)を入れ、攪拌し、−15℃まで冷却した。そこに、1.6M−n−ブチルリチウム・ヘキサン溶液(30.0mL、48.0mmol)を滴下した。1時間攪拌した後、ホウ酸トリメチル(4.99g、48mmol)を加え、冷却バスを外して−15℃から室温まで昇温しつつ、18時間攪拌した。蒸留水(50mL)を少しずつ添加して、反応を停止させ、減圧下でジエチルエーテルおよびヘキサンを除去した。冷却管を取り付け、容器を再びアルゴン置換した後、蒸留水(50mL)、m−ジブロモベンゼン(16.98g、72mmol)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0.555g、0.48mmol)、炭酸カリウム(6.634g、48mmol)、およびトルエン(100mL)を加え、5時間還流した。室温まで冷却した後、内容物を分液ロートに移し、有機相と水相を分離させ、水相を取り除き、さらに有機相を水洗した。有機相は硫酸ナトリウムで乾燥させた。その後、ろ過により硫酸ナトリウムを取り除き、有機相を濃縮した。得られた混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン)により精製し、目的とする上記化合物3bを得た(収量6.12g、収率53.9%)。
H−NMR、CDCl3 δ:6.85(t、J=7.3Hz、6H)、6.89−7.00(m、8H)、7.08(d、J=8.2Hz、4H)、7.22−7.00(m、4H)、7.31−7.45(m、8H)、7.7(d、J=7.3Hz、2H)、7.98(d、J=7.8Hz、2H)、8.13(d、J=7.3Hz、2H)
下記化学式(1−Ia)で表される化合物1−Iaを以下に示す方法により合成した。
攪拌子を備え、アルゴン置換した100mLのシュレンク管に化合物2c−I(N−フェニルジベンゾ[b,d]チオフェン−4−アミン)(3.30g、12.0mmol)、化合物3b(3,3’’’−ジブロモ−1,1’:2’,1’’:2’’,1’’’−クアテルフェニル)(12.79g、6.0mmol)、酢酸パラジウム(27mg、0.12mmol)、トルエン(50mL)、トリ−t−ブチルホスフィン(24mg、0.12mmol)、及びt−ブトキシカリウム(1.35g、12.0mmol)を入れ、密閉した後に、100℃で7時間、攪拌した。その後、反応容器を室温付近まで放冷し、蓋を開け、そこに水(50mL)を入れた。内容物を分液ロートに移し、有機相と水相を分離させた後、水相を取り除き、さらに有機相を水洗した。有機相は硫酸ナトリウムで乾燥させた。その後、ろ過により硫酸ナトリウムを取り除き、有機相を濃縮した。濃縮した得られた混合物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/ジクロロメタン=3/1)により精製し、目的とする上記化合物1−Iaを得た(収量4.98g、収率97.3%)
H−NMR、CDCl3 δ:6.23(t、J=1.8Hz、2H)、6.53(d、J=7.8Hz、2H)、6.60(d、J=7.3Hz、4H)、6.74(d、J=9.6Hz、2H)、6.88−6.92(m、6H)、7.00−7.13(m、12H)、7.38(t、J=7.8Hz、2H)、743−7.50(m、4H)、7.84(d、J=7.3Hz、2H)、8.15(d、J=6.9Hz、2H)、8.33(d、J=6.9Hz、2H)
合成例2
下記化学式(1−Ib)で表される化合物1−Ibを、以下に示す合成経路により合成した。
下記化学式(2d−I)で表される化合物を、以下に示す方法により合成した。
攪拌子を備え、アルゴン置換した300mLのシュレンク管に、2‐ブロモジベンゾチオフェン(13.16g、50mmol)、アニリン(4.66g、50mmol)、酢酸パラジウム(225mg、1.0mmol)、トルエン(150mL)、トリ−t−ブチルホスフィン(202mg、1.0mmol)、及びt−ブトキシカリウム(5.61g、50mmol)を入れ、密閉した後に、100℃で18時間、攪拌した。その後、反応容器を室温付近まで放冷し、蓋を開け、そこに水(150mL)を入れた。内容物を分液ロートに移し、有機相と水相を分離させた後、水相を取り除き、さらに有機相を水洗した。有機相は硫酸ナトリウムで乾燥させた。その後、ろ過により硫酸ナトリウムを取り除き、有機相を濃縮した。濃縮した得られた混合物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/ジクロロメタン=3/1)により精製し、目的とする上記化合物2d−Iを得た(収量7.85g、収率57.1%)。
化合物はMSスペクトルで同定した。
下記化学式(1−Ib)で表される化合物1−Ibを、以下に示す方法により合成した。
攪拌子を備え、アルゴン置換した100mLのシュレンク管に化合物2d−I(N−フェニルジベンゾ[b,d]チオフェン−2−アミン)(1.58g、6.0mmol)、化合物3b(3,3’’’−ジブロモ−1,1’:2’,1’’:2’’,1’’’−クアテルフェニル)(1.39g、3.0mmol)、酢酸パラジウム(27mg、0.12mmol)、トルエン(50mL)、トリ−t−ブチルホスフィン(24mg、0.12mmol)、及びt−ブトキシカリウム(0.67g、6.0mmol)を入れ、密閉した後に、100℃で7時間、攪拌した。その後、反応容器を室温付近まで放冷し、蓋を開け、そこに水(50mL)を入れた。内容物を分液ロートに移し、有機相と水相を分離させた後、水相を取り除き、さらに有機相を水洗した。有機相は硫酸ナトリウムで乾燥させた。その後、ろ過により硫酸ナトリウムを取り除き、有機相を濃縮した。濃縮した得られた混合物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/ジクロロメタン=3/1)により精製し、目的とする上記化合物1−Ibを得た(収量2.06g、収率80.5%)。
H−NMR、CDCl3 δ:6.25(s、2H)、6.56(d、J=7.8Hz、2H)、6.66(d、J=8.2Hz、4H)、6.77−6.81(m、4H)、6.90(t、J=7.3Hz、2H)、7.96−6.99(m、2H)、7.06−7.17(m、12H)、7.38(t、J=7.4Hz、2H)、7.46(d、J=7.4Hz、2H)、7.96(d、J=1.8Hz、2H)、7.74(d、J=8.7Hz、2H)、7.97(d、J=7.8Hz、2H)、8.02(d、J=7.8Hz、2H)
合成例3
下記化学式(1−Ic)で表される化合物1−Icを、以下に示す合成経路により合成した。
下記化学式(3c)で表される化合物を、以下に方法により合成した。
攪拌子を備え、アルゴン置換した300mLの四つ口フラスコに、2,2’−ジブロモビフェニル(7.50g、24.0mmol)及びジエチルエーテル(100mL)を入れ、攪拌し、−15℃まで冷却した。そこに、1.6M−n−ブチルリチウム・ヘキサン溶液(30.0mL、48.0mmol)を滴下した。1時間攪拌した後、ホウ酸トリメチル(4.99g、48mmol)を加え、冷却バスを外して−15℃から室温まで昇温しつつ、18時間攪拌した。蒸留水(50mL)を少しずつ添加して、反応を停止させ、減圧下でジエチルエーテルおよびヘキサンを除去した。冷却管を取り付け、容器を再びアルゴン置換した後、蒸留水(50mL)、p−ジブロモベンゼン(16.98g、72mmol)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0.555g、0.48mmol)、炭酸カリウム(6.634g、48mmol)、およびトルエン(100mL)を加え、5時間還流した。室温まで冷却した後、内容物を分液ロートに移し、有機相と水相を分離させ、水相を取り除き、さらに有機相を水洗した。有機相は硫酸ナトリウムで乾燥させた。その後、ろ過により硫酸ナトリウムを取り除き、有機相を濃縮した。得られた混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン)により精製し、目的とする上記化合物3cを得た(収量3.21g、収率28.9%)。
H−NMR、CDCl3 δ:6.51−6.54(m、4H)、7.18−7.19(m、2H)、7.23−7.26(m、4H)、7.37−7.45(m、6H)
下記化学式(1−Ic)で表される化合物1−Icを、以下に示す方法により合成した。
攪拌子を備え、アルゴン置換した100mLのシュレンク管に化合物2c−I(N−フェニルジベンゾ[b,d]チオフェン−4−アミン)(1.65g、6.0mmol)、化合物3c(4,4’’’−ジブロモ−1,1’:2’,1’’:2’’,1’’’−クアテルフェニル)(1.39g、3.0mmol)、酢酸パラジウム(13mg、0.06mmol)、トルエン(30mL)、トリ−t−ブチルホスフィン(12mg、0.06mmol)、及びt−ブトキシカリウム(1.35g、12.0mmol)を入れ、密閉した後に、100℃で7時間、攪拌した。その後、反応容器を室温付近まで放冷し、蓋を開け、そこに水(30mL)を入れた。内容物を分液ロートに移し、有機相と水相を分離させた後、水相を取り除き、さらに有機相を水洗した。有機相は硫酸ナトリウムで乾燥させた。その後、ろ過により硫酸ナトリウムを取り除き、有機相を濃縮した。濃縮した得られた混合物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/ジクロロメタン=3/1)により精製し、目的とする上記化合物1−Icを得た(収量2.12g、収率82.8%)。
H−NMR、CDCl3 δ:6.51−6.57(m、8H)、6.85−6.92(m,6H)、7.12−7.21(m、8H)、7.33−7.41(m、8H)、7.85−7.87(m、2H)、8.11(dd、J=0.9Hz,J=7.8Hz、2H)、8.29−8.31(m、2H)
合成例4
下記化学式(2c−II)で表される化合物2c−IIを、以下に示す合成経路により合成した。
まず、下記化学式(4a−II)
で表される化合物を以下に示す方法により合成した。
アルゴン雰囲気下、撹拌子を備えた500mLシュレンク管にジベンゾフラン33.6g(0.2mol)と脱水ジエチルエーテル200mLを仕込んた後、この反応溶液を氷冷下で0℃に冷却した。ここに、1.6M n−ブチルリチウム/ヘキサン溶液138mL(0.22mol)を滴下した後、還流下で16時間反応し、ジベンゾフランの4位をアニオン化した。
さらに、ジベンゾフランのアニオン化物を−8℃に冷却した後、ここにヨウ素50.8g(0.2mol)の粉末を加え、徐々に室温に戻しながら15時間撹拌した。
反応混合物を水に注加し、ジエチルエーテルで抽出した後、得られた有機層を水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。次いで溶媒を留去した後、得られた残留物をヘキサンで再結晶を行った。
以上の工程により、目的とする上記化合物4a−IIを、収量24.8g、収率42%で得た。化合物の同定は、H−NMR及び質量分析にて分子イオンピーク(M294)が目的物と一致することで行った。
H−NMR(DMSO−d)δ7.23(t、J=7.8Hz、1H)、7.45(t、J=6.8Hz、1H)、7.58(t、J=7.4Hz、1H)、7.80(d、J=8.2Hz)、7.91(dd、J=7.8Hz、1.4Hz、1H)、8.17(d、J=8.7Hz、2H)
次に、下記化学式(2c−II)で表される化合物2c−IIを以下に示す方法により合成した。
アルゴン雰囲気下、撹拌子を備えた300mLシュレンク管に、化合物4a−II(4−ヨードジベンゾフラン)15g(51.0mmol)、アニリン4.83g(52.0mmol)、カリウム−tert−ブトキシド7.14g(63.8mmol)、Pd(dba)0.47g(0.51mmol)、及び脱水トルエン80mLを収め脱気した。その後、トリ−tert−ブチルホスフィン0.1g(0.51mmol)を加え密栓し、85℃で28時間撹拌した。その後、反応容器を室温付近まで放冷し、蓋を開け、そこに水(150mL)を入れた。内容物を分液ロートに移し、有機相と水相を分離させた後、水相を取り除き、さらに有機相を水洗した。有機相は硫酸ナトリウムで乾燥させた。その後、ろ過により硫酸ナトリウムを取り除き、有機相を濃縮した。濃縮した得られた混合物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/ジクロロメタン=3/1)により精製し、目的とする上記化合物2c−IIを得た(収量6.26g、収率47.4%)。
化合物の同定は、質量分析にて分子イオンピークが目的物と一致することで行った。
合成例5
下記化学式(2d−II)で表される化合物2d−IIを、以下に示す合成経路により合成した。
下記化学式(4b−II)で表される化合物4b−IIを以下に示す方法により合成した。
攪拌子を備え、アルゴン置換した100mLのシュレンク管に、ジベンゾフラン(3.36g、20mmol)、NBS(3.92g、22mmol)、塩化ジルコニウム(0.10g、0.44mmol)、およびDMF(40mL)を加え、70℃で18時間攪拌した。水(200mL)に反応液を加え、固体を析出させ、懸濁状態で30分攪拌した。懸濁液をろ過し、得られた濾紙上の固体の上から90℃の熱湯(100mL)をゆっくり注いだ。濾紙上の固体を回収した後、乾燥し、4.1gの目的物4b−IIを得た(収率83%)。
化合物の同定は、質量分析にて分子イオンピークが目的物と一致することで行った。
下記化学式(2d−II)で表される化合物2d−IIを以下に示す方法により合成した。
攪拌子を備え、アルゴン置換した100mLのシュレンク管に、化合物4b−II(2‐ブロモジベンゾフラン)(2.47g、10mmol)、アニリン(1.12g、12mmol)、酢酸パラジウム(90mg、0.4mmol)、トルエン(50mL)、トリ−t−ブチルホスフィン(81mg、0.4mmol)、及びt−ブトキシカリウム(2.24g、20mmol)を入れ、密閉した後に、100℃で18時間、攪拌した。その後、反応容器を室温付近まで放冷し、蓋を開け、そこに水(50mL)を入れた。内容物を分液ロートに移し、有機相と水相を分離させた後、水相を取り除き、さらに有機相を水洗した。有機相は硫酸ナトリウムで乾燥させた。その後、ろ過により硫酸ナトリウムを取り除き、有機相を濃縮した。濃縮した得られた混合物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/ジクロロメタン=3/1)により精製し、目的とする上記化合物2d−IIを得た(収量1.32g、収率51%)。
化合物の同定は、質量分析にて分子イオンピークが目的物と一致することで行った。
合成例6
下記化学式(3d)で表される化合物3dを、以下に示す合成経路により合成した。
攪拌子を備え、アルゴン置換した300mLの四つ口フラスコに、3−クロロフェニルボロン酸(10.5g、67.3mmol)、2,2’−ジブロモビフェニル(10.0g、32.1mmol)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0.777g、0.67mmol)、炭酸カリウム(9.3g、67mmol)、トルエン(100mL)、および水(100mL)を加え、100℃で6時間攪拌した。反応液を分液ロートに移し、水相を取り除いた後、水を加え、有機相を洗浄し、再び水相を取り除いた。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥した後、ろ過、濃縮を行い、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン)により上記化合物3dを単離した(収量7.79g、20.8mmol、収率65%)。
化合物の同定は、質量分析にて分子イオンピークが目的物と一致することで行った。
合成例7
下記化学式(3e)で表される化合物3eを、以下に示す合成経路により合成した。
攪拌子を備え、アルゴン置換した200mLの四つ口フラスコに、4−クロロフェニルボロン酸(6.25g、40mmol)、2,2’−ジブロモビフェニル(6.24g、20mmol)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(1.16g、1.0mmol)、炭酸カリウム(5.53g、40mmol)、トルエン(40mL)、および水(40mL)を加え、100℃で6時間攪拌した。反応液を分液ロートに移し、水相を取り除いた後、水を加え、有機相を洗浄し、再び水相を取り除いた。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥した後、ろ過、濃縮を行い、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン)により化合物3eを単離した(収量4.84g、12.9mmol、収率65%)。
化合物の同定は、質量分析にて分子イオンピークが目的物と一致することで行った。
合成例8
化学式(1−IIa)で表される化合物1−IIaを、以下に示す合成経路により合成した。
攪拌子を備え、アルゴン置換した100mLのシュレンク管に化合物2c−II(1.04g、4.0mmol)、化合物3d(0.75g、2.0mmol)、酢酸パラジウム(36mg、0.16mmol)、トルエン(50mL)、トリ−t−ブチルホスフィン(32mg、0.16mmol)、及びt−ブトキシカリウム(0.90g、8.0mmol)を入れ、密閉した後に、100℃で18時間、攪拌した。その後、反応容器を室温付近まで放冷し、蓋を開け、そこに水(50mL)を入れた。内容物を分液ロートに移し、有機相と水相を分離させた後、水相を取り除き、さらに有機相を水洗した。有機相は硫酸ナトリウムで乾燥させた。その後、ろ過により硫酸ナトリウムを取り除き、有機相を濃縮した。濃縮した得られた混合物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/ジクロロメタン=3/1)により精製し、目的とする上記化合物1−IIaを得た(収量0.57g、収率34.8%)。
H−NMR、DMSO−d、δ:6.22(t、J=1.8Hz、2H)、6.50(d、J=7.8Hz、2H)、6.60(d、J=7.8Hz、4H)、6.73(dd、J=1.4Hz、8.0Hz、2H)、6.83(d、J=7.8Hz、2H)、6.89(t、J=7.8Hz、2H)、6.93−6.95(m、2H)、7.00−7.12(m、12H)、7.24(t、J=7.8Hz、2H)、7.37−7.48(m、6H)、7.93(dd、J=0.92Hz、7.8Hz、2H)、8.12(d、J=7.3Hz、2H)
合成例9
化学式(1−IIb)で表される化合物1−IIbを、以下に示す合成経路により合成した。
攪拌子を備え、アルゴン置換した100mLのシュレンク管に化合物2c−II(1.09g、4.0mmol)、化合物3e(0.75g、2.0mmol)、酢酸パラジウム(50mg、0.22mmol)、トルエン(50mL)、トリ−t−ブチルホスフィン(45mg、0.22mmol)、及びt−ブトキシカリウム(1.25g、11.2mmol)を入れ、密閉した後に、100℃で18時間、攪拌した。その後、反応容器を室温付近まで放冷し、蓋を開け、そこに水(50mL)を入れた。内容物を分液ロートに移し、有機相と水相を分離させた後、水相を取り除き、さらに有機相を水洗した。有機相は硫酸ナトリウムで乾燥させた。その後、ろ過により硫酸ナトリウムを取り除き、有機相を濃縮した。濃縮した得られた混合物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/ジクロロメタン=3/1)により精製し、目的とする上記化合物1−IIbを得た(収量0.89g、収率54.2%)。
H−NMR、DMSO−d、δ:6.42(s、8H)、6.83(d、J=7.3Hz、4H)、6.91(t、J=7.3Hz、2H)、7.04(dd、J=0.92Hz、7.8Hz、2H)、7.12−7.17(m、6H)、7.25(t、J=7.8Hz、2H)、7.32−7.50(m、12H)、7.87(dd、J=0.92Hz、7.8Hz、2H)、8.04(d、J=7.4Hz、2H)
合成例10
下記化学式(1−IIc)で表される化合物1−IIcを、以下に示す合成経路により合成した。
攪拌子を備え、アルゴン置換した100mLのシュレンク管に化合物2d−II(1.04g、4.0mmol)、化合物3d(0.93g、2.0mmol)、酢酸パラジウム(27mg、0.12mmol)、トルエン(50mL)、トリ−t−ブチルホスフィン(24mg、0.12mmol)、及びt−ブトキシカリウム(0.90g、8.0mmol)を入れ、密閉した後に、100℃で7時間、攪拌した。その後、反応容器を室温付近まで放冷し、蓋を開け、そこに水(50mL)を入れた。内容物を分液ロートに移し、有機相と水相を分離させた後、水相を取り除き、さらに有機相を水洗した。有機相は硫酸ナトリウムで乾燥させた。その後、ろ過により硫酸ナトリウムを取り除き、有機相を濃縮した。濃縮した得られた混合物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/ジクロロメタン=3/1)により精製し、目的とする上記化合物1−IIcを得た(収量1.47g、収率89.6%)。
H−NMR、DMSO−d、δ:6.18(t、J=1.8Hz、2H)、6.55(d、J=7.8Hz、2H)、6.61(d、J=7.3Hz、4H)、6.73(dd、J=1.3Hz、7.3Hz、2H)、6.78(dd、J=2.3Hz、8.7Hz、2H)、6.87(t、J=7.8Hz、2H)、6.97(d、J=6.8Hz、2H)、7.06−7.18(m、12H)、7.30(t、J=7.8Hz、2H)、7.45−7.52(m、6H)、7.68(d、J=8.2Hz、2H)、7.99(d、J=7.8Hz、2H)
合成例11
下記化学式(1−IId)で表される化合物1−IIdを、以下に示す合成経路により合成した。
攪拌子を備え、アルゴン置換した100mLのシュレンク管に化合物2d−II(1.45g、5.59mmol)、化合物3e(1.00g、2.66mmol)、酢酸パラジウム(50mg、0.22mmol)、トルエン(50mL)、トリ−t−ブチルホスフィン(45mg、0.22mmol)、及びt−ブトキシカリウム(1.25g、11.2mmol)を入れ、密閉した後に、100℃で18時間、攪拌した。その後、反応容器を室温付近まで放冷し、蓋を開け、そこに水(50mL)を入れた。内容物を分液ロートに移し、有機相と水相を分離させた後、水相を取り除き、さらに有機相を水洗した。有機相は硫酸ナトリウムで乾燥させた。その後、ろ過により硫酸ナトリウムを取り除き、有機相を濃縮した。濃縮した得られた混合物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/ジクロロメタン=3/1)により精製し、目的とする上記化合物1−IIdを得た(収量1.90g、収率87.0%)。
H−NMR、DMSO−d、δ:6.52(d、J=8.7Hz、4H)、6.62(d、J=8.7Hz、4H)、6.80−6.86(m、6H)、7.03(dd、J=2.3Hz、8.7Hz、2H)、7.10(t、J=8.3Hz、4H)、7.24−7.31(m、4H)、7.36−7.48(m、10H)、7.58(d、J=8.2Hz、2H)、7.69(d、J=2.3Hz、2H)、7.97(d、J=7.8Hz、2H)
実施例1
上記合成例1で合成した上記化学式(1−Ia)で表される化合物1−Ia、上記合成例2で合成した化学式(1−Ib)で表される化合物1−Ibおよび合成例3で合成した上記化学式(1−Ic)で表される化合物1−Icついて、DSC測定を行った。
比較例1
比較化合物3DTAPBPについて、DSC測定を行った。
Tgおよび分解温度を表1に示す。
表1に示すように、本発明の化合物は、100℃以上のTgを有し、また分解温度が高く、熱安定性に優れる材料であることが分かる。
実施例2および比較例2
化合物1−Iaからなる薄膜、化合物1−Ibからなる薄膜、化合物1−Icからなる薄膜および上記3DTAPBP(比較化合物)からなる薄膜をそれぞれ石英基板上に形成した。これらの薄膜をSHIMADZU社製のUV−2500PCを用いてUV/visスペクトルを測定し、光学的バンドギャップを算出した。結果を表2に示す。
実施例3
化合物1−Iaからなる薄膜、化合物1−Ibからなる薄膜、化合物1−Icからなる薄膜および3DTAPBPからなる薄膜について、それぞれHORIBA社製のFluoroMax−4を用い、波長300nmの励起光源を用いて、77Kの低温下で発光スペクトルを測定した。低温ではリン光発光が観測できるため、低温での発光スペクトルの測定結果から、各薄膜の三重項励起状態(T)のエネルギーに関する知見が得られる。なお、蛍光発光成分を除去してリン光スペクトルを観測するために、励起光照射後200ミリ秒の遅延を設けて低温での発光スペクトルを測定した。さらに、発光材料であるIr(mppy)についても燐光発光波長を測定し、Tエネルギーを算出した。
上記結果から、Tエネルギーを算出した結果を、以下の表3に示す。
エネルギーの閉じ込めの観点から、正孔輸送層材料のTエネルギーは、ゲスト材料のTエネルギーよりも大きいことが好ましい。上記表3に示す結果から、化合物1−Ia、化合物1−Ibまたは化合物1−Icを含む正孔輸送層は、ゲスト材料としてIr(mppy)を用いた場合に、三重項励起状態(T)のエネルギーの閉じ込めが可能となる。したがって、化合物1−Ia、化合物1−Ibまたは化合物1−Icを含む正孔輸送層と、ゲスト材料としてIr(mppy)を用いた発光層とを備えることで、発光効率の高い有機EL素子が得られることが推定できる。
(有機EL素子)
実施例4
基板上に、ITO(酸化インジウムスズ)からなる陽極と、上記PEDOT:PSSからなる厚み30nmの正孔注入層と、上記α−NPDからなる厚み20nmの第2正孔輸送層と、化合物1−Iaからなる厚み10nmの正孔輸送層と、ゲスト材料として上記Ir(mppy)を用い、ホスト材料として上記Bepp2を用い、発光層中のゲスト材料の含有量を6重量%とした厚み35nm発光層と、TPBiからなる厚み40nmの電子輸送層と、LiF膜からなる厚み1nmの電子注入層と、Al膜からなる陰極とを公知の方法により順に形成した。
実施例5
化合物1−Iaを化合物1−Ibに代えたこと以外は、実施例4と同様にして、有機EL素子を形成した。
比較例3
正孔輸送層の材料を上記3DTAPBPに代えたこと以外は、実施例4と同様にして、有機EL素子を形成した。
得られた実施例4、5および比較例3の有機EL素子について、外部量子効率、および素子寿命を測定した。結果を以下の表4に示す。
実施例6
合成例8〜11で合成した化合物について、DSC測定を行った。
比較例4
既存の正孔輸送材料である比較化合物3DTAPBP、比較化合物DBTPBおよび比較化合物α−NPDについて、DSC測定を行った。
融点及びガラス転移温度の結果を以下の表5に示す。
本発明の化合物は、100℃以上のTgを有し、また分解温度が高く、熱安定性に優れる材料であることが分かる。
実施例7
上記合成例8〜11で合成した化合物1−IIaからなる薄膜、化合物1−IIbからなる薄膜、化合物1−IIcからなる薄膜、化合物1−IIdからなる薄膜、3DTAPBP(比較化合物)からなる薄膜およびDBTPB(比較化合物)からなる薄膜をそれぞれ石英基板上に形成した。これらの薄膜をSHIMADZU社製のUV−2500PCを用いてUV/visスペクトル、およびJASCO社製のFP−6500を用いてPLスペクトルを測定した。この結果から、UV最大吸収波長、PLスペクトル、および光学的バンドギャップを知ることができる。
結果を以下の表6に示す。
実施例8
化合物1−IIaからなる薄膜、1−IIbからなる薄膜および3DTAPBP(比較化合物)からなる薄膜およびDBTPB(比較化合物)からなる薄膜について、それぞれHORIBA社製のFluoroMax−4を用い、波長300nmの励起光源を用いて、77Kの低温下で発光スペクトルを測定した。低温では燐光発光が観測できるため、低温での発光スペクトルの測定結果から、成分を除去して燐光スペクトルを観測するために、励起光照射後200ミリ秒の遅延を設けて低温での発光スペクトルを測定した。さらに、発光材料である下記Ir(mppy)についても燐光発光波長を測定し、Tエネルギーを算出した。
結果を表7に示す。
エネルギーの閉じ込めの観点から、正孔輸送層材料のTエネルギーは、ゲスト材料(発光材料)のTエネルギーよりも大きいことが好ましい。上記表7に示す結果から、1−IIaまたは1−IIbを含む正孔輸送層は、ゲスト材料としてIr(mppy)を用いた場合に、三重項励起状態(T)のエネルギーの閉じ込めが可能となる。したがって、1−IIaまたは1−IIbを含む正孔輸送層と、ゲスト材料としてIr(mppy)を用いた発光層とを備えることで、発光効率の高い有機EL素子が得られることが推定できる。
「有機EL素子」
実施例9
基板上に、ITO(酸化インジウムスズ)からなる陽極と、PEDOT:PSSからなる正孔注入層と、α−NPDからなる厚み20nmの第2正孔輸送層と、化合物1−IIaからなる厚み10nmの正孔輸送層と、ゲスト材料としてIr(mppy)を用い、ホスト材料として上記Beppを用い、発光層中のゲスト材料の含有量を6重量%とした厚み25nm発光層と、上記TPBIからなる厚み35nmの電子輸送層と、LiF膜からなる厚み8nmの電子注入層と、Al膜からなる陰極とを公知の方法により順に形成した。
比較例5
正孔輸送層の材料を上記DBTPBに代えたこと以外は、実施例9と同様にして、有機EL素子を形成した。外部量子効率、および素子寿命を評価した。
実施例10
ジベンゾフランを有する化合物1−IIaを用いた有機EL素子について、同一の有機EL素子条件下で、外部量子効率、および素子寿命を評価した。
比較例5および実施例10の結果を以下の表8に示す。なお、有機EL素子の各有機層の膜厚等の条件は実施例のものと異なるが、非特許文献8に記載の3DTAPBPの結果について併記する。
表8に示すように、ジベンゾフランを有する化合物1−IIaを正孔輸送層に用いたそれぞれの素子は、同じ中心骨格をもつ3DTAPBPを用いた素子よりも優れた素子特性を示した。特に3DTAPBPを用いた素子の寿命は、LT50でも11時間と短寿命であるのに対し、本発明の化合物を用いた素子は、LT90で460時間を示している。また、外部量子効率においても、大幅に向上していることが分かる。さらに、3DTAPBPの性能が掲載されている同じ文献(非特許文献8)中で紹介され、最も優れた素子特性を有するDBTPBを用いた素子と比較しても、本発明の化合物は寿命、効率ともに優れた素子特性を有することが認められた。

Claims (18)

  1. 式(1)
    式中、
    〜Rは、各々独立して、水素、置換基を有していてもよいアルキル基およびハロゲン基からなる群から選択される基であり、
    〜Rのそれぞれは、各々独立して、単数または複数存在していてもよく、複数存在する場合は、互いに同一または異なる基であってもよく、
    およびXは、各々独立して、置換基を有していてもよい芳香族環式基であり、
    およびZは、各々独立して、OまたはSであり、
    nは、1〜8の整数である、
    で表される化合物。
  2. 〜Rが、水素である、請求項1に記載の化合物。
  3. nが2である請求項1または2に記載の化合物。
  4. およびXが置換基を有していてもよいフェニル基である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物。
  5. 式(1−I)
    で表される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
  6. 窒素の結合位が、ジベンゾチオフェンの4位である、請求項5に記載の化合物。
  7. 窒素の結合位が、ジベンゾチオフェンの2位である請求項5に記載の化合物。
  8. 式(1−II)
    で表される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
  9. 窒素の結合位が、ジベンゾフランの4位である、請求項8に記載の化合物。
  10. 窒素の結合位が、ジベンゾフランの2位である、請求項8に記載の化合物。
  11. 化学式(1−Ia)、
    化学式(1−Ib)、
    化学式(1−Ic)、
    または
    化学式(1−Id)
    で表される、請求項5に記載の化合物。
  12. 化学式(1−IIa)、
    化学式(1−IIb)、
    化学式(1−IIc)、
    または
    化学式(1−IId)
    で表される、請求項8に記載の化合物。
  13. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の化合物を製造する方法であって、
    一般式(2)
    式中、
    Rは、各々独立して、請求項1のR〜Rと同一の意味を示し、
    Xは、請求項1のXおよびXと同一の意味を示し、
    Zは、請求項1のZおよびZと同一の意味を示す、
    で表される化合物またはその塩と、
    一般式(3)
    式中、
    nは請求項1と同一の意味を示し、
    HALは、ハロゲン基である、で表される化合物とのN−アリール化反応を行う工程を含む、前記方法。
  14. 陽極、陰極、およびこれら両電極間に、有機化合物で形成された層を含有する、有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
    前記有機化合物で形成された層に請求項1〜12のいずれか一項に記載の化合物を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  15. 陽極、陰極、およびこれら両電極間に、電荷輸送材料を含有する、有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
    前記電荷輸送材料に、請求項1〜12のいずれか一項に記載の化合物を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  16. 陽極、陰極、およびこれら両電極間に、正孔輸送層を含有する、有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
    前記正孔輸送層に、請求項1〜12のいずれか一項に記載の化合物を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  17. 陽極、陰極、およびこれら両電極間に、発光層、正孔輸送層を含有する、有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
    前記発光層が、ホスト材料と、発光材料からなるゲスト材料とを含み、
    前記ホスト材料が、電子輸送性材料、または電子と正孔の両電荷輸送性材料であって、
    前記正孔輸送層に、請求項1〜12のいずれか一項に記載の化合物を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  18. 発光材料が、燐光材料であることを特徴とする請求項17に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
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