JP2015205603A - 船倉内貨物の結露防止方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】船倉に荷積みされた全ての貨物の結露を低コストで効率良く、しかも、確実に防止することができる、船倉内貨物の結露防止方法を提供する。【解決手段】船倉1内に荷積みされた金属製貨物2の結露を防止する、船倉内貨物の結露防止方法において、船倉1内に対流発生源としての送風機3を貨物2の両側に設置して、船倉1内の空気を強制的に対流させ、船倉1内の上部中央付近で対向して下降流となった暖かい空気を貨物2に当て、かくして、貨物2の温度を上昇させて、貨物2の結露を防止する。【選択図】図1
Description
この発明は、船倉内貨物の結露防止方法、特に、船倉に荷積みされた全ての貨物の結露を低コストで効率良く、しかも、確実に防止することができる、船倉内貨物の結露防止方法に関するものである。
鋼材運搬船や一般貨物船によりスチールコイルや各種鋼材等の金属製貨物を運搬する際に、船倉内の湿気等により金属製貨物の表面に結露が生じる恐れがあった。結露が生じると、金属製貨物に錆が発生して、製品価値を著しく損ない、場合によっては荷主からのクレームの対象となる。
結露の発生原因について説明する。
冬季の北半球では、南方への輸送時に結露が発生する。すなわち、冬季の北半球での貨物積載時は、露点温度が貨物温度より低いために結露は生じないが、南航を開始すると、外気温の上昇と海水温度の上昇が加わり、更に気圧の変動により外気の暖かな湿った空気が船倉内へ流入し、船倉内の露天温度が上昇する。この結果、貨物に結露が生じる。
また、大気圧の変化、昼夜の温度差による船倉内空気の膨張収縮、木材製ダンネージに含まれている水分の蒸発等から露点温度は上昇するが、貨物温度はあまり変化しない。この結果、貨物に結露が生じる。
さらに、昼間において、太陽を熱源に運搬船の甲板が暖められて、船倉内上部の温度は、急激に上昇するが、船倉内上部の温度のみが上昇するので、船倉内の空気に対流は生じない。この結果、貨物に結露が生じる。
従来、結露の防止対策として、図2に示すように、船倉4内に温風機5を貨物6に向けて設置し、温風機5からの温風を貨物6に直接を吹き付けて、貨物6の温度を上昇させる方法、あるいは、図3に示すように、マストロッカー内に設置した結露防止装置7により船倉4内の上部の空気を取り入れ、結露防止装置7を経由して暖めた空気を、船倉4内の船底付近の片側のバルクヘッドから船首尾線方向に排出して貨物6に吹き付けて、貨物6の温度を上昇させる方法が採用されていた。
しかし、上述した従来結露防止対策は、以下のような問題を有していた。
貨物6が密に積載されている場合、温風が当たった特定の貨物6の温度は、上昇するが、その他の貨物6の温度上昇は、極めて低い。
しかも、温風機5または結露防止装置7からの温風は、貨物6に当たった後、上昇流となって、図2および図3に示すように船倉4内の限られた領域内で対流し、船倉4内の全体に亘って対流することはない。
この結果、船倉4内の限られた貨物6の結露を防止することはできるが、全ての貨物6の結露を防止することはできなかった。
従って、この発明の目的は、船倉に荷積みされた全ての貨物の結露を低コストで効率良く、しかも、確実に防止することができる、船倉内貨物の結露防止方法を提供することにある。
この発明は、上記目的を達成するためになされたものであって、下記を特徴とするものである。
請求項1に記載の発明は、船倉内に荷積みされた金属製貨物の結露を防止する、船倉内貨物の結露防止方法において、前記船倉内に対流発生源を前記貨物の両側に設置して、前記船倉内の空気を強制的に対流させ、前記船倉内の上部中央付近で対向して下降流となった暖かい空気を前記貨物に当て、かくして、前記貨物の温度を上昇させて、前記貨物の結露を防止することに特徴を有するものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記対流発生源として、ヒーターを使用することに特徴を有するものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記対流発生源として、送風機を使用することに特徴を有するものである。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記対流発生源として、温風機を使用することに特徴を有するものである。
この発明によれば、船倉内の空気を対向して対流させ、船倉内の上部中央部付近で下降流となった暖かい空気を貨物に当てることによって、船倉内の全ての貨物の温度を上昇させることができるので、全ての貨物の結露を低コストで効率良く、しかも、確実に防止することができる。
また、この発明によれば、船倉の底部に設置したヒーターにより、船倉底部の冷たい空気を暖めて、強制的に対流を発生させることにより、より効率良く、しかも、確実に結露を防止することができる。
また、この発明によれば、船倉の底部に設置した送風機により、船倉底部の冷たい空気を上昇させて、強制的に対流を発生させることにより、より効率良く、しかも、確実に結露を防止することができる。
また、この発明によれば、船倉の底部に設置した温風機により、船倉底部の冷たい空気を暖めると共に上昇させて、強制的に対流を発生させることにより、より効率良く、しかも、確実に結露を防止することができる。
この発明の、船倉内貨物の結露防止方法の一実施態様を、図面を参照しながら説明する。
図1は、この発明によって、船倉内に対流を発生させた状態を示す説明図である。
図1において、1は、船倉であり、図中、左右方向が船首尾線方向である。2は、船倉1内に荷積みされた、スチールコイルや各種鋼材等の金属製貨物である。貨物2は、図面上は、一つであるが、実際は、複数個の貨物が空間をあけて積載されている。3は、船倉1内の貨物2の両側に設置された対流発生源としての送風機である。送風機3は、送風口を上向きにして設置されている。
送風機3を作動させて、船倉1の底部に滞留している冷えた空気を上昇させると、船倉1内の空気に強制的に対流が対向して生じ、船倉1の上部の暖かい空気は、船倉1内の上部中央付近で対向して下降流となって船倉1内の貨物2に当たる。
空気の対流は、船倉1内全体に亘って生じると共に、送風機3により貨物2間の空間内の冷えた空気が引き込まれ、この空間内にも暖かい空気が入り込むので、船倉1内の全ての貨物2に万遍なく暖かい空気が当たる。この結果、全ての貨物2の温度が上昇し、かくして、全ての貨物2の結露を効率良く、確実に防止することができる。しかも、送風機3を上向きにして作動させるのみで良いので、低コストで済む。
対流発生源として温風機を使用しても良い。この場合には、船倉1の上部の暖かい空気がさらに暖められ、船倉1内の上部中央付近で対向して下降流となって全ての貨物2に当たり、貨物2の温度をさらに上昇させることができるので、貨物2の結露のさらに高い防止効果が得られる。
対流発生源としてヒーターを使用しても良い。この場合には、船倉1の底部の冷えた空気は、ヒーターにより暖められて上昇するので、自然に対流が生じ、この結果、全ての貨物2の温度が上昇し、かくして、全ての貨物2の結露を効率良く、確実に防止することができる。
すなわち、船倉1の底部に滞留している冷たい空気を、ヒーターや温風機等の対流発生源により強制的に暖めて、上昇気流を発生させることにより、船倉1の底部のあらゆる場所の冷たい空気が引き寄せられる結果、船倉1内全体に亘って自然対流が起こる。これによって、船倉1内の全ての貨物2の結露を効率良く、確実に防止することができる。
なお、ヒーターを使用する場合には、送風機や温風機が不要となる。
対流発生源として送風機や温風機を使用する場合、空気の吸引口を貨物2間の空間に配すれば、より効率良く船倉1内底部の冷たい空気を吸入でき、暖かい空気を全ての貨物2に当てることができる。
以上説明したように、この発明によれば、船倉1内の空気を、ヒーター、送風機または温風機によって対流させることによって、船倉1内の全ての貨物2に万遍なく暖かい空気を当てることができるので、全ての貨物2の結露を効率良く、確実に防止することができる。
なお、貨物2は、スチールコイルや各種鋼材等の金属製貨物に限るものでないことは勿論である。
1:船倉
2:貨物
3:送風機
4:船倉
5:温風機
6:貨物
7:結露防止装置
2:貨物
3:送風機
4:船倉
5:温風機
6:貨物
7:結露防止装置
Claims (4)
- 船倉内に荷積みされた金属製貨物の結露を防止する、船倉内貨物の結露防止方法において、
前記船倉内に対流発生源を前記貨物の両側に設置して、前記船倉内の空気を強制的に対流させ、前記船倉内の上部中央付近で対向して下降流となった暖かい空気を前記貨物に当て、かくして、前記貨物の温度を上昇させて、前記貨物の結露を防止することを特徴とする、船倉内貨物の結露防止方法。 - 前記対流発生源として、ヒーターを使用することを特徴とする、請求項1に記載の、船倉内貨物の結露防止方法。
- 前記対流発生源として、送風機を使用することを特徴とする、請求項1に記載の、船倉内貨物の結露防止方法。
- 前記対流発生源として、温風機を使用することを特徴とする、請求項1に記載の、船倉内貨物の結露防止方法。
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JP2014087471A JP2015205603A (ja) | 2014-04-21 | 2014-04-21 | 船倉内貨物の結露防止方法 |
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Citations (2)
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JPS61154197U (ja) * | 1985-03-18 | 1986-09-24 | ||
JP2007322062A (ja) * | 2006-05-31 | 2007-12-13 | Daikin Ind Ltd | 空気調和装置 |
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2014
- 2014-04-21 JP JP2014087471A patent/JP2015205603A/ja active Pending
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