JP2017001320A - 木材処理装置 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、下記特許文献1には、高圧蒸気釜内に木材の表面に散水する散水器を設けた着色装置が開示されている。
なお、以下の実施形態では、本実施形態に係る木材処理装置を設置した状態を基準として上下方向等の方向を説明する。
本実施形態に係る木材処理装置1は、容器10内に高圧高温水蒸気を供給して容器10内に収容された被処理木材2を処理する構成とされている。また、木材処理装置1は、容器10内に、冷却媒体を流通させる冷却管路17を、容器10内を通過させるように設けた構成とされている。
この木材処理装置1によって加熱処理される被処理木材2としては、図1に示すように、長尺角柱状とされたフリッチ材としてもよい。この被処理木材2は、種々の樹種としてもよい。また、この被処理木材2の長さ、厚さ及び幅寸法は、加熱処理後や集成後になされる研磨等による寸法調整を考慮して適宜、設定された寸法としてもよい。なお、被処理木材2としては、長尺角柱状とされたものに限られず、平板状とされたものや、その他、種々の形状とされたものとしてもよい。
容器本体11には、被処理木材2が載置されるプレート状の載置部が設けられている。図例では、この載置部を、ローラー13を介して出し入れ自在とした例を示している。
開閉蓋12は、適宜の緊締手段によって、容器本体11を気密的に封止し、かつ容器本体11に対して着脱自在または開閉自在とされている。
また、容器本体11の上部には、加圧エアー供給源15からの加圧エアーを容器10内に供給する加圧エアー管が接続されている。この加圧エアー供給源15としては、エアーコンプレッサー等としてもよい。また、容器本体11の上部には、容器10内からの水蒸気乃至はガスを排出する排気管等が接続されている。
これら各管路には、開閉弁(ON/OFF弁)がそれぞれに設けられている。
この冷却管路17には、容器本体11(容器10)外の冷却媒体供給部16に接続された供給管路が接続されている。この供給管路には、開閉弁(ON/OFF弁)が設けられている。
このような冷却媒体供給部16としては、冷却管路17に、温度調整された冷却媒体を循環供給可能な構成とされたものとしてもよい。例えば、冷却媒体を循環させる循環ポンプや、循環される冷却媒体を所定温度となるように冷却するガス式や空冷式、水冷式等の冷却器等を備えた冷却媒体供給部16としてもよい。
また、冷却媒体としては、水等としてもよく、油系、アルコール系等の他の流体としてもよく、さらには、流体に限られず、気体としてもよい。
なお、冷却媒体供給部16としては、上記のような循環供給可能な構成とされたものに限られず、例えば、工場等に設置されるクーリングタワー等としてもよく、さらには、水道(工業用水道、上水道)を冷却媒体供給部16としてもよい。この場合は、冷却管路17を通過させた冷却媒体が排水されるものとしてもよい。
本実施形態では、この冷却管路17を、図1(a)に示すように、被処理木材2の上方側に位置するように設けた構成としている。また、図1(b)に示すように、冷却管路17を、容器10内の上方側空間において広範囲に亘って配されるように、水平面域方向に蛇行させるように設けている。図例では、上記のように容器10の長手方向に長手方向を沿わせて配された被処理木材2の長手方向の複数箇所と平面視して重なり合うように、冷却管路17を設けた例を示している。また、容器10の幅方向に長手方向を沿わせた部位と容器10の長手方向に長手方向を沿わせた部位とを組み合わせた冷却管路17を示している。
また、冷却管路17の配管態様(配管パターン)は、上記のような蛇行状に限られず、容器10内の上方側空間において広範囲に亘って配されるように、途中部位を複数本に分岐させたような態様等としてもよく、その他、種々の変形が可能である。
また、冷却管路17の長さ寸法や径は、後記する冷却工程の際に、効果的な冷却がなされるように適宜、設定するようにしてもよい。
また、この冷却管路17は、金属系材料等から形成されたものとしてもよい。
なお、容器10には、容器10内の温度を測定する温度センサーや、圧力を測定する圧力センサー等が設けられている。
また、木材処理装置1には、上記した高圧高温水蒸気供給源14や加圧エアー供給源15、冷却媒体供給部16、各開閉弁等を作動制御する制御部が設けられており、この制御部によって各部の制御がなされて後記する基本動作の実行がなされる。
まず、容器10内に、上記したように被処理木材2を配置し、高圧高温水蒸気を供給する加熱処理工程を実行する。この加熱処理工程においては、容器10内が所定の処理温度となるように高圧高温水蒸気を供給するようにしてもよい。例えば、この処理温度(容器10内の雰囲気温度)を、105℃〜160℃程度、好ましくは、120℃前後としてもよい。また、被処理木材2が心部まで均一に着色されるように、所定の加熱処理時間が経過するまで加熱処理工程を実行するようにしてもよい。
この冷却工程においては、容器10内が所定の冷却温度となるように冷却管路17に冷却媒体を供給するようにしてもよい。つまりは、所定の冷却温度となれば、冷却工程を終了するようにしてもよい。この冷却温度は、容器10を開放させた際に、処理木材2Aに割れ等が生じないように適宜、設定するようにしてもよく、例えば、70℃〜20℃程度としてもよく、好ましくは、50℃以下としてもよい。
つまり、高圧高温水蒸気が供給される容器10を備えた構成としている。従って、容器10内に収容された被処理木材2を着色したり、被処理木材2に耐光性を付与したりすることができ、このような処理が施された処理木材2Aを製造することができる。
また、冷却媒体を流通させる冷却管路17を、容器10内を通過させるように設けている。従って、上述のように、加熱処理工程の後の冷却工程において冷却管路17に冷却媒体を流通させることで、容器10内の水蒸気を冷却管路17表面において結露させて容器10内の圧力を降下させ、この圧力降下を伴って処理木材2Aを冷却することができる。これにより、徐々に排気したり、放置冷却するような態様と比べて、冷却時間の短縮化を図りながらも割れ等の発生を抑制することができる。また、蒸気釜内の圧力をコントロールしながら高圧水を散水するようなものと比べて、制御の簡略化を図ることができる。
なお、上記した例との相違点について主に説明し、同様の構成については、同一符号を付し、その説明を省略または簡略に説明する。
図2(b)、(c)は、いずれも冷却管路の変形例を示し、各変形例に係る冷却管路17A,17Bは、冷却管路17A,17Bの少なくとも下面側部位に、管路長手方向に間隔を空けて多数の突部18,18Aを設けた点が上記した冷却管路17とは異なる。
なお、各変形例に係る冷却管路17A,17Bの配管態様(配管パターン)は、上記した例と同様としてもよく、その他、種々の態様とされたものとしてもよい。
本変形例では、略円筒状の管路本体17aの外周に、フィン状(リボン状)の突部18を設けた構成としている。また、突部18を、管路本体17aの外周の周方向の全周に亘って設けた構成とし、管路長手方向に厚さ方向を概ね沿わせた薄円板状(薄型リング状)としている。また、突部18を、螺旋状(スパイラル状)に設けた構成としている。つまり、突部18を、螺旋状(スパイラル状)に長手方向に一連状に設けた構成としている。このようなものでも、冷却管路17Aの下面側部位には、管路長手方向に間隔を空けて多数の突部18が設けられることとなる。また、突部18を、管路長手方向に等間隔を空けて、つまり、等ピッチで設けた構成としている。この突部18の間隔(ピッチ)は、突部18の表面において結露した結露水の落下箇所の均等化を図る観点等から適宜の寸法としてもよく、例えば、5mm〜200mm程度等としてもよい。
また、本変形例では、冷却管路17Aの少なくとも下面側部位に、管路長手方向に間隔を空けて多数の突部18を設けている。従って、このような突部18を設けていない場合には、冷却管路表面の結露水の落下箇所に偏りが生じることが考えられるが、突部18の箇所が結露水の落下箇所となるので、結露水の落下箇所の均等化を図ることができる。これにより、処理木材2Aの乾燥による割れ等をより効果的に抑制することができる。
また、本変形例では、冷却管路17Aを、長尺略円筒状とされた管路本体17aの外周に、フィン状(リボン状)の突部18を設けた構成としている。従って、突部18の表面を含む管路表面と水蒸気との接触面積を効果的に大きくすることができる。これにより、容器10内の水蒸気をより効果的に結露させることができ、より迅速に処理木材2Aを冷却することができる。また、例えば、後記する第2変形例のように、冷却管路自体を屈曲させることで突部を設けたようなものと比べて、冷却管路17Aの内部を流通する冷却媒体の圧力損失を抑制することができる。
また、本変形例では、突部18を、螺旋状(スパイラル状)に長手方向に一連状に設けた例を示しているが、このような態様に代えて、独立した閉環状の突部18を長手方向に間隔を空けて設けた構成としてもよい。
また、本変形例では、突部18を、管路本体17aの周方向の全周に亘って設けた構成としているが、周方向に間隔を空けて設けたり、下面側部位のみに設けたりしてもよい。
本変形例では、冷却管路17B自体を、上下に蛇行状に屈曲させて下面側部位に多数の突部18Aを設けた構成としている。つまり、上下に蛇行状に屈曲させた下方側に凸とされた屈曲部が突部18Aとなる構成としている。また、上記同様、多数の突部18Aを、管路長手方向に等間隔を空けて、つまり、等ピッチで設けた構成としている。
本変形例に係る冷却管路17Bを設けた木材処理装置1においても、上記した第1変形例に係る冷却管路17Aを設けた木材処理装置1と概ね同様の効果を奏する。
なお、冷却管路17A,17Bに設けられる突部18,18Aとしては、上記した各例のようなものに限られず、例えば、下方側に向けて突出する略半球状突起や逆錐状突起等としてもよく、その他、種々の変形が可能である。
実施例1では、図1に示したような突部18が設けられていない円筒状(ストレート状)の冷却管路17を図1のように設けた木材処理装置を用いた。
実施例2では、図2(b)に示したようなフィン状(リボン状)の突部18を設けた冷却管路17Aを上記同様に設けた木材処理装置を用いた。
比較例1,2では、冷却管路を設けていない木材処理装置を用い、また、比較例1では、容器外へ気体を吸引して排出する真空ポンプを容器に連通させるように接続した木材処理装置を用いた。
また、各実施例及び各比較例では、同種の木材(バーチ材)、同様の寸法(長さ寸法:600mm、厚さ寸法:34mm、幅寸法:80mm)及び同数(20本)の被処理木材を、上下に多段状とせずに、平面域方向に間隔を空けて並べて容器内に配置した。そして、同様の加熱処理工程(目標加熱温度:120℃、加熱処理時間:60分)を実行した後、それぞれ下記のような冷却工程を行い、評価試験を行った。
実施例2では、フィン状(リボン状)の突部18を設けた冷却管路17Aに冷却媒体を流通させて容器内の温度が所定の冷却温度(50℃)となるように、冷却工程を実行した。
比較例1では、容器内が大気圧(100℃)となるまで徐々に排気して排気冷却工程を行った後、真空ポンプを起動させて容器内の温度が所定の冷却温度(50℃)となるように、真空ポンプ冷却工程を実行した。
比較例2では、容器内の温度が所定の冷却温度(50℃)となるまで放置した(放置冷却)。
また、これら実施例1,2及び比較例1,2の処理木材の表面の目視観察を行った。結果は、図3に示すように、割れが発生している本数が、実施例1では、2本、実施例2では、1本、比較例1及び比較例2では、それぞれ5本であり、冷却工程を管路冷却とした実施例1及び実施例2が良好な結果となった。
また、冷却所要時間及び割れ発生本数のいずれにおいても、突部18を設けた冷却管路17Aとした実施例2の方が実施例1よりも良好な結果となった。
また、上記した例では、冷却管路17,17A,17Bを、被処理木材2の上方側に位置するように設けた例を示しているが、このような態様に代えて、または、加えて、被処理木材2の側方側や下方側等に位置するように設けた態様としてもよい。
10 容器
17,17A,17B 冷却管路
18,18A 突部
2 被処理木材
Claims (3)
- 容器内に高圧高温水蒸気を供給して該容器内に収容された被処理木材を処理する木材処理装置であって、
前記容器内には、冷却媒体を流通させる冷却管路が当該容器内を通過するように設けられていることを特徴とする木材処理装置。 - 請求項1において、
前記冷却管路は、前記被処理木材の上方側に位置するように設けられていることを特徴とする木材処理装置。 - 請求項2において、
前記冷却管路の少なくとも下面側部位には、管路長手方向に間隔を空けて多数の突部が設けられていることを特徴とする木材処理装置。
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2015
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