JP2015205245A - 分級装置及びそれを備えた竪型粉砕分級装置 - Google Patents

分級装置及びそれを備えた竪型粉砕分級装置 Download PDF

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Hideaki Hikino
秀亮 引野
豊 竹野
Yutaka Takeno
豊 竹野
祐樹 近藤
Yuki Kondo
祐樹 近藤
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Abstract

【課題】回転式分級機構のローター部への粉砕物の堆積が有効に防止できる分級装置を提供する。
【解決手段】原料供給管1の同心円外周側に配置された中空状のシャフト14と、シャフト14の下部に結合されてシャフト14と一体に回転するローター部16と、ローター部16の外周部に支持された多数枚の回転フィン13を備え、ローター部16上面のシャフト14側から回転フィン13側に向けて気体31を噴出させる気体噴出機構34,38,40を設けた。
【選択図】図1

Description

本発明は、粉砕された粉砕物を分級する回転フィンを有する分級装置及びそれを備えた竪型粉砕分級装置(以下、粉砕装置と略記することもある)に係り、特に粉砕原料としてバイオマスまたは石炭とバイオマスの混合物を用いるのに好適な分級装置及びそれを備えた竪型粉砕分級装置に関する。
近年、化石燃料の燃焼に伴う二酸化炭素の排出量を削減するため、石炭焚ボイラプラントにおいて、植物由来のバイオマスを燃料として混燃させることが行われている。
燃料としてのバイオマスには種々のものが使用されているが、既設の石炭焚ボイラの設備を有効活用し、できるだけ装置の追加や変更を少なくする観点から、一度粉砕したバイオマスを圧縮成形したペレットを用いることが多い。
すなわち、バイオマスペレットであれば、ローラミルなどの石炭用粉砕装置においても、圧縮成形する前の粒径まで解砕することが可能である。
図16は、石炭焚ボイラプラントに用いられる従来の粉砕装置の概略構成図である。
粉砕装置は、駆動部と、加圧部と、粉砕部と、分級部から主に構成されている。次に各部の構成と機能などについて説明する。
前記駆動部は、粉砕装置の外側に設置された駆動用モータ24から減速機23に回転力を伝達と、その減速機23の回転力を減速機23の上部に設けられている粉砕テ−ブル2に伝達する仕組みになっている。
前記加圧部は、粉砕装置の外側に設置された加圧装置8により、加圧ロッド7を介して粉砕装置の内側に設置された加圧フレーム4を下方向へ引っ張ることで、ピボット6を介して加圧フレーム4の下部に設置されたブラケット5に粉砕荷重を加えることができる。
前記粉砕部は、粉砕テーブル2の上に円周方向に沿って等間隔に複数個配置された粉砕ローラ3を、加圧フレーム4ならびにブラケット5で支持している。粉砕テーブル2の回転により粉砕ローラ3も一緒に転動し、原料供給管1から投入した、例えばバイオマスペレットや原炭などの被粉砕物25を粉砕テーブル2と粉砕ローラ3の噛み込み部で粉砕する。
前記分級部は、固定フィン11を有する固定式分級機構9と、回転フィン13を有する回転式分級機構12を備え、前記固定フィン11の下端部には回収コーン10が取り付けられている。図に示すように前記固定式分級機構9の内側に回転式分級機構12が配置されて、2重の分級機構となっている。
回転式分級機構12は、分級モータ15と、原料供給管1の外側に配置されて分級モータ15により回転駆動される中空状のシャフト14と、そのシャフト14の下端外周部に結合された円盤状のローター部16と、そのローター部16の外周部に等間隔に立設・支持された多数枚の回転フィン13から構成されている。
従って回転フィン13は、ローター部16とシャフト14を介して分級モータ15により回転駆動される構成になっている。
次に粉砕装置の動作について説明する。
原料供給管1から投入した例えば石炭やバイオマスなどの被粉砕物25は、矢印で示すように粉砕テーブル2の中心部に落下する。その粉砕テーブル2は、減速機23を介して駆動用モ−タ24に接続されて、回転駆動している。粉砕テーブル2上に落下した被粉砕物25は、粉砕テーブル2とタイヤ状の粉砕ローラ3との間に噛み込まれて粉砕される。
高温の一次空気26は、一次空気ダクト19から一次空気ウインドボックス20内に供給され、粉砕テーブル2の周囲に設けられた狭いスロート21からミルハウジング22内に導入される。
粉砕された粉砕物は粉砕テーブル2の外周部へと移動し、スロ−ト21を通って上方に吹き上げられる一次空気26と合流し、固気二相流27として上方に吹き上げられ、その間に粉砕された粉砕物は一次空気26の熱により乾燥される。
スロ−ト21から固定フィン11の下端部までの区間は一次分級部と呼ばれており、吹き上げられた粉砕物は重力による分級を受けて、粗い粒子は落下して粉砕部に戻される(一次分級)。
一次分級で残った比較的細かい粒子群30は分級部に入り、固定式分級機構9と回転式分級機構12によって、所定粒度以下の微粒子28と、所定粒度を超えた粗粒子32に分級される(二次分級)。
粗粒子32は矢印で示すように、回収コーン10の内面に沿って落下して、再粉砕される。一方、微粒子28は分配器17で各送炭管18に分配され、製品微粉29として送炭管18を経て石炭焚ボイラ(図示せず)に気流搬送される。
次にこの粉砕装置における原料供給管1と回転式分級機構12のシャフト14の間に形成されている環状流路33への微粉侵入の防止方法について説明する。
原料供給管1は回転しないで固定状態にあり、一方、シャフト14は回転するため原料供給管1の同心円外周側に配置されて、両者の間には環状流路33が形成されている。
図16に示すように、原料供給管1の下部とシャフト14の下部の間はシール部材37で塞がれ、環状流路33の下部からの微粉の侵入を防止している。なお、シール部材37の弾性の利用によりシャフト14の回転は阻害されることはない。
また、パージエア供給機45からパージエア供給管44を通して環状流路33へパージエア31が圧送される。環状流路33の下部はシール部材37で塞がれているから、環状流路33に供給されたパージエア31は回転式分級機構12の上部の排出口39から排出される。
このように環状流路33にパージエア31を供給することにより環状流路33の内圧が高く維持され、その圧力を利用してパージエア31の上部からの微粉の侵入を防止している。
バイオマスは石炭とは違い繊維質の物質であり、石炭と同程度の粒度にまで微粉砕することは難しいとされているが、揮発分を多く含むため、粒径が大きくても燃焼性が良好であることから、石炭と同程度の粒度にまで微粉砕する必要はない。
この粉砕装置の運転方法であるが、解砕された粒径の大きなバイオマス粒子まで回転式分級機構12から排出してボイラへ供給するため、回転式分級機構12の回転を低速あるいは停止して運用する場合が多い。
ところが回転式分級機構12の回転を低速あるいは停止して運用すると、図17に示すようにシャフト14と回転フィン13を連結するローター部16の上面に微粒子28が堆積するという問題がある。この微粒子28の堆積により、自己着火発生の懸念がある。
回転フィン13の回転により発生する遠心力を利用して堆積する微粒子28を排出するために、ローター部16は径方向外側が低くなるように傾斜(傾斜角30°程度)して設けられている。
特開平2−251279号公報
バイオマス粒子は粒径が大きいのでローター部16上に落下しやすい。また、回転フィン13の回転数を低くしたことによって、ローター部16上の微粒子28にかかる遠心力は弱まり、回転フィン13の外に微粒子28を排出する力は小さくなり、円盤状ローター部16への堆積が進む。
揮発分の多いバイオマス粒子がローター部16上に堆積すると、自然発火する恐れがあるから、堆積したバイオマス粒子を確実に除去する必要がある。
そこで回転式分級機構12のローター部16の傾斜角を大きくし、その傾斜角と回転に伴う遠心力とにより、堆積したバイオマス粒子を回転フィン13から排除することが提案されている(例えば特許文献1参照)。
しかし、ローター部16の傾斜角を大きくすると図18に示すように、回転フィン13の下部の一次空気26(燃料搬送気体)の回転軸方向に向かう流速Vは遅くなり、回転フィン13の上下で流入するバイオマス粒子に流速差が生じる。
そのため流速の遅い回転フィン13の下部側に流入するバイオマス粒子は粒径が小さくても、バイオマス粒子に作用する向心力が小さいため、粉砕部に戻されてしまう。
逆に、流速の速い回転フィン13の上部側に流入するバイオマス粒子は粒径が大きくても、バイオマス粒子に作用する向心力が大きいため、ボイラ側に搬送されてしまう。そのため、ボイラへ搬送される燃料粒子の粒径分布が大きくなって、分級性能が低下するという問題がある。
従って、粒径分布が小さいより正確な分級を行うにあたって、回転フィン13の間を通過する固気二相流が水平でかつ均一な流速で回転式分級機構12内に流入することが重要である。そのため、回転式分級機構12のローター部16の傾斜角は水平に近い方が適しており、最大でも30°以内に抑える必要がある。
そこで、ローター部16の傾斜角を大きくすることなく、ローター部16への粉砕物堆積を除去する手段が必要になる。
本発明の目的は、回転式分級機構のローター部への粉砕物の堆積が有効に防止できる分級装置及びそれを備えた竪型粉砕分級装置を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明の第1の手段は、
原料(例えば後述のバイオマス)を供給する原料供給管の同心円外周側に配置された中空状のシャフトと、
そのシャフトの下部に結合されて前記シャフトと一体に回転するローター部と、
そのローター部の外周部に支持された多数枚の回転フィンを備えた分級装置であって、
前記ローター部上面の前記シャフト側から前記回転フィン側に向けて気体(例えば後述のパージエア)を噴出させる気体噴出機構を設けたことを特徴とするものである。
本発明の第2の手段は前記第1の手段において、
前記気体噴出機構は、前記原料供給管の外周面と前記シャフトの内周面の間の環状流路に導入された気体を前記シャフトと前記ローター部の結合部付近に設けられた開口部(例えば後述の通風口)から、前記結合部外周側の周方向に形成した気室へ導き、前記気室の外周壁と前記ローター部の上面との空隙(例えば後述のパージエア噴出スリット)から前記気体を噴出させる構成になっていることを特徴とするものである。
本発明の第3の手段は前記第1の手段において、
前記気体噴出機構は、前記シャフトと前記ローター部の結合部付近の外側まで延びて固定された気体噴射管(例えば後述のノズルを付設したパージエア噴射管)を有し、前記気体噴射管の先端開口部が前記ローター部の上面側に向いていることを特徴とするものである。
本発明の第4の手段は前記第1ないし第3のいずれかの手段において、
前記原料がバイオマスを含む原料であることを特徴とするものである。
前記目的を達成するため、本発明の第5の手段は、
原料を供給する原料供給管の下方に配置された回転する粉砕テーブルと、前記粉砕テーブル上を転動する粉砕回転体との噛み合いによって、前記原料供給管から投入した原料を粉砕する粉砕部と、
前記粉砕部の上方に設けられて、回転フィンにより粉砕物の分級を行う分級部を備えた竪型粉砕分級装置であって、
前記分級部が第1ないし第3のいずれかの手段の分級装置で構成されていることを特徴とするものである。
本発明の第6の手段は前記第5の手段において、
前記原料がバイオマスを含む原料であることを特徴とするものである。
本発明は前述のような構成になっており、回転式分級機構のローター部への粉砕物の堆積が有効に防止できる分級装置及びそれを備えた竪型粉砕分級装置を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る粉砕装置の概略構成図である。 その粉砕装置における回転式分級機構の概略構成図である。 その回転式分級機構におけるパージエア噴出部の縦断面図である。 図3A−A線上の断面図である。 そのパージエア噴出部の側面図である。 本発明の第2実施形態に係るパージエア噴出部の縦断面図である。 図6B−B線上の断面図である。 そのパージエア噴出部の側面図である。 本発明の第3実施形態に係るパージエア噴出部の縦断面図である。 図9C−C線上の断面図である。 そのパージエア噴出部の側面図である。 本発明の第4実施形態に係るパージエア噴出部での図13D−D線上の縦断面図である。 図12E−E線上の横断面図である。 図13F−F線上の拡大縦断面図である。 そのパージエア噴出部の一部を透視した一部切断斜視図である。 石炭焚ボイラプラントに用いられる従来の粉砕装置の概略構成図である。 その粉砕装置で、微粒子が回転式分級機構のローター部上に堆積した状態を示す図である。 その粉砕装置で、ローター部を大きく傾斜させた場合に流入する燃料搬送気体(一次空気)の流速分布を示す概念図である。
本発明の実施形態に係る分級装置及びそれを備えた粉砕装置について、図を用いて説明する。
(第1実施形態)
図1は第1実施形態に係る粉砕装置の概略構成図、図2はその粉砕装置における回転式分級機構の概略構成図、図3はその回転式分級機構におけるパージエア噴出部の縦断面図、図4は図3A−A線上の断面図、図5はパージエア噴出部の側面図である。
図1に示す粉砕装置において図16に示す従来の粉砕装置と相違する点は、回転式分級機構12の構成である。
図1に示すように粉砕装置の分級部は、固定フィン11を有する固定式分級機構9と、回転フィン13を有する回転式分級機構12を備え、前記固定フィン11の下端部には回収コーン10が取り付けられている。前記固定式分級機構9の内側に回転式分級機構12が配置されて、2重の分級機構となっている。
回転式分級機構12は、原料供給管1の同心円外周側に配置された中空状のシャフト14と、そのシャフト14の下端部から径方向外側が低くなるように傾斜(傾斜角30°程度)した円盤状のローター部16と、そのローター部16の外周部に支持された多数枚の回転フィン13と、分級モータ15とにより構成されている。回転フィン13は、シャフト14ならびにローター部16を介して分級モータ15によって回転駆動される。
原料供給管1の下部とシャフト14の下部の間はシール部材37で塞がれ、環状流路33の下部からの微粉の侵入を防止している。
また、パージエア供給機45からパージエア供給管44を通して環状流路33へパージエア31が圧送される。環状流路33の下部はシール部材37で塞がれているから、環状流路33に供給されたパージエア31は回転式分級機構12の上部の排出口39からを排出される。
このように環状流路33にパージエア31を供給することにより環状流路33の内圧が高く維持され、その圧力を利用してパージエア31の上部からの微粉の侵入を防止している。
図3〜図5に示すように、シャフト14の下部周壁には周方向に沿って複数個の通風口34が等間隔に形成され、さらにそのシャフト14の下部外周には、下方が開口したカバー状のパージエアボックス40が取り付けられている。
このパージエアボックス40は、シャフト14の下部周面に接続して、中央部が外周部よりも高くなるように傾斜したボックス上面部35と、そのボックス上面部35の外周部からローター部16の上面近くまで延びたボックス周面部36から構成されている。
このパージエアボックス40の取り付けにより、シャフト14とローター部16の結合部の外側周方向に気室(Chamber)が形成される。
図3に示すようにローター部16の上面とパージエアボックス40(ボックス周面部36)との間には、通風口34と連なるパージエア噴出スリット38が円周方向に沿って形成されている。
これら環状流路33、通風口34、パージエアボックス40、パージエア噴出スリット38ならびにローター部16からパージエア噴出部が構成されている。
そして図2に示すように、環状流路33に供給された高圧パージエア31の一部は、シャフト14の下端部に形成されている各通風口34を通って、径方向外側に拡がり、前述の気室に導かれ、上側内面が傾斜したボックス上面部35ならびに下方に延びたボックス周面部36に沿って流れ、ローター部16の上面とボックス周面部36の下端部の間に形成されたパージエア噴出スリット38からローター部16の上面に沿って噴出される。
パージエア噴出スリット38を絞ることにより、パージエア31の流速を速めることができ、ローター部16の上面に堆積するバイオマスや石炭などの粉砕物を吹き飛ばして除去できる。このことにより、回転式分級機構12の回転数を低くして遠心力が小さくなっている状態でも、粒径が大きく揮発分の多いバイオマス微粉に対しても、ローター部16への堆積を防止することができる。その結果、ローター部16での自己着火を未然に防止することが可能である。
(第2実施形態)
図6は第2実施形態に係るパージエア噴出部の断面図、図7は図6B−B線上の断面図、図8はパージエア噴出部の側面図である。
原料供給管1の下部とシャフト14の下部の間はシール部材37で塞がれ、環状流路33の下部からの微粉の侵入を防止している。
また、パージエア供給機からパージエア供給管(ともに図示せず)を通して環状流路33へパージエア31が供給される。環状流路33の下部はシール部材37で塞がれているから、環状流路33に供給されたパージエア31は回転式分級機構の上部の排出口(ともに図示せず)からパージエア31を排出される。
このように環状流路33にパージエア31を供給することにより環状流路33の内圧が高く維持され、その圧力を利用してパージエア31の上部からの微粉の侵入を防止している。
シャフト14から離れてパージエア噴射管46が下方に向けて延びており、パージエア噴射管46の下端部にはノズル43が取り付けられている。ノズル43はローター部16の上面に向くように設置されているが、ローター部16とは若干離れている。パージエア噴射管46はパージエア供給管(図示せず)から分岐して設けられ、図6や図7に示すようにノズル43からローター部16の上面に向けてパージエア31の一部が噴出されるようになっている。
パージエア噴射管46(ノズル43)は固定されており、ローター部16が回転することにより、バイオマス微粉に対してもローター部16への堆積を防止することができる。
ノズル43を絞り込むことにより、パージエア31の流速を高めて、微粒子28の堆積をより効果的に防止することができる。
(第3実施形態)
図9は第3実施形態に係るパージエア噴出部の縦断面図、図10は図9C−C線上の断面図、図11はパージエア噴出部の側面図である。
この第3実施形態において、図3〜図5に示す第1実施形態と相違する点は、パージエアボックス40の形状と、パージエア噴出スリット38の前に粉砕物仕分け部材41を設置した点である。
図3〜図5に示すように第1実施形態では、パージエアボックス40が、中央部が外周部よりも高くなるように傾斜したボックス上面部35と、そのボックス上面部35の外周部からローター部16の上面近くまで延びたボックス周面部36から構成されている。
これに対して第3実施形態では、断面形状が「ハ」の字型をしたパージエアボックス40を使用している。この傾斜型のパージエアボックス40を使用すると、2つの効果を奏することができる。
その1つの効果は、通風口34から噴出されたパージエア31をパージエアボックス40内で良好に分散させて、流速を均一にできることである。パージエアボックス40内で流速が均一化されたパージエア31は、直ちにパージエア噴出スリット38から噴出され、ローター部16の表面に吹き付けられる。そのパージエア31によって粉砕物が回転フィン13側へ排出される。
もう1つの効果は、パージエアボックス40の表面に大きな傾斜面を付けることにより、パージエアボックス40上面での粉砕物の堆積を防止できることである。
図10に示すようにローター部16の表面でかつパージエアボックス40の外周には、複数個の粉砕物仕分け部材41が等間隔に設置されている。この粉砕物仕分け部材41は三角錐台を倒した状態で、粉砕物仕分け部材41の頂点を結ぶ稜線47(図10参照)がシャフト14を中心にして放射状になるように配置されている。
このように粉砕物仕分け部材41を放射状に配置することによって、ローター部16の表面に堆積する粉砕物を粉砕物仕分け部材41の稜線47から両端に仕分け、ローター部16表面の粉砕物仕分け部材41と粉砕物仕分け部材41の間に粉砕物を自動的に集めることができる。そのため粉砕物が堆積する表面積を減少させ、粉砕物の除去に要するパージエア31の量を減らすことができる。
また、粉砕物仕分け部材41をパージエアボックス40と近接するように設置することで、パージエア噴出スリット38を絞ることができ、噴出するパージエア31の流速が速められる。よって、粉砕物をより強い力で回転フィン11側に排出でき、より効率的な粉砕物除去が可能になる。
(第4実施形態)
図12ないし図15は第4実施形態に係るパージエア噴出部を示す図で、図12は図13D−D線上の縦断面図、図13は図12E−E線上の横断面図、図14は図13F−F線上の拡大縦断面図、図15はパージエア噴出部の一部を透視した一部切断斜視図である。
図14に示すように、原料供給管1の下端部全周を周方向外側に向けて所定の長さ折り返して、断面J字状の形状にする。その折り返した先端部には全周方向にわたって弾性を有するシール材102aが設けられ、このシール材102aは押さえ部材101aによってシャフト14の下端内周面に押し付けられている。
これによりシール材102aは、原料供給管1の外側を回転する回転式分級機構のシャフト14の当たり面と接触し、固定されたシール材102aに対してシャフト14の当たり面が摺動可能となる。
そして原料供給管1の外周面とシャフト14の内周面との間に形成されている環状流路33の上方から導入されたパージエアは、前記シール材102aにより環状流路33の内部に封止される。
また、原料供給管1の下端部でシール材102aよりも下方には、周方向に1箇所、パージエア導出孔34aが貫通して形成されている。本実施形態ではパージエア導出孔34aが周方向に1箇所形成されているが、周方向に沿って所定の間隔をおいて複数個所、例えば180°間隔で2箇所に形成しても良い。
原料供給管1の外周面には、パージエア導出孔34aを囲むように座ぐり状の溝が形成され、その溝に外側から弾性を有するOリング状のシール部材103が嵌め込まれて固定されている。このシール部材103は、シール材102aと同様にシャフト14の当たり面と接触し、シャフト14の当たり面が摺動可能となっている。
次に回転式分級機構の構成について説明する。
回転式分級機構の下部には、パージエアボックス40がシャフト14とローター部16の接続部の全周方向にわたって、カバー材40aで覆われるように形成されている。
図13に示すように、パージエアボックス40は複数枚の隔壁40bによって周方向に複数に分割されている(図13の例では、パージエアボックス40が12分割されている)。
分割された各パージエアボックス40の内周側、すなわちシャフト14側の側壁面にはパージエア分配孔34bが形成されている。このパージエア分配孔34bは、回転式分級機構の回転方向に長く延びた長円形状をしており(図13、図15参照)、回転するパージエア分配孔34bの開口と、固定している原料供給管1側のパージエア導出孔34a(Oリング状のシール部材103)の開口が一致している間(図14参照)、環状流路33側からパージエアボックス40側へのパージエア流路が連通することになる。この連通で、環状流路33側からパージエアボックス40側へパージエアが導入される。
カバー材40aの下端とローター部16の上面の間には周方向に連続したパージエア噴出スリット38が形成され、ここからはパージエアボックス40内に導入されたパージエアをローター部16の上面に向けて噴射できるようになっている。
図14に示すように、パージエアボックス40の下方、すなわちローター部16の下面側において、その内周端部には全周にわたってシール材102bが設けられている。このシール材102bは、シール押さえ部材101bによってローター部16に押し付けられ、シール材102bの内側端部が原料供給管1の下端部の外周面と接触する。これによりシール材102bは、原料供給管1の下端部の外周面に対して摺動する。
このようにして、パージエアが導入される環状流路33と、原料供給管1及びローター部16の下方の空間とが連通することがなく、パージエアが封止される。これにより、パージエアのローター部16の上面への噴出と、回転式分級機能の回転が妨げられることなく、パージエアが流路から漏れ出したり、ローター部16の下方空間から紛体がパージエア流路や上方の空間へ侵入してくるのを防止できる。
以上の構成により、分級機構の回転により、回転するパージエアボックス40側のパージエア分配孔34bの開口と、原料供給管1のパージエア導出孔34aの開口とが合致したパージエアボックス40のみパージエアを導くこととなる。即ち、一つのパージエアボックス40からパージエア噴出スリット38を通じて噴出するパージエアは間欠的に噴出することとなる。
このため、当該パージエアボックス40から噴出するパージエアの噴流を第1実施形態と比べて、強く(高速・高圧と) することができる。よって少ないパージエア流量で、ローター部16上面に堆積しやすい粉砕物を効果的に吹き飛ばすことができる。
前記実施形態ではバイオマスや石炭を粉砕する粉砕装置の場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばセメントなど他の固体を粉砕して分級する分級装置及びそれを備えた竪型粉砕分級装置にも適用可能である。
1:原料供給管、
2:粉砕テーブル、
3:粉砕ローラ、
12:回転分級機構、
13:回転フィン、
14:シャフト、
16:ローター部、
20:微粒子、
25:被粉砕物、
31:パージエア、
33:環状流体、
34:通風口、
35:ボックス上面部、
36:ボックス周面部、
37:シール部材、
38:パージエア噴出スリット、
40:パージエアボックス、
41:粉砕物仕分け部材、
43:ノズル、
44:パージエア供給管、
45:パージエア供給機、
46:パージエア噴射管。

Claims (6)

  1. 原料を供給する原料供給管の同心円外周側に配置された中空状のシャフトと、
    そのシャフトの下部に結合されて前記シャフトと一体に回転するローター部と、
    そのローター部の外周部に支持された多数枚の回転フィンを備えた分級装置であって、
    前記ローター部上面の前記シャフト側から前記回転フィン側に向けて気体を噴出させる気体噴出機構を設けたことを特徴とする分級装置。
  2. 請求項1に記載の分級装置において、
    前記気体噴出機構は、前記原料供給管の外周面と前記シャフトの内周面の間の環状流路に導入された気体を前記シャフトと前記ローター部の結合部付近に設けられた開口部から、前記結合部外周側の周方向に形成した気室へ導き、前記気室の外周壁と前記ローター部の上面との空隙から前記気体を噴出させる構成になっていることを特徴とする分級装置。
  3. 請求項1に記載の分級装置において、
    前記気体噴出機構は、前記シャフトと前記ローター部の結合部付近の外側まで延びて固定された気体噴射管を有し、前記気体噴射管の先端開口部が前記ローター部の上面側に向いていることを特徴とする分級装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の分級装置において、
    前記原料がバイオマスを含む原料であることを特徴とする分級装置。
  5. 原料を供給する原料供給管の下方に配置された回転する粉砕テーブルと、前記粉砕テーブル上を転動する粉砕回転体との噛み合いによって、前記原料供給管から投入した原料を粉砕する粉砕部と、
    前記粉砕部の上方に設けられて、回転フィンにより粉砕物の分級を行う分級部を備えた竪型粉砕分級装置であって、
    前記分級部が請求項1ないし3のいずれか1項に記載の分級装置で構成されていることを特徴とする竪型粉砕分級装置。
  6. 請求項5に記載の竪型粉砕分級装置において、
    前記原料がバイオマスを含む原料であることを特徴とする竪型粉砕分級装置。
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