JP2015203994A - 運転支援装置、運転支援方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】運転者の生体情報または運転挙動に基づいて体調を判定する。その結果、体調異常と判定した場合には、運転支援動作に使用する動作パラメーターを変更することによって、走行の安全を確保する。こうすれば、運転操作に介入するのではなく、運転支援に用いられる動作パラメーターを変更するだけなので、運転者に体調異常の自覚がない場合でも、車両の制御の誤動作あるいは不具合が発生したものと運転者に誤解させてしまうことがない。
【選択図】図1
Description
また、運転者が車両を運転する時間は一日の中でも僅かな時間に過ぎないので、その僅かな時間で運転者の体調を判定したのでは判定精度が不十分となる可能性がある。そこで、不十分な精度の判定結果に基づいて運転者の運転操作に介入することによる弊害を抑制するために、運転者が運転していない間の生体情報も、運転者が携帯する携帯端末を用いて検出しておき、運転中に検出した生体情報と併せて考慮することによって運転者の体調の判定精度を向上させようとする技術も提案されている(特許文献2)。
A.装置構成 :
図1には、運転支援装置100を搭載した車両制御装置10が示されている。図示されるように、車両制御装置10の内部には、画像認識部11や、障害物検出部12、顔画像認識部13、運転支援実行部14、パラメーター記憶部15、生体情報検出部16、体調判定部17、パラメーター変更部18、運転挙動検出部19などを備えている。
尚、これら9つの「部」は、運転支援を行うために車両制御装置10が備える機能に着目して、車両制御装置10の内部を便宜的に分類した抽象的な概念であり、車両制御装置10が物理的に9つの部分に区分されることを表すものではない。従って、これらの「部」は、CPUで実行されるコンピュータープログラムとして実現することもできるし、LSIやメモリーを含む電子回路として実現することもできるし、更にはこれらを組合せることによって実現することもできる。
本実施例の車両制御装置10は、CPUやROMやRAMなどを備えたマイクロコンピューターによって主に形成されており、CPUが実行するプログラムによって、上記の9つの「部」が実現されている。
障害物検出部12は、図示しない車両のフロントグリルに搭載された前方レーダー21を用いて、進行方向前方に存在する障害物(前方を走行する車両も含む)や、障害物までの距離を検出して運転支援実行部14に出力する。
顔画像認識部13は、車室内に設けられた運転者顔面カメラ22で撮影した運転者の顔面の画像を解析することにより、目の位置や、瞳の位置、瞼の位置、鼻や口の位置などの特徴量を抽出する。そして、その結果に基づいて、運転者の顔の向きや、視線の向き、目の開度、瞬きの頻度、瞬きする速度などを検出して、顔画像の認識結果として運転支援実行部14に出力する。また、運転者顔面カメラ22は、運転者から見て、ハンドルの向こう側の正面斜め下方の位置に搭載されており、近赤外領域を含む波長の光を用いて運転者の顔画像を撮影する。
更に、運転支援実行部14は、GPS装置24に接続されたナビゲーションシステム(以下、ナビシステム23)とデータをやり取りして、目的地までの経路を運転者に対して提示する運転支援を行う。
生体情報検出部16は、生体情報センサー25から運転者の生体情報を検出する。生体情報センサー25としては、血圧センサーや、心電センサー、脈拍センサー、呼吸センサーなどを用いることができ、これらを用いて検出した血圧や、心電情報、脈拍、呼吸数などを生体情報として用いることができる。
こうして体調に応じて変更された動作パラメーターに基づいて運転支援実行部14が運転支援動作を行うことにより、たとえ運転者に体調異常の自覚がない場合でも、走行の安全を確保することが可能となる。
図2には、本実施例の運転支援装置100が実行する第1実施例の運転支援処理のフローチャートが示されている。
図示されるように、第1実施例の運転支援処理では先ず始めに、画像認識部11から撮影画像の認識結果を取得する(S101)。上述したように画像認識部11は、前方カメラ20で撮影した撮影画像を解析して、走行中の車線を示す白線の位置や、前方を走行する車両、前方の障害物を認識する。運転支援装置100の運転支援実行部14は、その認識結果を取得する。
また、運転挙動についても、運転者の標準的な運転挙動を予め設定しておき、運転挙動センサー31で検出した運転挙動と比較することによって、運転者の体調が通常と同じか否かを判定することができる。
ここで、警告開始距離とは、自車両が走行中の車線を逸脱する可能性がある旨を、運転者に警告する必要があると判断するために用いる閾値である。画像認識部11が画像認識によって検出された白線と自車両との間の距離が、警告開始距離よりも小さくなった場合には、車線の逸脱の虞がある旨を運転者に警告する必要があると判断する。
そして、警告にも拘わらず自車両が更に白線に近付いていき、白線までの距離が操舵開始距離以下となったら、走行位置を車線の中央に戻す方向に、弱い操舵力のハンドル操作が自動で開始される。
ここで、接近側許容車間距離とは、追従走行中に前方車両に対して最も接近し得る車間距離であり、離隔側許容車間距離とは、追従走行中に前方車両に対して最も遠ざかり得る車間距離である。離隔側許容車間距離は、接近側許容車間距離よりも大きな値に設定されている。
追従走行では、前方車両に対する車間距離が、接近側許容車間距離から離隔側許容車間距離までの範囲内となるように、自車両の加減速が行われる。また、このときに許容される加速度および減速度の上限値が、上限加減速度と呼ばれる動作パラメーターである。
ここで、警告開始距離とは、前方の障害物(あるいは車両)と衝突する虞がある旨を運転者に警告するか否かの判断に用いる閾値である。例えば、障害物(あるいは車両)までの距離が警告開始距離以下の場合には、衝突する虞がある旨を警告する必要があるものと判断する。
制動補助開始距離は、警告開始距離よりも大きな値に設定されており、強制制動開始距離は、制動補助開始距離よりも大きな値に設定されている。
尚、それぞれの運転支援で用いる複数の動作パラメーターが、動作パラメーターセットとして1つにまとめられているものとして説明した。このため、運転者の体調に応じた動作パラメーターセットを選択することによって、各運転支援についての動作パラメーターを一括して切り換えることができる。しかし、それぞれの運転支援毎に、運転者の体調に応じて動作パラメーターを切り換えるようにしても構わない。
そして、こうした処理を繰り返すうちに、運転終了と判断した場合は(S112:yes)、図2に示した第1実施例の運転支援処理を終了する。
上述した第1実施例の運転支援処理では、複数の動作パラメーターセットを予め設定しておき、その中から運転者の体調に応じた動作パラメーターセットを選択するものとして説明した。
しかし、複数の動作パラメーターセットの中から選択するのではなく、動作パラメーターから読み出した動作パラメーターを、運転者の体調に応じて補正した後、運転支援に用いることとしても良い。以下では、このような第2実施例の運転支援処理について説明する。
例えば、車線維持の運転支援に関しては、警告開始距離および操舵開始距離の2つの動作パラメーターが存在することに対応して、それぞれについて補正係数(警告開始距離補正係数、操舵開始距離補正係数)が記憶されている。
また、追従走行の運転支援に関しては、接近側許容車間距離と、離隔側許容車間距離と、上限加減速度の3つの動作パラメーターが存在することに対応して、それぞれについての補正係数(接近側許容車間距離補正係数、離隔側許容車間距離補正係数、上限加減速度補正係数)が記憶されている。
更に、漫然運転監視の運転支援に関しては、漫然状態を警告するインターバル時間を補正するための補正係数(インターバル時間補正係数)が記憶されている。
図4に示した第2実施例の運転支援処理では、運転者の体調が正常ではないと判断した場合に(S208:no)、体調に応じて設定されているこれらの補正係数を読み込む(S208)。
そして、読み込んだ補正係数を用いて、各運転支援についての動作パラメーターを補正する。例えば、車線維持の運転支援で用いる動作パラメーターは警告開始距離および操舵開始距離の2つであり、そして、運転者の体調が「やや悪い」と判定された場合には、警告開始距離に対する補正係数(警告開始距離補正係数)は「Ka」、操舵開始距離に対する補正係数(操舵開始距離補正係数)は「Kb」と設定されている(図5参照)。そこで、第2実施例の運転支援処理のS209では、警告開始距離に補正係数Kaを乗算することによって補正し、操舵開始距離に補正係数Kbを乗算することによって補正する。その他の動作パラメーターについても、同様にして補正することができる。
尚、経路提示の動作パラメーターについては補正係数を乗算するといった簡単な補正は難しいので、ここでは動作パラメーターを補正しないものとして説明した。しかし、前述した第1実施例と同様な方法を用いて、運転者の体調に応じて動作パラメーターを補正することとしても良い。
そして、こうした処理を繰り返すうちに、運転終了と判断した場合は(S215:yes)、図4に示した第2実施例の運転支援処理を終了する。
また、各運転支援の動作パラメーターを補正して使用するので、体調に応じて複数の動作パラメーターを記憶しておく必要がない。このため、パラメーター記憶部15の記憶容量を節約することも可能となる。
13…顔画像認識部、 14…運転支援実行部、 15…パラメーター記憶部、
16…生体情報検出部、 17…体調判定部、 18…パラメーター変更部、
19…運転挙動検出部、 20…前方カメラ、 21…前方レーダー、
22…運転者顔面カメラ、 23…ナビシステム、 25…生体情報センサー、
26…ハンドルアクチュエータ、 27…ブレーキペダルアクチュエータ、
28…アクセルペダルアクチュエータ、 29…表示装置、 30…スピーカー、
31…運転挙動センサー。
Claims (4)
- 運転者による車両の運転操作を補助する動作、あるいは該運転操作のための情報を前記運転者に提示する動作の少なくとも何れかの運転支援動作を実行する運転支援装置(100)であって、
前記運転支援動作に使用する動作パラメーターが記憶されたパラメーター記憶部(15)と、
前記運転者の生体情報を検出する生体情報検出部(16)と、
前記運転者の運転挙動を検出する運転挙動検出部(31)と、
前記生体情報または前記運転挙動の少なくとも一方に基づいて前記運転者の体調を判定する体調判定部(17)と、
前記体調の判定結果に基づいて前記動作パラメーターを変更するパラメーター変更部(18)と、
前記動作パラメーターに従って所定の運転支援動作を実行する運転支援実行部(14)と
を備える運転支援装置。 - 請求項1に記載の運転支援装置であって、
前記パラメーター記憶部は、前記運転者の体調に応じた複数の前記動作パラメーターが記憶されている記憶部であり、
前記パラメーター変更部は、前記パラメーター記憶部に記憶された複数の前記動作パラメーターの中から、前記運転者の体調に応じた動作パラメーターを選択することによって、該動作パラメーターを変更する変更部である
運転支援装置。 - 請求項1または請求項2に記載の運転支援装置であって、
前記パラメーター変更部は、前記パラメーター記憶部から読み出された前記動作パラメーターを前記運転者の体調に応じて変更する変更部であり、
前記運転支援実行部は、前記動作パラメーターが前記パラメーター変更部によって変更された場合には、変更された該動作パラメーターに従って前記運転支援動作を実行する実行部である
運転支援装置。 - 運転者による車両の運転操作を補助する動作、あるいは該運転操作のための情報を前記運転者に提示する動作の少なくとも何れかの運転支援動作を実行する運転支援方法であって、
前記運転者の生体情報または運転挙動の少なくとも一方を検出する工程(S104、S204)と、
前記生体情報または前記運転挙動の少なくとも一方に基づいて前記運転者の体調を判定する工程(S105、S205)と、
前記運転支援動作に使用する動作パラメーターを、前記体調の判定結果に基づいて前記動作パラメーターを変更する工程(S106、S209)と、
前記動作パラメーターに従って所定の運転支援動作を実行する工程(S107からS111、S210〜S214)と
を備える運転支援方法。
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