JP2015203627A - 多軸検出角速度センサ構造、多軸検出角速度センサ、およびセンサ素子基体 - Google Patents

多軸検出角速度センサ構造、多軸検出角速度センサ、およびセンサ素子基体 Download PDF

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雅紀 谷内
田中 浩
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Abstract

【課題】簡易な構成・方式により1素子で3軸角速度を検出することを可能とする、多軸検出角速度センサ構造を提供すること。【解決手段】多軸検出角速度センサ構造10は、1個の矩形状の圧電体2により多軸角速度を検出可能とするものであり、圧電体2には、最外縁が同一面内で伸縮する輪郭振動を駆動振動として自励発振させるための駆動部3と、各軸の角速度により発生する振動に基づき複数の電気信号を取り出す検出部5とが設けられている構成である。複数の電気信号は、各軸の角速度を得るための演算処理に供される。【選択図】図1

Description

本発明は多軸検出角速度センサ構造、多軸検出角速度センサ、およびセンサ素子基体に係り、特に、簡易な構成・方式により1素子で3軸角速度を検出することを可能にする、多軸検出角速度センサ構造等に関するものである。
角速度を検出することにより、運動計測、位置制御等の様々な情報が得られる。角速度センサは、たとえば自動車の次世代安全装置であるASV(先進安全自動車)やFA用途のロボットアーム制御などに利用され、今後も市場拡大が見込まれている。
従来、圧電型角速度センサにおいて、多軸の角速度を検出するためには、複数のセンサ素子を検出軸分だけ用い、各軸周りの角速度を分離し、1軸、2軸または3軸角度速度の検出を行っている。また、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術の躍進により、半導体材料であるSiを母材にして、1素子で1軸、2軸または3軸角速度の検出を行うことのできるセンサも開発されている。
また、多軸角速度検出に関しては特許出願もなされている。たとえば後掲特許文献1には、1つの振動子で、コリオリ力を利用して3軸方向の角速度を検出可能とすることを目的とした、3軸角速度検出振動子、3軸角速度検出装置および3軸角速度検出システムが開示されている。これは、正方形状に配置された4本の振動アームと、正方形状の頂点より対角線方向に伸びた4本の検出アームとを備え、4本の振動アームの振動によって生じる検出アームの形状の歪みを検知して、振動アームに加わった3軸角速度を検出する振動子である。そして、z軸を回転軸として振動アームが回転した場合には、z軸方向と垂直なx−y方向に働くコリオリ力により発生する検出アームの形状の歪みを検出し、x(y)軸方向を回転軸として振動アームが回転した場合には、z軸方向に働くコリオリ力により発生する検出アームの形状の歪みを検出する、というものである。
特開2010−266276号公報「3軸角速度検出振動子、3軸角速度検出装置および3軸角速度検出システム」
さて、従来の圧電型角速度センサは、上述のとおり、多軸感度を実現するために検出軸の軸数分だけ角速度センサが必要となり、多軸角速度センサを構成する際の小型化、低コスト化において問題があった。一方、MEMSによる角速度センサは、高額な製造設備を必要とすることから、製品化に向けては大きな資本力を必要とし、大量生産しない限り製造コストを抑える手段の無いものであった。また、MEMSで主流の静電容量型の角速度センサは、衝撃によるスティッキング現象によりセンサ部が動作しなくなるという問題点もある。
したがって、より簡便な構成・方式によって、軸数分のセンサを揃えることを要せずに、しかもMEMS技術を用いることもなく、1素子のみによる角速度センサを提供できれば、小型化、低コスト化の要求を効果的に満たすことができる。なお上記文献開示技術では、細いアームの連結によって振動子を形成したり、またアームの屈曲を駆動振動のモードとして利用しているが、より簡易な構成・方式であることが望ましい。
そこで本発明が解決しようとする課題は、かかる従来技術の問題点を踏まえ、簡易な構成・方式により1素子で3軸角速度を検出することを可能とする、多軸検出角速度センサ構造、多軸検出角速度センサ、およびセンサ素子基体を提供することである。そしてこれにより、小型化、低コスト化することのできる、多軸検出角速度センサ構造等を提供することである。
本願発明者は上記課題について検討した結果、圧電体を用い、最外縁が同一面内で伸縮する輪郭振動(以下、単に「輪郭振動」)を駆動振動に利用し、複数の検出電極の結線組み合わせによる簡便な方法により、1素子で多軸角速度を独立に検出する小型角速度センサを実現できることを見出した。つまり、下記ア)〜カ)の各事項を確認することができた。
ア) 矩形状の圧電体の表裏面に複数の駆動電極と複数の検出電極を形成し、輪郭振動を駆動振動として自励発振させ(X−Y面内の振動)、3軸各々の角速度により発生する3軸各々の検出振動を電気信号として取り出す複数の検出電極を共通化することにより、多軸化とセンサ素子の小型化を両立できること。
イ) 駆動電極は表裏逆位相とし、四辺の対向する辺に配置した電極同士は同位相とし、他方の対向する辺に配置した駆動電極は前記電極とは逆位相の関係とすることで、安定した駆動振動を発生させられること。
ウ) 複数の検出電極は3軸角速度検出用として共通電極とし、結線方法、演算方法により3軸角速度を分離できること。
エ) 具体的には、Y軸方向に逆位相の検出電極の結線構造によりX軸角速度を、X軸方向に逆位相の検出電極の結線構造によりY軸角速度を、そしてZ軸上に点対称の中心をおいた場合の逆位相の結線構造によりZ軸角速度を、それぞれ検出できること。
オ) 錘つきの構造とすることで矩形形状より慣性力を大きくし高感度化できること。
カ) 分極反転の利用による電極面積の拡大により、高感度化できること。
そしてこれらの事項に基づいて、最終的に本発明を完成するに至った。すなわち、上記課題を解決するための手段として本願で特許請求される発明、もしくは少なくとも開示される発明は、以下の通りである。
〔1〕 矩形状の圧電体1個により多軸角速度を検出可能とする多軸検出角速度センサ構造であって、該圧電体には、最外縁が同一面内で伸縮する輪郭振動を駆動振動として自励発振させるための駆動部と、各軸の角速度により発生する振動に基づき複数の電気信号を取り出す検出部とが設けられている、多軸検出角速度センサ構造。
〔2〕 前記複数の電気信号は各軸の角速度を得るための演算処理に供されることを特徴とする、〔1〕に記載の多軸検出角速度センサ構造。
〔3〕 前記圧電体上において、前記駆動部は表裏各面の外縁部をなして、また前記検出部はその内側に設けられることを特徴とする、〔1〕または〔2〕に記載の多軸検出角速度センサ構造。
〔4〕 前記検出部は複数の検出区画から構成され、各検出区画は所定配置された複数の検出電極を備えて構成され、また、各検出区画は前記電気信号の数と同数以上設けられていることを特徴とする、〔1〕ないし〔3〕のいずれかに記載の多軸検出角速度センサ構造。
〔5〕 前記各検出区画から前記各電気信号が取り出されることを特徴とする、〔4〕に記載の多軸検出角速度センサ構造。
〔6〕 前記駆動部は、前記圧電体の表裏各面に同数ずつ設けられた駆動電極からなり、表裏を含め隣接する各駆動電極間は、逆位相となるように配置されていることを特徴とする、〔1〕ないし〔5〕のいずれかに記載の多軸検出角速度センサ構造。
〔7〕 X、Y、Z3軸の角速度を検出する多軸検出角速度センサ構造であって、前記検出部は、X軸周りの角速度により発生するX軸を対称軸としたZ軸方向の振動(X軸検出振動)、Y軸周りの角速度により発生するY軸を対称軸としたZ軸方向の振動(Y軸検出振動)、およびZ軸周りの角速度により発生する矩形の隣接し合う角が逆位相となるZ軸方向の振動(Z軸検出振動)を電気信号に変換することを特徴とする、〔1〕ないし〔6〕のいずれかに記載の多軸検出角速度センサ構造。
〔8〕 前記検出部はX、Yの2方向性をもって配置された4の検出区画から構成され、各検出区画は所定配置された複数の検出電極を備えて構成され、各検出区画から前記各電気信号が取り出されることを特徴とする、〔7〕に記載の多軸検出角速度センサ構造。
〔9〕 X軸を対称軸とした位相の正逆に基づいて前記電気信号の演算によりX軸角速度が検出され、Y軸を対称軸とした位相の正逆に基づいて該電気信号の演算によりY軸角速度が検出され、Z軸上に点対称の中心をおいた場合の位相の正逆に基づいて該電気信号の演算によりZ軸角速度が検出されることを特徴とする、〔8〕に記載の多軸検出角速度センサ構造。
〔10〕 前記検出部は複数の検出区画から構成され、各検出区画は、表面に設けられた1の検出電極ならびに基準電位用検出電極、および裏面に設けられた1の検出電極から構成されていることを特徴とする、〔1〕ないし〔9〕のいずれかに記載の多軸検出角速度センサ構造。
〔11〕 前記裏面の検出電極は前記表面の2の検出電極のうち一方と結線されていることを特徴とする、〔10〕に記載の多軸検出角速度センサ構造。
〔12〕 前記圧電体は裏面に錘構造を備えていることを特徴とする、〔1〕ないし〔11〕のいずれかに記載の多軸検出角速度センサ構造。
〔13〕 前記圧電体はその厚み方向に分極反転が形成されていることを特徴とする、〔1〕ないし〔12〕のいずれかに記載の多軸検出角速度センサ構造。
〔14〕 前記検出部は複数の検出区画から構成され、各検出区画は表裏各面に設けられた検出電極から構成されており、基準電位用検出電極の設置が不要であることを特徴とする、〔13〕に記載の多軸検出角速度センサ構造。
〔15〕 〔1〕ないし〔14〕のいずれかに記載の多軸検出角速度センサ構造を備えた、多軸検出角速度センサ。
〔16〕 矩形状の圧電体1個により多軸角速度を検出可能とする多軸検出角速度センサ用のセンサ素子基体であって、最外縁が同一面内で伸縮する輪郭振動を駆動振動として自励発振させるための駆動部が該圧電体の表裏各面の外縁をなして設けられており、該駆動部は該圧電体の表裏各面に同数ずつ設けられた駆動電極からなり、表裏を含め隣接する各駆動電極間は、逆位相となるように配置されていることを特徴とする、センサ素子基体。
本発明の多軸検出角速度センサ構造、多軸検出角速度センサ、およびセンサ素子基体は上述のように構成されるため、これによれば、簡易な構成・方式により1素子で3軸角速度を検出することができる。そしてこれにより、多軸検出角速度センサを小型化、低コスト化することができる。つまり本発明は、駆動振動として最外縁が同一面内で伸縮する輪郭振動を用い、3軸周りの角速度検出用電極を共通化し、検出電極間の結線構造に基づき演算処理を施すという簡便な構成・方式によって、1素子で、3軸角速度を独立に検出することができる。
本発明の多軸検出角速度センサ構造の基本構成を概念的に示す説明図である。 本発明の多軸検出角速度センサ構造における駆動振動と検出振動についての説明図である。 本発明の多軸検出角速度センサ構造の構成例を示す斜視図である。 図3に示した構成例における検出部構成を示す説明図である。 第一実施形態の構成を示す平面図である。 第一実施形態の構成を示す裏面図である(平面図方向からの透視図)。 図5Aのa−a’断面図と結線構造を併せ示した図である。 検出振動時に各検出電極(メイン電極)に現れる信号位相の関係を示した表である。 図5Aのb−b’断面図と結線構造を併せ示した図である。 図8の(d)−1について全検出電極(検出区画)の結線構造を示した説明図である。 図8の(d)−2について全検出電極(検出区画)の結線構造を示した説明図である。 図9に示した結線構造の場合の信号処理システム例を示すブロック図である。 第一実施形態における駆動電極のインピーダンス応答をシミュレーションしたグラフである。 第一実施形態におけるX軸周りの角速度検出用の検出電極のインピーダンス応答をシミュレーションしたグラフである。 第一実施形態におけるY軸周りの角速度検出用の検出電極のインピーダンス応答をシミュレーションしたグラフである。 第一実施形態におけるZ軸周りの角速度検出用の検出電極のインピーダンス応答をシミュレーションしたグラフである。 第二実施形態の構成を示す斜視図である。 第三実施形態の構成を示す斜視図である。 図16AのC−C’断面図である。
以下、図面により本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明の多軸検出角速度センサ構造の基本構成を概念的に示す説明図である。図示するように本多軸検出角速度センサ構造10は、1個の矩形状の圧電体2(以下、「矩形板」ともいう。)により多軸角速度を検出可能とする多軸検出角速度センサ構造であり、圧電体2には、最外縁が同一面内で伸縮する輪郭振動を駆動振動として自励発振させるための駆動部3と、各軸の角速度により発生する振動に基づき複数の電気信号を取り出す検出部5とが設けられていることを、基本的な構成とする。
つまり本発明の多軸検出角速度センサ構造10では、単純な板状の圧電体によって振動子が形成されている。なお、複数の電気信号は、各軸の角速度を得るための演算処理に供されるものであるが、これについては追って詳述する。
図2は、本発明の多軸検出角速度センサ構造における駆動振動と検出振動について、圧電体を用いて説明する図である。センサ素子に使用する圧電体は、電気信号を機械振動に変換し、また、機械振動を電気信号に変換する機能を有する。まず図2中の(a)は、駆動部の自励発振に使われる、最外縁が同一面内で伸縮する輪郭振動を説明するものである。ここに示すように、圧電体に形成した駆動電極(図示せず)に電圧を印加することにより、電気信号を機械振動に変換させ、矩形板の四辺の対向する2辺が平面(X−Y面)で広がる方向に伸び、他方の対向する2辺が矩形板の中心方向に縮み、互いに伸縮を繰り返す輪郭振動が発生する。この振動を、駆動振動という。
ここで、X軸周りの角速度(ωx)が印加されると、コリオリ力により図2中の(b)のようにX軸の中心線を対称軸としたZ軸方向への振動が発生する。この振動をX軸検出振動という。また、Y軸周りの角速度(ωy)が印加されると、コリオリ力により図2中の(c)のようにY軸の中心線を対称軸としたZ軸方向への振動が発生する。この振動をY軸検出振動という。さらに、Z軸周りの角速度(ωz)が印加されると、コリオリ力により図2中の(d)のように矩形板の対向する4角が逆位相のZ軸方向の振動が発生する。この振動をZ軸検出振動という。
圧電体に形成した検出電極(図示せず)で、前述3軸角速度の検出振動(機械振動)を電気信号に変換された形で検出することにより、3軸角速度を検知することができる(なお、矩形板の長手方向をY軸、幅方向をX軸、厚み方向をZ軸とする。以下において同じ)。
つまり本発明の多軸検出角速度センサ構造10における検出部5は、各軸の角速度により発生する下記各振動を、電気信号に変換する。
X軸検出振動:X軸周りの角速度により発生するX軸を対称軸としたZ軸方向の振動
Y軸検出振動:Y軸周りの角速度により発生するY軸を対称軸としたZ軸方向の振動
Z軸検出振動:Z軸周りの角速度により発生する矩形の隣接し合う角が逆位相となるZ軸方向の振動
このようにして多軸検出角速度センサ構造10により、X、Y、Z3軸の角速度が検出される。
図3は、本発明の多軸検出角速度センサ構造の構成例を示す斜視図である。図中、(a)に表面(+Z面)、(b)に裏面(−Z面))を示す。図示するように本多軸検出角速度センサ構造210は、圧電体上において、駆動部23a、23bはそれぞれ表裏各面の外縁部をなして形成され、また検出部25a、25bはそれぞれその内側に設けられた構成とすることができる。つまり本多軸検出角速度センサ構造210は、圧電体の矩形板の表裏各面に、駆動部23a等と検出部25a等を配置した構成である。
また本多軸検出角速度センサ構造210の駆動部23a等は、圧電体の表裏各面に同数ずつ設けられた駆動電極241、242、245、246、・・・等からなり、表裏を含め隣接する各駆動電極241等の間は、逆位相となるように配置されていることを特徴的な構成とする。なお、裏面の中央部付近には、本センサ構造210(矩形板)をセラミックパッケージ等に実装する際の固定部(接着部)29が設けられる。また、本センサ構造210(矩形板)にに用いる圧電体材料としては、たとえばLiNbO3や水晶を好適に用いるものとすることができる。
図4は、図3に示した構成例における検出部構成を示す説明図である。このうち(a)は平面図、(b)は(a)中D3の破線部分の断面図である。これらに示すように本多軸検出角速度センサ構造410の検出部は、複数の検出区画461、462等から構成され、各検出区画461等は所定配置された複数の検出電極4631、4632等を備えて構成される。また、各検出区画461等は電気信号の数と同数以上設けられている構成である。なお、図中D1は検出区画461、D2は検出区画462、D3は検出区画463、D4は検出区画464である。各検出区画461(D1)等から各電気信号が取り出され、上述のとおり各軸の角速度を得るための演算処理に供される。
本図構成例のように本多軸検出角速度センサ構造410の検出部は、X、Yの2方向性をもって配置された4つの検出区画461(D1)等から構成されたものとすることができる。そして、各検出区画461(D1)等から各電気信号が取り出され、上述のとおり各軸の角速度を得るための演算処理に供される。
以下、本発明を実施形態に即し説明するが、本発明がかかる例に限定されるものではない。なお各実施形態は、図3および4にて説明した本発明構成例を基礎とするため、以下の説明ではこれらの図も参照する場合がある。
<1.本発明多軸検出角速度センサ構造の第一実施形態>
図5A、5Bは、第一実施形態の構成を示す平面図および裏面図である。ただし後者は、平面図方向からの透視図として示す。図示するように駆動電極は位相が相互に逆であるDr1、Dr2を、同一面上では交互に隣接させて、異なる面上でも対向するように配置する構成である。
本第一実施形態における検出部は、検出区画Det1〜Det4から構成され、各検出区画Det1等は、表面に設けられた1の検出電極Det1(+)等、ならびに基準電位用検出電極Det1’(+)等、および裏面に設けられた1の検出電極Det1(−)等から構成される。これらを検出電極の種類ごとに記載すると下記のとおりである。
検出電極(+面):Det1(+)〜Det4(+) なお、メイン電極とも称する。
検出電極(+面,基準電位):Det1’(+)〜Det4’(+)
検出電極(−面):Det1(−)〜Det4(−)
なお、以下、「検出区画Det1〜Det4」を「検出電極Det1〜Det4」と称して説明する。
図6は、図5Aのa−a’断面図と結線構造を併せ示した図である。図示するように、表裏各面において対応(対向)する駆動電極Dr1、Dr2を逆位相とすることで、対向する二辺同士(たとえば、表面(+Z面)のDr1同士またはDr2同士における二辺同士)は、X−Y平面方向の伸縮が同じ位相で、かつ、Dr1とDr2は互いに逆位相の伸縮となることから、図2で説明した輪郭振動、すなわち一方が伸び他方が縮む駆動振動が発生する。
図7は、検出振動時に各検出電極(メイン電極)に現れる信号位相の関係を示した表である。つまり、駆動振動を発生させた状態で、各軸周りの角速度を印加した時の検出電極(メイン電極)Det1(+)〜Det4(+)に発生する電気信号の位相の関係を示したものである。この位相の関係を利用して、結線された各検出電極Det1〜Det4に基づいて、下式(1)〜(3)による電気信号の演算を行うことで、3軸の角速度を分離することができる。したがって、3軸分について独立に検出電極を設ける必要が無く、小型化が可能となる。
X軸角速度ωx印加時の出力=(Det2+Det3)−(Det1+Det4)・・・式(1)

Y軸角速度ωy印加時の出力=(Det1+Det2)−(Det3+Det4)・・・式(2)

Z軸角速度ωz印加時の出力=(Det2+Det4)−(Det1+Det3)・・・式(3)
換言すれば本発明の多軸検出角速度センサ構造は、X軸を対称軸とした位相の正逆に基づいて電気信号の演算によりX軸角速度が検出され、Y軸を対称軸とした位相の正逆に基づいて電気信号の演算によりY軸角速度が検出され、Z軸上に点対称の中心をおいた場合の位相の正逆に基づいて電気信号の演算によりZ軸角速度が検出されるものである。
図8は、図5Aのb−b’断面図と結線構造を併せ示した図である。なお結線構造例として、(d)−1、(d)−2 の2つを示した。まず(d)−1は、裏面(−Z面)の検出電極(Det1(−)〜Det4(−))を基準電位Det1’(+)〜Det4’(+)と同位相にした場合であり、Det1(+)〜Det4(+)とDet1(−)〜Det4(−)のZ軸方向の電界を利用した例である。
他方(d)−2は、裏面(−Z面)の検出電極(Det1(−)〜Det4(−))を表面(+Z面)の検出電極Det1(+)〜Det4(+)と同位相とした場合であり、Det1(−)〜Det4(−)と基準電位Det1’(+)〜Det4’(+)のZ軸方向の電界を利用した例である。このように本発明の多軸検出角速度センサ構造では、裏面の検出電極が、表面の2つの検出電極のうち一方と結線された構造とすることができる。
図9は、図8の(d)−1について全検出電極(検出区画)の結線構造を示した説明図である。また、
図9−2は、図8の(d)−2について全検出電極(検出区画)の結線構造を示した説明図である。なお、各図中のD1〜D4は、各検出電極(検出区画)を示したものである(図4参照)。これらに示すように、各検出電極(検出区画)D1〜D4において発生する4つの信号は、前出図7に示した関係に基づいてX軸角速度(ωx)、Y軸角速度(ωy)、Z軸角速度(ωz)に対応する。これら4つの信号を演算処理することによって、1軸分の検出電極で3軸の角速度を独立に検出することができる。
各検出電極(検出区画)D1〜D4から得られた各信号の信号処理(演算処理)について説明する。
・X軸角速度(ωx)印加:Det2、Det3同士が同位相(+)、またDet1、Det4同士が同位相(−)の信号である。(−ωx)の時には符号が反転する。
同位相同士を加算し、逆位相の信号を減算することで、X軸角速度の検出が可能となる(上記の式(1))。
・Y軸角速度(ωy)印加:Det1、Det2同士が同位相(+)、Det3、Det4同士が同位相(−)の信号である。なお、(−ωy)の時は符号が反転する。
同位相同士を加算し、逆位相の信号を減算することで、Y軸角速度の検出が可能となる(上記の式(2))。
・Z軸角速度(ωz)印加:Det2、Det4同士が同位相(+)、Det1、Det3同士が同位相(−)の信号である。なお、(−ωz)の時は符号が反転する。
同位相同士を加算し、逆位相の信号を減算することで、Z軸角速度の検出が可能となる(上記の式(3))。
図10は、図9に示した結線構造の場合の信号処理システム(演算処理システム)例を示すブロック図である。なお信号処理システムの構成は、たとえば電気回路、ソフトウェアのいずれであってもよい。また両者の複合でもよい等、具体的構成は限定されない。このような信号処理システム(演算処理システム)を用いることにより、X、Y、Z軸の角速度検出について、各角速度検出用電極を共通のものとしながらも、これら3軸角速度を分離して独立に検出することができる。
図11は、第一実施形態における駆動電極のインピーダンス応答をシミュレーションしたグラフである。また、
図12〜14はそれぞれ、X軸、Y軸、Z軸周りの角速度検出用の検出電極のインピーダンス応答をシミュレーションしたグラフである。図11では、本実施形態によって駆動振動(輪郭振動)を励振できることが確認された。また図12〜14では、各検出電極の結線により3軸各々の所望の検出振動を検知できることが確認された。
<2.本発明の第二実施形態>
図15は、第二実施形態の構成を示す斜視図である。図中、(a)は表面(+Z面)、(b)は裏面(−Z面))を示す。図示するように本実施形態の多軸検出角速度センサ構造510は、圧電体52の裏面に錘構造57、57、・・・が備えられていることを、特徴的な構成とするものである。なお、錘構造(以下、単に「錘」とも称する。)57の数は、図の例示に関わらず限定されない。
本構成により、錘57等により慣性力が増加し、駆動周波数が低周波数側へシフトする。慣性センサは慣性力を利用するものであるため、錘57等によるセンサの高感度化が可能となる。ここで、一般的な圧電型の角速度センサの性能指数を、式(4)に示す。
V2/V1=(Ax/Ay)(Qx/ωx)(Qy/γy)Ω・・・式(4)

なお、V1:入力電圧、V2:出力電圧、Ax:駆動振動に対する電気・機械変換器の力係数、Ay:検出振動に対する電気・機械変換器の力係数、Qx:駆動モードの共振先鋭度、Qy:検出振動の共振先鋭度、ωx:駆動角周波数、γy:検出振動に対する容量比、Ω:回転角速度を表す。
圧電型の角速度センサにおいては、式(4)で得られる値が大きいほど高感度となる。式(4)に示されたとおり、駆動角周波数ωx(=2πfx)が小さいほど高感度となる。したがって、錘57等による駆動周波数の低周波側へのシフト(低周波数化)によって、高感度化が実現されるものである。
なお、錘57の形成は、たとえば矩形板に高精度スライサー等を用いた切削加工によって溝を形成する、という簡便な方法で実現できる。また、加工方法はスライサーに限らず、サンドブラストや、エッチング等、従来公知の適宜の方法により形成することができる。
<3.本発明の第三実施形態>
図16Aは、第三実施形態の構成を示す斜視図である。図中、(a)は表面(+Z面)、(b)は裏面(−Z面))を示す。また、
図16Bは、図16AのC−C’断面図である。これらに図示するように本実施形態の多軸検出角速度センサ構造610は、圧電体62の厚み方向に分極反転が形成されていることを、特徴的な構成とする。なお、図16Bにおいて、Psは圧電体62の分極を表し、矢印は分極の向きを示す。ここでは、圧電体62の厚み(Z軸)方向の中央付近で、分極を反転させている。
図示するように本多軸検出角速度センサ構造610では、各検出区画は表裏各面に設けられた検出電極662、666、663、667等から構成されており、基準電位用検出電極の設置は不要である。つまり、分極反転を利用することで基準電位は分極反転された層となり、図5Aで示した基準電位用の検出電極の設置が不要になり、検出電極662等の大面積化が可能となる。大面積化により、検出電極において検知できる信号量を増やすことができるため、高感度化につながる。
また、図15に示した第三実施形態の錘構造57付きの多軸検出角速度センサ構造610でも同様に、分極反転を併用することができる。錘構造57を用いた構成の場合、電極形成のエリアすなわち検出区画のみを分極反転させることによって、錘構造57による高感度化と分極反転による高感度化の双方の利点を、相乗的に得ることができる。
なお、以上述べた多軸検出角速度センサ構造を備えた多軸検出角速度センサ自体もまた、本発明の範囲内である。また、以上説明した輪郭振動を駆動振動として自励発振させるための駆動部の設けられた圧電体によるセンサ素子基体も、本発明の範囲内である。
本発明の多軸検出角速度センサ構造、多軸検出角速度センサ、およびセンサ素子基体によれば、簡易な構成・方式により1素子で3軸角速度を検出することができ、多軸検出角速度センサを小型化、低コスト化できる。したがって、角速度検出に係る広範な産業分野において、産業上利用性が高い発明である。
2、42、52、62…圧電体
29、59、69…固定部(接着部)
3、23a、23b、53a、53b、63a、63b…駆動部
5、25a、25b、55a、55b、65a、65b…検出部
57…錘構造
10、210、410、510、610…多軸検出角速度センサ構造
241、242、243、244、245、246、247、248…駆動電極
261、262、263、264、265、266、267、268…検出電極
441、442、443、444…駆動電極
461、462、463、464、467…検出区画
4631…駆動電極(表面(+z面))
4632…駆動電極(基準電位、表面(+z面))
467…駆動電極(裏面(−z面))
662、663、666、667…検出電極

Claims (16)

  1. 矩形状の圧電体1個により多軸角速度を検出可能とする多軸検出角速度センサ構造であって、該圧電体には、最外縁が同一面内で伸縮する輪郭振動を駆動振動として自励発振させるための駆動部と、各軸の角速度により発生する振動に基づき複数の電気信号を取り出す検出部とが設けられている、多軸検出角速度センサ構造。
  2. 前記複数の電気信号は各軸の角速度を得るための演算処理に供されることを特徴とする、請求項1に記載の多軸検出角速度センサ構造。
  3. 前記圧電体上において、前記駆動部は表裏各面の外縁部をなして、また前記検出部はその内側に設けられることを特徴とする、請求項1または2に記載の多軸検出角速度センサ構造。
  4. 前記検出部は複数の検出区画から構成され、各検出区画は所定配置された複数の検出電極を備えて構成され、また、各検出区画は前記電気信号の数と同数以上設けられていることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の多軸検出角速度センサ構造。
  5. 前記各検出区画から前記各電気信号が取り出されることを特徴とする、請求項4に記載の多軸検出角速度センサ構造。
  6. 前記駆動部は、前記圧電体の表裏各面に同数ずつ設けられた駆動電極からなり、表裏を含め隣接する各駆動電極間は、逆位相となるように配置されていることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれかに記載の多軸検出角速度センサ構造。
  7. X、Y、Z3軸の角速度を検出する多軸検出角速度センサ構造であって、前記検出部は、X軸周りの角速度により発生するX軸を対称軸としたZ軸方向の振動(X軸検出振動)、Y軸周りの角速度により発生するY軸を対称軸としたZ軸方向の振動(Y軸検出振動)、およびZ軸周りの角速度により発生する矩形の隣接し合う角が逆位相となるZ軸方向の振動(Z軸検出振動)を電気信号に変換することを特徴とする、請求項1ないし6のいずれかに記載の多軸検出角速度センサ構造。
  8. 前記検出部はX、Yの2方向性をもって配置された4の検出区画から構成され、各検出区画は所定配置された複数の検出電極を備えて構成され、各検出区画から前記各電気信号が取り出されることを特徴とする、請求項7に記載の多軸検出角速度センサ構造。
  9. X軸を対称軸とした位相の正逆に基づいて前記電気信号の演算によりX軸角速度が検出され、Y軸を対称軸とした位相の正逆に基づいて該電気信号の演算によりY軸角速度が検出され、Z軸上に点対称の中心をおいた場合の位相の正逆に基づいて該電気信号の演算によりZ軸角速度が検出されることを特徴とする、請求項8に記載の多軸検出角速度センサ構造。
  10. 前記検出部は複数の検出区画から構成され、各検出区画は、表面に設けられた1の検出電極ならびに基準電位用検出電極、および裏面に設けられた1の検出電極から構成されていることを特徴とする、請求項1ないし9のいずれかに記載の多軸検出角速度センサ構造。
  11. 前記裏面の検出電極は前記表面の2の検出電極のうち一方と結線されていることを特徴とする、請求項10に記載の多軸検出角速度センサ構造。
  12. 前記圧電体は裏面に錘構造を備えていることを特徴とする、請求項1ないし11のいずれかに記載の多軸検出角速度センサ構造。
  13. 前記圧電体はその厚み方向に分極反転が形成されていることを特徴とする、請求項1ないし12のいずれかに記載の多軸検出角速度センサ構造。
  14. 前記検出部は複数の検出区画から構成され、各検出区画は表裏各面に設けられた検出電極から構成されており、基準電位用検出電極の設置が不要であることを特徴とする、請求項13に記載の多軸検出角速度センサ構造。
  15. 請求項1ないし14のいずれかに記載の多軸検出角速度センサ構造を備えた、多軸検出角速度センサ。
  16. 矩形状の圧電体1個により多軸角速度を検出可能とする多軸検出角速度センサ用のセンサ素子基体であって、最外縁が同一面内で伸縮する輪郭振動を駆動振動として自励発振させるための駆動部が該圧電体の表裏各面の外縁をなして設けられており、該駆動部は該圧電体の表裏各面に同数ずつ設けられた駆動電極からなり、表裏を含め隣接する各駆動電極間は、逆位相となるように配置されていることを特徴とする、センサ素子基体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109596853A (zh) * 2019-01-09 2019-04-09 华南理工大学 一种无芯片rfid角速度传感器及测量系统及方法

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