JP2015203013A - 融合蛋白質、その製造方法、及び融合蛋白質により抗原ペプチドを小胞体に輸送する方法 - Google Patents

融合蛋白質、その製造方法、及び融合蛋白質により抗原ペプチドを小胞体に輸送する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】融合蛋白質により抗原ペプチドを小胞体に輸送する方法を提供する。
【解決手段】本発明が提供する融合蛋白質により抗原ペプチドを小胞体に輸送する方法は以下の工程を含む。融合蛋白質の配列はN端からC端にかけて順にTatペプチド、(His)6ペプチド、ユビキチン蛋白質、及び抗原ペプチドを含有する。工程aでは、融合蛋白質を製造する。融合蛋白質を細胞外から細胞質に輸送する工程bでは、Tatペプチドにより細胞外から前記細胞の細胞質中に融合蛋白質を導入する。抗原ペプチドを切り出す工程cでは、細胞質中のユビキチン蛋白質C端加水分解酵素により、融合蛋白質中から抗原ペプチドを切り出す。抗原ペプチドを小胞体に輸送する工程dでは、細胞質中の小胞体の膜のTAP1/2輸送蛋白質により切り出された抗原ペプチドを小胞体内に輸送する。
【選択図】図2

Description

本発明は、融合蛋白質により抗原ペプチドを小胞体に輸送する方法に関し、強直性脊椎炎(Ankylosing Spondylitis)の治療に用いられる臨床研究に関する。
強直性脊椎炎(Ankylosing Spondylitis)の発病メカニズムは、ヒト白血球型抗原B―27(human leukocytic antigen−B27、略称HLA−B27)の発現に関連する。HLA―B27は、主要組織適合遺伝子複合体クラスI(major histocompatibility complex、略称MHC class I) 分子に属し、重鎖(heavy chain、 略称HC)及びβ2ミクログロブリン(β2−microglobulin、略称β2 m)により構成される。小胞体中でHLA―B27が合成されると、HLA―B27は、抗原ペプチドに結合され、HLA―B27と抗原ペプチドとの結合複合体はトランスゴルジ体(trans−Golgi)により細胞膜に輸送され、抗原ペプチドは細胞の表面に現れる。
Arthritis Rheum、 46:2972−82、2002 J Biol Chem、 277:23459−68、2002 J Immunol、173:1699−710、 2004;J Immunol、 186:2672−80、 2011 J Immunol、163:6665−70、 1999;J Exp Med、 180:2163−71、 1994
しかしながら、2002年Kellenberger S氏ら(非特許文献1を参照)及びDangoria NS氏ら(非特許文献2を参照)の研究では、HLA―B27の重鎖は、小胞体中とβ2ミクログロブリン及び抗原ペプチドとが結合する前に、自然と緩やかに折り畳まれる傾向があり、誤って折り畳まれたHLA―B27重鎖が小胞体内に堆積され蛋白質変性反応を引き起こしHLA―B27重鎖二量体(B27−HC)2を形成する。HLA―B27重鎖二量体(B27−HC)2は、β2ミクログロブリンに結合せず、HLA―B27重鎖二量体が細胞膜で発現されると、自然にナチュラルキラー細胞(Natural killer−cells、略称NK cells)とTh17細胞(T−helper 17 cells)が活性化され、炎症反応が引き起こされ、強直性脊椎炎の主要な潜在的な原因となった(非特許文献3を参照)。
また、他の資料によると、HLA―B27と結合する抗原ペプチドは小胞体中でHLA―B27重鎖が正確に折り畳まれるのを助ける(非特許文献4を参照)。このため、HLA―B27重鎖は強直性脊椎炎を治療するための重要な薬物であり、HLA―B27が結合する抗原ペプチドを小胞体内まで有効的に輸送し、HLA―B27重鎖の折り畳みを促進し、強直性脊椎炎を治療する潜在的なメカニズムになる。然しながら、現在の関連する研究分野では、正確な大きさ及び配列の抗原ペプチドを小胞体内に輸送する適切な技術方法が開発されていない。
そこで、本発明者は上記の欠点が改善可能と考え、鋭意検討を重ねた結果、合理的設計で上記の課題を効果的に改善する本発明の提案に到った。
本発明は、このような従来の問題に鑑みてなされたものである。上記問題を解決するため、本発明は、融合蛋白質により抗原ペプチドを小胞体に輸送する方法を提供することを主目的とする。つまり、正確な大きさ及び配列の抗原ペプチドを小胞体内に輸送し、HLA―B27重鎖が小胞体内で正確に折り畳まれるのを促進する。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る融合蛋白質により抗原ペプチドを小胞体に輸送する方法は、以下の工程を含む。
Tatペプチド、(His)6ペプチド、ユビキチン蛋白質、及び抗原ペプチドを含有する融合蛋白質を製造する工程aを含む。
Tatペプチドにより細胞外から細胞の細胞質中に融合蛋白質を導入する「融合蛋白質を細胞外から細胞質に輸送する工程b」を含む。細胞質中のユビキチン蛋白質C端加水分解酵素により融合蛋白質中から抗原ペプチドを切り出す「抗原ペプチドを切り出す工程c」を含む。細胞質中の小胞体の膜のTAP1/2輸送蛋白質により切り出された抗原ペプチドを小胞体内に導入する「抗原ペプチドを小胞体に輸送する工程d」を含む。
本発明は、抗原ペプチドを小胞体内に有効的に輸送する。輸送された抗原ペプチドは、HLA―B27重鎖が正確に折り畳まれるのを助け、HLA―B27重鎖二量体の数量を減少させ、炎症反応の発生を抑える。これにより本発明は強直性脊椎炎の治療の臨床研究に応用可能である。
本発明は、癌治療の研究にも応用可能である。細菌由来の抗原ペプチドをヒト細胞の小胞体に輸送した後、抗原ペプチドがヒト細胞のHLA―B27により細胞の表面に現れ、CD8+T細胞を活性化させ、細胞毒反応を引き起こす。故に本発明は、癌治療の研究分野に応用可能であり、本方法により特定の抗原ペプチドを癌細胞の中に導入すると、癌細胞のMHC Class I分子は、抗原ペプチドが輸送された細胞膜に現れ、この際、癌細胞は活性化されたCD8+T細胞に毒殺され、癌治療の効果を達成することができる。
本発明の一実施形態による融合蛋白質により抗原ペプチドを小胞体に輸送する方法を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態による融合蛋白質を説明する模式図(一)である。 本発明の一実施形態による融合蛋白質を説明する模式図(二)である。 本発明の一実施形態において融合蛋白質が細胞に輸送された数値を示す図である。 本発明の一実施形態において融合蛋白質が細胞に輸送された数値を示す図である。 本発明の一実施形態において融合蛋白質が細胞に輸送された数値を示す図である。 本発明の一実施形態において融合蛋白質が細胞に輸送された数値を示す図である。 本発明の一実施形態において抗原ペプチドが細胞表面に現れた数値を示す図である。 本発明の一実施形態において抗原ペプチドが細胞表面に現れた数値を示す図である。 本発明の一実施形態において抗原ペプチドが細胞表面に現れた数値を示す図である。 本発明の一実施形態において融合蛋白質が細胞に輸送された後、アポトーシスした細胞量を示す図である。 本発明の一実施形態において融合蛋白質が細胞に輸送された後、アポトーシスした細胞量を示す図である。 本発明の一実施形態において融合蛋白質が細胞に輸送された後、アポトーシスした細胞量を示す図である。
本発明における好適な実施形態について、添付図面を参照して説明する。尚、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。
(一実施形態)
図1から図3に示す融合蛋白質により抗原ペプチドを小胞体に輸送する方法は、融合蛋白質100を製造する工程aを含む。融合蛋白質100の配列はN端からC端にかけて順にTatペプチド10、(His)6ペプチド20、ユビキチン蛋白質30、及び抗原ペプチド40を含有する、または、図2に示すように、順に(His)6ペプチド20、Tatペプチド10、ユビキチン蛋白質30、及び抗原ペプチド40を含有する。図3によると、抗原ペプチド40の配列はRRFKEGGRGGKYまたはRRYLENGKETLである。配列がRRFKEGGRGGKYである場合、抗原ペプチド40はクラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis) のDNA primase由来であり、形成される融合蛋白質100はTHUC融合蛋白質100という。配列がRRYLENGKETLである場合、抗原ペプチド40は人間のHLA―B27重鎖由来であり、形成される融合蛋白質100はTHUB融合蛋白質100という。
また、融合蛋白質100の製造方法は、以下の工程を含む。工程1では、融合蛋白質100のcDNAを設計し、PCR法によりcDNAをクローニングする。工程2では、cDNAクローンをベクターDNAに挿入し、形質転換(transformation)によりベクターDNAを大腸菌細胞株に導入し、大腸菌細胞株でcDNAをからのタンパク質を発現し、融合蛋白質100を大量に発現する。工程3では、大腸菌細胞株内の蛋白質を抽出する。工程4では、工程3で抽出された蛋白質を精製する。融合蛋白質100は、(His)6ペプチド20を含有するため、融合蛋白質100はNi2+―Sepharoseカラムにより容易に生成される。これにより工程3で抽出された蛋白質に対して、Ni2+―Sepharoseカラムを用いて親和クロマトグラフィーを行い、高速蛋白質液体カラム(FPLC)を用いて陽イオン交換クロマトグラフィーを行い、抽出された融合蛋白質100を精製する。
融合蛋白質100を細胞外から細胞質に輸送する工程bでは、強直性脊椎炎患者の末梢血単核球(以下「PBMCs」という)を抽出した後、PBMCsの培養液に融合蛋白質100を加え(各5x106細胞毎に5μm/mlの融合蛋白質100を加える)、PBMCs細胞を培養する。従来の技術では、Tatペプチド10のアミノ酸の配列はGRKKRRQRRRであり、これは密集する正電荷を帯びるペプチドである。Tatペプチド10はこれと融合する蛋白質を含有すると共に細胞膜を貫通し細胞質内(Adv Drug Deliv Rev. 57:559−577、 2005)に進入する。これにより、融合蛋白質100はTatペプチド10により、PBMCsの細胞外からPBMCsの細胞質中に導入される。また、抗原ペプチド40を切り出す工程cでは、PBMCs細胞質中のユビキチン蛋白質C端加水分解酵素(ubiquitin C−terminal hydrolase)により、精確に自動的にユビキチン蛋白質30のC端を切断する。これにより、ユビキチン蛋白質C端加水分解酵素により、融合蛋白質100から本発明の抗原ペプチド40が切り出される。なお、抗原ペプチド40を小胞体に輸送する工程dでは、上述の工程cに於いて切り出された抗原ペプチド40は、PBMCs細胞質中の小胞体の膜のTAP1/2輸送タンパク質により小胞体内まで輸送される。
また、本発明は融合蛋白質100をC1R―B2704細胞群に輸送する。C1R―B2704細胞は、ヒトリンパ細胞株(human lymphoid cell line)であり、この細胞の表面には誤って折り畳まれたHLA―B27重鎖が現れる。本発明の融合蛋白質100がC1R―B2704細胞に輸送された後、抗原ペプチド40が小胞体中に輸送される方法及び原理は、上述のPBMCsの輸送と同じである。
図4Aから図4Dは、本発明のTHUC融合蛋白質100或いはTHUB融合蛋白質100が細胞に輸送された後の数値を示す図である。図4A及び図4BはC1R―B2704細胞の輸送を図示し、図4C及び図4DはPBMCsの輸送を図示する。図4A及び図4Bのトランスフェリン受容器(Tf receptor) は内部制御群(internal control)であり、THU、HUB、HUCは実験体群である。THUは融合蛋白質100であるが抗原ペプチド40を含有せず、HUB及びHUCは他の融合蛋白質100であるがTatペプチド10を含有しない。本発明のTHUC融合蛋白質100が細胞に導入された後、HLA―B27重鎖二量体(B27−HC)2の数量が著しく減少し、図4A、図4C及び図4Dのように、THUB融合蛋白質100が細胞に導入された後、同様の効果を達成することができる(図4B参照)。
また、図5Aから図5Cは、本発明のTHUC融合蛋白質100或いはTHUB融合蛋白質100がC1R―B2704細胞に導入された後、フローサイトメトリーによりC1R―B2704細胞の表面に表示される抗原ペプチド40を計測した数値を示す図である。THU、HUB、HUCは、実験体群であり、Y軸の数値はW6/32モノクローナル抗体の平均チャンネル蛍光強度(Mean channel fluorescence、 略称MCF)の数値を表し、実験で用いられるW6/32モノクローナル抗体はC1R―B2704細胞の表面のβ2ミクログロブリン(β2m)に連結されるHLA―B27重鎖(HC)に結合されるため、W6/32モノクローナル抗体の平均チャンネル蛍光強度は、HLA―B27重鎖が折り畳まれる正確な数量を反映し、またHLA―B27に結合される抗原ペプチド40がC1R―B2704細胞の表面に表示される数量を反映する。
本発明のTHUC融合蛋白質100がC1R―B2704細胞に導入された後、抗原ペプチド40がC1R―B2704細胞の表面に現れる数量は著しく増加する。図5Aに示すように、THUB融合蛋白質100がC1R―B2704細胞に導入された後も同様の効果が得られる。図5Bに示すように、TAP1 shRNAを運用し、C1R―B2704細胞の小胞体のTAP1が蛋白質を輸送しノックダウンすると、THUC融合蛋白質100またはTHUB融合蛋白質100のいずれをC1R―B2704細胞に導入しても、抗原ペプチド40がC1R―B2704細胞の表面に現れる数量は増加しない(図5C参照)。
また、図6Aから図6Cは、本発明のTHUC融合蛋白質100或いはTHUB融合蛋白質100がC1R―B2704細胞に導入され、C1R―B2704細胞が抗原ペプチド40を細胞膜に表し、抗原ペプチド40により活性化されたCD8+T細胞を加えた後、フローサイトメトリーを用いてアポトーシスしたC1R―B2704細胞の数量を計測した数値を示す図である。活性化されたCD8+T細胞の製造方法は以下の通りである。強直性脊椎炎患者のPBMCsを取得し、インターロイキン―2(interleukin−2、略称IL−2)とTHUC融合蛋白質100或いはTHUB融合蛋白質100によりPBMCsを刺激し活性化させた後、活性化されたCD8+T細胞を分離する。THUは対象群であり、TAP1 shRNAはC1R―B2704細胞内のTAP1が輸送した蛋白質をノックダウンする。このほか、アポトーシスしたC1R―B2704細胞はAnti―ACTIVE Caspase―3 抗体によりマークされ、数値は図6Aから図6C中のY軸に表示されている。
本発明のTHUC融合蛋白質100がC1R―B2704細胞に導入された後、アポトーシスしたC1R―B2704細胞の数量は明確に増加する。図6Aに示すように、アポトーシス反応は活性化されたCD8+T細胞に関係すると証明され、図6Bに示すように、活性化されたCD8+T細胞は細胞毒殺(cytotoxicity)反応を引き起こし、C1R―B2704細胞をアポトーシスさせる。反対に、本発明のTHUB融合蛋白質100がC1R―B2704細胞に導入された後、アポトーシスしたC1R―B2704細胞の数量は増加しない(図6Cの参照)。
したがって、図6Aから図6Cの数値が証明するように、抗原ペプチド40が細菌由来ならば、抗原ペプチド40はCD8+T細胞を活性化させて細胞毒反応を引き起こし、宿主の細胞のC1R―B2704細胞はアポトーシスする。反対に、抗原ペプチド40が宿主の細胞と同じ人間由来の場合、抗原ペプチド40はCD8+T細胞を活性化せず、細胞毒反応を引き起こさない。
上述したように、本発明の種融合蛋白質により抗原ペプチドを小胞体に輸送する方法は、正確な大きさ及び配列の抗原ペプチド40を細胞の小胞体内に輸送し、HLA―B27重鎖が小胞体内で正確に折り畳まれるのを促進した後、正確に折り畳まれたHLA―B27重鎖はβ2ミクログロブリンに結合され、HLA―B27を形成し、HLA―B27と抗原ペプチド40とを結合させた後、抗原ペプチド40を細胞の表面に表す。よって、本発明はHLA―B27重鎖二量体の数量を減少し、炎症反応の発生を更に低減する。故に、本発明は強直性脊椎炎治療の臨床研究に応用可能である。
このほか、細菌由来の抗原ペプチド40をヒト細胞に輸送した後、抗原ペプチド40はヒト細胞のHLA―B27により細胞の表面に現れ、CD8+T細胞を活性化して細胞毒反応を引き起す。故に、本発明は、癌治療研究分野に運用可能であり、本方法を用いて特定の抗原ペプチドを癌細胞に導入すると、癌細胞のMHC class I分子は輸送される抗原ペプチドを細胞膜に表す。この際、癌細胞は活性化的されたCD8+T細胞に毒殺され、癌治療の効果を達成する。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
100 融合蛋白質、
10 Tatペプチド、
20 (His)6ペプチド、
30 ユビキチン蛋白質、
40 抗原ペプチド。

Claims (15)

  1. Tatペプチド、(His)6ペプチド、ユビキチン蛋白質、及び抗原ペプチドを含有する融合蛋白質を製造する工程aと、
    前記Tatペプチドにより細胞外から前記細胞の細胞質中に前記融合蛋白質を導入する「融合蛋白質を細胞外から細胞質に輸送する工程b」と、
    前記細胞質中のユビキチン蛋白質C端加水分解酵素により前記融合蛋白質中から前記抗原ペプチドを切り出す「抗原ペプチドを切り出す工程c」と、
    前記細胞質中の小胞体の膜のTAP1/2輸送蛋白質により、切り出された前記抗原ペプチドを前記小胞体内に導入する「抗原ペプチドを小胞体に輸送する工程d」と、を含むことを特徴とする融合蛋白質により抗原ペプチドを小胞体に輸送する方法。
  2. 前記融合蛋白質の配列は、N端からC端にかけて順に前記Tatペプチド、前記(His)6ペプチド、前記ユビキチン蛋白質、及び前記抗原ペプチドを含有することを特徴とする請求項1に記載の融合蛋白質により抗原ペプチドを小胞体に輸送する方法。
  3. 前記融合蛋白質の配列は、N端からC端にかけて順に前記(His)6ペプチド、前記Tatペプチド、前記ユビキチン蛋白質、及び前記抗原ペプチドを含有することを特徴とする請求項1に記載の融合蛋白質により抗原ペプチドを小胞体に輸送する方法。
  4. 前記抗原ペプチドのアミノ酸の配列はRRFKEGGRGGKYであることを特徴とする請求項1に記載の融合蛋白質により抗原ペプチドを小胞体に輸送する方法。
  5. 前記抗原ペプチドのアミノ酸の配列はRRYLENGKETLであることを特徴とする請求項1に記載の融合蛋白質により抗原ペプチドを小胞体に輸送する方法。
  6. Tatペプチド、(His)6ペプチド、ユビキチン蛋白質、及び抗原ペプチドを含有し、
    前記抗原ペプチドは前記融合蛋白質のC端に位置すると共に前記ユビキチン蛋白質のC端に結合されていることを特徴とする融合蛋白質。
  7. 前記融合蛋白質の配列はN端からC端にかけて順に前記Tatペプチド、前記(His)6ペプチド、前記ユビキチン蛋白質、及び前記抗原ペプチドを含有することを特徴とする請求項6に記載の融合蛋白質。
  8. 前記抗原ペプチドのアミノ酸の配列はRRFKEGGRGGKYであることを特徴とする、請求項6に記載の融合蛋白質。
  9. 前記抗原ペプチドのアミノ酸の配列はRRYLENGKETLであることを特徴とする、請求項6に記載の融合蛋白質。
  10. 前記融合蛋白質のcDNAを準備し、PCR法により前記cDNAをクローニングする工程1と、
    前記cDNAクローンをベクターDNAに挿入し、形質転換によりベクターDNAを大腸菌細胞株中に導入し、前記大腸菌細胞株で前記cDNAからのタンパク質を発現し、前記融合蛋白質を大量に発現する工程2と、
    前記大腸菌細胞株中の蛋白質を抽出する工程3と、
    工程cで抽出した蛋白質を精製し、前記融合蛋白質を精製する工程4とを含むことを特徴とする融合蛋白質の製造方法。
  11. 前記融合蛋白質を精製する工程4において、Ni2+―Sepharoseカラムを使用して親和性クロマトグラフィーを行い、高速蛋白質液体カラムを使用して陽イオン交換クロマトグラフィーを行い、精製することを特徴とする請求項10に記載の融合蛋白質の製造方法。
  12. 前記融合蛋白質は、Tatペプチド、(His)6ペプチド、ユビキチン蛋白質、及び抗原ペプチドを含有し、
    前記抗原ペプチドは前記融合蛋白質のC端に位置すると共に前記ユビキチン蛋白質のC端に結合されていることを特徴とする請求項10に記載の融合蛋白質の製造方法。
  13. 前記融合蛋白質の配列は、N端からC端にかけて順に前記Tatペプチド、前記(His)6ペプチド、前記ユビキチン蛋白質、及び前記抗原ペプチドを含有することを特徴とする請求項12に記載の融合蛋白質の製造方法。
  14. 前記抗原ペプチドのアミノ酸の配列はRRFKEGGRGGKYであることを特徴とする請求項12に記載の融合蛋白質の製造方法。
  15. 前記抗原ペプチドのアミノ酸の配列はRRYLENGKETLであることを特徴とする請求項12に記載の融合蛋白質の製造方法。
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