JP2015202574A - 繊維強化材料の製造方法 - Google Patents

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【課題】繊維強化材料の強度を高める。【解決手段】強化繊維9をステッチ糸13で編み込んだ強化繊維体11の端部におけるステッチ糸13を取り除き、この取り除いた部位付近の強化繊維体11に接着剤を塗布して固める。その後、この強化繊維体11を型21にセットした状態で、型21内に樹脂を注入し、注入した樹脂の流れによって、ステッチ糸13を取り除いた部位周辺の強化繊維9を、強化繊維体11の端部に移動させる。強化繊維体11の端部に対応する型21には、樹脂の流れ方向に対して屈曲するキャビティ端部27bを備える。キャビティ端部27bに樹脂29の流れによって強化繊維9が入り込み、端部の強度が確保される。【選択図】図4

Description

本発明は、繊維強化材料の製造方法に関する。
下記特許文献1には、自動車用ボンネットに、軽量化及び剛性確保が可能な繊維強化プラスチックを使用する技術が開示されている。
特開2006−306363号公報
ところで、このような繊維強化プラスチック製の板材を製造する際には、強化繊維をセットした型内に樹脂を流し込むが、その際、板材の形状によっては、強化繊維が型の成形空間の端部(板材の端部に相当)などの一部に配置しにくい場合がある。このような場合には、板材の端部などの一部が樹脂過多で強化繊維不足となって強度低下を引き起こす。
そこで、本発明は、繊維強化材料の強度を高めることを目的としている。
本発明は、強化繊維体の少なくとも一部における糸による保持状態を解除する第1工程と、糸による保持状態を解除した強化繊維体の一部に対して接着剤を塗布する第2工程と、第2工程で接着剤を塗布した強化繊維体を型にセットしてから、強化繊維体の糸による保持状態を解除した一部とは別の部位から型内に樹脂を注入し、この注入した樹脂の流れによって、強化繊維の一部とは別の部位の強化繊維を、強化繊維体の一部に向けて移動させる第3の工程とを含むことを特徴とする。
本発明によれば、型内に注入した樹脂の流れによって、強化繊維の一部とは別の部位の強化繊維を、糸による保持状態を解除した強化繊維体の一部に向けて移動させる。これにより、板材の端部などの一部が強化繊維不足となることを抑制でき、繊維強化材料の強度を高めることができる。
図1は、本発明の一実施形態における繊維強化材料となる自動車のバックドアの車体内側から見た平面図である。 図2は、図1のA−A断面図である。 図3(a)は、本発明の第1の実施形態を示す強化繊維体の断面図、図3(b)は、図3(a)の強化繊維体の端部に位置するステッチ糸を取り除く作業を示す作用説明図、図3(c)は、図3(b)でステッチ糸を取り除いた部分の強化繊維体の端部に接着剤を塗布する作業を示す作用説明図である。 図4(a)は、図3(c)の強化繊維体を型にセットした状態を示す断面図、図4(b)は、図4(a)の型内に樹脂を充填する作業を示す作用説明図である。 図5は、本発明の第2の実施形態を示す、図3(b)に対応する作用説明図である。 図6は、本発明の第3の実施形態を示す、図3(b)に対応する作用説明図である。 図7(a)は、本発明の第4の実施形態を示す、図4(a)に対応する作用説明図、図7(b)は、本発明の第4の実施形態を示す、図4(b)に対応する作用説明図である。 図8は、ステッチ糸を強化繊維の上下両側に配置して強化繊維を保持する場合の断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
本発明の一実施形態に係わる繊維強化材料となる繊維強化プラスチックは、例えば図1に示すような自動車のバックドア1に使用される。このバックドア1は、閉じ状態で車体内側(図1中で紙面表側)に位置するインナ部材3と、車体外側(図1中で紙面裏側)に位置するアウタ部材5とを互いに重ね合わせた構造となっている。バックドア1の図1中の上部には窓を形成する開口部7を設けてある。
アウタ部材5の外周縁部には、図1のA−A断面図である図2に示すように、車体内側に向けて屈曲するようにして突出する端末部5aが設けてある。端末部5aは、インナ部材3の端部の側面を覆うようにして、アウタ部材5の主体部5bに対してほぼ90度の角度で屈曲している。このような端末部5aを設けることで、バックドア1の車体外側から見たときの見栄えを向上させて外観品質を高めている。
インナ部材3及びアウタ部材5は、いずれも繊維強化プラスチックで構成した板材であり、互いの当接面を接着剤により接着固定している。端末部5aは、この接着剤が端部から漏れ出るのを抑える役目も果たしている。
次に、上記したインナ部材3及びアウタ部材5のうち、端末部5aを備えるアウタ部材5の製造方法の第1の実施形態について説明する。ただし、図3以降で示すアウタ部材5の製造方法では、図1に示すアウタ部材5の全体ではなく、周縁の端末部5aを含む一部の部材について説明する。
図3(a)は、例えば炭素繊維からなる強化繊維9を備える強化繊維体11の断面図である。強化繊維9は、図3(a)中で紙面に直交する方向に延びる複数の縦繊維9aと、図3(a)中で左右方向に延びる複数の横繊維9bとを重ね合わせている。そして、この縦繊維9a及び横繊維9bを、糸としてのステッチ糸13で編み込むことで保持して強化繊維体11としている。なお、図3(a)の強化繊維体11は、縦繊維9a及び横繊維9bを一層ずつ重ねてあるが、複数層重ねてもよい。
図3(a)の強化繊維体11の前記した端末部5aに対応する部分の周縁部に対し、図3(b)のようにロボット15などを利用してステッチ糸13を、引っ張るようにして取り除きほつれさせる。すなわち、第1工程として、ステッチ糸13を引っ張ることで、強化繊維体11の少なくとも一部におけるステッチ糸13による保持状態を解除し、ほつれ部11aを形成する。
次に、第2工程として、図3(c)のように他のロボット17などを利用して、ほつれ部11aの強化繊維9周辺に接着剤19を塗布し、ほつれ部11aの強化繊維9を固めることで、強化繊維9がばらけるのを抑える。これにより、その後の強化繊維体11の取り扱い性の悪化を抑制する。
図4(a)は、上記図3(c)において接着剤19でほつれ部11aの強化繊維9周辺を固めた状態の強化繊維体11を型21にセットした状態を示す。型21は、下型23と上型25とを有し、これら相互間に成形空間となるキャビティ27が形成されている。
キャビティ27は、下型23に設けてある凹部23aと、上型25に設けてある凸部25aとの間に、平板状のキャビティ本体27aを備える。さらに、キャビティ27は、キャビティ本体27aに連続し、図4(a)中で右側の端部に位置する屈曲成形空間としてのキャビティ端部27bを備える。キャビティ端部27bは、上型25に曲面凹部25bを形成することで、平板形状のキャビティ本体27aに対してほぼ直角に上方に向けて屈曲する。なお、このキャビティ端部27bは、図4(a)中で紙面に直交する方向に延在しているものとする。
図4(a)に示すように、強化繊維体11は、下型23の凹部23aのほぼ全域、すなわちキャビティ本体27a内のほぼ全域を埋めるように配置する。このとき、強化繊維体11のほつれ部11aは、キャビティ端部27bに対応する位置となる。
この状態で、第3工程として、図4(b)に示すように、キャビティ端部27bとは反対側の別の部位の下型23に設けた樹脂注入口23bから溶融状態の樹脂29を、例えば3〜20MPaの樹脂圧によりキャビティ27のキャビティ本体27aに注入する。キャビティ本体27aに注入した樹脂29は、強化繊維体11の強化繊維9相互間に含浸するようにして強化繊維体11の全域に行き渡るように移動する。
そして、上記移動する樹脂29が、ほつれ部11aに達すると、接着剤19を溶融させつつ、ステッチ糸13による保持が解除された状態の強化繊維9を、矢印Bで示すように、上方に向けて屈曲しているキャビティ端部27bに向けて移動させる。つまり、型21内に注入した樹脂29の流れによって、強化繊維9の一部であるほつれ部11aとは別の部位の強化繊維9を、ステッチ糸13による保持状態を解除したほつれ部11aに向けて移動させる。
これにより、キャビティ本体27aに対して上方に向けて屈曲しているキャビティ端部27b内にもキャビティ本体27aと同様に、強化繊維9が充填されることになる。その結果、図2に示すアウタ部材5の端末部5aのような板材の端部などの一部が強化繊維不足となることを抑制でき、繊維強化材料の強度を高めることができる。
また、本実施形態においては、強化繊維9を保持するステッチ糸13のうち、少なくとも型21内に注入した樹脂29の流れ方向に対して交差する方向に延びるステッチ糸13による保持状態を解除するとよい。ここで、樹脂29の流れ方向に対して交差する方向に延びるステッチ糸13は、図4中で紙面に直交する方向に延びるステッチ糸13である。このステッチ糸13を取り除くことで、樹脂29の流れがより円滑となり、強化繊維9をキャビティ端部27bに向けて容易に移動させることができる。
また、本実施形態では、強化繊維体11は、強化繊維9がステッチ糸13で編み込まれ、この編み込まれたステッチ糸13をほつれさせることで、ステッチ糸13による保持状態を解除している。このように、ステッチ糸13をほつれさせることで、強化繊維9もほつれることになり、ほつれた状態の強化繊維9を樹脂29の流れによって容易に移動させることができる。
また、本実施形態では、強化繊維体11がセットされる型21は、樹脂29の流れ方向に対して屈曲する屈曲成形空間としてのキャビティ端部27bを備えている。この場合、キャビティ本体27aを流れる樹脂29が、キャビティ本体27aに対して屈曲しているキャビティ端部27bに流れ込むことで、ほつれた部位の強化繊維9がキャビティ端部27bに移動する。これにより、キャビティ端部27bによって成形される端末部5aに強化繊維9を充填した状態で成形でき、端末部5aの強度を高めることができる。
さらに、本実施形態では、屈曲成形空間としてのキャビティ端部27bは、樹脂29の流れ方向端部に設けられている。この場合、図1のようなバックドア1のアウタ部材5の外周縁に形成されている端末部5aにおいて、強化繊維不足を抑制して強度を高めることができる。
図5は、本発明の第2の実施形態を示す。第2の実施形態は、第1の実施形態の図3(b)におけるロボット15によるステッチ糸13を引っ張る作業に代えて、ロボット31に保持させたバーナ33の火炎34によりステッチ糸13を焼失させる作業を行う。これにより、強化繊維体11の前記した端末部5aに対応する部分の周縁部に対し、ステッチ糸13を取り除き、その周辺の強化繊維9をほつれさせる。すなわち、ステッチ糸13を焼失させることで、強化繊維体11の少なくとも一部におけるステッチ糸13の編み込みより保持された状態を解除し、ほつれ部11aを形成する。
その後は、第1の実施形態における図3(c)と同様に、ほつれ部11aの強化繊維9周辺に接着剤19を塗布し、ほつれ部11aの強化繊維9を固めることで、強化繊維9がばらけるのを抑える。さらに、図4(a)のように型に21にセットしてから、図4(b)のように型21のキャビティ27に樹脂29を流し込むことで、第1の実施形態と同様に、キャビティ端部27b内にもキャビティ本体27aと同様に、強化繊維9が充填されることになる。その結果、図2に示すアウタ部材5の端末部5aのような板材の端部などの一部が強化繊維不足となることを抑制でき、繊維強化材料の強度を高めることができる。
第2の実施形態では、強化繊維体11の少なくとも一部におけるステッチ糸13を焼失させることで、ステッチ糸13による保持状態を解除している。このため、焼失によってステッチ糸13をより確実に取り除くことができ、強化繊維9もより確実にほつれることになって、ほつれた状態の強化繊維9を樹脂29の流れによって容易に移動させることができる。
図6は、本発明の第3の実施形態を示す。第3の実施形態は、第1の実施形態の図3(b)におけるロボット15によるステッチ糸13を引っ張る作業に代えて、ロボット35に保持させたハサミ37によりステッチ糸13を切断する作業を行う。これにより、強化繊維体11の前記した端末部5aに対応する部分の周縁部に対し、ステッチ糸13を取り除き、その周辺の強化繊維9をほつれさせる。すなわち、ステッチ糸13を切断することで、強化繊維体11の少なくとも一部におけるステッチ糸13の編み込みにより保持された状態を解除し、ほつれ部11aを形成する。
その後は、第1の実施形態における図3(c)と同様に、ほつれ部11aの強化繊維9周辺に接着剤19を塗布し、ほつれ部11aの強化繊維9を固めることで、強化繊維9がばらけるのを抑える。さらに、図4(a)のように型に21にセットしてから、図4(b)のように型21のキャビティ27に樹脂29を流し込むことで、第1の実施形態と同様に、キャビティ端部27b内にもキャビティ本体27aと同様に、強化繊維9が充填されることになる。その結果、図2に示すアウタ部材5の端末部5aのような板材の端部などの一部が強化繊維不足となることを抑制でき、繊維強化材料の強度を高めることができる。
第3の実施形態では、強化繊維体11の少なくとも一部におけるステッチ糸13を切断することで、ステッチ糸13による保持状態を解除している。このように、ステッチ糸13を切断することで、強化繊維9もほつれることになり、ほつれた状態の強化繊維9を樹脂29の流れによって容易に移動させることができる。
なお、第3の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、強化繊維9を保持するステッチ糸13のうち、少なくとも型21内に注入した樹脂29の流れ方向に対して交差する方向に延びるステッチ糸13を切断して保持状態を解除するとよい。これにより、樹脂29の流れがより円滑となり、強化繊維9をキャビティ端部27bに向けて容易に移動させることができる。
本発明の第4の実施形態として、第3の実施形態の図6におけるハサミ37によってステッチ糸13を切断する代わりに、ハサミ37によって強化繊維9を切断する。これにより、強化繊維体11の前記した端末部5aに対応する部分の周縁部の強化繊維9をほつれさせる。すなわち、強化繊維9を切断することで、強化繊維体11の少なくとも一部におけるステッチ糸13の編み込みによる保持状態を解除し、ほつれ部11aを形成する。
その後は、第1の実施形態における図3(c)と同様に、ほつれ部11aの強化繊維9周辺に接着剤19を塗布し、ほつれ部11aの強化繊維9を固めることで、強化繊維9がばらけるのを抑える。さらに、図4(a)のように型に21にセットしてから、図4(b)のように型21のキャビティ27に樹脂29を流し込むことで、第1の実施形態と同様に、キャビティ端部27b内にもキャビティ本体27aと同様に、強化繊維9が充填されることになる。その結果、図2に示すアウタ部材5の端末部5aのような板材の端部などの一部が強化繊維不足となることを抑制でき、繊維強化材料の強度を高めることができる。
第4の実施形態では、強化繊維体11の少なくとも一部における強化繊維9を切断することで、ステッチ糸13による保持状態を解除している。このように、強化繊維9を切断することで、強化繊維9がより確実にほつれることになり、ほつれた状態の強化繊維9を樹脂29の流れによって容易に移動させることができる。
図7は、本発明の第5の実施形態を示す。第5の実施形態は、図3(a)の強化繊維体11に対応する強化繊維体11Aにおいて、ステッチ糸13を樹脂29の熱で溶融するステッチ糸13Aとしている。溶融可能なステッチ糸13Aとしては、例えば100℃前後で溶融するポリエチレン、ポリプロピレン、EVA(エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂)などが挙げられる。
このようなステッチ糸13Aを用いた強化繊維体11Aを、図4(a)と同様に、図7(a)に示すように型21にセットする。そして、この状態で、第1工程として、図4(b)と同様に、図7(b)に示すようにキャビティ27のキャビティ本体27aに樹脂29を注入する。キャビティ本体27aに注入した樹脂29は、強化繊維体11Aの強化繊維9相互間に含浸するようにして強化繊維体11Aの全域に行き渡るように移動する。
その際、本実施形態では、樹脂29の熱(130℃〜150℃)によってステッチ糸13Aが溶融する。すなわち、第2工程として、型21内に流した樹脂29によって、ステッチ糸13Aを溶融させてステッチ糸13Aの編み込みによる保持状態を解除する。ステッチ糸13Aが溶融することで、強化繊維9がほつれ、ほつれた状態の強化繊維9が、樹脂29の流れによってキャビティ端部27bに向けて移動する。つまり、第3工程として、ステッチ糸13Aの溶融によってほつれた状態の強化繊維9を、強化繊維体11Aの一部に向けて移動させる。
したがって、第5の実施形態においても、キャビティ端部27b内にもキャビティ本体27aと同様に、強化繊維9が充填されることになる。その結果、図2に示すアウタ部材5の端末部5aのような板材の端部などの一部が強化繊維不足となることを抑制でき、繊維強化材料の強度を高めることができる。
第5の実施形態では、キャビティ端部27bと反対側の樹脂注入口23bから型21内に流した樹脂29によって、ステッチ糸13Aを溶融させてステッチ糸13Aによる保持状態を解除している。その際、ステッチ糸13Aの全体が溶融するので、強化繊維体11Aの全体がほつれることになり、ほつれた状態の多量の強化繊維9をキャビティ端部27bに移動させることができ、端末部5aの強度向上に有効となる。
なお、強化繊維9としては、炭素繊維のほかに、ガラス繊維などの無機繊維や、ケプラー繊維、ポリエチレン繊維、ポリアミド繊維などの有機繊維が挙げられる。このうち、自動車用の車体部材に使用する際には、炭素繊維がよい。また、マトリックス樹脂となる樹脂29としては、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂が挙げられる。さらに、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、ポリウレタン樹脂などの熱可塑性樹脂も使用できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、これらの実施形態は本発明の理解を容易にするために記載された単なる例示に過ぎず、本発明は当該実施形態に限定されるものではない。本発明の技術的範囲は、上記実施形態で開示した具体的な技術事項に限らず、そこから容易に導きうる様々な変形、変更、代替技術なども含むものである。例えば、上記した実施形態では、自動車のバックドア1について説明したが、バックドア1に限らず他の車体部材でもよく、また車体部材とは別の板状部材に対しても本発明を適用することができる。
また、上記した各実施形態では、型21内において樹脂29の流れ方向に対して屈曲する屈曲成形空間として、板状部材の端部に位置するキャビティ端部27bを例にとって説明した。しかし、前記した端末部5aのような板状部材の端部のほかに、中心部などに形成するリブを成形する際にも本発明を適用できる。さらに、ステッチ糸13,13Aは、強化繊維9に対して編み込まず、図8のように上下両面に接着剤などにより接着するようにして保持するものでもよい。
9 強化繊維
11,11A 強化繊維体
13,13A ステッチ糸(糸)
19 接着剤
21 型
27b キャビティ端部(屈曲成形空間)
29 樹脂

Claims (9)

  1. 強化繊維を糸で保持して構成した強化繊維体の少なくとも一部における前記糸による保持状態を解除する第1工程と、
    前記第1工程での糸による保持状態を解除した前記強化繊維体の一部に対して接着剤を塗布する第2工程と、
    前記第2工程で接着剤を塗布した前記強化繊維体を型にセットしてから、前記強化繊維体の前記糸による保持状態を解除した一部とは別の部位から前記型内に樹脂を注入し、この注入した樹脂の流れによって、前記強化繊維の一部とは別の部位の強化繊維を、前記強化繊維体の一部に向けて移動させる第3工程と、
    を含むことを特徴とする繊維強化材料の製造方法。
  2. 前記第1工程は、前記強化繊維を保持する糸のうち、少なくとも前記型内に注入した樹脂の流れ方向に対して交差する方向に延びる糸による保持状態を解除することを特徴とする請求項1に記載の繊維強化材料の製造方法。
  3. 前記強化繊維体は、前記強化繊維が糸で編み込まれ、
    前記第1工程は、前記編み込まれた糸をほつれさせることで前記糸による保持状態を解除することを特徴とする請求項1または2に記載の繊維強化材料の製造方法。
  4. 前記第1工程は、前記強化繊維体の少なくとも一部における前記糸を焼失させることで前記糸による保持状態を解除することを特徴とする請求項1に記載の繊維強化材料の製造方法。
  5. 前記第1工程は、前記強化繊維体の少なくとも一部における前記糸を切断することで前記糸による保持状態を解除することを特徴とする請求項1または2に記載の繊維強化材料の製造方法。
  6. 前記第1工程は、前記強化繊維体の少なくとも一部における前記強化繊維を切断することで前記糸による保持状態を解除することを特徴とする請求項1に記載の繊維強化材料の製造方法。
  7. 強化繊維を糸で保持して構成した強化繊維体を型にセットした状態で該型内に樹脂を流す第1工程と、
    前記第1工程で前記型内に流した樹脂によって、前記糸を溶融させて糸による保持状態を解除する第2工程と、
    前記第2工程での前記糸の溶融によって、糸による保持状態が解除された前記強化繊維を、前記強化繊維体の一部に向けて移動させる第3工程と、
    を含むことを特徴とする繊維強化材料の製造方法。
  8. 前記強化繊維体がセットされる型は、樹脂の流れ方向に対して屈曲する屈曲成形空間を備えていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の繊維強化材料の製造方法。
  9. 前記屈曲成形空間は、樹脂の流れ方向端部に設けられていることを特徴とする請求項8に記載の繊維強化材料の製造方法。
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