JP2015201955A - 昇圧コンバータの制御装置 - Google Patents

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敏生 池山
toshio Ikeyama
敏生 池山
奈津樹 野澤
Natsuki Nozawa
奈津樹 野澤
尚志 濱谷
Hisashi Hamaya
尚志 濱谷
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【課題】昇圧コンバータの上アームと下アームとのうち一方だけをスイッチングする片アーム制御を実行可能な領域(リアクトル電流の領域)を拡大する。【解決手段】リアクトル電流ILの平均値ILaveが負の閾値ILref3以下でそれより小さな閾値ILref4より大きいときには、平均値ILaveが閾値ILref4以下のときに比してキャリア周波数fcを高くして上アーム制御を実行する。また、リアクトル電流ILの平均値ILaveが閾値ILref1以上でそれより大きな閾値ILref2未満のときには、平均値ILaveが閾値ILref2以上のときに比してキャリア周波数fcを高くして下アーム制御を実行する。【選択図】図4

Description

本発明は、昇圧コンバータの制御装置に関し、詳しくは、バッテリが接続された低圧側電力ラインの電力を昇圧してモータが接続された高圧側電力ラインに供給可能なコンバータとして構成され、高圧側電力ライン間に直列配置された上アームおよび下アームからなる2つのトランジスタと、2つのトランジスタの中間点と低圧側電力ラインにおける正極側のラインとに接続されたリアクトルと、を有する昇圧コンバータの制御装置に関する。
従来、この種の昇圧コンバータの制御装置としては、モータ側の電力線(正極線)と接地線との間に直列接続された第1スイッチング素子(上アーム)および第2スイッチング素子(下アーム)と、第1,第2スイッチング素子の中間点とバッテリ側の電力線(正極線)とに接続されたリアクトルとを有し、バッテリ側の電力を昇圧してモータ側に供給可能なコンバータの制御装置として、リアクトル電流指令値が正のとき(モータが力行状態のとき)には、上アームをオフとして下アームのみを駆動する下アーム駆動を行ない、リアクトル電流指令値が負のとき(モータが回生状態のとき)には、下アームをオフとして上アームのみを駆動する上アーム駆動を行ない、リアクトル電流指令値が値0のときには、上下アームとも駆動しないものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
国際公開第2013/051152号
上述のモータやコンバータ,バッテリ,制御装置を備える車両では、コンバータに対して上アーム駆動や下アーム駆動を行なえば、上アームおよび下アームを駆動する両アーム駆動を行なう場合に比して上アームおよび下アームが共に故障する(例えば共にオン故障してモータ側の電力線(正極線)と接地線とが短絡する)のを抑制することができ、昇圧コンバータの異常時に退避走行を行ないやすくすることができる。しかしながら、リアクトル電流が値0を跨ぐ領域では、上アームと下アームとのうち駆動を必要とするアームが頻繁に切り替わるため、上アーム駆動や下アーム駆動を行なうことができない。したがって、これを考慮して、上アーム駆動や下アーム駆動を行なう領域を拡大することが要請されている。
本発明の昇圧コンバータの制御装置は、昇圧コンバータの上アームと下アームとのうち一方だけをスイッチングする片アーム制御を実行可能な領域(リアクトル電流の領域)を拡大することを主目的とする。
本発明の昇圧コンバータの制御装置は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の昇圧コンバータの制御装置は、
バッテリが接続された低圧側電力ラインの電力を昇圧してモータが接続された高圧側電力ラインに供給可能なコンバータとして構成され、前記高圧側電力ライン間に直列配置された上アームおよび下アームからなる2つのトランジスタと、前記2つのトランジスタの中間点と前記低圧側電力ラインにおける正極側のラインとに接続されたリアクトルと、を有する昇圧コンバータの制御装置であって、
リアクトル電流の平均値が値0を含む所定範囲外のときには、前記上アームと前記下アームとのうち一方だけをスイッチングする片アーム制御を所定キャリア周波数で実行し、前記リアクトル電流の平均値が前記所定範囲内のときには、前記片アーム制御を前記所定キャリア周波数より高いキャリア周波数で実行する、
ことを特徴とする。
この本発明の昇圧コンバータの制御装置では、リアクトル電流の平均値が値0を含む所定範囲外のときには、上アームと下アームとのうち一方だけをスイッチングする片アーム制御を所定キャリア周波数で実行し、リアクトル電流の平均値が所定範囲内のときには、片アーム制御を所定キャリア周波数より高いキャリア周波数で実行する。キャリア周波数を高くするとリアクトル電流のリプル(脈動)が小さくなるから、リアクトル電流が値0を跨ぎにくくなる。したがって、リアクトル電流の平均値に拘わらず所定キャリア周波数で片アーム制御を実行するものに比して、リアクトル電流の平均値の大きさがより小さくなる範囲まで、リアクトル電流が値0を跨がずに片アーム制御を実行することができる。この結果、片アーム制御を実行可能な領域を拡大することができる。ここで、「所定範囲」は、所定キャリア周波数で片アーム制御を実行するとリアクトル電流が値0を跨ぐ可能性がある範囲である、ものとすることもできる。
こうした本発明の昇圧コンバータの制御装置において、リアクトル電流の平均値が前記所定範囲より狭い第2所定範囲内のときには、前記片アーム制御を実行しない、ものとすることもできる。
本発明の一実施例としての昇圧コンバータの制御装置を備える駆動装置20の構成の概略を示す構成図である。 昇圧コンバータ40を制御する際のリアクトル電流ILの時間変化の様子を示す説明図である。 実施例の電子制御ユニット50により実行される昇圧コンバータ制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 リアクトル電流ILの平均値ILaveとキャリア周波数fc,リアクトル電流ILの最大値ILmax,ILminとの関係を示す説明図である。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としての昇圧コンバータの制御装置を備える駆動装置20の構成の概略を示す構成図である。実施例の駆動装置20は、電気自動車やハイブリッド自動車,燃料電池自動車などに搭載され、図示するように、例えば同期発電電動機として構成された走行用のモータ32と、モータ32を駆動するためのインバータ34と、例えばリチウムイオン二次電池として構成されたバッテリ36と、インバータ34が接続された電力ライン(以下、高圧側電力ラインという)42とバッテリ36が接続された電力ライン(以下、低圧側電力ラインという)44とに接続されて高圧側電力ライン42の電圧VHを調節すると共に高圧側電力ライン42と低圧側電力ライン44との間で電力のやりとりを行なう昇圧コンバータ40と、高圧側電力ライン42に取り付けられてこの電力ラインの電圧を平滑する高圧側コンデンサ46と、低圧側電力ライン44に設けられたシステムメインリレー45と、低圧側電力ライン44におけるシステムメインリレー45より昇圧コンバータ40側に取り付けられてこの電力ラインの電圧を平滑する低圧側コンデンサ48と、装置全体をコントロールする電子制御ユニット50と、を備える。なお、実施例の昇圧コンバータの制御装置としては、電子制御ユニット50が該当する。
昇圧コンバータ40は、2つのスイッチング素子としてのトランジスタT31,T32とトランジスタT31,T32に逆方向に並列接続された2つのダイオードD31,D32とリアクトル41とからなるコンバータとして構成されている。2つのトランジスタT31,T32は、高圧側電力ライン42の正極母線と高圧側電力ライン42および低圧側電力ライン44の負極母線との間で直列配置(直列接続)されている。また、リアクトル41は、トランジスタT31,T32の中間点(接続点)と低圧側電力ライン44の正極母線とに接続されている。したがって、トランジスタT31,T32をオンオフ制御することにより、低圧側電力ライン44の電力を昇圧して高圧側電力ライン42に供給したり、高圧側電力ライン42の電力を降圧して低圧側電力ライン44に供給したりすることができる。以下、昇圧コンバータ40のトランジスタT31,T32をそれぞれ「上アーム」,「下アーム」という。
電子制御ユニット50は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポートを備える。電子制御ユニット50には、モータ32の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ32aからのモータ32の回転子の回転位置θm,モータ32とインバータ34との接続ライン(電力ライン)に取り付けられた電流センサからの相電流Iu,Iv,Iw,バッテリ36の端子間に取り付けられた電圧センサからの端子間電圧Vb,バッテリ36の出力端子に取り付けられた電流センサからの充放電電流Ib,バッテリ36に取り付けられた温度センサからの電池温度Tb,昇圧コンバータ40のトランジスタT31,T32の中間点とリアクトル41との間に取り付けられた電流センサ41aからのリアクトル電流IL(リアクトル41側から中間点側に流れるときを正とする),高圧側コンデンサ46の端子間に取り付けられた電圧センサ46aからの高圧側コンデンサ46の電圧(高圧側電力ライン42の電圧)VH,低圧側コンデンサ48の端子間に取り付けられた電圧センサ48aからの低圧側コンデンサ48の電圧(低圧側電力ライン44の電圧)VL,その他、車両の駆動制御に必要な信号、例えば、イグニッションスイッチ(スタートスイッチ)からのイグニッション信号,シフトレバーの操作位置を検出するシフトポジションセンサからのシフトポジション,アクセルペダルの踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサからのアクセル開度,ブレーキペダルの踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサからのブレーキペダルポジション,車速センサからの車速などが入力ポートを介して入力されている。電子制御ユニット50からは、インバータ34のスイッチング素子(トランジスタ)へのスイッチング制御信号や昇圧コンバータ40のトランジスタT31,T32へのスイッチング制御信号,システムメインリレー45へのオンオフ信号などが出力ポートを介して出力されている。なお、電子制御ユニット50は、回転位置検出センサ32aにより検出されたモータ32の回転子の回転位置θmに基づいてモータ32の回転子の電気角θeや回転数Nmを演算したり、電流センサにより検出されたバッテリ36の充放電電流Ibに基づいてそのときのバッテリ36から放電可能な電力量の全容量に対する割合である蓄電割合SOCを演算したり、演算した蓄電割合SOCと温度センサからの電池温度Tbとに基づいてバッテリ36を充放電してもよい最大許容電力である入出力制限Win,Woutを演算したりしている。
こうして構成された実施例の駆動装置20では、電子制御ユニット50は、バッテリ36の入出力制限Win,Woutの範囲内でモータ32から出力すべきトルクとしてのトルク指令Tm*を設定すると共に設定したトルク指令Tm*でモータ32が駆動されるようインバータ34のスイッチング素子(トランジスタ)をスイッチング制御すると共に、高圧側電力ライン42の電圧VHがモータ32のトルク指令Tm*と回転数Nmとに応じた目標電圧VHtagとなるよう昇圧コンバータ40のトランジスタT31,T32をスイッチング制御する。
次に、こうして構成された実施例の駆動装置20の動作、特に、昇圧コンバータ40を制御する際の動作について説明する。図2は、昇圧コンバータ40を制御する際のリアクトル電流ILの時間変化の様子を示す説明図である。昇圧コンバータ40を制御する際には、トランジスタT31,T32のオンオフにより、図2に示すように、リアクトル電流ILにリプル(脈動)が生じる。なお、リアクトル電流ILの最大値(リアクトル電流ILの1周期の最大値)ILmax,最小値(リアクトル電流ILの1周期の最小値)ILminは、リアクトル電流ILのリプル成分ΔIL(=ILmax−ILmin)や低圧側電力ライン44の電圧VL,リアクトル41のインダクタンスL,キャリア周波数fc,トランジスタT32(下アーム)のディーティ比Dを用いて得られる次式(1),(2)の関係を満たす。したがって、キャリア周波数fcが高いほどリプル成分ΔILが小さくなることが分かる。
ILmax=ILave+ΔIL/2=ILave+1/2・(VL/L・1/fc・D) (1)
ILmin=ILave-ΔIL/2=ILave-1/2・(VL/L・1/fc・D) (2)
図3は、実施例の電子制御ユニット50により実行される昇圧コンバータ制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎(例えば数msec毎)に繰り返し実行される。以下、図3のルーチンの説明において、図4に例示する、リアクトル電流ILの平均値ILaveとキャリア周波数fc,リアクトル電流ILの最大値ILmax,ILminとの関係を参照しながら説明する。
昇圧コンバータ制御ルーチンが実行されると、電子制御ユニット50は、まず、電流センサ41aにより検出されたリアクトル電流ILに基づいて得られるリアクトル電流ILの平均値ILaveを入力し(ステップS100)、入力したリアクトル電流ILの平均値ILaveを正の閾値ILref1と比較する(ステップS110)。ここで、閾値ILref1は、リアクトル電流ILが、上アームをオフとして下アームのみをスイッチングする下アーム制御を実行する下アーム制御領域内か否かを判定するために用いられる閾値である。
リアクトル電流ILの平均値ILaveが閾値ILref1以上のときには、リアクトル電流ILが下アーム制御領域内にあると判定し(ステップS120)、リアクトル電流ILの平均値ILaveを閾値ILref1より大きな閾値ILref2と比較する(ステップS130)。そして、リアクトル電流ILの平均値ILaveが閾値ILref2以上のときには、所定周波数fc1をキャリア周波数fcに設定し(ステップS140)、リアクトル電流ILの平均値ILaveが閾値ILref2より小さいときには、キャリア周波数fcが高いほどリプル成分ΔILが小さくなる(リアクトル電流ILが値0を跨ぎにくくなる)ことを踏まえて、図4に示すように、リアクトル電流ILの平均値ILaveが小さい(閾値ILref1に近づく)ほど所定周波数fc1からそれより高い所定周波数fc2に向けて高くなる傾向にキャリア周波数fcを設定し(ステップS150)、設定したキャリア周波数fcを用いて下アーム制御を実行して(ステップS160)、本ルーチンを終了する。
ここで、所定周波数fc1,fc2は、昇圧コンバータ40の仕様、例えば、トランジスタT31,T32のノイズ音要件や熱要件などにより定められる。また、閾値ILref2は、例えば、所定周波数fc1をキャリア周波数fcとして下アーム制御を実行したときにリアクトル電流ILの最小値ILminが正の所定値ILmin1(値0よりマージンα1だけ大きな値)となる平均値ILaveの値などを用いることができる。なお、マージンα1は、実際のリアクトル電流ILが値0を跨がないように、電流センサ41aの検出誤差や電子制御ユニット50の演算遅れ,トランジスタT32の制御遅れなどを考慮して定められる。この閾値ILref2は、言い換えれば、所定周波数fc1をキャリア周波数fcとして下アーム制御を実行したときに最小値ILminが値0となる平均値ILaveの値ILref5(図4参照)よりマージンα2だけ大きな値として考えることができる。さらに、閾値ILref1は、例えば、所定周波数fc2をキャリア周波数fcとすると共に所定値ILmin1をリアクトル電流ILの最小値ILminとしたときに上述の式(2)の関係を満たす値などを用いることができる。平均値ILaveが閾値ILref1以上で閾値ILref2未満のときのキャリア周波数fcは、上述の式(2)の関係を考慮して、例えば、最小値ILminが所定値ILmin1となるように設定することができる。
このように、リアクトル電流ILの平均値ILaveが閾値ILref1以上のときにおいて、平均値ILaveが閾値ILref2未満のとき(所定周数fc1をキャリア周波数fcとして下アーム制御を実行すると電流センサ41aの検出誤差や電子制御ユニット50の演算遅れ,トランジスタT32の制御遅れなどによってリアクトル電流ILが値0を跨ぐ可能性があるとき)には、平均値ILaveが閾値ILref2以上のときに比してキャリア周波数fcを高くして下アーム制御を実行することにより、平均値ILaveに拘わらず所定周波数fc1をキャリア周波数fcとして下アーム制御を実行するものに比して、リアクトル電流ILが値0を跨がずに下アーム制御を実行可能な平均値ILaveの領域を拡大することができる。
ステップS110でリアクトル電流ILの平均値ILaveが正の閾値ILref1未満のときには、リアクトル電流ILの平均値ILaveを負の閾値ILref3と比較する(ステップS170)。ここで、閾値ILref3は、リアクトル電流ILが、下アームをオフとして上アームのみをスイッチングする上アーム制御を実行する上アーム制御領域内か否かを判定するために用いられる閾値である。
リアクトル電流ILの平均値ILaveが閾値ILref3以下のときには、リアクトル電流ILが上アーム制御領域内に有ると判定し(ステップS180)、リアクトル電流ILの平均値ILaveを閾値ILref3より小さな(絶対値としては大きな)閾値ILref4と比較する(ステップS190)。そして、リアクトル電流ILの平均値ILaveが閾値ILref4以下のときには、上述の所定周波数fc1をキャリア周波数fcに設定し(ステップS200)、リアクトル電流ILの平均値ILaveが閾値ILref4より大きい(絶対値としては小さい)ときには、キャリア周波数fcが高いほどリプル成分ΔILが小さくなる(リアクトル電流ILが値0を跨ぎにくくなる)ことを踏まえて、図4に示すように、リアクトル電流ILの平均値ILaveが大きい(閾値ILref3に近づく)ほど所定周波数fc1からそれより高い所定周波数fc2に向けて高くなる傾向にキャリア周波数fcを設定し(ステップS210)、設定したキャリア周波数fcを用いて上アーム制御を実行して(ステップS220)、本ルーチンを終了する。
ここで、閾値ILref4は、例えば、所定周波数fc1をキャリア周波数fcとして上アーム制御を実行したときにリアクトル電流ILの最大値ILmaxが負の所定値ILmax1(値0よりマージンβ1だけ小さな値)となる平均値ILaveの値などを用いることができる。なお、マージンβ1は、実際のリアクトル電流ILが値0を跨がないように、電流センサ41aの検出誤差や電子制御ユニット50の演算遅れ,トランジスタT31の制御遅れなどを考慮して定められる。この閾値ILref4は、言い換えれば、所定周波数fc1をキャリア周波数fcとして上アーム制御を実行したときに最大値ILmaxが値0となる平均値ILaveの値ILref6(図4参照)よりマージンβ2だけ小さな(絶対値としては大きな)値として考えることができる。また、閾値ILref3は、例えば、所定周波数fc2をキャリア周波数fcとすると共に所定値ILmax1を最大値ILmaxとしたときに上述の式(1)の関係を満たす値などを用いることができる。さらに、平均値ILaveが閾値ILref3以下で閾値ILref4より大きいときのキャリア周波数fcは、上述の式(1)の関係を考慮して、例えば、最大値ILmaxが所定値ILmax1となるように設定することができる。
このように、平均値ILaveが閾値ILref3以下のときにおいて、平均値ILaveが閾値ILref4より大きいとき(所定周波数fc1をキャリア周波数fcとして上アーム制御を実行すると電流センサ41aの検出誤差や電子制御ユニット50の演算遅れ,トランジスタT32の制御遅れなどによってリアクトル電流ILが値0を跨ぐ可能性があるとき)には、平均値ILaveが閾値ILref4以下のときに比してキャリア周波数fcを高くして上アーム制御を実行することにより、平均値ILaveに拘わらず所定周波数fc1をキャリア周波数fcとして上アーム制御を実行するものに比して、リアクトル電流ILが値0を跨がずに上アーム制御を実行可能な平均値ILaveの領域を拡大することができる。
ステップS110,S170で、リアクトル電流ILの平均値ILaveが閾値ILref1より小さく閾値ILref3より大きいときには、リアクトル電流ILが上アーム制御領域内でも下アーム制御領域内でもなく上アームと下アームとをスイッチングする両アーム制御領域内であると判定し(ステップS230)、所定周波数fc2をキャリア周波数fcに設定し(ステップS240)、設定したキャリア周波数fcを用いて両アーム制御を実行して(ステップS250)、本ルーチンを終了する。
一般に、こうした駆動装置20では、上アーム制御や下アーム制御を実行すれば、両アーム制御を実行する場合に比して上アームと下アームとが共に故障する(例えば、共にオン故障して高圧側電力ライン42間が短絡する)のを抑制することができる。上アームと下アームとのうち一方が故障したとしても他方が正常であれば、高圧側電力ライン42間が短絡しないようにして、駆動装置20が搭載されている車両が退避走行を行なえる可能性を高くすることができる。例えば、駆動装置20がエンジンやエンジンからの動力を用いて発電する発電機と共に車両に搭載されている場合、上アームがオン故障したときには、下アームをオフで保持することにより、バッテリ36からダイオードD31を介してモータ32に電力を供給して退避走行を行なうことができ、下アームがオン故障したときには、上アームをオフ固定して、発電機により発電された電力をモータ32により消費するようにしながら退避走行を行なうことができる。こうした理由により、上アーム制御や下アーム制御を実行可能な領域を拡大することが要請されているが、リアクトル電流ILが値0を跨ぐ領域では、上アームと下アームとのうち駆動を必要とするアームが頻繁に切り替わることから、上アーム制御や下アーム制御を実行することができない。これまでは、リアクトル電流ILの平均値ILaveに拘わらず所定周波数fc1を用いて上アーム制御や下アーム制御を実行するものとしていたから、上アーム制御や下アーム制御を実行可能な領域がそれぞれ平均値ILaveが閾値ILref4以下の領域,閾値ILref2以上の領域と比較的狭く、拡大したとしてもそれぞれ平均値ILaveが閾値ILref6(=ILref4+β2)以下の領域,閾値ILref5(=ILref2−α2)以上の領域までだった。これに対して、実施例では、リアクトル電流ILの平均値ILaveが閾値ILref3以下で閾値ILref4より大きいときに、平均値ILaveが閾値ILref4以下のときに比してキャリア周波数fcを高くして上アーム制御を実行し、平均値ILaveが閾値ILref1以上で閾値ILref2未満のときに、平均値ILaveが閾値ILref2以上のときに比してキャリア周波数fcを高くして下アーム制御を実行することにより、リアクトル電流ILが値0を跨がずに上アーム制御や下アーム制御を実行可能な平均値ILaveの領域をそれぞれ閾値ILref3以下の領域,閾値ILref1以上の領域に拡大することができる。
以上説明した実施例の昇圧コンバータの制御装置(電子制御ユニット50)によれば、リアクトル電流ILの平均値ILaveが負の閾値ILref3以下でそれより小さな閾値ILref4より大きいときに、平均値ILaveが閾値ILref4以下のときに比してキャリア周波数fcを高くして上アーム制御を実行し、平均値ILaveが閾値ILref1以上でそれより大きな閾値ILref2未満のときに、平均値ILaveが閾値ILref2以上のときに比してキャリア周波数fcを高くして下アーム制御を実行するから、リアクトル電流ILが値0を跨がずに上アーム制御や下アーム制御を実行可能な平均値ILaveの領域を拡大することができる。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、昇圧コンバータ40が「昇圧コンバータ」に相当し、図2の昇圧コンバータ制御ルーチンを実行する電子制御ユニット50が「昇圧コンバータの制御装置」に相当する。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、昇圧コンバータの製造産業などに利用可能である。
20 駆動装置、32 モータ、32a 回転位置検出センサ、34 インバータ、36 バッテリ、40 昇圧コンバータ、41 リアクトル、41a 電流センサ、42 高圧側電力ライン、44 低圧側電力ライン、45 システムメインリレー、46 高圧側コンデンサ、46a,48a 電圧センサ、48 低圧側コンデンサ、50 電子制御ユニット、D31,D32 ダイオード、T31,T32 トランジスタ。

Claims (1)

  1. バッテリが接続された低圧側電力ラインの電力を昇圧してモータが接続された高圧側電力ラインに供給可能なコンバータとして構成され、前記高圧側電力ライン間に直列配置された上アームおよび下アームからなる2つのトランジスタと、前記2つのトランジスタの中間点と前記低圧側電力ラインにおける正極側のラインとに接続されたリアクトルと、を有する昇圧コンバータの制御装置であって、
    リアクトル電流の平均値が値0を含む所定範囲外のときには、前記上アームと前記下アームとのうち一方だけをスイッチングする片アーム制御を所定キャリア周波数で実行し、前記リアクトル電流の平均値が前記所定範囲内のときには、前記片アーム制御を前記所定キャリア周波数より高いキャリア周波数で実行する、
    ことを特徴とする昇圧コンバータの制御装置。
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