以下、本発明を具体化した実施形態について図面に従って説明する。なお、使用する図面は、説明する部分が認識可能な状態となるように、適宜拡大または縮小して表示している。
なお、以下の形態において、例えば「基板上に」と記載された場合、基板の上に接するように配置される場合、または基板の上に他の構成物を介して配置される場合、または基板の上に一部が接するように配置され、一部が他の構成物を介して配置される場合を表すものとする。
本実施形態では、電気光学装置として、薄膜トランジスター(TFT:Thin Film Transistor)を画素のスイッチング素子として備えたアクティブマトリックス型の液晶装置を例に挙げて説明する。この液晶装置は、例えば、投射型表示装置(液晶プロジェクター)の光変調素子(液晶ライトバルブ)として好適に用いることができるものである。
<電気光学装置としての液晶装置の構成>
図1は、液晶装置の構成を示す模式平面図である。図2は、図1に示す液晶装置のH−H’線に沿う模式断面図である。図3は、液晶装置の電気的な構成を示す等価回路図である。なお、図2に示す液晶装置は、マイクロレンズアレイの図示を省略している。以下、液晶装置の構成を、図1〜図3を参照しながら説明する。
図1及び図2に示すように、本実施形態の液晶装置100は、対向するように配置された素子基板10(第1基板)および対向基板20(第2基板)と、これら一対の基板10,20によって挟持された電気光学層としての液晶層15とを有する。素子基板10を構成する基板としての第1基材11、および対向基板20を構成する第2基材41は、例えば、ガラス基板、石英基板などの透明基板が用いられている。
素子基板10は対向基板20よりも大きく、両基板10,20は、対向基板20の外周に沿って配置されたシール材14を介して接合されている。平面視で環状に設けられたシール材14の内側で、素子基板10は対向基板20の間に正または負の誘電異方性を有する液晶が封入されて液晶層15を構成している。シール材14は、例えば熱硬化性又は紫外線硬化性のエポキシ樹脂などの接着剤が採用されている。シール材14には、一対の基板の間隔を一定に保持するためのスペーサー(図示省略)が混入されている。
シール材14の内縁より内側には、複数の画素Pが配列した表示領域Eが設けられている。表示領域Eは、表示に寄与する複数の画素Pに加えて、複数の画素Pを囲むように配置されたダミー画素を含むとしてもよい。また、図1及び図2では図示を省略したが、表示領域Eにおいて複数の画素Pをそれぞれ平面的に区分する遮光膜(ブラックマトリックス:BM)が対向基板20に設けられている。
素子基板10の1辺部に沿ったシール材14と該1辺部との間に、データ線駆動回路22が設けられている。また、該1辺部に対向する他の1辺部に沿ったシール材14と表示領域Eとの間に、検査回路25が設けられている。さらに、該1辺部と直交し互いに対向する他の2辺部に沿ったシール材14と表示領域Eとの間に走査線駆動回路24が設けられている。該1辺部と対向する他の1辺部に沿ったシール材14と検査回路25との間には、2つの走査線駆動回路24を繋ぐ複数の配線29が設けられている。
対向基板20における環状に配置されたシール材14と表示領域Eとの間には、遮光部材としての遮光膜18(見切り部)が設けられている。遮光膜18は、例えば、遮光性の金属あるいは金属酸化物などからなり、遮光膜18の内側が複数の画素Pを有する表示領域Eとなっている。なお、図1では図示を省略したが、表示領域Eにおいても複数の画素Pを平面的に区分する遮光膜が設けられている。
これらデータ線駆動回路22、走査線駆動回路24に繋がる配線は、該1辺部に沿って配列した複数の外部接続用端子61に接続されている。以降、該1辺部に沿った方向をX方向とし、該1辺部と直交し互いに対向する他の2辺部に沿った方向をY方向として説明する。
また、X方向およびY方向と直交し図1における上方に向かう方向をZ方向とする。なお、本明細書では、液晶装置100の対向基板20側表面の法線方向(Z方向)から見ることを「平面視」という。
図2に示すように、第1基材11の液晶層15側の表面には、画素Pごとに設けられた透光性の画素電極27およびスイッチング素子である薄膜トランジスター(TFT:Thin Film Transistor、以降、「TFT40」と呼称する)と、信号配線と、これらを覆う配向膜28とが形成されている。
また、TFT40における半導体層に光が入射してスイッチング動作が不安定になることを防ぐ遮光構造が採用されている。本発明における素子基板10は、少なくとも画素電極27、TFT40、配向膜28を含むものである。
対向基板20の液晶層15側の表面には、遮光膜18と、これを覆うように成膜された第3層としての保護層33と、保護層33を覆うように設けられた対向電極31と、対向電極31を覆う配向膜32とが設けられている。本発明における対向基板20は、少なくとも保護層33、対向電極31、配向膜32を含むものである。
遮光膜18は、図1に示すように、表示領域Eを取り囲むと共に、平面的に走査線駆動回路24、検査回路25と重なる位置に設けられている(図示簡略)。これにより対向基板20側からこれらの駆動回路を含む周辺回路に入射する光を遮蔽して、周辺回路が光によって誤動作することを防止する役目を果たしている。また、不必要な迷光が表示領域Eに入射しないように遮蔽して、表示領域Eの表示における高いコントラストを確保している。
保護層33は、例えば酸化シリコンなどの無機材料からなり、光透過性を有して遮光膜18を覆うように設けられている。このような保護層33の形成方法としては、例えばプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法などを用いて成膜する方法が挙げられる。
対向電極31は、例えばITOなどの透明導電膜からなり、保護層33を覆うと共に、図1に示すように対向基板20の四隅に設けられた上下導通部26により素子基板10側の配線に電気的に接続している。
画素電極27を覆う配向膜28、および対向電極31を覆う配向膜32は、液晶装置100の光学設計に基づいて選定される。例えば、気相成長法を用いてSiOx(酸化シリコン)などの無機材料を成膜して、負の誘電異方性を有する液晶分子に対して略垂直配向させた無機配向膜が挙げられる。
このような液晶装置100は透過型であって、電圧が印加されない時の画素Pの透過率が電圧印加時の透過率よりも大きいノーマリーホワイトや、電圧が印加されない時の画素Pの透過率が電圧印加時の透過率よりも小さいノーマリーブラックモードの光学設計が採用される。光の入射側と射出側とにそれぞれ偏光素子が光学設計に応じて配置されて用いられる。
図3に示すように、液晶装置100は、少なくとも表示領域Eにおいて互いに絶縁されて直交する複数の走査線3aおよび複数のデータ線6aと、共通電位配線としての容量線3bとを有する。走査線3aが延在する方向がX方向であり、データ線6aが延在する方向がY方向である。
走査線3aとデータ線6aならびに容量線3bと、これらの信号線類により区分された領域に、画素電極27と、TFT40と、容量素子21とが設けられ、これらが画素Pの画素回路を構成している。
走査線3aはTFT40のゲートに電気的に接続され、データ線6aはTFT40のデータ線側ソースドレイン領域(ソース領域)に電気的に接続されている。画素電極27は、TFT40の画素電極側ソースドレイン領域(ドレイン領域)に電気的に接続されている。
データ線6aは、データ線駆動回路22(図1参照)に接続されており、データ線駆動回路22から供給される画像信号D1,D2,…,Dnを画素Pに供給する。走査線3aは、走査線駆動回路24(図1参照)に接続されており、走査線駆動回路24から供給される走査信号SC1,SC2,…,SCmを各画素Pに供給する。
データ線駆動回路22からデータ線6aに供給される画像信号D1〜Dnは、この順に線順次で供給してもよく、互いに隣り合う複数のデータ線6a同士に対してグループごとに供給してもよい。走査線駆動回路24は、走査線3aに対して、走査信号SC1〜SCmを所定のタイミングで供給する。
液晶装置100は、スイッチング素子であるTFT40が走査信号SC1〜SCmの入力により一定期間だけオン状態とされることで、データ線6aから供給される画像信号D1〜Dnが所定のタイミングで画素電極27に書き込まれる構成となっている。そして、画素電極27を介して液晶層15に書き込まれた所定レベルの画像信号D1〜Dnは、画素電極27と液晶層15を介して対向配置された対向電極31との間で一定期間保持される。
保持された画像信号D1〜Dnがリークするのを防止するため、画素電極27と対向電極31との間に形成される液晶容量と並列に容量素子21が接続されている。容量素子21は、TFT40の画素電極側ソースドレイン領域と容量線3bとの間に設けられている。
<液晶装置を構成する画素の構成>
図4は、液晶装置のうち主に画素の構造を示す模式断面図である。以下、液晶装置のうち画素の構造を、図4を参照しながら説明する。なお、図4は、各構成要素の断面的な位置関係を示すものであり、明示可能な尺度で表されている。
図4に示すように、対向基板20は、マイクロレンズアレイ基板30と、遮光膜18と、保護層33と、対向電極31と、配向膜32とを備えている。
マイクロレンズアレイ基板30は、第2基材41と、第1層としてのレンズ層43とを備えている。第2基材41は、例えば、ガラスや石英などの光透過性を有する無機材料からなる。第2基材41の液晶層15側の面を、第1面としての面41bとする。第2基材41の液晶層15とは反対側の面を、第2面としての面41aとする。第2基材41は、面41b側に形成された複数の凹部42を有している。各凹部42は、画素Pに対応して設けられている。
レンズ層43は、第2基材41の面41b側を覆うように設けられている。レンズ層43は、凹部42の深さよりも厚く形成されており、複数の凹部42を埋め込むように形成されている。レンズ層43は、光透過性を有し、第2基材41とは異なる屈折率を有する材料からなる。より具体的には、レンズ層43は、第2基材41よりも光屈折率の高い無機材料からなる。このような無機材料としては、例えばSiON、Al2O3などが挙げられる。
レンズ層43を形成する材料で凹部42を埋め込むことにより、凸状のマイクロレンズMLが構成される。したがって、各マイクロレンズMLは、画素Pに対応して設けられている。また、複数のマイクロレンズMLによりマイクロレンズアレイMLAが構成される。マイクロレンズアレイ基板30の表面、すなわちレンズ層43の表面は、略平坦な面となっている。
遮光膜18は、レンズ層43上に設けられている。遮光膜18は、素子基板10の遮光層12および遮光層17に平面視で重なるように、格子状または島状に形成されている。図4は、遮光膜18が格子状に形成されており、開口部18aを有する場合を示している。この場合、遮光膜18の開口部18a内が、光が透過する領域となる。
保護層33は、遮光膜18を覆うように設けられている。対向電極31は、保護層33を覆うように設けられている。対向電極31は、複数の画素Pに跨って形成されている。対向電極31は、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)やIZO(Indium Zinc Oxide)などの透明導電膜からなる。配向膜32は、対向電極31を覆うように設けられている。
なお、保護層33は、遮光膜18を覆って対向電極31が形成される液晶層15側の表面を平坦化するためのものである。例えば、導電性の遮光膜18を直接覆うように対向電極31を形成する構成としてもよく、その場合は保護層33を省略してもよい。
素子基板10は、第1基材11と、遮光層12と、絶縁層13と、TFT40と、絶縁層16と、遮光層17と、絶縁層19と、画素電極27と、配向膜28とを備えている。第1基材11は、例えばガラスや石英などの光透過性を有する材料からなる。
遮光層12は、第1基材11上に設けられている。遮光層12は、上層の遮光層17とともに、遮光膜18と平面視で重なるように格子状に形成されている。遮光層12および遮光層17は、素子基板10の厚さ方向(Z方向)において、TFT40を間に挟むように配置されている。遮光層12は、TFT40の少なくともチャネル領域と平面視で重なっている。
遮光層12および遮光層17が設けられていることにより、TFT40への光の入射が抑制される。遮光層12に囲まれた領域(開口部12a内)、および、遮光層17に囲まれた領域(開口部17a内)は、平面視で互いに重なっており光が透過する領域となる。
絶縁層13は、第1基材11と遮光層12とを覆うように設けられている。絶縁層13は、例えば、SiO2などの無機材料からなる。
TFT40は、絶縁層13上に設けられている。TFT40は、画素電極27を駆動するスイッチング素子である。TFT40は、図示しない半導体層、ゲート電極、ソース電極、およびドレイン電極で構成されている。半導体層には、ソース領域、チャネル領域、およびドレイン領域が形成されている。チャネル領域とソース領域、又は、チャネル領域とドレイン領域との界面にはLDD(Lightly Doped Drain)領域が形成されていてもよい。
ゲート電極は、素子基板10において平面視で半導体層のチャネル領域と重なる領域に絶縁層16の一部(ゲート絶縁膜)を介して形成されている。図示を省略するが、ゲート電極は、下層側に配置された走査線にコンタクトホールを介して電気的に接続されており、走査信号が印加されることによってTFT40をオン/オフ制御している。
絶縁層16は、絶縁層13とTFT40とを覆うように設けられている。絶縁層16は、例えば、SiO2などの無機材料からなる。絶縁層16は、TFT40の半導体層とゲート電極との間を絶縁するゲート絶縁膜を含む。絶縁層16により、TFT40によって生じる表面の凹凸が緩和される。絶縁層16上には、遮光層17が設けられている。そして、絶縁層16と遮光層17とを覆うように、無機材料からなる絶縁層19が設けられている。
画素電極27は、絶縁層19上に、画素Pに対応して設けられている。画素電極27は、遮光層12の開口部12aおよび遮光層17の開口部17aに平面視で重なる領域に配置されている。画素電極27は、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)やIZO(Indium Zinc Oxide)などの透明導電膜からなる。配向膜28は、画素電極27を覆うように設けられている。液晶層15は、素子基板10側の配向膜28と対向基板20側の配向膜32との間に挟持されている。
なお、TFT40と、TFT40に電気信号を供給する電極や配線など(図示しない)とは、平面視で遮光層12および遮光層17に重なる領域に設けられている。これらの電極や配線などが遮光層12や遮光層17を兼ねる構成であってもよい。
本実施形態の液晶装置100では、例えば、光源などから発せられた光は、マイクロレンズMLを備える対向基板20(第2基材41)側から入射し、マイクロレンズMLによって集光される。第2基材41側から面41aの法線方向に沿ってマイクロレンズMLに入射する光のうち、画素Pの領域の平面的な中心を通過する光軸に沿って入射した入射光L1は、マイクロレンズMLをそのまま直進し、液晶層15を通過して素子基板10側に射出される。
入射光L1よりも外側の平面視で遮光膜18(または遮光層17)と重なる領域からマイクロレンズMLの周縁部に入射した入射光L2は、仮にそのまま直進した場合、破線で示すように遮光膜18(または遮光層17)で遮光されてしまうが、第2基材41とレンズ層43との間の光屈折率の差により、画素Pの領域の平面的な中心側へ屈折する。
液晶装置100では、このように直進した場合に遮光膜18(または遮光層17)で遮光されてしまう入射光L2も、マイクロレンズMLの作用により開口部18a内(または開口部17a内)に入射させて液晶層15を通過させることができる。この結果、素子基板10側から射出される光の量を多くできるので、光の利用効率を高めることができる。
<マイクロレンズアレイ基板の製造方法>
図5は、大型のマイクロレンズアレイ基板の構成を示す模式図であり、(a)は大型のマイクロレンズアレイ基板の模式平面図、(b)は(a)のB−B’線に沿う模式断面図である。図6〜図9は、マイクロレンズアレイ基板の製造方法のうち一部の製造方法を工程順に示す模式断面図である。なお、図6〜図9は、図5のB−B’線に沿う部分断面図に相当する。以下、マイクロレンズアレイ基板の製造方法を、図5〜図9を参照しながら説明する。
図5(a)は、マイクロレンズアレイ基板30を複数個取りできる大型のマイクロレンズアレイ基板60を、図4における液晶層15側の方向から見た平面図である。マイクロレンズアレイ基板30の製造工程では、大型のマイクロレンズアレイ基板60の状態で加工が行われ、最終的にマイクロレンズアレイ基板60を切断して個片化することにより、複数のマイクロレンズアレイ基板30が得られる。
図5(a)に示すように、マイクロレンズアレイ基板60の基材は、平面視で略円形のウェハ状の基板51からなる。マイクロレンズアレイ基板30の第2基材41(図4参照)は、基板51がマイクロレンズアレイ基板30毎に個片化されたものである。マイクロレンズアレイ基板60は、複数のマイクロレンズアレイ基板30が形成される第1領域Fと、第1領域Fの外側に第1領域Fを囲むように配置された第2領域Gとを有している。第1領域Fには、マイクロレンズアレイ基板30毎にマイクロレンズアレイMLA(図4参照)が設けられる。
図5(a)及び(b)では、基板51上に、後述する第3層としての保護層33が形成された状態(図9(a)参照)を示している。図5(b)は、図4に対して上下(Z方向)が反転している。図5(b)に示すように、基板51は、第2基材41の面41bに対応する第1面としての面51bと、第2基材41の面41aに対応する第2面としての面51aとを有する。
マイクロレンズアレイ基板60において、基板51の面51bの外周端部と面51aの外周端部との間の部分を側端部Hという。側端部Hにおいて、基板51の面51bと側面51cとの角部および面51aと側面51cとの角部は、基板51の外周に沿って面取りされており、面51bと側面51cとの間、および面51aと側面51cとの間に斜面51dが設けられている。
基板51の面51bの第2領域Gには、第4層としての導電層45が設けられている。導電層45は、面51bにおける第2領域G全体を覆うように設けられていてもよい。また、導電層45は、面51aにおいて第1領域Fと第2領域Gとに亘って設けられている。さらに、導電層45は、側端部H(面51aと側面51cとの間の斜面51d、側面51c、および側面51cと面51bとの間の斜面51d)にも設けられていることが好ましい。換言すれば、導電層45は、基板51の面51bに少なくとも第1領域Fを含む大きさの開口部45aを有し、基板51の開口部45a以外の部分を覆うように設けられていることが好ましい。
導電層45は、マイクロレンズアレイ基板60の製造工程において、基板51の面51a側を静電チャック(静電吸着)により固定するための機能と、レンズ材料層43aに生じる応力を緩和する機能とを兼ね備えている。換言すれば、導電層45のうち、面51a側に設けられた部分は静電吸着層であり、面51b側に設けられた部分が応力緩和層である。図5(b)に示すように、導電層45が側端部Hにも設けられている場合は、導電層45のこの部分も応力緩和層としての役割を担う。
導電層45は、導電性を有するとともに、基板51のポアソン比およびレンズ材料層43aのポアソン比よりも大きいポアソン比を有する材料からなる。このような導電層45の材料として、例えば、シリコンを用いることができる。導電層45の材料は、アルミニウムなどの金属であってもよい。導電層45の膜厚は、例えば、350nm〜2000nm程度である。導電層45のX方向における幅(側端部H側から開口部45aまでの距離)は、例えば、3mm〜5mm程度である。
レンズ材料層43aは、基板51の面51bの第1領域Fと第2領域Gとに亘って設けられている。レンズ材料層43aの周縁部と基板51との間には、導電層45が配置されている。レンズ材料層43aは、その周縁部が側端部H、すなわち、基板51の面51bから斜面51dおよび側面51cに到達する範囲まで設けられていてもよい。なお、後述するが、レンズ材料層43aの上面を研磨して平坦化することにより、レンズ層43が形成される。
レンズ材料層43a上には、第2領域Gに第2層としての緩和層18bが形成されている。更に、緩和層18b及びレンズ材料層43aを覆うように、保護層33が形成されている。
緩和層18bは、図5(b)に示すように、例えば、フォトレジストの露光の関係により、基板51の外周から2mm程度の範囲には形成されていない。よって、製造方法による制約がなければ、基板51の外周まで緩和層18bを形成することが望ましい。これによれば、クラックマージンを向上させることができる。
また、第2領域Gにおいて、レンズ材料層43aと保護層33との間に緩和層18bが介在することにより、保護層33に曲げモーメントが作用しても、曲げモーメントにより生じる応力が緩和層18bにより緩和されるので、緩和層18bが設けられていない場合と比べて、保護層33にクラックが生じることを抑えることができる。
続いて、マイクロレンズアレイ基板60(マイクロレンズアレイ基板30)の製造方法を、図6〜図9を参照して説明する。なお、図6〜図9の各図に示す第1領域Fの部分は、1つのマイクロレンズアレイ基板30のうちのマイクロレンズMLが形成される部分である。
まず、図6(a)に示すように、石英などからなる光透過性を有する基板51の表面、すなわち、面51aおよび面51bにおける第1領域Fおよび第2領域Gとを覆うように、導電層45を形成する。基板51の面51a側に導電層45を形成することにより、以降の工程で基板51の面51a側を静電チャック(静電吸着)により固定して、面51b側の加工を行うことが可能となる。
導電層45の材料として、例えば、シリコンを用いることができる。導電層45を形成する方法としては、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)法を用いることができる。CVD法を用いることで、導電層45となるシリコン膜を容易に側端部H(面51aと側面51cとの間の斜面51d、側面51c、および側面51cと面51bとの間の斜面51d)にも成膜することができる。
次に、図6(b)に示すように、導電層45のうち基板51の面51b側において、少なくとも第1領域Fを覆う部分を除去し、それ以外の部分を残す。これにより、導電層45に、少なくとも第1領域Fを含む大きさの開口部45aが形成される。開口部45a内には、基板51の面51bが露出する。
導電層45を部分的に除去する方法としては、例えば、反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)などのドライエッチングを用いることができる。RIEは、RIE装置内でプラズマから生成されたイオンを加速して被エッチング物に衝撃させるものであり、基板51を支持するステージを介して基板51にバイアスを印加することで、導電層45のうち平面視でステージと重なる部分を除去できる。導電層45を部分的に除去する方法として、ウエットエッチングを用いることも可能である。
なお、図示を省略するが、各マイクロレンズアレイ基板30にはアライメントマークが設けられている。このアライメントマークは、各マイクロレンズアレイ基板30の4隅などに配置され、例えば遮光膜18のフォトリソグラフィ法によるパターニングで用いるマスクなどとの位置合わせを行うためのものである。本実施形態では、アライメントマークは、導電層45として基板51(第2基材41)の面51b(面41b)側に成膜されたシリコン膜のうち、アライメントマーク以外の部分をドライエッチングにより除去して形成される。
したがって、図6(b)に示す工程では、基板51の面51b側に成膜されたシリコン膜のうち、第1領域F内においてマイクロレンズアレイ基板30毎にアライメントマーク以外の部分を除去することによりアライメントマークを形成し、かつ、第2領域Gに成膜された部分を残すことにより第4層としての応力緩和層となる導電層45を形成することができる。すなわち、静電吸着層と応力緩和層とアライメントマークとを同一の工程で形成することができる。
次に、図6(c)に示すように、基板51の面51b側を覆うようにマスク層71を形成する。そして、マスク層71をパターニングして、マスク層71のうち第1領域F内の部分に複数の開口部71aを形成する。開口部71aは、マイクロレンズアレイ基板30毎に、後の工程で得られるマイクロレンズML(凹部42)の平面的な中心位置、すなわち、画素Pの領域(図4参照)の平面的な中心位置に対応して設けられる。これにより、開口部71a内に基板51の面51bが露出する。
次に、図6(d)に示すように、マスク層71の開口部71aを介して基板51に等方性エッチング処理を施すことにより、基板51の第1領域F内の部分に複数の凹部42を形成する。等方性エッチング処理としては、例えばフッ酸溶液などのエッチング液を用いたウエットエッチングを用いることができる。
この等方性エッチング処理により、基板51の面51b側から複数の開口部71aのそれぞれを中心として等方的にエッチングされ、断面視で略半球状の領域が除去されて、複数の凹部42が形成される。凹部42の断面形状は、球面状に限定されるものではなく、底部に略平坦な部分や、周縁部にテーパー状の部分を含む形状などであってもよい。
なお、マスク層71を形成する前に、基板51上に等方性エッチングにおけるエッチングレートが基板51と異なるSiO2などの酸化膜を形成してもよい。このようにすることで、凹部42を形成する際の深さ方向(Z方向)のエッチングレートに対する幅方向(W方向)のエッチングレートを適宜調整して、所望の凹部42の断面形状を得ることができる。等方性エッチング処理が終了したら、図7(a)に示すように、基板51からマスク層71を除去する。
次に、図7(b)に示すように、基板51の面51b側の第1領域Fおよび第2領域Gにレンズ層43の材料を配置して、複数の凹部42を埋め込むとともに平面視で導電層45と重なるように、レンズ材料層43aを形成する。レンズ層43の材料としては、光透過性を有し、基板51よりも高い屈折率を有する無機材料である酸窒化ケイ素(SiON)などが用いられる。レンズ材料層43aは、例えば、プラズマCVD法などを用いて形成できる。
レンズ材料層43aは、凹部42の深さよりも厚く形成される。第1領域Fに形成されたレンズ材料層43aの上面は、凹部42と凹部42同士の境界部や凹部42が形成されていない部分との段差が反映された凹凸形状となる。レンズ材料層43aは、第2領域Gにおいては導電層45を覆うように形成される。
なお、レンズ材料層43aは、側端部Hまで形成されていてもよい。これによれば、緩和層18bが基板51の側端部Hまで形成されるので、レンズ層43と保護層33の周縁部との間に緩和層18bが介在する。そのため、曲げモーメントによる応力が集中し易い保護層33の周縁部において、応力を緩和層18bにより緩和することができるので、保護層33にクラックが生じることをより確実に抑えることができる。
次に、図7(b)に示すレンズ材料層43aに対して平坦化処理を施す。平坦化処理の方法として、例えば、CMP(Chemical Mechanical Polishing)処理などが用いられ、レンズ材料層43aのうち上側の凹凸が形成された部分(図7(b)に示す2点鎖線の上の部分)を研磨して除去し表面を平坦化する。平坦化処理の方法としては、エッチバック法を用いてもよい。
この結果、図7(c)に示すように、レンズ材料層43aの上面が平坦化されてレンズ層43が得られ、凹部42を埋めるレンズ層43によりマイクロレンズMLが構成される。これにより、マイクロレンズアレイ基板60の第1領域Fに、マイクロレンズアレイMLAを備えた複数のマイクロレンズアレイ基板30(図5(a)参照)が形成される。
引き続き、マイクロレンズアレイ基板30(60)を備えた対向基板20の製造方法を説明する。まず、図8(a)に示すように、レンズ層43を覆うように遮光材料層18'を形成する。最初に、基板51の面51aを覆う導電層45を除去する。次に、レンズ層43を覆うように、例えば、プラズマCVD法などを用いて遮光材料層18'を形成する。
遮光材料層18'は、例えば、アルミニウム(Al)と窒化チタン(TiN)との金属材料からなる積層膜である。アルミニウムの厚みは、例えば、1000Åである。窒化チタンの厚みは、例えば、500Åである。
次に、図8(b)に示すように、遮光材料層18'から遮光膜18と緩和層18bとを形成する。遮光材料層18'を部分的に除去する方法としては、例えば、RIEなどのドライエッチングを用いることができる。これにより、第1領域Fにおいて、画素Pと画素Pとの間の領域に遮光膜18が形成される。また、第2領域Gにおいて緩和層18bが形成される。
次に、図8(c)に示すように、遮光膜18、緩和層18b、及びレンズ層43の全体を覆うように、保護材料層33aを形成する。保護材料層33aを成膜する方法としては、例えば、プラズマCVDを用いることができる。これにより、保護材料層33aの表面は、遮光膜18及び緩和層18bの厚みに対応して凹凸になっている。保護材料層33aの厚みは、例えば、20μm程度である。
次に、図9(a)に示すように、保護材料層33aの上面に平坦化処理を施す。平坦化処理の方法として、例えば、CMP処理などが用いられる。これにより、上面が平坦化された保護層33が形成される。
次に、図9(b)に示すように、保護層33を覆うように対向電極31を形成する。保護層33の上に対向電極31を形成する方法としては、例えば、プラズマCVDを用いることができる。これにより、保護層33を覆うように対向電極31が形成される。その後、図示しないが、対向電極31の上に配向膜32を形成する。
この後、マイクロレンズアレイ基板60のうち第1領域Fの部分をマイクロレンズアレイ基板30毎に切断して個片化する。なお、基板51の面51a側を覆う導電層45を、これらの層を形成した後に除去することとしてもよい。なお、マイクロレンズアレイ基板30が個片化された後は、マイクロレンズアレイ基板60のうち第2領域Gの部分および側端部Hの部分は不要となる。
図5(b)に示すように、本実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板60では、保護層33とレンズ層43との間に緩和層18bが配置されている。保護層33及びレンズ層43のポアソン比は、0.14〜0.17程度である。これに対して、緩和層18b(アルミニウム)のポアソン比は、0.36〜0.37程度である。よって、緩和層18bのポアソン比の方が大きい。
そのため、緩和層18bは、保護材料層33a及びレンズ層43と比べて、一つの方向(例えば、X方向)に応力がかかって歪みが生じたとき、その方向と垂直な方向(例えば、Y方向)に生じる歪みが大きい。すなわち、緩和層18bは、保護材料層33a及びレンズ層43と比べて、応力がかかると断面の変形が起き易い。したがって、保護材料層33aとレンズ層43との間に緩和層18bが介在することにより、保護材料層33aにかかる応力が緩和されるので、保護材料層33aにクラックが生じることを抑えることができる。
加えて、レンズ材料層43aの周縁部と基板51との間に導電層45が配置されている。石英からなる基板51のポアソン比は0.14〜0.17程度であり、レンズ材料層43aのポアソン比も同程度である。これに対して、シリコンからなる導電層45のポアソン比は、0.26〜0.28程度であり、基板51のポアソン比およびレンズ材料層43aのポアソン比よりも大きい。
よって、そのため、導電層45は、基板51およびレンズ材料層43aと比べて、一つの方向(例えば、X方向)に応力がかかって歪みが生じたとき、その方向と垂直な方向(例えば、Y方向)に生じる歪みが大きい。すなわち、導電層45は、基板51およびレンズ材料層43aと比べて、応力がかかると断面の変形が起き易い。したがって、基板51とレンズ材料層43aとの間に導電層45が介在することにより、レンズ材料層43aにかかる応力が緩和されるので、レンズ材料層43aにクラックが生じることを抑えることができる。
緩和層18b(導電層45)の応力緩和層としての効果は、緩和層18b(導電層45)の膜厚が厚いほど大きく、緩和層の幅(面積)が大きいほど大きい。
<電子機器の構成>
次に、本実施形態の電子機器としてのプロジェクターについて、図10を参照しながら説明する。図10は、上記した液晶装置を備えたプロジェクターの構成を示す概略図である。
図10に示すように、本実施形態のプロジェクター1000は、システム光軸Lに沿って配置された偏光照明装置1100と、光分離素子としての2つのダイクロイックミラー1104,1105と、3つの反射ミラー1106,1107,1108と、5つのリレーレンズ1201,1202,1203,1204,1205と、3つの光変調手段としての透過型の液晶ライトバルブ1210,1220,1230と、光合成素子としてのクロスダイクロイックプリズム1206と、投射レンズ1207とを備えている。
偏光照明装置1100は、超高圧水銀灯やハロゲンランプなどの白色光源からなる光源としてのランプユニット1101と、インテグレーターレンズ1102と、偏光変換素子1103とから概略構成されている。
ダイクロイックミラー1104は、偏光照明装置1100から射出された偏光光束のうち、赤色光(R)を反射させ、緑色光(G)と青色光(B)とを透過させる。もう1つのダイクロイックミラー1105は、ダイクロイックミラー1104を透過した緑色光(G)を反射させ、青色光(B)を透過させる。
ダイクロイックミラー1104で反射した赤色光(R)は、反射ミラー1106で反射した後にリレーレンズ1205を経由して液晶ライトバルブ1210に入射する。ダイクロイックミラー1105で反射した緑色光(G)は、リレーレンズ1204を経由して液晶ライトバルブ1220に入射する。ダイクロイックミラー1105を透過した青色光(B)は、3つのリレーレンズ1201,1202,1203と2つの反射ミラー1107,1108とからなる導光系を経由して液晶ライトバルブ1230に入射する。
液晶ライトバルブ1210,1220,1230は、クロスダイクロイックプリズム1206の色光ごとの入射面に対してそれぞれ対向配置されている。液晶ライトバルブ1210,1220,1230に入射した色光は、映像情報(映像信号)に基づいて変調されクロスダイクロイックプリズム1206に向けて射出される。
このプリズムは、4つの直角プリズムが貼り合わされ、その内面に赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが十字状に形成されている。これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成されて、カラー画像を表す光が合成される。合成された光は、投射光学系である投射レンズ1207によってスクリーン1300上に投射され、画像が拡大されて表示される。
液晶ライトバルブ1210は、上述した液晶装置100が適用されたものである。液晶装置100は、色光の入射側と射出側とにおいてクロスニコルに配置された一対の偏光素子の間に隙間を置いて配置されている。他の液晶ライトバルブ1220,1230も同様である。
このようなプロジェクター1000の構成によれば、液晶ライトバルブ1210,1220,1230を用いているので、品質が高く明るいプロジェクター1000を提供することができる。
なお、液晶装置100が搭載される電子機器としては、プロジェクター1000の他、ヘッドアップディスプレイ(HUD)、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)、スマートフォン、EVF(Electrical View Finder)、モバイルミニプロジェクター、電子ブック、携帯電話、モバイルコンピューター、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、ディスプレイ、車載機器、オーディオ機器、露光装置や照明機器など各種電子機器に用いることができる。
以上詳述したように、マイクロレンズアレイ基板30の製造方法、マイクロレンズアレイ基板30、液晶装置100、及び電子機器によれば、以下に示す効果が得られる。
(1)本実施形態のマイクロレンズアレイ基板30の製造方法によれば、基板51の第1領域Fに形成された複数の凹部42を、基板51とは異なる屈折率を有するレンズ層43で埋めることにより、複数のマイクロレンズMLが構成される。また、レンズ層43の第2領域Gに緩和層18bを形成し、レンズ層43及び緩和層18bを覆うように保護層33を形成する。すなわち、第2領域Gにおいて、レンズ層43と保護層33との間に緩和層18bが介在する。そのため、基板51上に形成された保護層33に曲げモーメントが作用しても、曲げモーメントにより生じる応力が緩和層18bにより緩和されるので、緩和層18bが設けられていない場合と比べて、保護層33にクラックが生じることを抑えることができる。加えて、その後に形成する対向電極31など高温で行うプロセスに対しても、プロセスの自由度を上げることができる。
(2)本実施形態のマイクロレンズアレイ基板30の製造方法によれば、遮光膜18を形成すると同時に緩和層18bを形成するので、製造工程を増やすことなく緩和層18bを形成することが可能となり、緩和層18bを別工程で形成する場合と比較して、かかるコストを抑えることができる。
(3)本実施形態のマイクロレンズアレイ基板30の製造方法によれば、緩和層18bの材料のポアソン比が、レンズ層43及び保護層33の材料のポアソン比よりも大きいので、緩和層18bは、レンズ層43及び保護層33と比べて、一つの方向に応力がかかって歪みが生じたとき、その方向と垂直な方向に生じる歪みが大きい。すなわち、緩和層18bは、レンズ層43及び保護層33と比べて、応力がかかると断面の変形が起き易い。したがって、レンズ層43と保護層33との間に緩和層18bが介在することにより、保護層33にかかる応力を緩和することができる。
(4)本実施形態のマイクロレンズアレイ基板30、及び液晶装置100によれば、保護層33にクラックが生じることを抑えることができるので、製造工程における歩留まりが向上する。これにより、コスト競争力に優れたマイクロレンズアレイ基板30及び液晶装置100を提供できる。
(5)本実施形態の電子機器によれば、上記液晶装置100を備えているので、コスト競争力に優れた電子機器を提供することができる。
なお、本発明の態様は、上記した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、本発明の態様の技術範囲に含まれるものである。また、以下のような形態で実施することもできる。
(変形例1)
上記したように、緩和層18bを第2領域Gにベタ状に形成することに限定されず、例えば、図11に示すようにしてもよい。図11は、変形例の緩和層18bの構成を示す模式平面図である。(a)は、マイクロレンズアレイ基板の構成を示す模式平面図である。(b)は、(a)に示すマイクロレンズアレイ基板のC部を拡大して示す拡大平面図である。(c)は、(b)に示すマイクロレンズアレイ基板の変形例を示す拡大平面図である。
図11(a)に示すように、基板51の第1領域Fの周囲(第2領域G)には、緩和層18bが形成されている。変形例の緩和層18bは、図11(b)に示すように、複数の開口孔18cが形成されている。開口孔18cが形成された緩和層18bの開口率は、10%程度である。望ましい開口率の範囲としては、5%〜30%である。開口孔18cと開口孔18cとの間隔は、例えば、36μmである。
このような緩和層18bによれば、基板51の第2領域Gに緩和層18bを形成した場合でも、第2領域Gに配置される緩和層18bに複数の開口孔18cが形成されているので、例えば、シール材14に紫外線を照射させることが可能となり、紫外線硬化性のエポキシ樹脂などの接着剤を硬化させることができる。
また、図11(c)に示す緩和層18bのように、複数の開口孔18dが千鳥状に配置されていてもよい。これによれば、開口孔18dと開口孔18dとの間隔を、縦横バランスよく配置させることができる。
このような緩和層18bによれば、基板51の第2領域Gに緩和層18bを形成した場合でも、シール材に略均等の紫外線を照射させることが可能となり、一対の基板を良好な状態で貼り合わせることができる。
(変形例2)
上記したように、緩和層18b(遮光材料層18')は、アルミニウムと窒化チタンとの積層膜であることに限定されず、例えば、アルミニウムの単層でもよいし、窒化チタンの単層でもよい。
(変形例3)
上記したように、マイクロレンズアレイ基板60は、側端部Hにおいて、基板51の側面51cと面51bとの間、および側面51cと面51aとの間に斜面51dが設けられた構成を有していたが、本発明はこのような形態に限定されない。
(変形例4)
上述した液晶装置100では、マイクロレンズアレイ基板30を対向基板20に備えていたが、本発明はこのような形態に限定されない。例えば、マイクロレンズアレイ基板30を素子基板10に備えた構成としてもよい。また、マイクロレンズアレイ基板30を素子基板10および対向基板20の双方に備えた構成としてもよい。
(変形例5)
上記したように、電気光学装置として液晶装置100を適用することに限定されず、例えば、有機EL装置、プラズマディスプレイ、電子ペーパー(EPD)等に適用するようにしてもよい。