JP2015200500A - 固体燃料焚きバーナ及び固体燃料焚きボイラ - Google Patents
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Description
上述した1次空気は、燃料の微粉炭を搬送するために必要な空気量であるから、石炭を粉砕して微粉炭とするローラミル装置において空気量が規定される。そして、上述した2次空気は、旋回燃焼ボイラ内において火炎全体を形成するために必要となる空気量を吹き込むものであるから、旋回燃焼ボイラの2次空気量は、概ね微粉炭の燃焼に必要な全空気量から1次空気量を差し引いたものとなる。
また、旋回燃焼ボイラのバーナにおいては、微粉炭を外周に濃淡分離し、さらに、火炎外周の着火を強化する外部保炎が行われている。
また、下記の特許文献3にも、外周保炎器及びスプリットにより構成された保炎器が開示されている。この場合、外周保炎器がメインであり、スプリットは補助的なものとなっている。
このようにして、火炎外周の高温酸素残存領域で発生したNOxは、火炎の外周を通過するので、火炎内部と比較して還元が遅れることとなり、これが石炭焚きボイラからNOxを発生させる要因となっていた。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、火炎の外周に形成される高温酸素残存領域を抑制(弱く)することにより、追加空気投入部から排出される最終的なNOx発生量の低減を可能にした固体燃料焚きバーナ及び固体燃料焚きボイラを提供することにある。
請求項1に係る固体燃料焚きバーナは、バーナ部と追加空気投入部とに分けて低NOx燃焼を行う固体燃料焚きボイラの前記バーナ部に用いられ、粉体の固体燃料及び空気を炉内へ投入する固体燃料焚きバーナが、粉体燃料及び一次空気を炉内へ投入する燃料バーナと、該燃料バーナの外周から2次空気を噴射する燃料バーナ用2次ポートとを備え、前記燃料バーナの流路前方部に内部保炎用部材として複数のスプリット部材を配設し、該スプリット部材の外周側で前記燃料バーナ用2次ポートに隣接する端部の一部が除去され、前記スプリット部材の除去部の長さは、前記スプリット部材の最大熱膨張時に、該スプリット部材の端部が前記燃料バーナ用2次ポートに接触しない長さであることを特徴とするものである。
特に、旋回燃焼方式の場合には、上下方向の端部を除去したスプリット部材とすることが望ましく、これにより、2次空気と直接干渉しやすい上下端に高温高酸素領域が形成されることを防止できる。
特に、スプリット部材の端部を除去した領域では、スプリット部材が着火源となる着火を抑制できるようになり、かつ、火炎内部となるスプリット部材の中心部側で保炎機能を有効に活用できる。
特に、スプリット部材の端部を除去した領域では、スプリット部材を着火源とする着火を抑制できるようになり、かつ、火炎内部となるスプリット部材の中心部側で保炎機能を有効に活用できる。
図3〜図5に示す旋回燃焼ボイラ10は、火炉11内へ空気を多段で投入することにより、バーナ部12から追加空気投入部(以下、「AA部」と呼ぶ)14までの領域を還元雰囲気にして燃焼排ガスの低NOx化を図っている。
このように、上述した旋回燃焼ボイラ10は、粉体燃料の微粉炭(石炭)及び空気を火炉11内へ投入する固体燃料焚きバーナ20が各段の各コーナ部に配置される旋回燃焼方式のバーナ部12とされ、各段にそれぞれ1または複数の旋回火炎が形成される旋回燃焼方式を採用している。
図1に示す固体燃料焚きバーナ20は、微粉炭及び空気を投入する微粉炭バーナ(燃料バーナ)21と、微粉炭バーナ21の外周から2次空気を噴射する2次ポートとを備えている。本実施形態において、微粉炭バーナ21の外周から2次空気を噴射する2次空気ポートは、微粉炭バーナ21の上下に各々配置された2次空気投入ポート30と、後述する燃料バーナ用2次ポート23とにより構成される。
2次空気投入ポート30は、ポート毎の空気流量調整を可能にするため、たとえば図2に示すように、送気ダクト17から分岐した2次空気の供給ライン毎に、流量調整手段として開度調整可能なダンパ40を備えている。
図6(a)に示すスプリット部材24は、三角形の断面形状を有している。図示の三角形は正三角形や二等辺三角形であり、火炉11内に向けた出口側の一辺が微粉炭及び空気の流れ方向と略直交するように配置されている。換言すれば、三角形断面を形成する角部の1つを、微粉炭及び空気の流れ方向に向けた配置が採用されている。
しかし、上述したスプリット部材24等の断面形状については、たとえば略Y字形状等のように、図示の例に限定されることはない。
すなわち、4本のスプリット部材24を設置する場合には、上下方向及び左右方向の異なる2方向に向けて格子状に配設されるクロスタイプとすることで、微粉炭バーナ21におけるコール1次ポート22の出口開口部を細分化(9分割)している。また、スプリット部材24に挟まれる部分では、圧損が大きく、噴出口での流速が低下し、より内部での着火が促進される。
また、上述した除去部24aは、2次空気量がより多くなる方向、すなわち燃料バーナ用2次ポート23の外周(上下)に2次空気投入ポート30が隣接して設けられた方向に設けてもよい。
一般に、従来の固体燃料焚きバーナ20は、火炎外周で輻射を受けて燃料の微粉炭に着火する。火炎外周で微粉炭に着火すると、NOxは高温の酸素が残存する火炎外周の高温酸素残存領域H(図1(b)参照)で発生し、十分に還元されないまま残存してNOx排出量を増加させている。
すなわち、スプリット部材24が左右一方向の場合、中央部における空気の拡散や着火が遅れて局所的に極端な空気不足領域が存在し、未燃分増加の原因になるが、スプリット部材24を複数方向に配設して交差部が形成されるクロスタイプでは、火炎内部での空気の混合が促進されるとともに着火面が細分化されるので、結果として未燃分の低減が可能になる。
この結果、火炎外周に設置した保炎器による保炎をやめ、火炎外周に保炎器のない固体燃料焚きバーナ20を用いて火炎外周でのNOx発生を抑制することは、より一層容易になる。
図1(a)に示す構成例の第1変形例では、上述したように、外周側となる上下方向のスプリット部材24から上下両端部を除去する。すなわち、スプリット部材24の上下両端部を除去した外周側の領域は、スプリット部材24が存在せず、しかも、スプリット部材24から燃料バーナ用2次ポート23及び2次空気投入ポート30までの距離が増している。なお、クロスタイプのスプリット部材24は、横方向の左右端部でも外周着火が生じるものの、旋回燃焼においては、左右方向から火炎Fの周囲に吹き込まれる2次空気量が限られるため、本実施形態では左右両端部を残して着火面を確保している。
第2変形例では、スプリット部材24が上下左右に各々2本ずつ配設されている。この場合、上述した実施形態と同様に、上下方向のスプリット部材24について、燃料バーナ用2次ポート23及び2次空気投入ポート30に近い上下両端部の全てが除去されている。このスプリット部材24は、1本としてもよいし、3本以上でもよい。
こうして火炎Fの外周に形成される高温酸素残存領域が抑制されると、予混合燃焼に近い燃焼をする火炎内部で発生したNOxが効果的に還元されるようになる。従って、AA部14まで到達するNOx量の減少や追加空気投入により発生するNOx量の減少により、AA部14から最終的に排出されるNOx量が減少する。
すなわち、第4変形例は、スプリット部材24が上下左右に各々3本ずつ配設されている構成は第2変形例及び第3変形例と同じである。しかし、この変形例では、上下及び左右の中央に配置された1本のスプリット部材24が端部まで設けられ、その両端に配置されたスプリット部材24は、上下左右の端部が全て除去されている。
すなわち、保炎器として機能するクロスタイプのスプリット部材24においては、横方向の左右両端部でも外周着火を生じることがあるので、上下及び左右の端部を全部除去した構造は、外部着火を完全に防止するために有効である。特に、微粉炭バーナ21の左右に2次空気投入ポートを設ける場合には、上述した上下の2次空気投入ポート30と同様の理由により、左右の端部も削除して着火源を低減することが望ましい。
次に、本発明の参考実施形態に係る対向燃焼ボイラに適用される固体燃料焚きバーナを説明する。
本参考実施形態の固体燃料焚きバーナには、円形断面としたコール1次ポートの外周に、複数の同心円状とした2次空気投入ポートが設けられている。この2次空気投入ポートは、たとえば内部2次空気投入ポート及び外部2次空気投入ポートの2段で構成されるが、これに限定されることはない。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、たとえば粉体の固体燃料が微粉炭に限定されないなど、その要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
11 火炉
12 バーナ部
14 追加空気投入部(AA部)
20 固体燃料焚きバーナ
21 微粉炭バーナ(燃料バーナ)
22 コール1次ポート
23 燃料バーナ用2次ポート
24 スプリット部材
24a 除去部
30 2次空気投入ポート
40 ダンパ
F 火炎
H 高温酸素残存領域
Claims (6)
- 固体燃料焚きボイラのバーナ部に用いられ、粉体の固体燃料及び空気を炉内へ投入する固体燃料焚きバーナが、粉体燃料及び一次空気を炉内へ投入する燃料バーナと、該燃料バーナの外周から2次空気を噴射する燃料バーナ用2次ポートとを備え、
前記燃料バーナの流路前方部に内部保炎用部材として複数のスプリット部材を配設し、該スプリット部材の外周側で前記燃料バーナ用2次ポートに隣接する端部の一部が除去され、
前記スプリット部材の除去部の長さは、前記スプリット部材の最大熱膨張時に、該スプリット部材の端部が前記燃料バーナ用2次ポートに接触しない長さであることを特徴とする固体燃料焚きバーナ。 - 複数の前記スプリット部材は、一方向に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の固体燃料焚きバーナ。
- 前記スプリット部材は、鉛直方向に配設され、該鉛直方向の前記スプリット部材の端部が除去されていることを特徴とする請求項1または2に記載の固体燃料焚きバーナ。
- 前記スプリット部材は、鉛直方向と水平方向とに配設され、少なくともどちらか一方向の前記スプリット部材の端部が除去されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の固体燃料焚きバーナ。
- 前記スプリット部材の除去部の長さは、前記スプリット部材の長手方向に直交する幅寸法以上であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の固体燃料焚きバーナ。
- 粉体燃料及び空気を炉内へ投入する請求項1から5のいずれか1項に記載の固体燃料焚きバーナが、前記炉内のコーナ部あるいは壁面部に配置されていることを特徴とする固体燃料焚きボイラ。
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