JP2015200283A - 内燃機関用点火装置 - Google Patents
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Abstract
Description
なお、以下では、エネルギ投入回路により継続させる火花放電(主点火に続く火花放電)を継続火花放電と称する。
また、主点火に続く継続火花放電において2次電流を同一方向に流すため、主点火に続く継続火花放電において火花放電が途切れ難い。このため、エネルギ投入による継続火花放電を採用することで、希薄燃焼で、且つ気筒内に旋回流が生じる運転状態においても、火花放電の吹き消えを回避できる。
エネルギ投入回路6は、車載バッテリ9(直流電源)の電圧を昇圧するDC−DCコンバータ20s、1次コイル3の低圧側に投入する電気エネルギをコントロールするためのエネルギ投入用スイッチング手段21、及びエネルギ投入用スイッチング手段21のON−OFF作動を制御するエネルギ投入用ドライバ回路22等を備えて構成される。
そして、主点火回路5とエネルギ投入回路6の主要部は、「点火回路ユニットU1」として1つのケース内に収容配置されて、点火プラグ1や点火コイル2とは異なる場所に設置される。
図4に示す点火装置では、エネルギ投入用のDC−DCコンバータ20sを点火回路ユニットU1内に設けるため、点火装置の構成部品点数が多くなり、点火回路ユニットの大型化や高コスト化を招く。
本発明に関連する技術として、点火装置において、所定条件の場合に、低圧の車載バッテリから昇圧して1次コイルへ印加するためにDC−DCコンバータを設置する技術が開示されている。
しかしながら、特許文献1の技術は、多重点火をするための回路を有する点火装置であって、エネルギ投入回路6に相当する回路を有するものではない。また、DC−DCコンバータを設けることによる高コスト化や大型化の問題に対する解決手段については開示されていない。
主点火回路は、点火コイルの1次コイルの通電制御を行って点火プラグに火花放電を生じさせるための回路である。
エネルギ投入回路は、主点火回路の作動によって開始した火花放電中に、別の装置に搭載された高電圧発生手段によって1次コイルに電気エネルギを投入して点火コイルの2次コイルに同一方向の2次電流を流し、主点火回路の作動によって開始した火花放電を継続させるための回路である。
このため、点火装置専用のDC−DCコンバータが不要となる。従って、装置の小型化及び低コスト化を実現できる。
図1〜図2を参照して実施例1を説明する。
この実施例1における点火装置は、車両走行用の火花点火エンジンに搭載されるものであり、所定の点火タイミング(点火時期)で燃焼室内の混合気に着火(点火)を行うものである。なお、エンジンの一例は、ガソリンを燃料とする希薄燃焼(リーンバーン燃焼)が可能な直噴式エンジンであり、気筒内に混合気の旋回流(タンブル流やスワール流等)を生じさせる旋回流コントロール手段を備える。
この点火装置は、エンジン制御の中枢を成すECU(エンジン・コントロール・ユニットの略)から与えられる指示信号(点火信号IGt及び放電継続信号IGw)に基づいて点火コイル2の1次コイル3を通電制御するものであり、1次コイル3を通電制御することで点火コイル2の2次コイル4に生じる電気エネルギをコントロールして、点火プラグ1の火花放電をコントロールする。
・各気筒毎に搭載される点火プラグ1と、
・各点火プラグ1毎に搭載される点火コイル2と、
・フルトラ作動を行う主点火回路5と、
・継続火花放電を行うエネルギ投入回路6と、
を備えて構成される。
1次コイル3の他端は、点火コイル2の接地側端子10に接続されるものであり、この接地側端子10は、主点火回路5の点火用スイッチング手段11(パワートランジスタ、MOS型トランジスタ等)を介してアース接地される。
2次コイル4の他端は、バッテリ電圧供給ラインαまたはアース接地される。具体的な一例として、この実施例1の2次コイル4の他端は、1次コイル3の通電時に発生する不要な電圧を抑制するための第1ダイオード13を介してプラス端子8に接続される。
・別の装置に搭載された高電圧発生手段20からの電気エネルギを1次コイル3のマイナス側(低圧側)に投入するエネルギ投入ラインβと、
・エネルギ投入ラインβをON−OFFするエネルギ投入用スイッチング手段21(MOS型トランジスタ等)と、
・このエネルギ投入用スイッチング手段21のON−OFF作動を制御するエネルギ投入用ドライバ回路22と、
・1次コイル3からの電流の逆流を阻止するダイオード23と、
を備えて構成される。
DC−DCコンバータ27は、チョークコイル、昇圧用スイッチング手段、昇圧用ドライバ回路、コンデンサ、ダイオード等からなる周知の昇圧型DC−DCコンバータである。すなわち、所定の車載バッテリ(例えば12Vの直流電源)に接続されたチョークコイルと、チョークコイルの通電状態を断続する昇圧用スイッチング手段(MOS型トランジスタ等)と、この昇圧用スイッチング手段を繰り返しON−OFFさせる昇圧用ドライバ回路と、チョークコイルで蓄えた電気エネルギを充電するコンデンサと、コンデンサに蓄えた電気エネルギがチョークコイル側へ逆流するのを防ぐダイオード等を有する。これにより、車載バッテリからの電圧を昇圧して、インジェクタ25に供給するものである。
なお、継続火花放電中における2次電流の目標値は、一定であっても良いし、エンジンの運転状態(ECUから付与される図示しない指示信号)に応じて変更するものであっても良い。
次に、図2を参照して実施例の作動を説明する。
なお、図2中において、「IGt」は点火信号IGtのハイ/ロー信号、「IGw」は放電継続信号IGwのハイ/ロー信号、「点火用スイッチ」は点火用スイッチング手段11のON/OFF動作、「エネルギ投入用スイッチ」は、エネルギ投入用スイッチング手段21のON/OFF動作、点火用「I1」は1次電流(1次コイル3に流れる電流値)、「I2」は2次電流(2次コイル4に流れる電流値)、である。
なお、このようなエネルギ投入による継続火花放電によれば、主点火に続く継続火花放電において火花放電が途切れ難いため、希薄燃焼で且つ気筒内に旋回流が生じる運転状態(火花放電の吹き消えが生じやすい運転状態)においても、火花放電の吹き消えを回避できる。
実施例1の点火装置は、火花放電継続のための1次コイル3に対するエネルギ投入は、別の装置に搭載された高電圧発生手段20によってなされる。
このため、点火装置専用のDC−DCコンバータが不要となる。すなわち、図4に示す参考例とは異なり、点火回路ユニットU1内に、専用のDC−DCコンバータを配置する必要がない。
従って、部品点数を削減できるとともに、点火回路ユニットU1の小型化及び低コスト化を実現できる。
図3を参照して実施例2を説明する。なお、以下の各実施例において上記実施例1と同一符号は、同一機能物を示すものである。
本実施例の点火装置は、ハイブリッド車に搭載されるものである。そして、本実施例の高電圧発生手段20は、ハイブリッド車に搭載された高電圧バッテリ40である。
高電圧バッテリ40は、例えば、走行用モータへの電力供給に用いられ、その電圧は例えば288Vである。
2 点火コイル
3 1次コイル
4 2次コイル
5 主点火回路
6 エネルギ投入回路
20 高電圧発生手段
Claims (3)
- 点火コイル(2)の1次コイル(3)の通電制御を行って点火プラグ(1)に火花放電を生じさせる主点火回路(5)と、
この主点火回路(5)の作動によって開始した火花放電中に、別の装置により生じる高電圧を用いて前記1次コイル(3)に電気エネルギを投入して前記点火コイル(2)の2次コイル(4)に同一方向の2次電流を流し、前記主点火回路(5)の作動によって開始した火花放電を継続させるエネルギ投入回路(6)とを備える内燃機関用点火装置。 - 請求項1に記載の内燃機関用点火装置において、
前記高電圧は、前記別の装置に搭載されたDC−DCコンバータ(27)により生成されることを特徴とする内燃機関用点火装置。 - 請求項1に記載の内燃機関用点火装置において、
この内燃機関用点火装置は、ハイブリッド車に搭載されるものであって、
前記高電圧は、前記ハイブリッド車に搭載された高電圧バッテリ(40)により生じることを特徴とする内燃機関用点火装置。
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