JP2015199810A - ヒドロゲルの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】大量かつ均一な品質で製造可能なヒドロゲルの製造法を提供する。【解決手段】カルボン酸構造、カルボン酸塩構造又はカルボキシアニオン構造を有する水溶性有機高分子(A)の水及び水溶性有機溶媒からなる群から選ばれる1種又は2種以上の溶媒を含む溶液と、およびスメクタイト、ベントナイト、バーミキュライト、及び雲母からなる群より選ばれる水膨潤性ケイ酸塩(B)と特定化合物群から選ばれるケイ酸塩の分散剤(C)の水及び水溶性有機溶媒からなる群から選ばれる1種又は2種以上の溶媒を含む溶液の2液を、それぞれ同時に送液しながら合流させる連続的な混合方法により、ヒドロゲルを製造する。【選択図】なし

Description

本発明は、ヒドロゲルの製造方法に関し、より詳しくは、水溶性有機高分子(A)を含む溶液と、ケイ酸塩(B)及びケイ酸塩の分散剤(C)を含む分散液を、送液しながら連続的に混合する工程を含む、ヒドロゲルの製造方法に関する。
ヒドロゲルは、水が主成分であるため生体適合性が高く、環境への負荷が低いソフトマテリアル素材という観点から、近年注目されている。
自己支持性を有する高強度ヒドロゲルとして、電解質高分子、クレイ粒子、及び分散剤からなる有機無機複合ヒドロゲルが報告されている(特許文献1および非特許文献1)。このヒドロゲルは室温条件で混合するだけで作製可能なことが特徴である。しかし、混合の過程で混合物の粘度が上昇し流動性が下がるため、混合後に型に流し込んで成形する場合は速やかに操作する必要がある。各成分が均一混合される前にゲル化が進行して混合ムラの多い不均一なゲルができてしまうこと、混合物の成形時に粘度が上がり操作性が悪くなること、大量に製造する際は均一混合が困難であること、撹拌時に撹拌翼によりゲルが切断されてしまうこと、ゲル中に空気を巻き込むこと、といった不具合が起きやすい。
上述より、大量かつ均一な品質で有機無機複合ヒドロゲルを作製することが可能な製造方法が望まれている。
国際公開2014/046136号公報
第61回高分子学会年次大会予稿集、Vol.61,No.1,p.683(2012)
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、2液または2液以上の液状物を送液しながら連続的に混合することによりヒドロゲルを製造する方法の提供を目的とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、水溶性有機高分子を含む溶液、およびケイ酸塩と分散剤を含む分散液の2液を、それぞれ送液しながら合流させて連続的に混合するヒドロゲルの製造方法を見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、
1.水溶性有機高分子(A)、ケイ酸塩(B)及びケイ酸塩の分散剤(C)を含んでなる自己支持性ヒドロゲルの製造方法であって、水溶性有機高分子(A)の水及び水溶性有機溶媒からなる群から選ばれる1種又は2種以上の溶媒を含む溶液と、ケイ酸塩(B)及びケイ酸塩の分散剤(C)の水及び水溶性有機溶媒からなる群から選ばれる1種又は2種以上の溶媒を含む分散液を、送液しながら連続的に混合する工程を含む、ヒドロゲルの製造方法、
2.前記水溶性有機高分子(A)がカルボン酸構造、カルボン酸塩構造又はカルボキシアニオン構造を有する水溶性有機高分子である、1に記載のヒドロヒドロゲルの製造方法、
3.前記水溶性有機高分子(A)が完全中和又は部分中和ポリアクリル酸塩である、2に記載のヒドロゲルの製造方法、
4.前記水溶性有機高分子(A)が重量平均分子量100万乃至1000万の完全中和又は部分中和ポリアクリル酸塩である、請求項3に記載のヒドロゲルの製造方法、
5.前記ケイ酸塩(B)が水膨潤性ケイ酸塩粒子である、1乃至4のいずれかに記載のヒドロゲルの製造方法、
6.前記ケイ酸塩(B)がスメクタイト、ベントナイト、バーミキュライト、及び雲母からなる群より選ばれる水膨潤性ケイ酸塩粒子である、5に記載のヒドロゲルの製造方法、
7.前記分散剤(C)が水膨潤性ケイ酸塩粒子の分散剤である、1乃至6のいずれかに記載のヒドロゲルの製造方法、
8.前記分散剤(C)がオルトリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、テトラリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、ポリ(メタ)アクリル酸ナトリウム、ポリ(メタ)アクリル酸アンモニウム、アクリル酸ナトリウム/マレイン酸ナトリウム共重合体、アクリル酸アンモニウム/マレイン酸アンモニウム共重合体、水酸化ナトリウム、ヒドロキシルアミン、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、フミン酸ナトリウム、及びリグニンスルホン酸ナトリウムからなる群から選ばれる1種又は2種以上である、7に記載のヒドロゲルの製造方法、
9.前記水溶性有機溶媒がメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、アセトン、グリセリン、エチレングリコール、1,3−ブチレングリコールである、1乃至8のいずれかに記載のヒドロゲルの製造方法
を提供する。
以上、説明したように、本発明によれば水溶性有機高分子を含む溶液、およびケイ酸塩と分散剤を含む分散液の2液を、それぞれ送液しながら合流させる連続的な混合方法により、ヒドロゲルを製造することができる。これによりヒドロゲルを安定に製造できるほか、大量製造において混合のための大きな撹拌器を必要とせず、小規模な設備で大量製造が可能となる。
水溶性有機高分子(A)の水溶液(第1液)、およびケイ酸塩(B)と分散剤(C)の水分散液(第2液)の2液をそれぞれ同時にポンプにより送液しながら合流し、ミキサーで均一に混合させる方法を示す図である。 実施例2におけるヒドロゲルの突刺し強度試験の測定結果を示す図である。 参考例1における容器内撹拌によるヒドロゲル製造時の弾性率推移を示す図である。
本発明のヒドロゲル形成性組成物及びそれを用いてなるヒドロゲルの成分として、有機酸塩構造又は有機酸アニオン構造を有する水溶性有機高分子(A)、ケイ酸塩(B)、前記ケイ酸塩の分散剤(C)が挙げられるが、上記成分の他に、本発明の所期の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、他の成分を任意に配合してもよい。
有機酸塩構造又は有機酸アニオン構造を有する水溶性有機高分子(A)としては、例えば、カルボキシル基を有するものとしてポリ(メタ)アクリル酸、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロースの塩; スルホニル基を有するものとして、ポリスチレンスルホン酸の塩; ホスホニル基を有するものとしてポリビニルホスホン酸塩等が挙げられる。好ましくは完全中和又は部分中和ポリアクリル酸ナトリウムである。水溶性高分子(A)の重量平均分子量は100万以上1000万以下が好ましい。水溶性高分子(A)は架橋又は共重合されてもよく、完全中和物から部分中和物のいずれも使用できる。塩としてはナトリウム塩、アンモニウム塩、カリウム塩、リチウム塩などが挙げられる。ポリアクリル酸の塩の重量平均分子量としては100万以上1000万以下であり、好ましくは重量平均分子量200万以上700万以下の完全中和又は部分中和された非架橋型高重合ポリアクリル酸ナトリウムである。
上記水溶性有機高分子(A)の含有量は、ヒドロゲル100質量%中に0.01質量%乃至20質量%、好ましくは0.1質量%乃至10質量%である。
ケイ酸塩(B)としては、例えば、スメクタイト、ベントナイト、バーミキュライト、及び雲母等が挙げられ、水又は含水溶媒を分散媒としたコロイドを形成するものが好ましい。なお、スメクタイトとは、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、スチーブンサイトなどのグループ名称である。ケイ酸塩粒子の一次粒子の形状としては、円盤状、板状、球状、粒状、立方状、針状、棒状、無定形等が挙げられ、直径5nm乃至1000nmの円盤状又は板状のものが好ましい。具体的には、層状ケイ酸塩が挙げられ、市販品として容易に入手可能な例として、ロックウッド・アディティブズ社製のラポナイトXLG(合成ヘクトライト)、XLS(合成ヘクトライト、分散剤としてピロリン酸ナトリウム含有)、XL21(ナトリウム・マグネシウム・フルオロシリケート)、RD(合成ヘクトライト)、RDS(合成ヘクトライト、分散剤として無機ポリリン酸塩含有)、及びS482(合成ヘクトライト、分散剤含有); コープケミカル株式会社製のルーセンタイトSWN(合成スメクタイト)及びSWF(合成スメクタイト)、ミクロマイカ(合成雲母)、及びソマシフ(合成雲母); クニミネ工業株式会社製のクニピア(モンモリロナイト)、スメクトンSA(合成サポナイト); 株式会社ホージュン製のベンゲル(天然ベントナイト精製品)等が挙げられる。
上記ケイ酸塩(B)の含有量は、ヒドロゲル100質量%中に0.01質量%乃至20質量%、好ましくは0.1質量%乃至10質量%である。
ケイ酸塩の分散剤(C)として、ケイ酸塩の分散性の向上や、層状ケイ酸塩を層剥離させる目的で使用される分散剤又は解膠剤を使用することができる。例えば、リン酸塩系分散剤として、オルトリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、テトラリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム; カルボン酸塩系分散剤として、ポリ(メタ)アクリル酸ナトリウム、ポリ(メタ)アクリル酸アンモニウム、アクリル酸ナトリウム/マレイン酸ナトリウム共重合体、アクリル酸アンモニウム/マレイン酸アンモニウム共重合体; アルカリとして作用するものとして、水酸化ナトリウム、ヒドロキシルアミン; 多価カチオンと反応し不溶性塩又は錯塩を形成するものとして、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム; その他の有機解膠剤として、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、フミン酸ナトリウム、リグニンスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。好ましくはリン酸塩系分散剤としてピロリン酸ナトリウム、カルボン酸塩系分散剤として重量平均分子量1000以上2万以下のポリアクリル酸ナトリウム、その他の有機解膠剤としてポリエチレングリコール(PEG900等)である。
低重合ポリアクリル酸ナトリウムはケイ酸塩粒子と相互作用して粒子表面にカルボシキアニオン由来の負電荷を生じさせ、電荷の反発によりケイ酸塩を分散させる等の機構により分散剤として作用することが知られている。
上記分散剤(C)の含有量は、ヒドロゲル100質量%中に0.01質量%乃至20質量%、好ましくは0.1質量%乃至10質量%である。
分散剤を含有するケイ酸塩を使用する場合は、分散剤をさらに添加しても、添加しなくてもよい。
必要に応じて、2価以上の正電荷を有する化合物(D)を添加することができる。例えば、第3〜5周期かつ第2〜13族である元素の塩、水酸化物、又は酸化物、及び多価アミンの塩が挙げられる。塩としては単塩だけでなく、ミョウバン、ケイ酸アルミン酸マグネシウム等の複塩を用いることができる。多価アミンとして、エチレンジアミン、ジアミノプロパン、ジアミノブタン、ジアミノペンタン、ヘキサメチレンジアミン、ビス(アミノエトキシ)エタン、フェニレンジアミン、ヒドラジン、スペルミジン、スペルミン等が挙げられる。塩を形成する酸としては、硫酸、塩酸、臭化水素、フッ化水素、トリフルオロ酢酸、酢酸、リン酸、二リン酸、ヘキサメタリン酸、ポリリン酸、ケイ酸、アルミン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸、及びp−トルエンスルホン酸等が挙げられる。多価アミンを用いる場合は、フリー体用いて水中またはヒドロゲル中で塩を形成させても良い。好ましくは、マグネシウム、カルシウム、アルミニウムの塩であり、より好ましくは、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、二リン酸カルシウム、硫酸アルミニウムである。
上記化合物(D)の含有量は、ヒドロゲル100質量%中に0.01質量%乃至20質量%、好ましくは0.05質量%乃至10質量%である。 上記水溶性有機高分子(A)、ケイ酸塩(B)、及びケイ酸塩の分散剤(C)、及び上記化合物(D)の好ましい組合せとしては、(A)として重量平均分子量200万以上700万以下の完全中和又は部分中和された非架橋型ポリアクリル酸ナトリウム0.1質量%乃至5質量%、(B)として水膨潤性スメクタイト又はサポナイト0.1質量%乃至10質量%、及び(C)としてピロリン酸ナトリウム0.1質量%乃至5質量%、又は重量平均分子量1000以上2万以下のポリアクリル酸ナトリウム0.1質量%乃至5質量%、(D)として塩化マグネシウム又は二リン酸カルシウム、又は硫酸アルミニウム0.1質量%乃至5質量%である。
層状ケイ酸塩の層間にインターカレートし、剥離を促進させるものとして、メタノール、エタノール、グリコール等の1価又は多価アルコール、ホルムアミド、ヒドラジン、ジメチルスルホキシド、尿素、アセトアミド、酢酸カリウム等を添加することができる。
ヒドロゲル形成性組成物又はヒドロゲルに含まれる含水アルコールのアルコール成分としては、メタノール、エタノール、2−プロパノール、i−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、1−オクタノール、イソオクタノール等; 含水多価アルコールの多価アルコール成分としては、例えば、グリセリン、ポリグリセリン(ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン等)、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール(PEG600等)、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール(ペンタメチレングリコール)、1,2,6−へキサントリオール、オクチレングリコール(エトヘキサジオール)、ブチレングリコール(1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、2,3−ブタンジオール等)、へキシレングリコール、1,3−プロパンジオール(トリメチレングリコール)、1,6−ヘキサンジオール (ヘキサメチレングリコール)等が挙げられ、グリセリン、ジグリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールが好ましい。
送液による連続的な混合方法としては、一例として水溶性有機高分子(A)の水溶液(第1液)、およびケイ酸塩(B)と分散剤(C)の水分散液(第2液)の2液を、図1に示した通りそれぞれ同時にポンプにより送液しながら合流し、ミキサーで均一に混合させる方法が挙げられる。2液を送液する際の流速を変化させることにより、生産量および製造時の処理速度を調整することができる。さらに、各液の流速を変えることにより、2液の混合比を変えることも可能である。

2液混合における効率的な均一化方法、即ち図1のミキサーの構造としては、例えば配管の径変化、ビーズの充填、流路の分散合流、振動、回転、邪魔板やエレメント装着による乱流撹拌、スクリュー等の撹拌機によるミキシング方法などが挙げられる。
実機として市販されている連続混合機器の例としては、ラインミキサー(佐竹化学機械工業株式会社製)、インラインミキサー(シルバーソンニッポン株式会社製)、ビブロミキサー(冷化工業株式会社製)、スタティックミキサー(株式会社ノリタケカンパニー製、日本フローコントロール株式会社製、株式会社山陽精機製など)、スパイラルミキサー(日本フローコントロール株式会社製)、フローミックス(株式会社マウンテック製)、スケヤミキサー(株式会社櫻製作所製)などがある。
2液混合では混合した後に粘度が上昇する。例えば先述の第1液、第2液の粘度は5000mPa・s以下であるが、混合比(第1液/第2液)が1の場合、均一混合直後は10000mPa・s以上となる。よって、混合においては高粘度(10000mPa・s以上、より好ましくは20000mPa・s以上)および低レイノルズ数(500以下、より好ましくは100以下)に対応したミキサーの選択が好ましい。
混合する際の送液流速は、速いほど撹拌効率および生産効率が高くなるが、圧力も向上するため、配管やミキサー、ポンプの限界圧力に応じて調整しなくてはならない。好ましい流速は内径10mmに対して毎分0.1mL乃至1000mL、より好ましくは毎分1mL乃至500mLである。
2液混合の際の好ましい混合比(第1液/第2液)は、0.01乃至100であり、より好ましくは0.1乃至10である。
2液だけでなく、同様の方法で追加の液状物を混合することができる。
混合する際の温度は、水溶液又は水分散液の凝固点乃至沸点、好ましくは−5℃乃至100℃であり、より好ましくは0℃乃至50℃である。ミキサーに導入する前に、各液を個別に温度調節することができる。
混合直後は強度が弱く流動性のあるペースト状態であるが、静置することでゲル化する。静置時間は0.5時間乃至100時間が好ましい。静置温度は−5℃乃至100℃であり、好ましくは0℃乃至50℃である。また、混合直後に型に流し込んだり、押出成型したりすることにより、任意形状のゲルを作製することができる。
ヒドロゲルの「自己支持性」という用語は、学術論文や特許文献において定義されることなく使用されるのが通例であるが、充分な強度を有することにより、容器等の支持体がなくてもゲルの形状を保持できるといった意味で用いられている。
得られるヒドロゲルの弾性率は、例えば突刺し強度測定機により測定することができる。例えば、直径28mm高さ16mmの円柱状のヒドロゲルを作製し、株式会社山電製クリープメーターRE2−33005Bにて測定できる。測定方法は、直径3mmの円柱状のシャフト(株式会社山電製プランジャー 形状円柱、番号No.3S、形式P−3S)をゲル上部から1mm/秒の速度で押し当て、応力を測定する。測定で得られた応力−ひずみ曲線の歪率の小さい領域の傾きから弾性率を求めることができる。本発明で得られるヒドロゲルの突刺し強度測定機による弾性率は、5乃至5000kPaであり、高弾性率が要求される用途に関しては、下限値としては、20kPa、50kPa、100kPaが挙げられ、上限値としては、200kPa、500kPa、1000kPaが挙げられる。その一例としては、20乃至500kPa、50乃至1000kPaである。一方で、弾性率が5kPa以下の場合は、自己支持性は無く流動性を有する状態である。2液混合直後はこのような性状であるが、徐々にゲル化が進行し、これに伴い流動性が消失し自己支持性が付与される。
次に実施例を挙げ本発明の内容を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[製造例1:第1液(2%ポリアクリル酸ナトリウム水溶液)の製造]
濃グリセリン(純正化学製)5部、フェノキシエタノール(純正化学製)0.5部、塩化マグネシウム六水和物(純正化学製)1部、水91.5部を混合し、均一な溶液になるまで25℃にて撹拌した。激しく撹拌しながら高重合ポリアクリル酸ナトリウム(ビスコメートNP−800:昭和電工株式会社製、35%部分中和物)2部を少しずつ加えた。高重合ポリアクリル酸ナトリウムが完全に溶解するまで25℃で激しく撹拌を続け(約5時間)目的物を得た。
[製造例2:第2液(6%ラポナイトXLG水分散液)の製造]
低重合ポリアクリル酸ナトリウム(ジュリマーAC−103: 東亞合成株式会社製、40%水溶液、重量平均分子量6000)5部、濃グリセリン5部(純正化学製)、フェノキシエタノール(純正化学製)0.5部、水81.5部を混合し、均一な溶液になるまで25℃にて撹拌した。ラポナイトXLG(ロックウッド・アディティブズ社製)6部を少しずつ加え、均一に分散した後にクエン酸(純正化学製)の10%水溶液2部を加えた。混合物を激しく撹拌しながら100℃まで昇温し、100℃で30分撹拌を続けた。氷水浴下25℃まで冷却しながら撹拌し目的物を得た。
[比較例1:容器内撹拌によるヒドロゲルの製造]
直径28mmの円筒型容器に製造例1で得た第1液、および製造例2で得た第2液をそれぞれ5mLずつ加えた。マグネチックスターラーで室温下1分間激しく撹拌後、2日間室温で静置しヒドロゲルを得た。
[実施例1:ラインミキシングによるヒドロゲルの製造]
25mLのシリンジに製造例1で得た第1液、および製造例2で得た第2液をそれぞれ10mLずつ充填し、シリンジポンプにセットした。室温下それぞれ毎分1mLの流速で送液し、2液を合流後、直系8mm、長さ50mmのカラムに直径2mmのガラスビーズを充填したミキサーに通した。混合液は初流の5mLを除いた後、直径28mmの円筒型容器に10mL充填した。2日間室温で静置しヒドロゲルを得た。
[実施例2:ヒドロゲルの突刺し強度試験]
実施例1及び比較例1で得たヒドロゲルを、株式会社山電製クリープメーターRE2−33005Bにて突刺し強度測定を行った。測定では直径3mmの円柱状のシャフト(株式会社山電製プランジャー 形状円柱、番号No.3S、形式P−3S)をゲル上部から1mm/秒の速度で押し当て、破断までの歪率および応力を測定した。また、応力−ひずみ曲線の歪率の小さい領域の傾きから弾性率を求めた。測定結果を表1及び図2に示す。

[参考例1:容器内撹拌によるヒドロゲル製造時の弾性率推移]
直径28mmの円筒型容器に製造例1で得た第1液、および製造例2で得た第2液をそれぞれ5mLずつ加え、室温下マグネチックスターラーで1分間激しく撹拌した。撹拌直後、および所定時間静置後に実施例2で実施した突刺し試験を行い、弾性率を求めた。測定結果を表2及び図3に示す。撹拌30分後には弾性率が5kPa以上になり、流動性が消失した。即ち、撹拌後30分以内に転送や加工を行わなければならず、大量製造の場合は操作が困難になることが予想される。

本発明のヒドロゲルの製造方法は、連続的に大量に製造することが可能である。得られたヒドロゲルは透明性が高く伸縮性もあり、加工も容易である。その特性を生かして、種々の製品に応用することができる。
例えば、創傷被覆材、ハップ剤、止血材等の外用薬基材、外科用シーラント材料、再生医療用足場材料、人工角膜、人工水晶体、人工硝子体、人工皮膚、人工関節、人工軟骨、豊胸用材料等のインプラント材料、並びにソフトコンタクトレンズ用材料等の医療材料、組織培養又は微生物培養等の培地材料、パック用シート等の化粧品素材、子供用・成人用オムツやサニタリーナプキン等のサニタリー用材料、芳香剤又は消臭剤用ゲル素材、菓子又はイヌ用ガム材料、クロマトグラフィー担体用材料、バイオリアクター担体用材料、分離機能膜材料、建材用不燃材料、耐火被覆材、消火剤、調湿材、耐震緩衝材、土石流防止材、又は土嚢等の建築・土木材料、土壌保水剤、育苗用培地、又は農園芸用の水耕栽培用支持体等の緑化材料、子供用玩具又は模型等の玩具材料、文具用材料、スポーツシューズ、プロテクター等のスポーツ用品の衝撃吸収材料、靴底のクッション材、防弾チョッキ用緩衝材、自動車等の緩衝材、輸送用緩衝材、パッキング材料、緩衝・保護マット材料、電子機器内部の衝撃緩衝、光学機器、半導体関連部品等の精密部品の運搬台車用緩衝材、産業機器の防振・制振材料、モーター使用機器やコンプレッサー等の産業機器の静音化材料、タイヤ用や輪ゴム用のゴム代替材料、並びにプラスチック代替材料等の環境調和材料装置の摩擦部分のコーティング材、塗料添加物、廃泥のゲル化剤又は逸泥防止剤等の廃棄物処理、接着材、密封用シール材、1次電池、2次電池、キャパシタ用のゲル電解質材料、並びに色素増感型太陽電池用ゲル電解質材料又は燃料電池用材料等の電子材料、写真用フィルム用材料等を挙げることができる。

Claims (9)

  1. 水溶性有機高分子(A)、ケイ酸塩(B)及びケイ酸塩の分散剤(C)を含んでなる自己支持性ヒドロゲルの製造方法であって、水溶性有機高分子(A)の水及び水溶性有機溶媒からなる群から選ばれる1種又は2種以上の溶媒を含む溶液と、ケイ酸塩(B)及びケイ酸塩の分散剤(C)の水及び水溶性有機溶媒からなる群から選ばれる1種又は2種以上の溶媒を含む分散液を、送液しながら連続的に混合する工程を含む、ヒドロゲルの製造方法。
  2. 前記水溶性有機高分子(A)がカルボン酸構造、カルボン酸塩構造又はカルボキシアニオン構造を有する水溶性有機高分子である、請求項1に記載のヒドロゲルの製造方法。
  3. 前記水溶性有機高分子(A)が完全中和又は部分中和ポリアクリル酸塩である、請求項2に記載のヒドロゲルの製造方法。
  4. 前記水溶性有機高分子(A)が重量平均分子量100万乃至1000万の完全中和又は部分中和ポリアクリル酸塩である、請求項3に記載のヒドロゲルの製造方法。
  5. 前記ケイ酸塩(B)が水膨潤性ケイ酸塩粒子である、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のヒドロゲルの製造方法。
  6. 前記ケイ酸塩(B)がスメクタイト、ベントナイト、バーミキュライト、及び雲母からなる群より選ばれる水膨潤性ケイ酸塩粒子である、請求項5に記載のヒドロゲルの製造方法。
  7. 前記分散剤(C)が水膨潤性ケイ酸塩粒子の分散剤である、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のヒドロゲルの製造方法。
  8. 前記分散剤(C)がオルトリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、テトラリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、ポリ(メタ)アクリル酸ナトリウム、ポリ(メタ)アクリル酸アンモニウム、アクリル酸ナトリウム/マレイン酸ナトリウム共重合体、アクリル酸アンモニウム/マレイン酸アンモニウム共重合体、水酸化ナトリウム、ヒドロキシルアミン、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、フミン酸ナトリウム、及びリグニンスルホン酸ナトリウムからなる群から選ばれる1種又は2種以上である、請求項7に記載のヒドロゲルの製造方法。
  9. 前記水溶性有機溶媒がメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、アセトン、グリセリン、エチレングリコール、1,3−ブチレングリコールである、請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載のヒドロゲルの製造方法。
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