JP2015198048A - 有機エレクトロルミネッセンス素子、その製造方法及び照明装置 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子、その製造方法及び照明装置 Download PDF

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Narimasa Iwamoto
成正 岩本
知典 山田
Tomonori Yamada
知典 山田
勉 櫟原
Tsutomu Ichihara
勉 櫟原
哲夫 石田
Tetsuo Ishida
哲夫 石田
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Abstract

【課題】補助電極によって効率よく電気伝導性が向上する有機エレクトロルミネッセンス素子を提供する。【解決手段】有機エレクトロルミネッセンス素子は、基板1と、光透過性を有する第1電極2と、第1電極2の基板1とは反対側に配置され、第1電極2と対をなす第2電極4と、第1電極2と第2電極4との間に配置される有機発光層3と、第1電極2と有機発光層3との間に配置される補助電極5とを備えている。補助電極5は、導電体を含有する硬化性材料50から形成される導電硬化層51と、導電硬化層51の有機発光層3側に配置されるめっき層52とを有する。【選択図】図1

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子及びその製造方法、並びに有機エレクトロルミネッセンス素子を有する照明装置に関する。より詳細には、補助電極を有する有機エレクトロルミネセンス素子に関する。
有機エレクトロルミネッセンス素子(以下「有機EL素子」ともいう)として、光透過性を有する基板の表面に、光透過性の電極、複数の層からなる有機発光層、及び対となる電極が積層されたものが知られている。通常、光透過性の電極が陽極となり、それと対となる電極が陰極となる。有機EL素子では、陽極と陰極の間に電圧を印加することによって有機発光層で光が生じる。この光は、光透過性の電極及び基板を通して外部に取り出される。
有機EL素子では、光透過性と導電性とを有する材料(透明金属酸化物など)で光透過性の電極が形成されているが、通常、光透過性の電極の材料は比抵抗が高く、通電性があまりよくない。特に発光効率の向上のために電極層が薄膜化された場合や、有機EL素子の発光面積が大面積化された場合には電極の抵抗が大きくなる。そこで、光透過性の電極よりも導電性の高い材料で形成された補助電極が配置され、この補助電極で光透過性電極の電気伝導性を補うことで電極の通電性が高められる場合がある(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−223087号公報
補助電極と光透過性電極とが接触することで電極の電気抵抗は低くなり、電極の導通性が高まる。しかしながら、補助電極の幅が細くなると、補助電極の全体量が少なくなるため、補助電極による光透過性電極に対する通電補助効果が十分に得られなくなるおそれがあった。
本発明は、補助電極によって効率よく電気伝導性が向上する有機エレクトロルミネッセンス素子、その製造方法及び照明装置を提供することを目的とする。
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子は、基板と、光透過性を有する第1電極と、前記第1電極の前記基板とは反対側に配置され、前記第1電極と対をなす第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に配置される有機発光層と、前記第1電極と前記有機発光層との間に配置される補助電極と、を備えている。前記補助電極は、導電体を含有する硬化性材料から形成される導電硬化層と、前記導電硬化層の前記有機発光層側に配置されるめっき層とを有する。
前記硬化性材料は、バインダを含有することが好ましい。
前記めっき層は、前記第1電極と接していることが好ましい。
前記導電硬化層は、側面が傾斜していることが好ましい。
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法は、上記の有機エレクトロルミネッセンス素子を製造する方法であって、前記導電硬化層が表面に配置された前記第1電極に、めっき剥離層を形成する工程と、前記導電硬化層及び前記めっき剥離層が表面に配置された前記第1電極をめっき処理する工程と、前記導電硬化層の位置以外のめっき材を除去する工程とを含む。
本発明係る照明装置は、上記の有機エレクトロルミネッセンス素子を備える。
本発明によれば、めっき層を有する補助電極によって効率よく電気伝導性が向上する。
図1は図1A、図1B及び図1Cから構成される。図1は有機エレクトロルミネッセンス素子の一例である。図1Aは断面図である。図1Bは一部を分解した平面図である。図1Cは一部を拡大した断面図である。 図2は図2A〜図2Fから構成される。図2は有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法の一例を示す概略斜視図である。図2Aは硬化性材料を配置する工程を示す。図2Bは硬化工程を示す。図2Cはめっき剥離層を配置する工程を示す。図2Dはめっき処理工程を示す。図2Eはめっき処理工程後の電極の状態を示す。図2Fは不要なめっき材を除去する工程を示す。 図3は図3A〜図3Eから構成される。図3は、有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法の一例を示す概略断面図である。図3Aは硬化性材料を配置する前の状態を示す。図3Bは導電硬化層の形成後の状態を示す。図3Cはめっき剥離層の配置後の状態を示す。図3Dはめっき材を配置した後の状態を示す。図3Eは不要なめっき材を除去した後の状態を示す。 照明装置の一例を示す概略図である。
本発明に係る有機エレクトロルミネセンス素子(有機EL素子)は、基板1と、光透過性を有する第1電極2と、第1電極2の基板1とは反対側に配置され、第1電極と対をなす第2電極4と、第1電極2と第2電極4との間に配置される有機発光層3とを備える。有機EL素子は補助電極5を備える。補助電極5は、第1電極2と有機発光層3との間に配置される。補助電極5は、導電体を含有する硬化性材料50から形成される導電硬化層51と、導電硬化層51の有機発光層3側に配置されるめっき層52とを有する。補助電極5は、導電硬化層51とめっき層52とを有するため、電極の導電性を向上させることができるとともに、第1電極2に対する密着性に優れる。そのため、この有機EL素子では、効率よく電気伝導性が向上する。
図1は有機EL素子の一例を示している。図1は図1A、図1B及び図1Cから構成される。図1は有機EL素子の構造を模式的に示しており、有機EL素子の各層の厚みや形状等は実際のものと異なっていてもよい。図1Aは、有機EL素子の断面図を示している。図1Aでは、左側に第1電極引き出し部20a側の端部が図示され、右側に第2電極引き出し部20b側の端部が図示されている。図1Bは、図1Aの有機EL素子を平面視した様子を示している。平面視とは、基板1の表面に垂直な方向から見た場合の様子を意味する。基板1に対して垂直な方向は、基板1の法線方向と定義される。図1Bでは、有機EL素子の内部構成が分かりやすいように、封止材7を取り除いて図示し、接着部8を斜線で示している。また、図1Bでは、第2電極4及び有機発光層3を含む積層体の背後で隠れている補助電極5を破線で示している。また、図1Bでは、第1電極2の隠れている縁部を二点破線で示している。図1Cは、補助電極5の近傍を拡大した断面図である。図1Cでは、補助電極5が延伸する方向と垂直な方向の断面が示されている。
有機EL素子は、基板1と有機発光体10とを備えている。有機発光体10は、第1電極2と有機発光層3と第2電極4とを含む積層体から構成されている。有機発光体10は基板1に支持されている。図1の形態では、光は基板1側から取り出される。この有機EL素子はボトムエミッション型である。もちろん、両面取り出し型の有機EL素子であってもよい。
基板1としては、光透過性を有する基板が用いられる。光透過性は、透明及び半透明を含む。基板1としては、ガラス基板、樹脂基板などを用いることができる。ガラス基板としては、例えば、ソーダガラスや無アルカリガラスなどのガラス板が例示される。樹脂基板としては、プラスチックフィルムやプラスチック板などが例示される。基板1としては、水分の浸入を抑制しやすいガラス基板が好ましい一態様である。基板1として、ガラス基板とプラスチックとが積層した複合基板が用いられてもよい。
有機発光体10は、第1電極2、有機発光層3及び第2電極4を含み、電気の供給により発光する機能を有する。有機発光体10の配置される領域は、平面視(基板表面と垂直な方向から見た場合)において、基板1の中央部の領域である。有機発光体10は、有機発光体10を取り囲む外周の位置において基板1に接合される封止材7によって覆われて封止されている。
第1電極2は光透過性を有する電極である。第2電極4は、第1電極2と対となる電極である。一の態様では、第1電極2は陽極を構成し、第2電極4は陰極を構成する。他の態様では、第1電極2は陰極を構成し、第2電極4は陽極を構成する。要するに、第1電極2と第2電極4とは電気的に対となればよい。好ましい態様では第1電極2が陽極である。光透過性は透明及び半透明を含む。第1電極2は好ましくは透明である。第1電極2は、光取り出し側の電極を構成することができる。
第1電極2は、透明な電極材料により形成され得る。電極材料としては、例えば、導電性の金属酸化物などが好ましく用いられる。透明な金属酸化物としては、ITO、IZO、AZOなどが例示される。また、第1電極2は、有機物を含む透明な導電材料によって形成されてもよい。第1電極2は、例えば、これらの電極材料が、真空蒸着法やスパッタリング法、塗布等の方法により成膜されて作製され得る。第1電極2の厚みは、特に限定されるものではないが、例えば、10nm〜1000nmの範囲にすることができる。
第2電極4は、適宜の電極材料により形成され得る。第2電極4は、金属、合金、電気伝導性化合物、及びこれらの混合物からなる電極材料などから形成されることが好ましい。電極材料としては、例えば、アルミニウム、銀、マグネシウム等、およびこれらと他の金属との混合物又は合金が例示される。第2電極4は、例えば、これらの電極材料が、真空蒸着法やスパッタリング法等の方法により成膜されて作製され得る。第2電極4の厚みは、特に限定されるものではないが、例えば、10nm〜1000nmの範囲にすることができる。
第2電極4は、光反射性を有していてもよい。その場合、第2電極4で光が反射されて、基板1側から反射光が取り出され得る。また、第2電極4は光透過性の電極であってもよい。その場合、封止材7側の面(背面)から光が取り出される構造にできる。あるいは、第2電極4の背面(有機発光層3とは反対側の面)に光反射性の層が配置されて、光が反射される構造にできる。
有機発光層3は、発光を生じさせる機能を有する層である。有機発光層3は、通常、ホール注入層、ホール輸送層、発光材料含有層、電子輸送層、電子注入層、中間層などから適宜選ばれる複数の層によって構成され得る。有機発光層3に含まれる各層は、機能層と定義される。機能層は、有機層であってよい。有機層とは、有機物を含有する層である。有機発光層3の厚みは、特に限定されるものではないが、例えば、60〜1000nm程度にすることができる。
有機発光層3の積層構造は、例えば、第1電極2を陽極とし、第2電極4を陰極とした場合、第1電極2側から順に、ホール注入層、ホール輸送層、発光材料含有層、電子輸送層、電子注入層とすることができる。なお、積層構造は、これに限定されるものではなく、例えば、発光材料含有層の単層であってもよいし、ホール輸送層と発光材料含有層と電子輸送層との積層構造であってもよい。有機発光層3は赤、緑、青の発光材料を含有すると、白色発光が生じやすくなる。有機発光層3は、マルチユニット構造を有していてもよい。マルチユニット構造は複数の発光ユニットを有する。有機発光層3内の各機能層は、成膜するための適宜の方法が選択されて形成され得る。機能層は、蒸着、転写等の乾式プロセスによって形成されてもよいし、スピンコート、スプレーコート、ダイコート、グラビア印刷等の湿式プロセスによって形成されてもよい。
封止材7は、水分の透過性が低い基板材料により構成され得る。封止材7として、例えば、ガラス基板、樹脂基板などが用いられる。ガラス基板の場合、水分の浸入が高く抑制される。封止材7には、有機発光体10を収容するための凹部を有してもよいが、有していなくてもよい。図1の封止材7では、封止材7は凹部を有しており、この凹部によって外周に封止側壁7aが形成されている。封止材7が凹部を有している場合、有機発光体10は側方が覆われて封止され得る。そのため、水分の浸入がより抑制され、封止性が向上する。
封止材7は、接着材料により構成される接着部8により基板1に接合されている。接着部8は、有機発光体10の外周を取り囲んで基板1に配置されるものである。接着部8の材料は、接着剤として機能する適宜の材料により構成される。接着部8は、例えば、樹脂製の接着材料で形成される。樹脂製の接着材料は、防湿性を有していることが好ましい。例えば、乾燥剤の含有により防湿性が付与される。樹脂製の接着材料は、熱硬化性樹脂や紫外線硬化樹脂などを主成分とするものであってよい。
基板1と封止材7とに挟まれた有機発光体10が存在する部分には、基板1と封止材7との間で間隙9が形成されている。この間隙9には、充填剤が充填されていてもよいし、空洞となった封止空間が形成されていてもよい。
有機EL素子では、封止内部の第1電極2と第2電極4とに電圧を印加してこの間で電気を流すため、第1電極2及び第2電極4のそれぞれと電気的に接続された電極の引き出し部分が配置されることが好ましい。電極の引き出し部分は、電極引き出し部20と定義される。電極引き出し部20は、基板1の端部表面に設けられている。電極引き出し部20は、第1電極2と導通する第1電極引き出し部20aと、第2電極4と導通する第2電極引き出し部20bとに区分される。第1電極引き出し部20aと第2電極引き出し部20bとはショートしないパターンで設けられている。図1では、第1電極引き出し部20aは第1電極2を構成する導電層の延長部分で構成されている。第2電極引き出し部20bは第1電極2を構成する導電層が分断された部分で構成されている。第2電極引き出し部20bは封止領域の内部で第2電極4と接している。
図1の有機EL素子は、第1電極2と有機発光層3との間に補助電極5を有する。補助電極5は第1電極2に接している。有機EL素子では、補助電極5を有することにより、第1電極2の通電性を高めることができ、発光面における電流分布を改善し、面内での発光をより均一にすることができる。ここで、光透過性の電極である第1電極2は、光透過性を有する材料(透明金属酸化物など)で形成されるため、通常、比抵抗が高く、通電性があまりよくない。そこで、第1電極2よりも電気的な抵抗が低く、通電性の高い材料で形成される補助電極5が配置されるようにする。補助電極5は電極配線で構成され得る。補助電極5は、第1電極2よりも電気的に低抵抗になる。すると、補助電極5が第1電極2の電気伝導性を補って、電極の通電性が向上する。これにより、電流分布が改善し、面内での発光がより均一になる。
補助電極5は、導電硬化層51とめっき層52とを有する。導電硬化層51は、導電体を含有する硬化性材料50から形成される層である。めっき層52は、めっき処理により形成される層である。図2Aに、硬化性材料50の配置の一例が示されている。図2Dに、めっき処理の一例が示されている。図1に示されるように、補助電極5は複層構造を有する。補助電極5においては、導電硬化層51は第1電極2側に配置され、めっき層52は有機発光層3側に配置される。導電硬化層51は、第1電極2に接している。導電硬化層51とめっき層52とは接している。補助電極5は、導電硬化層51とめっき層52とを有するため、電極の導電性を向上させることができる。導電硬化層51は、硬化性材料50から形成されるため単独では導電性が低くなる場合があるが、補助電極5がめっき層52を有するため、補助電極5全体としての導電性が高まる。また、導電硬化層51とめっき層52とで構成される補助電極5は、第1電極2に対する密着性に優れている。導電硬化層51は、硬化性材料50で形成されるため、密着性を高めることが容易である。
補助電極5は、複数の配線で構成されることが好ましい。複数の配線は、線状であってよい。線状の配線で補助電極5が形成されると、通電性が効果的に向上する。また、補助電極5が線状の配線であると、通常、非発光の部分となる補助電極5の形状が目立ちにくくなる。
補助電極5は、網目状の構造を有していてよい。網目状の補助電極5では、網目の間から補助電極5を通らずに光が取り出される。そのため、発光性が向上する。網目の間は穴といってもよい。網目状の補助電極5によってより均一な電流分布が得られる。補助電極5は格子状の構造を有していてよい。格子状は網目状の一種であるといえる。格子状の補助電極5はグリッド電極とも呼ばれる。
図1Bでは、補助電極5は平面視において格子状の構造を有する。図1Bのグリッド形状は四角格子である。四角格子は、縦に延伸する直線状の複数の配線と横に延伸する直線状の複数の配線とで構成されている。なお、縦横の方向は、長方形(正方形を含む)の有機EL素子の形状に合わせて、便宜上、定義されている。要するに、縦横の方向は交差する2方向であってよい。
図1では、縦5本、横5本の直線によって、16個の矩形の穴が設けられてグリッドの網目が形成されているが、網目の個数や線の本数は、これに限定されるものではない。これらの図ではグリッドパターンの概略を示しており、実際には、より密にグリッドパターンが構成されていてよい。例えば、配線の数は、縦横それぞれ10〜100本の範囲などの適宜の数であってもよい。具体的には、例えば、発光する領域の形状が、縦10〜1000mm、横10〜1000mmの長方形又は正方形である場合には、グリッドを構成する直線が縦10〜100本×横10〜100本のようなパターンであってよい。
補助電極5は光透過性を有していなくてよい。補助電極5は金属などの光透過性を有さない材料で構成され得る。補助電極5の主機能は第1電極2に対する通電の補助である。もちろん、補助電極5は光透過性を有していてもよい。
補助電極5の断面形状は、特に限定されるものではないが、図1Cでは、台形状となっている。台形の下辺は基板1側に配置されている。補助電極5の断面形状は、矩形状(長方形及び正方形を含む)であってもよいし、半円状又は半楕円状であってもよい。補助電極5の断面形状は、補助電極5を構成する配線が延伸する方向と垂直な方向での断面によって判断される。
補助電極5を構成する配線の幅W1は10〜1000μmの範囲であることが好ましい。それにより、通電補助効果が高まるとともに、補助電極5の占める面積が大きくなりすぎることが抑制される。補助電極5を構成する配線の厚みT1は100〜3000nmであることが好ましい。それにより、通電補助効果が高まるとともに、補助電極5の配置による層の段切れが抑制される。補助電極5を構成する配線の厚みT1は500〜2000nmであることがより好ましい。補助電極5が格子状である場合、格子のピッチは1〜10mmであることが好ましい。それにより、格子の穴から光がより多く取り出されるため、発光特性が向上する。四角格子では、格子のピッチは、一の配線と、その配線の隣に並んで配置される他の配線との間の中心間の距離と定義できる。
補助電極5の側面5sは基板1の表面に対して傾斜していることが好ましい。補助電極5の側面5sが傾斜面となることにより、有機発光層3及び第2電極4の積層の際に、層の段切れが容易に抑制され得る。それにより、ショート不良が低減される。補助電極5の側面5sは、平面であってもよいし、曲面であってもよい。補助電極5の側面5sは、めっき層52の側面であってよい。
導電硬化層51は、側面51sが傾斜していることが好ましい。導電硬化層51の側面51sの傾斜は、基板1の表面に対するものである。導電硬化層51の側面51sが傾斜面となることにより、補助電極5の側面5sが傾斜面となりやすくなる。そのため、有機発光層3及び第2電極4の積層の際に、層の段切れが容易に抑制され得る。それにより、ショート不良が低減される。導電硬化層51の側面51sは、平面であってもよいし、曲面であってもよい。なお、導電硬化層51の側面51sが傾斜すると、後述するように、めっき層52を形成する際の工程においても有利である。導電硬化層51の側面51sが傾斜することにより、めっき層52及び導電硬化層51の剥がれや破壊が抑制される。
導電硬化層51は、補助電極5の本体を構成するといってよい。めっき層52は、補助電極5の表面被膜を構成するといってもよい。導電硬化層51の平面視における形状は、補助電極5の平面視における形状と略同一であってよい。導電硬化層51は、網目状であり得る。導電硬化層51は格子状であり得る。導電硬化層51はグリッド状であり得る。導電硬化層51は線状であり得る。導電硬化層51は、第1電極2の面内に部分的に設けられるものであってよい。
導電硬化層51に含まれる導電体は、金属であることが好ましい。金属としては、具体的には、銀、銅、金、アルミ、ニッケル、モリブデンなどが例示される。導電体は導電性粒子であることが好ましい。導電体は金属粒子であることが好ましい。導電硬化層51は、金属層であってもよいし、合金層であってもよい。導電硬化層51は、塗布法によって形成され得る。塗布法としては、スクリーン印刷、インクジェット、ディスペンサー塗布などが例示される。導電硬化層51は、プリンテッドエレクトロニクスで形成されることがより好ましい。プリンテッドエレクトロニクスでは、パターン形状で材料が描画されるため、細かいパターンの形成が可能である。導電硬化層51は樹脂を含んでいてもよい。塗布法で形成された場合、導電硬化層51は樹脂を含み得る。硬化性材料50のバインダは導電硬化層51の樹脂になり得る。塗布法の一つとして静電塗布法が例示される。静電塗布法は、補助電極5の線幅を小さくすることが可能であり、パターン精度よく導電硬化層51を形成することができる。
硬化性材料50は、バインダを含有することが好ましい。それにより、第1電極2と導電硬化層51との密着性が高まり、導電硬化層51と第1電極2との間の通電性が良好になる。また、バインダにより、導電硬化層51が第1電極2上に容易に形成され得る。バインダは、第1電極2に対する密着性が、硬化性材料50に含まれる導電体よりも高いことが好ましい。導電体とバインダとにおける密着性は、第1電極2の表面にこれらの材料単体から形成された層で比較され得る。
導電硬化層51は、銀及び樹脂を含むことが好ましい一態様である。銀は導通性が高いため、通電補助効果が向上する。また、樹脂により導電硬化層51の密着性が増大する。樹脂を含む導電硬化層51は塗布法で形成され得る。この場合、導電硬化層51の形成が容易になる。
めっき層52は、導電硬化層51に接している。めっき層52は、めっきの金属で構成される。ここで、導電硬化層51は硬化性材料50により形成されるため、蒸着法やスパッタ法で形成される導電層よりも、通電性が低くなる場合がある。そこで、導電硬化層51に接するように、めっき層52が設けられるようにする。すると、めっき層52によって、補助電極5全体の導電性が高まる。そのため、第1電極2に対する通電の補助効果が向上する。
めっき層52は、平面視において導電硬化層51と重複する位置に配置されていることが好ましい。めっき層52の形状は、導電硬化層51の形状と略同一であってよい。めっき層52は、網目状であり得る。めっき層52は格子状であり得る。めっき層52はグリッド状であり得る。めっき層52は線状であり得る。めっき層52は、第1電極2の面内に部分的に設けられるものであってよい。
めっき層52は、導電硬化層51を被覆することが好ましい。めっき層52が導電硬化層51を被覆すると、補助電極5の導電性が向上する。導電硬化層51は、第1電極2に対して全面でなく部分的に設けられるものである。そのため、図1で示されるように、導電硬化層51は、第1電極2の表面において、有機発光層3側に盛り上がって形成され得る。このとき、導電硬化層51を被覆する形状でめっき層52が形成されていると、導電性が効率よく向上する。
めっき層52は、第1電極2と接していることが好ましい。めっき層52と第1電極2とが接すると、めっき層52から直接第1電極2に電気が流れて通電が補助されるため、電極の導電性が向上する。また、めっき層52が導電硬化層51を被覆して第1電極2と接すると、めっき層52が導電硬化層51を押さえ込む形となるため、導電硬化層51が第1電極2から離れることが抑制され、補助電極5と第1電極2との密着性が高まる。めっき層52における第1電極2に接する部分は、補助電極5の側部に配置され得る。めっき層52は、導電硬化層51の側方で第1電極2に接していてよい。
めっき層52は、めっき処理に使用される金属により形成され得る。めっきの金属としては、高導電率の金属が好ましい。めっきの金属として、例えば、銀、銅、金、ニッケルなどが挙げられる。めっき処理は、特に限定されないが、電気めっき又は無電解めっきが好ましい。無電解めっきは電気を流さなくてもよいため、量産性に優れる。ただし、無電解めっきは、多くの処理液での処理が求められ、薬液の管理が煩雑となり得る。そのため、電気めっきがより好ましい。電気めっきでは、通電により、めっき材の層が形成される。電気めっき処理したときには、導電硬化層51に効率よくめっき材が積層される。
導電硬化層51及びめっき層52の厚みは、特に限定されないが、導電硬化層51の厚みとめっき層52の厚みとの比が、1:0.5〜1:20であることが好ましい。それにより、電極の導電性が効率よく向上する。導電硬化層51の厚みとめっき層52の厚みとの比は、1:1〜1:10であることがさらに好ましい。導電硬化層51は、厚みが500〜2000nmになり得るが、これに限定されるものではない。
有機EL素子は、補助電極5と有機発光層3との間に、絶縁膜6を備えることが好ましい。絶縁膜6は、平面視において補助電極5に対応する位置に配置される。絶縁膜6は、めっき層52と有機発光層3との間に配置される。めっき層52と絶縁膜6とは接していてよい。絶縁膜6は絶縁材料により形成される。ここで、補助電極5は第1電極2の表面で盛り上がって形成されるため、補助電極5の盛り上がった形状が層の形成に悪影響を及ぼし、有機発光層3が部分的に薄くなったりして、短絡の原因になるおそれがある。そこで、補助電極5の有機発光層3側に絶縁膜6が設けられるようにする。すると、絶縁膜6によって補助電極5の部分が電気的に絶縁されるため、短絡が生じにくくなる。また、絶縁膜6が存在すると、補助電極5の部分で過剰に発光することが抑制されるため、有機発光層3の寿命が向上する。また、絶縁膜6が存在すると、光を透過させない補助電極5と第2電極4との間で直接的に電気が流れるのが抑制され、光を透過させる第1電極2と第2電極4との間において電気が流れやすくなるため、光がより有効に外部に取りされる。なお、絶縁膜6は必須ではない。
絶縁膜6は、平面視において補助電極5と重複する位置に配置されていることが好ましい。絶縁膜6の形状は、補助電極5の形状と略同一であってよい。絶縁膜6は、網目状であり得る。絶縁膜6は格子状であり得る。絶縁膜6はグリッド状であり得る。絶縁膜6は線状であり得る。絶縁膜6は、第1電極2の面内に部分的に設けられるものであってよい。絶縁膜6の線幅は、補助電極5の配線の幅よりも大きいことが好ましい。それにより、電流集中がより抑制され得る。絶縁膜6は第1電極2に接していてもよい。絶縁膜6は補助電極5の側方で第1電極2に接し得る。絶縁膜6は有機発光層3に接していてよい。
絶縁膜6は、補助電極5を被覆することが好ましい。補助電極5は、第1電極2に対して全面でなく部分的に設けられるものである。そのため、図1で示されるように、補助電極5は、第1電極2の表面において、有機発光層3側に盛り上がって形成され得る。このとき、盛り上がった表面に直接、有機発光層3の各層及び第2電極4が形成されると、層が分断されたり薄くなったりしやすくなる。しかしながら、補助電極5を被覆して絶縁膜6が形成されていると、電気的なショートが効果的に抑制され得る。絶縁膜6が第1電極2に接していると、絶縁膜6による被覆性が高くなるため、短絡がさらに抑制される。
絶縁膜6の側面6sは基板1の表面に対して傾斜していることが好ましい。絶縁膜6の側面6sが傾斜面となることにより、有機発光層3及び第2電極4の積層の際に、層の段切れが容易に抑制され得る。それにより、ショート不良が低減される。補助電極5の側面5sが傾斜すると、絶縁膜6の側面6sが傾斜しやすくなる。補助電極5の側面5sと絶縁膜6の側面6sとの両方が傾斜していることがより好ましい。
絶縁膜6の厚みは特に限定されないが、絶縁膜6の厚みは5000nm以下であることが好ましく、2000nm以下であることがより好ましい。それにより、層の段切れが高く抑制される。絶縁膜6の厚みは500nm以上であることが好ましい。それにより、短絡が高く抑制される。
絶縁膜6は、樹脂により形成され得る。樹脂は絶縁性に優れる。絶縁膜6は樹脂膜として構成され得る。樹脂としては、例えば、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂などが挙げられる。樹脂として、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、イミド樹脂、ノボラック樹脂などが例示される。絶縁膜6は、塗布法で形成され得る。絶縁膜6のパターニングは、コーターによる塗布で樹脂膜を形成した後、フォトリソプロセスで所定の形状に樹脂膜をパターニング加工することで行われ得る。コーターとしては、スピンコーター、スリットコーターなどが例示される。あるいは、絶縁膜6のパターニングは、スクリーン印刷、インクジェット法、ディスペンサー塗布などにより、直接パターン形状で樹脂膜が形成されることで行われ得る。絶縁膜6は静電塗布法で形成されてもよい。
以下、有機EL素子の製造について説明する。図2及び図3は、有機EL素子の製造方法の一例を示している。図2は図2A〜図2Fから構成される。図3は図3A〜図3Eから構成される。
有機EL素子を製造するにあたっては、まず、基板1の表面に、光透過性を有する導電層2aを形成する。導電層2aは、光透過性を有する導電性材料で形成される。導電層2aは好ましくは透明である。導電層2aは、スパッタ、蒸着、塗布などによって形成され得る。導電層2aは、端部がパターン状に形成されていてよい。導電層2aを配置する工程により、第1電極2及び電極引き出し部20が形成される。導電層2aの中央部分は、第1電極2となる。導電層2aの端部は、電極引き出し部20となる。図3Aは、第1電極2が配置された基板1を示している。
次に、第1電極2の表面に、導電硬化層51の材料である硬化性材料50を配置する。図2Aは、導電体を含む硬化性材料50を配置する工程の一例を示している。硬化性材料50から導電硬化層51が形成される。
硬化性材料50は、好ましくは、導電性粒子を含む。硬化性材料50は、好ましくは、バインダを含む。硬化性材料50は、より好ましくは、銀粒子とバインダとを含む。バインダは樹脂により構成され得る。硬化性材料50はバインダを含まなくてもよいが、バインダを含む方が、密着性の高い導電硬化層51が形成されやすくなる。また、バインダにより導電体の分散性が高まる。また、バインダにより硬化性材料50の配置が容易になる。硬化性材料50は流動性を有することが好ましい。硬化性材料50は、導電性粒子とバインダとが液体に分散された分散液であってよい。硬化性材料50は、ペースト材であってよい。硬化性材料50は液状であってもよい。硬化性材料50が導電体を含む分散液であると、導電硬化層51を形成するための装置及び材料が簡略化され得るため、製造コストを下げることが容易になる。
導電体を含む硬化性材料50は、ウェット工程で基板1の表面に配置され得る。硬化性材料50は、印刷法で配置されることが好ましい一態様である。印刷法により、導電硬化層51のパターニングが容易になる。印刷は塗布の一種である。印刷法で導電硬化層51が形成される場合、塗布法としては、静電塗布、インクジェット印刷塗布、ディスペンサー塗布、スクリーン印刷塗布などが例示される。印刷はパターンに沿って塗布されるものであってよい。印刷法では、インクノズルをパターン状に動かす塗布法が好ましい。それにより、精度よくパターン形成が可能である。図2Aでは、塗布装置60により硬化性材料50がパターン状に配置されている様子が示されている。硬化性材料50のパターン塗布により導電硬化層51が描画されているといってもよい。図2Aでは、静電塗布法が図示されている。硬化性材料50は、静電塗布により配置されることがより好ましい。静電塗布法では、電気的作用により硬化性材料50が配置されるため、細線パターンの形成が容易である。そのため、高精度で導電硬化層51が形成される。硬化性材料50は、導電硬化層51の配置箇所50aに順次に配置されている。
導電性粒子の平均粒径は1nm以上10000nm以下が好ましい。それにより、導電性の高い導電硬化層51の形成が可能である。導電性粒子の平均粒径は100nm以上がより好ましい。硬化性材料50の硬化温度は、例えば、80℃以上200℃以下の範囲であってよい。
硬化性材料50の配置の後、硬化性材料50を加熱することが好ましい。加熱により、硬化性材料50は硬化して、導電硬化層51となる。バインダは熱硬化性を有していてよい。バインダは導電体の結合に寄与する。ここで、導電体が導電性粒子である場合、導電性粒子は、粒子の形状をある程度維持したまま、結合一体化され得る。導電硬化層51は表面に凹凸構造を有していてもよい。それにより、導電硬化層51とめっき層52との密着性が高まる。導電硬化層51は、粒子の隙間を有していてもよい。バインダは加熱により除去されてもよいが、硬化後の樹脂として導電硬化層51の中に残存していてもよい。硬化性材料50がバインダとして樹脂を含む場合、導電硬化層51は樹脂を含有し得る。硬化性材料50により導電硬化層51が形成された場合、導電硬化層51の側面51sは容易に傾斜面となり得る。図2Bは、硬化性材料50を硬化して導電硬化層51を形成する様子を示している。図3Bは、導電硬化層51が形成された状態を示している。
導電硬化層51の形成の後、めっき層52を形成する。このとき、有機EL素子の製造方法では、好ましくは、めっき剥離層71を形成する工程と、めっき処理する工程と、めっき材52aを除去する工程とを含む。めっき剥離層71が形成されることで、めっき材52aの除去の際に、第1電極2へのダメージが少なくなる。また、めっき剥離層71が存在すると、導電硬化層51の位置へのめっき層52の形成が効率よく行われる。
図2Cは、めっき剥離層71を形成する工程を示している。図3Cは、めっき剥離層71が形成された状態を示している。めっき剥離層形成工程では、導電硬化層51が表面に配置された第1電極2にめっき剥離層71を形成する。図2Cでは、めっき剥離層71の材料71aが吐出装置70から吐出される様子が図示されている。めっき剥離層71の材料71aは、液状の材料であってよい。めっき剥離層71は、薄膜で構成され得る。そのため、図3Cでは、破線でめっき剥離層71が表現されている。
めっき剥離層71は、有機高分子を含むことが好ましい。それにより、第1電極2表面に配置されためっき材52aの剥離性が高くなる。めっき剥離層71の材料71aは、有機高分子が溶剤に分散された分散液であってよい。
図2Cでは、めっき剥離層71は、吐出装置70から吐出される分散液により形成されているが、めっき剥離層71の形成方法はこれに限定されない。めっき剥離層71は、例えば、薬液へのディップ浸漬、スプレー塗布、スリットコーター、スピンコーターなどにより形成されてもよい。
めっき剥離層71は、少なくとも第1電極2の表面に直接配置される。それにより、第1電極2とめっき材52aとの密着性が低下するため、第1電極2の表面に配置されためっき材52aが除去されやすくなる。めっき剥離層71は、導電硬化層51の表面に直接配置されていてよい。その場合、めっき剥離層71は、第1電極2表面への全面塗布で形成され得るため、形成が容易となる。めっき剥離層71は、導電硬化層51が配置された第1電極2(導電層2a)の全面に配置されていてよい。
めっき剥離層71の厚みは、特に限定されないが、導電硬化層51の表面においてめっき剥離層71が厚くなると、めっき層52の形成が阻害されたり、密着性が低下したりするおそれがある。そのため、めっき剥離層71はできるだけ薄い方が好ましい。めっき剥離層71は、例えば、単分子膜であってもよい。
図2Dは、めっき処理の工程の一例を示している。図2Dのめっき処理の工程では、導電硬化層51及びめっき剥離層71が表面に配置された第1電極2をめっき処理している。図2Dの方法は、電気めっきである。電気めっきでは、容器85にめっき液80が配置される。第1電極2が形成された基板1は、めっき液80に浸漬される。めっき液80はめっきの電解液を含んでいてよい。めっき液80はめっきの金属を含んでいてよい。第1電極2には配線83aが電気的に接続されている。配線83aの接続位置は、第1電極2と導通する導電層2aのどの場所であってもよい。あるいは、配線83aは、導電硬化層51に接続されていてもよい。要するに、導電硬化層51がめっき処理されるように配線83aが接続される。また、図2Dでは、めっき用基板82が、基板1に対向してめっき液80の中で配置されている。めっき用基板82の表面にはめっき用電極81が配置されている。めっき用電極81と第1電極2とは対向して配置されている。めっき用電極81には配線83bが接続されている。めっき用電極81に接続された配線83bと、第1電極2に接続された配線83aとが直流電源84に接続されている。そして、直流電源84から流れる電気により電気めっきが行われる。電気めっきでは、通常、めっき用電極81が陽極となり、第1電極2が陰極となる。電気めっきにより、第1電極2の表面及び導電硬化層51の表面にはめっき材52aが積層される。なお、図2Dでは電気めっきを示しているが、めっき処理は無電解めっきであってもよい。
図2E及び図3Dは、第1電極2及び導電硬化層51の上に、めっき材52aが配置された状態を示している。図2Eでは、めっき材52aの配置された部分をドットで示している。なお、めっき剥離層71は薄膜であり、補助電極5においては無視可能な膜であるため、図3Dでは記載していない。めっき材52aは、導電硬化層51及び第1電極2の表面に積層されている。めっき材52aはめっきの金属で構成される。めっき層52は、めっき材52aにおける導電硬化層51に接する部分から形成され得る。
めっき処理の工程の後、導電硬化層51の位置以外のめっき材52aを除去する工程を行う。図2Fは、導電硬化層51の位置以外のめっき材52aを除去する様子を示している。めっき材52aは金属材料で構成され、光透過性を有さないため、第1電極2と接触する部分(導電硬化層51が配置されていない部分)では、不要となる。そのため、めっき材52aの除去工程により、不要なめっき材52aが除去される。
図2Fで示すように、ブラシで擦って洗浄することにより、めっき材52aを除去することが好ましい。図2Fでは、毛91を有するローラブラシ90によってめっき材52aが除去されている様子が示されている。図2Fでは、ローラブラシ90の回転と進行を矢印で示している。めっき材52aの除去は、洗浄液93を吐出しながら行うことがより好ましい。それにより、めっき材52aが効率よく除去される。また、第1電極2に与えられるダメージが少なくなる。洗浄液93としては、水、有機溶剤などが用いられる。好ましくは、洗浄液93として、有機溶剤及び水が併用される。洗浄液93は吐出装置92から吐出される。
ここで、めっき材52aは、導電硬化層51に対する密着性よりも、第1電極2に対する密着性の方がもともと低くなりやすい。硬化性材料50から形成される導電硬化層51と、めっき材52aとの密着力が高いためである。そのため、めっき剥離層71が存在しなくても、めっき材52aは、導電硬化層51の部分よりも容易に、第1電極2の部分が除去され得る。特にブラシ洗浄などの機械的な作用が加わると、容易に不要なめっき材52aは除去され得る。さらに、上記のように、めっき剥離層71が形成されたときには、第1電極2とめっき材52aとの密着性が弱くなる。そのため、さらに容易に第1電極2からめっき材52aが除去される。導電硬化層51とめっき層52とは密着性が高いため、めっき剥離層71がそれらの間に存在していても、めっき層52は導電硬化層51から剥離しにくい。
導電硬化層51の側面51sが傾斜面であることは、めっき材52aの除去においても有利である。めっき材52aの除去の際、導電硬化層51の側面51sが傾斜面であると、導電硬化層51に接着しためっき層52が剥離することが抑制される。傾斜面によってブラシによるひっかかりが少なくなるからである。また、導電硬化層51の側面51sが傾斜面であると、導電硬化層51の破壊も抑制される。
めっき材52aの除去の際には、第1電極2の表面のめっき剥離層71も同時に除去されることが好ましい。めっき剥離層71が残存すると、有機発光層3の積層に悪影響を及ぼすおそれがある。洗浄液93として有機溶剤を用いると、めっき剥離層71は容易に除去され得る。例えば、めっき剥離層71の材料71aを溶解する有機溶剤が例示される。なお、導電硬化層51とめっき層52との間のめっき剥離層71は残存していてもよい。めっき剥離層71は薄膜であるため、導電硬化層51とめっき層52との間の導通性は確保される。
図3Eに示すように、第1電極2の表面に直接配置されためっき材52aの除去により、めっき層52が導電硬化層51の位置にパターン状に形成される。これにより、導電硬化層51及びめっき層52により構成される補助電極5が形成される。
なお、上記では、めっき剥離層71を形成する工程を有してめっき層52が形成される方法を説明したが、めっき層52は、めっき剥離層71が形成されずに、形成されてもよい。めっき剥離層71は必須ではない。その場合、有機EL素子の製造方法は、めっき剥離層形成工程を有さず、めっき処理工程とめっき材除去工程とを有するように変更される。めっき層52と導電硬化層51との密着性は、もともとめっき層52と第1電極2との密着性よりも高くなりやすいため、めっき剥離層71が存在しなくても、めっき材52aの部分的な除去は可能である。めっき剥離層71が存在しないと、めっき層52と導電硬化層51との間の密着性が向上する。ただし、第1電極2からめっき材52aが除去されやすくするためには、めっき剥離層71が形成される方が有利である。
ところで、流動性を有する材料で導電硬化層51が形成された場合、スパッタや蒸着やめっきなどの方法で形成される導電層に比べて、導電硬化層51には、ボイドが発生しやすく、樹脂が残存することが多い。ボイドの発生や樹脂の残存は、導電硬化層51の導電性を低下させる原因となり得る。しかしながら、導電硬化層51に接してめっき層52が形成されると、めっき層52によって補助電極5全体の導電性が高まるため、補助電極5による第1電極2に対する通電補助効果が効果的に向上する。
補助電極5の形成の後、絶縁膜6を形成する。絶縁膜6は、第1電極2の表面における補助電極5の位置に形成される。絶縁膜6は、絶縁膜6の材料を配置する工程により形成される。絶縁膜6は補助電極5の形状に対応した形状で形成される。そのパターニングは適宜の方法であってよい。
絶縁膜6の配置は、印刷法で行われることが好ましい一態様である。印刷法により、絶縁膜6のパターニングが容易になる。印刷は塗布の一種である。印刷はパターンに沿って塗布するものであってよい。印刷法では、インクノズルをパターン状に動かす塗布法が好ましい。それにより、精度よくパターン形成が可能である。絶縁膜6は、液体の樹脂材料から形成され得る。絶縁膜6の材料として、樹脂を主成分とした流動性の樹脂組成物を好ましく用いることができる。印刷法で絶縁膜6が配置される場合、塗布法としては、静電塗布、インクジェット印刷塗布、ディスペンサー塗布、スクリーン印刷塗布などが例示される。絶縁膜6は、静電塗布により形成されることがより好ましい。塗布法では、樹脂で構成される絶縁膜6が容易に形成され得る。
絶縁膜6は、塗布後に不要な部分を除去する方法で形成されてもよい。この方法では、まず、絶縁膜6の材料を補助電極5が配置された面に塗布する。例えば、スピンコーターなどにより塗布は行われる。塗布は全面塗布であってよい。そして、フォトリソ法により、補助電極5の位置と同じ位置の樹脂を硬化させるとともにそれ以外の部分を除去する。これにより、パターニングされた絶縁膜6が形成され得る。
絶縁膜6の形成後、有機発光層3の各層、第2電極4を順次に積層して有機発光体10を形成する。積層方法は、例えば、蒸着などが利用される。その後、封止材7で有機発光体10を覆いながら、接着材料で封止材7を基板1に接着する。接着材料の硬化により接着部8が形成される。これにより、有機EL素子が形成される。
上記の有機EL素子により、照明装置を得ることができる。照明装置は、上記の有機EL素子を備える。それにより、面内の発光の均一性が高く発光特性の優れた照明装置が得られる。照明装置は、複数の有機EL素子が面状に配置されたものであってよいし、一つの有機EL素子で構成される面状の照明体であってもよい。照明装置は、厚みを薄くすることができるため、省スペースの照明器具を提供することが可能である。
図4は、照明装置100の一例である。この照明装置は、有機EL素子101と、筐体102と、プラグ103と、配線104とを有する。図4では、複数(4つ)の有機EL素子101が面状に配設されている。有機EL素子101は、筐体102に収容されている。プラグ103及び配線104を通して電気が供給されて有機EL素子101が発光し、照明装置100から光が出射する。
1 基板
2 第1電極
3 有機発光層
4 第2電極
5 補助電極
6 絶縁膜
7 封止材
10 有機発光体
20 電極引き出し部
50 硬化性材料
51 導電硬化層
52 めっき層
52a めっき材
71 めっき剥離層
80 めっき液
100 照明装置

Claims (6)

  1. 基板と、
    光透過性を有する第1電極と、
    前記第1電極の前記基板とは反対側に配置され、前記第1電極と対をなす第2電極と、
    前記第1電極と前記第2電極との間に配置される有機発光層と、
    前記第1電極と前記有機発光層との間に配置される補助電極と、を備え、
    前記補助電極は、導電体を含有する硬化性材料から形成される導電硬化層と、前記導電硬化層の前記有機発光層側に配置されるめっき層とを有する、有機エレクトロルミネッセンス素子。
  2. 前記硬化性材料は、バインダを含有する、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 前記めっき層は、前記第1電極と接している、請求項1又は2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 前記導電硬化層は、側面が傾斜している、請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を製造する方法であって、
    前記導電硬化層が表面に配置された前記第1電極に、めっき剥離層を形成する工程と、
    前記導電硬化層及び前記めっき剥離層が表面に配置された前記第1電極をめっき処理する工程と、
    前記導電硬化層の位置以外のめっき材を除去する工程とを含む、有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を備えた照明装置。
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