JP2015197363A - 電池状態判定方法及び電池状態判定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】二次電池におけるメモリ効果の有無を判定することのできる電池状態判定方法及び電池状態判定装置を提供する。
【解決手段】二次電池におけるメモリ効果の有無を判定する方法として、まず、二次電池における抵抗拡散領域に対応する周波数の複素インピーダンスを取得する。また、取得された複素インピーダンスの周波数ごとの位相を算出する。そして、算出された複素インピーダンスの位相のうち、二次電池における抵抗拡散領域に対応する周波数における位相が位相閾値以下であるときに、二次電池にメモリ効果が生じていると判定する。
【選択図】図4

Description

本発明は、二次電池におけるメモリ効果の有無を判定する電池状態判定方法及び電池状態判定装置に関する。
従来、二次電池に対して複素インピーダンス解析を行うことにより、二次電池の劣化状態や余寿命を評価する技術が提案されている。この方法によれば、二次電池を破壊することなく電池状態を評価できるので、正常であると判定された二次電池を再利用することも可能である。
複素インピーダンス解析方法の一例として、二次電池における正極及び負極の容量比が所望の値からずれているか否かを判定する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。この方法では、二次電池に対し、周波数を段階的に変化させながら交流電圧を印加することによって複素インピーダンスを測定する。そして、測定値からインピーダンスの実軸成分及び虚軸成分を求めた上で、それらの値を二次元平面にプロットすることによりナイキストプロットを得る。また、ナイキストプロットのうち、いわゆる抵抗拡散領域に対応する部分に含まれる、互いに異なる周波数に対応する2つの点を線分で結ぶ。そして、この線分の傾きが閾値よりも小さい場合に、二次電池における正極及び負極の容量比が所望の値からずれている旨を判定する。
国際公開WO2013/115038号公報
ところで、二次電池が長期間に亘って使用されたときには、使用頻度が高かったSOC(State of Charge:充電状態)の近傍における起電力が変化する現象であるメモリ効果が生じる。このメモリ効果は二次電池の劣化の要因となるため、二次電池の再利用の際にはメモリ効果の有無も併せて判定することが望ましい。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、二次電池におけるメモリ効果の有無を判定することのできる電池状態判定方法及び電池状態判定装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の電池状態判定方法は、二次電池におけるメモリ効果の有無を電池状態判定装置を用いて判定する電池状態判定方法であって、前記電池状態判定装置が、前記二次電池の抵抗拡散領域に対応する周波数の複素インピーダンスを取得するインピーダンス取得工程と、前記インピーダンス取得工程において取得された複素インピーダンスの周波数ごとの位相を算出する位相算出工程と、前記位相算出工程において算出された複素インピーダンスの位相のうち、前記二次電池の抵抗拡散領域に対応する周波数における位相が所定の閾値以下であるときに、前記二次電池にメモリ効果が生じていると判定する判定工程とを実行する。
また、本発明の電池状態判定装置は、二次電池におけるメモリ効果の有無を判定する電池状態判定装置であって、前記二次電池の抵抗拡散領域に対応する周波数の複素インピーダンスを取得するインピーダンス取得部と、前記インピーダンス取得部が取得した複素インピーダンスの周波数ごとの位相を算出する位相算出部と、前記位相算出部が算出した複素インピーダンスの位相のうち、前記二次電池の抵抗拡散領域に対応する周波数における位相が所定の閾値以下であるときに、前記二次電池にメモリ効果が生じていると判定する判定部とを備える。
二次電池における複素インピーダンスの抵抗拡散領域は、複素インピーダンスの周波数応答のうち低周波数側に表れる部分であって、メモリ効果を生じた二次電池は抵抗拡散領域に対応する周波数の複素インピーダンスの位相がメモリ効果を生じていない二次電池よりも小さくなる。そこで、上記構成または方法では、判定対象の二次電池における抵抗拡散領域に対応する周波数の複素インピーダンスの位相を取得し、該取得した複素インピーダンスの位相に基づき二次電池におけるメモリ効果の有無を判定するようにした。これにより、メモリ効果の有無を容易に判定することができる。
上記電池状態判定方法として好ましくは、前記判定工程では、前記位相算出工程において算出された複素インピーダンスの位相のうち、前記二次電池の抵抗拡散領域に対応する周波数の範囲内に前記閾値以下となる位相が含まれるときに、前記二次電池にメモリ効果が生じていると判定する。
上記方法によれば、二次電池の抵抗拡散領域に対応する周波数の範囲内に閾値以下となる位相が含まれているか否かに基づき、二次電池におけるメモリ効果の有無をより容易に判定することができる。
上記電池状態判定方法として好ましくは、前記閾値は、メモリ効果を生じていない二次電池の抵抗拡散領域に対応する周波数の複素インピーダンスの位相に基づき設定される。
上記方法によれば、判定対象となる二次電池の抵抗拡散領域に対応する周波数の複素インピーダンスの位相を、メモリ効果を生じていない二次電池における同一の周波数の複素インピーダンスの位相に基づき設定された位相閾値と比較することにより、二次電池におけるメモリ効果の有無を判定するようにした。これにより、メモリ効果の有無を容易に判定する構成を実現できる。
上記電池状態判定方法として好ましくは、前記二次電池の抵抗拡散領域に対応する複素インピーダンスの周波数の範囲が0.01Hz〜0.1Hzである。
メモリ効果を生じた二次電池は、0.01Hz〜0.1Hzの周波数帯における複素インピーダンスの変化が顕著となる。そこで、上記方法では、判定対象の二次電池における0.01Hz〜0.1Hzの複素インピーダンスを取得し、該取得した複素インピーダンスに基づき二次電池におけるメモリ効果の有無を判定するようにした。これにより、メモリ効果の有無をより高精度に判定することができる。
上記電池状態判定方法として好ましくは、前記二次電池がニッケル水素蓄電池である。
上記方法によれば、長期間に亘って使用したときにメモリ効果が比較的生じやすい二次電池であるニッケル水素蓄電池についてメモリ効果の有無を判定することにより、使用済みのニッケル水素蓄電池を適正に再利用することができる。
本発明によれば、二次電池におけるメモリ効果の有無を判定することができる。
電池状態判定装置の一実施の形態の概略構成を示す模式図。 二次電池における充電時及び放電時の起電圧の変化の推移を示すグラフ。 (a)は、二次電池における複素インピーダンスのゲインの周波数応答を示すグラフ、(b)は、二次電池における複素インピーダンスの位相の周波数応答を示すグラフ。 同実施の形態の電池状態判定装置が二次電池におけるメモリ効果の有無を判定する際に実行する処理ルーチンの概要を示すフローチャート。
以下、本発明の電池状態判定装置の一実施の形態について説明する。
図1に示すように、電池状態判定システム10は、車載用のリチウムイオン電池やニッケル水素蓄電池等の二次電池Mにおけるメモリ効果の有無を判定するシステムであって、測定装置11と、電池状態判定装置12とを備えている。なお、本実施の形態では、比較的メモリ効果の生じやすいニッケル水素蓄電池を二次電池Mとして、以下説明する。
測定装置11は、SOC調整部11a及びインピーダンス測定部11bを有している。測定装置11は、SOC調整部11aが測定対象の二次電池MのSOCを調整した上で、インピーダンス測定部11bが二次電池Mに対して交流電圧又は交流電流を印加することにより二次電池Mの複素インピーダンスZを測定する。この場合、二次電池Mの複素インピーダンスZは、ベクトル成分である実軸成分Zreal及び虚軸成分Zimgを用いて以下の式(1)にて表される。なお、「j」は虚軸単位を意味している。

Z=Zreal+jZimg…(1)

電池状態判定装置12は、CPU(Central Processing Unit)12a、ROM(Read Only Memory)12b及びRAM(Random Access Memory)12cを有している。
CPU12aは、二次電池Mの複素インピーダンスZの測定データを測定装置11から取得するインピーダンス取得部として機能する。また、CPU12aは、測定装置11から取得した複素インピーダンスZの測定データに基づき、複素インピーダンスZの周波数ごとの位相θを算出する位相算出部としても機能する。また、CPU12aは、算出した位相θに基づき、二次電池Mにおけるメモリ効果の有無を判定する判定部としても機能する。この場合、複素インピーダンスZの位相θは、以下の式(2)にて表される。

θ=tan−1(Zimg/Zreal)…(2)

ROM12bは、二次電池Mにおけるメモリ効果の有無の判定に用いられるプログラムを格納している。また、ROM12bは、判定対象となる二次電池Mに対して実験等を通じて設定された測定周波数F及び位相閾値θxを格納している。この場合、測定周波数F及び位相閾値θxは、リチウムイオン電池やニッケル水素蓄電池等の二次電池の種別ごと(本実施の形態では、ニッケル水素蓄電池)に異なる値が設定されている。そして、CPU12aは、二次電池Mにおけるメモリ効果の有無を判定する際には、判定対象となる二次電池Mの種別に応じた測定周波数F及び位相閾値θxをROM12bから適宜読み出して設定する。
電池状態判定装置12には、例えば表示装置や印刷装置等からなる出力装置13が接続されている。そして、二次電池Mにおけるメモリ効果の有無の判定結果が電池状態判定装置12から出力装置13に出力される。
図2は、本実施の形態で判定対象としている二次電池Mにおける充電時及び放電時の起電圧の変化の推移を示している。図2に実線L1で示すように、メモリ効果を生じていない初期状態の二次電池Mは、充電時及び放電時における起電圧の変化の推移が互いに異なる現象であるヒステリシスを生じる。また、図2に破線L2で示すように、メモリ効果を生じている使用済みの二次電池Mも同様に、充電時及び放電時にヒステリシスを生じる。ただし、メモリ効果を生じている使用済みの二次電池Mでは、メモリ効果を生じていない初期状態の二次電池Mと比較して、使用頻度の高かったSOCの範囲内におけるヒステリシスの大きさが相対的に大きくなる。なお、本実施の形態で判定対象としている車載用の二次電池Mでは、SOC20%〜80%の範囲内における使用頻度が高くなる制御を実施している。そのため、図2に示すように、本実施の形態では、メモリ効果を生じている使用済みの二次電池Mは、SOC20%〜80%の範囲内におけるヒステリシスの大きさがメモリ効果を生じていない初期状態の二次電池Mよりも大きくなる。
図3(a)及び図3(b)は、本実施の形態で判定対象としている二次電池Mにおける複素インピーダンスZのゲインG及び位相θの周波数応答の変化をそれぞれ示している。図3(a)及び図3(b)には、メモリ効果を生じていない初期状態の二次電池Mにおける複素インピーダンスZのゲインG及び位相θの周波数応答の変化が実線L3,L4で示されている。また、図3(a)及び図3(b)には、メモリ効果を生じている使用済みの二次電池Mにおける複素インピーダンスZのゲインG及び位相θの周波数応答の変化が破線L5,L6で示されている。この場合、メモリ効果を生じている二次電池M及びメモリ効果を生じていない二次電池Mにおける複素インピーダンスZのゲインG及び位相θの周波数応答の変化は、複素インピーダンスZの測定値に影響を及ぼし得る電池温度を含めて同一の測定条件で測定されている。
なお、複素インピーダンスZのゲインGは、以下の式(3)にて表される。

G=|Z|=√(Zimg+Zreal)…(3)

また、二次電池Mにおける複素インピーダンスZの周波数帯のうち低周波領域となる抵抗拡散領域は、物質拡散が関与したインピーダンスが表れた領域であって、0.01Hz〜0.1Hzの範囲に含まれる。
ここで、図3(a)に示すように、複素インピーダンスZのゲインGは、メモリ効果を生じている二次電池M及びメモリ効果を生じていない二次電池Mの双方が低周波領域から高周波領域にかけての全周波数帯においてほぼ共通の傾向を示している。すなわち、メモリ効果を生じた二次電池Mは、メモリ効果を生じていない二次電池Mと比較して使用頻度の高かったSOCの範囲内における起電圧の大きさが変化するものの、その起電圧の変化に伴う複素インピーダンスZのゲインGの変化量は、二次電池Mにおけるメモリ効果の有無の判定には用いることができない程度に小さい。
これに対し、図3(b)に示すように、二次電池Mにおける抵抗拡散領域に対応する周波数の複素インピーダンスZの位相θは、メモリ効果を生じている二次電池Mの方がメモリ効果を生じていない二次電池Mよりも小さい傾向を示している。そこで、本実施の形態では、メモリ効果を生じている二次電池Mにおける抵抗拡散領域に対応する周波数の複素インピーダンスZの位相θと、メモリ効果を生じていない二次電池Mにおける抵抗拡散領域に対応する周波数の複素インピーダンスZの位相θとの間となる位相を位相閾値θxとして周波数毎に設定する。つまり、位相閾値θxは、位相閾値θx以下の複素インピーダンスを示す二次電池Mを、メモリ効果を生じている二次電池Mとして判断するための閾値である。なお、図3(b)には、抵抗拡散領域に含まれる周波数fxに対応して設定された位相閾値θxが一例として示されている。
次に、本実施の形態の電池状態判定装置12のCPU12aが二次電池Mにおけるメモリ効果の有無を判定する際に実行する処理ルーチンの概要を説明する。
まず、図4に示すように、CPU12aは、測定装置11のSOC調整部11aに制御信号を送信することにより、二次電池MのSOCを調整する(ステップS10)。この場合、SOC調整部11aは、位相閾値θxを設定する際の基準となった二次電池のSOCの値となるまで二次電池Mの充電又は放電を行う。
そして次に、CPU12aは、測定装置11のインピーダンス測定部11bに制御信号を送信することにより、二次電池Mの複素インピーダンスZを測定する(ステップS11)。この場合、二次電池Mの複素インピーダンスZの測定は、その測定値に影響を及ぼし得る電池温度を含め、位相閾値θxを設定する際の基準となった二次電池Mの複素インピーダンスZの測定条件と同一の測定条件で行われる。そして、CPU12aは、インピーダンス取得工程として、インピーダンス測定部11bが測定した二次電池Mの複素インピーダンスZの測定データを取得する。
続いて、CPU12aは、位相算出工程として、測定装置11から取得した二次電池Mの複素インピーダンスZの測定データの中から、低周波領域となる抵抗拡散領域に対応する周波数の複素インピーダンスZの位相θの値を読み出して算出する(ステップS12)。そして次に、CPU12aは、判定工程として、読み出した位相θの値が位相閾値θx以下であるか否かを判定する(ステップS13)。具体的には、CPU12aは、二次電池Mにおける抵抗拡散領域に対応する周波数の範囲内から読み出した複素インピーダンスZの位相θの中に位相閾値θx以下となる位相が含まれているか否かを判定する。
そして、CPU12aは、抵抗拡散領域に対応する周波数の範囲内において読み出した位相θの値の中に位相閾値θx以下のものがあるときには(ステップS13=YES)、判定対象の二次電池Mにメモリ効果が生じていると判定する(ステップS14)。一方、CPU12aは、読み出した位相θの値がすべて位相閾値θxよりも大きいときには(ステップS13=NO)、判定対象の二次電池Mにメモリ効果が生じていないと判定する(ステップS15)。その後、CPU12aは、二次電池Mにおけるメモリ効果の有無の判定結果を示す情報を出力装置13に出力した上で、図4に示す処理ルーチンを終了する。
次に、上記のように構成された電池状態判定装置12の作用について説明する。
本願の発明者は、二次電池Mにおける抵抗拡散領域に対応する周波数の複素インピーダンスZの位相θが二次電池Mにおけるメモリ効果の有無に応じて顕著に変化することを見出している。そこで、本実施の形態では、メモリ効果を生じている二次電池M及びメモリ効果を生じていない二次電池Mにおける複素インピーダンスZの位相θの周波数応答の変化を予め測定するとともに、この測定結果に基づき二次電池Mにおけるメモリ効果の有無を判定する際の基準となる位相閾値θxを予め設定している。そして、判定対象となる二次電池Mから取得した抵抗拡散領域に対応する周波数の複素インピーダンスZの位相θの値が予め設定した位相閾値θx以下であるか否かを判定することにより、二次電池Mにおけるメモリ効果の有無を判定している。そのため、使用済みの二次電池Mの中からメモリ効果が生じずに劣化の度合いが比較的低い二次電池Mが選別されることにより、使用済みの二次電池Mの再利用が適正に行われる。
特に、本実施の形態では、判定対象となる二次電池Mから複素インピーダンスZの抵抗拡散領域に対応する周波数の範囲内の位相θを読み出すとともに、読み出した位相θのうちに位相閾値θx以下である位相が含まれているか否かを判定している。そのため、複素インピーダンスZの抵抗拡散領域に含まれる特定の周波数での位相に基づく場合と比較して、二次電池Mにおけるメモリ効果の有無をより容易に判定することが可能となる。
また、本実施の形態では、判定対象となる二次電池Mに対して交流電圧又は交流電流を印加したときの二次電池Mの複素インピーダンスZの周波数応答に基づき、二次電池Mにおけるメモリ効果の有無を判定している。そのため、本実施の形態では、判定対象となる二次電池Mにおけるメモリ効果の有無を判定する際に、図2に示した充電時及び放電時の起電圧の変化の推移を測定する必要がない。すなわち、図2に示した推移を測定するためには、一般的に、数時間にかけて充放電を繰り返す必要があるが、本実施の形態では、このような充放電を行う必要がない。したがって、二次電池Mにおけるメモリ効果の有無を迅速に判定することが可能となる。
また、本実施の形態では、判定対象となる二次電池Mに対して交流電圧を印加したときに二次電池Mに流れる電流は微小である。そのため、本実施の形態では、判定対象となる二次電池Mにおけるメモリ効果の有無を判定する際に、二次電池MのSOCを変化させることがほとんどない。したがって、二次電池Mにおけるメモリ効果の有無を判定する際に、二次電池MのSOCの変化に伴って二次電池Mを劣化させることが抑えられる。
以上説明したように、上記実施の形態の電池状態判定装置によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)二次電池Mにおける複素インピーダンスZの抵抗拡散領域は、複素インピーダンスZの周波数応答のうち低周波数側に表れる部分であって、メモリ効果を生じた二次電池Mは抵抗拡散領域に対応する周波数の複素インピーダンスZの位相θがメモリ効果を生じていない二次電池Mよりも小さくなる。そこで、判定対象の二次電池Mにおける抵抗拡散領域に対応する周波数の複素インピーダンスZの位相θを取得し、該取得した複素インピーダンスZの位相θに基づき二次電池Mにおけるメモリ効果の有無を判定するようにした。これにより、メモリ効果の有無を容易に判定することができる。
(2)二次電池Mの複素インピーダンスZの抵抗拡散領域に対応する周波数の範囲内に位相閾値θx以下である位相θが含まれているか否かに基づき、二次電池Mにおけるメモリ効果の有無をより容易に判定することができる。
(3)判定対象となる二次電池Mの抵抗拡散領域に対応する周波数の複素インピーダンスZの位相θを、メモリ効果を生じていない二次電池Mにおける同一の周波数の複素インピーダンスZの位相θに基づき設定した位相閾値θxと比較し、二次電池Mにおけるメモリ効果の有無を判定するようにした。これにより、メモリ効果の有無を容易に判定する構成を実現できる。
(4)メモリ効果を生じた二次電池Mは、0.01Hz〜0.1Hzの周波数帯における複素インピーダンスZの位相θの変化が顕著となる。そこで、判定対象の二次電池Mにおける0.01Hz〜0.1Hzの複素インピーダンスZの位相θを取得し、該取得した複素インピーダンスZの位相θに基づき二次電池Mにおけるメモリ効果の有無を判定するようにした。これにより、メモリ効果の有無をより高精度に判定することができる。
(5)長期間に亘って使用したときにメモリ効果が比較的生じやすい二次電池Mであるニッケル水素蓄電池についてメモリ効果の有無を判定することにより、使用済みのニッケル水素蓄電池を適正に再利用することができる。
なお、上記実施の形態は、以下のような形態にて実施することもできる。
・上記実施の形態では、メモリ効果を生じている二次電池Mにおける抵抗拡散領域に対応する周波数の複素インピーダンスZの位相θと、メモリ効果を生じていない二次電池Mにおける抵抗拡散領域に対応する周波数の複素インピーダンスZの位相θとの間となる位相を位相閾値θxとして設定した。ただし、メモリ効果を生じていない二次電池Mにおける抵抗拡散領域に対応する周波数の複素インピーダンスZの位相θが予め求まっているのであれば、この位相θよりも少しだけ小さい値を位相閾値θxとして設定してもよい。
・上記実施の形態において、二次電池Mにおける複素インピーダンスZの抵抗拡散領域に含まれる周波数であれば、特定の周波数における複素インピーダンスZの位相θのみに基づき二次電池Mにおけるメモリ効果の有無を判定してもよい。
・上記実施の形態において、判定対象の二次電池Mの使用時におけるSOCの使用範囲が定まっていたのであれば、二次電池MのSOCを調整せずに二次電池Mから複素インピーダンスZを取得してもよい。
・上記実施の形態では、比較的メモリ効果の生じやすいニッケル水素蓄電池を判定対象として説明した。しかし、メモリ効果を生じる二次電池であれば、ニッケル水素カドミウム電池等、他の二次電池を判定対象としてもよい。また、リチウムイオン電池等でも、微小ではあるがメモリ効果を生じる可能性があるため、本発明の判定対象となりうる。
10…電池状態判定システム、11…測定装置、11a…SOC調整部、11b…インピーダンス測定部、12…電池状態判定装置、12a…CPU、12b…ROM、12c…RAM、13…出力装置、F…測定周波数、θx…位相閾値、M…二次電池。

Claims (6)

  1. 二次電池におけるメモリ効果の有無を電池状態判定装置を用いて判定する電池状態判定方法であって、
    前記電池状態判定装置が、
    前記二次電池における抵抗拡散領域に対応する周波数の複素インピーダンスを取得するインピーダンス取得工程と、
    前記インピーダンス取得工程において取得された複素インピーダンスの周波数ごとの位相を算出する位相算出工程と、
    前記位相算出工程において算出された複素インピーダンスの位相のうち、前記二次電池における抵抗拡散領域に対応する周波数での位相が所定の閾値以下であるときに、前記二次電池にメモリ効果が生じていると判定する判定工程と
    を実行することを特徴とする電池状態判定方法。
  2. 前記判定工程では、前記位相算出工程において算出された複素インピーダンスの位相のうち、前記二次電池における抵抗拡散領域に対応する周波数の範囲内に前記閾値以下となる位相が含まれるときに、前記二次電池にメモリ効果が生じていると判定する請求項1に記載の電池状態判定方法。
  3. 前記閾値は、メモリ効果を生じていない二次電池における抵抗拡散領域に対応する周波数の複素インピーダンスの位相に基づき設定される請求項1又は請求項2に記載の電池状態判定方法。
  4. 前記二次電池における抵抗拡散領域に対応する複素インピーダンスの周波数の範囲が0.01Hz〜0.1Hzである請求項1〜3の何れか一項に記載の電池状態判定方法。
  5. 前記二次電池がニッケル水素蓄電池である請求項1〜4の何れか一項に記載の電池状態判定方法。
  6. 二次電池におけるメモリ効果の有無を判定する電池状態判定装置であって、
    前記二次電池における抵抗拡散領域に対応する周波数の複素インピーダンスを取得するインピーダンス取得部と、
    前記インピーダンス取得部が取得した複素インピーダンスの周波数ごとの位相を算出する位相算出部と、
    前記位相算出部が算出した複素インピーダンスの位相のうち、前記二次電池における抵抗拡散領域に対応する周波数における位相が所定の閾値以下であるときに、前記二次電池にメモリ効果が生じていると判定する判定部と
    を備えることを特徴とする電池状態判定装置。
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