JP2015197305A - 試料積載プレート - Google Patents

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Abstract

【課題】試料積載プレート上で試料が適正に濡れ広がることが可能な試料積載プレートを提供する。
【解決手段】基板上に試料を積載するための試料積載領域を備えた試料積載プレートであって、前記基板の表面には、直接または下地層を介して、前記基板または前記下地層より高い疎水性を備えた疎水層が形成され、前記疎水層には、前記試料を積載する側から前記基板側へと向かい前記基板または前記下地層が露出した底部を有する溝が形成されており、前記試料積載領域は前記溝により囲まれる領域により構成され、前記溝の周縁部の前記疎水層は、少なくとも前記基板または前記下地層を構成する成分からなる被覆層により被覆されている試料積載プレートとする。
【選択図】図2

Description

本発明は、試料を積載する試料積載プレートに関する。
質量分析におけるイオン化法の1つとして、マトリックス支援レーザ脱離イオン化(Matrix Assisted Laser Desorption/Ionization:MALDI)が知られている。MALDIでは、レーザ光を吸収しにくい分析対象物や、レーザ光で損傷を受けやすいタンパク質などの分析対象物を分析するために、レーザ光を吸収しやすく且つイオン化しやすい物質(マトリックス)に分析対象物を分散させたものを試料とし、この試料にレーザ光を照射することで、試料(マトリックスおよび分析対象物)をイオン化する。
MALDIを用いた質量分析装置では、一般に、サンプルプレート(またはターゲットプレート)と呼ばれる金属製のプレート上に試料を配置し、プレート上に配置された試料に対してレーザ光を照射する。このとき、金属プレートには、レーザ光の照射に伴って生じたイオンを加速させるために、必要に応じて電圧が印加される。
公報記載の従来技術として、導電性を有するステンレス鋼からなる矩形プレートの第1表面に、合成ろう、天然のろう、脂質、有機酸、エステル、ケイ素オイル、もしくはシリカポリマー等の疎水性コーティングを施してなるサンプルプレートを、MALDI分析に用いることが記載されている(特許文献1参照)。
また、他の公報記載の従来技術として、導電性を有するステンレス鋼からなる基板における第一の表面の少なくとも一部に、疎水性コーティングおよびマトリックスと境界ポリマーとの薄膜混合物のコーティングを含む複合コーティングを施してなるサンプルプレートを、MALDI分析に用いることが記載されている(特許文献2参照)。
特表2005−536743号公報 特開2007−502980号公報
ところで、液状試料をサンプルプレート(試料積載プレート)に積載する場合、試料が試料積載プレート上で適正に濡れ広がり、かつ試料積載領域に安定的に滞留することが重要である。試料積載プレートの濡れ性が不適切な場合は、例えばMALDIを利用した質量分析においては、分析結果に誤差を生じる懸念がある。すなわち、試料積載プレート上で試料の濡れ広がりが大きい場合は、試料積載領域(分析領域)における試料の密度が減少し、レーザ照射により生じるイオン量が少なくなる。一方で、試料の濡れ広がりが小さい場合は、試料積載領域全体に試料が行き渡らないため、分析を適切に行えないといった問題が生じる。
本発明は、試料積載プレート上で試料が適正に濡れ広がることが可能な試料積載プレートを提供することを目的とする。
本発明の試料積載プレートは、基板上に試料を積載するための試料積載領域を備えた試料積載プレートであって、前記基板の表面には、直接または下地層を介して、前記基板または前記下地層より高い疎水性を備えた疎水層が形成され、前記疎水層には、前記試料を積載する側から前記基板側へと向かい前記基板または前記下地層が露出した底部を有する溝が形成されており、前記試料積載領域は前記溝により囲まれる領域により構成され、前記溝の周縁部の前記疎水層は、少なくとも前記基板または前記下地層を構成する成分からなる被覆層により被覆されていることを特徴とする。このような構成とすることで、疎水層より親水性の高い基板や下地層が露出した溝の底部、および被覆層により、試料の濡れ広がりを適切に保つことができるとともに、試料を安定的に滞留することが可能となる。
さらに、前記被覆層は、前記基板または前記下地層が溶融した際に発生する溶融飛散物により構成されることを特徴とする。さらに、前記溝はレーザーレーザ加工により形成され、前記溶融飛散物は前記溝を形成する前記レーザーレーザ加工によって形成されることを特徴とする。このような構成とすることで、
被覆層の形成を容易にすることが可能である。
また、前記基板は絶縁性であり、前記下地層は導電性を有することを特徴とする。このような構成とすることで、MALDI等の試料積載プレートに導電性を必要とする分析に適用することができる。
また、前記下地層は光の干渉に伴って前記基板とは異なる色を呈することを特徴とする。さらに、前記下地層は、金属材料で構成される金属層と可視領域において透明な材料で構成される透明層とを積層して構成されることを特徴とする。さらに、前記透明層が金属化合物で構成されることを特徴とする。このような構成とすることで、試料積載プレート上に試料を載置した際の視認性を向上させることができる。
本発明によれば、積載された試料が分析領域内に過不足なく濡れ広がることが可能な試料積載プレートを提供することできる。
(a)、(b)は、本発明の実施の形態が適用される試料積載プレートの全体構成例を示した図である。 試料積載プレートの層構成を説明するための断面図である。 (a)、(b)は、試料積載プレートにおける導電干渉層の構成例を説明するための図である。 (a)〜(c)は、試料積載プレートにおける、1つのアイランドマーク周辺の構成を説明するための図である。 MALDI−TOFMS装置の構成例を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<試料積載プレートの構成>
図1は、本実施の形態が適用される試料積載プレート100の全体構成例を示す図である。ここで、図1(a)は試料を積載する側から試料積載プレート100をみた上面図であり、図1(b)は図1(a)におけるIB−IB断面図である。
本実施の形態の試料積載プレート100は、分析対象物を含む試料200(後述する図4参照)を積載した状態で、MALDI−TOFMS(Matrix Assisted Laser Desorption/Ionization - Time of Flight Mass Spectrometry:マトリックス支援レーザ脱離イオン化−飛行時間型質量分析)装置1(後述する図5参照)に装着され、使用される。
この試料積載プレート100は、表面および裏面を有することで板状に形成された基板110と、基板110の表面を覆うように積層されるとともに、その一部には複数の溝130が形成されてなる積層膜120とを備えている。
ここで、試料積載プレート100を構成する基板110は、図1(a)に示すように、横長の長方形において下方に位置する2つの角部を、それぞれ長方形状に打ち抜いた形状を有している。これを別の観点からみれば、基板110は、それぞれが横長となる長方形を、縦に2つ並べた形状を有しているともいえる。そして、試料積載プレート100において、積層膜120は、溝部130の形成部位を除いた基板110の表面を覆うようになっている。なお、この例において、基板110の裏面には、積層膜120等が設けられておらず、基板110の裏面の全体が外部に露出するようになっている。
また、図1(b)に示すように、試料積載プレート100のうち積層膜120に対して溝部130が形成されている部位には、基板110の表面が外部に露出するようになっている。この例において、溝130の幅は数十μm〜数百μmとなっている。
そして、本実施の形態の試料積載プレート100では、積層膜120に形成される複数の溝部130によって、基板110における表面側に、図1(a)に示す各種マーキングが施されている。
より具体的に説明すると、まず、試料積載プレート100の表面側且つ中央部には、複数の溝部130によって、それぞれがC字状の形状を有するアイランドマーク131が、縦6行×横8列(合計48個)に並べて形成されている。本実施の形態の試料積載プレート100において、各アイランドマーク131の直径は2mmであり、縦あるいは横に隣接する2つのアイランドマーク131同士の間隔も2mmである。
また、試料積載プレート100の表面側において、6行×8列に並べられた複数のアイランドマーク131の左側には、複数の溝部130によって、各アイランドマーク131の行位置を示す行アドレスマーク132が形成されている。なお、この例においては、1行目〜6行目のそれぞれに対し、行アドレスとして、アルファベットの「A」〜「F」がそれぞれ付されている。
さらに、試料積載プレート100の表面側において、6行×8列に並べられた複数のアイランドマーク131の上側には、複数の溝部130によって、各アイランドマーク131の列位置を示す列アドレスマーク133が形成されている。なお、この例においては、1列目〜8列目のそれぞれに対し、列アドレスとして、アラビア数字の「1」〜「8」がそれぞれ付されている。
また、試料積載プレート100の表面側において、6行×8列に並べられた複数のアイランドマーク131の下方左側には、複数の溝部130によって、この試料積載プレート100に付与されたシリアルナンバー134(この例では「000535」)が形成されている。さらに、試料積載プレート100の表面側において、6行×8列に並べられた複数のアイランドマーク131の下方右側には、複数の溝部130によって、この試料積載プレート100に付与されたコードを含むバーコード135が形成されている。
さらにまた、試料積載プレート100の表面側において、6行×8列に並べられた複数のアイランドマーク131のうち、四隅となる部位の近傍および中央部の5カ所には、複数の溝部130によって、それぞれが十字状の形状を有し、後述するMALDI−TOFMS装置1(図5参照)において試料積載プレート100を位置決めする際の目印となるアライメントマーク136が形成されている。
図2は、図1に示す試料積載プレート100の層構成を説明するための断面図(図1(b)の要部拡大図)である。
上述したように、本実施の形態の試料積載プレート100は、基板110と、基板110の表面を覆うように積層されるとともに、その一部には複数の溝130(図2には1つの溝130のみを示す)が形成されてなる積層膜120とを有している。
ここで、基板110は、絶縁性を有するセラミックス材料によって構成される。なお、本実施の形態では、基板110が純度96%程度のアルミナセラミックスにて構成されており、その厚さは800μmであって、その表面および裏面の平坦性は5μm以下となっている。ただし、この例では、基板110がセラミックス材料によって構成されていることから、基板110の表面および裏面には、セラミックス(アルミナ)の粒および粒界の存在に起因する微少な凹凸が存在している。そして、基板110は、太陽光等の白色光を照射した際に、白色を呈するようになっている。
また、積載層の一例としての積層膜120は、導電性を有するとともに白色光を照射した際に光干渉により所定の色を呈するように構成され、基板110の上に積層される導電干渉層(下地層)121と、基板110よりも高い疎水性を有するとともに導電干渉層121の上に積層され、その上には試料200(後述する図4参照)を積載する疎水層122とを有している。
そして、本実施の形態の導電干渉層121は、導電性を有する金属材料で構成されるとともに基板110の上に積層される第1金属層1211と、可視領域において透明な無機材料で構成されるとともに第1金属層1211の上に積層される第1透明層1212と、導電性を有する金属材料で構成されるとともに第1透明層1212の上に積層される第2金属層1213と、可視領域において透明な無機材料で構成されるとともに第2金属層1213上に積層され、さらに疎水層122の積層対象となる第2透明層1214とを備える。
ここで、導電干渉層121を構成する第1金属層1211、第1透明層1212、第2金属層1213および第2透明層1214の各構成は、要求される導電性および呈すべき色に応じて、適宜設計変更することができる。ただし、導電干渉層121が呈すべき色は、白色、灰色および黒色などの無彩色を除いた有彩色(赤色、橙色、黄色、緑色、青色、藍色、紫色など)であることが好ましい。
なお、本実施の形態においては、第1金属層1211および第2金属層1213が金属層としての機能を有しており、第1透明層1212および第2透明層1214が金属化合物層あるいは透明層としての機能を有している。
また、本実施の形態の疎水層122は、Si(シリコン)、C(炭素)およびF(フッ素)を含む疎水材によって構成されている。疎水層122を構成する疎水材の水の接触角は110°となっており、疎水層122の厚さは1nm〜2nm程度である。なお、本実施の形態では、上述した基板110や導電干渉層120の各層が、この疎水層122よりも親水性が高く設定されたもの(この例ではアルミナ)によって構成されていることになる。
さらに本実施形態の試料積載プレート100は、溝130の周縁部の疎水層122上に、基板110と導電干渉層121を構成する成分からなる被覆層140を有する。被覆層140は、基板110や導電干渉層121を構成する成分からなるため、疎水層122より親水性が高く、導電性を示す。また被覆層140は、可視領域において透明となるような厚さにて形成されており、導電干渉層の色彩を損なうことがないよう構成されている。
次に導電干渉層121の構成例を説明する。図3は、上記導電干渉層121の構成例を説明するための図である。ここで、図3(a)は濃紺色を呈する導電干渉層121が得られる第1の構成例を、図3(b)は青色を呈する導電干渉層121が得られる第2の構成例を、それぞれ示している。
図3(a)に示す第1の構成例において、第1金属層1211はNi(ニッケル)で構成されるとともに、その厚さは39nmに設定される。また、第1透明層1212はAl(アルミナ)で構成されるとともに、その厚さは64nmに設定される。さらに、第2金属層1213はTi(チタン)で構成されるとともに、その厚さは8nmに設定される。さらにまた、第2透明層1214はSiO(シリカ)で構成されるとともに、その厚さは68nmに設定される。
一方、図3(b)に示す第2の構成例において、第1金属層1211はAl(アルミニウム)で構成されるとともに、その厚さは250nmに設定される。また、第1透明層1212はTiO(チタニア)で構成されるとともに、その厚さは66nmに設定される。さらに、第2金属層1213はNi(ニッケル)で構成されるとともに、その厚さは9nmに設定される。さらにまた、第2透明層1214はSiO(シリカ)で構成されるとともに、その厚さは135nmに設定される。
本実施の形態では、導電干渉層121として、金属層(より具体的には第1金属層1211および第2金属層1213)および透明層(より具体的には第1透明層1212および第2透明層1214)の積層構造を採用することで、外部から入射してくる光(白色光)のうちの特定の波長を、光干渉によって反射するようになっている。ここで、光干渉の度合い(どの波長の光を反射するか)は、導電干渉層121を構成する各層の構成材料(屈折率)および厚さの、相互関係によって決まる。これにより、図3(a)に示す第1の構成例を採用した導電干渉層121は濃紺色を呈することとなり、図3(b)に示す第2の構成例を採用した導電干渉層121は青色を呈することになる。したがって、導電干渉層121の積層構造(構成材料(屈折率)および厚さ)を適宜変更することにより、所望の色(有彩色)を呈する導電干渉層121を得ることが可能になる。
また、本実施の形態では、試料積載プレート100が、白色を呈するアルミナセラミックスで構成される基板110の上に、有彩色(例えば上述した濃紺色あるいは青色)を呈する積層膜120を積載して構成されており、積層膜120に対し溝部130が形成された部位には、基板110が露出している。このため、各溝部130によって試料積載プレート100に形成されるアイランドマーク131、行アドレスマーク132、列アドレスマーク133、シリアルナンバー134、バーコード135およびアライメントマーク136(すべて図1参照)は白色を呈することになり、有彩色を呈する積層膜120とのコントラストによって、これら各マーキングの視認性が高められている。
ここで、図3(a)に示す第1の構成例および図3(b)に示す第2の構成例の両者において、導電干渉層121の最上層となる第2透明層1214をSiO(シリカ)で構成しているのは、次の理由による。
本実施の形態の試料積載プレート100では、図2等にも示したように、導電干渉層120を構成する第2透明層1214の上に、疎水層122が形成される。試料積載プレート100において、導電干渉層121からの疎水層122の剥がれを抑制するためには、導電干渉層121と疎水層122との密着性を高める必要がある。
本実施の形態では、疎水層122として、上述したようにSi(シリコン)を含む疎水材が用いられる。そこで、本実施の形態では、導電干渉層121のうち、疎水層122の積層対象となる第2透明層1214として、疎水層122と同じSi(シリコン)を含むSiO(シリカ)を用いることで、導電干渉層121と疎水層122との密着性を高め、試料積載プレート100からの疎水層122の剥がれを抑制している。
なお、図3(a)、(b)に示す例では、導電干渉層121を構成する第1金属層1211と第2金属層1213とを、異なる金属材料にて構成していたが、これに限られるものではなく、同じ金属材料で構成してもかまわない。また、図3(a)、(b)に示す例では、導電干渉層121を構成する第1金属層1211と第2金属層1213とを、それぞれ単一金属(純金属)で構成するようにしていたが、これに限られるものではなく、いずれか一方あるいは両方を合金で構成するようにしてもかまわない。
さらに、図3(a)、(b)に示す例では、導電干渉層121を構成する第1透明層1212と第2透明層1214とを、異なる無機材料にて構成していたが、これに限られるものではなく、同じ無機材料で構成してもかまわない。さらにまた、図3(a)、(b)に示す例では、導電干渉層121を構成する第1透明層1212と第2透明層1214とを、それぞれ金属酸化物で構成するようにしていたが、これに限られるものではなく、いずれか一方あるいは両方を金属窒化物や金属フッ化物などの無機材料で構成するようにしてもかまわない。そして、図3(a)、(b)に示す例では、導電干渉層121を構成する第1透明層1212と第2透明層1214とを、絶縁性を有する材料で構成していたが、これに限られるものではなく、いずれか一方あるいは両方をITO(酸化インジウムチタン)などの導電性を有する無機材料にて構成するようにしてもかまわない。
図4は、図1に示す試料積載プレート100における、1つのアイランドマーク131周辺の構成を説明するための図である。ここで、図4(a)は試料を積載する側から試料積載プレート100をみた上面図であり、図4(b)は図4(a)におけるIVB−IVB断面図であり、図4(c)は図4(a)におけるIVC−IVC断面図である。
なお、図4には、試料積載プレート100に積載される試料200も、併せて示している。
本実施の形態の試料積載プレート100において、積層膜120は、C字状に形成された溝130によって得られたアイランドマーク131の内側に位置する島状部120aと、アイランドマーク131の外側に位置することによって島状部120aを包囲する包囲部120bとを有している。また、溝130の周縁部には被覆層140を有している。ただし、積層膜120に対してアイランドマーク131がC字状に形成されていることにより、島状部120aと包囲部120bとは、完全に分断されているわけではなく、一部において一体化した(連結した)状態を維持している。なお、この例において、1つの試料積載プレート100には、48個のアイランドマーク131が形成されている(図1参照)ことから、島状部120aも48個存在している。そして、この試料積載プレート100には、積載領域の一例としての48個の島状部120aのそれぞれに対して、試料200が積載され得るようになっている。
<試料>
ではここで、本実施の形態の試料積載プレート100に積載される試料200について説明しておく。
後述するMALDI−TOFMS装置1(図5参照)が採用するMALDI(Matrix Assisted Laser Desorption/Ionization:マトリックス支援レーザ脱離イオン化)では、特定波長(例えば紫外)で発振するレーザを特異的に吸収するマトリックス中に、分析対象物を分散させ且つ固化させたものを試料200として用いる。ここで、分析対象物としては、生体から取り出された血液、唾液、痰あるいは尿等の検体や、各種有機化合物等が挙げられる。
また、MALDIにおいて、紫外線レーザを用いる場合に使用されるマトリックスとしては、SA(sinapinic acid)、CHCA(α-cyano-4-hydroxycinnamic acid)、DHBA(2,5-dihydroxybenzoic acid)、HABA(2-(4-hydroxy phenylazo) benzoic acid)等が挙げられる。
なお、ここでは、試料200が、分析対象物とマトリックスとを含むものとして説明を行ったが、必要に応じて、試料200に、さらにイオン化助剤を添加することもできる。
<試料積載プレートに対する試料の積載方法>
続いて、試料積載プレート100に対する試料200の積載方法について説明を行う。
ここでは、まず、溶媒とマトリックスと分析対象物とを混合してマトリックス中に分析対象物を分散させることにより、液体状の試料200を準備する。液体状の試料200の作製においては、分析対象物に対してマトリックスを過剰に供給する。ここで、マトリックスは白色を呈するものであるため、得られる試料200も白色を呈するようになっている。
なお、本実施の形態では、1つの試料積載プレート100に48個の島状部120aが設けられており、各島状部120aに対しそれぞれ試料200を積載することが可能である。したがって、1つの試料積載プレート100に対し、分析対象物が異なる試料200を、最大で48種類積載することができる。
次に、積層膜120が上方を向くように試料積載プレート100を設置する。そして、試料積載プレート100における各島状部120aに対し、液体状の試料200を供給する。このとき、供給先となる島状部120aは、有彩色を呈する島状部120aに対応して設けられた、白色を呈するアイランドマーク131(溝130)によって、その判別が容易になっている。なお、液体状の試料200は、例えば滴下によって島状部120aに供給してもよいし、例えば塗布によって島状部120aに供給してもかまわない。
島状部120aに供給された液体状の試料200は、重力の影響により、島状部120aの面に沿って放射状に広がろうとする。ただし、液体状の試料200は、島状部120aの最上部に位置する疎水層122に供給されていることから、液体状の試料200には、疎水層122により、この放射状の広がりを抑制しようとする力も働く。そして、液体状の試料200を放射状に広げようとする力が、放射状の広がりを抑止しようとする力に打ち勝った場合、液体状の試料200は、島状部120aから包囲部120bに向けて広がっていくことになる。
ここで、本実施の形態では、島状部120aの外側すなわち包囲部120bと対向する部位に、溝130によるアイランドマーク131が形成されている。このため、島状部120aから包囲部120bへと向かう試料200は、包囲部120bに到達する前に、アイランドマーク131を構成する溝130の周縁部の被覆層140、および溝130の内部へと入り込み、底となる部位すなわち基板110が露出する部位へと到達する。このとき、本実施の形態では、基板110が、上記疎水層122よりも親水性が高いアルミナで構成されていることから、被覆層140や溝130の内部に進入した試料200は、安定した状態で被覆層140上や溝130内に滞留する。その結果、アライメントマーク131を構成する溝部130、被覆層140を設けない場合と比較して、島状部120aから包囲部120bへと移動する試料200を少なくすることが可能となり、試料積載プレート100上での試料200の広がりを抑えること、ひいては、試料積載プレート100上において隣接する2つの試料200が混ざり合ってしまうことを回避することが可能になる。
ここで、試料積載プレート100上での試料200の広がりや試料積載領域における安定的な滞留を適切にすることは、溝130の幅(親水性の基板110の露出する部位)を調整することのみでも可能であるが、本発明では溝130および被覆層140を形成することでその調整を可能としている。このような構成によれば、溝130の幅を広く形成することが困難な場合、例えば構造的に溝130の幅を広くとれない、幅広の溝130形成による加工時間の増加等の場合において特に有効である。
そして、試料積載プレート100に対し、必要数の試料200の供給が終了した後、試料積載プレート100における各島状部120aに積載された各試料200を乾燥、固化させる。試料積載プレート100上で固化した各試料200は、引き続き白色を呈するものとなっている。
以上により、試料積載プレート100に対する各試料200の積載(固定)が完了する。
<試料積載プレートの製造方法>
次に、図1等に示す試料積載プレート100の製造方法について説明する。
(基板形成工程)
最初に、基板110の形成を行う。具体的に説明すると、図1に示す形状に予め成型、焼成された基板110の母材に対し、その表面のおよび裏面に対する研磨を行い、厚さを800μmとし且つ平坦性を5μm以下に設定した基板110を得る。
(積層膜形成工程)
次に、上記基板形成工程によって得られた基板110の表面に対し、導電干渉層121および疎水層122を含む積層膜120を形成する。なお、この例において、第1金属層1211、第1透明層1212、第2金属層1213および第2透明層1214を含む導電干渉層121と、疎水層122とは、複数の蒸着源を搭載可能な電子ビーム蒸着装置を用いることで、1バッチのプロセスにて順次積層されるようになっている。
具体的に説明すると、被覆層形成工程のうち、導電干渉層121を形成するプロセスでは、図示しないチャンバ内に配置された基板110の表面に対し、各層に対応する金属材料を蒸着源とし、第1金属層1211および第2金属層1213については高真空中で、また、第1透明層1212および第2透明層1214については酸素雰囲気中で、それぞれ電子ビーム蒸着を行うことにより、順次、目的とする各層を得る。
また、被覆層形成工程のうち、疎水層122を形成するプロセスでは、図示しないチャンバ内に配置されるとともに、上記プロセスによって基板110の表面に既に形成済となっている導電干渉層121(より詳細には第2透明層1214)の露出面に対し、Si(シリコン)、C(炭素)およびF(フッ素)を含む疎水材をスチールウールに含ませたものを蒸着源とし、高真空中で電子ビーム蒸着を行う。そして、スチールウールから蒸発した疎水材が第2透明層1214の上に付着することにより、目的とする疎水層122を得る。なお、被覆層形成工程においては、必要に応じて、基板110を加熱することも可能である。以上により、基板110における表面の全面にわたって、積層膜120が形成される。
(溝/被覆層形成工程)
続いて、上記被覆層形成工程により、基板110の表面に形成された積層膜120に対し、Nd−YAGレーザ(発振波長:1054nm)の2次高調波(532nm)を用いて、その照射位置を順次移動させていくことで、溝130の形成を行う。このとき、照射されたレーザによって積層膜120が除去され、基板110の表面が外部に露出する溝130が形成されるように、レーザのパワーや照射時間等が決められる。
そして、基板110の表面に形成された積層膜120に対し、上記プロセスによって複数の溝130を順次形成していく。その結果、基板110上に積層された積層膜120には、複数の溝130によって、アイランドマーク131、行アドレスマーク132、列アドレスマーク133、シリアルナンバー134、バーコード135およびアライメントマーク136が設けられる。
また、溝130の形成の際、レーザ加工に伴い発生した熱と物理衝撃により、積層膜120や基板110が溶融、飛散し、溝130の周縁部の疎水層122上には、その溶融飛散物が固着した被覆層140が形成される。被覆層140には基板110や導電干渉層121の成分が含まれるため、溝130と同様に親水性であると共に、導電性も示す。被覆層140の厚みや幅は、レーザのパワーや照射時間等により決められる。以上により、図1等に示す試料積載プレート100が得られる。
<MALDI−TOFMS装置の構成>
図5は、MALDI−TOFMS装置1の構成例を示す図である。
このMALDI−TOFMS装置1は、分析対象物を含む試料200を、MALDI(Matrix Assisted Laser Desorption/Ionization)によってイオン化するとともに、試料200をイオン化して得られた各イオンを、TOFMS(Time of Flight Mass Spectrometry)によって時間的に分離して検出する方式を採用した質量分析装置である。
このMALDI−TOFMS装置1は、試料200が積載された試料積載プレート100を保持するプレート保持部10と、プレート保持部10に保持された試料積載プレート100に積載された試料200にレーザ光を照射するレーザ光源20と、レーザ光の照射に伴って試料200から脱離した、試料200をイオン化して得られた各イオンの飛行経路となる飛行空間を形成することで、各イオンの質量分離を行う質量分離部30と、質量分離部30における飛行空間を経て到達した各イオンを時系列的に検出する検出部40とを備える。
これらのうち、プレート保持部10は、基板110の裏面側を介して試料積載プレート100を搭載するとともに、図5に示すx方向およびx方向に直交するy方向に移動可能に設けられた可動基部11と、それぞれがフック状の形状を有し且つ可動基部11に取り付けられるとともに可動基部11に搭載された試料積載プレート100を挟み込んで保持するクランプ12とを備える。ここで、各クランプ12の自由端側は、可動基部11上に試料積載プレート12を搭載した状態で、試料積載プレート100における試料200の積載面側すなわち積層膜120(図1参照)と接触するようになっている。
本実施の形態において、プレート保持部10を構成する可動基部11およびクランプ12は、ともに導電性を有する金属材料で構成されている。そして、プレート保持部10には、図示しない電源より、可動基部11を介して第1電圧V1が印加されるようになっている。したがって、可動基部11に印加される第1電圧V1は、クランプ12を介して、試料積載プレート100に設けられた積層膜120にも伝達されるようになっている。また、本実施の形態において、プレート保持部10は、可動基部11を介してx方向およびy方向に移動することにより、レーザ光源20からのレーザの照射位置(測定対象位置)に存在する試料200を変更できるようになっている。
次に、レーザ光源20は、パルス発振にて動作する紫外レーザの1種である窒素ガスレーザ(発振波長:337nm)にて構成される。なお、レーザ光源20の発振波長は、試料200を構成するマトリックスの吸収波長に応じて変わり得る。したがって、試料200を構成するマトリックスの種類によっては、窒素ガスレーザとは異なる別のレーザを用いることもあり得る。
さらに、質量分離部30は、プレート保持部20に対向して配置される第1グリッド31と、第1グリッド31に対向して配置される第2グリッド32と、第2グリッド32と検出部40とに対向して配置されるエンドプレート33とを備える。ここで、これら第1グリッド31、第2グリッド32およびエンドプレート33は、それぞれ、金属製の枠体に金属製のグリッドを装着して構成されており、レーザ光源20からのレーザの照射位置に存在する試料200からみて、z方向(x方向とy方向とに直交する方向)の下流側に配置されている。そして、第1グリッド31には、図示しない電源により、第2電圧V2が印加されるようになっている。一方、第2グリッド32およびエンドプレート33は接地されている。
さらにまた、検出部40は、エンドプレート33に対向し、レーザ光源20からのレーザの照射位置に存在する試料200からみて、質量分析部30よりもさらにz方向の下流側に配置されている。
なお、特に図示はしていないが、MALDI−TOFMS装置1において、試料積載プレート100を保持したプレート保持部10、質量分離部30および検出部40は、通常、高真空に設定されたチャンバの内部に配置されるようになっており、飛行空間においてガスの粒子等が飛行の障害とはならないようにされる。
<MALDI−TOFMS装置による質量分析動作>
では、図5に示すMALDI−TOFMS装置1による質量分析動作について、簡単に説明を行う。
質量分析動作を開始する前の状態において、プレート保持部10には、各試料200を積載した試料積載プレート100が取り付けられる。そして、試料積載プレート100を装着した状態で、プレート保持部10の可動基部10をx方向およびy方向に移動させることで、分析の対象となる試料200を測定対象位置に配置する。
また、質量分析動作を開始する前の状態において、プレート保持部10に印加される第1電圧V1、および、質量分離部30における第1グリッド31に印加される第2電圧V2を、同じ大きさ(≠0)に設定する。
そして、質量分析動作の開始に伴い、レーザ光源20から測定対象位置に存在する試料200に向けてレーザ光を照射する。すると、レーザ光が照射された試料200においては、試料200におけるマトリックスがレーザ光を吸収することに伴い、試料200を構成するマトリックスおよび分析対象物がともにイオン化し、z方向に向かって飛行し始める。
このとき、試料積載プレート100を保持するプレート保持部10とプレート保持部10に対向して配置される第1グリッド31とには、上述したように同じ大きさの電圧(第1電圧V1=第2電圧V2)が供給されている。そして、プレート保持部10の可動基部11に印加される第1電圧V1は、クランプ12を介して試料積載プレート100に設けられた積層膜120にも供給される。ここで、積層膜120には、導電性を有する第1金属層1211および第2金属層1213(図2参照)が設けられていることから、積層膜120の電位と、積層膜120に対向する第1グリッド31との電位差がほぼ0となる。その結果、積層膜120が設けられた試料積載プレート100側から第1グリッド31側へとz方向に飛行する各イオンは、電位差による加速がなされない状態で移動していく。
次に、プレート保持部10に供給する第1電圧V1と第1グリッド31に供給する第2電圧V2とに差をつける。なお、飛行するイオンが正に帯電するものである場合には、第1電圧V1>第2電圧V2とし、飛行するイオンが負に帯電するものである場合には、第1電圧V1<第2電圧V2とする。すると、プレート保持部10(積層膜120)と第1グリッド31との間をz方向に沿って飛行するイオンは、両者間の電位差によって加速された状態となり、さらに第2グリッド32およびエンドプレート33を通過して、検出部40へと到達する。
その際、例えば分子量が小さく軽いイオンは、より短い飛行時間にて検出部40に到達することになるが、例えば分子量が大きく重いイオンは、より長い飛行時間にて検出部40に到達することになる。すなわち、飛行するイオンの重さ(分子量の大きさ)に応じて、検出部40に到達する時間が変化することになる。そして、検出部40による検出結果は、図示しない解析装置(例えばコンピュータ装置)へと出力され、この解析装置により、試料200を構成する分析対象物に関する質量分析が行われることになる。
本実施の形態では、試料積載プレート100を構成する基板110として絶縁性を有するセラミックス材料を用いているので、プレート保持部10から基板110を介して、試料積載プレート100に積載される試料200に電圧を印加することは困難となっている。そこで、本実施の形態では、基板110上に形成されるとともに試料200を積載する対象となる積層膜120(より具体的には導電干渉層121)に導電性を持たせることで、試料200に対する電圧の印加を可能としている。さらに、本実施の形態では、積層膜120上に形成された被覆層140にも導電性を持たせることで、試料に対する電圧の印可を補助する構成としている。
また、本実施の形態では、試料積載プレート100に設けられた積層膜120のうち、アイランドマーク131の内側となる島状部120aに、試料200を積載している。ただし、上述したように、アイランドマーク131をC字状とすることで、島状部120aと包囲部120aとを一体化しているので、試料200を積載する島状部120aにも、第1電圧V1が印加されることになる。
ここで、試料積載プレート100では、導電層を構成する第1金属層1211および第2金属層1213がその表面には露出していないが、クランプ12を用いて可動基板11に試料積載プレート100を取り付ける際に形成される傷等によって、クランプ12と第2金属層1213および/または第1金属層1211とが直接接触し、これらの間で導通がとられることになるものと考えられる。
そして、本実施の形態では、試料積載プレート100に設けられた積層膜120の導電干渉層121に、有彩色を呈する機能と導電性を有する機能とを持たせるようにしたので、例えば両者を別々に設ける場合と比較して、試料積載プレート100の構成を簡略化することが可能になる。
また、本実施の形態では、試料積載プレート100における基板として、金属板ではなく、セラミックスで構成された板を採用した。これにより、本実施の形態の試料積載プレート100は、曲げ力やねじれ力に伴う変形が生じにくくなっている。それゆえ、本実施の形態の試料積載プレート100は、基板110上に形成される積層膜120の平坦性を、長期にわたって維持することが可能となる。また、本実施の形態の試料積載プレート100を保持プレート10に装着した際の、試料積載プレート100の変形も抑制されることになる。
なお、本実施の形態では、基板110としてアルミナセラミックスを用いていたが、これに限られるものではない。
また、本実施の形態では、電子ビーム蒸着法を用いて、積層膜120を構成する各層の形成を行うようにしていたが、これに限られるものではなく、他の成膜法を用いてもかまわない。
また、本実施の形態では、溝130の底部において基板110の表面が露出した構造としたが、積層膜120を構成する各層のいずれかを溝130の底部として露出させた構成してもかまわない。
さらに、本実施の形態では、レーザ加工法を用いて試料積載プレート100に溝130を形成するようにしていたが、これに限られるものではなく、他の手法を用いた形成を行ってもかまわない。
また、本実施の形態では、MALDIに用いるサンプルプレートとして試料積載プレート100を説明したが、これに限られるものではなく、液状の試料を積載するためのプレートに広く活用することができる。
1…MALDI−TOFMS装置、10…プレート保持部、20…レーザ光源、30…質量分離部、40…検出部、100…試料積載プレート、110…基板、120…積層膜120a…島状部、120b…包囲部、121…導電干渉層、122…疎水層、130…溝、131…アイランドマーク、132…行アドレスマーク、133…列アドレスマーク、134…シリアルナンバー、135…バーコード、136…アライメントマーク、140…被覆層、200…試料、1211…第1金属層、1212…第1透明層、1213…第2金属層、1214…第2透明層

Claims (7)

  1. 基板上に試料を積載するための試料積載領域を備えた試料積載プレートであって、
    前記基板の表面には、直接または下地層を介して、前記基板または前記下地層より高い疎水性を備えた疎水層が形成され、
    前記疎水層には、前記試料を積載する側から前記基板側へと向かい前記基板または前記下地層が露出した底部を有する溝が形成されており、
    前記試料積載領域は前記溝により囲まれる領域により構成され、
    前記溝の周縁部の前記疎水層は、少なくとも前記基板または前記下地層を構成する成分からなる被覆層により被覆されていることを特徴とする試料積載プレート。
  2. 前記被覆層は、前記基板または前記下地層が溶融した際に発生する溶融飛散物により構成されることを特徴とする請求項1記載の試料積載プレート。
  3. 前記溝はレーザ加工により形成され、前記溶融飛散物は前記溝を形成する前記レーザ加工によって形成されることを特徴とする請求項2記載の試料積載プレート。
  4. 前記基板は絶縁性であり、前記下地層は導電性を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の試料積載プレート。
  5. 前記下地層は光の干渉に伴って前記基板とは異なる色を呈することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の試料積載プレート。
  6. 前記下地層は、金属材料で構成される金属層と可視領域において透明な材料で構成される透明層とを積層して構成されることを特徴とする請求項5記載の試料積載プレート。
  7. 前記透明層が金属化合物で構成されることを特徴とする請求項6記載の試料積載プレート。
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