以下、本発明の導電性高分子組成物、導電層及び導電体について説明する。始めに、本発明の導電性高分子組成物について説明する。
[導電性高分子組成物(X)]
当該導電性高分子組成物(X)は、導電性高分子化合物(A)及び上記式(1)で表されるメチロール化フェノール化合物(B)を含有する。当該導電性高分子組成物(X)は、ドーパント、溶媒又はバインダー樹脂をさらに含有することが好ましい。また、本発明の趣旨を損なわない限り、その他の任意成分を含有していてもよい。以下、各成分について説明する。
<導電性高分子化合物(A)>
導電性高分子化合物(A)は、分子鎖中に共役二重結合を有する共役系高分子から構成される。
(共役系高分子)
上記共役系高分子としては、例えばポリアセチレン、ポリジアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリフルオレン、ポリアズレン、ポリパラフェニレンサルファイド、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリイソチアナフテン、ポリアニリン、ポリパラフェニレンビニレン、ポリ(2,5−チエニレンビニレン)、複鎖型共役系高分子(ポリペリナフタレン等)、金属フタロシアニン系高分子、その他共役系高分子(ポリパラキシリレン等)、これらの共重合体等が挙げられる。
共役系高分子は、無置換でもよいが、導電性及びバインダー樹脂への分散性又は溶解性をより高めるために、官能基を導入したものであることが好ましい。上記官能基としては、例えばアルキル基、カルボキシル基、スルホ基、アルコキシル基、ヒドロキシル基、シアノ基等が挙げられる。
上記官能基を導入した共役系高分子としては、例えばポリ(3−メチルチオフェン)、ポリ(3−エチルチオフェン)、ポリ(3−プロピルチオフェン)、ポリ(3−ブチルチオフェン)、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)、ポリ(3−ヘプチルチオフェン)、ポリ(3−オクチルチオフェン)、ポリ(3−デシルチオフェン)、ポリ(3−ドデシルチオフェン)、ポリ(3−オクタデシルチオフェン)、ポリ(3−ブロモチオフェン)、ポリ(3−クロロチオフェン)、ポリ(3−ヨードチオフェン)、ポリ(3−シアノチオフェン)、ポリ(3−フェニルチオフェン)、ポリ(3,4−ジメチルチオフェン)、ポリ(3,4−ジブチルチオフェン)、ポリ(3−ヒドロキシチオフェン)、ポリ(3−メトキシチオフェン)、ポリ(3−エトキシチオフェン)、ポリ(3−ブトキシチオフェン)、ポリ(3−ヘキシルオキシチオフェン)、ポリ(3−ヘプチルオキシチオフェン)、ポリ(3−オクチルオキシチオフェン)、ポリ(3−デシルオキシチオフェン)、ポリ(3−ドデシルオキシチオフェン)、ポリ(3−オクタデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジヒドロキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジメトキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジエトキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジプロポキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジブトキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジヘキシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジヘプチルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジオクチルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジドデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)、ポリ(3,4−プロピレンジオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ブテンジオキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−メトキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−エトキシチオフェン)、ポリ(3−カルボキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシエチルチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシブチルチオフェン)、ポリ(N−メチルピロール)、ポリ(3−メチルピロール)、ポリ(3−エチルピロール)、ポリ(3−n−プロピルピロール)、ポリ(3−ブチルピロール)、ポリ(3−オクチルピロール)、ポリ(3−デシルピロール)、ポリ(3−ドデシルピロール)、ポリ(3,4−ジメチルピロール)、ポリ(3,4−ジブチルピロール)、ポリ(3−カルボキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシエチルピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシブチルピロール)、ポリ(3−ヒドロキシピロール)、ポリ(3−メトキシピロール)、ポリ(3−エトキシピロール)、ポリ(3−ブトキシピロール)、ポリ(3−ヘキシルオキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−ヘキシルオキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−ヘキシルオキシピロール)、ポリ(2−メチルアニリン)、ポリ(3−イソブチルアニリン)、スルホン化ポリアニリン等が挙げられる。
上記共役系高分子としては、導電性、反応性の点から、ポリチオフェン、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)、ポリピロール、ポリアニリン又はスルホン化ポリアニリンが好ましく、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)又はポリピロールがより好ましく、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)が特に好ましい。共役系高分子としてポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)又はポリピロールを用いることで、当該導電性高分子組成物の導電性がより向上し、耐熱性も向上する。
導電性高分子組成物(X)における導電性高分子化合物(A)の溶媒100質量部に対する含有量の上限としては、20質量部が好ましく、10質量部がより好ましい。一方、上記含有量の下限としては、0.001質量部が好ましく、0.005質量部がより好ましい。上記含有量が上記上限を超えると、導電性高分子組成物(X)の粘度が高くなり、取り扱い難くなるおそれがある。逆に、上記含有量が上記下限未満の場合、得られる導電体の導電性が低下するおそれがある。
<メチロール化フェノール化合物(B)>
メチロール化フェノール化合物(B)は、下記式(1)で表される化合物である。
上記式(1)中、R1〜R4は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシル基、スルホ基、アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、アリル基又はフェニル基である。
R5及びR6は、それぞれ独立して、水素原子又はアルキル基である。
Xは、アミド基、エーテル基、カルボニル基、キシレニル基、スルフィド基、スルホニル基、ジスルフィド基、シクロアルキレン基、フェニレン基又は下記式(2)で表される基である。
a、b及びdは、それぞれ独立して、1又は2である。cは、0以上2以下の整数である。mは、0以上2以下の整数である。ただし、c及びmは同時に0となることはない。nは、0又は1である。また、a、b、c、d及びmは、下記式(I)及び(II)を満たす。
2≦a+c+m≦4 (I)
2≦b+d≦3 (II)
上記式(2)中、R7は、水素原子、アルキル基、フルオロアルキル基、シクロアルキル基又はフェニル基である。
Yは、水素原子、アルキル基、フルオロアルキル基、シクロアルキル基、フェニル基、アダマンチル基又は下記式(3)で表される基である。
ただし、YとR7とは互いに結合してシクロアルカン構造又はフルオレン構造を形成していてもよい。)
上記式(3)中、R8及びR9はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシル基、スルホ基、アルキル基、シクロアルキル基、アリル基又はフェニル基である。
R10は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、フェニル基又はベンジル基である。
R11は、水素原子又はアルキル基である。
e及びfはそれぞれ独立して0以上2以下の整数であり、下記式(III)を満たす。
0≦e+f≦3 (III)
上記R1〜R4で表されるハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
上記R1〜R4で表されるアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等の炭素数1〜6のアルキル基が挙げられる。
上記R1〜R4で表されるアルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、ヒドロキシエトキシ基、プロポキシ基、ヒドロキシプロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等の炭素数1〜4のアルコキシ基が挙げられる。
上記R1〜R4で表されるシクロアルキル基としては、例えばシクロヘキシル基等が挙げられる。
R1〜R4としては、それぞれ独立して水素原子、アルキル基又はアルコキシ基が好ましい。
上記R5及びR6で表されるアルキル基としては、例えば上記R1〜R4において例示したものと同様の基等が挙げられる。
上記Xで表されるシクロアルキレン基としては、例えばシクロヘキシレン基等が挙げられる。
Xとしては、エーテル基、カルボニル基、スルフィド基、スルホニル基又は上記式(2)で表される基が好ましい。
上記cとしては1又は2が好ましく、上記mとしては0又は1が好ましい。さらに、mが0の場合にcが2であるか、若しくはmが1の場合にcが1又は2であることが好ましい。
上記R7で表されるアルキル基、アルコキシ基又はシクロアルキル基としては、例えば上記R1〜R4において例示したものと同様の基等が挙げられる。
上記R7で表されるフルオロアルキル基としては、例えばトリフルオロメチル基等が挙げられる。
R7としては、水素原子、アルキル基又はフルオロアルキル基が好ましい。
上記Yで表されるアルキル基又はシクロアルキル基としては、例えば上記R1〜R4において例示したものと同様の基等が挙げられる。
上記Yで表されるフルオロアルキル基としては、例えば上記R7において例示したものと同様の基等が挙げられる。
Yとしては、水素原子、アルキル基、フルオロアルキル基又は上記式(3)で表される基が好ましい。
上記R8及びR9で表されるハロゲン原子、アルキル基及びシクロアルキル基としては、例えば上記R1〜R4において例示したものと同様の基等が挙げられる。
上記R10で表されるアルキル基又はシクロアルキル基としては、例えば上記R1〜R4において例示したものと同様の基等が挙げられる。
上記R11で表されるアルキル基としては、例えば上記R1〜R4において例示したものと同様の基等が挙げられる。
R8〜R11としては、それぞれ独立して水素原子又はアルキル基が好ましい。
上記式(1)で表されるメチロール化フェノール化合物(B)としては、例えば主骨格に1個の芳香環を有する単核メチロール化フェノール化合物、主骨格に2個の芳香環を有する2核メチロール化フェノール化合物、主骨格に3個の芳香環を有する3核メチロール化フェノール化合物等が挙げられる。
上記単核メチロール化フェノール化合物としては、例えば2,6−ジヒドロキシメチル−4−メチルフェノール、4,6−ジヒドロキシメチル−2−メチルフェノール、2,6−ジヒドロキシメチル−3,4−ジメチルフェノール、4,6−ジヒドロキシメチル−2,3−ジメチルフェノール、4−エチル−2,6−ジヒドロキシメチルフェノール、2−エチル−4,6−ジヒドロキシメチルフェノール、4−tert−ブチル−2,6−ジヒドロキシメチルフェノール、2−tert−ブチル−4,6−ジヒドロキシメチルフェノール、4−シクロヘキシル−2,6−ジヒドロキシメチルフェノール、2−シクロヘキシル−4,6−ジヒドロキシメチルフェノール、2,6−ジヒドロキシメチル−4−フェニルフェノール、4,6−ジヒドロキシメチル−2−フェニルフェノール、2,6−ジヒドロキシメチル−4−メトキシフェノール、4,6−ジヒドロキシメチル−2−メトキシフェノール、4,6−ジヒドロキシメチル−2−メチルレゾルシノール、4−ヒドロキシ−2,6−ジヒドロキシメチル安息香酸、4−ヒドロキシメチル−2,5−ジメチルフェノール、4−ヒドロキシメチル−2,6−ジメチルフェノール、2,6−ジメトキシメチル−4−メチルフェノール、4,6−ジメトキシメチル−2−メチルフェノール、2,6−ジメトキシメチル−4−メトキシフェノール、4,6−ジメトキシメチル−2−メトキシフェノール等が挙げられる。
上記2核メチロール化フェノール化合物としては、例えば2,2’,6,6’−テトラヒドロキシメチル−4,4’−ビフェノール、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジヒドロキシメチルフェニル)メタン、ビス(2−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−5−メチルフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−5−メチルフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−2,5−ジメチルフェニル)メタン、ビス(2,4−ジヒドロキシ−5−ヒドロキシメチル−3−メチルフェニル)メタン、ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−5−ヒドロキシメチルフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−5−フェニルフェニル)メタン、ビス(3−カルボキシ−6−ヒドロキシ−5−ヒドロキシメチルフェニル)メタン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシ−5−ヒドロキシメチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジヒドロキシメチルフェニル)エタン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−5−メチルフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−5−メチルフェニル)エタン、1,1−ビス(2,4−ジヒドロキシ−5−ヒドロキシメチル−3−メチルフェニル)エタン、1,1−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−5−ヒドロキシメチルフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−5−フェニルフェニル)エタン、1,1−ビス(3−クロロ−4,6−ジヒドロキシ−5−ヒドロキシメチルフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジヒドロキシメチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−5−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−5−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(2,4−ジヒドロキシ−5−ヒドロキシメチル−3−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−5−ヒドロキシメチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−5−フェニルフェニル)ブタン、1,1−ビス(3−クロロ−4,6−ジヒドロキシ−5−ヒドロキシメチルフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジヒドロキシメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−5−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(2,4−ジヒドロキシ−5−ヒドロキシメチル−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−5−ヒドロキシメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−5−フェニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジヒドロキシメチルフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、[ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジヒドロキシメチルフェニル)メチル]シクロヘキサン、[ビス(2−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−5−メチルフェニル)メチル]シクロヘキサン、[ビス(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−5−メチルフェニル)メチル]シクロヘキサン、[ビス(2,4−ジヒドロキシ−5−ヒドロキシメチル−3−メチルフェニル)メチル]シクロヘキサン、[ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−5−ヒドロキシメチルフェニル)メチル]シクロヘキサン、[ビス(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−5−フェニルフェニル)メチル]シクロヘキサン、[ビス(3−クロロ−4,6−ジヒドロキシ−5−ヒドロキシメチルフェニル)メチル]シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジヒドロキシメチルフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−5−メチルフェニル)シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジヒドロキシメチルフェニル)ケトン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジヒドロキシメチルフェニル)スルホン、(2−ヒドロキシ−3,5−ジヒドロキシメチルフェニル)(4−ヒドロキシ−3,5−ジヒドロキシメチルフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−5−メチルフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−2,5−ジメチルフェニル)スルホン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシ−5−ヒドロキシメチルフェニル)スルホン、ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシ−5−ヒドロキシメチルフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−5−スルホフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジヒドロキシメチルフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−5−メチルフェニル)スルフィド、ビス(3−カルボキシ−4−ヒドロキシ−5−ヒドロキシメチルフェニル)スルフィド、N−(4−ヒドロキシ−3,5−ジヒドロキシメチルフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジヒドロキシメチルベンズアミド、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジヒドロキシメチルフェニル)ジスルフィド、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジヒドロキシメチルフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシメチルフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メトキシメチル−5−メチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシメチルフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メトキシメチル−5−メチルフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシメチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メトキシメチル−5−メチルフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メトキシメチル−5−メチルフェニル)プロパン、[ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシメチルフェニル)メチル]シクロヘキサン、[ビス(4−ヒドロキシ−3−メトキシメチル−5−メチルフェニル)メチル]シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシメチルフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メトキシメチル−5−メチルフェニル)シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシメチルフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メトキシメチル−5−メチルフェニル)スルホン等が挙げられる。
上記3核メチロール化フェノール化合物としては、例えば[ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジヒドロキシメチルフェニル)メチル]ベンゼン、[ビス(2−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−5−メチルフェニル)メチル]ベンゼン、[ビス(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−5−メチルフェニル)メチル]ベンゼン、[ビス(2,4−ジヒドロキシ−5−ヒドロキシメチル−3−メチルフェニル)メチル]ベンゼン、[ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−5−ヒドロキシメチルフェニル)メチル]ベンゼン、[ビス(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−5−フェニルフェニル)メチル]ベンゼン、[ビス(3−クロロ−4,6−ジヒドロキシ−5−ヒドロキシメチルフェニル)メチル]ベンゼン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジヒドロキシメチルフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−5−メチルフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−5−メチルフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(2,4−ジヒドロキシ−5−ヒドロキシメチル−3−メチルフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−5−ヒドロキシメチルフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−5−フェニルフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(3−クロロ−4,6−ジヒドロキシ−5−ヒドロキシメチルフェニル)−1−フェニルエタン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジヒドロキシメチルフェニル)−9H−フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−5−メチルフェニル)−9H−フルオレン、9,9−ビス(2,4−ジヒドロキシ−5−ヒドロキシメチル−3−メチルフェニル)−9H−フルオレン、9,9−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−5−ヒドロキシメチルフェニル)−9H−フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−5−フェニルフェニル)−9H−フルオレン、9,9−ビス(3−アリル−4−ヒドロキシ−5−ヒドロキシメチルフェニル)−9H−フルオレン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジヒドロキシメチルフェニル)−1−アダマンチルエタン、トリス(4−ヒドロキシ−3,5−ジヒドロキシメチルフェニル)メタン、4−[ビス(2−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−5−メチルフェニル)メチル]−2,6−ジヒドロキシメチルフェノール、4−[ビス(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−5−メチルフェニル)メチル]−2,6−ジヒドロキシメチルフェノール、4−[ビス(2,4−ジヒドロキシ−5−ヒドロキシメチル−3−メチルフェニル)メチル]−2,6−ジヒドロキシメチルフェノール、4−[ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−5−ヒドロキシメチルフェニル)メチル]−2,6−ジヒドロキシメチルフェノール、4−[ビス(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−5−フェニルフェニル)メチル]−2,6−ジヒドロキシメチルフェノール、4−[ビス(3−クロロ−4,6−ジヒドロキシ−5−ヒドロキシメチルフェニル)メチル]−2,6−ジヒドロキシメチルフェノール、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシ−3,5−ジヒドロキシメチルフェニル)エタン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−5−メチルフェニル)−1−(4−ヒドロキシ−3,5−ジヒドロキシメチルフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−5−メチルフェニル)−1−(4−ヒドロキシ−3,5−ジヒドロキシメチルフェニル)エタン、1,1−ビス(2,4−ジヒドロキシ−5−ヒドロキシメチル−3−メチルフェニル)−1−(4−ヒドロキシ−3,5−ジヒドロキシメチルフェニル)エタン、1,1−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−5−ヒドロキシメチルフェニル)−1−(4−ヒドロキシ−3,5−ジヒドロキシメチルフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−5−フェニルフェニル)−1−(4−ヒドロキシ−3,5−ジヒドロキシメチルフェニル)エタン、1,1−ビス(3−クロロ−4,6−ジヒドロキシ−5−ヒドロキシメチルフェニル)−1−(4−ヒドロキシ−3,5−ジヒドロキシメチルフェニル)エタン、2,6−ビス[(4−ヒドロキシ−3,5−ジヒドロキシメチルフェニル)メチル]−4−メチルフェノール、2,6−ビス[(2−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−5−メチルフェニル)メチル]−4−メチルフェノール、2,6−ビス[(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−5−メチルフェニル)メチル]−4−メチルフェノール、2,6−ビス[(2,4−ジヒドロキシ−5−ヒドロキシメチル−3−メチルフェニル)メチル]−4−メチルフェノール、2,6−ビス[(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−5−ヒドロキシメチルフェニル)メチル]−4−メチルフェノール、2,6−ビス[(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−5−フェニルフェニル)メチル]−4−メチルフェノール、2,6−ビス[(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−2,5−ジメチルフェニル)メチル]−4−メチルフェノール、4,6−ビス[(4−ヒドロキシ−3,5−ジヒドロキシメチルフェニル)メチル]−2−メチルフェノール、4,6−ビス[(2−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−5−メチルフェニル)メチル]−2−メチルフェノール、4,6−ビス[(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−5−メチルフェニル)メチル]−2−メチルフェノール、4,6−ビス[(2,4−ジヒドロキシ−5−ヒドロキシメチル−3−メチルフェニル)メチル]−2−メチルフェノール、4,6−ビス[(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−5−ヒドロキシメチルフェニル)メチル]−2−メチルフェノール、4,6−ビス[(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−5−フェニルフェニル)メチル]−2−メチルフェノール、4,6−ビス[(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−2,5−ジメチルフェニル)メチル]−2−メチルフェノール、4,6−ビス[(3−アリル−4−ヒドロキシ−5−ヒドロキシメチルフェニル)メチル]−2−メチルフェノール、2,6−ビス[(4−ヒドロキシ−3,5−ジヒドロキシメチルフェニル)メチル]−4−メトキシフェノール、2,6−ビス[(2−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−5−メチルフェニル)メチル]−4−メトキシフェノール、2,6−ビス[(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−5−メチルフェニル)メチル]−4−メトキシフェノール、2,6−ビス[(2,4−ジヒドロキシ−5−ヒドロキシメチル−3−メチルフェニル)メチル]−4−メトキシフェノール、2,6−ビス[(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−5−ヒドロキシメチルフェニル)メチル]−4−メトキシフェノール、2,6−ビス[(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−5−フェニルフェニル)メチル]−4−メトキシフェノール、2,6−ビス[(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−2,5−ジメチルフェニル)メチル]−4−メトキシフェノール、4,6−ビス[(4−ヒドロキシ−3,5−ジヒドロキシメチルフェニル)メチル]−2−メトキシフェノール、4,6−ビス[(2−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−5−メチルフェニル)メチル]−2−メトキシフェノール、4,6−ビス[(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−5−メチルフェニル)メチル]−2−メトキシフェノール、4,6−ビス[(2,4−ジヒドロキシ−5−ヒドロキシメチル−3−メチルフェニル)メチル]−2−メトキシフェノール、4,6−ビス[(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−5−ヒドロキシメチルフェニル)メチル]−2−メトキシフェノール、4,6−ビス[(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−5−フェニルフェニル)メチル]−2−メトキシフェノール、4,6−ビス[(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−2,5−ジメチルフェニル)メチル]−2−メトキシフェノール、1,4−ビス[(4−ヒドロキシ−3,5−ジヒドロキシメチルフェニル)メチル]ベンゼン、1,4−ビス[(2−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−5−メチルフェニル)メチル]ベンゼン、1,4−ビス[(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−5−メチルフェニル)メチル]ベンゼン、1,4−ビス[(2,4−ジヒドロキシ−5−ヒドロキシメチル−3−メチルフェニル)メチル]ベンゼン、1,4−ビス[(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−5−ヒドロキシメチルフェニル)メチル]ベンゼン、1,4−ビス[(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−5−フェニルフェニル)メチル]ベンゼン、1,4−ビス[(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−2,5−ジメチルフェニル)メチル]ベンゼン、[ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシメチルフェニル)メチル]ベンゼン、[ビス(4−ヒドロキシ−3−メトキシメチル−5−メチルフェニル)メチル]ベンゼン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシメチルフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メトキシメチル−5−メチルフェニル)−1−フェニルエタン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシメチルフェニル)−9H−フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メトキシメチル−5−メチルフェニル)−9H−フルオレン、トリス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシメチルフェニル)メタン、4−[ビス(4−ヒドロキシ−3−メトキシメチル−5−メチルフェニル)メチル]−2,6−ジメトキシメチルフェノール、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシメチルフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メトキシメチル−5−メチルフェニル)−1−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシメチルフェニル)エタン、2,6−ビス[(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトシメチルフェニル)メチル]−4−メチルフェノール、2,6−ビス[(4−ヒドロキシ−3−メトキシメチル−5−メチルフェニル)メチル]−4−メチルフェノール、4,6−ビス[(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシメチルフェニル)メチル]−2−メチルフェノール、4,6−ビス[(4−ヒドロキシ−3−メトキシメチル−5−メチルフェニル)メチル]−2−メチルフェノール、2,6−ビス[(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシメチルフェニル)メチル]−4−メトキシフェノール、2,6−ビス[(4−ヒドロキシ−3−メトキシメチル−5−メチルフェニル)メチル]−4−メトキシフェノール、4,6−ビス[(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシメチルフェニル)メチル]−2−メトキシフェノール、4,6−ビス[(4−ヒドロキシ−3−メトキシメチル−5−メチルフェニル)メチル]−2−メトキシフェノール、1,4−ビス[(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトシメチルフェニル)メチル]ベンゼン、1,4−ビス[(4−ヒドロキシ−3−メトキシメチル−5−メチルフェニル)メチル]ベンゼン等が挙げられる。
メチロール化フェノール化合物(B)としては、当該導電層の着色の低減及びメチロール化フェノール化合物(B)の溶媒への溶解性の向上の観点から、2,6−ジヒドロキシメチル−4−メチルフェノール、4,6−ジヒドロキシメチル−2−メチルフェノール、2,6−ジヒドロキシメチル−4−メトキシフェノール、4,6−ジヒドロキシメチル−2−メトキシフェノール、2,6−ジメトキシメチル−4−メチルフェノール、4,6−ジメトキシメチル−2−メチルフェノール、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジヒドロキシメチルフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−5−メチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジヒドロキシメチルフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−5−メチルフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジヒドロキシメチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−5−メチルフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジヒドロキシメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−5−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジヒドロキシメチルフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、[ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジヒドロキシメチルフェニル)メチル]シクロヘキサン、[ビス(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−5−メチルフェニル)メチル]シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジヒドロキシメチルフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−5−メチルフェニル)シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジヒドロキシメチルフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−5−メチルフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシメチルフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メトキシメチル−5−メチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシメチルフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メトキシメチル−5−メチルフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メトキシメチル−5−メチルフェニル)プロパン、[ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジヒドロキシメチルフェニル)メチル]ベンゼン、[ビス(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−5−メチルフェニル)メチル]ベンゼン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジヒドロキシメチルフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−5−メチルフェニル)−1−フェニルエタンが好ましい。
また、メチロール化フェノール化合物(B)としては、単核メチロール化フェノール化合物及び2核メチロール化フェノール化合物が好ましく、単核メチロール化フェノール化合物がより好ましい。
上記単核メチロール化フェノール化合物としては、下記式(4)で表される4,6−ジヒドロキシメチル−2−メチルフェノールが好ましく、上記2核メチロール化フェノール化合物としては、下記式(5)で表される2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジヒドロキシメチルフェニル)プロパンが好ましい。これらのメチロール化フェノール化合物(B)は、上記の特性に加えて、空気中及び溶液中での色相の変化が少なく、安定性が高い。
当該導電性高分子組成物(X)におけるメチロール化フェノール化合物(B)の導電性高分子化合物(A)1モルに対する含有量の上限としては、10モルが好ましく、5モルがより好ましく、1モルがさらに好ましい。一方、上記含有量の下限としては、0.001モルが好ましく、0.01モルがより好ましく、0.05モルがさらに好ましい。上記含有量が上記上限を超えると、導電性高分子組成物(X)の粘度が高くなり、取り扱い難くなるおそれがある。逆に、上記含有量が上記下限未満の場合、得られる導電層の強度及び導電性が低下するおそれがある。
(メチロール化フェノール化合物(B)の製造方法)
メチロール化フェノール化合物(B)は、例えばフェノール類とホルムアルデヒドとの反応により製造することができる。このような反応は公知であり、塩基触媒の存在下で行われる。
メチロール化フェノール化合物(B)の製造方法としては、例えば以下の方法が挙げられる。まず、フェノール類及び過剰量(例えば、フェノール類1モルに対しホルムアルデヒドが1モル以上20モル以下)のホルムアルデヒドを溶媒に溶解し、塩基触媒の存在下で反応させる。反応の終点は、ガスクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、IR分析等の公知の方法でフェノール類又はアルデヒド類の残存量を追跡し、この残存量を示すピーク面積が減少しなくなった時点とする。
上記フェノール類としては、フェノール、オルソクレゾール、メタクレゾール、パラクレゾール、2,3−ジメチルフェノール、2,5−ジメチルフェノール、2,6−ジメチルフェノール、3,4−ジメチルフェノール、2−メトキシフェノール、4−メトキシフェノール、2−エチルフェノール、4−エチルフェノール、2−tert−ブチルフェノール、4−tert−ブチルフェノール、2−シクロヘキシルフェノール、4−シクロヘキシルフェノール、2−フェニルフェノール、4−フェニルフェノール、ヒドロキノン、カテコール、4−メチルカテコール、4−tert−ブチルカテコール、レゾルシノール、2−メチルレゾルシノール、5−メチルレゾルシノール、4−クロロレゾルシノール、4−ヒドロキシ安息香酸、4,4’−ビフェノール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)メタン、ビス(2,4−ジヒドロキシ−5−3−メチルフェニル)メタン、ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3−フェニルフェニル)メタン、ビス(3−カルボキシ−6−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、1,1−ビス(2,4−ジヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、1,1−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−フェニルフェニル)エタン、1,1−ビス(3−クロロ−4,6−ジヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(2,4−ジヒドロキシ−3−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−フェニルフェニル)ブタン、1,1−ビス(3−クロロ−4,6−ジヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(2,4−ジヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−フェニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、[ビス(4−ヒドロキシフェニル)メチル]シクロヘキサン、[ビス(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)メチル]シクロヘキサン、[ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メチル]シクロヘキサン、[ビス(2,4−ジヒドロキシ−3−メチルフェニル)メチル]シクロヘキサン、[ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)メチル]シクロヘキサン、[ビス(4−ヒドロキシ−3−フェニルフェニル)メチル]シクロヘキサン、[ビス(3−クロロ−4,6−ジヒドロキシフェニル)メチル]シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、(2−ヒドロキシフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)スルホン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシ−3−スルホフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィド、ビス(3−カルボキシ−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、N−(4−ヒドロキシフェニル)−4−ヒドロキシベンズアミド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジスルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、 [ビス(4−ヒドロキシフェニル)メチル]ベンゼン、[ビス(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)メチル]ベンゼン、[ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メチル]ベンゼン、[ビス(2,4−ジヒドロキシ−3−メチルフェニル)メチル]ベンゼン、[ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)メチル]ベンゼン、[ビス(4−ヒドロキシ−3−フェニルフェニル)メチル]ベンゼン、[ビス(3−クロロ−4,6−ジヒドロキシフェニル)メチル]ベンゼン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−フェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(2,4−ジヒドロキシ−3−メチルフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−フェニルフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(3−クロロ−4,6−ジヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−9H−フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−9H−フルオレン、9,9−ビス(2,4−ジヒドロキシ−3−メチルフェニル)−9H−フルオレン、9,9−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)−9H−フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−フェニルフェニル)−9H−フルオレン、9,9−ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)−9H−フルオレン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、4−[ビス(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)メチル]フェノール、4−[ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メチル]フェノール、4−[ビス(2,4−ジヒドロキシ−3−メチルフェニル)メチル]フェノール、4−[ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)メチル]フェノール、4−[ビス(4−ヒドロキシ−3−フェニルフェニル)メチル]フェノール、4−[ビス(3−クロロ−4,6−ジヒドロキシフェニル)メチル]フェノール、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(2,4−ジヒドロキシ−3−メチルフェニル)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−フェニルフェニル)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(3−クロロ−4,6−ジヒドロキシフェニル)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,6−ビス[(4−ヒドロキシフェニル)メチル]−4−メチルフェノール、2,6−ビス[(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)メチル]−4−メチルフェノール、2,6−ビス[(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メチル]−4−メチルフェノール、2,6−ビス[(2,4−ジヒドロキシ−3−メチルフェニル)メチル]−4−メチルフェノール、2,6−ビス[(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)メチル]−4−メチルフェノール、2,6−ビス[(4−ヒドロキシ−3−フェニルフェニル)メチル]−4−メチルフェノール、2,6−ビス[(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)メチル]−4−メチルフェノール、4,6−ビス[(4−ヒドロキシフェニル)メチル]−2−メチルフェノール、4,6−ビス[(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)メチル]−2−メチルフェノール、4,6−ビス[(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メチル]−2−メチルフェノール、4,6−ビス[(2,4−ジヒドロキシ−3−メチルフェニル)メチル]−2−メチルフェノール、4,6−ビス[(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)メチル]−2−メチルフェノール、4,6−ビス[(4−ヒドロキシ−3−フェニルフェニル)メチル]−2−メチルフェノール、4,6−ビス[(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)メチル]−2−メチルフェノール、4,6−ビス[(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)メチル]−2−メチルフェノール、2,6−ビス[(4−ヒドロキシメチルフェニル)メチル]−4−メトキシフェノール、2,6−ビス[(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)メチル]−4−メトキシフェノール、2,6−ビス[(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メチル]−4−メトキシフェノール、2,6−ビス[(2,4−ジヒドロキシ−3−メチルフェニル)メチル]−4−メトキシフェノール、2,6−ビス[(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)メチル]−4−メトキシフェノール、2,6−ビス[(4−ヒドロキシ−3−フェニルフェニル)メチル]−4−メトキシフェノール、2,6−ビス[(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)メチル]−4−メトキシフェノール、4,6−ビス[(4−ヒドロキシフェニル)メチル]−2−メトキシフェノール、4,6−ビス[(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)メチル]−2−メトキシフェノール、4,6−ビス[(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メチル]−2−メトキシフェノール、4,6−ビス[(2,4−ジヒドロキシ−3−メチルフェニル)メチル]−2−メトキシフェノール、4,6−ビス[(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)メチル]−2−メトキシフェノール、4,6−ビス[(4−ヒドロキシ−3−フェニルフェニル)メチル]−2−メトキシフェノール、4,6−ビス[(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)メチル]−2−メトキシフェノール、1,4−ビス[(4−ヒドロキシフェニル)メチル]ベンゼン、1,4−ビス[(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)メチル]ベンゼン、1,4−ビス[(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メチル]ベンゼン、1,4−ビス[(2,4−ジヒドロキシ−3−メチルフェニル)メチル]ベンゼン、1,4−ビス[(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)メチル]ベンゼン、1,4−ビス[(4−ヒドロキシ−3−フェニルフェニル)メチル]ベンゼン、1,4−ビス[(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)メチル]ベンゼン等が挙げられる。
フェノール類としては、ホルムアルデヒドとの反応性が高く、溶媒への溶解性が高いメチロール化フェノール化合物(B)が得られる観点から、オルソクレゾール、パラクレゾール、2−メトキシフェノール、4−メトキシフェノール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、[ビス(4−ヒドロキシフェニル)メチル]シクロヘキサン、[ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メチル]シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−フェニル)シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、[ビス(4−ヒドロキシフェニル)メチル]ベンゼン、[ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メチル]ベンゼン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−1−フェニルエタンが好ましい。上記フェノール類は、単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
上記ホルムアルデヒドとしては、ホルマリン、パラホルムアルデヒド、1,3,5−トリオキサン等が挙げられる。
上記溶媒としては、例えば水、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒等が挙げられる。上記塩基触媒としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエチルアミン等が挙げられる。
上記反応温度としては、例えば30℃以上100℃以下が好ましい。上記反応時間としては、例えば30分以上48時間以下が好ましい。
反応終了後、反応液を室温程度まで冷却し、中和剤を用いて触媒を中和する。その後、水、有機溶剤(トルエン、キシレン等)等の貧溶媒を適量加え反応生成物を析出させる。濾過により析出物を分離し、必要に応じて水洗または再結晶等によって精製し、乾燥することによってメチロール化フェノール化合物(B)が得られる。
さらに、メチロール化フェノール化合物(B)の貯蔵安定性を高めるため、フェノール類とホルムアルデヒドとの反応生成物をメトキシ化してもよい。このような反応は公知であり、大過剰のアルコールと酸性触媒との存在下で行われる。
上記反応生成物のメトキシ化は、例えば以下の方法で行われる。まず、フェノール類及びホルムアルデヒドの反応生成物を、過剰量(例えば、生成物1モルに対しアルコールが1モル以上40モル以下)のアルコールに溶解し、酸触媒の存在下で反応させる。
上記アルコールとしては、例えばメタノール、エタノール等が挙げられる。上記酸触媒としては、例えば硫酸、メタンスルホン酸等が挙げられる。
上記反応温度としては、例えば30℃以上100℃以下が好ましい。上記反応時間としては、例えば30分以上48時間以下が好ましい。
反応終了後、反応液を室温程度まで冷却し、中和剤を用いて触媒を中和する。その後、反応液を蒸留精製するか、水、有機溶剤(トルエン、キシレン等)等の貧溶媒を適量加えることで反応生成物を析出させる。濾過により析出物を分離し、必要に応じて水洗または再結晶等によって精製し、乾燥することによってメトキシ化したメチロール化フェノール化合物(B)が得られる。
<ドーパント>
ドーパントは、導電性高分子組成物(X)の導電性を向上させるものである。このドーパントは、導電性高分子化合物(A)を酸化又は還元し得るものであるため、導電性高分子化合物(A)を構成する共役系高分子の溶媒への分散性が向上する。導電層は、塗布、乾燥等により形成されることが多いため、溶媒への共役系高分子の分散性が向上することで、均一な導電性を有する導電層を形成することが可能となる。
上記ドーパントとしては、導電性高分子化合物(A)を酸化又は還元できるものであれば特に限定されず、ドナー性ドーパント及びアクセプタ性ドーパントのいずれも使用することができる。
上記ドナー性ドーパントとしては、例えばアルカリ金属(Li、Na、K等)、アルカリ土類金属(Ca、Mg等)、4級アミン化合物(テトラメチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム等)等が挙げられる。
上記アクセプタ性ドーパントとしては、例えばハロゲン化合物、ルイス酸、プロトン酸、遷移金属化合物、電解質アニオン、フラーレン、有機シアノ化合物等が挙げられる。
上記ハロゲン化合物としては、例えばCl2、Br2、I2、ICl、IBr、IF等が挙げられる。
上記ルイス酸としては、例えばPF5、AsF5、SbF5、BF3、BCl3、BBr3、SO3等が挙げられる。
上記プロトン酸としては、例えばHF、HCl、HNO3、H2SO4、HClO4、FSO3H,CISO3H、CF3SO3H、有機カルボン酸、有機スルホン酸、有機スルホン酸金属塩、フェノール類、アミノ酸等が挙げられる。
上記遷移金属化合物としては、例えばFeCl3、FeOCl、TiCl4、ZrCl4、HfCl4、NbF5、NbCl5、TaCl5、MoF5、MoCl5、WF6、WCl6等が挙げられる。
上記電解質アニオンとしては、例えばCl‐、Br‐、I‐、ClO4 ‐、PF6 ‐、AsF6 ‐、SbF6 ‐、BF4 ‐、無機スルホン酸アニオン、有機スルホン酸アニオン等が挙げられる。
上記フラーレンとしては、例えば水素化フラーレン、水酸化フラーレン、カルボン酸化フラーレン、スルホン酸化フラーレン等が挙げられる。
上記有機シアノ化合物としては、例えばテトラシアノエチレン、テトラシアノエチレンオキサイド、テトラシアノベンゼン等が挙げられる。
導電性高分子化合物(A)とドーパントとの組み合わせとしては、導電性高分子化合物(A)がポリチオフェン及びその誘導体であり、ドーパントが有機スルホン酸、有機スルホン酸金属塩、有機スルホン酸アニオン等のスルホン酸化合物である組み合わせが好ましく、導電性高分子化合物(A)がポリ(3,4−エチレンジチオフェン)であり、ドーパントがポリ(4−スチレンスルホン酸)である組み合わせがより好ましい。導電性高分子化合物(A)とドーパントとが上記組み合わせであることで、ドーパントが導電性高分子化合物(A)にドープされ、特定の複合体(PEDOT/PSS)が形成される。このPEDOT/PSSは水中に分散できるため、導電層を塗布により簡便に形成することが可能となる。また、塗膜形成後の透明性も高い。
また、導電性高分子化合物(A)及びドーパントは、導電性高分子化合物(A)にドーパントをドープさせた化合物として当該導電性高分子組成物(X)に添加してもよい。このような化合物としては、市販品等の公知の化合物を用いることができ、例えばPEDOT/PSSポリマーを1.3質量%含有する水分散体(アルドリッチ社の「製品番号:483095」)等が挙げられる。
当該導電性高分子組成物(X)におけるドーパントの含有量としては特に限定されないが、導電性高分子化合物(A)100質量部に対する含有量の上限としては、1000質量部が好ましく、500質量部がより好ましい。一方、上記含有量の下限としては、0.00001質量部が好ましく、0.001質量部がより好ましい。上記含有量が上記上限を超える場合又は上記含有量が上記下限未満の場合、導電性が向上し難くなるおそれがある。
<溶媒>
溶媒は、導電性高分子組成物(X)中に導電性高分子化合物(A)を溶解又は分散させ、かつメチロール化フェノール化合物(B)を溶解させる。
上記溶媒としては、水、有機溶媒及び水と有機溶媒との混合溶媒が挙げられ、これらの中で水と有機溶媒との混合溶媒が好ましい。この混合溶媒によれば、メチロール化フェノール化合物(B)の溶解性に優れ、均一性等に優れた導電層を得ることができる。
上記有機溶媒は水に可溶であるものが好ましい。このような有機溶媒としては、水と混合した際に均一な溶液となるものであればよく、例えばアルコール類、ケトン類、エチレングリコール類、プロピレングリコール類、アミド類、ピロリドン類等が挙げられる。これらの有機溶媒は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記アルコール類としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、プロピルアルコール、ブタノール等が挙げられる。
上記ケトン類としては、例えばアセトン等が挙げられる。
上記エチレングリコール類としては、例えばエチレングリコールメチルエーテル等が挙げられる。
上記プロピレングリコール類としては、例えばプロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールブチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル等が挙げられる。
上記アミド類としては、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等が挙げられる。
上記ピロリドン類としては、例えばN−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン等が挙げられる。
上記有機溶媒としては、導電性高分子組成物(X)の乾燥の容易性及び安全性の観点から、アルコール類が好ましく、イソプロピルアルコールがより好ましい。
溶媒における、水100質量部に対するアルコール類の混合量の上限としては、500質量部が好ましく、200質量部がより好ましい。一方、上記混合量の下限としては、5質量部が好ましく、10質量部がより好ましい。上記混合量が上記上限を超えると、乾燥後の導電層に溶媒が残留し、導電層の強度が低下するおそれがある。逆に、上記混合量が上記下限未満の場合、導電層の均一性が低下し、導電性が低下するおそれがある。
<バインダー樹脂>
バインダー樹脂は、導電性高分子組成物(X)から形成される導電層の耐傷性、表面硬度等を高める。また、バインダー樹脂は、導電層を基材の表面等に形成する場合において、導電層と基材の密着性を向上させ得る。
バインダー樹脂は、熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂のいずれでもよい。バインダー樹脂としては、例えばポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビニルエーテル、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル等のビニル樹脂、ポリアセタール、ポリエステル、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド、ポリイミド、ポリアミド、アルキド樹脂、キシレン樹脂、アラミド樹脂、ポリイミドシリコーン、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル/スチレン樹脂、酢酸ビニル/アクリル共重合樹脂、スチレン/マレイン酸共重合樹脂、フッ素樹脂及びこれらの共重合体等が挙げられる。
上記バインダー樹脂としては、ポリエステル、アクリル樹脂、ポリイミド、ポリアミド、エポキシ樹脂、又はウレタン樹脂が好ましい。これらの樹脂は、導電性高分子化合物(A)等との混合が容易である。
バインダー樹脂の導電性高分子組成物(X)への添加の態様としては、固体又は液体状の樹脂、これらの樹脂を有機溶剤に溶解したもの、スルホン酸基、カルボン酸基等の官能基を付与したこれらの樹脂を水に溶解したもの、これらの樹脂を水に分散したエマルジョン等が挙げられる。
導電性高分子組成物(X)がバインダー樹脂及び溶媒を含有する場合において、溶媒100質量部に対するバインダー樹脂の含有量の上限としては、50質量部が好ましく、30質量部がより好ましい。一方、上記含有量の下限としては、1質量部が好ましい。上記含有量が上記上限を超えると、当該導電性高分子組成物(X)の粘度が増加し、取り扱い難くなるおそれがある。逆に、上記含有量が上記下限未満の場合、当該導電層の強度が向上し難くなるおそれがある。
<その他の成分>
当該導電性高分子組成物(X)が有してもよいその他の任意成分としては、例えば導電性向上成分、界面活性剤、増粘剤、染料、硬化触媒、レオロジーコントロール剤、樹脂微粒子、無機微粒子、シランカップリング剤、消泡剤、表面調整剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防カビ剤、可塑剤等が挙げられる。
上記導電性向上成分としては、例えば分子内にヒドロキシ基を2個以上含有する化合物といった公知の化合物を使用することができる。このような導電性向上成分としては、例えばエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、糖(フルクトース等)、ヒドロキノン、カテコール、ピロガロール、没食子酸等が挙げられる。
当該導電性高分子組成物(X)における上記導電性向上成分の含有量としては、導電性高分子化合物(A)1モルに対して、0.01モル以上20モル以下が好ましく、0.1モル以上10モル以下がより好ましい。
<導電性高分子組成物(X)の製造方法>
当該導電性高分子組成物(X)は、導電性高分子化合物(A)、メチロール化フェノール化合物(B)、必要に応じてドーパント、バインダー樹脂等を任意の順序で溶媒と混合することにより製造できる。各成分の混合には公知の撹拌機を用いることができる。
次いで、当該導電層について図1〜図3を参照しつつ説明する。
[導電体]
本発明の導電層は、導電性高分子組成物(X)から形成される。また、本発明の導電体は、当該導電層が複数積層されたものであり、例えば基材の表面等に形成される導電性膜等とすることができる。
図1の導電体1は、複数の導電層10及び11を基材Zの表面に積層してなる。
(導電層)
導電層10及び11は、当該導電性高分子組成物(X)から形成される。導電層10及び11の平均厚みの上限としては、50μmが好ましく、10μmがより好ましい。一方、上記平均厚みの下限としては、0.01μmが好ましく、0.05μmがより好ましい。上記平均厚みが上記上限を超えると、導電層10及び11の乾燥が不十分となり、強度が低下するおそれがある。逆に、上記平均厚みが上記下限未満の場合、導電層10及び11の抵抗が上昇するおそれがある。
(基材)
上記基材Zとしては、特に限定されず、用途に応じて適宜選択できる。この基材Zとしては、例えば高分子化合物、木材、紙材、セラミックス、ガラス等が挙げられる。
上記高分子化合物としては、例えばポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS樹脂、AS樹脂、メタクリル樹脂、ポリブタジエン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリアラミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルニトリル、ポリアミドイミド、ポリエーテルサルホン、ポリサルホン、ポリエーテルイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリウレタン等が挙げられる。
基材Zの形態としては、例えばフィルム状、板状、ブロック状等が挙げられる。また基材Zは発泡体、エラストマー等であってもよい。さらに、基材Zの導電層10を積層する側の面に、導電層10の密着性を向上させる目的でコロナ放電処理、プラズマ処理等の表面処理を施してもよい。
<導電層及び導電体の製造方法>
導電層10及び11の形成方法としては、例えば導電性高分子組成物(X)を基材Zの表面等に塗布する工程、及び塗膜を乾燥する工程を主に備える方法が挙げられる。
導電性高分子組成物(X)の基材Zへの塗布方法としては、一般の塗工に用いられる方法が利用できる。この塗工方法としては、例えばグラビアコーター、ロールコーター、カーテンフローコーター、スピンコーター、バーコーター、リバースコーター、キスコーター、ファンテンコーター、ロッドコーター、エアドクターコーター、ナイフコーター、ブレードコーター、キャストコーター、スクリーンコーター等の塗布、スプレーコーティング等の噴霧、ディップ等の浸漬等が挙げられる。
当該導電性高分子組成物(X)の基材Zへの塗布量の上限としては、5000μL/cm2が好ましく、1000μL/cm2がより好ましい。一方、上記塗布量の下限としては、0.02μL/cm2が好ましく、0.1μL/cm2がより好ましい。上記塗布量が上記上限を超えると、導電層10及び11の乾燥が不十分となり、強度が低下するおそれがある。逆に、上記塗布量が上記下限未満の場合、導電層10及び11の抵抗が上昇するおそれがある。また、均一に塗布することが困難となるおそれがある。
上記塗膜の乾燥は、室温で放置することによって行ってもよく、加熱処理を行うことによって行ってもよい。この加熱処理としては、例えば熱風加熱、赤外線加熱等の通常の方法が用いられる。加熱処理を行う場合の温度としては、40℃以上250℃以下が好ましい。加熱温度が上記下限未満の場合、導電性高分子組成物(X)が溶媒を含む場合において、その溶媒が多く残存して導電性が充分に発揮できないおそれがある。逆に、加熱温度が上記上限を超えると、導電性高分子化合物(A)の劣化が生じ導電層の導電性が低下するおそれがある。
さらに、乾燥後に紫外線照射を行い、塗膜を硬化してもよい。紫外線照射処理としては、例えば超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプ等の光源から紫外線を照射する方法が用いられる。
上記の積層工程及び乾燥工程は、積層数に応じて複数回繰り返し行うことができる。例えば、導電体1は2層であるから、当該導電性高分子組成物(X)の塗布及び乾燥を2回繰り返すことにより形成することができる。
このように、複数の導電層を積層することにより、導電体1が形成される。
なお、図1の導電体1は2層であるが、導電体は1層であってもよく、3層以上であってもよい。また、導電体を構成する複数の導電層のうちの一部の導電層が導電性高分子組成物(X)以外の組成物や金属により形成されてもよい。
(配線、パッド及びビア導体)
図2の配線基板Wは、2つの絶縁層Y1及びY2の間に配線20が形成され、ビア導体23側の絶縁層Y2の表面に配線21及びパッド22が形成されたものである。絶縁層間の配線20とパッド22とはビア導体23を介して導電接続されている。配線20、21、及びパッド22は当該導電性高分子組成物(X)から形成される導電層であり、ビア導体23は導電性高分子組成物(X)から形成される導電体である。
配線20、21及びパッド22は、導電性高分子組成物(X)から形成された塗液を塗布し、それを乾燥させることで形成することができる。この場合の塗布は、所定の開口がパターン形成されたマスクを用いた印刷等により行われる。一方、ビア導体23は、例えばスキージ等を用いた塗工によりスルーホール26に導電性高分子組成物(X)を充填した後に、乾燥させることで形成することができる。
ビア導体は全体が導電性高分子組成物(X)から形成されたものである必要はなく、ビア導体の一部が、導電性高分子組成物(X)により形成された導電体を構成するものであってもよい。具体的には、図3に示すように、ビア導体3は、無電解めっき等によってスルーホール30の内面に金属層31を形成した後に、金属層31の内面により形成される空間を埋めるように導電性高分子組成物(X)により導電体32を形成したものであってもよい。
本発明の導電層及び導電体は、導電性に優れるため、回路基板、配線基板、電子部品等の配線、パッド等として好適に用いることができる。また、本発明の導電層は塗布により形成できるため、膜状の導電体である導電性膜とすることが可能である。従って、大面積の電極を作製しやすく、各種基板の電極への応用に適している。その結果、本発明の導電性高分子組成物(X)、導電層及び導電体は、フレキシブルエレクトロルミネッセンス装置(有機EL)、タッチスクリーン、タッチパネル、有機TFT、アクチュエーター、センサー、電子ペーパー、フレキシブル調光材料、太陽電池などの各種デバイスに好適に使用することができる。
以下に実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
<導電性高分子組成物の調製>
<実施例1>
メチロール化フェノール化合物(成分(B))0.250gを溶媒149.687g(水37.375g及びイソプロピルアルコール112.312gの混合溶媒)に加え、25℃で溶解させた。その後導電性高分子化合物(成分(A))の水分散液38.462g(成分(A)の含有量0.500g)を加えて室温で混合することで導電性高分子組成物を調製した。成分(B)としては、後述する(B−1)を用いた。
<実施例2〜12及び比較例1〜8>
上記成分(B)として、表1に示す成分を用い、成分(B)及び溶媒の使用量を表1に記載の通りとした他は、実施例1と同様に導電性高分子組成物を調製した。実施例及び比較例で用いた化合物を以下に示す。
(導電性高分子化合物(A))
導電性高分子化合物(A)としては、ポリ(4−スチレンスルホン酸)をドープしたポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(アルドリッチ社の「PEDOT/PSS 1.3wt%dispersion in H2O,conductive grade(製品番号:483095)」)を用いた。
このPEDOT/PSSは、PEDOT/PSSポリマーを1.3質量%(PEDOT0.5質量%及びPSS0.8質量%)含有する水分散体である。PEDOT/PSSのモル数はPEDOT含有量を基準とし、PEDOT最小単位の分子量を142として、以下の式から算出した。
PEDOT/PSSのモル数(mol)=PEDOT含有量(g)/PEDOT最小単位の分子量142(g/mol)
(メチロール化フェノール化合物(B))
実施例において用いたメチロール化フェノール化合物を以下に示す。
B−1:4,6−ジヒドロキシメチル−2−メチルフェノール(旭有機材工業社の「46DMOC」(分子量168))
B−2:2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジヒドロキシメチルフェニル)プロパン(旭有機材工業社の「TM−BIP−A」(分子量348))
B−3:2,6−ジヒドロキシメチル−4−メチルフェノール(旭有機材工業社の「26DMPC」(分子量168))
比較例では、メチロール化フェノール化合物(B)の代わりに、以下の多価アルコールを用いた。これらの多価アルコールは従来の導電性向上成分である。
CB−1:エチレングリコール(和光純薬工業社製、分子量62)
CB−2:ピロガロール(和光純薬工業社製、分子量126)
(溶媒)
溶媒としては、水とイソプロピルアルコール(和光純薬工業社、沸点82.5℃)(表1中に「IPA」と記載)との混合溶媒を使用した。
<導電性膜の形成>
上記実施例及び比較例の導電性高分子組成物750μLを、それぞれガラス基材(2.6cm×2.5cm)上に塗布し、80℃にて20分間乾燥した後、さらに100℃で30分間乾燥することにより導電性膜を形成した。
[評価]
<体積抵抗率>
実施例及び比較例の導電性膜の体積抵抗率は、抵抗率計(三菱化学アナリテック社の「Loresta−GP MCP−T610」)を用いて室温にて測定した。体積抵抗率の計算の際、使用した導電性高分子組成物中の固形分の比重を1g/cm3として導電性膜の厚みを計算した。この結果を表1に示す。また、X軸に成分(B)/成分(A)の配合モル比をとり、Y軸に導電性膜の体積抵抗率(Ω・cm)をとったグラフを図4に示す。
表1及び図4に示すように、成分(B)としてメチロール化フェノール化合物を用いた実施例と、従来の導電性向上成分である多価アルコールを用いた比較例とは、共に成分(A)に対する成分(B)の使用量が増加(すなわち(B)/(A)のモル比が増加)するにつれて体積抵抗率が低下する傾向がある。
これらの中で、実施例の導電性膜では、(B)の使用割合に対する体積抵抗率の減少の割合が大きく、比較例の導電性膜より少ない使用量で導電性を向上できることが分かる。従って、実施例の導電性高分子組成物では、導電性に優れる導電性膜をより低コストで得ることができる。