JP7097802B2 - 導電性高分子含有液及びその製造方法、並びに導電性フィルム及びその製造方法 - Google Patents
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Description
[2] 前記有機溶剤を含み、前記ポリアニオンは、前記ポリアニオンが有する一部のアニオン基とアミン化合物との反応物である、[1]に記載の導電性高分子含有液。
[3] 前記有機溶剤を含み、前記ポリアニオンは、前記ポリアニオンが有する一部のアニオン基とエポキシ化合物との反応物である、[1]に記載の導電性高分子含有液。
[4] バインダ成分をさらに含有する、[1]~[3]のいずれか一項に記載の導電性高分子含有液。
[5] バインダ成分をさらに含有し、前記バインダ成分が水分散性樹脂であり、水を含む、[1]に記載の導電性高分子含有液。
[6] バインダ成分をさらに含有し、前記バインダ成分がアクリル化合物であり、前記有機溶剤を含む、[1]~[3]の何れか一項に記載の導電性高分子含有液。
[7] バインダ成分をさらに含有し、前記バインダ成分が硬化型シリコーンであり、前記有機溶剤を含む、[1]~[3]の何れか一項に記載の導電性高分子含有液。
[8] 前記硬化型シリコーンが付加硬化型である、[7]に記載の導電性高分子含有液。
[9] 前記π共役系導電性高分子がポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)である、[1]~[8]のいずれか一項に記載の導電性高分子含有液。
[10] 前記ポリアニオンがポリスチレンスルホン酸である、[1]~[9]のいずれか一項に記載の導電性高分子含有液。
[11] π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体と、水及び有機溶剤のうち少なくとも水を含む導電性高分子水系分散液に、下記式(1)で表される化合物を添加することを含む、導電性高分子含有液の製造方法。
[12] π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体と、水及び有機溶剤のうち少なくとも水を含む導電性高分子水系分散液を乾燥させて乾燥体を得ることと、前記乾燥体にアミン化合物、有機溶剤、及び下記式(1)で表される化合物を添加することを含む、導電性高分子含有液の製造方法。
[13] π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体と、水及び有機溶剤のうち少なくとも水を含む導電性高分子水系分散液に、エポキシ化合物を添加して導電性複合体を析出させて析出物を形成させることと、前記析出物を回収して、得られた前記析出物に有機溶剤及び下記式(1)で表される化合物を添加することを含む、導電性高分子含有液の製造方法。
[14] フィルム基材の少なくとも一方の面に、[1]~[10]のいずれか一項に記載の導電性高分子含有液を塗工することを含む、導電性フィルムの製造方法。
[15] フィルム基材の少なくとも一方の面に、π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体と、下記式(1)で表される化合物とを含む導電層が備えられた、導電性フィルム。
本発明の導電性高分子含有液の製造方法によれば、上記の導電性高分子含有液を容易に製造できる。
本発明の第一態様の導電性高分子含有液は、π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体と、後述する化学式(1)で表される化合物(1)と、水及び有機溶剤のうちの少なくとも一方と、を含有する。
本発明の導電性高分子含有液において、導電性複合体は、分散状態であってもよいし、溶解状態であってもよい。
本態様における導電性複合体は、π共役系導電性高分子とポリアニオンとを含む。導電性複合体中のポリアニオンはπ共役系導電性高分子にドープして、導電性を有する導電性複合体を形成している。
π共役系導電性高分子としては、主鎖がπ共役系で構成されている有機高分子であればよく、例えば、ポリピロール系導電性高分子、ポリチオフェン系導電性高分子、ポリアセチレン系導電性高分子、ポリフェニレン系導電性高分子、ポリフェニレンビニレン系導電性高分子、ポリアニリン系導電性高分子、ポリアセン系導電性高分子、ポリチオフェンビニレン系導電性高分子、及びこれらの共重合体等が挙げられる。空気中での安定性の点からは、ポリピロール系導電性高分子、ポリチオフェン類及びポリアニリン系導電性高分子が好ましく、透明性の面から、ポリチオフェン系導電性高分子がより好ましい。
ポリピロール系導電性高分子としては、ポリピロール、ポリ(N-メチルピロール)、ポリ(3-メチルピロール)、ポリ(3-エチルピロール)、ポリ(3-n-プロピルピロール)、ポリ(3-ブチルピロール)、ポリ(3-オクチルピロール)、ポリ(3-デシルピロール)、ポリ(3-ドデシルピロール)、ポリ(3,4-ジメチルピロール)、ポリ(3,4-ジブチルピロール)、ポリ(3-カルボキシピロール)、ポリ(3-メチル-4-カルボキシピロール)、ポリ(3-メチル-4-カルボキシエチルピロール)、ポリ(3-メチル-4-カルボキシブチルピロール)、ポリ(3-ヒドロキシピロール)、ポリ(3-メトキシピロール)、ポリ(3-エトキシピロール)、ポリ(3-ブトキシピロール)、ポリ(3-ヘキシルオキシピロール)、ポリ(3-メチル-4-ヘキシルオキシピロール)が挙げられる。
ポリアニリン系導電性高分子としては、ポリアニリン、ポリ(2-メチルアニリン)、ポリ(3-イソブチルアニリン)、ポリ(2-アニリンスルホン酸)、ポリ(3-アニリンスルホン酸)が挙げられる。
これらのπ共役系導電性高分子のなかでも、導電性、透明性、耐熱性の点から、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)が特に好ましい。
導電性複合体に含まれるπ共役系導電性高分子は、1種類でもよいし、2種類以上でもよい。
ポリアニオンは、アニオン基を有するモノマー単位を、分子内に2つ以上有する重合体である。このポリアニオンのアニオン基は、π共役系導電性高分子に対するドーパントとして機能して、π共役系導電性高分子の導電性を向上させる。
ポリアニオンのアニオン基としては、スルホ基、またはカルボキシ基であることが好ましい。
このようなポリアニオンの具体例としては、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリアリルスルホン酸、スルホ基を有するポリアクリル酸エステル、スルホ基を有するポリメタクリル酸エステル(例えば、ポリ(4-スルホブチルメタクリレート、ポリスルホエチルメタクリレート、ポリメタクリロイルオキシベンゼンスルホン酸)、ポリ(2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸)、ポリイソプレンスルホン酸等のスルホ基を有する高分子や、ポリビニルカルボン酸、ポリスチレンカルボン酸、ポリアリルカルボン酸、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリ(2-アクリルアミド-2-メチルプロパンカルボン酸)、ポリイソプレンカルボン酸等のカルボキシ基を有する高分子が挙げられる。ポリアニオンは、単一のモノマーが重合した単独重合体であってもよいし、2種以上のモノマーが重合した共重合体であってもよい。
これらポリアニオンのなかでも、導電性をより高くできることから、スルホ基を有する高分子が好ましく、ポリスチレンスルホン酸がより好ましい。
前記ポリアニオンは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリアニオンの質量平均分子量は2万以上100万以下であることが好ましく、10万以上50万以下であることがより好ましい。質量平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィを用いて測定し、ポリスチレン換算で求めた質量基準の平均分子量である。
化合物(1)は、下記化学式(1)で表される化合物であり、導電層の導電性を高め、導電層に大気暴露耐性を付与し得る。
任意の置換基としては、例えば、炭素数1~14のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等)、炭素数1~14のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等)、炭素数6~14のアリール基(例えば、フェニル基等)等が挙げられる。これらの置換基が有する水素原子は、さらに別の置換基(例えば、(メタ)アクリロイルオキシ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、エポキシ基、アミノ基、トリアルコキシシリル基、ハロゲン(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子)等)に置換されていてもよい。
また、R1,R2,R3の任意の置換基は、後述する化合物(1-A)~(1-C)を構成する置換基であることも好ましい。
式(1)中、R2は、炭素数1~14の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基又はアルコキシ基であることが好ましく、炭素数1~6の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基であることが好ましく、炭素数1~4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であることがさらに好ましい。このような好適な化合物(1)として、例えば、下記式(1-1)で表される2-ヒドロキシ-5-メチル-1,3-ベンゼンジメタノールが挙げられる。
式(1-A)中、R1,R3は、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、又は炭素数1~3のアルキル基であることが好ましく、水素原子又はメチル基であることがより好ましく、水素原子であることがさらに好ましい。
式(1-A)中、R4,R6は、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、又は炭素数1~3のアルキル基であることが好ましく、水素原子、メチル基又はエチル基であることがより好ましく、メチル基であることがさらに好ましい。
式(1-A)中、R5は、炭素数1~14の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基であることが好ましく、炭素数1~8の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基であることがより好ましく、炭素数4~8の分岐鎖状のアルキル基であることがさらに好ましい。このような好適な化合物(1-A)として、例えば、下記式(1-A-1)で表される2-ヒドロキシ-5-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-1,3-ベンゼンジメタノールが挙げられる。
式(1-B)中、複数のR1,R3は、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、又は炭素数1~3のアルキル基であることが好ましく、水素原子又はメチル基であることがより好ましく、水素原子であることが好ましい。
上記のような好適な化合物(1-B)として、例えば、下記式(1-B-1)で表される化合物が挙げられる。
式(1-C)中、複数のR1,R3は、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、又は炭素数1~3のアルキル基であることが好ましく、水素原子又はメチル基であることがより好ましく、水素原子であることがさらに好ましい。
式(1-C)中、R4,R6は、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、又は任意の水素原子がハロゲン原子に置換されていてもよい炭素数1~3のアルキル基であることが好ましく、水素原子、非置換の炭素数1~3のアルキル基であることがより好ましく、メチル基又はエチル基であることがさらに好ましい。このような好適な化合物(1-C)として、例えば、下記式(1-C-1)で表される5,5’-(1-メチルエチリデン)ビス[2-ヒドロキシ-1,3-ベンゼンジメタノール]が挙げられる。
本態様に含まれる化合物(1)の合計の含有量は、導電性複合体100質量部に対して、1質量部以上10000質量部以下であることが好ましく、100質量部以上1000質量部以下であることがより好ましく、150質量部以上500質量部以下であることがさらに好ましい。化合物(1)の含有量が前記下限値以上であれば、導電層の導電性をより向上させることができ、大気中での導電性低下をより抑制できる。一方、化合物(1)の含有量が前記上限値以下であれば、導電性複合体の含有割合低下による導電性低下を抑制できる。
本態様における導電性複合体は、アミン化合物又はエポキシ化合物(エポキシ基含有化合物)との反応によって疎水化されていてもよい。導電性複合体のポリアニオンの余剰のアニオン基(以下、「一部のアニオン基」ともいう)と、アミン化合物とが反応するか、又はエポキシ化合物のエポキシ基が開環反応することによって、アニオン基の親水性を低減し、疎水化される。これにより、導電性複合体の有機溶剤に対する分散性が高まる。
前記ポリアニオンは、前記アニオン基と前記エポキシ化合物との反応によって、置換基(A)を有する。
前記ポリアニオンは、前記アニオン基と前記アミン化合物との反応によって、置換基(B)を有する。
導電性複合体の詳細な分析は必ずしも容易ではないが、置換基(A)は下記式(A1)で示される基、又は下記式(A2)で表される基であると推測される。
なかでも、式(A1)において、R11が水素原子又は炭素数10~16のアルコキシアルキル基であり、R12が水素原子であり、R13が水素原子又は炭素数10~16のアルコキシアルキル基であり、R14が水素原子であることが好ましい。
なかでも、式(A2)において、R15が水素原子又は炭素数10~16のアルコキシアルキル基であり、R16が水素原子であり、R17が水素原子又は炭素数10~16のアルコキシアルキル基であり、R18が水素原子であることが好ましい。
置換基としての1価の基としては、炭素数1~4のアルキル基、炭素数2~4のアルケニル基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)、トリアルコキシシリル基(トリメトキシシリル基等)、等が挙げられる。
置換基としての2価の基としては、酸素原子(-O-)、-C(=O)-、-C(=O)-O-等が挙げられる。
エポキシ化合物は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
導電性複合体の詳細な分析は必ずしも容易ではないが、置換基(B)は下記式(B)で表される基であると推測される。
[式(B)中、R21~R23はそれぞれ独立に、水素原子、又は置換基を有してもよい炭化水素基であり、ただし、R21~R23のうち少なくとも1つは置換基を有してもよい炭化水素基である。]
式(B)における炭化水素基は、置換基を有していてもよい炭素数1~20の脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素数6~20の芳香族炭化水素基が挙げられる。
脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などが挙げられる。
脂肪族炭化水素基の置換基としては、フェニル基、水酸基等が挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
芳香族炭化水素基の置換基としては、炭素数1~5のアルキル基、水酸基等が挙げられる。
第一級アミンとしては、例えば、アニリン、トルイジン、ベンジルアミン、エタノールアミン等が挙げられる。
第二級アミンとしては、例えば、ジエタノールアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジフェニルアミン、ジベンジルアミン、ジナフチルアミン等が挙げられる。
第三級アミンとしては、例えば、トリエタノールアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリヘキシルアミン、トリオクチルアミン、トリフェニルアミン、トリベンジルアミン、トリナフチルアミン等が挙げられる。
前記アミン化合物のうち、導電性複合体を容易に疎水化できることから、第三級アミンが好ましく、トリオクチルアミン及びトリブチルアミンの少なくとも一方がより好ましい。
導電性高分子含有液に含まれる導電性複合体は、前述したように疎水化されていてもよいし、疎水化されていなくてもよい。疎水化されている場合には、分散媒として有機溶剤を用いることが好ましい。疎水化されていない場合には、分散媒として水系分散媒を用いることが好ましい。
本態様における有機溶剤は、水溶性有機溶剤でもよいし、非水溶性有機溶剤でもよいし、水溶性有機溶剤及び非水溶性有機溶剤の混合溶剤でもよい。ここで、水溶性有機溶剤は、20℃の水100gに対する溶解量が1g以上の有機溶剤であり、非水溶性有機溶剤は、20℃の水100gに対する溶解量が1g未満の有機溶剤である。
アルコール系溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール(イソプロパノール)、2-メチル-2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、2-メチル-1-プロパノール、アリルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。
エーテル系溶剤としては、例えば、ジエチルエーテル、ジメチルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等が挙げられる。
ケトン系溶剤としては、例えば、ジエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、ジイソプロピルケトン、メチルエチルケトン、アセトン、ジアセトンアルコール等が挙げられる。
窒素原子含有溶剤としては、例えば、N-メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。
水溶性有機溶剤は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
導電性高分子含有液のフィルム基材に対する塗工性が良好になることから、水溶性有機溶剤としてはアルコール系溶剤又はケトン系溶剤が好ましい。
脂肪族炭化水素系溶剤としては、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、ペンタン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ドデカン等が挙げられる。
芳香族炭化水素系溶剤としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、イソプロピルベンゼン等が挙げられる。
非水溶性有機溶剤は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
非水溶性有機溶剤のなかでも、本態様における導電性高分子含有液を容易に製造できる点では、芳香族炭化水素系溶剤が好ましく、トルエンがより好ましい。
水系分散媒は、水、又は水と水溶性有機溶剤との混合液である。水溶性有機溶剤としては、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤が挙げられる。水溶性有機溶剤は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
水系分散媒の総質量に対する水の含有量は、50質量%超であり、60質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、100質量%であってもよい。
導電性高分子含有液の総質量に対する、導電性複合体の含有量は、分散性を高める観点から、例えば、0.1質量%以上20質量%以下が好ましく、0.5質量%以上10質量%以下がより好ましく、1.0質量%以上5.0質量%以下がさらに好ましい。
導電性高分子含有液は、バインダ成分を含んでいてもよい。バインダ成分は、前記π共役系導電性高分子及び前記ポリアニオン以外の樹脂又はその前駆体であり、熱可塑性樹脂、又は、導電層形成時に硬化する硬化性のモノマー又はオリゴマーである。熱可塑性樹脂はそのままバインダ樹脂となり、硬化性のモノマー又はオリゴマーは硬化により形成した樹脂がバインダ樹脂となる。
バインダ成分は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
導電性高分子含有液の分散媒が水系分散媒である場合、含有するバインダ樹脂としては、水分散性樹脂が好ましく、水分散性エマルション樹脂がより好ましい。水分散性樹脂は、エマルション樹脂又は水溶性樹脂である。
硬化性のモノマーとしては、例えば、アクリルモノマー(アクリル化合物)、エポキシモノマー、オルガノシロキサン等が挙げられる。硬化性のオリゴマーとしては、例えば、アクリルオリゴマー(アクリル化合物)、エポキシオリゴマー、シリコーンオリゴマー(硬化型シリコーン)等が挙げられる。
バインダ成分としてアクリルモノマー又はアクリルオリゴマーを用いた場合には、加熱又は光照射により容易に硬化させることができる。バインダ成分としてオルガノシロキサン又はシリコーンオリゴマーを用いた場合には、導電層に離型性(非粘着性)を付与することができる。
付加硬化型のオルガノシロキサン又はシリコーンオリゴマーは、酸化防止剤の添加によって硬化阻害を起こすことがある。しかし、化合物(1)は、付加硬化型のオルガノシロキサン又はシリコーンオリゴマーの硬化を阻害しにくいため、バインダ成分として付加硬化型のオルガノシロキサン又はシリコーンオリゴマーを好適に用いることができる。
導電性高分子含有液は、導電性をより向上させるために、高導電化剤を含んでもよい。
高導電化剤は、糖類、窒素含有芳香族性環式化合物、2個以上のヒドロキシ基を有する化合物、2個以上のカルボキシル基を有する化合物、1個以上のヒドロキシ基および1個以上のカルボキシ基を有する化合物、アミド基を有する化合物、イミド基を有する化合物、ラクタム化合物、グリシジル基を有する化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物であることが好ましい。
ただし、高導電化剤は、前述したπ共役系導電性高分子、ポリアニオン、分散媒、化合物(1)、及びバインダ成分以外の化合物である。
高導電化剤のなかでも、導電性向上の効果が高いことから、ヒドロキシ基を2つ有する直鎖状化合物であるグリコールが好ましく、プロピレングリコールがより好ましい。
導電性高分子含有液に含まれる高導電化剤は1種でもよいし、2種以上でもよい。
導電性高分子含有液には、その他の添加剤が含まれてもよい。
添加剤としては、本発明の効果が得られる限り特に制限されず、例えば、界面活性剤、無機導電剤、消泡剤、カップリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などを使用できる。
ただし、添加剤は、前述したπ共役系導電性高分子、ポリアニオン、分散媒、化合物(1)、バインダ成分、及び高導電化剤以外のものである。
界面活性剤としては、ノニオン系、アニオン系、カチオン系の界面活性剤が挙げられるが、保存安定性の面からノニオン系が好ましい。また、ポリビニルピロリドンなどのポリマー系界面活性剤を添加してもよい。
無機導電剤としては、金属イオン類、導電性カーボン等が挙げられる。なお、金属イオンは、金属塩を水に溶解させることにより生成させることができる。
消泡剤としては、シリコーン樹脂、ポリジメチルシロキサン、シリコーンオイル等が挙げられる。
カップリング剤としては、エポキシ基、ビニル基又はアミノ基を有するシランカップリング剤等が挙げられる。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、糖類等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリシレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、オキサニリド系紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤等が挙げられる。
本発明の第二態様は、第一態様の導電性高分子含有液の製造方法である。
第一態様の導電性高分子含有液は、例えば、下記(a)~(c)のいずれかの方法により容易に製造することができる。
(a)π共役系導電性高分子及びポリアニオンと、水及び有機溶剤のうち少なくとも水を含む導電性高分子水系分散液に、前記式(1)で表される化合物(1)を添加することを含む方法。
(b)π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体と、水及び有機溶剤のうち少なくとも水を含む導電性高分子水系分散液を乾燥させて乾燥体を得ることと、前記乾燥体にアミン化合物、有機溶剤、及び前記式(1)で表される化合物(1)を添加することを含む方法。
(c)π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体と、水及び有機溶剤のうち少なくとも水を含む導電性高分子水系分散液に、エポキシ化合物を添加して導電性複合体を析出させて析出物を形成させることと、前記析出物を回収して、得られた前記析出物に有機溶剤及び前記式(1)で表される化合物(1)を添加することを含む方法。
(b)において、乾燥体に添加したアミン化合物は、ポリアニオンのアニオン基、特にドープに関与しない余剰のアニオン基に反応して、導電性複合体を疎水化することができる。疎水化された導電性複合体は有機溶剤に対する分散性が高くなる。
乾燥体に、アミン化合物及び有機溶剤を添加した後に、高圧ホモジナイザー等を用いて、高い剪断力を付与しながら攪拌し、疎水化した導電性複合体を有機溶剤に分散させることが好ましい。
(b)で用いることが好ましいアミン化合物の例示は、前述したアニオン基と反応するアミン化合物の例示と同じである。
疎水化された導電性複合体は、水系分散媒中で分散できなくなり、析出して析出物となる。
(c)で用いることが好ましいエポキシ化合物の例示は、前述したアニオン基と反応するエポキシ化合物の例示と同じである。
本発明の第三態様の導電性フィルムの製造方法は、フィルム基材の少なくとも一方の面に、第一態様の導電性高分子含有液を塗工することを含む。
前記フィルム基材としては、例えば、プラスチックフィルムが挙げられる。
プラスチックフィルムを構成するフィルム基材用樹脂としては、例えば、エチレン-メチルメタクリレート共重合樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリフッ化ビニリデン、ポリアリレート、スチレン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリイミド、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネートなどが挙げられる。これらのフィルム基材用樹脂のなかでも、安価で機械的強度に優れる点から、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。
フィルム基材は、未延伸のものでもよいし、延伸されたものでもよい。
フィルム基材には、導電性高分子含有液から形成される導電層の密着性をさらに向上させるために、コロナ放電処理、プラズマ処理、火炎処理等の表面処理が施されてもよい。
本明細書における部材の厚さは、任意の10箇所について厚さを測定し、その測定値を平均した値である。
偏光フィルムとしては、例えば、一対の透明フィルムと、これらの間に配置された偏光層とを備えたものが知られている。
透明フィルムを構成する透明樹脂としては、例えば、トリアセチルセルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリシクロオレフィン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂等が挙げられる。
透明フィルムの厚さは、例えば、10μm以上500μm以下とすることができ、薄型化と強度の両立の点では、20μm以上300μm以下であることが好ましい。
偏光層としては、例えば、親水性フィルムに二色性物質を付着させ、一軸延伸して二色性物質を配向させたものが挙げられる。親水性フィルムとしては、例えば、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体の部分ケン化フィルム等が挙げられる。二色性物質としては、例えば、ヨウ素、二色性染料等が挙げられる。
偏光層の厚さは、例えば、10μm以上500μm以下とすることができ、薄型化と偏光性の両立の点では、20μm以上300μm以下であることが好ましい。
市販のバーコーターには、塗工厚に応じた番号が付されており、その番号が大きい程、厚く塗工できる。
導電性高分子含有液のフィルム基材への塗布量は特に制限されないが、導電性と膜強度を勘案して、固形分として、0.01g/m2以上10.0g/m2以下の範囲であることが好ましい。
塗工した導電性高分子含有液を乾燥する方法としては、加熱乾燥、真空乾燥等が挙げられる。加熱乾燥としては、例えば、熱風加熱や、赤外線加熱などの通常の方法を採用できる。
加熱乾燥を適用する場合、加熱温度は、使用する分散媒に応じて適宜設定されるが、通常は、50℃以上150℃以下の範囲内である。ここで、加熱温度は、乾燥装置の設定温度である。
塗工した導電性高分子含有液が、バインダ成分として光硬化性のモノマー又はオリゴマーを含む場合には、塗膜に紫外線又は電子線を照射して、バインダ成分を硬化させることにより、導電層が形成された導電性フィルムを得ることができる。
本発明の第四態様は、フィルム基材の少なくとも一方の面に、π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体と、前記式(1)で表される化合物(1)とを含む導電層が備えられた、導電性フィルムである。
本態様の導電性フィルムは、第三態様の製造方法によって製造することができる。
本態様の導電性フィルムのフィルム基材の説明は、第三態様のフィルム基材の説明と同じである。
フィルム基材の少なくとも一方の面に備えられた、前記導電性複合体と、化合物(1)とを含有する導電層の平均厚みとしては、10nm以上5000nm以下であることが好ましく、20nm以上1000nm以下であることがより好ましく、30nm以上500nm以下であることがさらに好ましい。
前記導電層の平均厚さが前記下限値以上であれば、充分に高い導電性を発揮でき、前記上限値以下であれば、導電層を容易に形成できる。
本発明の第四態様の導電性フィルムの導電層には、化合物(1)及び導電性複合体が含まれているので、大気に曝された状態における経時的な導電性の低下が抑制されている。このメカニズムは未解明であるが、化合物(1)が導電性複合体の酸化防止剤として機能していると推測される。
本発明の第一態様の導電性高分子含有液には、化合物(1)及び導電性複合体が安定に分散されているので、第四態様の導電性フィルムの製造に適している。
本発明の第三態様の導電性フィルムの製造方法は、第一態様の導電性高分子含有液を用いるので、第四態様の導電性フィルムを容易に製造することができる。
本発明の第二態様の導電性高分子含有液の製造方法は、導電性複合体の疎水化の有無にかかわらず、第一態様の導電性高分子含有液を容易に製造することができる。
1000mlのイオン交換水に206gのスチレンスルホン酸ナトリウムを溶解し、80℃で攪拌しながら、予め10mlの水に溶解した1.14gの過硫酸アンモニウム酸化剤溶液を20分間滴下し、この溶液を12時間攪拌した。
得られたポリスチレンスルホン酸ナトリウム含有溶液に、10質量%に希釈した硫酸を1000ml添加し、得られたポリスチレンスルホン酸含有溶液の約1000mlの溶媒を限外ろ過法により除去した。次いで、残液に2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法により約2000mlの溶媒を除去して、ポリスチレンスルホン酸を水洗した。この水洗操作を3回繰り返した。
得られた溶液中の水を減圧除去して、無色の固形状のポリスチレンスルホン酸を得た。
14.2gの3,4-エチレンジオキシチオフェンと、36.7gのポリスチレンスルホン酸を2000mlのイオン交換水に溶かした溶液とを20℃で混合した。
得られた混合溶液を20℃に保ち、掻き混ぜながら、200mlのイオン交換水に溶かした29.64gの過硫酸アンモニウムと8.0gの硫酸第二鉄の酸化触媒溶液とをゆっくり添加し、3時間攪拌して反応させた。
得られた反応液に2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法により約2000mlの溶媒を除去した。この操作を3回繰り返した。
次いで、得られた溶液に200mlの10質量%に希釈した硫酸と2000mlのイオン交換水とを加え、限外ろ過法により約2000mlの溶媒を除去した。残液に2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法により約2000mlの溶媒を除去した。この操作を3回繰り返した。
さらに、得られた溶液に2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法により約2000mlの溶媒を除去した。この操作を5回繰り返し、濃度1.2質量%のポリスチレンスルホン酸ドープポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT-PSS)が水系分散媒に分散された導電性高分子水系分散媒を得た。
製造例2で得たPEDOT-PSSの水系分散液1000gを凍結乾燥して、12gのPEDOT-PSS(導電性複合体)の凍結乾燥体を得た。
イソプロパノール1000gに、4.0gのPEDOT-PSSの凍結乾燥体と、3.5gのトリオクチルアミンを加え、高圧ホモジナイザーを用いて分散して、トリオクチルアミンが配位して疎水化された導電性複合体を含む導電性高分子含有液を得た。
製造例2で得たPEDOT-PSSの水系分散液100gに、メタノール300g及びエポキシ化合物(共栄社化学株式会社製エポライトM-1230、C12,C13混合高級アルコールグリシジルエーテル)25gを加え、60℃で4時間加熱攪拌した。このとき、PEDOT-PSSにおいてPSSのPEDOTと結合していない余剰のスルホン酸基にエポキシ化合物のエポキシ基が開環反応して結合し、余剰のスルホン酸基が消失した。この結果、PEDOT-PSSの水分散性が低下し、PEDOT-PSSとエポキシ化合物との反応物である、疎水化された導電性複合体が析出した。この析出物を濾過により回収し、1.575gの導電性複合体を得た。
次に、315gのメチルエチルケトンに上記の導電性複合体を添加し、高圧ホモジナイザーを用いて分散して、エポキシ化合物との反応により疎水化された導電性複合体を、濃度0.5質量%で含む導電性高分子含有液を得た。
「DML-PC-MF」は、前記式(1-1)で表される2-ヒドロキシ-5-メチル-1,3-ベンゼンジメタノールの略称である。
「DML-POP-MF」は、前記式(1-A-1)で表される2-ヒドロキシ-5-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-1,3-ベンゼンジメタノールの略称である。
「TML-BPA-MF」は、前記式(1-C-1)で表される5,5’-(1-メチルエチリデン)ビス[2-ヒドロキシ-1,3-ベンゼンジメタノール]の略称である。 これらの化合物は、本州化学工業株式会社製のものを用いた。
なお、「DML-PC-MF」、「TML-BPA-MF」を用いた実施例1,2,5,6,7,8,11,12,13,14,17,18,19,20,23,24は、比較例である。
製造例2で得た導電性高分子水系分散媒10gに、メタノール80gと、水分散ポリエステルのプラスコートRZ-105(互応化学工業株式会社製、固形分濃度25質量%の水分散液)10gと、DML-PC-MF 0.25gを加えた導電性高分子含有液(塗料)を得た。この塗料をPETフィルム(東レ株式会社製、ルミラーT60)上に#2のバーコーターを用いて塗布し、120℃で1分間乾燥して、導電層(厚さ:約90nm)が表面に形成された導電性フィルムを得た。
DML-PC-MF 0.25gの添加量を、0.5gに変更したこと以外は、実施例1と同様にして導電性フィルムを得た。
DML-PC-MF 0.25gを、DML-POP-MF 0.25gに変更したこと以外は、実施例1と同様にして導電性フィルムを得た。
DML-PC-MF 0.25gを、DML-POP-MF 0.5gに変更したこと以外は、実施例1と同様にして導電性フィルムを得た。
DML-PC-MF 0.25gを、TML-BPA-MF 0.25gに変更したこと以外は、実施例1と同様にして導電性フィルムを得た。
DML-PC-MF 0.25gを、TML-BPA-MF 0.5gに変更したこと以外は、実施例1と同様にして導電性フィルムを得た。
DML-PC-MFを添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にして導電性フィルムを得た。
各例の導電性フィルムについて、作製後1時間以内に測定した表面抵抗値(初期の表面抵抗値)R0と、温度25℃且つ湿度50%に調整された空気に導電層の表面が曝された状態(以下、大気暴露の状態という。)で7日間放置した後の表面抵抗値(大気暴露後の表面抵抗値)R1と、をそれぞれ測定した。その測定の際、抵抗率計(株式会社三菱化学アナリテック製ハイレスタ)を用い、印加電圧を10Vとした。各測定結果を表1に示す。なお、表中の「Ω/□」はオームパースクエアの意味である。また、「1.0E+10」は、「1.0×1010」を表す。
表1の結果において、実施例1~6の導電性フィルムでは、製造直後~7日間の経時的な導電性低下が抑制されていたが、比較例1では抑制されていなかった。
製造例4で得た導電性高分子含有液81.25gに、ウレタンアクリレート(根上工業株式会社製、アートレジンUN-904M、固形分濃度80質量%のメチルエチルケトン溶液)3.75gと、ジアセトンアルコール15gと、イルガキュア127(BASF社製光ラジカル重合開始剤)の0.075gと、DML-PC-MF 0.6gとを加えた導電性高分子含有液(塗料)を作成した。この塗料をPETフィルム(東レ株式会社製、ルミラーT60)上に#16のバーコーターを用いて塗布し、120℃で1分間乾燥し、400mJのエネルギーの紫外線照射をして、導電層(厚さ:約82nm)が表面に形成された導電性フィルムを得た。
DML-PC-MF 0.6gの添加量を、1.2gに変更したこと以外は、実施例7と同様にして導電性フィルムを得た。
DML-PC-MF 0.6gを、DML-POP-MF 0.6gに変更したこと以外は、実施例7と同様にして導電性フィルムを得た。
DML-PC-MF 0.6gを、DML-POP-MF 1.2gに変更したこと以外は、実施例7と同様にして導電性フィルムを得た。
DML-PC-MF 0.6gを、TML-BPA-MF 0.6gに変更したこと以外は、実施例7と同様にして導電性フィルムを得た。
DML-PC-MF 0.6gを、TML-BPA-MF 1.2gに変更したこと以外は、実施例7と同様にして導電性フィルムを得た。
DML-PC-MFを添加しなかったこと以外は、実施例7と同様にして導電性フィルムを得た。
各例の導電性フィルムについて、実施例1と同様に、初期の表面抵抗値R0と、大気暴露後の表面抵抗値R1と、をそれぞれ測定した。各測定結果を表2に示す。
製造例5で得た導電性高分子含有液85gに、ポリエステル(東洋紡株式会社製、バイロン240、固形分濃度20質量%のメチルエチルケトン溶液)15gと、DML-PC-MF 0.3gとを加えた導電性高分子含有液(塗料)を作成した。この塗料をPETフィルム(東レ株式会社製、ルミラーT60)上に#2のバーコーターを用いて塗布し、120℃で1分間乾燥して、導電層(厚さ:約110nm)が表面に形成された導電性フィルムを得た。
DML-PC-MF 0.3gの添加量を、0.6gに変更したこと以外は、実施例13と同様にして導電性フィルムを得た。
DML-PC-MF 0.3gを、DML-POP-MF 0.3gに変更したこと以外は、実施例13と同様にして導電性フィルムを得た。
DML-PC-MF 0.3gを、DML-POP-MF 0.6gに変更したこと以外は、実施例13と同様にして導電性フィルムを得た。
DML-PC-MF 0.3gを、TML-BPA-MF 0.3gに変更したこと以外は、実施例13と同様にして導電性フィルムを得た。
DML-PC-MF 0.3gを、TML-BPA-MF 0.6gに変更したこと以外は、実施例13と同様にして導電性フィルムを得た。
DML-PC-MFを添加しなかったこと以外は、実施例13と同様にして導電性フィルムを得た。
各例の導電性フィルムについて、実施例1と同様に、初期の表面抵抗値R0と、大気暴露後の表面抵抗値R1と、をそれぞれ測定した。各測定結果を表3に示す。
製造例5で得た導電性高分子含有液4.5gに、付加硬化型シリコーンのKS-3703T(信越化学工業社製、固形分30質量%、トルエン溶液)15gと、トルエン25.5gと、メチルエチルケトン58.5gと、白金触媒のCAT-PL-50T(信越化学工業社製)0.03gと、DML-PC-MF 0.25gとを加えた導電性高分子含有液(塗料)を作成した。この塗料をPETフィルム(東レ株式会社製、ルミラーT60)上に#8のバーコーターを用いて塗布し、150℃で1分間乾燥して、導電層(厚さ:約460nmnm)が表面に形成された導電性フィルムを得た。
DML-PC-MF 0.3gの添加量を、0.6gに変更したこと以外は、実施例19と同様にして導電性フィルムを得た。
DML-PC-MF 0.3gを、DML-POP-MF 0.3gに変更したこと以外は、実施例19と同様にして導電性フィルムを得た。
DML-PC-MF 0.3gを、DML-POP-MF 0.6gに変更したこと以外は、実施例19と同様にして導電性フィルムを得た。
DML-PC-MF 0.3gを、TML-BPA-MF 0.3gに変更したこと以外は、実施例19と同様にして導電性フィルムを得た。
DML-PC-MF 0.3gを、TML-BPA-MF 0.6gに変更したこと以外は、実施例19と同様にして導電性フィルムを得た。
DML-PC-MFを添加しなかったこと以外は、実施例19と同様にして導電性フィルムを得た。
各例の導電性フィルムについて、大気暴露の期間を1日間に短縮した以外は実施例1と同様に、初期の表面抵抗値R0と、大気暴露後の表面抵抗値R1と、をそれぞれ測定した。各測定結果を表4に示す。
表4の結果において、実施例19~24の導電性フィルムでは、製造直後~1日間の経時的な導電性低下が抑制されていたが、比較例4では抑制されていなかった。
Claims (15)
- 前記有機溶剤を含み、前記ポリアニオンは、前記ポリアニオンが有する一部のアニオン基とアミン化合物との反応物である、請求項1に記載の導電性高分子含有液。
- 前記有機溶剤を含み、前記ポリアニオンは、前記ポリアニオンが有する一部のアニオン基とエポキシ化合物との反応物である、請求項1に記載の導電性高分子含有液。
- バインダ成分をさらに含有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の導電性高分子含有液。
- バインダ成分をさらに含有し、前記バインダ成分が水分散性樹脂であり、水を含む、請求項1に記載の導電性高分子含有液。
- バインダ成分をさらに含有し、前記バインダ成分がアクリル化合物であり、前記有機溶剤を含む、請求項1~3の何れか一項に記載の導電性高分子含有液。
- バインダ成分をさらに含有し、前記バインダ成分が硬化型シリコーンであり、前記有機溶剤を含む、請求項1~3の何れか一項に記載の導電性高分子含有液。
- 前記硬化型シリコーンが付加硬化型である、請求項7に記載の導電性高分子含有液。
- 前記π共役系導電性高分子がポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)である、請求項1~8のいずれか一項に記載の導電性高分子含有液。
- 前記ポリアニオンがポリスチレンスルホン酸である、請求項1~9のいずれか一項に記載の導電性高分子含有液。
- フィルム基材の少なくとも一方の面に、請求項1~10のいずれか一項に記載の導電性高分子含有液を塗工することを含む、導電性フィルムの製造方法。
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