JP2022050974A - 硫黄含有導電性複合体及びその製造方法、導電性高分子分散液、並びに、導電性積層体及びその製造方法 - Google Patents

硫黄含有導電性複合体及びその製造方法、導電性高分子分散液、並びに、導電性積層体及びその製造方法 Download PDF

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Shinobu Izumi
裕美 竹澤
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Abstract

【課題】高温高湿環境への暴露に対する耐久性と導電性に優れた導電層を形成できる硫黄含有導電性複合体及びその製造方法を提供する。【解決手段】π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含み、さらに単体硫黄が含まれた、硫黄含有導電性複合体、並びに、π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体と、水系分散媒とを含む原料液に、単体硫黄を含む溶液と、エポキシ化合物、アミン化合物又は第四級アンモニウム化合物を混合することにより反応液を得て、前記導電性複合体に前記エポキシ化合物、前記アミン化合物又は前記第四級アンモニウム化合物が反応し、さらに単体硫黄が含まれた硫黄含有導電性複合体を析出させることを含む、硫黄含有導電性複合体の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、π共役系導電性高分子を含む硫黄含有導電性複合体及びその製造方法、導電性高分子分散液、並びに、導電性積層体及びその製造方法に関する。
主鎖がπ共役系で構成されているπ共役系導電性高分子は、アニオン基を有するポリアニオンがドープすることによって導電性複合体を形成し、水に対する分散性が生じる。導電性複合体を含有する導電性高分子分散液をガラス基材やフィルム基材等に塗工することにより、導電層(導電膜)を備えた導電性積層体を製造することができる。しかし、導電性複合体を含む導電層は、大気暴露によって導電性が経時的に低下する問題がある。この問題を軽減する方法として、導電層に酸化防止剤を含有させる方法が開示されている(特許文献1)。
特許第5509462号公報
しかし、特許文献1に開示された発明に代わる新たな導電性高分子分散液が求められている。
本発明は、高温高湿環境への暴露に対する耐久性と導電性に優れた導電層を形成できる硫黄含有導電性複合体及びその製造方法を提供する。また、その硫黄含有導電性複合体を含み、保存安定性に優れた導電性高分子分散液を提供する。さらに、前記導電層を備えた導電性積層体及びその製造方法を提供する。
[1] π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含み、さらに単体硫黄が含まれた、硫黄含有導電性複合体。
[2] 前記π共役系導電性高分子が、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)であるか、又は、前記ポリアニオンが、ポリスチレンスルホン酸である、[1]に記載の硫黄含有導電性複合体。
[3] 前記ポリアニオンが有する一部のアニオン基が、アミン化合物又は第四級アンモニウム化合物と反応して修飾されている、[1]又は[2]に記載の硫黄含有導電性複合体。
[4] 前記ポリアニオンが有する一部のアニオン基が、エポキシ化合物と反応して修飾されている、[1]又は[2]に記載の硫黄含有導電性複合体。
[5] 分散媒と、[1]~[4]の何れか一項に記載の硫黄含有導電性複合体とを含む、導電性高分子分散液。
[6] さらに、バインダ成分を含む、[5]に記載の導電性高分子分散液。
[7] 基材と、前記基材の少なくとも一つの面に形成された、[1]~[4]の何れか一項に記載の硫黄含有導電性複合体を含む導電層とを備える、導電性積層体。
[8] 基材の少なくとも一つの面に、[5]又は[6]に記載の導電性高分子分散液を塗工することを含む、導電性積層体の製造方法。
[9] π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体と、水系分散媒とを含む原料液に、単体硫黄を含む溶液とアミン化合物又は第四級アンモニウム化合物を混合することにより反応液を得て、前記導電性複合体に前記アミン化合物又は前記第四級アンモニウム化合物が反応し、さらに単体硫黄が含まれた硫黄含有導電性複合体を析出させることを含む、硫黄含有導電性複合体の製造方法。
[10] π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体と、水系分散媒とを含む原料液に、単体硫黄を含む溶液とエポキシ化合物を混合することにより反応液を得て、前記導電性複合体に前記エポキシ化合物が反応し、さらに単体硫黄が含まれた硫黄含有導電性複合体を析出させることを含む、硫黄含有導電性複合体の製造方法。
本発明の硫黄含有導電性複合体によれば、高温高湿環境への暴露に対する耐久性と導電性に優れた導電層を形成できる。また、本発明の導電性高分子分散液は保存安定性に優れる。本発明の導電性積層体は、高温高湿環境への暴露に対する耐久性と導電性に優れた導電層を備え、例えば電池の電極として使用することもできる。
本発明はSDGs目標12「つくる責任 つかう責任」に資すると考えられる。
本明細書及び特許請求の範囲において、「~」で示す数値範囲の下限値及び上限値はその数値範囲に含まれるものとする。
≪硫黄含有導電性複合体≫
本発明の第一態様は、π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含み、さらに単体硫黄が含まれた、硫黄含有導電性複合体である。
[π共役系導電性高分子]
前記π共役系導電性高分子としては、主鎖がπ共役系で構成されている導電性の有機高分子であればよく、例えば、ポリピロール系導電性高分子、ポリチオフェン系導電性高分子、ポリアセチレン系導電性高分子、ポリフェニレン系導電性高分子、ポリフェニレンビニレン系導電性高分子、ポリアニリン系導電性高分子、ポリアセン系導電性高分子、ポリチオフェンビニレン系導電性高分子、及びこれらの共重合体等が挙げられる。空気中での安定性の点からは、ポリピロール系導電性高分子、ポリチオフェン類及びポリアニリン系導電性高分子が好ましく、透明性の面から、ポリチオフェン系導電性高分子がより好ましい。
ポリチオフェン系導電性高分子としては、ポリチオフェン、ポリ(3-メチルチオフェン)、ポリ(3-エチルチオフェン)、ポリ(3-プロピルチオフェン)、ポリ(3-ブチルチオフェン)、ポリ(3-ヘキシルチオフェン)、ポリ(3-ヘプチルチオフェン)、ポリ(3-オクチルチオフェン)、ポリ(3-デシルチオフェン)、ポリ(3-ドデシルチオフェン)、ポリ(3-オクタデシルチオフェン)、ポリ(3-ブロモチオフェン)、ポリ(3-クロロチオフェン)、ポリ(3-ヨードチオフェン)、ポリ(3-シアノチオフェン)、ポリ(3-フェニルチオフェン)、ポリ(3,4-ジメチルチオフェン)、ポリ(3,4-ジブチルチオフェン)、ポリ(3-ヒドロキシチオフェン)、ポリ(3-メトキシチオフェン)、ポリ(3-エトキシチオフェン)、ポリ(3-ブトキシチオフェン)、ポリ(3-ヘキシルオキシチオフェン)、ポリ(3-ヘプチルオキシチオフェン)、ポリ(3-オクチルオキシチオフェン)、ポリ(3-デシルオキシチオフェン)、ポリ(3-ドデシルオキシチオフェン)、ポリ(3-オクタデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4-ジヒドロキシチオフェン)、ポリ(3,4-ジメトキシチオフェン)、ポリ(3,4-ジエトキシチオフェン)、ポリ(3,4-ジプロポキシチオフェン)、ポリ(3,4-ジブトキシチオフェン)、ポリ(3,4-ジヘキシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4-ジヘプチルオキシチオフェン)、ポリ(3,4-ジオクチルオキシチオフェン)、ポリ(3,4-ジデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4-ジドデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)、ポリ(3,4-プロピレンジオキシチオフェン)、ポリ(3,4-ブチレンジオキシチオフェン)、ポリ(3-メチル-4-メトキシチオフェン)、ポリ(3-メチル-4-エトキシチオフェン)、ポリ(3-カルボキシチオフェン)、ポリ(3-メチル-4-カルボキシチオフェン)、ポリ(3-メチル-4-カルボキシエチルチオフェン)、ポリ(3-メチル-4-カルボキシブチルチオフェン)が挙げられる。
ポリピロール系導電性高分子としては、ポリピロール、ポリ(N-メチルピロール)、ポリ(3-メチルピロール)、ポリ(3-エチルピロール)、ポリ(3-n-プロピルピロール)、ポリ(3-ブチルピロール)、ポリ(3-オクチルピロール)、ポリ(3-デシルピロール)、ポリ(3-ドデシルピロール)、ポリ(3,4-ジメチルピロール)、ポリ(3,4-ジブチルピロール)、ポリ(3-カルボキシピロール)、ポリ(3-メチル-4-カルボキシピロール)、ポリ(3-メチル-4-カルボキシエチルピロール)、ポリ(3-メチル-4-カルボキシブチルピロール)、ポリ(3-ヒドロキシピロール)、ポリ(3-メトキシピロール)、ポリ(3-エトキシピロール)、ポリ(3-ブトキシピロール)、ポリ(3-ヘキシルオキシピロール)、ポリ(3-メチル-4-ヘキシルオキシピロール)が挙げられる。
ポリアニリン系導電性高分子としては、ポリアニリン、ポリ(2-メチルアニリン)、ポリ(3-イソブチルアニリン)、ポリ(2-アニリンスルホン酸)、ポリ(3-アニリンスルホン酸)が挙げられる。
これらのπ共役系導電性高分子のなかでも、導電性、透明性、耐熱性の点から、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)が特に好ましい。
前記硫黄含有導電性複合体に含まれるπ共役系導電性高分子は、1種類でもよいし、2種類以上でもよい。
[ポリアニオン]
前記ポリアニオンは、アニオン基を有するモノマー単位を、分子内に2つ以上有する重合体である。このポリアニオンのアニオン基は、π共役系導電性高分子に対するドーパントとして機能して、π共役系導電性高分子の導電性を向上させる。
ポリアニオンのアニオン基としては、スルホ基、またはカルボキシ基であることが好ましい。
このようなポリアニオンの具体例としては、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリアリルスルホン酸、スルホ基を有するポリアクリル酸エステル、スルホ基を有するポリメタクリル酸エステル(例えば、ポリ(4-スルホブチルメタクリレート、ポリスルホエチルメタクリレート、ポリメタクリロイルオキシベンゼンスルホン酸)、ポリ(2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸)、ポリイソプレンスルホン酸等のスルホ基を有する高分子や、ポリビニルカルボン酸、ポリスチレンカルボン酸、ポリアリルカルボン酸、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリ(2-アクリルアミド-2-メチルプロパンカルボン酸)、ポリイソプレンカルボン酸等のカルボキシ基を有する高分子が挙げられる。ポリアニオンは、単一のモノマーが重合した単独重合体であってもよいし、2種以上のモノマーが重合した共重合体であってもよい。
これらポリアニオンのなかでも、導電性をより高くできることから、スルホ基を有する高分子が好ましく、ポリスチレンスルホン酸がより好ましい。
前記硫黄含有導電性複合体に含まれるポリアニオンは1種でもよいし、2種以上でもよい。
ポリアニオンの質量平均分子量は2万以上100万以下であることが好ましく、10万以上50万以下であることがより好ましい。質量平均分子量は、ゲル濾過クロマトグラフィを用いて測定し、プルラン換算で求めた質量基準の平均分子量である。
ポリアニオンが、π共役系導電性高分子にドープすることによって導電性複合体を形成する。ただし、ポリアニオンにおいては、一部のアニオン基がπ共役系導電性高分子にドープせず、ドープに関与しない余剰のアニオン基を有している。この余剰のアニオン基は親水基であるため、後述するようにエポキシ化合物等と反応させる前の状態では、導電性複合体は水分散性が高く、有機溶剤分散性が低い。
ポリアニオンが有する全てのアニオン基の個数を100モル%としたとき、余剰のアニオン基は、30モル%以上90モル%以下が好ましく、45モル%以上75モル%以下がより好ましい。
本態様の硫黄含有導電性複合体に含まれるポリアニオンの含有割合は、π共役系導電性高分子100質量部に対して1質量部以上1000質量部以下の範囲が好ましく、10質量部以上700質量部以下がより好ましく、100質量部以上500質量部以下の範囲がさらに好ましい。ポリアニオンの含有割合が前記下限値以上であれば、π共役系導電性高分子へのドーピング効果が強くなる傾向にあり、導電性がより高くなる。一方、ポリアニオンの含有量が前記上限値以下であれば、ドープに関与しないアニオン基の量が適度に抑えられ、アニオン基にエポキシ化合物、アミン化合物又は第四級アンモニウム化合物を反応させて疎水性に容易に変換できる。
本態様の硫黄含有導電性複合体に含まれるポリアニオンは、ポリアニオンが有するドープに関与しない余剰のアニオン基(以下、「一部のアニオン基」ともいう)と、エポキシ化合物、アミン化合物、及び第四級アンモニウム化合物のうち少なくとも何れか1種との反応によって修飾されていてもよい。すなわち、本発明のポリアニオンは、エポキシ化合物と一部のアニオン基の反応によって形成された置換基(A)と、アミン化合物と一部のアニオン基との反応によって形成された置換基(B)と、第四級アンモニウム化合物と一部のアニオン基との反応によって形成された置換基(C)とからなる群から選択される1種以上を有していてもよい。
(置換基A)
置換基(A)は下記式(A1)で示される基、又は下記式(A2)で表される基であると推測される。
Figure 2022050974000001
[式(A1)中、R、R、R、及びRはそれぞれ独立に、水素原子、又は任意の置換基である。]
Figure 2022050974000002
[式(A2)中、mは2以上の整数であり、複数のR、複数のR、複数のR、及び複数のRはそれぞれ独立に、水素原子、又は任意の置換基であり、複数のRは同一でも異なっていてもよく、複数のRは同一でも異なっていてもよく、複数のRは同一でも異なっていてもよく、複数のRは同一でも異なっていてもよい。]
式(A1)及び(A2)において、左端の結合手は、置換基(A)が、アニオン基のプロトンと置換していることを表す。置換されるプロトンを有するアニオン基として、例えば、「-SOH」のように酸素原子に結合した活性なプロトンを有するアニオン基が挙げられる。
式(A1)において、R、R、R、及びRの任意の置換基としては、置換基を有していてもよい炭素数1~20の脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素数6~20の芳香族炭化水素基等が挙げられる。RとRとは結合して置換基を有していてもよい環を形成していてもよい。例えば、RとRとが前記炭化水素基であり、Rの1価の炭化水素基の任意の1つの水素原子を除いた2価の炭化水素基と、Rの1価の炭化水素基の任意の1つの水素原子を除いた2価の炭化水素基とが、前記水素原子が除かれた炭素原子同士で結合して環を形成する場合が挙げられる。
式(A2)において、R、R、R、及びRの任意の置換基としては、置換基を有していてもよい炭素数1~20の脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素数6~20の芳香族炭化水素基等が挙げられる。RとRとは結合して置換基を有していてもよい環を形成していてもよい。環を形成する例は、上記と同様である。
本明細書において、「置換基を有していてもよい」とは、水素原子(-H)を1価の基で置換する場合と、メチレン基(-CH-)を2価の基で置換する場合との両方を含む。
置換基としての1価の基としては、炭素数1~4のアルキル基、炭素数2~4のアルケニル基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)、トリアルコキシシリル基(トリメトキシシリル基等)、等が挙げられる。
置換基としての2価の基としては、酸素原子(-O-)、-C(=O)-、-C(=O)-O-等が挙げられる。
mは2以上の整数であり、2~100が好ましく、2~50がより好ましく、2~25がさらに好ましい。mが上記下限値以上であると、導電性複合体の疎水性が充分に高くなる。mが前記上限値以下であると、疎水性が高くなりすぎたり、導電性が低下したりするのを抑制することができる。
エポキシ化合物は、1分子中にエポキシ基を1つ以上有する化合物(エポキシ基含有化合物)である。凝集又はゲル化を防止する点では、エポキシ化合物は、1分子中にエポキシ基を1つ有する化合物が好ましい。
前記導電性複合体と反応するエポキシ化合物は1種類でもよいし、2種以上でもよい。
1分子中にエポキシ基を1つ有する単官能エポキシ化合物としては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、2,3-ブチレンオキサイド、イソブチレンオキサイド、1,2-ブチレンオキサイド、1,2-エポキシヘキサン、1,2-エポキシヘプタン、1,2-エポキシペンタン、1,2-エポキシオクタン、1,2-エポキシデカン、1,3-ブタジエンモノオキサイド、1,2-エポキシテトラデカン、グリシジルメチルエーテル、1,2-エポキシオクタデカン、1,2-エポキシヘキサデカン、エチルグリシジルエーテル、グリシジルイソプロピルエーテル、tert-ブチルグリシジルエーテル、1,2-エポキシエイコサン、2-(クロロメチル)-1,2-エポキシプロパン、グリシドール、エピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン、ブチルグリシジルエーテル、1,2-エポキシヘキサン、1,2-エポキシ-9-デカン、2-(クロロメチル)-1,2-エポキシブタン、2-エチルヘキシルグリシジルエーテル、1,2-エポキシ-1H,1H,2H,2H,3H,3H-トリフルオロブタン、アリルグリシジルエーテル、テトラシアノエチレンオキサイド、グリシジルブチレート、1,2-エポキシシクロオクタン、グリシジルメタクリレート、1,2-エポキシシクロドデカン、1-メチル-1,2-エポキシシクロヘキサン、1,2-エポキシシクロペンタデカン、1,2-エポキシシクロペンタン、1,2-エポキシシクロヘキサン、1,2-エポキシ-1H,1H,2H,2H,3H,3H-ヘプタデカフルオロブタン、3,4-エポキシテトラヒドロフラン、グリシジルステアレート、3-グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、エポキシコハク酸、グリシジルフェニルエーテル、イソホロンオキサイド、α-ピネンオキサイド、2,3-エポキシノルボルネン、ベンジルグリシジルエーテル、ジエトキシ(3-グリシジルオキシプロピル)メチルシラン、3-[2-(パーフルオロヘキシル)エトキシ]-1,2-エポキシプロパン、1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチル-3-(3-グリシジルオキシプロピル)トリシロキサン、9,10-エポキシ-1,5-シクロドデカジエン、4-tert-ブチル安息香酸グリシジル、2,2-ビス(4-グリシジルオキシフェニル)プロパン、2-tert-ブチル-2-[2-(4-クロロフェニル)]エチルオキシラン、スチレンオキサイド、グリシジルトリチルエーテル、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2-フェニルプロピレンオキサイド、コレステロール-5α,6α-エポキシド、スチルベンオキサイド、p-トルエンスルホン酸グリシジル、3-メチル-3-フェニルグリシド酸エチル、N-プロピル-N-(2,3-エポキシプロピル)ペルフルオロ-n-オクチルスルホンアミド、(2S,3S)-1,2-エポキシ-3-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-4-フェニルブタン、3-ニトロベンゼンスルホン酸(R)-グリシジル、3-ニトロベンゼンスルホン酸-グリシジル、パルテノリド、N-グリシジルフタルイミド、エンドリン、デイルドリン、4-グリシジルオキシカルバゾール、7,7-ジメチルオクタン酸[オキシラニルメチル]、1,2-エポキシ-4-ビニルシクロヘキサン、炭素数10~16の高級アルコールグリシジルエーテル等が挙げられる。
前記高級アルコールグリシジルエーテルとしては、炭素数10~16の高級アルコールグリシジルエーテルの1種以上が好ましく、炭素数12~14の高級アルコールグリシジルエーテルの1種以上がより好ましく、C12(炭素数12)高級アルコールグリシジルエーテル及びC13(炭素数13)高級アルコールグリシジルエーテルのうち少なくとも1種がさらに好ましい。
1分子中にエポキシ基を2つ以上有する多官能エポキシ化合物としては、例えば、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、1,7-オクタジエンジエポキシド、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、4-ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,2:3,4-ジエポキシブタン、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸ジグリシジル、イソシアヌル酸トリグリシジル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,2:3,4-ジエポキシブタン、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、グリセリンポリグリシジルエーテル、ジグリセリンポリグリシジルエーテル、ポリグリセリンポリグリシジルエーテル、ソルビトール系ポリグリシジルエーテル、エチレンオキシドラウリルアルコールグリシジルエーテル等が挙げられる。
エポキシ化合物は、有機溶剤への分散性が高くなることから、分子量が50以上2,000以下であることが好ましい。また、低極性の炭化水素系溶剤、エステル系溶剤への分散性が高くなることから、エポキシ化合物は、炭素数が4以上120以下のものが好ましく、7以上100以下のものがより好ましく、10以上80以下のものがさらに好ましく、15以上50以下のものが特に好ましい。
(置換基B)
置換基(B)は下記式(B)で表される基であると推測される。
-HN111213 ・・・(B)
[式(B)中、R11~R13はそれぞれ独立に、水素原子、又は置換基を有してもよい炭化水素基であり、ただし、R11~R13のうち少なくとも1つは置換基を有してもよい炭化水素基である。]
置換基(B)において、左端の結合手は、アニオン基の負電荷と、アミン化合物の正電荷とが結合していることを表す。負に荷電し得るアニオン基として、例えば「-SO 」のように、酸素原子に活性なプロトンが結合したアニオン基が挙げられる。
化学式(B)におけるR11~R13は水素原子、又は置換基を有していてもよい炭化水素基である。化学式(B)におけるR11~R13は後述するアミン化合物に由来する置換基である。
化学式(B)における炭化水素基は、置換基を有していてもよい炭素数1~20の脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素数6~20の芳香族炭化水素基が挙げられる。
脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などが挙げられる。
脂肪族炭化水素基の置換基としては、フェニル基、水酸基等が挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
芳香族炭化水素基の置換基としては、炭素数1~5のアルキル基、水酸基等が挙げられる。
有機溶剤への分散性が高くなることから、アミン化合物は、窒素原子上に炭素数が4以上の置換基を有することが好ましく、6以上の置換基を有することがより好ましく、窒素原子上に炭素数が8以上の置換基を有することがさらに好ましい。
前記アミン化合物は、第一級アミン、第二級アミン及び第三級アミンよりなる群から選ばれる少なくとも1種である。前記導電性複合体と反応するアミン化合物は1種類でもよいし、2種以上でもよい。
第一級アミンとしては、例えば、アニリン、トルイジン、ベンジルアミン、エタノールアミン等が挙げられる。
第二級アミンとしては、例えば、ジエタノールアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジフェニルアミン、ジベンジルアミン、ジナフチルアミン等が挙げられる。
第三級アミンとしては、例えば、トリエタノールアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリヘキシルアミン、トリオクチルアミン、トリフェニルアミン、トリベンジルアミン、トリナフチルアミン等が挙げられる。
前記アミン化合物のうち、本態様の導電性高分子分散液を容易に製造できることから、第三級アミンが好ましく、トリオクチルアミン及びトリブチルアミンの少なくとも一方がより好ましい。
(置換基C)
置換基(C)は下記式(C)で表される基であると推測される。
-N11121314 ・・・(C)
[式(C)中、R11~R14はそれぞれ独立に、置換基を有してもよい炭化水素基である。]
置換基(C)において、左端の結合手は、アニオン基の負電荷と、第四級アンモニウムカチオンの正電荷とが結合していることを表す。負に荷電し得るアニオン基として、例えば「-SO 」のように、酸素原子に活性なプロトンが結合したアニオン基が挙げられる。
化学式(C)におけるR11~R14は置換基を有していてもよい炭化水素基である。化学式(C)におけるR11~R14は第四級アンモニウム化合物に由来する置換基である。
化学式(C)における炭化水素基は、置換基を有していてもよい炭素数1~20の脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素数6~20の芳香族炭化水素基が挙げられる。
脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などが挙げられる。
脂肪族炭化水素基の置換基としては、フェニル基、水酸基等が挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
芳香族炭化水素基の置換基としては、炭素数1~5のアルキル基、水酸基等が挙げられる。
有機溶剤への分散性が高くなることから、第四級アンモニウム化合物は、窒素原子上に炭素数が4以上の置換基を有することが好ましく、6以上の置換基を有することがより好ましく、窒素原子上に炭素数が8以上の置換基を有することがさらに好ましい。
第四級アンモニウム化合物の具体例としては、テトラ-n-オクチルアンモニウム塩、テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、テトラプロピルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩、テトラフェニルアンモニウム塩、テトラベンジルアンモニウム塩、テトラナフチルアンモニウム塩等の第四級アンモニウム塩が挙げられる。アンモニウムカチオンのカウンターアニオンとしては、例えば、臭素イオン、塩素イオン等のハロゲンイオンやヒドロキシイオンが挙げられる。
[単体硫黄]
本態様の硫黄含有導電性複合体に含まれる単体硫黄は、硫黄の単体であればよく、同素体の種類や結晶多形の制限はない。
前記導電性複合体に対する単体硫黄の詳細な結合様式は未解明であるが、帯電した硫黄分子がコロイド状態の導電性複合体中に包摂された状態にあると推測される。
本態様の硫黄含有導電性複合体に含まれる単体硫黄の含有量は、π共役系導電性高分子及びポリアニオンのみからなる前記導電性複合体100質量部に対して、10質量部以上1000質量部以下が好ましく、30質量部以上500質量部以下がより好ましく、50質量部以上300質量部以下がさらに好ましく、70質量部以上150質量部以下が特に好ましい。
上記範囲の下限値以上であると、高温高湿環境への暴露に対する耐久性と導電性がより高まり、分散媒に対する分散性もより高まる。
上記範囲の上限値以下であると、導電性複合体の相対的な含有量が高まり、単体硫黄が過度に含まれることによって生じ得る導電性の低下を抑制できる。
本態様の硫黄含有導電性複合体に含まれる単体硫黄の含有量は、燃焼法やX線分析法により定量することができる。
≪導電性高分子分散液≫
本発明の第二態様は、分散媒と、第一態様の硫黄含有導電性複合体とを含む、導電性高分子分散液である。
本態様の導電性高分子分散液において、硫黄含有導電性複合体は、分散状態であってもよいし、溶解状態であってもよい。本明細書において、特に明記しない限り、分散と溶解とを区別せず、単に分散ということがある。
導電性高分子分散液の総質量に対する、硫黄含有導電性複合体の含有量は、例えば、0.1質量%以上5質量%以下が好ましく、0.2質量%以上2質量%以下がより好ましく、0.3質量%以上1質量%以下がさらに好ましい。
上記範囲であると、硫黄含有導電性複合体の分散性がより向上し、導電性高分子分散液の保存安定性がより向上する。また、均一で導電性に優れた導電層を形成することができる。
<分散媒>
本態様の導電性高分子分散液に含まれる分散媒は、硫黄含有導電性複合体を分散する液剤である。前記分散媒は、水及び有機溶剤のうちの少なくとも一方を含む。
硫黄含有導電性複合体のポリアニオンは、前述したように修飾されて疎水化されていてもよいし、疎水化されていなくてもよい。疎水化されている場合には、分散媒として有機溶剤を用いることが好ましい。疎水化されていない場合には、分散媒として水系分散媒を用いることが好ましい。
(有機溶剤)
有機溶剤は、水溶性有機溶剤でもよいし、非水溶性有機溶剤でもよいし、水溶性有機溶剤及び非水溶性有機溶剤の混合溶剤でもよい。
本明細書において、水溶性有機溶剤は、20℃の水100gに対する溶解量が1g以上の有機溶剤であり、非水溶性有機溶剤は、20℃の水100gに対する溶解量が1g未満の有機溶剤である。
水溶性有機溶剤としては、例えば、アルコール系溶剤、エーテル系溶剤、ケトン系溶剤、窒素原子含有溶剤、エステル系溶剤等が挙げられる。
アルコール系溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール(イソプロパノール)、2-メチル-2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、2-メチル-1-プロパノール、アリルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。
エーテル系溶剤としては、例えば、ジエチルエーテル、ジメチルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等が挙げられる。
ケトン系溶剤としては、例えば、ジエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、ジイソプロピルケトン、メチルエチルケトン、アセトン、ジアセトンアルコール等が挙げられる。
窒素原子含有溶剤としては、例えば、N-メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。
水溶性有機溶剤は1種のみが含まれてもよいし、2種以上が含まれてもよい。
導電性高分子分散液のガラス基材やフィルム基材に対する塗工性が良好になることから、水溶性有機溶剤としてはアルコール系溶剤、又はケトン系溶剤が好ましい。
非水溶性有機溶剤としては、例えば、炭化水素系溶剤等が挙げられる。炭化水素系溶剤としては、例えば、脂肪族炭化水素系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤が挙げられる。
脂肪族炭化水素系溶剤としては、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、ペンタン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ドデカン等が挙げられる。
芳香族炭化水素系溶剤としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、イソプロピルベンゼン等が挙げられる。
非水溶性有機溶剤は1種のみが含まれてもよいし、2種以上が含まれてもよい。
非水溶性有機溶剤のなかでも、本態様における導電性高分子分散液を容易に製造できる点では、芳香族炭化水素系溶剤が好ましく、トルエンがより好ましい。
本態様の硫黄含有導電性複合体が前述した置換基(A)(B)(C)の何れかを有することにより疎水化されている場合、前記分散媒の総質量に対する有機溶剤の含有量は、50質量%超であることが好ましく、70質量%以上100質量%以下であることがより好ましく、90質量%以上99.9質量%以下であることがさらに好ましい。有機溶剤の含有割合が上記範囲であると、疎水化された硫黄含有導電性複合体を容易に分散させることができ、容易に導電層を形成するこができる。
(高沸点溶剤)
前記分散媒は、1気圧(101325パスカル)における沸点が150℃以上250℃以下の範囲内にある高沸点溶剤をさらに含んでいてもよい。高沸点溶剤を含むことにより、導電性の向上等の効果が得られる。
前記分散媒は、高沸点溶剤を含む場合、高沸点溶剤以外の分散媒(1気圧における沸点が150℃未満の分散媒)も含む。
前記分散媒が含む高沸点溶剤は1種でもよいし、2種以上でもよい。また、前記分散媒が高沸点溶剤を含む場合の高沸点溶剤以外の分散媒は1種でもよいし、2種以上でもよい。
高沸点溶剤として、水溶性有機溶剤、非水溶性有機溶剤が例示される。ここで、水溶性有機溶剤と非水溶性有機溶剤の定義は上述と同じである。
高沸点の水溶性有機溶剤としては、例えば、アルコール系溶剤、エーテル系溶剤、ケトン系溶剤、窒素原子含有溶剤、硫黄原子含有溶剤等が挙げられる。
アルコール系溶剤としては、例えば、エチレングリコール(沸点198℃)、1,2-プロパンジオール(別名:プロピレングリコール、沸点188℃)、1,3-プロパンジオール(沸点214℃)、1,2-ブタンジオール(沸点194℃)、1,3-ブタンジオール(沸点207℃)、1,4-ブタンジオール(沸点228℃)、ジプロピレングリコール(沸点232℃、異性体の混合物)、ジエチレングリコール(沸点245℃)、等の多価アルコールが挙げられる。
エーテル系溶剤としては、例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル(沸点162℃)、ジエチレングリコールジエチルエーテル(沸点188℃)等が挙げられる。
ケトン系溶剤としては、例えば、メチルアミルケトン(沸点151℃)、ジアセトンアルコール(沸点168℃)等が挙げられる。
窒素原子含有溶剤としては、例えば、N-メチルピロリドン(沸点202℃)、N-メチルアセトアミド(沸点206℃)、ジメチルアセトアミド(沸点165℃)、N,N-ジメチルホルムアミド(沸点153℃)等が挙げられる。
硫黄原子含有溶剤としては、例えば、ジメチルスルホキシド(沸点189℃)等が挙げられる。
高沸点の非水溶性有機溶剤としては、例えば、炭化水素系溶剤等が挙げられる。炭化水素系溶剤としては、例えば、脂肪族炭化水素系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤が挙げられる。
脂肪族炭化水素系溶剤としては、例えば、ノナン(沸点151℃)、デカン(沸点174℃)、ドデカン(沸点216℃)等が挙げられる。
芳香族炭化水素系溶剤としては、例えば、プロピルベンゼン(沸点159℃)、イソプロピルベンゼン(沸点152℃)等が挙げられる。
上記例の中でも、導電性向上の効果がより一層得られることから、アルコール系の高沸点溶剤が好ましい。
アルコール系の高沸点溶剤の中でも、導電性の向上等の効果が優れることから、エチレングリコール(沸点198℃)、1,2-プロパンジオール(沸点188℃)、1,3-プロパンジオール(沸点214℃)、ジメチルスルホキシド(沸点189℃)が好ましく、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオールがより好ましい。
本態様の導電性高分子分散液に含まれる硫黄含有導電性複合体100質量部に対する高沸点溶剤の含有割合は、300質量部以上10000質量部以下が好ましく、500質量部以上5000質量部以下がより好ましく、800質量部以上3000質量部以下がさらに好ましい。上記範囲であると、形成される導電層の導電性がより一層向上する。
本態様の導電性高分子分散液の総質量に対する高沸点溶剤の含有量は、1質量%以上10質量%以下が好ましく、2質量%以上8質量%以下がより好ましく、3質量%以上6質量%以下がさらに好ましい。上記範囲であると、形成される導電層の導電性がより一層向上する。
本態様の導電性高分子分散液に含まれる高沸点溶剤と高沸点溶剤以外の分散媒の割合は、高沸点溶剤の合計質量(M1)<高沸点溶剤以外の分散媒の合計質量(M2)の割合であることが好ましい。また、M2/M1比は、5~35が好ましく、10~30がより好ましく、15~25がさらに好ましい。
上記割合であると、形成される導電層の導電性をより高めることができる。
(水系分散媒)
水系分散媒は、水、又は水と水溶性有機溶剤との混合液である。水溶性有機溶剤としては、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤が挙げられる。水溶性有機溶剤は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
水系分散媒の総質量に対する水の含有量は、50質量%以上であり、60質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、100質量%であってもよい。
<バインダ成分>
本態様の導電性高分子分散液は、バインダ成分を含んでいてもよい。バインダ成分は、前記π共役系導電性高分子及び前記ポリアニオン以外の樹脂又はその前駆体であり、熱可塑性樹脂、又は、導電層形成時に硬化する硬化性のモノマー又はオリゴマーである。熱可塑性樹脂はそのままバインダ樹脂となり、硬化性のモノマー又はオリゴマーは硬化により形成した樹脂がバインダ樹脂となる。
バインダ成分は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
バインダ成分由来のバインダ樹脂の具体例としては、例えば、ポリビニルアルコール樹脂、アクリル樹脂(アクリル化合物)、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテル樹脂、メラミン樹脂、シリコーン等が挙げられる。
硬化性のモノマー又はオリゴマーは、熱硬化性のモノマー又はオリゴマーであってもよいし、光硬化性のモノマー又はオリゴマーであってもよい。ここで、オリゴマーは、質量平均分子量が1万未満の重合体のことである。
硬化性のモノマーとしては、例えば、アクリルモノマー(アクリル化合物)、エポキシモノマー、オルガノシロキサン等が挙げられる。硬化性のオリゴマーとしては、例えば、アクリルオリゴマー(アクリル化合物)、エポキシオリゴマー、シリコーンオリゴマー(硬化型シリコーン)等が挙げられる。
バインダ成分としてアクリルモノマー又はアクリルオリゴマーを用いた場合には、加熱又は光照射により容易に硬化させることができる。バインダ成分としてオルガノシロキサン又はシリコーンオリゴマーを用いた場合には、導電層に離型性(非粘着性)を付与することができる。
硬化性のモノマー又はオリゴマーを含む場合には、さらに硬化触媒を含むことが好ましい。例えば、熱硬化性のモノマー又はオリゴマーを含む場合には、加熱によりラジカルを発生させる熱重合開始剤を含むことが好ましく、光硬化性のモノマー又はオリゴマーを含む場合には、光照射によりラジカルを発生させる光重合開始剤を含むことが好ましい。また、オルガノシロキサン又はシリコーンオリゴマーを含む場合には、硬化用の白金触媒を含むことが好ましい。
導電性高分子分散液の分散媒が水系分散媒である場合、含有するバインダ樹脂としては、水分散性樹脂が好ましく、水分散性エマルション樹脂がより好ましい。水分散性樹脂は、エマルション樹脂又は水溶性樹脂である。
導電性高分子分散液におけるバインダ成分の含有割合は、硫黄含有導電性複合体100質量部に対して、10質量部以上10000質量部以下であることが好ましく、50質量部以上5000質量部以下であることがより好ましく、100質量部以上1000質量部以下であることがさらに好ましい。
上記範囲の下限値以上であれば、導電性高分子分散液をガラス基材やフィルム基材に塗工する際の製膜性と膜強度を向上させることができる。また、導電層の耐久性をより高めることができる。
上記範囲の上限値以下であれば、硫黄含有導電性複合体の含有割合の低下による導電性の低下を抑制することができる。
(酸化防止剤)
本態様の導電性高分子分散液には酸化防止剤(安定剤)が含まれていてもよい。
酸化防止剤のなかでも、フェノール系酸化防止剤が好ましい。フェノール系酸化防止剤のなかでは、ガリック酸(没食子酸)及びガリック酸のエステルのうち少なくとも一方が好ましい。ガリック酸及びガリック酸のエステルは、高い酸化防止性能を発揮すると共に導電性を向上させる効果も有する。
ガリック酸のエステルとしては、例えば、ガリック酸メチル、ガリック酸エチル、ガリック酸プロピルが挙げられる。
酸化防止剤の含有量は、硫黄含有導電性複合体100質量部に対して5質量部以上1000質量部以下が好ましく、10質量部以上500質量部以下がより好ましく、20質量部以上100質量部以下がさらに好ましい。
上記範囲の下限値以上であれば、硫黄含有導電性複合体の酸化をより防止することができる。
上記範囲の上限値以下であれば、硫黄含有導電性複合体の導電性の低下を防ぐことができる。
(その他の添加剤)
導電性高分子分散液には、その他の添加剤が含まれてもよい。
添加剤としては、本発明の効果が得られる限り特に制限されず、例えば、界面活性剤、無機導電剤、消泡剤、カップリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などを使用できる。
ただし、添加剤は、前述したπ共役系導電性高分子、ポリアニオン、単体硫黄、水溶性有機溶剤、高沸点溶剤、及びフェノール系酸化防止剤以外のものである。
界面活性剤としては、ノニオン系、アニオン系、カチオン系の界面活性剤が挙げられるが、保存安定性の面からノニオン系が好ましい。また、ポリビニルピロリドンなどのポリマー系界面活性剤を添加してもよい。
無機導電剤としては、金属イオン類、導電性カーボン等が挙げられる。なお、金属イオンは、金属塩を水に溶解させることにより生成させることができる。
消泡剤としては、シリコーン樹脂、ポリジメチルシロキサン、シリコーンオイル等が挙げられる。
カップリング剤としては、エポキシ基、ビニル基又はアミノ基を有するシランカップリング剤等が挙げられる。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、糖類等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリシレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、オキサニリド系紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤等が挙げられる。
導電性高分子分散液が前記添加剤を含有する場合、その含有割合は、添加剤の種類に応じて適宜決められるが、例えば、硫黄含有導電性複合体100質量部に対して、0.001質量部以上10質量部以下の範囲とすることができる。
≪硫黄含有導電性複合体の製造方法≫
[析出工程]
本発明の第三態様は、π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体と、水系分散媒とを含む原料液に、単体硫黄を含む溶液と化合物(Z)を混合することにより反応液を得て、前記導電性複合体に化合物(Z)が反応し、さらに単体硫黄が含まれた硫黄含有導電性複合体を析出させることを含む、硫黄含有導電性複合体の製造方法である。
ここで化合物(Z)は、前述したエポキシ化合物、アミン化合物及び第四級アンモニウム化合物から選択される1種以上である。これらの化合物の説明は、第一態様における説明と同じであるので重複する説明は省略する。
前記原料液は、π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含有する導電性複合体が水系分散媒中に含まれる分散液である。
ここで水系分散媒は、水、又は水と水溶性有機溶剤との混合液である。水溶性有機溶剤としては、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤が挙げられる。水系分散媒に含まれる水溶性有機溶剤は1種でもよいし、2種以上でもよい。
水系分散媒の総質量に対する水の含有量は、50質量%超が好ましく、60質量%以上がより好ましく、80質量%以上がさらに好ましく、100質量%であってもよい。
前記原料液は、例えば、ポリアニオンの水溶液中で、π共役系導電性高分子を形成するモノマーを化学酸化重合することにより得られる。この原料液は、市販の導電性高分子分散液を使用してもよい。
前記化学酸化重合には、公知の触媒及び酸化剤を用いることができる。触媒としては、例えば、塩化第二鉄、硫酸第二鉄、硝酸第二鉄、塩化第二銅等の遷移金属化合物等が挙げられる。酸化剤としては、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩が挙げられる。酸化剤は、還元された触媒を元の酸化状態に戻すことができる。
前記原料液に含まれる導電性複合体は分散状態であってもよいし、溶解状態であってもよい。本明細書において、特に明記しない限り、分散状態と溶解状態とを区別しない。
前記原料液の総質量に対する前記導電性複合体の含有量は、例えば、0.1質量%以上5質量%以下が好ましく、0.3質量%以上3質量%以下がより好ましく、0.5質量%以上1.5質量%以下がさらに好ましい。
上記範囲であると、前記原料液における導電性複合体の分散性が高まり、後段で行う反応が良好となる。
前記原料液に混合する単体硫黄は、その溶解性を高める観点から、固体状態で混合するよりも、予め別の溶剤に溶解した硫黄溶液として混合することが好ましい。単体硫黄を溶解する溶剤としては、二硫化炭素が好ましい。
前記硫黄溶液の総質量に対する単体硫黄の含有量は、例えば、1質量%以上10質量%程度が挙げられる。
前記反応液の総質量に対する単体硫黄の含有量は、例えば、0.1質量%以上1質量%以下程度が挙げられる。
前記原料液に混合する化合物(Z)の水に対する溶解性が低い場合、前記反応液における化合物(Z)の溶解性を高めるために、前記原料液に水溶性有機溶剤を混合することが好ましい。水溶性有機溶剤としては、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤が挙げられる。水溶性有機溶剤は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記反応液の総質量に対する前記水溶性有機溶剤の含有量は、50質量%以上85質量%以下が好ましく、60質量%以上80質量%以下がより好ましく、65%質量%以上75質量%以下がさらに好ましい。
上記範囲の下限値以上であると化合物(Z)及び前記硫黄溶液の溶解性を高められる。
上記範囲の上限値以下であると導電性複合体の分散性を高められる。
前記原料液にエポキシ化合物を混合した前記反応液において、エポキシ化合物のエポキシ基がポリアニオンの一部のアニオン基と反応する。これにより置換基(A)が形成されて導電性複合体が疎水性になるため、水を含む分散媒中での安定的な分散が困難になり、析出して析出物となる。さらに析出する際に単体硫黄を含んで硫黄含有導電性複合体となる。
エポキシ化合物の反応を促進するために前記反応液を加熱してもよい。加熱温度は、40℃以上100℃以下とすることが好ましい。
エポキシ化合物の添加量は、導電性複合体100質量部に対して、10質量部以上10000質量部以下が好ましく、100質量部以上5000質量部以下がより好ましく、500質量部以上3000質量部以下がさらに好ましい。
上記範囲の下限値以上であると、硫黄含有導電性複合体の疎水性が充分に高くなり、有機溶剤に対する分散性が向上する。
上記範囲の上限値以下であると、未反応のエポキシ化合物による導電性低下を防止できる。
前記原料液にアミン化合物を混合した前記反応液において、アミン化合物がポリアニオンの一部のアニオン基と反応する。これにより置換基(B)が形成されて導電性複合体が疎水性になるため、水を含む分散液中での安定的な分散が困難になり、析出して析出物となる。さらに析出する際に単体硫黄を含んで硫黄含有導電性複合体となる。
アミン化合物の添加量は、導電性複合体100質量部に対して、1質量部以上10000質量部以下が好ましく、10質量部以上5000質量部以下がより好ましく、50質量部以上1000質量部以下がさらに好ましい。
上記範囲の下限値以上であると、硫黄含有導電性複合体の疎水性が充分に高くなり、有機溶剤に対する分散性が向上する。
上記範囲の上限値以下であると、未反応のアミン化合物による導電性低下を防止できる。
前記原料液に第四級アンモニウム化合物を混合した前記反応液において、第四級アンモニウム化合物がポリアニオンの一部のアニオン基と反応する。これにより置換基(C)が形成されて導電性複合体が疎水性になるため、水を含む分散液中での安定的な分散が困難になり、析出して析出物となる。さらに析出する際に単体硫黄を含んで硫黄含有導電性複合体となる。
第四級アンモニウム化合物の添加量は、導電性複合体100質量部に対して、1質量部以上10000質量部以下が好ましく、10質量部以上5000質量部以下がより好ましく、50質量部以上1000質量部以下がさらに好ましい。
上記範囲の下限値以上であると、硫黄含有導電性複合体の疎水性が充分に高くなり、有機溶剤に対する分散性が向上する。
上記範囲の上限値以下であると、未反応の第四級アンモニウム化合物による導電性低下を防止できる。
[分取工程]
前記反応液中に析出した硫黄含有導電性複合体の析出物は、種々の方法によって分取することができる。例えば、前記反応液を入れた容器の底に析出物を自然に沈殿させて上澄み液を除去する方法、前記反応液の上層に浮遊した析出物を吸引して回収する方法、前記反応液を濾過してフィルター上に析出物を得る方法、遠心分離により前記反応液を入れた容器の底に析出物のペレットを形成する方法、前記反応液を気体中に噴霧して乾燥させ、乾燥した析出物を得る方法、等が挙げられる。
前記反応液から分取した析出物は、触媒や酸化剤等を含む反応液が付着しているので、析出物を水または有機溶剤により洗浄することが好ましい。具体的には、例えば、水または有機溶剤からなる洗浄液に析出物を添加し、攪拌した後、再度、沈殿させる等の方法により、析出物を洗浄液から回収する方法が挙げられる。
[有機溶剤添加工程]
分取した硫黄含有導電性複合体(析出物)に有機溶剤を添加して撹拌することにより、導電性高分子分散液を得ることができる。
有機溶剤は、第二態様の導電性高分子分散液に含まれる有機溶剤を適用することができる。なかでも、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、及びエステル系溶剤から選択される1種類以上が好ましく、イソプロパノール、メチルエチルトン、及びエタノールから選択される1種類以上がより好ましい。これらの好適な有機溶剤を用いることにより、導電性高分子分散液における硫黄含有導電性複合体の分散性をより一層高めることができる。
硫黄含有導電性複合体に有機溶剤を添加した後に撹拌して分散処理を施すことが好ましい。攪拌の方法は特に制限されず、スターラー等の剪断力が弱い攪拌であってもよいし、高剪断力の分散機(ホモジナイザ等)を用いて攪拌してもよい。
硫黄含有導電性複合体に有機溶剤を添加して得た導電性高分子分散液の総質量に対する、硫黄含有導電性複合体の含有量は、例えば、0.1質量%以上5質量%以下が好ましく、0.2質量%以上2質量%以下がより好ましく、0.3質量%以上1質量%以下がさらに好ましい。
上記範囲であると、硫黄含有導電性複合体の分散性がより向上し、導電性高分子分散液の保存安定性がより向上する。
導電性高分子分散液には、さらに、前述した高沸点溶剤、バインダ成分、その他の添加剤を加えることができる。これらの添加剤を加えた導電性高分子分散液を塗料と称することがある。
前記塗料の総質量に対する、硫黄含有導電性複合体の含有量は、例えば、0.1質量%以上5質量%以下が好ましく、0.2質量%以上2質量%以下がより好ましく、0.3質量%以上1質量%以下がさらに好ましい。
上記範囲であると、硫黄含有導電性複合体の分散性がより向上し、均一で導電性に優れた導電層を形成することができる。
≪導電性積層体≫
本発明の第四態様は、基材と、前記基材の少なくとも一つの面に形成された、第一態様の硫黄含有導電性複合体を含む導電層を備えた、導電性積層体である。
[導電層]
基材の少なくとも一つの面に備えられた前記導電層の平均厚みとしては、例えば、10nm以上100μm以下であることが好ましく、20nm以上50μm以下であることがより好ましく、30nm以上30μm以下であることがさらに好ましい。
導電層の平均厚さが前記下限値以上であれば、充分に高い導電性を発揮でき、前記上限値以下であれば、導電層の基材に対する密着性がより向上する。
本態様の導電層の良好な導電性の目安を表す表面抵抗値として、例えば、100~5000Ω/sq.が挙げられ、100~3000Ω/sq.が好ましく、100~2000Ω/sq.がより好ましい。
[基材]
本態様の導電性積層体を構成する基材は、絶縁性材料からなる基材であってもよいし、導電性材料からなる基材であってもよい。基材の形状は特に制限されず、例えば、フィルム、基板等の平面を主体とする形状が挙げられる。
絶縁性材料としては、ガラス、合成樹脂、セラミックス等が挙げられる。
導電性材料としては、金属、導電性金属酸化物、カーボン等が挙げられる。
(フィルム基材)
前記基材としてフィルム基材を用いると、導電性積層体は導電性フィルムとなる。
前記フィルム基材としては、例えば、合成樹脂からなるプラスチックフィルムが挙げられる。前記合成樹脂としては、例えば、エチレン-メチルメタクリレート共重合樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリフッ化ビニリデン、ポリアリレート、スチレン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリイミド、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネートなどが挙げられる。
フィルム基材と導電層との密着性を高める観点から、フィルム基材用の合成樹脂はバインダ樹脂と同種の樹脂であることが好ましく、なかでも、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂が好ましい。
フィルム基材用の合成樹脂は、非晶性でもよいし、結晶性でもよい。
フィルム基材は、未延伸のものでもよいし、延伸されたものでもよい。
フィルム基材には、導電性高分子分散液から形成される導電層の接着性をさらに向上させるために、コロナ放電処理、プラズマ処理、火炎処理等の表面処理が施されてもよい。
フィルム基材の平均厚みは、5μm以上500μm以下が好ましく、20μm以上200μm以下がより好ましい。フィルム基材の平均厚みが前記下限値以上であれば、破断しにくくなり、前記上限値以下であれば、フィルムとして充分な可撓性を確保できる。
フィルム基材の平均厚みは、無作為に選択される10箇所について厚さを測定し、その測定値を平均した値である。
(ガラス基材)
ガラス基材としては、例えば、無アルカリガラス基材、ソーダ石灰ガラス基材、ホウケイ酸ガラス基材、石英ガラス基材等が挙げられる。基材にアルカリ成分が含まれると、導電層の導電性が低下する傾向にあるため、前記ガラス基材のなかでも、無アルカリガラスが好ましい。ここで、無アルカリガラスとは、アルカリ成分の含有量がガラス組成物の総質量に対し、0.1質量%以下のガラス組成物のことである。
ガラス基材の平均厚みとしては、100μm以上3000μm以下であることが好ましく、100μm以上1000μm以下であることがより好ましい。ガラス基材の平均厚みが前記下限値以上であれば、破損しにくくなり、前記上限値以下であれば、導電性積層体の薄型化に寄与できる。
ガラス基材の平均厚みは、無作為に選択される10箇所について厚さを測定し、その測定値を平均した値である。
≪導電性積層体の製造方法≫
本発明の第五態様は、基材の少なくとも一つの面に、第二態様の導電性高分子分散液を塗工することを含む、導電性積層体の製造方法である。本態様の製造方法により、第四態様の導電性積層体を製造することができる。
第二態様の導電性高分子分散液を基材の任意の面に塗工(塗布)する方法としては、例えば、グラビアコーター、ロールコーター、カーテンフローコーター、スピンコーター、バーコーター、リバースコーター、キスコーター、ファウンテンコーター、ロッドコーター、エアドクターコーター、ナイフコーター、ブレードコーター、キャストコーター、スクリーンコーター等のコーターを用いた方法、エアスプレー、エアレススプレー、ローターダンプニング等の噴霧器を用いた方法、ディップ等の浸漬方法等を適用することができる。
導電性高分子分散液のフィルム基材への塗布量は特に制限されないが、均一にムラなく塗工することと、導電性と膜強度を勘案して、固形分として、0.01g/m以上10.0g/m以下の範囲であることが好ましい。
基材上に塗工した導電性高分子分散液からなる塗膜を乾燥させて、分散媒を除去することにより、前記塗膜が硬化してなる導電層(導電膜)が形成された導電性積層体を得ることができる。
塗膜を乾燥する方法としては、加熱乾燥、真空乾燥等が挙げられる。加熱乾燥としては、例えば、熱風加熱や、赤外線加熱などの方法を採用できる。
加熱乾燥を適用する場合、加熱温度は、使用する分散媒に応じて適宜設定されるが、通常は、50℃以上150℃以下の範囲内である。ここで、加熱温度は、乾燥装置の設定温度である。上記加熱温度の範囲における好適な乾燥時間としては、1分以上30分以下が好ましく、5分以上15分以下がより好ましい。
≪電極≫
本発明の第六態様は、第一態様の硫黄含有導電性複合体を含む導電層を備えた電極である。
電極の形状は特に制限されず、例えば、板状、シート状、膜状、棒状、柱状等の公知の電極の形状が挙げられる。
板状、シート状及び膜状の電極の平均厚さは、電気抵抗の低減、電極の薄型化を両立する観点から、例えば、0.01μm以上1000μm以下が好ましく、0.1μm以上100μm以下がより好ましい。
板状、シート状及び膜状の電極の平均厚さは、電極の断面を、測定顕微鏡等の拡大観察手段を用いて観察し、無作為に選択される10箇所以上の厚さを測定した値の平均値である。
本態様の電極は、基材によって支持されていてもよいし、独立した電極であってもよい。
本態様の電極をリチウムイオン二次電池の電極として用いる場合、正極であってもよいし、負極であってもよい。
前記電極を構成する前記導電層は1種以上の炭素材料を含んでいてもよい。
炭素材料としては、例えば、カーボンブラック、黒鉛、気相成長炭素繊維、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブ、グラフェン等が挙げられる。
前記導電層の総質量に対する炭素材料の含有量は、例えば、0質量%以上10質量%以下とすることができる。
前記電極を構成する前記導電層は1種以上の金属粒子を含んでいてもよい。
金属粒子としては、例えば、銀粒子、銅粒子、金粒子、アルミニウム粒子等が挙げられる。
前記導電層の総質量に対する金属粒子の含有量は、例えば、0質量%以上10質量%以下とすることができる。
<電極の製造方法>
本態様の電極の製造方法としては、例えば、第二態様の導電性高分子分散液を所望の基材に塗布して乾燥し、前記基材の表面に第一態様の硫黄含有導電性複合体を含む電極層(導電層)を形成する方法等が挙げられる。前記導電性高分子分散液には前記炭素材料や前記金属粒子をさらに含有させることができる。
前記導電性高分子分散液を塗布する基材としては、公知の電池の電極活物質層を支持する基材が適用でき、例えば、金属箔、金属板等の金属材が挙げられる。例えば、銅箔、アルミニウム箔、ステンレス板等が挙げられる。また、公知の樹脂フィルムや樹脂板を基材として用いてもよい。塗布方法は特に制限されず、常法を適用すればよい。
<電池>
本態様の電極を備えた電池やキャパシタを製造することもできる。
前記電池は、一次電池でもよいし、二次電池でもよい。電池の形態は特に制限されず、例えば、乾電池、電極積層型ラミネート電池、ボタン電池等の公知の電池形態が挙げられる。
前記電池は、通常、正極、負極、電解質を有する。本態様の電極は、正極であってもよいし、負極であってもよい。電池における正極と負極とは不織布等のセパレータによって絶縁されていることが好ましい。
(製造例1)
1000mlのイオン交換水に206gのスチレンスルホン酸ナトリウムを溶解し、80℃で攪拌しながら、予め10mlの水に溶解した1.14gの過硫酸アンモニウム酸化剤溶液を20分間滴下し、この溶液を12時間攪拌した。
得られたポリスチレンスルホン酸ナトリウム含有溶液に10質量%に希釈した硫酸を1000ml添加し、ポリスチレンスルホン酸含有溶液を得た。続いて限外ろ過法によりポリスチレンスルホン酸含有溶液の約1000ml溶液を除去し、残液に2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法により約2000ml溶液を除去した。上記の限外ろ過操作を3回繰り返した。さらに、得られたろ液に約2000mlのイオン交換水を添加し、限外ろ過法により約2000mlの溶液を除去した。この限外ろ過操作を3回繰り返した。
得られた溶液中の水を減圧除去して、無色の固形状のポリスチレンスルホン酸を得た。
(製造例2)
14.2gの3,4-エチレンジオキシチオフェンと、36.7gのポリスチレンスルホン酸を2000mlのイオン交換水に溶かした溶液とを20℃で混合させた。
これにより得られた混合溶液を20℃に保ち、掻き混ぜながら、200mlのイオン交換水に溶かした29.64gの過硫酸アンモニウムと8.0gの硫酸第二鉄の酸化触媒溶液とをゆっくり添加し、3時間攪拌して反応させた。
得られた反応液に2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法により約2000ml溶液を除去した。この操作を3回繰り返した。
そして、得られた溶液に200mlの10質量%に希釈した硫酸と2000mlのイオン交換水とを加え、限外ろ過法により約2000mlの溶液を除去し、これに2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法により約2000ml溶液を除去した。この操作を3回繰り返した。
さらに、得られた溶液に2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法により約2000mlの溶液を除去した。この操作を5回繰り返し、1.2質量%のポリスチレンスルホン酸ドープポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)水分散液(PEDOT-PSS水分散液)を得た。
(実施例1)
単体硫黄(富士フィルム和光純薬社製、コロイド状)1.0gを二硫化炭素20gに溶解させ、硫黄溶液を準備した。この硫黄溶液と、製造例2のPEDOT-PSS水分散液100g(固形分1.2g)と、イソプロパノール215gと、トリオクチルアミン(東京化成工業株式会社製)5.0gとを混合して反応液を得て、24℃で1時間撹拌し、硫黄含有導電性複合体を析出させた。この硫黄含有導電性複合体の析出物は単体硫黄を含有し、PSSのスルホン酸基の一部にトリオクチルアミンが反応した構造を有する。この析出物をろ過により単離し、メタノール100gで3回洗浄して、2.4gの濃青色の硫黄含有導電性複合体を得た。
(実施例2)
単体硫黄(富士フィルム和光純薬社製、硫黄華)1.0gを二硫化炭素20gに溶解させ、硫黄溶液を準備した。この硫黄溶液と、製造例2のPEDOT-PSS水分散液100g(固形分1.2g)と、メタノール275gと、グリシジルラウリルエーテル(富士フィルム和光純薬社製)15.0gとを混合して反応液を得て、42℃で4時間撹拌し、硫黄含有導電性複合体を析出させた。この硫黄含有導電性複合体の析出物は単体硫黄を含有し、PSSのスルホン酸基の一部にエポキシ化合物が反応した構造を有する。この析出物をろ過により単離し、メタノール100gで3回洗浄して、2.1gの濃青色の硫黄含有導電性複合体を得た。
(実施例3)
単体硫黄(富士フィルム和光純薬社製、硫黄華)1.0gを二硫化炭素20gに溶解させ、硫黄溶液を準備した。この硫黄溶液と、製造例2のPEDOT-PSS水分散液100g(固形分1.2g)と、エタノール200gと、テトラオクチルアンモニウムブロミド(富士フィルム和光純薬社製)2.5gとを混合して反応液を得て、24℃で1時間撹拌し、硫黄含有導電性複合体を析出させた。この硫黄含有導電性複合体の析出物は単体硫黄を含有し、PSSのスルホン酸基の一部にテトラオクチルアンモニウム塩が反応した構造を有する。この析出物をろ過により単離し、メタノール100gで3回洗浄して、2.3gの濃青色の硫黄含有導電性複合体を得た。
(実施例4)
実施例1で得た硫黄含有導電性複合体1.0gに200gのイソプロパノールを添加し、高圧ホモジナイザーで分散することで硫黄含有導電性複合体のイソプロパノール分散液を得た。このイソプロパノール分散液100gと、エチレングリコール5gと、没食子酸一水和物(富士フィルム和光純薬社製、安定剤)0.1gと、バインダ成分としてモビタールB30H(株式会社クラレ製、ブチラール樹脂)0.5gを加え、撹拌混合して塗料を得た。
次いで、得られた塗料を、スピンコーター(ミカサ社製MS-B100、回転数700rpm)を用いて、無アルカリガラス(コーニング社製イーグルXG 75mm×75mm×0.7mm)に塗布して、塗布膜を形成した。その塗布膜を、乾燥温度100℃で10分間加熱乾燥し、導電膜付きガラスを得た。
(実施例5)
実施例2で得た硫黄含有導電性複合体1.0gに200gのメチルエチルケトンを添加し、高圧ホモジナイザーで分散することで硫黄含有導電性複合体のメチルエチルケトン分散液を得た。このメチルエチルケトン分散液100gと、エチレングリコール5gと、没食子酸一水和物(富士フィルム和光純薬社製、安定剤)0.1gと、バインダ成分としてモビタールB30H(株式会社クラレ製、ブチラール樹脂)0.5gを加え、撹拌混合して塗料を得た。この塗料を用い、実施例4と同様にして導電膜付きガラスを作製した。
(実施例6)
実施例3で得た硫黄含有導電性複合体を用いた以外は実施例4と同様にしてイソプロパノール分散液を得て、塗料を作製した。この塗料を用い、実施例4と同様にして導電膜付きガラスを作製した。
(比較例1)
硫黄溶液を用いなかった以外は実施例1と同様にして反応生成物の析出体を得、次に実施例4と同様にしてイソプロパノール分散液と塗料と導電膜付きガラスを作製した。
(比較例2)
硫黄溶液を用いなかった以外は実施例2と同様にして反応生成物の析出体を得、次に実施例5と同様にしてメチルエチルケトン分散液と塗料と導電膜付きガラスを作製した。
(比較例3)
硫黄溶液を用いなかった以外は実施例3と同様にして反応生成物の析出体を得、次に実施例4と同様にしてイソプロパノール分散液と塗料と導電膜付きガラスを作製した。
<評価>
各例で作製した導電膜付きガラスについて、以下の評価項目の結果を表1に示す。
[表面抵抗値の測定]
導電膜(導電層)の表面抵抗値を、抵抗率計(日東精工アナリテック社製ロレスタ)を用い、印加電圧10Vの条件で測定した。
[耐久性の評価]
各例の導電膜付きガラスの作製後1時間以内に測定した表面抵抗値(初期の表面抵抗値)と、高温高湿条件下(温度85℃且つ湿度85%)に導電層の表面が曝された状態で200時間放置した後の表面抵抗値(高温高湿暴露後の表面抵抗値)と、をそれぞれ測定した。表面抵抗値の変化率(暴露後の表面抵抗値/初期の表面抵抗値)を耐久性の指標とした。表面抵抗値の変化率の値が1に近いほど耐久性が高いことを示す。
[分散液の安定性評価]
各例のイソプロパノール分散液もしくはメチルエチルケトン分散液について、40℃で1ヶ月間保管し、固体の析出の有無を目視で評価した。
Figure 2022050974000003
実施例4~6の塗料は、硫黄含有導電性複合体を含むので、これを用いて形成した導電層は、比較例1~3と比べて、初期の表面抵抗値が低く、高温高湿環境へ暴露した後の表面抵抗値も低く、暴露前後の変化率も小さかった。さらに、実施例4~6で塗料の作製に使用した、硫黄含有導電性複合体を含む導電性高分子分散液は、保存性に優れ、固形物が発生し難かった。

Claims (10)

  1. π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含み、さらに単体硫黄が含まれた、硫黄含有導電性複合体。
  2. 前記π共役系導電性高分子が、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)であるか、又は、前記ポリアニオンが、ポリスチレンスルホン酸である、請求項1に記載の硫黄含有導電性複合体。
  3. 前記ポリアニオンが有する一部のアニオン基が、アミン化合物又は第四級アンモニウム化合物と反応して修飾されている、請求項1又は2に記載の硫黄含有導電性複合体。
  4. 前記ポリアニオンが有する一部のアニオン基が、エポキシ化合物と反応して修飾されている、請求項1又は2に記載の硫黄含有導電性複合体。
  5. 分散媒と、請求項1~4の何れか一項に記載の硫黄含有導電性複合体とを含む、導電性高分子分散液。
  6. さらに、バインダ成分を含む、請求項5に記載の導電性高分子分散液。
  7. 基材と、前記基材の少なくとも一つの面に形成された、請求項1~4の何れか一項に記載の硫黄含有導電性複合体を含む導電層とを備える、導電性積層体。
  8. 基材の少なくとも一つの面に、請求項5又は6に記載の導電性高分子分散液を塗工することを含む、導電性積層体の製造方法。
  9. π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体と、水系分散媒とを含む原料液に、単体硫黄を含む溶液とアミン化合物又は第四級アンモニウム化合物を混合することにより反応液を得て、前記導電性複合体に前記アミン化合物又は前記第四級アンモニウム化合物が反応し、さらに単体硫黄が含まれた硫黄含有導電性複合体を析出させることを含む、硫黄含有導電性複合体の製造方法。
  10. π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体と、水系分散媒とを含む原料液に、単体硫黄を含む溶液とエポキシ化合物を混合することにより反応液を得て、前記導電性複合体に前記エポキシ化合物が反応し、さらに単体硫黄が含まれた硫黄含有導電性複合体を析出させることを含む、硫黄含有導電性複合体の製造方法。
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