JP2015196409A - 燃料電池船 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池を動力源として航行する燃料電池船において、高さ制限に該当した状態を回避して、高さ制限のある場所を航行することができる技術を提供することを課題とする。【解決手段】燃料電池5を動力源として航行する燃料電池船1であって、燃料電池5に供給する燃料である水素を貯留する燃料タンク6を備え、燃料タンク6は、航行中に水中に位置するとともに、上下に移動可能に構成され、燃料タンク6が上下に移動することにより、水面に対する船体2の上下位置を変更可能に構成されるものとする。【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池を動力源として航行する燃料電池船の技術に関する。
従来、燃料電池を動力源として航行する燃料電池船に関する技術は公知となっている。
前記燃料電池船には、推力を発生するプロペラと、プロペラを駆動するモータと、複数個の燃料電池スタックを有し水素と酸素とを反応させてモータを駆動する電力を発生する燃料電池と、燃料である水素を貯留する燃料タンクと、燃料電池で発電した電力を蓄電するバッテリと、を備えるものがある(特許文献1参照)。
特開2006−33951号公報
しかしながら、前記燃料電池船では、例えば、橋桁の下を航行する場合のように、水面からの高さ制限がある場所を航行する場合がある。
そして、前記燃料電池船では、前記高さ制限に該当する場合には、ここを航行することができない、という問題があった。
発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、燃料電池船において、高さ制限に該当した状態を回避して、高さ制限のある場所を航行することができる技術を提供することを課題とする。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、燃料電池を動力源として航行する燃料電池船であって、前記燃料電池に供給する燃料を貯留する燃料タンクを備え、前記燃料タンクは、航行中に水中に位置するとともに、上下に移動可能に構成され、前記燃料タンクが上下に移動することにより、水面に対する船体の上下位置を変更可能に構成される、ものである。
請求項2においては、前記燃料タンクは、前記燃料タンクが前記船底よりも下方に位置したときに、前記船底が水面よりも上方に位置するように構成されるものである。
請求項3においては、前記燃料タンクは、前記船底よりも下方の位置から前記水面上に露出する位置に移動可能に構成され、前記燃料タンクが水面上に露出するとき、前記船底が水中に位置するものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
即ち、本発明によれば、高さ制限に該当した状態を回避して、高さ制限のある場所を航行することができる。
本発明の実施形態に係る燃料電池船の側面図。 同じく燃料電池船の正面図。 同じく燃料電池船のブロック図。 同じく燃料電池船のアームが回動する状態を示す側面図。 同じく燃料電池船のアームが回動する状態を示す正面図。 同じく燃料電池船の拡大一部断面図。 同じく燃料電池船のブロック図。 同じく燃料電池船の側面図。 同じく燃料電池船の正面図。 同じく燃料電池船のブロック図。 同じく燃料電池船のアームが回動する状態を示す側面図。 同じく燃料電池船のアームが回動する状態を示す正面図。 同じく燃料電池船の拡大一部断面図。 同じく燃料電池船の側面図。 同じく燃料電池船の正面図。
次に、図1から図7に記載の燃料電池船1について説明する。
なお、以下において、図中に示す黒色矢印Fは燃料電池船1の前進方向を示し、燃料電池船1の前進方向に対して左方を燃料電池船1(船体2)の左方と、燃料電池船1の前進方向に対して右方を燃料電池船1(船体2)の右方として説明する。
燃料電池船1は、燃料電池5(燃料電池5で発電された電力)を動力源として航行するように構成される。
図1から図3に示すように、燃料電池船1は、船体2と、プロペラ3と、モータ4と、燃料電池5と、燃料タンク6と、バッテリ7と、供給管8と、制御装置9と、を備える。
燃料電池船1の船体2は、数人乗用の船体2(例えば、小型ボート)で構成される。
なお、船体2は、数十人乗用の船体2(例えば、水上バス)で構成することもできる。
燃料電池船1のプロペラ3は、推力を発生する。プロペラ3は船体2の後部(トランサムゲートの下方)に配置される。
燃料電池船1のモータ4は、電動モータであり、マリンギアを介してプロペラ3を駆動する。モータ4は、船体2内の後部に配置される。
燃料電池船1の燃料電池5は、負極活物質としての水素と空気中より取り込んだ正極活物質としての酸素とを反応させて電力を発生する。燃料電池5は、複数個の燃料電池スタックを有し、モータ4を駆動する電力を発電する。燃料電池5は、船体2内に配置される。
燃料電池船1の燃料タンク6は、所定のタンク(容器)であり、燃料電池5に供給する燃料を貯留する。前記燃料は水素である。燃料タンク6は、供給管8に接続され、供給管8を介して燃料を燃料電池5に供給する。燃料タンク6は、強度及び耐腐食性に優れた素材(例えば、繊維強化プラスチック)で構成されることが好ましい。また、燃料タンク6は、低圧タンクで構成されることが好ましい。
燃料電池船1のバッテリ7は、燃料電池5に接続されて、燃料電池5で発電した電力を蓄電する。バッテリ7は、モータ4に接続されて、蓄電した電力をモータ4に給電する。
燃料電池船1の制御装置9は、船体2の操舵室の、ハンドルおよびレバー等を有する操作部10a、および、モニタおよび計器類等を有する表示部10bに、電気的に接続される。
制御装置9は、操作部10aが操作されることによって、燃料電池5、燃料タンク6、および、モータ4等の動作を制御する。制御装置9は、燃料電池5における電力の出力、燃料タンク6から燃料電池5への燃料の供給量、燃料タンク6の燃料の残量、バッテリ7の電力の残量、モータ4の回転数、および航行速度等を表示部10bに表示させる。
燃料電池船1の燃料タンク6は、船体2外に配置される。燃料タンク6は、プロペラ3、モータ4、燃料電池5、燃料タンク6、およびバッテリ7と、別体として構成される。
以上のように、燃料タンク6が船体2外に配置される、燃料電池船1では、燃料タンク6が船体2外に配置されることから、船体2内に燃料タンク6を配置するためのスペースが不要となる。
したがって、燃料電池船1によれば、船体2内の居住性を向上させることができる。
燃料電池船1は、アーム11と、カバー12と、を備える。
燃料電池船1のアーム11は、左右それぞれ二個ずつ備えられる。左方の二個のアーム11は、左方の燃料タンク6を支持する。右方の二個のアーム11は、右方の燃料タンク6を支持する。
アーム11は、船体2の左側部と右側部とにそれぞれ二個ずつ並べて配置される。アーム11は、その基端部が船体2の側部(左側部または右側部)に取付けられて、船体2外に突出するように構成される。アーム11は、正面視略L字状に構成される。アーム11は、船体2から外側に延出し、その屈曲する中途部から下方に延出するように構成される。
燃料電池船1のカバー12は、左右それぞれ二個ずつ備えられる。カバー12は、船体2の外側に配置されて、アーム11の基端部(船体2の船外に露出する部分)を覆うように配置される。
なお、燃料電池船1は、船体2に対して左右それぞれ単数個のアーム11を備える構成とすることもでき、また、船体2に対して左右それぞれ三個以上のアーム11を備える構成とすることもできる。
燃料電池船1の燃料電池船1は、二個(左右一対)の燃料タンク6を備える。
燃料タンク6は、アーム11の先端部に設けられて、船体2の左右にそれぞれ配置される。燃料タンク6は、船体2を中心にして左右対称となる位置に配置される。
以上のように、燃料タンク6が船体2の左右にそれぞれ配置される、燃料電池船1では、重量物である燃料タンク6が船体2の左右に配置されることから、船体2の左右のバランスを安定させることができる。
燃料電池船1の燃料タンク6は、少なくとも航行中において、水中に位置する。燃料タンク6は、少なくとも航行中において、船体2の船底(船体2の下端)よりも下方に位置する。
以上のように、燃料タンク6が航行中に船体2の船底よりも下方に位置する、燃料電池船1では、重量物である燃料タンク6が船体2の左右に配置され、船体2の船底よりも下方に位置することから、船体2の左右のバランスをさらに安定させることができる。
燃料電池船1の燃料タンク6は、船体2における船首尾方向の中途部に配置される。燃料タンク6は、船体2の船首と船尾との間に位置するように配置される。
以上のように、燃料タンク6が船体2における船首尾方向の中途部に配置される、燃料電池船1では、燃料タンク6が船体2における船首尾方向の中途部に配置されることから、船体2の前後のバランスを安定させることができる。
燃料電池船1の燃料タンク6は、少なくとも航行中に船体2の船底よりも下方に位置して、水中翼となるように構成される。燃料タンク6は、船体2の船底よりも下方に位置したときに、船体2の船底が水面よりも上方に位置するように、燃料を貯留する。
燃料電池船1は、船体2の船底よりも下方に位置したときに、燃料タンク6に貯留される燃料(水素)の浮力によって、船体2の船底が水面よりも上方に位置するように構成される。
以上のように、燃料タンク6が航行中に船体2の船底よりも下方に位置し、燃料タンク6が船体2の船底よりも下方に位置したときに、船体2の船底が水面よりも上方に位置するように構成される、燃料電池船1では、航行中に船体2の船底が水面よりも上方に位置することから、航行中に船体2が受ける水による推進抵抗を低減させることができる。
燃料電池船1の燃料タンク6は、略円柱状に構成される。燃料タンク6は、その軸心方向が船首尾方向(前後方向)に沿うように配置される。
以上のように、燃料タンク6の軸心方向が船首尾方向に沿うように燃料タンク6が配置される、燃料電池船1では、燃料タンク6の軸心方向が船首尾方向に沿うことから、航行中に燃料タンク6が受ける水による推進抵抗を低減させることができる。
また、燃料電池船1では、燃料タンク6が略円柱状に構成されることから、燃料タンク6の強度を比較的高いものとすることができる。
燃料電池船1の燃料タンク6は、その前端部(先端部)が半球状に形成されて構成される。燃料タンク6は、魚雷型に構成される。
以上のように、燃料タンク6は、その前端部が半球状に形成されて構成される、燃料電池船1では、燃料タンク6の前端部が半球状に形成されることから、航行中に燃料タンク6が受ける水による推進抵抗を低減させることができる。
燃料電池船1の燃料タンク6は、船体2の船首部と船尾部とに亘るように構成される。燃料タンク6は、その軸心方向の長さが船体長の1/2の長さよりも長く構成される。燃料タンク6は、その軸心方向の長さが船体長の2/3の長さよりも長く構成される。
以上のように、燃料タンク6の軸心方向の長さが船体長の1/2の長さよりも長く燃料タンク6が構成される、燃料電池船1では、燃料タンク6を比較的大きく構成することができ、総貯留量を保持したままで搭載する燃料タンク6の個数を少なくすることができる。
したがって、燃料電池船1によれば、燃料タンク6の個数を少なくして燃料タンク6が連結される箇所を少なくし、当該燃料タンク6が連結される箇所から燃料漏れが生じる機会を低減させることができる。
燃料電池船1は、二個の回動軸体13を備える。
回動軸体13は、左右のそれぞれのアーム11が回動する回動軸となるように構成される。回動軸体13は、船体2の左右のそれぞれの側部において、船体2内に配置される。
図4から図5に示すように、燃料電池船1の左右それぞれ二個ずつのアーム11は、その基端部に回動軸体13がそれぞれ貫挿されて、上下に回動可能に構成される。
燃料電池船1の燃料タンク6は、上下に移動可能に構成される。燃料電池船1は、燃料タンク6が上下に移動することにより、水面に対する船体2の上下位置を変更可能に構成される。
燃料タンク6は、アーム11が上方に回動することにより、船体2の船底よりも下方の位置から水面上に露出する位置に移動可能に構成される。燃料タンク6は、アーム11が下方に回動することにより、水面上に露出する位置から船体2の船底よりも下方の位置に移動可能に構成される。
アーム11が上方に回動したときに、少なくとも燃料タンク6の上面が水面上に露出する。アーム11が上方に回動して燃料タンク6が水面上に露出するとき、船体2の船底が水中に位置する。
燃料電池船1の制御装置9は、操作部10aが操作されることによって、アーム11の動作を制御する。制御装置9は、アーム11の回動位置を表示部10bに表示させる。
以上のように、燃料タンク6が上下に移動することにより水面に対する船体2の上下位置を変更可能に構成される、燃料電池船1では、水面からの高さ制限に該当する場合には、燃料タンク6を上方に移動させて、船体2の上下位置を下方に変更することにより、高さ制限に該当した状態を回避することができる。
したがって、燃料電池1によれば、高さ制限に該当した状態を回避して、高さ制限のある場所を航行することができる。
また以上のように、燃料タンク6が船体2の船底よりも下方の位置から水面上に露出する位置に移動可能に構成され、燃料タンク6が水面上に露出するとき、船体2の船底が水中に位置する、燃料電池船1では、燃料タンク6が水面上に露出させて、船体2の船底を水中に位置させることにより、船体2内への出入口を船体2へ乗降し易い位置に下げることができる。
したがって、燃料電池船1では、船体2への乗降性を向上させることができる。
また、燃料電池船1では、水面上に露出する位置に燃料タンク6を移動させることにより、燃料タンク6への燃料の補充、また、燃料タンク6のメンテナンス等を容易に行うことができる。
図6に示すように、燃料タンク6は、外壁6aと内壁6bとを有する二重構造で構成することもできる。
このとき、燃料タンク6は、外壁6aと内壁6bとの間に所定の空間が形成さて構成される。燃料タンク6は、内壁6b内に燃料を貯留し、外壁6aと内壁6bとの間の空間に空気を貯留する。
以上のように、燃料電池船1の燃料タンク6が、外壁6aと内壁6bとを有する二重構造で構成され、内壁6b内に燃料を貯留する、燃料電池船1では、例えば、燃料タンク6が障害物に接触して損傷した場合であっても、外壁6aによって、燃料が貯留される内壁6bを保護することができる。
したがって、燃料電池船1によれば、燃料タンク6が損傷した場合であっても、燃料タンク6から燃料が漏洩することを抑制することができる。
図7に示すように、燃料電池船1は、互いに接続されない二個(複数個)の供給管8を備える構成とすることもできる。燃料電池船1は、二個の供給管8を備えることによって、燃料を燃料電池5に供給する経路を二個(複数経路)備えることもできる。
このとき、左方の燃料タンク6は、二個のうち一方(左方)の供給管8に接続され、当該供給管8を介して燃料を燃料電池5に供給する。右方の燃料タンク6は、二個のうち他方(右方)の供給管8に接続され、当該供給管8を介して燃料を燃料電池5に供給する。
以上のように、燃料電池船1は、互いに接続されない複数個の供給管8を備える、燃料電池船1では、複数個の供給管8を備えることから、例えば、複数個の供給管8のうちいずれかの供給管8に不具合が生じて、当該供給管8を介して燃料電池5に燃料を供給できない場合があっても、他の供給管8(不具合が生じていない供給管8)を介して燃料電池5に燃料を供給することができる。
次に、図8から図13に記載の燃料電池船1について説明する。
なお、図8から図13に記載の燃料電池船1の説明では、図1から図7に記載の燃料電池船1と同様の構成の部分については適宜省略し、図1から図7に記載の燃料電池船1の構成と異なる部分を中心に説明する。
図8から図10に示すように、燃料電池船1は、船体2と、プロペラ3と、モータ4と、燃料電池5と、燃料タンク6と、バッテリ7と、制御装置9と、収納部14と、を備える。
燃料電池船1のモータ4と、燃料電池5と、燃料タンク6と、バッテリ7と、が船外に配置される。
以上のように、モータ4と、燃料電池5と、燃料タンク6と、バッテリ7と、が船体2外に配置される、燃料電池船1では、モータ4と燃料電池5と燃料タンク6とバッテリ7とが船体2外に配置されることから、モータ4と燃料電池5と燃料タンク6とバッテリ7とを船体2内に配置するためのスペースが不要となる。
したがって、燃料電池船1によれば、船体2内の居住性を向上させることができる。
また、燃料電池船1では、モータ4が船体2外に配置されることから、モータ4の駆動音が騒音として船体2内(キャビン内)に聞こえることを抑制することができる。
燃料電池船1の収納部14は、金属素材で構成されるケース(容器)であり、モータ4と、燃料電池5と、燃料タンク6と、バッテリ7と、を覆うように収納する。収納部14には、モータ4と、燃料電池5と、燃料タンク6と、バッテリ7と、が比較的近接するように収納される。モータ4、燃料電池5、燃料タンク6、およびバッテリ7は、収納部14に収納されて一体的に構成される。
以上のように、収納部14を備える燃料電池船1では、モータ4と燃料電池5と燃料タンク6とバッテリ7とがケースである収納部14に収納されて近接して配置されることから、簡易な構成で互いを接続することができる。
また、燃料電池船1では、モータ4が船体2外に配置されるとともに収納部14に収納されることから、モータ4の駆動音が騒音として船体2内(キャビン内)に聞こえることを確実に抑制することができる。
燃料電池船1のプロペラ3が収納部14の後端部に設けられる。プロペラ3と、モータ4と、燃料電池5と、燃料タンク6と、バッテリ7と、が比較的近接するように配置される。プロペラ3、モータ4、燃料電池5、燃料タンク6、およびバッテリ7が、一体的に構成される。
以上のように、プロペラ3が収納部14の後端部に配置されて、モータ4と近接するように配置される、燃料電池船1では、モータ4と近接するように配置されることから、モータ4が船体2内に配置されるものに比べて、モータ4の動力をプロペラ3に伝達するためのギア等(トランスミッション)を簡易な構成とすることができる。
燃料電池船1は、アーム11と、カバー12と、を備える。
燃料電池船1のアーム11は、左右それぞれ二個ずつ備えられる。左方の二個のアーム11は、左方の収納部14を支持する。右方の二個のアーム11は、右方の収納部14を支持する。
燃料電池船1は、二個(左右一対)の収納部14を備える。
収納部14は、アーム11の先端部に設けられて、船体2の左右にそれぞれ配置される。収納部14は、船体2を中心にして左右対称となる位置に配置される。
以上のように、収納部14が船体2の左右にそれぞれ配置される、燃料電池船1では、重量物である燃料タンク6が船体2の左右に配置されることから、船体2の左右のバランスを安定させることができる。
燃料電池船1の収納部14は、少なくとも航行中において、船体2の船底(船体2の下端)よりも下方に位置する。
以上のように、収納部14が航行中に船体2の船底よりも下方に位置する、燃料電池船1では、重量物である収納部14が船体2の左右に配置され、船体2の船底よりも下方に位置することから、船体2の左右のバランスをさらに安定させることができる。
燃料電池船1の収納部14は、船体2における船首尾方向の中途部に配置される。収納部14は、船体2の船首と船尾との間に位置するように配置される。
以上のように、収納部14が船体2における船首尾方向の中途部に配置される、燃料電池船1では、収納部14が船体2における船首尾方向の中途部に配置されることから、船体2の前後のバランスを安定させることができる。
燃料電池船1の収納部14は、少なくとも航行中に船体2の船底よりも下方に位置して、水中翼となるように構成される。収納部14内の燃料タンク6は、船体2の船底よりも下方に位置したときに、船体2の船底が水面よりも上方に位置するように、燃料を貯留する。
収納部14は、船体2の船底よりも下方に位置したときに、収納部14内の燃料タンク6に貯留される燃料(水素)の浮力によって、船体2の船底が水面よりも上方に位置するように構成される。
以上のように、収納部14が航行中に船体2の船底よりも下方に位置し、収納部14が船体2の船底よりも下方に位置したときに、船体2の船底が水面よりも上方に位置するように構成される、燃料電池船1では、航行中に船体2の船底が水面よりも上方に位置することから、航行中に船体2が受ける水による推進抵抗を低減させることができる。
燃料電池船1の収納部14は、略円柱状に構成される。燃料タンク6は、その軸心方向が船首尾方向(前後方向)に沿うように配置される。収納部14は、船体2の船首部と船尾部とに亘るように構成される。収納部14は、その軸心方向の長さが船体長の1/2の長さよりも長く構成される。収納部14は、その軸心方向の長さが船体長の2/3の長さよりも長く構成される。
以上のように、収納部14の軸心方向が船首尾方向に沿うように収納部14が配置される、燃料電池船1では、収納部14の軸心方向が船首尾方向に沿うことから、航行中に収納部14が受ける水による推進抵抗を低減させることができる。
また、燃料電池船1では、収納部14が略円柱状に構成されることから、収納部14の強度を比較的高いものとすることができる。
燃料電池船1の収納部14は、その前端部(先端部)が半球状に形成されて構成される。燃料タンク6は、魚雷型に構成される。
以上のように、収納部14は、その前端部が半球状に形成されて構成される、燃料電池船1では、収納部14の前端部が半球状に形成されることから、航行中に収納部14が受ける水による推進抵抗を低減させることができる。
燃料電池船1の収納部14には、船首側(前方)から順に、燃料電池5、バッテリ7、燃料タンク6、モータ4、が並べて収納される。燃料タンク6は、収納部14における船首尾方向の略中央部に位置するように収納部14に収納される。燃料タンク6は、船体2における船首尾方向の略中央部に位置するように収納部14に収納される。収納部14には、燃料電池5とバッテリ7とが近接し、バッテリ7と燃料タンク6とが近接し、燃料タンク6とモータ4とが近接するように配置される。
以上のように、燃料タンク6が収納部14における船首尾方向の略中央部に位置するように収納部14に収納される、燃料電池船1では、燃料タンク6が収納部14における船首尾方向の略中央部に位置するように収納部14に収納されることから、船体2の前後のバランスを安定させることができる。
図11から図12に示すように、燃料電池船1の左右それぞれ二個ずつのアーム11は、その基端部に回動軸体13がそれぞれ貫挿されて、上下に回動可能に構成される。
燃料電池船1の収納部14(燃料タンク6)は、上下に移動可能に構成される。燃料電池船1は、収納部14(燃料タンク6)が上下に移動することにより、水面に対する船体2の上下位置を変更可能に構成される。
収納部14は、アーム11が上方に回動することにより、船体2の船底よりも下方の位置から水面上に露出する位置に移動可能に構成される。収納部14は、アーム11が下方に回動することにより、水面上に露出する位置から船体2の船底よりも下方の位置に移動可能に構成される。
アーム11が上方に回動したときに、少なくとも収納部14の上面が水面上に露出する。アーム11が上方に回動して収納部14が水面上に露出するとき、船体2の船底が水中に位置する。
以上のように、収納部14(燃料タンク6)が上下に移動することにより水面に対する船体2の上下位置を変更可能に構成される、燃料電池船1では、水面からの高さ制限に該当する場合には、収納部14(燃料タンク6)を上方に移動させて、船体2の上下位置を下方に変更することにより、高さ制限に該当した状態を回避することができる。
したがって、燃料電池1によれば、高さ制限に該当した状態を回避して、高さ制限のある場所を航行することができる。
また以上のように、収納部14が船体2の船底よりも下方の位置から水面上に露出する位置に移動可能に構成され、収納部14が水面上に露出するとき、船体2の船底が水中に位置する、燃料電池船1では、収納部14が水面上に露出させて、船体2の船底を水中に位置させることにより、船体2内への出入口を船体2へ乗降し易い位置に下げることができる。
したがって、燃料電池船1では、船体2への乗降性を向上させることができる。
また、燃料電池船1では、水面上に露出する位置に収納部14を移動させることにより、収納部14内の燃料タンク6への燃料の補充、また、収納部14内の、モータ4、燃料電池5、燃料タンク6、またはバッテリ7等のメンテナンス等を容易に行うことができる。
燃料電池船1の左右のモータ4は、その回転数または回転方向がそれぞれ異なるように、それぞれ独立して駆動可能に構成される。左右のモータ4がそれぞれ独立して駆動することによって、左右のプロペラ3は、その回転数または回転方向がそれぞれ異なるように、それぞれ駆動可能に構成される。
燃料電池船1は、左右のプロペラ3の回転数または回転方向がそれぞれ異なった状態で航行可能に構成される。
燃料電池船1の制御装置9は、操作部10aが操作されることによって、左右のモータ4の動作をそれぞれ独立して制御する。制御装置9は、左右のモータ4の回転数を表示部10bに表示させる。
以上のように、左右のプロペラ3の回転数または回転方向がそれぞれ異なるように、左右のプロペラ3がそれぞれ駆動可能に構成される、燃料電池船1では、回転数または回転方向が異なるように左右のプロペラ3をそれぞれ駆動させることによって、左右のプロペラ3の回転数差または回転向きの違いを生じさせて、燃料電池船1の航行方向を変更することができる。
したがって、燃料電池船1によれば、燃料電池船1の操作性を向上させることができる。
燃料電池船1は、二個(左右)の舵15を備える。
左方の舵15は、左方の収納部14に設けられる。左方の舵15は、左方の収納部14の後部に配置される。右方の舵15は、右方の収納部14に設けられる。右方の舵15は、収納部14の後部に配置される。
燃料電池船1の制御装置9は、操作部10aが操作されることによって、舵15の動作を制御する。制御装置9は、舵15の向き(回動角度)を表示部10bに表示させる。
以上のように、左右の舵15を備える、燃料電池船1では、左右の舵15を動作させることによって、比較的高い精度で燃料電池船1の航行方向を変更する操作を行うことができる。
したがって、燃料電池船1によれば、燃料電池船1の操作性を向上させることができる。
図13に示すように、収納部14は、外壁14aと内壁14bとを有する二重構造で構成することもできる。
このとき、収納部14は、外壁14aと内壁14bとの間に所定の空間が形成さて構成される。収納部14は、内壁14b内にモータ4、燃料電池5、燃料タンク6、およびバッテリ7を収納し、外壁14aと内壁14bとの間の空間に空気を貯留する。
以上のように、燃料電池船1の収納部14が、外壁14aと内壁14bとを有する二重構造で構成され、内壁14b内にモータ4、燃料電池5、燃料タンク6、およびバッテリ7を収納する、燃料電池船1では、例えば、収納部14が障害物に接触して損傷した場合であっても、外壁14aによって、内壁14bに収納されるモータ4、燃料電池5、燃料タンク6、およびバッテリ7等を保護することができる。
次に、図14から図15に記載の燃料電池船1について説明する。
なお、図14から図15に記載の燃料電池船1の説明では、図1から図13に記載のオゾン水生成装置1と同様の構成の部分については適宜省略し、図1から図13に記載のオゾン水生成装置1の構成と異なる部分を中心に説明する。
図14から図15に示すように、燃料電池船1は、船体2と、プロペラ3と、モータ4と、燃料電池5と、燃料タンク6と、バッテリ7と、制御装置9と、収納部14と、を備える。
燃料電池船1は、二個(左右一対)の収納部14を備える。
収納部14は、モータ4と、燃料電池5、燃料タンク6と、バッテリ7と、を覆うように収納する。収納部14には、モータ4と、燃料電池5、燃料タンク6と、バッテリ7と、が比較的近接するように収納される。燃料タンク6、プロペラ3、モータ4、燃料電池5、燃料タンク6、およびバッテリ7は、収納部14に収納されて一体的に構成される。
収納部14は、アーム11の先端部に設けられて、船体2の左右にそれぞれ配置される。収納部14は、船体2を中心にして左右対称となる位置に配置される。収納部14は、水面よりも上方において船体2の側方に位置する。
燃料電池船1の燃料電池船1は、アーム11と、カバー12と、を備える。
燃料電池船1のアーム11は、左右それぞれ二個ずつ備えられる。アーム11は、回動しないように固定して船体2に設けられる。左方の二個のアーム11は、収納部14が船体2の側方に位置するとともに、水面よりも上方に位置するように収納部14を支持する。左方の二個のアーム11は、左方の収納部14を支持する。右方の二個のアーム11は、右方の収納部14を支持する。
以上のように、収納部14が船体2の左右にそれぞれ配置される、燃料電池船1では、重量物である燃料タンク6が船体2の左右に配置されることから、船体2の左右のバランスを安定させることができる。
また、燃料電池船1では、モータ4が船体2外に配置されるとともに収納部14に収納されることから、モータ4の駆動音が騒音として船体2内(キャビン内)に聞こえることを確実に抑制することができる。
1 燃料電池船
2 船体
3 プロペラ
4 モータ
5 燃料電池
6 燃料タンク
7 バッテリ
8 供給管
9 制御装置
11 アーム
14 収納部

Claims (3)

  1. 燃料電池を動力源として航行する燃料電池船であって、
    前記燃料電池に供給する燃料を貯留する燃料タンクを備え、
    前記燃料タンクは、航行中に水中に位置するとともに、上下に移動可能に構成され、
    前記燃料タンクが上下に移動することにより、水面に対する船体の上下位置を変更可能に構成される、
    燃料電池船。
  2. 前記燃料タンクが前記船底よりも下方に位置したときに、前記船底が水面よりも上方に位置するように構成される、
    請求項1に記載の燃料電池船。
  3. 前記燃料タンクは、前記船底よりも下方の位置から前記水面上に露出する位置に移動可能に構成され、
    前記燃料タンクが水面上に露出するとき、前記船底が水中に位置する、
    請求項2に記載の燃料電池船。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2021014264A (ja) * 2016-12-05 2021-02-12 スズキ株式会社 燃料電池船
JP7114119B1 (ja) * 2021-04-01 2022-08-08 株式会社タジマモーターコーポレーション 水素タンク船舶

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