JP2015195561A - マルチモード共振器およびそれを用いたrfidタグ - Google Patents

マルチモード共振器およびそれを用いたrfidタグ Download PDF

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    • H01P7/08Strip line resonators
    • H01P7/082Microstripline resonators

Abstract

【課題】加工精度に余裕のある単純な構成の共振器構造で、取り扱う情報量が大きく、拡張性があり、コスト低減が可能であるマルチモード共振器およびそれを用いたRFIDタグを提供する。【解決手段】線路長が等しく、線路の特性インピーダンスが指定された複数個の特定のレベルを持つ伝送路を複数個直列に接続した2組の複合伝送路を中央部で電気的に対称構造なるように接続して構成されるステップ・インピーダンス高次モード共振器の構造に符号を付与し、符号に対応する共振器構造により発生する高次モード共振周波数の組み合わせを検出してコードを特定することを可能とするチップレスRFIDタグおよびタグシステム。【選択図】図11

Description

本発明は、伝送線路を用いたマルチモード共振器に関するものであり、共振器の構造を変えることで高次モード共振周波数を変化させる手法を提供するものである。また、この共振器の構造にコード情報を付与し、共振器構造に対応して発生する高次モード共振周波数の組み合わせとコードを関連付けることにより、RFIDタグおよびタグ・システムを実現する構成法に関するものである。
バーコードは在庫管理、物流管理などに広く普及しており、IDタグが印刷で作成できることで極めて安価であるという特長がある。しかし、情報には秘匿性(丸見え)がなく、汚れで誤認識したり、改ざんされる危険もあるなど信頼性に乏しい面や、読み取り領域が狭く、障害物があると読み取れないという問題も有している。
最近普及が拡大している半導体チップを用いたRFID(Radio Frequency Identification)は、これらの問題を解消するもので、読み取りだけでなく書き込みも可能であるなど優れた特長を有している。しかし、半導体チップを用いるためにチップや実装基板でタグがコスト高になること、半導体が誤動作する高温や放射線の強い環境下では適用不可能という課題がある。
本発明はチップレスRFIDに関わるものであり、バーコードの機能を置き替えるものである。
本発明のチップレスRFタグは、基本的に伝送線路共振器の共振特性を利用するものである。これにより、回路内部は外からは見えないようにすることが可能で、情報の秘匿性が高く、改ざんに対する耐性はバーコードよりもはるかに強い。また、金属以外の紙、布、木材などの障害物があっても情報の読み出しができ、ミリ波帯で小型化すれば物体内部や生体に埋め込むことも可能となるなどの特徴を持たせることができる。更に、受動回路だけで構成されるから適用可能な温度範囲は広く、放射線などの環境下でもタグ自体は誤動作しないなどの特性もある。
一方、バーコードによるタグほどのコスト競争力はなく、半導体チップを用いたRFIDほどの機能はない。そこで、これらのタグが適用できない、あるいは適用しづらい利用分野、環境下での応用に適している。
チップレスRFIDに関しては下記文献に示すように、すでにいろいろな技術が開示され、実用化もなされている。
特開2005−122585号公報
P.Preradovic and N.C.Karmakar、"Chipless RFID: Bar Code of the Future、"IEEE Microwave Magazine、vol.11、No.7、pp.87-97、 Dec.2010 野村、新井、小坂、斎藤、"多機能弾性表面波の開発- SAW RFIDセンサの開発-、"電子情報通信学会、信学技報ED2005-116、pp.33-38、2005年9月 佐川、牧本、"インピーダンス・ステップを持つマイクロ波共振器の構成と基本特性、"電子情報通信学会、信学技報MW95-118、pp.25-30、1995年12月 C.G.Hsu、C.H.Lee and Y.H.Hsieh、"Tri-band Bandpass Filter with Sharp Passband Skirts Designed Using Tri-section SIRs、"IEEE Microwave and Wireless Component Letters、 vol.18、No.1、pp.19-21、Jan.2008
非特許文献1は、チップレスRFIDタグの解説論文であり、この分野の全般的な技術が開示されている。
本願発明と直接関連するところは非特許文献1のFigure11に示すような多数の共振素子を用いる構成例である。非特許文献1の構成は、基本的に1つの共振器に1ビットを対応させたマルチ共振器構成となっている。このため、共振器を精密に作成する必要があること、多ビット化に伴い共振器の数が増えタグのサイズが大きくなることなどの課題もある。
非特許文献2には弾性表面波(SAW)デバイスを利用し、信号の伝播遅延時間の差に情報を持たせたタグとその応用システが開示されている。
また、特許文献1には、微細加工で作成したMEMS共振器を多数用いたタグの例が開示されている。
非特許文献2および特許文献1とも小型化という観点では優れた特長をもつが、作成に微細加工を伴うためコストが高く、対応可能な情報量も多くはない。
上述したように、従来技術によるチップレスIDタグでは、精密な加工精度が要求されたり、取り扱う情報量を増やすとサイズが大きくなったり、逆にサイズを小さくするとコスト高になったりする課題が存在していた。
このため以下の課題を解決することが要請されている。
1)加工精度に余裕のある単純な構成の共振器構造である。
2)取り扱う情報量が大きく、拡張性がある。
3)タグのコスト低減が可能である。
従来のチップレスRFIDタグに用いる共振器は、前述したように共振周波数を互いに異なるようにして共振器1個に1ビット対応させる構成をとっている。
本発明では伝送線路型のマルチモード共振器が発生する高次モード共振周波数を共振器構造を変えて制御することでRFIDタグを実現しようとするものである。
最初に共振器の構造と共振特性について説明する。
本発明の共振器の基本的な構造は、特性インピーダンスが異なる伝送線路を複数個接続して構成されるステップ・インピーダンス共振器(Stepped Impedance Resonator:SIR)と称されるものである。なお、本明細書、図面において、ステップ・インピーダンス共振器を単に「SIR」と表示することがある。
この構造の共振器は、非特許文献3および4に開示されているように、その構成やその特性を生かしたマイクロ波フィルタが開発、実用化されている。
非特許文献3ではSIRの基本特性とともに共振器構造でスプリアス共振(高次モード共振)が制御できることを示している。
非特許文献4では3種の異なるインピーダンス線路を持つSIRを用い、1次、2次および3次高次モード共振周波数を利用した通過帯域3個を有する3バンドフィルタの設計例が示されている。
本発明の共振器もマルチセクション構造のSIRを採用するが、非特許文献3および4の構造を拡張してN次(Nは2以上の整数)の高次共振モードまで利用するものである。
本発明は、線路長が等しく、線路の特性インピーダンスが指定された複数個の特定の離散化したレベルを持つ伝送路を複数個直列に接続した2組の複合伝送路を中央部で電気的に対称構造なるように接続して構成されるステップ・インピーダンス高次モード共振器の構造に符号を付与し、符号に対応する共振器構造により発生する高次モード共振周波数の組み合わせを検出してコードを特定することを可能とするチップレスRFIDタグおよびタグシステムである。
本発明は、伝送線路型共振器の高次モード共振周波数を構造により制御することで、この機能を利用して特定のIDを生成しようとするものである。
従来、共振器ごとに共振周波数を代えて周波数ごとに1ビットの情報を与える手段をとることが知られている。
本発明は、1個の共振器の構造自体にコード情報を付与し、コードごとに発生する共振器の高次共振モードの周波数の組み合わせの相違を検出する手法をとる。
請求項1の発明は、
線路電気長が等しく、線路の特性インピーダンスがm(m:2以上の正の整数)個の離散化した特定の値のうちいずれかとなる伝送線路をN(N:2以上の正の整数)個直列に接続した複合伝送線路を二組用意し、それらの二組の複合伝送線路を電気回路的に対称構造になるように接続し、両端が開放終端あるいは短絡終端になるように構成し、第N次の高次モード共振周波数を基準周波数fNとしfNにおいて線路電気長が90°となるようにした構造を持つマルチモード共振器
である。
請求項2の発明は、
請求項1記載のマルチモード共振器を用い、伝送線路の線路インピーダンスの組み合わせで生成されるmN個の共振器構造に、mN個のコードを付与するとともに、コードに対応した共振器構造ごとに発生する{(k-1)・N+1}次から(k・N)次(k:1以上の正の整数)までのN個の高次モード共振周波数の組み合わせを検出することでコードを特定することを特徴とするRFIDタグ
である。
請求項3の発明は、
結合線路電気長が等しく、奇偶モード相乗平均線路インピーダンスがm(m:2以上の正の整数)個の離散化した特定の値のうちのいずれかであり、平行線路の結合度がj(j:2以上の正の整数)個の指定された特定の値のいずれかを持つ平行結合線路をN(N:2以上の正の整数)個直列に接続した平行結合複合伝送路の対向する2つの端子を接続するとともに、残りの対向する2つの端子を開放終端あるいは短絡終端になるように構成し、第N次の高次モード周波数を基準周波数fNとし、fNにおいて線路電気長が90°となるようにした構造を持つマルチモード共振器
である。
請求項4の発明は、
請求項3記載のマルチモード共振器を用い、平行線路の奇偶モード相乗平均線路インピーダンスと結合度の組み合わせで生成される(m・j)N個の共振器構造に(m・j)N個のコードを付与するとともに、コードに対応した共振器構造ごとに発生する{(k-1)・N+1}次から(k・N)次(k:1以上の正の整数)までのN個の高次モード共振周波数の組み合わせを検出することでコードを特定することを特徴とするRFIDタグ
である。
請求項5の発明は、
(k-1)・N+1次からk・N(k:1以上の正の整数)次までのN個の高次モード共振周波数を検出できる帯域幅を持つ送信および受信アンテナを共振器の2つの開放端あるいは2つの短絡端に結合して構成することを特徴とする請求項2又は4記載のRFIDタグ
である。
請求項6の発明は、
請求項2、4、5の何れかに記載のRFIDタグを用いると共に、
{(k-1)・N+1}次から(k・N)次(k:1以上の正の整数)までのN個の高次モード共振周波数を検出できる帯域幅を持つ送信および受信アンテナを具備し、送受信制御部、送信部、受信部、周波数検出部、コードテーブル、コード検出部で構成されることを特徴とするRFID読み取り装置
である。
請求項7の発明は、
請求項6記載のRFIDタグの読み取り装置において、検出した{(k-1)・N+1}次から(k・N)次(k:1以上の正の整数)までのN個の高次モード共振周波数を基準周波数fNあるいはk・N次の共振周波数fkNで除して正規化した上で、同じように基準周波数fNあるいはk・N次の共振周波数fkNで正規化して事前に作成しているコードテーブルを参照してコードを特定することを特徴とするRFIDタグ読み取り装置
である。
請求項8の発明は、
請求項2、4、5の何れかに記載のRFIDタグを用いると共に、
{(k-1)・N+1}次から(k・N)次(k:1以上の正の整数)までのN個の高次モード共振周波数を検出できる帯域幅を持つ送信および受信アンテナを具備し、送受信制御部、送信部、受信部、周波数検出部、コードテーブル、コード検出部で構成されることを特徴とするRFIDタグシステム
である。
請求項9の発明は、
請求項8記載のRFIDタグシステムにおいて、検出した{(k-1)・N+1}次から(k・N)次(k:1以上の正の整数)までのN個の高次モード共振周波数を基準周波数fNあるいはk・N次の共振周波数fkNで除して正規化した上で、同じように基準周波数fNあるいはk・N次の共振周波数fkNで正規化して事前に作成しているコードテーブルを参照してコードを特定することを特徴とするRFIDタグシステム
である。
請求項10の発明は、
請求項9記載のRFIDタグシステムにおいて、前記コードテーブルをそれぞれのタグのN次元空間における座標を正規化共振周波数で示しているものとし、検出したタグの高次モード共振周波数情報も同一の座標で示すとともに、それぞれの座標間の距離を算出してコードを特定することを特徴とするRFIDタグシステム
である。
本発明によれば、共振器はマイクロ波帯以上の周波数を適用するためプリント基板に容易に作成でき、小型で、安価である。また、本発明によれば、電波で情報を読み取るため、検出領域が広く、紙、布、木材などの障害物があっても正確に検出でき、かつ高温や放射線環境下でも利用できる。
すなわち、本発明によると、以下に例示する効果が発揮される。
1)伝送線路で構成されるマルチモード共振器の構造に符号を付与し、符号に対応する高次モード共振周波数を利用して小型のチップレスRFIDタグが実現できる。
2)紙、布、木材などの障害物があってもタグ情報の読み取りが可能である。
3)高温を伴う製造工程、強い放射線環境下でも適用可能である。
4)作業現場でタグが作成できる。
5)周波数情報を読み取る帯域が多く存在し、高い周波数帯域を選ぶことで読み取り装置およびタグのアンテナサイズを小型化できる。
本発明の先端開放マルチモード共振器の一実施形態を表す構成図である。 本発明の先端短絡マルチモード共振器の一実施形態を表す構成図である。 本発明の一実施形態に係る先端開放マルチモード共振器の特性解析を説明する図である。 本発明の一実施形態に係る先端短絡マルチモードSIRの特性解析を説明する図である。 本発明によるマルチモードSIRの一般化した構成図である。 本発明によるマルチモードSIRの実施例1を表す図である。 本発明によるマルチモードSIRの実施例2を表す図である。 本発明によるマルチモードSIRの実施例3を表す図である。 本発明によるマルチモードSIRの実施例4を表す図である。 実施例4のマルチモードSIRの周波数特性を表す図である。 本発明によるチップレスRFIDタグの実施例1を表す図である。 本発明によるチップレスRFIDタグの実施例2を表す図。 本発明によるチップレスRFIDタグ・システムの説明図である。
本発明の基本的な構造を図1および図2に示す。
図1において101、102、103、104は等しい線路電気長θをもち、線路の特性インピーダンスがZ1、Z2、…、ZN-1、ZN(線路の特性アドミタンスはY1、Y2、…、YN-1、YN)となる伝送線路で、それを直列にした伝送線路を2組用意し、線路104で電気的に対称になるように接続した構成を持つ。
符号105で示す箇所が対称面で、符号106、107で示す箇所は開放端となる。
この共振器の電気長θが90°となる周波数を基準周波数としfNで表すものとすると、このとき共振器は先端開放N/2波長型共振器となる。
共振器には多数の共振が存在し、基準周波数fN以下ではf1(1次) 、f2(2次)、…fN-1(N-1次)で共振する。
この構造において線路インピーダンスがすべて等しい場合は一様線路共振器となり、良く知られているように共振周波数はf1=fN/N、 f2=2fN/N、…、 fN-1=(N-1)fN/NとfN/Nの間隔で発生する。
図2は、先端短絡の場合の構造例である。
図1同様、符号201、202、203、204で示す箇所は等しい線路電気長θをもち、線路インピーダンスがZ1、Z2、ZN-1、ZNとなる伝送線路で、それを直列にした伝送線路を二組用意し、線路204で対称になる接続した構成を持つ。
符号205で示す箇所は対称面で、符号206、207で示す箇所は短絡端となる。
この共振器は先端短絡N/2波長型共振器となり、共振特性は図1の先端開放型と同様な特性となる。
次に、図1に示す構成のSIRの共振周波数を検討する。
図3に示すように共振器中央部から開放端を見たアドミタンスをYiN、k番目の線路と(k-1)番目の線路の接続点から開放端を見たアドミタンスをYikとし、線路中央部から見た共振器全体の入力アドミタンスをYTとすると下記の計算式(数1)が得られ、入力アドミタンスを漸化式として表すことができる。
Figure 2015195561
ここで、k次の高次モード共振における共振周波数をfkとし、対応する電気長をθkとすると、kが奇数のとき共振条件はY→±∞、偶数のときY→0として共振条件を求めることができる。前述したようにk=NのときはθN=90°(=π/2(rad))である。
次に、図2に示す構成の先端短絡SIRの共振周波数を検討する。
この場合は図4に示すように共振器中央部から開放端を見たインピーダンスをZiN、k番目の線路から線路路と(k-1)番目の線路の接続点から開放端を見たアドミタンスをZikとし、線路中央部から見た共振器の入力アドミタンスをZTとすると下記の計算式(数2)が得られ、入力インピーダンスを漸化式として表すことができる。
Figure 2015195561
ここで、この共振器の場合はk次の高次モード共振における共振周波数をfkとし、対応する電気長をθkとすると、kが奇数のとき共振条件はZT → ±∞、偶数のときZT → 0 として共振条件を求めることができる。k=NのときはθN=90°(=π/2(rad))である。
ここで具体的に、先端開放N=2(一波長共振器)のSIRの場合を考える。このとき 下記の計算式(数3)が得られる。
Figure 2015195561
これより、共振条件は下記の計算式(数4)となる。
Figure 2015195561
ここでN次の共振周波数fNでN次以下の共振周波数を正規化して表し、k次モードの正規化共振周波数をFk(k=1〜N-1)とする。
N=2の場合は下記の計算式(数5)が得られる。
Figure 2015195561
これより共振器の構造(この場合はインピーダンスZ1、Z2)が与えられれば、各モードの正規化共振周波数F1、F2(=1.0)が求まり、逆に2つの共振周波数が与えられると、θ1とインピーダンス比を求めることができる。
線路インピーダンスは自由度があり,どちらか一つを指定してインピーダンス比より他を求めればよく、共振周波数を指定して共振器構造を決定することができる。
なお、先端短絡共振器の場合は、共振器アドミタンスの代わりにインピーダンスを求め、インピーダンス比をRz1=Z2/Z1と定義すれば、前述と同一の式が得られ、先端開放と同様の議論ができる。
N=3のときは3/2波長型SIRとなり、この場合も、先端開放型の共振器では入力アドミタンスを求めて議論する。
インピーダンス比Rz2=Z2/Z3=Y3/Y2とすると下記の計算式(数6)となる。
Figure 2015195561
ここでA3,B3は下記の計算式(数7)となる。
Figure 2015195561
そこで、tanθとインピーダンス比Rziの関数として入力アドミタンスが表される。
この式で共振条件を考えると下記の計算式(数8)を得る。
Figure 2015195561
したがって共振器の構造が与えられると、インピーダンス比が求まり、上式より電気長が求まり共振周波数が決定できる。
N=3の場合も共振器構造によりインピーダンス比が変わると高次モード共振周波数も変化することがわかる。
逆に各高次共振モードの共振周波数f1、f2、f3が与えられるとθ3=π/2(rad)であるから下記の計算式(数9)により電気長を求める。
Figure 2015195561
そして、下記の計算式(数10)によりRz1、Rz2が求まり、共振器構造を決定できる。
Figure 2015195561
ただし、この場合はRzi>0なる解が必ず存在するわけではない。
以上、N=2、N=3の場合について具体的に説明したが、Nを一般化しても入力アドミタンスはtanθとインピーダンス比RZk(k=1〜N-1の整数)の関数として与えられる。
すべての線路のインピーダンスが与えられ、共振器構造が決まるとインピーダンス比RZkが求められる。
このRZkを入力アドミタンスの式に代入することでi次の共振モードごとに(N-1)個のθi(i=1〜N-1までの正の整数)が求まり、これを解くことで各共振周波数における電気長と正規化共振周波数が決定できる。
なおこの場合もθN=π/2(rad)である。
このように等しい線路長を持つ先端開放あるいは先端短絡マルチセクションSIRは、セクション数Nに関わらず、その線路インピーダンスを変えることで高次モード共振周波数を変えることが分かる。
また、構造が決まると発生する高次モード共振周波数も一義的に決定されることが分かる。
本発明はマルチセクションSIRのもつこの特性を利用してRFIDタグを実現するものである。
図5に本発明によるマルチセクションSIRによるマルチモード共振器の一般化した構成図を示す。
この共振器501は等しい線路長を持つ線路T1、T2、….TN-1、TNを直列に接続した伝送路を二組用意し線路TNで電気回路的に対称になるように接続し、両端を開放終端した構成を持つ。なお両端は短絡終端した構成でもかまわない。
このようにして構成される共振器はN/2波長型共振器となり、ここではN≧2を対象とする。
いま線路Tkの線路特性インピーダンスを502に示すように離散化したZa、Zb、Zc、…のmレベルに限定して共振器を構成するものとする。
線路数がN個あるから共振器構造としてはm個存在することになる。
したがって前述したマルチセクションSIRの特性より、m個の共振器構造に対し、1次からN次までの高次モード共振周波数の組み合わせもm個存在し、共振器構造が決まっていれば高次モード共振周波数の組み合わせも特定できる。
これより、共振器構造にコードを付与し、このコードごとに高次モード共振周波数の組み合わせを一義的に対応させることが可能となる。
逆に1次からN次までの高次モード共振周波数N個すべてを測定すればその組み合わせより、コード(共振器の構造)を特定することができ、RFIDに適用可能となる。
mとNを大きくすることでコード数を増大することができるが、Nを大きくすると共振器サイズが大きくなるため、mを大きくとることが小型化には望ましい。
図6に本発明によるマルチモード共振器の実施例を示す。
この共振器604は、線路601、602、603からなるN=3(3/2波長型)のSIRで、線路の特性インピーダンスレベル数m=3の場合の例を示している.インピーダンスレベルを
a:Za=30Ω、 b: Zb=50Ω、 c: Zc=70Ω
とし、コード数と高次モード共振周波数を求めてみる。
この場合は、前述したように3=27個のコード生成が期待できる。
いま、コード#00 〜#26 に表1のように線路インピーダンスa、 b、 cの組み合わせを割り当てることで共振器構造にコードを付与するものとする。
Figure 2015195561
各コードにより共振器の構成が決定されているから各コードに対するインピーダンス比Rz1、 Rz2が求まり、共振条件式より電気長が求まる。
これより正規化共振周波数F1、 F2、 F3(=1.0)を決定することができる。
表1にはF4、 F5、 F6(=2.0)も同時に示している。
コード#00、 #13、 #26は共振器を構成する三つの線路の線路インピーダンスが等しい場合であり、一様線路共振器となるため高次モード共振周波数はすべて一致する。
この場合を除いて発生する高次モード共振周波数はすべて異なっている。
したがって、事前に高次モード共振周波数が一致するような組み合わせは避けてコードを与えておけば高次モード共振周波数を検出してコードをすべて特定することが可能となる。
また、表1からわかるようにF3-F1=F5-F3でありF3-F2=F4-F3であることから、F1、 F2はF3を中心としてF5、 F4と対称に位置していることがわかる。
このことは共振器電気長θkがtan2θ=A(正の定数)として決定されることによる。
したがって、周波数情報はF1、 F2、 F3を検出しても良いし、F4、 F5、 F6を検出しても良い。
またtanは周期関数であるからθ=nπ+θk(nは正の整数)も解となる。
この共振周波数をf、正規化周波数をFとすると、下記の計算式(数11)となる。そこで、高次モード共振周波数も周期的となる。
Figure 2015195561
これよりN=3の場合はF7、 F8、 F9やF10、 F11、 F12を検出してもコードを特定できることになる。
アンテナを介して周波数情報を読み取る場合は、アンテナの帯域幅は少なくともN個の連続する高次モード共振周波数をカバーする帯域が要求される。
必要とする帯域幅を帯域の中心周波数で除した値を比帯域幅とすると、1次からN次までを検出する場合、比帯域幅はおおよそ2(N-1)/(N+1)、また(N+1)から2Nまで検出する場合は、約2(N-1)/(3N+1)、(2N+1)から3Nまでの場合は約2(N-1)/(5N+1)となる。
したがって、N=3の場合はそれぞれ約100%、約40%、約25%となり、基準周波数fNより高い高次モード共振周波数を検出するほうがアンテナに要求される比帯域幅は小さくて済むことがわかる。
また波長が小さいとアンテナサイズも小さくできるため、高い周波数で検出するほうがタグおよび読み取り装置を小型化できる。
このようにアンテナの帯域幅に対する要求を緩和し、サイズを小型化できることも本方式の一つの特長である。
図7に本発明によるマルチモード共振器の実施例2を示す。
この例は平行結合線路を用いた先端開放3/2波長型SIRとなっている。
これまで述べた共振器構造は図6の例に示すように、線路T1、T2、T3からなる二組の伝送路を線路T3で対称構造になるように接続したが、この構成では二組の伝送路を接続した状態で互いに平行結合線路を形成するように配置するものである。
図7で符号701、702、702は結合線路CT1、CT2、 CT3を示し、符号704は接続部、符号705は開放端を示す。
このような構成をとることで共振器の小型化が実現できる。
平行結合線路は奇モードインピーダンスZco、偶モードインピーダンスZceで表すことができるが、設計では下記の計算式(数12)で与えられる相乗平均インピーダンスZcと結合度kを考えればよい。
Figure 2015195561
このときZco、Zceとの関係は以下の計算式(数13)ようになる。
Figure 2015195561
本発明の結合線路を用いた共振器は、奇数次共振モードにおいて二つの開放端の電位が互いに逆位相になり、共振器は奇モードで励振されているため線路インピーダンスも奇モードインピーダンスZcoのみを考えればよい。
また逆に偶数次共振モードでは共振器は偶モードで励振されているため線路インピーダンスも偶モードインピーダンスZceのみを考えればよい。
以上より結合線路を持つマルチモードSIRの共振条件は線路インピーダンスのほか結合度も関係するので、結合度のレベル数を線路構造に追加することができる。
いま、Zcのレベル数をm、結合度kのレベル数をjとすると線路構造のレベル数は m・jとなるから平行結合線路数をNとすると、(m・j)のコードを生成できることになり、コード数の拡大が可能となる。
なお、平行結合線路を用いた構造の場合、接続部704により共振周波数は低域にシフトする。このため平行結合線路703の線路長を基準周波数fNで共振するように短めに補正する必要がある。
図8に本発明によるマルチモード共振器の実施例3を示す。
この例は平行結合線路を用いているが図7の実施例2と異なり先端を短絡終端した3/2波長型SIRとなっている。
図8で符号801、802、803は結合線路CT1、CT2、 CT3を示し、符号804は接続部、符号805は短絡端を示す。
図7の例と共振器先端が開放となっているか短絡になっているかの違いはあるが、基本的な動作は同じと考えてよい。接続部804による共振器長の補正も同様に必要である。
RFIDタグに構成する場合この構造は共振器と外部との結合に磁界結合を適用できることにあり、この特徴を生かした応用が期待できる。
図9に本発明によるマルチモード共振器の実施例4を示す。
符号901は誘電体基板、符号902はセクション数N=5、インピーダンスレベル数m=3のマルチモード共振器である。
符号903、904は入出力線路で共振器の開放端部分の線路と平行結合させている。
結合長は基準周波数(f5)で60°となるように設計している。符号905、906は入出力端子を示している。
基板の比誘電率2.2、基板厚さ0.5mm、基準周波数f5=10.0GHzとすると基板サイズは図に示すように、65mm×10mmとなる.5つの線路の特性インピーダンスを図に示すように50Ω/70Ω/90Ω/50Ω/70Ωに選定した場合、この回路の伝送特性は図10に示す特性となる。
図10において上段は振幅特性、下段は位相特性で、横軸は基準周波数f5で正規化した周波数となっている。
振幅特性は各共振点において鋭いピーク値を持ち、位相特性は共振点近傍で180°位相変化を示していることがわかる。
これより各高次モード共振においてその共振周波数を精度よく検出可能である事を示している。
また、正規化共振周波数はF1=0.19、 F2=0.36、 F3=0.54、 F4=0.85、 F5=1.00、 F6=1.15、 F7=1.46、 F8=1.64、 F9=1.81、 F10=2.00 となっており、実施例1と同じように正規化基準周波数F5を中心にF4、 F3、 F2、 F1 とF6、 F7、 F8、 F9 が対称的な配置になっていることがわかる。
この例ではF6〜F10の振幅レベルが高くなっているが、これはこの帯域で周波数検出を容易にするために入出力結合線路903、904の結合長を60°に設定しているからである。
このようにF6〜F10を検出することでアンテナが小型になり帯域幅に対する要求も緩和される。
なおこの例ではN=5の例を示したが、一般的に示すと本発明のN/2波長マルチセクションSIRにおいてはkを1以上の整数として{(k-1)・N+1}〜(k・N)次までの周波数帯域においてN個の高次モード共振周波数を検出すればコードの特定が可能である。
図11に本発明によるチップレスRFIDタグの実施例1を示す。
誘電体基板1101に平行結合線路を持つ先端開放マルチモードSIR共振器1102と結合線路1103、1104および送受信アンテナ1105、1106を設けて構成されている。
アンテナは広帯域特性が必要となるので、図11に示すような円形モノポールアンテナなどが適用されるが、アンテナ自体はどのような構成であってもよい。
また、この例では入出力の電波を分離できるように、アンテナの偏波面を直交させている。
このような構成をとることで読み取り装置で、周囲からの反射波(バックグラウンド雑音となる)とタグからの反射波を識別して受信可能となる。
また、偏波識別のためには偏波面を直交させたアンテナだけではなく、従来より知られている円偏波アンテナを利用することも可能である。
アンテナサイズは検出周波数が低いと共振器サイズよりも大きくなるため、タグ自体を小型化するには、高次モード共振周波数をできるだけ高いほうで検出するほうが、アンテナの設計中心周波数を高く設定でき小型になるのでタグ小型化の有用な手段となる。
また、共振器の低損失性は従来のマルチ共振器タグに比しそれほど要求されないから基板を透明なプラスチック材料とし導体に透明電極材料を適用することも可能となり、透明なRFIDが実現できることより、情報の秘匿性、セキュリティの向上も期待できる。
図12に本発明によるチップレスRFIDタグの実施例2を示す。(A)単位伝送路、(B)RFIDタグの構成例である。
符号1201、1202、1203は同一サイズの誘電体基板を用いて作成されている特性インピーダンスZa、Zb、Zcの単位伝送線路である。
また、符号1209、1210は送受信アンテナを示す。
この伝送線路とアンテナを用いることで図12の(B) RFIDタグの構成例に示すように、RFIDタグを容易に作成できる。
この例では符号1204の箇所に伝送路Zb、符号1205の箇所に伝送路Za、符号1206の箇所に伝送路Zcをそれぞれ2組用い、互いに接続して対称構造マルチモードSIRを形成するとともに、基板ホルダ1211を用いて共振器とアンテナを固定し、さらに符号1207、1208に示す結合容量で共振器とアンテナを説独することでRFIDタグを実現している。
単位伝送路とアンテナを多数用意しておけば、作業現場でRFIDタグを簡単に準備できる。
単位伝送路の種類を増やしたり、固定用のホルダを長くしてセクション数Nを大きくすれば識別コード数を拡大することも可能である。
図13は、本発明によるチップレスRFIDタグを用いたタグ・システムの説明図である。
図13において符号1301はチップレスRFIDタグ、符号1305は読み取り装置を示している。
RFIDタグ1301は本発明によるマルチモード共振器1302、受信(Rx)アンテナ1303、送信(Tx)アンテナ1304で構成される。
読み取り装置1305は送信(Tx)アンテナ1306、受信(Rx)アンテナ1307、受信機1308、送信機1309、送受信制御部1310、周波数検出部1311、コードテーブル1312、コード検出部1313で構成される。
タグおよび読み取り装置の送受アンテナはその偏波面が直交するように配置している。
また、タグ情報を正確に読み取るにはタグと読み取り装置の互いの送信と受信アンテナの偏波面が同一になるようにタグか読み取り装置どちらかを回転させる手段を設けることが望ましい。
読み取り装置1305の送信機はタグに対する質問器であり、周波数掃引信号やインパルス信号が送信アンテナ1306から放射される。
RFIDタグ1301ではこの信号を受信し、マルチモード共振器を伝送させて周波数特性を持たせた信号を送信アンテナから送信する。
読み取り装置はこの信号を受信し受信機1308で増幅したのち共振周波数検出部1311で周波数掃引信号やインパルス信号に対応して高次モード共振周波数を検出する。
コード検出部では得られた高次モード共振周波数の組み合わせから計算により、あるいは事前に準備されているコードテーブル1312を参照することで、IDタグのコードを特定するが可能となる。
なお、共振器の共振周波数は温度による変動があったり、基板誘電率など基板の物理パラメータの影響を受けて変動する。
変動の上下シフト方向は各高次モード共振周波数ともほとんどの場合同一方向になり、相対的なシフト量もほぼ等しいと想定できるため、周波数検出においては測定された高次モード共振周波数を同じく測定された基準周波数fN、あるいは基準周波数の整数倍(k)となる共振周波数fkNで正規化し、コードテーブルも同一の正規化共振周波数を用いて作成しておき、これを参照して処理することで周波数変動誤差を低減してコードを特定することが可能となる。
なお,(N/2)波長マルチセクションSIRタグのコードテーブルは、それぞれのタグのN次元空間における座標(位置)を正規化共振周波数で示していると考えることができる。いま、コードiとコードjの1次からN次の高次モード正規化共振周波数をF1i,F2i,・・・・・,FNiおよびF1j,F2j,・・・・,FNjとする。コードiとコードjのコード間距離はN次元空間における座標間の距離に対応すると考えてよいから、コード間距離D(i,j)を以下の計算式(数14)のように定義できる。
Figure 2015195561
これより、検出したタグの高次モード正規化共振周波数を、座標データF1x,F2x,・・・・,FNxとし、コードテーブルにあるタグコード座標とのコード間距離を求め、D(x,k)=0(座標が一致)となるコードkが検出すべきコードとして特定できる。
実際には誤差もあるから符号間距離が0とならない場合もあり、このときは距離が最小となるコードを候補とし、他のコードとの相対的な距離も考えてコードを識別するようにすればよい。
以上、添付図面を参照して本発明の好ましい実施形態、実施例を説明したが、本発明は、これらに限られるものではなく、特許請求の範囲の記載から把握される技術的範囲において種々の形態に変更可能である。
101−104 伝送線路
105 共振器の対称面
106、107 共振器開放端
201−204 伝送線路
205 共振器の対称面
206、207 共振器短絡端
501 マルチモード共振器
502 伝送線路のインピーダンスレベルの説明図
601−603 伝送線路
604 3/2波長型マルチモードSIR(N=3)
701−703 平行結合線路
704 共振器接続部
705 共振器開放端
801−803 平行結合線路
804 共振器接続部
805 共振器短絡端
901 誘電体基板
902 5/2波長マルチモードSIR(N=5)
903、904 入出力結合線路
905、906 入出力端子
1001 実施例4の共振器の振幅周波数特性
1002 実施例4の共振器の位相周波数特性
1101 誘電体基板
1102 結合線路を用いたSIR(N=3)
1103、1104 入出力結合線路
1105、1106 送受信アンテナ
1201−1203 伝送線路を実装した基板
1204−1206 伝送線路
1207、1208 結合容量
1209、1210 入出力アンテナ
1301 チップレスRFIDタグ
1302 マルチモード共振器(SIR)
1303 受信アンテナ
1304 送信アンテナ
1305 読み取り装置
1306 送信アンテナ
1307 受信アンテナ
1308 受信機
1309 送信機
1310 送受信制御部
1311 共振周波数検出部
1312 コードテーブル
1313 コード検出部

Claims (10)

  1. 線路電気長が等しく、線路の特性インピーダンスがm(m:2以上の正の整数)個の離散化した特定の値のうちいずれかとなる伝送線路をN(N:2以上の正の整数)個直列に接続した複合伝送線路を二組用意し、それらの二組の複合伝送線路を電気回路的に対称構造になるように接続し、両端が開放終端あるいは短絡終端になるように構成し、第N次の高次モード共振周波数を基準周波数fNとしfNにおいて線路電気長が90°となるようにした構造を持つマルチモード共振器。
  2. 請求項1記載のマルチモード共振器を用い、伝送線路の線路インピーダンスの組み合わせで生成されるmN個の共振器構造に、mN個のコードを付与するとともに、コードに対応した共振器構造ごとに発生する{(k-1)・N+1}次から(k・N)次(k:1以上の正の整数)までのN個の高次モード共振周波数の組み合わせを検出することでコードを特定することを特徴とするRFIDタグ。
  3. 結合線路電気長が等しく、奇偶モード相乗平均線路インピーダンスがm(m:2以上の正の整数)個の離散化した特定の値のうちのいずれかであり、平行線路の結合度がj(j:2以上の正の整数)個の指定された特定の値のいずれかを持つ平行結合線路をN(N:2以上の正の整数)個直列に接続した平行結合複合伝送路の対向する2つの端子を接続するとともに、残りの対向する2つの端子を開放終端あるいは短絡終端になるように構成し、第N次の高次モード周波数を基準周波数fNとし、fNにおいて線路電気長が90°となるようにした構造を持つマルチモード共振器。
  4. 請求項3記載のマルチモード共振器を用い、平行線路の奇偶モード相乗平均線路インピーダンスと結合度の組み合わせで生成される(m・j)N個の共振器構造に(m・j)N個のコードを付与するとともに、コードに対応した共振器構造ごとに発生する{(k-1)・N+1}次から(k・N)次(k:1以上の正の整数)までのN個の高次モード共振周波数の組み合わせを検出することでコードを特定することを特徴とするRFIDタグ。
  5. (k-1)・N+1次からk・N(k:1以上の正の整数)次までのN個の高次モード共振周波数を検出できる帯域幅を持つ送信および受信アンテナを共振器の2つの開放端あるいは2つの短絡端に結合して構成することを特徴とする請求項2又は4記載のRFIDタグ。
  6. 請求項2、4、5の何れかに記載のRFIDタグを用いると共に、
    {(k-1)・N+1}次から(k・N)次(k:1以上の正の整数)までのN個の高次モード共振周波数を検出できる帯域幅を持つ送信および受信アンテナを具備し、送受信制御部、送信部、受信部、周波数検出部、コードテーブル、コード検出部で構成されることを特徴とするRFID読み取り装置。
  7. 請求項6記載のRFIDタグの読み取り装置において、検出した{(k-1)・N+1}次から(k・N)次(k:1以上の正の整数)までのN個の高次モード共振周波数を基準周波数fNあるいはk・N次の共振周波数fkNで除して正規化した上で、同じように基準周波数fNあるいはk・N次の共振周波数fkNで正規化して事前に作成しているコードテーブルを参照してコードを特定することを特徴とするRFIDタグ読み取り装置。
  8. 請求項2、4、5の何れかに記載のRFIDタグを用いると共に、
    {(k-1)・N+1}次から(k・N)次(k:1以上の正の整数)までのN個の高次モード共振周波数を検出できる帯域幅を持つ送信および受信アンテナを具備し、送受信制御部、送信部、受信部、周波数検出部、コードテーブル、コード検出部で構成されることを特徴とするRFIDタグシステム。
  9. 請求項8記載のRFIDタグシステムにおいて、検出した{(k-1)・N+1}次から(k・N)次(k:1以上の正の整数)までのN個の高次モード共振周波数を基準周波数fNあるいはk・N次の共振周波数fkNで除して正規化した上で、同じように基準周波数fNあるいはk・N次の共振周波数fkNで正規化して事前に作成しているコードテーブルを参照してコードを特定することを特徴とするRFIDタグシステム。
  10. 請求項9記載のRFIDタグシステムにおいて、前記コードテーブルをそれぞれのタグのN次元空間における座標を正規化共振周波数で示しているものとし、検出したタグの高次モード共振周波数情報も同一の座標で示すとともに、それぞれの座標間の距離を算出してコードを特定することを特徴とするRFIDタグシステム。
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