JP7433630B2 - タグ情報読み取り回路及びチップレス・タグシステム - Google Patents

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Description

本発明は、伝送線路を用いた共振器の共振周波数を変えることでコード情報を付与するチップレス・タグのタグ情報読み取り回路並びにチップレス・タグシステムに関する。
バーコードは在庫管理、物流管理、入退室管理などに広く普及しており、IDタグが印刷で作成できることから極めて安価であり、読取装置もスマートフォンなどのカメラで実現でき、タグシステムとしても安価であるという特長がある。しかしながら、バーコードの情報には、秘匿性がなく、汚れで誤認識したり、複製も容易で改ざんされるリスクもある等の信頼性に乏しい面や、読み取り領域が狭く、障害物があると読み取れないという欠点も有している。
また、最近普及が拡大している半導体チップを用いたRFID(Radio Frequency Identification)は、これらの欠点を克服するもので、読み取りだけでなく書き込みも可能であるなど優れた特長を有しているが、半導体チップを用いるためにチップや基板実装でタグがコスト高になること、半導体が誤動作する高温や放射線の強い環境下では適用不可能という問題点や、アンテナなどで読取装置のサイズが大きくなり、消費電力も大きく、携帯化が困難で装置のコストも高いという課題も有している。
本発明はチップレスRFIDに関わるものであり、バーコードの機能を補完するものである。本発明のチップレスRFIDタグは、基本的に複数の共振周波数が異なる伝送線路共振器の共振周波数に情報を付与するものであり、タグの回路パターンをコーティングすることで外からは見えないようにすることが可能で、情報の秘匿性が高く、複製も困難で、改ざんに対する耐性はバーコードよりもはるかに強く、また金属以外の紙、布、プラスチックなどの障害物、遮蔽物があっても情報の読み出しが可能である。以上は、従来から知られているチップレス・タグ全般に共通する特徴であるが、従来方式のチップレス・タグは情報量(符号数)が余りとれず、読み取り精度もよくないという欠点がある。本発明では新しい進行波マルチバンドフィルタやマルチプレクサ型のタグの読み取り方式を提案し、これまでの課題となっている周波数利用効率(タグの符号数の拡大)と読み取り精度の向上を改善するものである。
チップレスRFIDに関しては下記文献に示すように、既にいろいろな技術が開示され、実用化もなされている。
非特許文献1は、チップレスRFIDタグの解説論文であり、この分野の全般的な技術が開示されている。本発明と直接関連するところは同文献Figure11に示すような多数の共振素子を用いる構成例で、基本的に1つの共振器に1ビットを対応させたマルチ共振器構成となっている。本発明と異なるところは、共振器の共振周波数の検出方式(読み取り回路方式)で同文献はノッチフィルタ構成であるのに対し,本発明はマルチバンドのバンドパス構成となることであり、本発明の方がマルチビット化に適し、精度の良い情報検出も可能となる。非特許文献2にはステップ・インピーダンス共振器(SIR:Stepped Impedance Resonator)を一個用いたマルチモード共振周波数によるチップレス・タグの符号化方式を開示しているが、本発明は、シングルモードを用いたマルチ共振器を適用するので符号化方式が基本的に異なっている。非特許文献3は最近発表されたタグ共振器の共振周波数情報読み取りにアンテナではなく近傍電磁界を利用するものであり、本発明と手法は同一となるが、共振器がSIRであるため読み取り回路の構成は全く異なったものとなる。特許文献1は、非特許文献2と技術的には同一内容でSIRによるチップレス・タグの符号化方式を開示している。特許文献2は非特許文献3の近傍電磁界によるプローブ検出の手法を開示しているが、対象としているのはSIR構成のタグであり、前述したように読み取り回路の構成は本発明と異なる。特許文献3は、タグにSIRを適用したノッチフィルタ型のマルチ共振器のタグで、タグ情報の書き込みに特徴がある。本発明においてもSIR構造の適用は可能であるが、タグの共振器構造自体に制約はなく、SIRが発明を構成する必須の要素ではない。またタグ検出は本発明においてはバンドパス構成となることも根本的に異なっている。
特開2015-195561号公報 特開2017-123520号公報 特開2017-211873号公報
P.Preradovic and N.C.Karmakar、"Chipless RFID: Bar Code of theFuture、" IEEE Microwave Magazine、vol.11、No.7、pp.87-97、 Dec.2010 牧本,酒井,和田,"マルチモード・ステップインピーダンス共振器を用いたチップレスRFIDの検討",電子情報通信学会,信学技報SRW2014-37(2014-37),pp.11-16,2014年12月 F.Sakai, M.Makimoto and K.Wada, "Near-field chipless RFID tag system using inductive coupling between a multimode resonator and detection probes," Trans. IEICE Com., Vol.E102-B, No.4, pp.722-731, Apr. 2019
マルチ共振器型のタグの構成は、これまでノッチフィルタ型が適用されてきたが、検出レベルを上げるにはタグ共振器の無負荷Qを大きく取り、タグ共振器と読み取り回路との結合を強くすることが要求される。無負荷Qを大きくするには低損失の基板が要求されコスト高となること、結合を強くすると隣接する共振器との識別が困難となり周波数間隔を広げる必要があり、与えられた周波数帯域内で符号数が取れないという課題がある。これを解決するには、マルチバンドのバンドパスフィルタ構成が望まれるが、広帯域な共振器と読み取り回路との結合回路がボトルネックとなって現時点ではまだ開発事例の開示がなされていない。
複数個の共振器を利用する従来のチップレスRFIDタグにおいては共振周波数1個に1ビット対応させる構成をとるのが一般的である。本発明においてもコードを付与する基本的な考え方はこれと同じである。
図14に従来のノッチフィルタ型チップレス・タグ用マルチ共振器の例を示す。
図14において(A)は情報書き込み前の基本回路を示し、(B)は情報を書き込んだ状態の回路を示している。
図14の(A)に基本的な構成を示す従来のノッチフィルタ型チップレス・タグ用マルチ共振器1000は、入出力端子1103,1104を持つ主伝送線路1101に共振周波数の異なるn個の両端開放1/2波長一様線路共振器1102、1102、1102、・・・1102n-1、1102を逆L字状に構成し、線路の一部を伝送線路と平行結合した回路となっている。回路の動作としては共振周波数f、f、f、・・・fn-1、fごとにn個の減衰極を持つノッチフィルタ(狭帯域の帯域阻止フィルタ)となっている。実際のタグはこの回路の入出力端子1103,1104にアンテナを空間的に直交させて送信波と受信波を分離できるように構成し、読み取り装置で周波数特性を検出し、各共振器の共振点が検出される場合を[1]、共振点が検出されない場合を[0]に対応させるようにしてタグ情報の読み出しを行う。図14の(A)はすべてを[1]のnビットをあらわしていることになる。情報を[0]に書き込む場合は、共振器の共振周波数を離調すればよく、図14の(B)に示す共振器1102、1102n-1のように切断部を設けることで共振器長を短縮することで実現できる。このノッチフィルタ型チップレス・タグは、検出レベル(ノッチ深さのレベル)を上げるには、タグ共振器と読み取り回路との結合を強くすること、共振器の無負荷Qを大きくすることが要求されるため、減衰特性が広がって尖鋭度が劣化することよりノッチ周波数の間隔を広くとる必要があり周波数有効利用(符号数の拡大)という点や低損失基板を用いるためにコスト高になる点で実用上課題を有している。
共振器の共振周波数を検出するには、ノッチフィルタ(狭帯域帯域阻止フィルタ)のほかに狭帯域帯域通過(バンドパス)フィルタでも可能で、検出ピークレベルは小さくなる(挿入損失が大きくなる)が、ピーク高さ(共振ピークレベルとノイズレベルの差)が高いので正確な検出が可能であり、ノッチフィルタ型より精度の高い検出が可能となる。ただ、チップレス・タグの利用する周波数帯域は広帯域であるため、すべての帯域にわたってタグの共振器と読み取り回路の結合を実現する適切な手法が知られておらず、この方式はいままで実用化されていない。
本発明は、上述の如き従来の実情に鑑み、共振周波数の異なる複数の伝送線路共振器を用いたマルチ共振器型のチップレス・タグにおいて符号数の拡大と精度の高い安定した読み取りを可能にしたチップレス・タグのタグ情報読み取り回路並びにチップレス・タグシステムを提供することを目的とする。
本発明の他の目的、本発明によって得られる具体的な利点は、以下に説明される実施の形態の説明から一層明らかにされる。
本発明では、近傍電磁界結合に着目して、共振周波数を進行波フィルタ構成あるいはマルチプレクサ(分波器)構成の読み取り回路方式で検出することにより、共振周波数の異なる複数の伝送線路共振器を用いたマルチ共振器型のチップレス・タグにおいて符号数の拡大と精度の高い安定した読み取りを実現する。
すなわち、本発明は、誘電体基板上に共振周波数の異なる伝送線路共振器を複数個実装して構成され、伝送線路共振器は、互いに対向し、かつその間隔が一定となる構造を有する第1の伝送線路及び第2の伝送線路と、上記第1の伝送線路及び第2の伝送線路の少なくとも一方の開放端間を接続する第3の伝送線路とを備え、すべての伝送線路共振器の第1の伝送線路及び第2の伝送線路がそれぞれ一直線状に配置されているチップレス・タグのタグ情報読み取り回路であって、誘電体基板上に、上記チップレス・タグの第1の伝送線路と第2の伝送線路との間隔にほぼ等しくなるように配置され、一端に励振端子が接続され他端が抵抗終端された直線状の励振用伝送線路と、それに平行して一端に検出端子が接続され他端が抵抗終端された直線状の検出用伝送線路と、上記励振用伝送線路と検出用伝送線路の間に設けられた直線状の接地導体パターンを有することを特徴とする。
本発明に係るタグ情報読み取り回路は、上記検出用伝送線路として、上記チップレス・タグの第1の伝送線路と第2の伝送線路の線路長にほぼ等しい線路をすべての伝送線路共振器に対応して配置するとともに、その線路の一端を開放端とし、他端に線路に直交して検出用出力線路を接続し、その先端に検出端子を設けたものとすることができる。
本発明に係るタグ情報読み取り回路において、上記複数の伝送線路共振器は、上記誘電体基板上に設けられた共振周波数の異なる両端開放1/2波長伝送線路共振器であるものとすることができる。
また、本発明に係るタグ情報読み取り回路において、上記複数の伝送線路共振器は、上記第1の伝送線路、第2の伝送線路、第3の伝送線路がU字状に形成されているものとすることができる。
また、本発明に係るタグ情報読み取り回路において、上記複数の伝送線路共振器は、上記第1の伝送線路、第2の伝送線路、第3の伝送線路がS字状に形成されているものとすることができる。
また、本発明に係るタグ情報読み取り回路において、上記複数の伝送線路共振器は、上記誘電体基板上に設けられた共振周波数の異なる1波長伝送線路共振器であるものとすることができる。
さらに、本発明に係るタグ情報読み取り回路において、上記伝送線路共振器は、共振器を構成する伝送線路の特性インピーダンスが異なるように設定したステップ・インピーダンス共振器であるものとすることができる。
また、本発明は、誘電体基板上に共振周波数の異なる伝送線路共振器を複数個実装して構成され、上記伝送線路共振器は、互いに対向し、かつその間隔が一定となる構造を有する第1の伝送線路及び第2の伝送線路と、上記第1の伝送線路及び第2の伝送線路の少なくとも一方の開放端間を接続する第3の伝送線路とを備え、すべての上記伝送線路共振器の第1の伝送線路及び第2の伝送線路がそれぞれが一直線状に配置されているチップレス・タグのタグ情報読み取り回路であって、誘電体基板上に、上記チップレス・タグの各伝送線路共振器と同一の共振周波数を有するU 字状構造の伝送線路共振器が複数個平行結合され、一端に励振端子が接続され他端が抵抗終端された直線状の励振用伝送線路と、上記チップレス・タグの各伝送線路共振器と同一の共振周波数を有するU字状構造の伝送線路共振器が複数個平行結合され、一端に検出端子が接続され他端が抵抗終端された直線状の検出用伝送線路とが平行に設けられるとともに、上記励振用伝送線路と検出用伝送線路の間に設けられた直線状の接地導体パターンを有し、上記チップレス・タグの各伝送線路共振器とともに多段構成のフィルタを形成してタグ情報検出を行うことを特徴とする。
本発明に係るタグ情報読み取り回路では、上記検出用伝送線路として、上記チップレス・タグの第1の伝送線路と第2の伝送線路の線路長にほぼ等しい線路をすべての伝送線路共振器に対応して配置するとともに,その線路の一端を開放端とし、他端に線路に直交して検出用出力線路を接続し、その先端に検出端子を設けたものとすることができる。
本発明に係るタグ情報読み取り回路において、上記複数の伝送線路共振器は、上記誘電体基板上に設けられた共振周波数の異なる両端開放1/2波長伝送線路共振器であるものとすることができる。
また、本発明に係るタグ情報読み取り回路において、上記複数の伝送線路共振器は、上記第1の伝送線路、第2の伝送線路、第3の伝送線路がU字状に形成されているものとすることができる。
また、本発明に係るタグ情報読み取り回路において、上記複数の伝送線路共振器は、上記第1の伝送線路、第2の伝送線路、第3の伝送線路がS字状に形成されているものとすることができる。
また、本発明に係るタグ情報読み取り回路において、上記複数の伝送線路共振器は、上記誘電体基板上に設けられた共振周波数の異なる1波長伝送線路共振器であるものとすることができる。
さらに、本発明に係るタグ情報読み取り回路において、上記伝送線路共振器は、共振器を構成する伝送線路の特性インピーダンスが異なるように設定したステップ・インピーダンス共振器であるものとすることができる
本発明は、チップレス・タグシステムであって、誘電体基板上に共振周波数の異なる伝送線路共振器を複数個実装して構成され、上記伝送線路共振器は、互いに対向し、かつその間隔が一定となる構造を有する第1の伝送線路及び第2の伝送線路と、上記第1の伝送線路及び第2の伝送線路の少なくとも一方の開放端間を接続する第3の伝送線路とを備え、すべての上記伝送線路共振器の第1の伝送線路及び第2の伝送線路がそれぞれが一直線状に配置されているチップレス・タグと、誘電体基板上に、上記チップレス・タグの各伝送線路共振器と同一の共振周波数を有するU字状構造の伝送線路共振器が複数個平行結合され、一端に励振端子が接続され他端が抵抗終端された直線状の励振用伝送線路と、上記チップレス・タグの各伝送線路共振器と同一の共振周波数を有するU字状構造の伝送線路共振器が複数個平行結合され、一端に検出端子が接続され他端が抵抗終端された直線状の検出用伝送線路とが平行に設けられるとともに、上記励振用伝送線路と検出用伝送線路の間に設けられた直線状の接地導体パターンを有し、上記チップレス・タグの各伝送線路共振器とともに多段構成のフィルタを形成してタグ情報検出を行うタグ情報読み取り回路とを備え、上記チップレス・タグとタグ情報読み取り回路のパターン面を対向させた状態で、上記チップレス・タグの各伝送線路共振器と上記タグ情報読み取り回路の励振用伝送線路及び検出用伝送線路が近傍電磁界結合するように接近させて、上記チップレス・タグから上記タグ情報読み取り回路によりタグ情報の読み取りを行うことを特徴とする。
また、本発明は、チップレス・タグシステムであって、誘電体基板上に共振周波数の異なる伝送線路共振器を複数個実装して構成されるチップレス・タグと、誘電体基板上に、上記チップレス・タグの伝送線路共振器を構成している各伝送線路のそれぞれ2つの領域と対向可能な間隔をもって配置され、一端に励振端子が接続され他端が抵抗終端された励振用伝送線路と、一端に検出端子が接続され他端が抵抗終端された検出用伝送線路と、上記励振用伝送線路と検出用伝送線路の間に設けられた接地導体パターンを有するタグ情報読み取り回路とを備え、上記チップレス・タグとタグ情報読み取り回路のパターン面を対向させた状態で、上記チップレス・タグの各伝送線路共振器と上記タグ情報読み取り回路の励振用伝送線路及び検出用伝送線路が近傍電磁界結合するように接近させて、上記チップレス・タグから上記タグ情報読み取り回路によりタグ情報の読み取りを行うことを特徴とする。
本発明では、近傍電磁界結合に着目し、進行波の概念に基づく広帯域にわたる読み取り回路とタグ共振器の結合回路を実現してバンドパス型の検出方式を提供することができる。
また、本発明では、近傍電磁界結合に着目して、進行波フィルタの概念に基づく、マルチバンドフィルタやマルチプレクサの読み取り方式を適応したバンドパス構成であるため、共振器と読み取り回路の結合は小さくても識別可能な応答が得られ、タグと読み取り回路の間隔(検出距離)を拡大するとともに符号数の拡大も可能となる。
したがって、本発明によれば、共振周波数の異なる複数の伝送線路共振器を用いたマルチ共振器型のチップレス・タグにおいて符号数の拡大と精度の高い安定した読み取りを可能にしたチップレス・タグのタグ情報読み取り回路及びチップレス・タグシステムを提供することできる。
本発明によるチップレス・タグの基本構成を示す模式的な平面図であり、(A)はタグの情報が書き込まれていない状態のチップレス・タグを示し、(B)は[0]を二箇所に書き込んだ状態のチップレス・タグを示している。 上記チップレス・タグにより与えられるnビットのタグ情報を読み取るタグ情報読み取り回路の基本構成を示す模式的な平面図である。 上記チップレス・タグとタグ情報読み取り回路により構成したチップレス・タグシステムを示す模式的な斜視図である。 上記チップレス・タグにおける伝送線路共振器として採用される両端開放1/2波長伝送線路共振器の構造を示す模式的な平面図であり、(A)はU字状に形成した一様線路共振器を示し、(B)、(C)はU字状に形成した各ステップ・インピーダンス共振器を示している。 上記チップレス・タグにおける伝送線路共振器として採用される両端開放1/2波長伝送線路共振器の他の構造を示す模式的な平面図であり、(A)はS字状に形成した一様線路共振器を示し、(B)はS字状に形成したステップ・インピーダンス共振器を示している。 上記チップレス・タグにおける伝送線路共振器として採用される1波長伝送線路共振器の構造を示す模式的な平面図であり、(A)はO字状に形成した形成した一様線路共振器を示し、(B)はO字状に形成したステップ・インピーダンス共振器を示している。 マルチプレクサ(分波器)方式の回路構成のタグ情報読み取り回路を備えるチップレス・タグシステムを示す模式的な平面図である。 進行波マルチバンド3段フィルタ構成のタグ情報読み取り回路を備えるチップレス・タグシステムを示す模式的な平面図である。 上記進行波マルチバンド3段構成のタグ情報読み取り回路を用いたチップレス・タグシステムについて、シミュレーションを行って得られた2bitのタグ情報の周波数応答例を示す図である。 上記チップレス・タグシステムにおいてタグ情報読み取り回路により検出した4bitタグ情報の周波数応答例を示す図である。 進行波マルチバンドフィルタの段数を変えた場合の1bitタグの情報の読み取りの周波数応答例を示す図である。 3段構成のマルチプレクサ型のタグ情報読み取り回路を備えるチップレス・タグシステムを示す模式的な平面図である。 上記チップレス・タグシステムにおけるマルチプレクサ3段構成のタグ情報読み取り回路により読み取られる4bitのタグ情報[1111]とタグ情報[0000]の周波数応答例を示す図である。 従来のノッチフィルタ型チップレス・タグ用マルチ共振器の例を示す模式的な平面図であり、(A)は情報書き込み前の基本回路を示し、(B)は情報を書き込んだ状態の回路を示している。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
図1は、本発明によるチップレス・タグ10の基本構成を示す模式的な平面図であり、(A)はタグの情報が書き込まれていない[111・・・1]の状態を示し、(B)は[0]を二箇所に書き込んだ[100・・・1]の状態を示している。
本発明によるチップレス・タグ10(10A,10B)は、誘電体基板11(11A,11B)上に例えばストリップ線路などの伝送線路を用いて構成される共振周波数がf、f、f・・・fと異なる伝送線路共振器12をn個実装し、それぞれの共振器12、12、12・・・12の共振周波数f、f、f・・・fとして1ビット与えることにより、nビットのタグを構成したものであって、伝送線路共振器12、12、12・・・12は、互いに対向し、かつその間隔が一定となる構造を有する第1の伝送線路121A、122A、123A・・・12nA及び第2の伝送線路121B、122B、123B・・・12nBと、上記第1の伝送線路121A、122A、123A・・・12nA及び第2の伝送線路121B、122B、123B・・・12nBの一方の開放端間を接続する第3の伝送線路121C、122C、123C・・・12nCとを備え、すべての伝送線路共振器12、12、12・・・12の第1の伝送線路121A、122A、123A・・・12nA及び第2の伝送線路121B、122B、123B・・・12nBがそれぞれ一直線状に配置されている。
このチップレス・タグ10(10A,10B)における伝送線路共振器12、12、12・・・12は、誘電体基板11(11A,11B)上に設けられた共振周波数の異なる両端開放1/2波長伝送線路共振器である。
そして、上記伝送線路共振器12、12、12・・・12は、上記第1の伝送線路121A、122A、123A・・・12nA、第2の伝送線路121B、122B、123B・・・12nB、第3の伝送線路121C、122C、123C・・・12nCがU字状に形成されている。
すなわち、この図1に示したチップレス・タグ10(10A,10B)では、第1の伝送線路121A、122A、123A・・・12nA、第2の伝送線路121B、122B、123B・・・12nB、第3の伝送線路121C、122C、123C・・・12nCにより構成されたU字状構造の伝送線路共振器12、12、12・・・12を備え、二つの開放端のある第1の伝送線路121A、122A、123A・・・12nA及び第2の伝送線路121B、122B、123B・・・12nBが、すべての伝送線路共振器12、12、12・・・12で同一間隔になるように平行で同一方向に一直線に並ぶように配置されている。
図1の(A)に示すタグの情報が書き込まれていないチップレス・タグ10Aは、伝送線路共振器12、12、12・・・12の共振周波数がf、f、f・・・fの状態でnビットのタグ情報[111・・・1]となっている。
これに対して、図1の(B)に示す[0]を二箇所に書き込んだチップレス・タグ10Bは、伝送線路共振器12、12の各第3の伝送線路122C、123Cの線路中央部に切断部122C’、123C’を設けて、共振周波数f’、f’を離調させて[0]を書き込んだnビットのタグ情報[100・・・1]となっている。
なお、このチップレス・タグ10(10A,10B)に用いる誘電体基板11(11A,11B)は、裏面に接地導体を設ける必要はないが、共振器を小型化したり、ステップ・インピーダンス共振器(SIR)を採用する場合は接地導体を設けることが望ましい。
図2は、このような構成のチップレス・タグ10により与えられるnビットのタグ情報を読み取るタグ情報読み取り回路20の基本構成を示す模式的な平面図である。
図2に示すタグ情報読み取り回路20は、進行波マルチバンド方式のタグ情報読み取り回路であって、それぞれ特性インピーダンス50Ωに設定されたタグ共振器励振用の伝送線路22及びタグ情報検出用の伝送線路23と、励振用伝送線路22と検出用伝送線路23の結合を低減してアイソレーション特性を向上するための接地導体パターン24を有し、接地導体パターン24は、接地用ビアホール25を介して裏面の全面接地導体に接続されている。励振用伝送線路22は、一端に励振端子26が設けられ、他端に抵抗終端器27が設けられている。また、検出用伝送線路23は、一端に検出端子28が設けられ、他端に抵抗終端器29が設けられている。
上記励振用伝送線路22と検出用伝送線路23は、平行になるようにし、その間隔が上記チップレス・タグ10の第1の伝送線路121A、122A、123A・・・12nAと第2の伝送線路121B、122B、123B・・・12nB、の間隔とほぼ等しくなるように配置されている。
なお、検出用伝送線路23の検出端子28と抵抗終端器29は入れ替えてもよい。
すなわち、このタグ情報読み取り回路20は、誘電体基板21上に、上記チップレス・タグ10の第1の伝送線路と第2の伝送線路との間隔にほぼ等しくなるように配置され、一端に励振端子26が接続され他端が抵抗終端された直線状の励振用伝送線路22と、それに平行して一端に検出端子28が接続され他端が抵抗終端された直線状の検出用伝送線路23と、上記励振用伝送線路22と検出用伝送線路23の間に設けられた直線状の接地導体パターン24を有するものとなっている。
図3は、上記チップレス・タグ10とタグ情報読み取り回路20で構成されるチップレス・タグシステム100の基本構成を示す模式的な斜視図である。
図3において 図1及び図2と共通する符号は同一の構成要素を示しており、その詳細な説明は省略する。
このチップレス・タグシステム100では、上記チップレス・タグ10とタグ情報読み取り回路20のパターン面を対向させた状態で、上記チップレス・タグ10の各伝送線路共振器12、12、12・・・12と上記タグ情報読み取り回路20の励振用伝送線路22及び検出用伝送線路23が平行になるように接近させることにより、上記チップレス・タグ10から上記タグ情報読み取り回路20によりタグ情報の読み取りを行う。
すなわち、このチップレス・タグシステム100において、チップレス・タグ10からタグ情報を検出する場合、チップレス・タグ10のパターン面とタグ情報読み取り回路20のパターン面を対向させた状態で、チップレス・タグ10をタグ情報読み取り回路20の上方から、上記チップレス・タグ10の各伝送線路共振器12、12、12・・・12と上記タグ情報読み取り回路20の励振用伝送線路22及び検出用伝送線路23が平行になるように接近させる。このとき、チップレス・タグ10とタグ情報読み取り回路20の基板間隔が10mm程度以下になると、上記タグ情報読み取り回路20の励振用伝送線路22と上記チップレス・タグ10の各伝送線路共振器12、12、12・・・12が電磁界結合して共振が生じる。励振用伝送線路22と電磁界結合した伝送線路共振器12、12、12・・・12が共振すると、伝送線路共振器12、12、12・・・12が検出用伝送線路23とも結合し、その信号は検出用伝送線路23の検出端子28に進行波として伝搬する。電磁界結合は伝送線路共振器12、12、12・・・12のすべての共振点で発生するから検出用伝送線路23の検出端子28ですべての共振情報をタグ情報として一括して検出することができる。
上記タグ情報読み取り回路20の励振用伝送線路22は50Ω終端されているため進行波だけ存在し、上記チップレス・タグ10の伝送線路共振器12、12、12・・・12とも進行波だけで結合する。このため結合自体は大きくできないが、どの伝送線路共振器12、12、12・・・12ともそれぞれの帯域でほとんど同一の結合度で結合が可能となり広帯域にわたって特性を検出することができ、このチップレス・タグシステム100では、利用周波数帯域が広い特性を具現化している。
ここで、上記チップレス・タグ10の伝送線路共振器12、12、12・・・12は、上記第1の伝送線路121A、122A、123A・・・12nA、第2の伝送線路121B、122B、123B・・・12nB、第3の伝送線路121C、122C、123C・・・12nCがU字状に形成されているが、基本的に、互いに対向し、かつその間隔が一定となる構造を有する第1の伝送線路12及び第2の伝送線路12と、上記第1の伝送線路12及び第2の伝送線路12の少なくとも一方の開放端間を接続する第3の伝送線路12とを備え、すべての伝送線路共振器の第1の伝送線路12及び第2の伝送線路12がそれぞれが一直線状に配置されたものであればよい。
図4は、上記チップレス・タグ10における伝送線路共振器12、12、12・・・12として採用される両端開放1/2波長伝送線路共振器の構造を示す模式的な平面図であり、(A)はU字状に形成した一様線路共振器12を示し、(B)、(C)はU字状に形成した各ステップ・インピーダンス共振器12SA、12SBを示している。
すなわち、上記チップレス・タグ10では、図4の(A)に示すように、第1乃至第3の伝送線路12、12、12の特性インピーダンスが等しい、すなわち、線路幅が均一の第1乃至第3の伝送線路12、12、12によりU字状に形成した両端開放1/2波長伝送線路共振器12を採用し、第1乃至第3の伝送線路12、12、12の線路長を変えることにより、互いの共振周波数がf、f、f・・・fと異なる伝送線路共振器12をn個実装したが、図4の(B)、(C)に示すように、伝送線路共振器12を構成する伝送線路の第1乃至第3の伝送線路12’、12’、12’の特性インピーダンスが異なるように、線路幅を変えて、共振周波数を設定したステップ・インピーダンス共振器12SAやステップ・インピーダンス共振器12SBをn個実装するようにしてもよい。
特性インピーダンスを変えたステップ・インピーダンス共振器(SIR)では、共振周波数を同一にして、図4の(B)に示すステップ・インピーダンス共振器12SAのように中央部の特性インピーダンスを低くして共振器長を一様線路共振器より長くしたり、逆に図4の(C)に示すステップ・インピーダンス共振器12SBのように中央部の特性インピーダンスを高くして共振器長を短くしたりすることが可能で、結合の大きさや、高次モードの共振周波数を変えたりすることができる。
また、図5は、上記チップレス・タグ10における伝送線路共振器12、12、12・・・12として採用される両端開放1/2波長伝送線路共振器の他の構造を示す模式的な平面図であり、(A)はS字状に形成した一様線路共振器12Aを示し、(B)はS字状に形成したステップ・インピーダンス共振器12ASを示している。
すなわち、図5の(A)に示すように、第1乃至第3の伝送線路12A、12A、12Aの特性インピーダンスが等しい、すなわち、線路幅が均一の第1乃至第3の伝送線路12A、12A、12AによりS字状に形成した両端開放1/2波長伝送線路共振器12Aを採用し、第1乃至第3の伝送線路12A、12A、12Aの線路長を変えることにより、互いの共振周波数がf、f、f・・・fと異なる伝送線路共振器12Aをn個実装したり、図5の(B)に示すように、伝送線路共振器を構成する伝送線路の第1乃至第3の伝送線路12A’、12A’、12A’の特性インピーダンスが異なるように、線路幅を変えて、共振周波数を設定したステップ・インピーダンス共振器12ASをn個実装するようにしてもよい。
図5の(A)、(B)に示す両端開放1/2波長伝送線路共振器12A、12ASのS字状構造は、共振周波数が低くて共振器長が長くなる場合に小型化設計のために適用できる構造である。この構造の場合、タグ共振器の特性検出のためにすべての共振器において開放端を含む二つの線路は互いに平行でその間隔は一定でなければならない。
さらに、図6は、上記チップレス・タグ10における伝送線路共振器12、12、12・・・12として採用される1波長伝送線路共振器の構造を示す模式的な平面図であり、(A)はO字状に形成した形成した一様線路共振器12Bを示し、(B)はO字状に形成したステップ・インピーダンス共振器12BSを示している。
すなわち、図6の(A)に示すように、第1乃至第4の伝送線路12B、12B、12B、12Bの特性インピーダンスが等しい、すなわち、線路幅が均一の第1乃至第4の伝送線路12B、12B、12B、12BによりO字状に形成した1波長伝送線路共振器12Bを採用し、第1乃至第4の伝送線路12B、12B、12B、12Bの線路長を変えることにより、互い共振周波数がf、f、f・・・fと異なる伝送線路共振器12Bをn個実装したり、図6の(B)に示すように、1波長伝送線路共振器を構成する伝送線路の第1乃至第4の伝送線路12B’、12B’、12B’、12B’の特性インピーダンスが異なるように、線路幅を変えて、共振周波数を設定したステップ・インピーダンス共振器12BSをn個実装するようにしてもよい。
この図6の(A)、(B)に示す1波長伝送線路共振器12B、12BSの1波長の矩形構造は、共振器長を長く設計して製作精度を上げる場合に採用することができる。この共振器の場合も、実装する全ての共振器において対向する二つの辺のうちどちらか一組は、互いに平行でその間隔を一定に設定する必要がある。
図2に示したタグ情報読み取り回路20、すなわち、誘電体基板21上に、上記チップレス・タグ10の第1の伝送線路12と第2の伝送線路12との間隔にほぼ等しくなるように配置され、一端に励振端子26が接続され他端が抵抗終端された直線状の励振用伝送線路22と、それに平行して一端に検出端子28が接続され他端が抵抗終端された直線状の検出用伝送線路23と、上記励振用伝送線路22と検出用伝送線路23の間に設けられた直線状の接地導体パターン24を有するタグ情報読み取り回路20は、図4の(A),(B),(C)、図5の(A),(B)に示すような両端開放1/2波長伝送線路共振器12,12SA,12SB,12A,12ASや図6の(A),(B)に示すような1波長伝送線路共振器12B,12BSの何れかを採用したn個の伝送線路共振器を備えるチップレス・タグ10からnビットのタグ情報を読みとる利用周波数帯域が広い特性を具現化したチップレス・タグシステム100を構成することができる。
また、図4の(A),(B),(C)、図5の(A),(B)に示すような両端開放1/2波長伝送線路共振器12,12SA,12SB,12A,12ASや図6の(A),(B)に示すような1波長伝送線路共振器12B,12BSの何れかを採用したn個の伝送線路共振器を備えるチップレス・タグ10からnビットのタグ情報を読みとるタグ情報読み取り回路としては、図7に示すチップレス・タグシステム200のように、マルチプレクサ(分波器)方式の回路構成のタグ情報読み取り回路120を採用してもよい。
このチップレス・タグシステム200においてタグ情報読み取り回路120は、上記タグ情報読み取り回路20における検出用伝送線路23として、上記チップレス・タグ10の第1の伝送線路121A、122A、123A・・・12nA、第2の伝送線路121B、122B、123B・・・12nBの各線路長にほぼ等しい検出用結合線路1231A、1232A、1233A・・・123nAをすべての伝送線路共振器12、12、12・・・12に対応して配置するとともに,その検出用結合線路1231A、1232A、1233A・・・123nAの一端を開放端とし、他端に線路に直交して検出用出力線路1231B、1232B、1233B・・・123nBを接続し、その先端に検出端子128、128、128・・・128を設けたものである。
図7に示すチップレス・タグシステム200において、図3に示したチップレス・タグシステム100と同一の構成要素は、図7中に同一符号を付して、その詳細な説明を省略する。
図7は、破線で示すタグ誘電体基板11の上方にタグ情報読み取り回路120の誘電体基板121を位置してタグ情報を検出する状況を示している。
図7に示す・タグシステム200において、タグ情報読み取り回路120は、誘電体基板121上に一端に励振端子26が設けられ、他端に抵抗終端器27が設けられたタグ共振器励振用の伝送線路22及び接地導体パターン24を有するとともに、上記チップレス・タグ10の第1の伝送線路121A、122A、123A・・・12nA、第2の伝送線路121B、122B、123B・・・12nBの各線路長にほぼ等しい検出用結合線路1231A、1232A、1233A・・・123nAをすべての伝送線路共振器12、12、12・・・12に対応して配置するとともに,その検出用結合線路1231A、1232A、1233A・・・123nAの一端を開放端とし、他端に線路に直交して検出用出力線路1231B、1232B、1233B・・・123nBを接続し、その先端に検出端子128、128、128・・・128が設けられている。
すなわち、検出側の結合線路123、123、123・・・123は、チップレス・タグ10の伝送線路共振器12、12、12・・・12ごとに、その線路長が対応する伝送線路共振器12、12、12・・・12の第2の伝送線路121B、122B、123B・・・12nBの各線路長にほぼ等しい検出用結合線路1231A、1232A、1233A・・・123nAを伝送線路共振器12、12、12・・・12の第1の伝送線路121A、122A、123A・・・12nAと第2の伝送線路121B、122B、123B・・・12nBの間隔だけ励振用伝送線路22から離れた位置に設け、その一端を開放とし,他端に出力用伝送線路1231B、1232B、1233B・・・123nBを直角に接続して検出端子128、128、128・・・128を設けた構成となっている。
このチップレス・タグシステム200において、タグ情報読み取り回路120の励振用伝送線路22の進行波でチップレス・タグ10の伝送線路共振器12、12、12・・・12を励振する手法は、図2に示した進行波マルチバンド方式のタグ情報読み取り回路20と同一であるが、検出はチップレス・タグ10の実装される複数の伝送線路共振器12、12、12・・・12ごとに結合を取って行い、それぞれ個別(bit単位ごと)に出力を得ることが可能となっている。
したがって、このチップレス・タグシステム200は、回路動作的には分波器の機能を有している。
このチップレス・タグシステム200におけるタグ情報読み取り回路120は、図2に示した進行波マルチバンドフィルタのタグ情報読み取り回路20と比較すると検出端子がbit数だけ必要となるため回路処理が煩雑になるが,周波数特性は共振器(bit)ごとに独立して検出できるため共振器間の共振周波数の識別が容易で周波数分解能が向上し符号数を拡大できる。
ここで、図3に示したチップレス・タグシステム100及び図7に示したチップレス・タグシステム200では、フィルタや分波器を構成する共振器はチップレス・タグ10の伝送線路共振器12、12、12・・・12の一個だけであるが、共振器を多段構成にすることにより周波数特性を尖鋭化することができる。周波数特性を尖鋭化することでタグの共振器ごとの周波数識別が容易となるため多ビット化が可能となり、より実用的な方式となる。
図8に進行波マルチバンド3段フィルタ構成のタグ情報読み取り回路220を備えるチップレス・タグシステム300を示す。
図8に示すチップレス・タグシステム300において、図3に示したチップレス・タグシステム100と同一の構成要素は、図8中に同一符号を付して、その詳細な説明を省略する。
図8は、破線で示すタグ誘電体基板11の上方にタグ情報読み取り回路220の誘電体基板221を位置してタグ情報を検出する状況を示している。
すなわち、図8に示すチップレス・タグシステム300において、タグ情報読み取り回路220は、誘電体基板221上に、一端に励振端子26が接続され他端が抵抗終端された直線状の励振用伝送線路222と、一端に検出端子28が接続され他端が抵抗終端器29を介して終端された直線状の検出用伝送線路223とが平行に設けられ、上記励振用伝送線路222と検出用伝送線路223の間に設けられた直線状の接地導体パターン24を有するとともに、励振用伝送線路222及び検出用伝送線路223に平行結合される複数個の共振器として、上記チップレス・タグ10の各伝送線路共振器12、12、12・・・12と同一の共振周波数f、f、f・・・fを有するU字状構造の伝送線路共振器2241A、2242A、2243A・・・224nAと、検出用伝送線路共振器2241B、2242B、2243B・・・224nBが設けられている。
このチップレス・タグシステム300におけるタグ情報読み取り回路220は、励振用伝送線路222及び検出用伝送線路223には、上記チップレス・タグ10の各伝送線路共振器12、12、12・・・12と同一の共振周波数f、f、f・・・fを有するU字状構造の励振用伝送線路共振器2241A、2242A、2243A・・・224nAと、検出用伝送線路共振器2241B、2242B、2243B・・・224nBが平行結合され、それぞれの共振器グループは上記チップレス・タグ10の各伝送線路共振器12、12、12・・・12の第1の伝送線路121A、122A、123A・・・12nA、と第2の伝送線路121B、122B、123B・・・12nBの間隔に等しい距離に配置することにより、上記チップレス・タグ10の各伝送線路共振器12、12、12・・・12とともに3段構成のフィルタを形成してタグ情報検出を行うようにしたものである。
多段フィルタの結合はよく知られているように共振器と入出力との結合は強く、共振器間の結合はそれより一桁小さい結合となるので、このチップレス・タグシステム300では、チップレス・タグ10の各伝送線路共振器12、12、12・・・12とタグ情報読み取り回路220の励振用伝送線路共振器2241A、2242A、2243A・・・224nA及び検出用伝送線路共振器2241B、2242B、2243B・・・224nBとの共振器間結合も小さくすることができる。このことはチップレス・タグ10のタグ誘電体基板11とタグ情報読み取り回路220の誘電体基板221の間隔を広くできることを意味するから、チップレス・タグ10の検出距離が長くなることになる。このチップレス・タグシステム300では、励振用、検出用にそれぞれ1個の共振器を設けた3段構成の例を説明したが、複数個の共振器を設けて更に多段構成にすることも可能である。
図9は、図8に示した進行波マルチバンド3段構成のタグ情報読み取り回路220を用いたチップレス・タグシステム300について、利用周波数帯域をマイクロ波UWB帯域7.25~10.25GHzを想定してシミュレーションを行って得られた2bitのタグ情報の周波数応答の例を示している。
ここでは、励振用と検出用の伝送線路には不要結合(迷結合)はない場合を想定している。
そして、共振周波数f,fにそれぞれ1bit与えるものとし,fを固定(8.52GHz)し,共振周波数fを変化させたときの周波数特性(それぞれ[1]の状態)を示している。
二つのピークレベルは変化しないが,共振周波数fと共振周波数fが接近してくると応答レベルが加算されてボトムレベルが高くなってピーク高さ(ピークとボトムのレベル差)が小さくなり、識別が困難となることがわかる。この例では共振周波数fと共振周波数fの間隔が60MHzとなるとピーク高さは15dBになっており、ピークの識別に余裕を持たせるには周波数間隔は60MHz以上に設定することが望ましい。
次に、図8に示したチップレス・タグシステム300において、タグ情報読み取り回路220により検出した4bitタグ情報の周波数応答例を図10に示す。
ここでは、チップレス・タグ10の共振周波数f,f,f,fに1ビット付与するものとし周波数間隔は60MHzに設定している。
図10において、共振状態は[1],共振器を切断し離調させた状態を[0]で表している。
この図10からわかるようにタグ情報が[1111]の場合は4つのレベルの高いピークが現れ、タグ情報が[0000]の場合にも4つのピークが現れるが、ピークレベルか50dBほど低くなっており容易に識別可能である。
タグ情報が[0101]の場合は共振周波数f,fに二つのピークがあり、タグ情報が[1001]には、共振周波数f,fに二つのピークがあり、符号検出が容易に行えることがわかる。
次に、進行波マルチバンドフィルタの段数を変えた場合の1bitタグの情報読み取りの周波数応答例を図11に示す。
図11に示すように、進行波マルチバンドフィルタの段数を増加させるとピークレベルは小さくなるが、周波数応答は尖鋭化する。ピークレベルから15dB小さくなる周波数の間隔を15dB帯域とすると1段,3段,5段でそれぞれ、270MHz,85MHz,70MHzとなることがわかる。
これよりピークレベルの検出に問題なければマルチバンドフィルタの段数を増やした方が隣接するビットの共振周波数を接近させることが可能となる。したがって、与えられた帯域内に識別可能な共振点すなわちビット数を多く設定でき、周波数分解能がよくなって周波数利用効率を向上可能とすることができる。
図12に3段構成のマルチプレクサ型のタグ情報読み取り回路320を備えるチップレス・タグシステム400を示す。
図12に示すチップレス・タグシステム400において、図7、図8に示したチップレス・タグシステム200、300と同一の構成要素は、図12中に同一符号を付して、その詳細な説明を省略する。
このチップレス・タグシステム400におけるタグ情報読み取り回路320は、図7に示したチップレス・タグシステム200における1段構成のマルチプレクサ(分波器)型のタグ情報読み取り回路120を図8に示したチップレス・タグシステム300におけるタグ情報読み取り回路220のように3段構成にしたものである。
すなわち、タグ情報読み取り回路320は、タグ情報読み取り回路220における進行波マルチバンド3段フィルタと同様に、励振側に励振用伝送線路共振器2241A、2242A、2243A・・・224nAを設け、検出側に検出用伝送線路共振器2241B、2242B、2243B・・・224nBを設けている。
また、検出側の結合線路123、123、123・・・123と検出端子128、128、128・・・128は、図7に示したタグ情報読み取り回路120と同じであるが、検出側の結合線路123、123、123・・・123は、チップレス・タグ10の各伝送線路共振器12、12、12・・・12ではなく検出用伝送線路共振器2241B、2242B、2243B・・・224nBと平行結合する構成となっている。
このチップレス・タグシステム400におけるマルチプレクサ構成の場合も、図8に示したチップレス・タグシステム300においてマルチプレクサ構成と同様に、励振用、検出用の共振器を増やすことで尖鋭度の高い周波数特性が実現できる。
ここで、このチップレス・タグシステム400におけるマルチプレクサ3段構成のタグ情報読み取り回路320により読み取られる4bitのタグ情報[1111]とタグ情報[0000]の周波数応答例を図13に示す。
チップレス・タグ10の共振周波数f~fにそれぞれ1bit付与している。各ビットは、図10に示したマルチバンド構成の場合と異なりbitごとに独立して周波数特性を得ることができ、[1]の場合はピーク値-16dB、[0]の場合ピーク値-64dBとなり、容易に識別できることがわかる。したがって、共振周波数の分解能はマルチプレクサの方式が優れ、共振周波数の間隔を狭くして符号を設定できて周波数利用効率が高くなる。ただし、符号数が増えると端子数も増加するので回路処理は煩雑になり、チップレス・タグ10の共振周波数を正確に設定することが要求される。
以上説明した本発明の実施の形態では、直線状の伝送路線路を組み合わせて構成したU字状構造やS字状構造の両端開放1/2波長伝送路線路共振器やO字状構造の1波長伝送線路共振器をチップレス・タグ10の各伝送線路共振器12、12、12・・・12としているが、各伝送線路共振器12、12、12・・・12は、原理的に、タグ情報読み取り回路に備えられた励振用伝送線路と検出用伝送線路に電磁結合される第1の伝送線路と第2の伝送線路を備えていればよく、非直線状の伝送路線路を含むものであってもよい。
また、タグ情報読み取り回路20、220における励振端子26と検出端子28には、送受信アンテナとして、例えば、円形又は矩形状の広帯域モノポールアンテナを設けるようにしてもよい。
さらに、本発明の実施の形態におけるチップレス・タグ10では、互いに対向し、かつその間隔が一定となる構造を有する第1の伝送線路12及び第2の伝送線路12と、上記第1の伝送線路12及び第2の伝送線路12の少なくとも一方の開放端間を接続する第3の伝送線路12とを備え、すべての伝送線路共振器の第1の伝送線路12及び第2の伝送線路12がそれぞれが一直線状に配置されたものとしているが、例えば、第1の伝送線路12及び第2の伝送線路12が配列方向に対して傾斜していてもよく、伝送線路共振器は、伝送線路にてV字状、C字状、D字状などの各種形状に構成したものであっても、チップレス・タグの各伝送線路共振器とタグ情報読み取り回路の励振用伝送線路及び検出用伝送線路が近傍電磁界結合するように接近させて、上記チップレス・タグから上記タグ情報読み取り回路によりタグ情報の読み取りを行うことができるものであればよい。
すなわち、本発明に係るチップレス・タグシステムは、誘電体基板上に共振周波数の異なる伝送線路共振器を複数個実装して構成されるチップレス・タグと、誘電体基板上に、上記チップレス・タグの伝送線路共振器を構成している各伝送線路のそれぞれ2つの領域と対向可能な間隔をもって配置され、一端に励振端子が接続され他端が抵抗終端された励振用伝送線路と、一端に検出端子が接続され他端が抵抗終端された検出用伝送線路と、上記励振用伝送線路と検出用伝送線路の間に設けられた接地導体パターンを有するタグ情報読み取り回路とを備え、上記チップレス・タグとタグ情報読み取り回路のパターン面を対向させた状態で、上記チップレス・タグの各伝送線路共振器と上記タグ情報読み取り回路の励振用伝送線路及び検出用伝送線路が近傍電磁界結合するように接近させて、上記チップレス・タグから上記タグ情報読み取り回路によりタグ情報の読み取りを行うようにすることもできる。
10(10A,10B) チップレス・タグ、11(11A,11B) 誘電体基板、12、12、12、12・・・12 伝送線路共振器、12、121A、122A、123A・・・12nA 第1の伝送線路、12、121B、122B、123B・・・12nB 第2の伝送線路、12、121C、122C、123C・・・12nC 第3の伝送線路、12 第4の伝送線路、12SA、12SB ステップ・インピーダンス共振器、12A S字状に形成した一様線路共振器、12AS S字状に形成したステップ・インピーダンス共振器、12B O字状に形成した一様線路共振器、12BS O字状に形成したステップ・インピーダンス共振器、20、120、220、320 タグ情報読み取り回路、21、121、221、321 誘電体基板、22、222 タグ共振器励振用の伝送線路、23、223 タグ情報検出用の伝送線路、24 接地導体パターン、25 接地用ビアホール、26 励振端子、27、29 抵抗終端器、28、128、128、128・・・128 検出端子、100、200、300、400 チップレス・タグシステム、123、123、123・・・123 結合線路、1231A、1232A、1233A・・・123nA 検出用結合線路、1231B、1232B、1233B・・・123nB 検出用出力線路、2241A、2242A、2243A・・・224nA 励振用伝送線路共振器、2241B、2242B、2243B・・・224nB 検出用伝送線路共振器

Claims (17)

  1. 誘電体基板上に共振周波数の異なる伝送線路共振器を複数個実装して構成され、上記伝送線路共振器は、互いに対向し、かつその間隔が一定となる構造を有する第1の伝送線路及び第2の伝送線路と、上記第1の伝送線路及び第2の伝送線路の少なくとも一方の開放端間を接続する第3の伝送線路とを備え、すべての上記伝送線路共振器の第1の伝送線路及び第2の伝送線路がそれぞれが一直線状に配置されているチップレス・タグのタグ情報読み取り回路であって、
    誘電体基板上に、上記チップレス・タグの第1の伝送線路と第2の伝送線路との間隔にほぼ等しくなるように配置され、一端に励振端子が接続され他端が抵抗終端された直線状の励振用伝送線路と、それに平行して一端に検出端子が接続され他端が抵抗終端された直線状の検出用伝送線路と、上記励振用伝送線路と検出用伝送線路の間に設けられた直線状の接地導体パターンを有することを特徴とするタグ情報読み取り回路。
  2. 上記検出用伝送線路として、上記チップレス・タグの第1の伝送線路と第2の伝送線路の線路長にほぼ等しい線路をすべての伝送線路共振器に対応して配置するとともに、その線路の一端を開放端とし、他端に線路に直交して検出用出力線路を接続し、その先端に検出端子を設けたことを特徴とする請求項1記載のタグ情報読み取り回路。
  3. 上記複数の伝送線路共振器は、上記誘電体基板上に設けられた共振周波数の異なる両端開放1/2波長伝送線路共振器であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のタグ情報読み取り回路
  4. 上記伝送線路共振器は、上記第1の伝送線路、第2の伝送線路、第3の伝送線路がU字状に形成されていることを特徴とする請求項3に記載のタグ情報読み取り回路
  5. 上記伝送線路共振器は、上記第1の伝送線路、第2の伝送線路、第3の伝送線路がS字状に形成されていることを特徴とする請求項3に記載のタグ情報読み取り回路
  6. 上記複数の伝送線路共振器は、上記誘電体基板上に設けられた共振周波数の異なる1波長伝送線路共振器であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のタグ情報読み取り回路。
  7. 上記伝送線路共振器は、共振器を構成する伝送線路の特性インピーダンスが異なるように設定したステップ・インピーダンス共振器であることを特徴とする請求項3乃至請求項6の何れか1項に記載のタグ情報読み取り回路。
  8. 誘電体基板上に共振周波数の異なる伝送線路共振器を複数個実装して構成され、上記伝送線路共振器は、互いに対向し、かつその間隔が一定となる構造を有する第1の伝送線路及び第2の伝送線路と、上記第1の伝送線路及び第2の伝送線路の少なくとも一方の開放端間を接続する第3の伝送線路とを備え、すべての上記伝送線路共振器の第1の伝送線路及び第2の伝送線路がそれぞれが一直線状に配置されているチップレス・タグのタグ情報読み取り回路であって、
    誘電体基板上に、上記チップレス・タグの各伝送線路共振器と同一の共振周波数を有するU字状構造の伝送線路共振器が複数個平行結合され、一端に励振端子が接続され他端が抵抗終端された直線状の励振用伝送線路と、上記チップレス・タグの各伝送線路共振器と同一の共振周波数を有するU字状構造の伝送線路共振器が複数個平行結合され、一端に検出端子が接続され他端が抵抗終端された直線状の検出用伝送線路とが平行に設けられるとともに、上記励振用伝送線路と検出用伝送線路の間に設けられた直線状の接地導体パターンを有し、
    上記チップレス・タグの各伝送線路共振器とともに多段構成のフィルタを形成してタグ情報検出を行うことを特徴とするタグ情報読み取り回路。
  9. 上記検出用伝送線路として、上記チップレス・タグの第1の伝送線路と第2の伝送線路の線路長にほぼ等しい線路をすべての伝送線路共振器に対応して配置するとともに、その線路の一端を開放端とし、他端に線路に直交して検出用出力線路を接続し、その先端に検出端子を設けたことを特徴とする請求項8記載のタグ情報読み取り回路。
  10. 上記複数の伝送線路共振器は、上記誘電体基板上に設けられた共振周波数の異なる両端開放1/2波長伝送線路共振器であることを特徴とする請求項8又は請求項9に記載のタグ情報読み取り回路。
  11. 上記伝送線路共振器は、上記第1の伝送線路、第2の伝送線路、第3の伝送線路がU字状に形成されていることを特徴とする請求項10に記載のタグ情報読み取り回路。
  12. 上記伝送線路共振器は、上記第1の伝送線路、第2の伝送線路、第3の伝送線路がS字状に形成されていることを特徴とする請求項10に記載のタグ情報読み取り回路。
  13. 上記複数の伝送線路共振器は、上記誘電体基板上に設けられた共振周波数の異なる1波長伝送線路共振器であることを特徴とする請求項8又は請求項9に記載のタグ情報読み取り回路。
  14. 上記伝送線路共振器は、共振器を構成する伝送線路の特性インピーダンスが異なるように設定したステップ・インピーダンス共振器であることを特徴とする請求項10乃至請求項13の何れか1項に記載のタグ情報読み取り回路。
  15. 誘電体基板上に共振周波数の異なる伝送線路共振器を複数個実装して構成され、上記伝送線路共振器は、互いに対向し、かつその間隔が一定となる構造を有する第1 の伝送線路及び第2 の伝送線路と、上記第1の伝送線路及び第2の伝送線路の少なくとも一方の開放端間を接続する第3の伝送線路とを備え、すべての上記伝送線路共振器の第1の伝送線路及び第2の伝送線路がそれぞれが一直線状に配置されているチップレス・タグと、
    誘電体基板上に、上記チップレス・タグの第1の伝送線路と第2の伝送線路との間隔にほぼ等しくなるように配置され、一端に励振端子が接続され他端が抵抗終端された直線状の励振用伝送線路と、それに平行して一端に検出端子が接続され他端が抵抗終端された直線状の検出用伝送線路と、上記励振用伝送線路と検出用伝送線路の間に設けられた直線状の接地導体パターンを有するタグ情報読み取り回路とを備え、
    上記チップレス・タグとタグ情報読み取り回路のパターン面を対向させた状態で、上記チップレス・タグの各伝送線路共振器と上記タグ情報読み取り回路の励振用伝送線路及び検出用伝送線路が近傍電磁界結合するように接近させて、上記チップレス・タグから上記タグ情報読み取り回路によりタグ情報の読み取りを行うことを特徴とするチップレス・タグシステム。
  16. 誘電体基板上に共振周波数の異なる伝送線路共振器を複数個実装して構成され、上記伝送線路共振器は、互いに対向し、かつその間隔が一定となる構造を有する第1の伝送線路及び第2の伝送線路と、上記第1の伝送線路及び第2の伝送線路の少なくとも一方の開放端間を接続する第3の伝送線路とを備え、すべての上記伝送線路共振器の第1の伝送線路及び第2の伝送線路がそれぞれが一直線状に配置されているチップレス・タグと、
    誘電体基板上に、上記チップレス・タグの各伝送線路共振器と同一の共振周波数を有するU字状構造の伝送線路共振器が複数個平行結合され、一端に励振端子が接続され他端が抵抗終端された直線状の励振用伝送線路と、上記チップレス・タグの各伝送線路共振器と同一の共振周波数を有するU字状構造の伝送線路共振器が複数個平行結合され、一端に検出端子が接続され他端が抵抗終端された直線状の検出用伝送線路とが平行に設けられるとともに、上記励振用伝送線路と検出用伝送線路の間に設けられた直線状の接地導体パターンを有し、上記チップレス・タグの各伝送線路共振器とともに多段構成のフィルタを形成してタグ情報検出を行うタグ情報読み取り回路とを備え、
    上記チップレス・タグとタグ情報読み取り回路のパターン面を対向させた状態で、上記チップレス・タグの各伝送線路共振器と上記タグ情報読み取り回路の励振用伝送線路及び検出用伝送線路が近傍電磁界結合するように接近させて、上記チップレス・タグから上記タグ情報読み取り回路によりタグ情報の読み取りを行うことを特徴とするチップレス・タグシステム。
  17. 誘電体基板上に共振周波数の異なる伝送線路共振器を複数個実装して構成されるチップレス・タグと、
    誘電体基板上に、上記チップレス・タグの伝送線路共振器を構成している各伝送線路のそれぞれ2つの領域と対向可能な間隔をもって配置され、一端に励振端子が接続され他端が抵抗終端された励振用伝送線路と、一端に検出端子が接続され他端が抵抗終端された検出用伝送線路と、上記励振用伝送線路と検出用伝送線路の間に設けられた接地導体パターンを有するタグ情報読み取り回路と
    を備え、
    上記チップレス・タグとタグ情報読み取り回路のパターン面を対向させた状態で、上記チップレス・タグの各伝送線路共振器と上記タグ情報読み取り回路の励振用伝送線路及び検出用伝送線路が近傍電磁界結合するように接近させて、上記チップレス・タグから上記タグ情報読み取り回路によりタグ情報の読み取りを行うことを特徴とするチップレス・タグシステム。
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