JP2015195191A - ラミネート電池およびラミネート電池用外装材 - Google Patents

ラミネート電池およびラミネート電池用外装材 Download PDF

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大輔 尾形
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佃  明光
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Abstract

【課題】ガス選択透過部を設けることにより、電池内で発生したガスをガス選択透過部から放出し、電池の膨らみを抑制できる、ラミネート電池およびラミネート電池用外装材を提供すること。【解決手段】正極及び負極の間がイオン伝導性を有する電気絶縁層を介して捲回または積層して構成した電極群と、非水電解液とを、ラミネートフィルムからなる外装材により封止されたラミネート電池であって、前記ラミネートフィルムはガス選択透過部を具備し、当該ガス選択透過部が外装材の封止部位に囲まれた面に少なくとも1箇所以上設けられたラミネート電池とする。【選択図】図2

Description

本発明はガス選択透過部を有するラミネート電池およびラミネート電池用外装材に関する。
従来、非水電解質二次電池用の外装材としてアルミラミネートフィルムやアルミを含む缶が用いられていた。外装材に求められる最も重要な機能の1つは外気(特に水)の侵入を遮断することである。外気中の水が非水電解質二次電池内に侵入すると、水自身の電気分解や、水と電池内部の材料との反応によりガスが発生し、電池が膨らむ原因となる。
また、電池内部における充放電反応を繰り返し行うことで、電解液や電解質の分解等が原因となりガスが発生し、電池が膨らむこともある(例えば、非特許文献1)。
電池内部でガスが発生し、電池が膨れると、寿命特性、保存特性といった電池の長期使用に関わる性能の大きな低下を引き起こすことがある。
そのためセルの膨らみを抑制する方法が検討されており、ガス吸着材を電池と同封することで電池の膨らみを抑える方法(例えば、特許文献1〜3)や、アルミラミネートフィルムの熱接着箇所の接着強度を弱め、ガスの放出機構を設ける方法(例えば、特許文献4)が知られている。
しかし、ガス吸着材を電池内に設ける方法では吸着剤の吸着量を超えるガスが発生した場合には電池が膨らみ、永続的な効果は期待できない。また、接着箇所に強度を弱めた部分を設ける方法では、最も重要な外気の侵入を抑制する機能が低下し、電池劣化が進むことがあり、長期の使用に耐え得るものではなく、ガス発生による電池の膨れを長期的かつ永続的に抑える方法はまだ見出されていない。
東レリサーチセンター The TRC News No.117 p.17(2013)
特開2008−235256号公報 特開2011−249269号公報 特許第4539051号公報 特開平10−55792号公報
本発明の課題は、上記した問題点を解決することにある。すなわち、ガス選択透過部を設けることにより、電池内で発生したガスをガス選択透過部から放出し、電池の膨らみを抑制できる、ラミネート電池およびラミネート電池用外装材を提供することにある。
上記した課題を解決するための本発明は、正極及び負極の間がイオン伝導性を有する電気絶縁層を介して捲回または積層して構成した電極群と、非水電解液とを、ラミネートフィルムからなる外装材により封止されたラミネート電池であって、前記ラミネートフィルムはガス選択透過部を具備し、当該ガス選択透過部が外装材の封止部位に囲まれた面に少なくとも1箇所以上設けられたラミネート電池を特徴とする。
本発明により、ラミネート電池において電池の膨れを抑制し、寿命特性や保存特性といった長期使用時の特性が良好となる。
本発明の一実施態様に係るガス選択透過部の構造を説明する概略断面図である。 図1におけるガス選択透過部においてガスの透過経路を示す概略断面図である。 埋包部を設けるための穴の位置を示す概略図である(4辺が封止されている場合)。 埋包部を設けるための穴の位置を示す概略図である(3辺が封止されている場合)。 実施例において作製した電池の電極群の位置を示す概略図である。 図5において外装材を折り曲げた状態を示す概略図である。 実施例1におけるガス選択透過部の位置を示す概略図である。 実施例2におけるガス選択透過部の位置を示す概略図である。 実施例3におけるガス選択透過部の位置を示す概略図である。 実施例4におけるガス選択透過部の位置を示す概略図である。 比較例2におけるガス選択透過部の位置を示す概略図である。
本発明のラミネート電池は、正極及び負極の間がイオン伝導性を有する電気絶縁層を介して捲回または積層して構成した電極群と、非水電解液とを、ラミネートフィルムからなる外装材により封止されたラミネート電池であって、前記ラミネートフィルムはガス選択透過部を具備し、当該ガス選択透過部が外装材の封止部位に囲まれた面に少なくとも1箇所以上設けられている。
本発明におけるラミネート電池は、非水電解質二次電池に分類され、正極及び負極間においてイオンを授受するための媒体の主たる成分が水でない電池をいい、有機溶媒やイオン液体等の液体を媒体とするものや、固体電解質を用い媒体に液を含まない固体電池であってもよい。具体的にはリチウムイオン電池、ナトリウムイオン電池、カルシウムイオン電池、マグネシウムイオン電池等があるが、これらに限定されるものではない。
また、本発明における正極は非水電解質二次電池に用いられる活物質であればよい。リチウムイオン電池を例に説明すると、LiCoO2、LiNiO2、Li(Ni0.8Co0.15Al0.05)O2、LiMn2O4、LiNi1/3Mn1/3Co1/3O2等のリチウム含有金属酸化物、LiFePO4、LiMnPO4、Li(Mn0.85Fe0.15)PO4、LiCoPO4、LiNiPO4、LiVOPO4、Li2FeP2O7、Li3Fe2(PO4)3、LiVPO4F、Li3V2(PO4)3などのリチウム含有リン酸化合物、LiFeBO3、LiMnBO3などのリチウム含有ホウ酸塩化合物、Li2FeSiO4、Li2MnSiO4などのLi含有ケイ酸塩化合物が挙げられるが、これらのうち1種類以上を用いることができる。
また本発明における正極は必要に応じて導電助剤と結着材を含有せしめることができる。導電助剤としてはアセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンナノチューブ、フラーレン、グラフェン、炭素繊維、黒鉛などが挙げられ、これらのうちの1種類以上を用いることがきる。また、CVD法等を用いて正極活物質表面にカーボンコートを施した活物質を用いてもよい。結着材としてはポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアクリル酸及びポリアクリル酸誘導体を用いてもよい。
本発明に用いる正極集電体は耐酸化性の観点からアルミニウムを用いることが好ましい。アルミニウムはカーボンコートしたものを用いてもよい。
また、本発明における負極は非水電解質二次電池に用いられる活物質であればよい。リチウムイオン電池を例に説明すると、活性炭、天然黒鉛、人造黒鉛、グラファイト、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、チャネルブラック、サーマルブラック、ソフトカーボン、ハードカーボン、メソカーボンマイクロビーズ、メソカーボンマイクロファイバー、メソポーラスカーボン、カーボンナノチューブ、フラーレン、グラフェン、炭素繊維などの炭素材料、ケイ素や酸化ケイ素、スズ、酸化スズ等の合金系材料、リチウムチタン酸化物、金属リチウムを用いることができ、これらのうちの1種類以上を用いることができる。炭素材料としては天然黒鉛、人造黒鉛、グラファイト、ハードカーボン、ソフトカーボンのうちの1種類以上を用いることが特に好ましい。
負極用結着剤としては、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリフッ化ビニリデンのうち1種類以上を用いることができる。負極用活物質として上記の合金系材料を用いる場合はポリイミド、ポリアミドイミドを用いることが好ましい。
また、カルボキシメチルセルロース等の増粘剤の役割を有する結着剤を用いてもよく、これらと上記負極用結着剤を併せて用いてもよい。
また、必要に応じて負極用導電助剤を用いてもよい。負極用導電助剤としてはアセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンナノチューブ、フラーレン、グラフェン、炭素繊維などが挙げられる。
負極集電体としては銅箔、アルミ箔、SUS箔が用いられるが、これらにカーボンコートしたものを用いてもよい。
本発明において用いる電解液は非水電解液であれば、特に限定されることはない。リチウムイオン電池を例とすると、従来のリチウムイオン電池に用いられている有機溶媒やイオン液体を使用することができる。上記有機溶媒には、環状エステル類、鎖状エステル類、環状エーテル類、鎖状エーテル類等が用いられ、具体的には、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート(VC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、γ−ブチロラクトン(γBL)、2メチル−γ−ブチロラクトン、アセチル−γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、1,2−ジメトキシエタン(DME)、1,2−エトキシエタン、ジエチルエーテル、エチレングリコールジアルキルエーテル、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、トリエチレングリコールジアルキルエーテル、テトラエチレングリコールジアルキルエーテル、ジプロピルカーボネート、メチルブチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、エチルブチルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、ブチルプロピルカーボネート、プロピオン酸アルキルエステル、マロン酸ジアルキルエステル、酢酸アルキルエステル、テトラヒドロフラン(THF)、アルキルテトラヒドロフラン、ジアルキルアルキルテトラヒドロフラン、アルコキシテトラヒドロフラン、ジアルコキシテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、アルキル−1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキソラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、1,3−ジオキソラン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジオキソラン、アセトニトリル、ニトロメタン、蟻酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、リン酸トリエステル、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)などの有機溶媒およびこれらの誘導体や混合物などが好ましく用いられる。
電解液に含まれる電解質としては、アルカリ金属、特にリチウムのハロゲン化物、過塩素酸塩、チオシアン塩、ホウフッ化塩、リンフッ化塩、砒素フッ化塩、アルミニウムフッ化塩、トリフルオロメチル硫酸塩などが好ましく用いられる。例えば、過塩素酸リチウム(LiClO)、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)、4フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4)、六フッ化砒素リチウム(LiAsF6)、トリフルオロメタスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)、ビストリフルオロメチルスルホニルイミドリチウム[LiN(CF3SO22]などのリチウム塩などの1種以上の塩を用いることができるが、六フッ化リン酸リチウムが好ましい。
電解質の非水溶媒に対する溶解量は、0.5〜3.0モル/Lとすることが望ましく、粘度とイオン伝導度のバランスを考えると特に0.8〜1.5モル/Lが好ましい。
また電解液には必要に応じて添加剤を用いてもよい。添加剤としては、ビニレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、エチレンサルファイト、1,4−ブタンスルトン、プロパンサルトン、2,4−ジフルオロアニソール、ビフェニル、シクロヘキシルベンゼン等が挙げられ、これらのうちの1種類以上を併用してもよい。
本発明のラミネート電池は、正極及び負極間がイオン伝導性を有する電気絶縁層を介して捲回または積層される。イオン伝導性を有する電気絶縁層としては、リチウムイオン電池を例にすると多孔性シートからなるセパレータを用いることができる。多孔性シートはポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン−1、ポリ4−メチルペンテン−1、ノルボルネン系誘導体を開環メタセシス重合することにより得た環状ポリオレフィン系樹脂や、ノルボルネン系誘導体とエチレン、プロピレン、ブテン、ペンテンなどのα−オレフィン類を共重合した環状ポリオレフィン共重合体樹脂などからなるポリオレフィン多孔性シート、ポリアミド、芳香族ポリアミドからなる多孔性シート、ポリイミドからなる多孔性シート、ポリアミドイミドからなる多孔性シート、フッ素系樹脂からなるポリフッ化ビニリデン多孔性シート、ポリテトラフルオロエチレン多孔性シート、セルロースからなる多孔性シートなどが用いられる。またこれら多孔性シートは複数の樹脂を含む多孔性シート、複数の樹脂からなる多孔性シートを積層した、積層多孔性シートであってもよい。特に本発明においては、ポリエチレンやポリプロピレンを含む多孔性シートや、芳香族ポリアミドを含む多孔性シートをセパレータとして用いることが好ましい。
また、本発明の多孔性シートは、表面が正極及び/または負極と接着性を有する接着層で覆われた接着性多孔性シートを、イオン伝導性を有する電気絶縁層として用いることが好ましい。かかる要件を満たすことで、充放電反応に伴う電極の体積変化が起こっても電極とセパレータが密着した構造を維持することができる。繰り返し使用すると、充放電反応に伴う電極の体積変化により、正極と負極の距離が異なる箇所が発生し、充放電反応が不均一となり、電解液や電解質の電気分解によりガスが発生し、膨れや電池特性の低下が起こることがあるが、多孔性シートに接着性多孔性シートを用いることでこれらを抑制し、長期間に亘り安定した電池特性を得ることができるようになる。
接着性多孔性シートの形成方法としては、前記多孔性シートに接着性樹脂層をコーティングにより形成する方法を用いることができるが、これに限定されるわけではない。また、接着性多孔性シートは、接着性樹脂層を多孔性シートの片面または両面に形成することで得ることができる。片面のみに形成する場合は、接着性樹脂層を形成した面が負極と接するように用いることが好ましい。
コーティング法による塗工方法としては、ダイレクトグラビア方式、リバースグラビア方式、マイクログラビア方式、ロッドコート方式、バーコート方式、ダイコート方式、ディップコート方式または、スプレーコート方式等が例として挙げられるが、平滑な塗膜を形成することができればよい。
接着性を有する樹脂としては、ポリフッ化ビニリデン樹脂及びその共重合体、酸またはアルカリで変性した成分を含むポリフッ化ビニリデン誘導体樹脂、ポリビニルアルコール及びポリビニルアルコール誘導体樹脂、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル系樹脂及びアクリル系樹脂誘導体を用いることが好ましい。ポリフッ化ビニリデン樹脂およびその共重合体、酸またはアルカリで変性した成分を含むポリフッ化ビニリデン誘導体樹脂が特に好ましい。
また接着性樹脂層は無機粒子や有機粒子を含んでもよい。無機粒子としては、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化マグネシウムの金属酸化物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物、硫酸バリウム等の粒子を用いることができるが、非水電解液電池中において酸化還元反応または酸塩基反応が起こらない無機粒子であればよい。有機粒子としては架橋ウレタン樹脂や架橋アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリテトラフルオロエチレン粒子、ポリフッ化ビニリデン粒子等を用いることができるが、非水電解液電池中において酸化還元反応または酸塩基反応が起こらない無機粒子あるいは有機粒子であればよく、これらのうちの1種類以上を併用してもよい。
接着性樹脂層中の、接着性を有する樹脂と粒子の混合比は、電極との接着性を発現する範囲であればよく、質量比で10:80〜100:0の範囲が好ましい。
また、イオン透過性の観点から接着性樹脂層も多孔性を有することが好ましい。
以下、コーティング法による接着性多孔性層の形成方法及び接着性樹脂層を多孔化させる方法について説明するが、これに限定されるわけではない。
接着性樹脂にポリフッ化ビニリデン系樹脂を用い、接着性樹脂層を多孔化させる方法としては例えば以下の方法が挙げられる。
まず、接着性樹脂が可溶な、水溶性の良溶媒に接着性樹脂を溶解する。必要に応じてポリマー溶液に無機粒子あるいは有機粒子、相分離促進剤を添加、分散させて塗工液を調製する。
次に、塗工液を多孔性シートに塗布し、次いで水浴(凝固浴)に浸漬すると、水が接着性樹脂の貧溶媒として働き、接着性樹脂が相分離構造を形成する。次いで水浴にて溶媒を除去し、相分離形状を固定化することで、接着性樹脂を多孔化することができる。これら工程を経た後に乾燥させることで、接着性多孔性シートを得ることができる。
接着性樹脂が可溶な水溶性の溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、γ−ブチロラクトン、アセトン、アセトニトリルなどが挙げられるが、接着性樹脂の種類や溶解性に合わせて選択することができる。
塗工液には必要に応じて相分離促進剤を添加してもよい。相分離促進剤としては、水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール等のアルキレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリアルキレングリコール、水溶性ポリエステル、水溶性ポリウレタン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースなどから選ばれるものを用いることができる。相分離促進剤の含有量は特に制限されるものではないが、塗工液の粘度や安定を鑑みて0〜50質量%の範囲であることが好ましい。
本発明の多孔性シート、及び接着性多孔性シートは、それぞれガーレ透気度が0.5〜1,000秒/100mlであることが好ましい。より好ましくは0.5〜250秒/100mlであり、さらに好ましくは0.5〜150秒/100mlである。ガーレ透気度が0.5秒/100mlより小さいとシートの強度が低下し、1,000秒/100mlより大きいと抵抗が大きく、セパレータとして使用した際に内部抵抗が上昇し、十分な特性が得られないことがある。なお、ガーレ透気度は、JIS−P8117(1998)に規定された方法に従って、空気100mlが通過する時間を測定した値であり、ガーレ透気度の値が小さい方が、より多孔性シート及び接着性多孔性シートの透気性が高いことを示している。
本発明の多孔性シート及び接着性多孔性シートの総厚みは特に限定されるものではないが、リチウムイオン電池に用いることを考えると、総厚みが1〜30μmであることが好ましい。総厚みが1μm未満では電池作製時や使用時にシートが破断する場合があり、30μmを超えると、抵抗が増大して出力特性が低下する場合があるほか、蓄電デバイス内に占める固体電解質層積層多孔性シートの体積割合が高くなり、高いエネルギー密度を得ることができなくなる場合がある。総厚みは3〜25μmがより好ましく、5〜20μmがさらに好ましい。
また、イオン伝導性を有する電気絶縁層として固体電解質を用いることもできる。リチウムイオン電池を例にすると、酸化物固体電解質としては、LiAlSiO4、Li2T3O7、LiNb0.75Ta0.25WO6、Li-β-Al2O3、Li14ZnGe4O16、Li3.6Ge0.6V0.4O4、Li1.3Ti1.7Al0.3(PO4)3、Li3Sc0.9Zr0.1(PO4)3、Li7LaZr2O12、La2/3-xLi3xTiO3(x≒0.1)等があり、これら一群から選ばれる少なくとも1種の材料を用いることができる。
硫化物固体電解質としては、LiGeS4、Li2ZnGeS4、LiGaS4、Li4SiS4、Li3PS4、Li5AlS4、Li2S-SiS2-Li3PO4、Li7P3S11、Li10GeP2S12、Li3.25Ge0.25P0.75S4等があり、これら一群から選ばれる少なくとも1種の材料を用いることができる。
高分子固体電解質としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミド、ポリメタクリル酸メチル、及びこれらの誘導体等があり、これら一群から選ばれる少なくとも1種の材料を用いることができる。
ラミネートフィルムからなる外装材には、ラミネート電池に必要な、防湿性、密封性、絶縁性、耐電解液性、ハンドリング性、成形性等が求められる。これらの機能を単一の構成で満たすことは通常は困難であり、3層以上の積層構成からなることが好ましい。
積層構成の最外層となる層は絶縁性やハンドリング性、および成形性に優れる熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート等のポリエステル系樹脂、ナイロン等のポリアミド系樹脂等のいずれも使用できるが、ポリエステル系樹脂やポリアミド系樹脂を用いることが好ましい。
防湿性を得るためには、中層にアルミニウム等の金属箔を用いることが好ましい。
積層構成の中で最も内層となる最内層は電極群や非水電解液と接するため、耐電解液性、絶縁性が求められ、また密閉性も必要となる。これらの性能を得るためには、熱融着性を有するオレフィン系樹脂からなることが好ましい。具体的にはポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等を用いることができる。
金属箔(中層)と熱可塑性樹脂(最外層)の接着強度を強めるために、金属箔と熱可塑性樹脂との間に接着層を設けてもよい。接着層を形成する樹脂としては、不飽和カルボン酸でグラフト変性したポリオレフィン樹脂、エチレンやプロピレンとアクリル酸、メタクリル酸と共重合した酸変性ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。
金属箔と熱可塑性樹脂を積層する方法としては、ドライラミネーション法、サーマルラミネーション法、サンドイッチラミネーション法、ホットメルトラミネーション法等が挙げられるが、いずれの方法でもよい。
多孔性シートとして、接着性多孔性シートを用いた場合、電極群の最外層が接着性多孔性シートとなる構成であることが好ましい。電極群の最外層は外装材と接する面となるが、接着性多孔性シートの接着層を構成する材料を選択することにより、外装材と電極群を接着することが可能となり、電池内部における電極群の移動や、電極群で発生したガスにより膨れようとする力を抑える効果が働き、長期に亘り安定して使用することができる。
電極群と外装材の接着性は外装材の最内層の樹脂により変わるが、最内層にポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体を用いた場合、接着性多孔性シートの接着層は接着性を有する樹脂としては、ポリフッ化ビニリデン樹脂及びその共重合体、酸またはアルカリで変性した成分を含むポリフッ化ビニリデン誘導体樹脂、ポリビニルアルコール及びポリビニルアルコール誘導体樹脂、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル系樹脂及びアクリル系樹脂誘導体を用いることが好ましい。
かかる要件を満たす電極群を形成する方法としては、電極群が捲回により形成されている場合、電極より接着性多孔性シートを長くし、電極群の最外層が接着性多孔性シートで覆われる構成にすればよい。電極群が積層により形成されている場合、電極群の最外層が接着性多孔性シートで覆われるよう、接着性多孔性シートの数を正極及び/または負極の電極の数より多くすればよい。
また、生産性の観点からは電極群の最外層に用いる接着性多孔性シートは、正極と負極間で用いられているものと共通とすることが好ましいが、これに限定されるわけではない。
ラミネートフィルムからなる外装材の封止幅は特に限定されるものではないが、15mm以上50mm以下であることが好ましい。封止幅が15mmより小さくなると、密閉性が弱くなり、外気の遮断ができず、電池内部でガスが発生することがある。また、封止幅が50mmを超えると、密閉性は保持できるが、封止部位は発電に関与しないデッドスペースとなるため非効率である。なお、外装材の封止部位が一定幅でない場合は、封止幅が最も小さい幅を外装材の封止幅という。
次に本発明におけるガス選択透過部について説明する。
ガス選択透過部は水素及び二酸化炭素が選択的に透過しやすく、一方で水分は透過しにくい特性を有していることが好ましい。リチウムイオン電池の場合、電池内で発生するガスの大半は水素及び二酸化炭素であり、これらが透過しやすい部位を設け、電池外へと放出することで、電池の膨れを抑制することができる。また、外部から水分が侵入すると、電池内部におけるガス発生の大きな原因となるため、水分は透過しにくいことが重要である。かかる要件を満たすガス選択透過部の形成方法について次に説明するが、これに限定されるものではない。
ガス選択透過部の構成要素の一例を、図1を用いて説明する。
図1において、ガス選択透過部30は、外装材1と、外装材1に穿たれた穴2に埋包された埋包部7と、カバー層3とからなる。外装材1は、最内層6(熱可塑性樹脂層)・中層(アルミニウム箔層)5・最外層4(熱可塑性樹脂層)の順に積層された積層構成を有し、穴2はこのうち中層5および最外層4を除去して形成されている。図1において、カバー層3は、外装材1と同様の構成を有し、熱可塑性樹脂層8・アルミニウム箔層9・熱可塑性樹脂層10の順に積層されている。なお、図1において、カバー層3は説明のために外装材1から離れて図示されているが、ガス選択透過部30として機能する際には、図2に示すように埋包部7を覆うように外装材1に融着されている。
次に、図2により、ガス選択透過部30の機能をガスの透過経路を示すことにより説明する。電池内部でガスが発生した場合、ガスは外装材1の最内層6を透過し、埋包部7を透過して、カバー層3の熱可塑性樹脂層8を透過し、電池外部へ放出される。図2では、この経路をガス透過経路11として示す。
上記したように、埋包部7は外装材1に穿たれた穴2に埋包されるが、この穴2は、例えば、レーザー加工や、針等を用いて機械的に作製する方法、強酸や強アルカリを用いて化学的に作製する方法、熱により溶融させて作製する方法などがある。
上記したガス放出の機能を発現せしめるため、埋包部7を構成する材料としては、水素や二酸化炭素を透過しやすい樹脂や金属を用いることが好ましい。具体的には、例えば、樹脂としてはポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、金属としてはパラジウムを挙げることができる。
最内層6は電極群や非水電解液と接するため、耐電解液性、絶縁性が求められ、また密閉性も必要となる。これらの性能を得るためには、熱融着性を有するオレフィン系樹脂からなることが好ましい。具体的にはポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等を用いることができる。
最外層4は絶縁性やハンドリング性、および成形性に優れる熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート等のポリエステル系樹脂、ナイロン等のポリアミド系樹脂等のいずれも使用できるが、ポリエステル系樹脂やポリアミド系樹脂を用いることが好ましい。
埋包部7にポリオレフィン樹脂を用いる場合は、ガス透過性を調整するために無機粒子を含有せしめてもよい。無機粒子としては、例えば炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化アルミニウム、シリカ、硫酸バリウム等が挙げられるが、これに限定されるものではない。含有量は求める透気性により適宜調整することができるが、体積比50%を超える量を含有せしめると透気性が高くなりすぎ密閉性が低下することがある。
埋包部7の上には、密封性と強度を付与する目的でカバー層3を設けることが好ましい。カバー層3は、上記したように、熱可塑性樹脂層8・アルミニウム箔層9・熱可塑性樹脂層10が順に積層された構成を例示したが、必ずしもこのような構成には限定されない。
熱可塑性樹脂層8としては、外装材1と熱融着できることが好ましく、また、水素や二酸化炭素を透過しやすい樹脂からなることが好ましく、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体などにより構成されることが好ましい。また、アルミニウム箔層9は、防湿性を高める目的でアルミニウム箔を例示したが、他の金属箔でもよく、防湿性を確保する観点から適宜選択すればよい。さらに、熱可塑性樹脂層10についても、強度や絶縁性やハンドリング性、および成形性といった観点から、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート等のポリエステル系樹脂、ナイロン等のポリアミド系樹脂などにより構成されることが好ましいが、ポリエステル系樹脂やポリアミド系樹脂を用いることが特に好ましい。
なお、カバー層3は取り扱いやすさやコストなどの観点から、外装材1で用いたものと同じものを用いることが好ましい。
以上のことから、ガス選択透過部は、ポリオレフィン、アルミニウム、ポリエステルまたはポリアミドを含む積層構成を有する構造を有していることが好ましく、さらに好ましくは、熱可塑性樹脂8としてポリエチレン、内層としてアルミニウム、熱可塑性樹脂10としてポリエステルまたはポリアミドを含む積層構造であることが好ましい。
穴2に埋包部7を埋め込む方法としては、たとえば、穴2に直接樹脂や金属を埋め込んだり(埋め込んだ後にカバー層3を別途配置する)、穴2の上に包埋部7となる材料を配置した状態でカバー層3をその上に配置し、同時に貼り合わせたり、カバー層3に包埋部7となる材料を予め配置したうえで外装材1に貼り合わせたり、種々の方法が例示できる。
穴2の形状は円や三角形、四角形等の多角形、扇型等の多角形の一部が曲線でつながれた形状などを用いることができるが、いずれの形状であっても良い。
ガス選択透過性と防湿性を両立させる観点から、穴2の径は10μm以上500μm以下であることが好ましく、さらに好ましくは20μm以上100μm以下である。ここでいう穴2の径とは、穴2を包含する最小外接円の直径のことをいう。穴2の径が20μmより小さくなるとガス透過能が小さくなり、ガスが放出されにくくなり、電池の膨れを抑制しにくくなる。また、穴2の径が小さくなりすぎると樹脂や金属で満たすことが困難となり、密封性が低下する傾向がある。また、穴2の径が500μmを超えると、ガスの透過経路が長くなることがあり、ガスの放出が困難となって、電池の膨らみを抑制できなくなることがある。
ガス選択透過部の直径(カバー層3を包含する最小外接円の直径)は、外装材の封止幅より小さいことが好ましい。封止幅より小さいことにより、相対的に封止部位よりもガス選択透過部の方からのガス透過が起こりやすくなり、予期せぬ封止部位の破壊を防ぐ効果が期待できる。また、ガス選択透過部の直径は、好ましくは、1mm以上15mm以下である。より好ましくは1mm以上10mm以下である。ガス選択透過部の直径が大きくなるとガス透過経路が長くなりすぎてガス透過機能が低減しやすい。またガス選択透過部の径が小さすぎると穴2を充分に塞ぐことができず、水分を遮断する効果が低下し、電池内でガスが発生する原因となることがある。
また、本発明において、ガス選択透過部は、外装材の封止部位に囲まれた面に少なくとも1箇所以上設けられている。このようにガス選択透過部を設けることにより、ラミネート電池内で発生したガスを効率的に放出することが可能となり、電池が膨れることを抑制することができるようになる。
本発明では、ガス選択透過部は外装材の封止部位により囲まれた面に設けることが好ましいが、この面は、ラミネート電池の形状が矩形の場合、外装材を封止するための封止部位が4辺または3辺となるが、この4辺または3辺の封止部位に囲まれた面のことをいう。
ラミネート電池内で発生したガスは封止部位に囲まれた面に対応する箇所においては移動が容易であり、かかる面内にガス選択透過部を設けることによりガスを効率的に放出することが可能となり、電池が膨れることを抑制することができるようになる。一方、外装材の封止部位は密閉性を付与するための部位であり、封止部位に囲まれた面内と比べてガスが透過しにくい場所であり、かかる場所にガス透過部を設けてもガスを効率的に放出しにくい。
ガス選択透過部は、封止部位に囲まれた面の中央部に設けることが好ましい。
ここで封止部位に囲まれた面の中央部とは、例えば封止部位が4辺である場合、図3に示すように、封止部位の内側に形成される四角形Aの対角線の交点を中央点14とし、この中央点14を中心とした四角形Aの相似四角形BやCの領域内のことをいう。図3において、相似四角形Bは四角形Aの面積の80%を占め、相似四角形Cは四角形Aの面積の50%を占めている。そして、本発明においては、ガス選択透過部を設ける位置として、相似四角形Bの範囲内であることが好ましく、相似四角形Cの範囲内であることがより好ましい。図4は、封止部位が3辺である場合を示したものであり、上記の場合と同様に、四角形A’、相似四角形B’、相似四角形C’を図示している(面積比率も図3と同様)。
封止部位で囲まれた面の中央部は封止部位から離れている領域であり、電池の内圧変化による変形が起こりやすく、ラミネート電池内で発生したガスが溜まりやすい箇所となる。かかる位置にガス選択透過部を設けることで内圧と外圧の差により効率的にガスを放出することが可能となる。
本発明のラミネート電池は、優れた寿命特性と保存特性を有しており、リチウムイオン二次電池、ナトリウムイオン二次電池等の非水電解質二次電池として好適である。本発明において説明したガス選択透過部は、ラミネート電池内で発生したガスを放出することによりセルが膨れることを抑制できるため、電池を長期使用した際の劣化を抑制することができる。したがって、本発明のラミネート電池は、小型の電子機器をはじめ、電機自動車(EV)やハイブリッド車(HEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)などの交通手段、産業用クレーンなどの大型の産業機器の動力源として好適に用いることができる。また、太陽電池、風力発電装置などにおける電力の平準化やスマートグリッドのための蓄電装置としても好適に用いることができる。
[物性の測定方法ならびに効果の評価方法]
(電池作製)
宝泉(株)製の厚みが40μmのコバルト酸リチウム(LiCoO)を活物質として用いた正極シートを5cm×4cmに切り出した(塗工目付量:1.5mAhg/cm3)。このうち、一辺4cm×1cmはタブを接続するための未塗布部であって、活物質塗布部は4cm×4cmである。幅5mm、長さ3cm、厚み0.1mmのアルミ製の正極タブを正極未塗布部に超音波溶接した。
また、宝泉(株)製の厚みが50μmの黒鉛を活物質として用いた負極シートを5.5cm×4.5cmに切り出した(塗工目付量:1.6mAhg/cm3)。このうち、一辺4.5cm×1cmはタブを接続するための未塗工部であって、活物質塗布部は4.5cm×4.5cmである。正極タブと同サイズの銅製の負極タブを負極未塗布部に超音波溶接した。
次に、ポリエチレンからなる多孔性シートを6cm×6cmに切り出し、セパレータの両面に上記負極と正極を活物質層がセパレータを隔てて重ね、正極塗布部が全て負極塗布部と対向するように配置して電極群を得た。
外装材は、最外層として、厚さ15μmの延伸ポリアミドフィルム(株式会社興人製、ボニールRX)、中層として、厚さ40μmのアルミニウム箔(住軽アルミ箔株式会社製、BESPA8021)を、3μmの二液硬化型ウレタン系接着層を介してドライラミネートした。ついで最内層として厚さ70μmの無延伸ポリプロピレンフィルム(東洋紡績株式会社製、パイレンCT−P1146)を用い、二液硬化型アクリル系接着層を介してドライラミネートし、積層構造のアルミラミネートフィルムを用いた。
図5に示すように、外装材12を18cm×10cmに切り出し、上記正極・負極・セパレータからなる積層型の電極群15を設置した。次に、図6に示すように、外装材の大きさが9cm×10cmとなるように、半分となる位置で折った。さらに、図6の短辺2辺を熱封止温度180℃、熱封止幅を15mmとなるように調整して熱封止を行い、袋状とした。
非水電解液は、エチレンカーボネート:ジエチルカーボネート=3:7(体積比)の混合溶媒に、溶質としてLiPFを濃度1モル/リットルとなるように溶解させた溶液を用いた。袋状にした外装材に非水電解液1.5gを注入し、減圧含浸させながら図6に示す外装材の長辺を熱封止温度180℃、熱封止幅15mmで熱封止させてラミネート電池とした。
各試験項目毎にラミネート電池を5個作製し、各試験結果が最大、最小となる例を除いた3個の電池の平均値を試験値とした。
(寿命特性)
寿命特性を下記手順にて試験を行い、寿命容量維持率にて評価した。
〈1〜20サイクル目〉
充電、放電を1サイクルとし、下記条件を20回繰返し行った。
充電:25℃、25mAの定電流充電で4.8Vまで充電し、4.8Vに到達後、定電圧充電を60分間行った。
放電:25℃、25mAの定電流放電で2.7Vまで放電し、放電容量を得た。
〈寿命容量維持率の算出〉
(20サイクル目の放電容量)/(1サイクル目の放電容量)×100で放電容量維持率とした。放電容量維持率が50%未満を×、50%以上60%未満を○、60%以上の場合を◎とした。
(電池厚み測定)
寿命特性試験前後の電池の厚みをデジタルノギスを用いて測定した。各電池について10回測定を行い、最大、最小を除いた8点の平均値を各電池の電池厚みとした。得られた5個の電池厚みから最大、最小となる例を除いた3点の平均値を電池厚みとした。
(膨張率の算出)
(20サイクル終了後の電池厚み)/(サイクル前の電池厚み)×100を膨張率と定義した。膨張率が150%以上を×、130%以上150%未満を○、130%未満を◎とした。
(実施例1)
外装材の最外層面にフッ酸を3μl滴下し、60秒後に水にて洗い流し、最外層を除去した。次に塩酸を3μl滴下し、60秒後に水にて洗い流し、アルミニウム層を除去し、500μmの径を有する穴(円形)を形成した。次に直径5mmの円形に打抜いた外装材と同じ材質のアルミラミネートフィルムをカバー層として用いた。カバー層の最内層であるポリオレフィン樹脂を埋包部とし、外装材とカバー層を熱融着することで前記穴にポリオレフィン樹脂を埋包物質として埋め込み、ガス選択透過部付外装材を作製した。
次に図7に示すように、ガス選択透過部30の最小外接円の中心位置が封止箇所の中央90%以上100%以下の領域内となるよう外装材及び電極群を設置し、外装材の熱融着による封止、上記した電池作製の項に示した非水電解液の注液を行い、ラミネート電池を作製した。かかるラミネート電池の評価結果を表1に示す。
寿命容量維持率は55%で評価は○、膨張率は145%で評価は○であり、電池の膨れは小さく、電池特性に優れる結果となった。
(実施例2)
実施例1において、ガス選択透過部を2箇所に形成した以外は実施例1と同様にラミネート電池を作製した。すなわち、図8に示すように、2箇所のガス選択透過部30がいずれも封止箇所の中央90%以上100%以下の領域内となるよう外装材及び電極群を設置し、外装材の熱融着による封止、上記した電池作製の項に示した非水電解液の注液を行い、ラミネート電池を作製した。かかるラミネート電池の評価結果を表1に示す。
寿命容量維持率は58%で評価は○、膨張率は140%で評価は○であり、電池の膨れは小さく、電池特性に優れる結果となった。
(実施例3)
実施例1において、図9に示すように、ガス選択透過部30が中央50%以上80%未満の領域内となるように外装材及び電極群を設置した以外は実施例1と同様に、外装材の熱融着による封止、上記した電池作製の項に示した非水電解液の注液を行い、ラミネート電池を作製した。かかるラミネート電池の評価結果を表1に示す。
寿命容量維持率は61%で評価は◎、膨張率は128%で評価は◎であり、電池の膨れは小さく、電池特性に優れる結果となった。
(実施例4)
実施例1において、図10に示すように、ガス選択透過部30、中央0%以上50%未満の領域内となるように外装材及び電極群を設置した以外は実施例1と同様に、外装材の熱融着による封止、上記した電池作製の項に示した非水電解液の注液を行い、ラミネート電池を作製した。かかるラミネート電池の評価結果を表1に示す。
寿命容量維持率は65%で評価は◎、膨張率は123%で評価は◎であり、電池の膨れは小さく、電池特性に優れる結果となった。
(実施例5)
実施例4において、包埋部を構成する材料として、平均粒径0.23μmの酸化チタン粒子(チタン工業株式会社製、R−7E)5質量%含有せしめたポリプロピレン樹脂5mgを穴の上に配置し、その上に外装材と同じ材質からなるカバー層を設置・熱封止することでガス選択透過部付外装材としたこと以外は実施例4と同様にラミネート電池を作製した。
かかるラミネート電池の評価結果を表1に示す。
寿命容量維持率は68%で評価は◎、膨張率は120%で評価は◎であり、電池の膨れは小さく、電池特性に優れる結果となった。
(実施例6)
ポリエチレンからなる多孔性シートの両面にポリフッ化ビニリデン系樹脂からなる接着層を設けた接着性多孔性シートを用いたこと以外は実施例1と同様にラミネート電池を作製した。
かかるラミネート電池の評価結果を表1に示す。
寿命容量維持率は60%で評価は◎、膨張率は129%で評価は◎であり、電池の膨れは小さく、電池特性に優れる結果となった。
(実施例7)
電極群の最外層が接着性多孔性シートとなる電極群を用いたこと以外は実施例6と同様にラミネート電池を作製した。
かかるラミネート電池の評価結果を表1に示す。
寿命容量維持率は65%で評価は◎、膨張率は123%で評価は◎であり、電池の膨れは小さく、電池特性に優れる結果となった。
(比較例1)
実施例1において、ガス選択透過部を形成しなかったこと以外は同様としてラミネート電池を作製した。
かかるラミネート電池の評価結果を表1に示す。
寿命容量維持率は45%で寿命特性は×、膨張率は180%でセル膨張率も×であり、電池の膨れが大きく、かつ電池特性に劣る結果となった。
(比較例2)
実施例1において、ガス選択透過部30の形成位置を図11に示すように封止部位としたこと以外は実施例1と同様にラミネート電池を作製した。評価結果を表1に示す。
寿命容量維持率は45%で寿命特性は×、膨張率は180%でセル膨張率も×であり、電池の膨れが大きく、かつ電池特性に劣る結果となった。
Figure 2015195191
1 外装材
2 穴
3 カバー層
4 最外層
5 中層(アルミニウム箔層)
6 最内層
7 埋包部
8 熱可塑性樹脂層
9 アルミニウム箔層
10 熱可塑性樹脂層
11 ガス透過経路
12 外装材
13 封止部位
14 中央点
15 電極群
16 ガス選択透過部の設置位置
A 中央点を中心とした面積が80%以上〜100%以下の領域
B 中央点を中心とした面積が50%以上〜80%未満の領域
C 中央点を中心とした面積が0%以上〜50%未満の領域
A’ 中央点を中心とした面積が80%以上〜100%以下の領域
B’ 中央点を中心とした面積が50%以上〜80%未満の領域
C’ 中央点を中心とした面積が0%以上〜50%未満の領域
30 ガス選択透過部

Claims (7)

  1. 正極及び負極の間がイオン伝導性を有する電気絶縁層を介して捲回または積層して構成した電極群と、非水電解液とを、ラミネートフィルムからなる外装材により封止されたラミネート電池であって、前記ラミネートフィルムはガス選択透過部を具備し、当該ガス選択透過部が外装材の封止部位に囲まれた面に少なくとも1箇所以上設けられたラミネート電池。
  2. ガス選択透過部の面積が、ラミネートフィルムの封止部位の面積よりも小さい、請求項1に記載のラミネート電池。
  3. ガス選択透過部が、ポリオレフィン、アルミニウム、ポリエステルまたはポリアミドを含む積層構成を有する構造を有している、請求項1または2に記載のラミネート電池。
  4. ガス選択透過部が、無機粒子を含むポリオレフィンを有している、請求項1〜3のいずれかに記載のラミネート電池。
  5. イオン伝導性を有する電気絶縁層として、多孔性シートの表面が正極及び/または負極と接着性を有する接着層で覆われた接着性多孔性シートを用いた、請求項1〜4のいずれかに記載のラミネート電池。
  6. イオン伝導性を有する電気絶縁層が外装材に接している、請求項5に記載のラミネート電池。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のラミネート電池に用いられるラミネート電池用外装材。
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