JP2015194749A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】加圧ローラ等の加圧部材の表面の除電をするに当たり、定着フィルム等の加熱部材のダメージを低減する。【解決手段】未定着のトナー画像が形成された記録材を加熱するための加熱部材と、前記加熱部材との間でニップ部を形成し、前記ニップ部において前記記録材を前記加熱部材に圧接させるように圧力を加える加圧部材と、前記記録材が前記ニップ部に存在しない場合に、帯電した前記加圧部材の表面電位の極性と逆極性の電圧を、加圧部材表層の穴部と加熱部材間で放電が発生しない所定の電圧値で前記加熱部材に印加して前記加圧部材表層を除電する制御手段とを具備することを特徴とする画像形成装置。【選択図】図2

Description

本発明は、トナー画像を記録材に定着させる定着装置を備えた画像形成装置に関するものである。
従来、電子写真方式を採用する複写機、プリンタ等の画像形成装置にあっては、トナー画像が転写された記録材に定着処理を施すための手段として、熱定着方式を採用する定着装置を備えている。この定着装置は、円弧状のフィルムガイドに沿って回転する定着フィルムと、定着フィルムの内側に配設されて定着フィルムを介して記録材を加熱する加熱源と、芯金に固定されたゴム材等の耐熱弾性層を樹脂チューブで被覆した加圧ローラとを備えている。
定着装置にあっては、定着フィルムを回転自在に支持するフィルムガイドがコイルバネ等の弾性部材により加圧ローラ側に付勢されることで、定着フィルムは加圧ローラに圧接されており、その圧接により形成される定着ニップ部に、未定着トナーが転写された記録材を通紙して加熱及び加圧することにより、未定着トナーが記録材に定着される。
湿度の低い乾燥した環境下では、記録材を定着装置に通紙すると、搬送される記録材と加圧ローラとの摩擦帯電により加圧ローラ表層が負極性に徐々に帯電していき、記録材上の負帯電トナーを定着フィルム側に付着させる静電オフセットが発生する。このような加圧ローラの負極性帯電による静電オフセットを抑制させるために、定着フィルム側に加圧ローラの負帯電よりも大きな負極性のバイアスを印加したり、加圧ローラのゴム材を絶縁材から導電材に変更して加圧ローラの内部抵抗を下げることで、静電オフセットを防止している。しかし、画像形成速度の高速化に伴い、摩擦帯電量の増加と印加する負極性バイアス値の上昇により加圧ローラの負極性帯電量が増大するなどの弊害が生じている。
そこで、記録材が定着ニップ部を非通過中の期間には、定着バイアスの極性と逆極性の高圧のバイアスを印加するようにした構成が開示されている(特許文献1)。このように逆極性のバイアスを印加することで、定着ニップ部に電界を発生させ、記録材の非通過中に負極性に帯電している加圧ローラ表層の絶縁層の除電を行うので、絶縁層が帯電することによって生じる静電オフセット等の画像不良を防止している。
特開2010−128474号公報
ここで、定着装置内にスティプル針等の異物が記録材と共に搬送されると定着ニップ部にて加圧ローラ表層を構成している薄膜状の樹脂チューブに穴が開くことがある。小径の穴であれば定着動作に影響なく継続して使用可能であるが、加圧ローラ表層の除電のために逆極性の高圧バイアスを印加すると小径の穴であってもその高圧バイアスの印加により問題が発生するおそれがある。加圧ローラ表層(樹脂チューブ)の絶縁層に穴が開いた場合は芯金を介してグランドされている導電ゴム材が穴部から露出する。除電をするために定着フィルム側へ加圧ローラの帯電極性と逆極性の高圧バイアスを印加すると、穴部においてはグランドされている加圧ローラの導電ゴム材と定着フィルムとの電位差によって、穴部と定着フィルムとの距離が所定の微小距離になったときに穴部と定着フィルムの間で放電が発生する。放電発生箇所では定着フィルムの表層であるコート層が放電によりダメージを受け、コート層のトナー離型性が低下する。離型性が低下することで定着フィルム表面にトナーが付着し、付着したトナーが定着ニップ部で搬送される記録材に付着することで画像汚れとなる。
したがって、本発明は、加圧ローラ等の加圧部材の表層の除電をするに当たり、定着フィルム等の加熱部材のダメージによる画像不良を防止することのできる画像形成装置を提供する。
このため本発明の代表的な構成の画像形成装置は、記録材に画像を形成する画像形成装置であって、トナー画像が転写された前記記録材を加熱する加熱ユニットと、前記加熱ユニットとの間でニップ部を形成し、搬送される前記記録材を前記ニップ部において前記加熱ユニットに圧接させる加圧ユニットと、前記加熱ユニットまたは前記加圧ユニットの表層が所定の状態になった場合でも前記加熱ユニットと前記加圧ユニットとの間に放電が生じない電圧を前記加熱ユニットと前記加圧ユニットの少なくともいずれか一方に印加する制御ユニットとを具備することを特徴とする。
本発明では、加圧ユニットの除電をするために、搬送される記録材がニップ部に存在しないときに制御ユニットが印加する印加電圧が印加された加熱ユニットと加圧ユニットの表層に発生した異常個所との間に放電が生じない電圧が印加される。このため、例えば、加圧ユニットの表層の絶縁層に穴が開いて下層の導電ゴム材が露出したような場合でも加圧ユニットと加熱ユニットとの間の放電を抑制することができる。
本発明の実施形態の画像形成装置の概略構成を示す図である。 本発明の実施形態の画像形成装置の定着装置の概略構成を表した断面図である。 本発明の実施形態の画像形成装置の制御部の構成を示す図である。 本発明の実施形態の画像形成装置において通紙枚数と加圧ローラの表面電位の推移を示すグラフである。 本発明の実施形態の画像形成装置において定着フィルムに正極性のバイアスを印加した場合の定着フィルムと加圧ローラ表面と間の電位差と加圧ローラ表面の除電圧の関係を示したグラフである。 本発明の実施形態の画像形成装置において表層の絶縁層に穴が開いた加圧ローラにおいて定着フィルムに正極性のバイアスを印加しフィルムバイアスと加圧ローラ表面の電位差と定着フィルムと加圧ローラとの間の電流量の関係を示したグラフである。 本発明の実施形態の画像形成装置において加圧ローラの表面電位が−600Vまで帯電したときのフィルムバイアスに正極性を印加した場合の加圧ローラ表層の除電効果の関係を表したグラフである。 図8(a)は、本発明の実施形態の画像形成装置においてフィルムバイアスとして異なった電圧を印加した場合に、加圧ローラ表層の電荷−600Vを除去するまでの加圧ローラの回転数を示すグラフである。図8(b)は、本発明の実施形態の画像形成装置においてフィルムバイアスとして異なった電圧を印加した場合の画質、待機時間を示す表である。 本発明の実施形態の画像形成装置においてフィルムバイアスを印加する動作を示すフローチャートである。 本発明の他の実施形態の画像形成装置においてフィルムバイアスを印加する動作を示すフローチャートである。 本発明の他の実施形態の画像形成装置において抵抗値の異なる紙を連続通紙した場合の加圧ローラ表面の飽和電位の関係を表したグラフである。 本発明の他の実施形態の画像形成装置において紙抵抗と紙水分量の関係を表したグラフである。 本発明の他の実施形態の画像形成装置において絶対湿度の環境下に1日放置した場合の紙水分量の関係を示したグラフである。 本発明の他の実施形態の画像形成装置においてフィルムバイアスの印加動作を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態の画像形成装置を図面に基づいて説明する。なお、実施形態において示す数値や構成条件は、参考数値や参考構成であって、本発明を限定する数値ではない。
<第1実施形態>
(画像形成装置の概略構成)
図1は画像形成装置の概略構成を示す図である。
同図に示すように、帯電用高圧電源1からの電圧が供給された帯電ローラ2により感光体ドラム3(像担持体)が一定電位に帯電される。露光装置4にて感光体ドラム3上を露光し、所定の電位に低下させる。そして現像容器5内のトナーを現像スリーブ6上に一様に載せ、電位を低下させた感光体ドラム3上の電位と現像スリーブ6に印加する電位との差、つまり電界の作用を利用し、帯電されているトナーを感光体ドラム3上へ付着させる。感光体ドラム3に形成されたトナー画像は、ガイド7に沿って転写領域に搬送される記録材に、転写ローラ8により転写された後、記録材はガイド11に沿って搬送され定着装置12によって定着されて排紙される。感光体ドラム3上に付着し転写しきれなかった残留トナーはクリーニングブレード9によりクリーナ10内に掻き落されて回収される。
(定着装置の構成)
図2は図1に示す画像形成装置の定着装置12の概略構成を表した断面図である。
定着装置12は、フィルムユニット20と加圧ローラ21(加圧ユニット)とを有している。フィルムユニット20はセラミックヒータ19、記録材を加熱するための定着フィルム15(加熱ユニット)、フィルムガイド13、Tステ−14、サーミスタ18(温度検知素子)を有している。セラミックヒータ19は、セラミック基板上に発熱ペーストを印刷した発熱体と、発熱体の保護と絶縁性を確保するためのガラスコーティング層を有し、発熱体へ電力制御されたAC電流が供給されることで発熱する。
定着フィルム15はポリイミドでできており厚さ約70μmの円筒形でセラミックヒータ19からの熱を効率良く記録材16上のトナー17へ伝える。フィルムガイド13は長手方向に複数の案内リブがあり、これにより定着フィルム15との抵抗を抑えながら定着フィルム15の周動を補助する。Tステ−14は鋼板でできており加圧力を均一に加える。また、セラミック基板の裏にあるサーミスタ18は、温度を検知し、この検知結果を基にヒーター駆動手段(不図示)を制御してセラミックヒータ19への電力制御を行う。
また、加圧ローラ21は、ローラ形状を有し、軸を中心として回転可能である。そして、加圧ローラ21は、芯金に1×10Ω・cm程度の体積抵抗率の導電性シリコンゴム(弾性層)を被覆し、その上に約60μmの絶縁チューブ(表層)を被覆して形成されている。加圧ローラ21方向へコイルバネ等の弾性部材に付勢されるフィルムガイドにより、定着フィルム15を挟んでセラミックヒータ19が所定のニップ圧で加圧ローラ21と圧接して5〜8mmの定着ニップ部22を形成している。加圧ローラ21は、不図示のモータ等により回転駆動され、定着フィルム15を従動回転させると共に定着ニップ部22に導入された記録材16を定着フィルム15と密着させた状態で搬送している。このように記録材16が定着ニップ部22に搬送されることで、記録材16上に転写された未定着のトナー17が、セラミックヒータ19の熱と定着ニップ部22の圧力とにより定着処理される。ここで、定着装置内にスティプル針等の異物が記録材と共に搬送されると定着ニップ部にて加圧ローラ表層を構成している薄膜状の樹脂チューブに穴が開くことがある。このように加圧ローラ表層に穴部が発生した状態が、本発明にいう表層が所定の状態であることである。
装置本体に設けられた高圧電源24の負極性(トナーと同極性、第2の極性)のバイアスが保護抵抗26を介して切替スイッチ30に入力されている。さらに、装置本体に設けられた高圧電源25の正極性(トナーと逆極性、第1の極性)のバイアスが保護抵抗27を介して切替スイッチ30に入力されている。
記録材の定着時には、切替スイッチ30により定着フィルム15に対してトナーと同極性である負極性のバイアスが保護抵抗26と定着フィルム15に接触するブラシ23とを介して印加される。定着時に負極性のフィルムバイアスを印加することにより、定着ニップ部22では、トナーに対して定着フィルム15から加圧ローラ21の方向に作用する電界が生じる。これにより、未定着のトナー17の像を記録材16上に押さえ付ける方向の力が生じ、静電オフセットを防止している。
一方、記録材が定着ニップ部を通過していない期間は、切替スイッチ30によりトナー17とは逆極性である正極性のバイアスが保護抵抗27とブラシ23とを介して定着フィルム15に印加される。そして、負帯電していた加圧ローラ21の表層の電荷が除去される。なお、トナー17とは逆極性のフィルムバイアスは記録材が定着ニップ部22を通過しない非通過中(少なくとも記録材のトナー画像が無いとき)に印加される。このため、加圧ローラ21の表面の電荷を除去する際に印加するバイアスの極正及び極性の変化が記録材16上の未定着のトナー17に直接的に影響を及ぼすことはない。
なお、本実施形態では、切替スイッチ30で高圧電源24と高圧電源25とを切り替えることにより定着フィルム15に印加する電圧の極性を変えているが両極性のバイアスを印加できれば他の方法でも良い。
また、高圧電源24、25、ブラシ23及び切替スイッチ30は、電圧印加手段である電圧印加ユニットを構成する。
(制御部の構成)
図3は、切替スイッチ30を切り替える動作等を行う制御部(制御ユニット)の構成を示す図である。同図に示すように、制御部は、プログラムに従って処理を実行するCPU400と、CPU400が実行するプログラムやデータが格納されているROM401と、ワークエリア等として用いられるメモリ領域であるRAM402とを有している。さらに、CPU400は、I/Oインターフェース403を介して切替スイッチ30、高圧電源24、25、加圧ローラ駆動モータ50、記録材検知センサ60、環境検知センサ70(環境検知ユニット)及び時間を計測するタイマー80等、画像形成装置の各部に接続されている。
(通紙枚数と加圧ローラの表面電位)
図4は、低湿環境下における中抵抗紙の通紙枚数と加圧ローラ21の表面電位の推移を示すグラフである。
同図に示すように記録材16が定着ニップ部22を通過する枚数が増加するに伴い、記録材16と加圧ローラ21との摩擦や、静電オフセット防止のためのフィルムバイアスから受ける影響により、加圧ローラ21の表面が徐々に負極性(帯電極性)へ帯電していく。
記録材16の通過枚数が約200枚を過ぎると、加圧ローラ21の表面電位が約−600V程度で安定することがわかる。加圧ローラ21の表面電位が負極性に大きくなると、負帯電した未定着のトナーが、記録材16から電気的に定着フィルム15へ付着され易くなり、オフセットが発生し易い状態になる。
(加圧ローラ21表面の除電電圧)
次に、図5は定着フィルム15に正極性のバイアスを印加した場合の定着フィルム15と加圧ローラ21表面間の電位差と加圧ローラ21表面の除電電圧の関係を示したグラフである。
同図に示すように、定着フィルム15と加圧ローラ21の表面との間の電位差が約450Vでは加圧ローラ21表面の電位を除去(徐電)することはできない。しかし、例えばフィルムバイアスの正極性を大きくし、加圧ローラ21の表面との間の電位差を約1500Vに広げると加圧ローラ21の表面の電位を約790V程度除去することができることがわかる。このことからフィルムバイアスの正極性を大きくすると加圧ローラ21の表面の電荷を除去する効果が大きくなることがわかる。
(定着フィルムと加圧ローラ間の電流量)
図6は、表層の絶縁層に穴が開いた加圧ローラ21において定着フィルム15に正極性のバイアスを印加し、定着フィルム15と加圧ローラ21表面の電位差と定着フィルム15と加圧ローラ21間の電流量の関係を示したグラフである。
同図に示すように、定着フィルム15と加圧ローラ21表面の電位差が約500Vであれば、定着フィルム15と加圧ローラ21と間に流れる電流量は約1μAである。また、定着フィルム15と加圧ローラ21表面の電位差が約1000Vで約2μAである。さらに、定着フィルム15と加圧ローラ21表面の電位差が約1050Vでは、約3μAとなる。しかし、定着フィルム15と加圧ローラ21表面の電位差が約1200Vの電位差では、電流量は約10μAとなる。この結果から定着フィルム15と加圧ローラ21表面の電位差が約1000Vを超えると定着フィルム15と加圧ローラ21表面の間で放電していることがわかる。したがって、定着フィルム15と加圧ローラ21表面の間での放電を防止するためには定着フィルム15と加圧ローラ21表面の間の電位差を約1000V以下にする必要がある。
(フィルムバイアスを印加した場合の除電効果)
図7は、加圧ローラ21の表面電位が−600Vまで帯電したときのフィルムバイアスに正極性を印加した場合の加圧ローラ表層の除電効果の関係を表したグラフである。
同図に示すように、加圧ローラ21表層の約−600Vを除電するためにはフィルムバイアスに約+800V程度の電圧を印加する必要がある。しかしフィルムバイアスに約+800Vのバイアスを印加すると定着フィルム15と加圧ローラ21表面の電位差が約1400Vとなる。この場合、図6に示すように、定着フィルム15と加圧ローラ21の表面との間の電位差が約1000Vを超えて定着フィルム15と加圧ローラ21の表層穴部との間で放電してしまいフィルム表層にダメージを与えてしまう。
定着フィルム15と加圧ローラ21表層穴部との間で放電しない電位差、例えば、フィルムバイアスに約+400Vのバイアスを印加すると定着フィルム15と加圧ローラ21表面の電位差が約1000Vとなり定着フィルム15と加圧ローラ21表層穴部との間で放電は発生しない。しかし、フィルムバイアスが約+400V程度では加圧ローラ21表層の電荷を約−200V程度しか除電できず、オフセット防止が達成できない
(フィルムバイアスに異なった電圧値を印加した場合の加圧ローラの表面電位)
図8(a)は、フィルムバイアスとして異なった電圧を印加した場合に、加圧ローラ21表層の電荷−600Vを除去するまでの加圧ローラ21の回転数を示すグラフである。図8(b)は、フィルムバイアスとして異なった電圧を印加した場合の画質、待機時間を示す表である。
これらの図に示すように、フィルムバイアスが+800V一定では加圧ローラ21表層の電荷−600Vを1周分で除去することが可能だが、フィルムバイアスが印加された定着フィルム15と加圧ローラ21表層穴部との間で放電してしまう。この放電により、定着フィルム表層にダメージを与えてしまうことで画像汚れが生じる。
また、フィルムバイアス+400V一定ではフィルムバイアスが印加された定着フィルム15と加圧ローラ21の表層穴部の間で放電しないが、加圧ローラ21の1周分の時間(1回転に相当する時間)では加圧ローラ21の表層の除電効果が低いために静電オフセットが生じる。この静電オフセットを防止するために加圧ローラ21の表層の電荷−600Vを除電するには、加圧ローラ21の4周分の時間がかかってしまい、次JOBまでに多くの待機時間を設ける必要が生じてしまう。
このため、フィルムバイアスが印加された定着フィルム15と加圧ローラ21表層穴部の間で放電せず加圧ローラ21表面を除電するためには、始めに低いフィルムバイアスを印加して弱除電をすることで加圧ローラ21の電位を少し下げた後、高いフィルムバイアスを印加する本除電をすれば良いことがわかる。
ここで、印刷ジョブの実行開始の際には、印刷ジョブ前の準備として定着フィルム15と加圧ローラ21とをそれぞれ回転駆動させる(前回転させる)が、その際に従動回転する定着フィルム15と回転駆動する加圧ローラ21との間には摩擦帯電により、回転前に0Vまで除電したときの加圧ローラ21の表層は、前回転により記録材16が定着ニップ部22を通過する前に約−300Vに帯電し、負極性側に帯電した状態に戻る。そのために0Vまで除電した効果を効率よく生かすことができない。そして、記録材16が定着ニップ部22を通紙することで、更に摩擦帯電が増長され、例えば定着処理される記録材16が約30枚程度の場合を想定すると、約−430Vにまで帯電してしまう(図4の通紙枚数と加圧ローラの表面電位との関係参照)。そのため、静電オフセットが増大することになる。
このため印刷ジョブ前の印刷準備動作中の前回転と合わせて加圧ローラ21の除電をする必要がある。
弱除電と本除電の2種類の各々の除電を少なくとも加圧ローラ21の1周分印加することで加圧ローラ21の表層に穴部が発生していた場合であっても、放電を発生せずに加圧ローラ表面を除電できるが、印刷ジョブ前に2種類の除電を実施すると印刷ジョブのスタート時間が遅れる。これに対し印刷ジョブ後に2種類の除電を実施すると上述したように印刷ジョブがスタートする加圧ローラ回転前には除電されていた加圧ローラが印刷ジョブ前の前回転で摩擦帯電するためこれを除電しようとするとジョブ後に実施した2種類の除電が無駄になり、除電するために駆動した加圧ローラ等の部品寿命が短くなることにつながる。
このため、本実施形態では印刷ジョブ前の印刷準備動作中と印刷ジョブ後の印刷終了動作中で除電動作を実施するものである。本実施形態では、印刷ジョブ終了後の加圧ローラ21の表層の除電は完全には行わず、加圧ローラ21の表層の電位を一部下げる弱除電を実施する。そのため、ここでは次の印刷ジョブ前の加圧ローラ21の帯電量は約−100V程度の状態となっている。
印刷ジョブ開始の際には、印刷ジョブの準備として定着フィルム15と加圧ローラ21とを回転させる(前回転)。このとき、加圧ローラ21の表層に残った電荷を取り除くため、定着フィルム15に約+600Vのフィルムバイアスを印加する。このとき、フィルムバイアスの+600Vに対して加圧ローラ21の表層帯電量−100Vに前回転による負極性の帯電が加わったとしてもその差は1000V以内とすることができるので、加圧ローラ21の表層に穴部が発生していた場合であっても、定着フィルム15と加圧ローラ21との間での放電は発生しない。これにより、定着動作開始前に加圧ローラ21の表層に残っていた電荷を取り除くだけでなく、定着フィルム15と加圧ローラ21との前回転にて生じる摩擦帯電による電荷も合わせて除電することができ、記録材16が定着ニップ部22を通過する前の加圧ローラ21の表層電荷を約0Vに維持することが可能となる。
この状態から記録材16が定着ニップ部22を通過することで加圧ローラ21の表層が摩擦帯電しても、例えば定着処理される記録材16が約30枚程度の場合を想定すると、その電荷量は約−150V程度に抑えることができるので、静電オフセットの発生を防止することが可能となる。
このように第1実施形態では、加圧ローラ21の表層の電荷を除電する際に、定着フィルム15と加圧ローラ21の表層穴部との間に放電が発生する電圧のフィルムバイアスの一度の印加を避け、その放電が発生しない印加電圧で複数回に分けてフィルムバイアスを印加する。
したがって、本実施形態では、印刷ジョブ終了後にフィルムバイアスに+400Vを印加し、加圧ローラ21表層の電荷を−200V除去し、加圧ローラ21表層の電荷を−400Vまで低下させる。次の印刷ジョブ開始時に、例えば印刷準備の前回転時にフィルムバイアスに+600Vを印加して、図7に示すように加圧ローラ21表層を−400V除去する。このようにすることでフィルムバイアスが印加された定着フィルム15と加圧ローラ21の表層穴部の間で放電させることなく、効率的に加圧ローラ21表層を除電することができるため、ユーザにとって不必要な待機時間も削減することができる。
(フィルムバイアスの制御動作)
図9は、本実施形態の印刷ジョブが実行された場合のフィルムバイアスを印加する動作を示すフローチャートである。このフローチャートの動作は、上述した制御部のCPU400が実行する。
本実施形態にあっては、印刷ジョブ後の画像形成が終了するときにフィルムバイアスを印加する第1の印加(弱除電)と、次の画像形成開始のときにフィルムバイアスを印加する第2の印加(本除電)に分けて除電する除電モードを有する。以下、この除電モードにより加圧ローラ21を除電する動作について、図9を参照して説明する。
印刷ジョブの発生により(S1)、印刷準備動作を開始し、まず、定着処理の準備として加圧ローラ21の回転駆動を開始する(S2)。次いで、加圧ローラ21の表層の残電荷を除電するため、定着フィルム15にフィルムバイアスとして+600Vを印加する(S3)。この除電動作は、記録材16の搬送開始後(S4)、記録材16が定着ニップ部22に来るまでに行う(S5のNo)。すなわち、画像形成動作が開始されてから定着動作が開始されるまでの間(定着ニップ部に記録材が存在しないとき)に、加圧ローラ21を除電するための印加を行う。
記録材16が定着ニップ部22に来たことを検知すると(S5のYes)、定着フィルム15にフィルムバイアスとして−500Vを印加し、負極性のトナーが定着フィルム15に電気的に付着しないようにする(S6)。
記録材16が定着ニップ部22を通過したこと(通紙終了)を検知すると−500Vのフィルムバイアスの印加を止め(S7)、定着動作の終了となる。
次いで加圧ローラ21の表層の残電荷の一部を除電するため、定着フィルム15に加圧ローラ21の表面の帯電極性とは逆極性の電圧を印加する。このとき、前記画像形成開始時に除電用に印加する電圧値の絶対値よりも小さい値の電圧値、本実施形態にあっては+400Vを印加(弱除電)し(S8)、一連の定着処理のジョブの終了となる(S9)。この画像形成終了時の除電に際しては、通紙により加圧ローラ21が摩擦帯電する最大値−600V(図4参照)に帯電していても、定着フィルム15と加圧ローラ21の表層穴部間で放電を生じないように+400Vを印加する。
このように、定着動作の終了後から次の印刷ジョブまでの間に行う加圧ローラ21の表層電荷の除電を、0Vまで行わないことで除電のみに要する時間を短縮する。そして、残った加圧ローラ21の表層電荷は、次回の印刷ジョブにおける定着動作開始前に定着フィルム15と加圧ローラ21との記録材16の定着ニップ部22通過前の回転駆動中に発生する摩擦帯電とともに除電する(本除電)。これにより、印刷ジョブ開始前の待機時間の短縮と定着動作開始時の加圧ローラ21の表層電荷を0Vまで除電することができる。
上記のように、加圧ローラ21を除電するためのバイアス印加を定着動作終了後の印刷終了動作中と次の画像形成の際の定着動作開始前の印刷準備動作中に分けて行い、定着動作終了後に印加する除電用の第1の印加バイアス値を次の画像形成の際の定着動作開始前に印加する除電用の第2の印加バイアス値よりも小さくする。これにより、画像形成が行われた直後は加圧ローラ21の帯電量が大きい場合でも、除電用のバイアス値を小さくすることで定着フィルム15と加圧ローラ21間の放電が確実に防止される。そして、次の画像形成の開始時に除電用の印加バイアス値を前記第1の印加時よりも大きくすることで加圧ローラ21に帯電している電荷を確実に除去するとともに、定着ニップに搬送される間の帯電を抑制するものである。
なお、プリントスタート時間を短縮するために、印刷準備動作の時間が削減される傾向がある。このため、加圧ローラ21の除電時間を上述したよう第1の印加動作の実施タイミングと第2の印加動作の実施タイミングに分けて印加せず、時間に余裕がある印刷終了動作中にまとめて実施しても良い。詳しくは、印刷終了動作中の第1の印加(弱除電)動作の後に続けて第2の印加(本除電)動作を実施しても良い。この実施により、少なくとも印刷終了動作後には加圧ローラ21の除電を達成できる。
<第2実施形態>
本発明の他の実施形態の画像形成装置について説明する。第1実施形態では、印刷JOB終了時と印刷JOB開始時の加圧ローラ表層に対する除電制御を示しているが、本実施形態では、印刷JOBの実行中の紙間にフィルムバイアスを加圧ローラ21表層穴部が発生していたときに放電しない範囲内で電圧を段階的に値が大きくなるように変化させて印加する除電制御に関するものである。尚、本実施形態の基本的構成は、第1実施形態のものと同様であり、重複する説明は省略し、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
図10は、本実施形態の印刷ジョブが実行された場合のフィルムバイアスを印加する動作を示すフローチャートである。このフローチャートの動作は、制御部(制御ユニット)のCPU400が実行する。
同図に示すように、印刷JOB開始後、残りの印字枚数が7枚以上の場合には(ステップS1001)、印刷JOB中はフィルムバイアス−500(V)を印加する(ステップS1002)。そして、印字枚数が6枚終了となるまで(ステップS1003)、印字動作が続けられる(ステップS1004)。本実施形態では定着装置を記録材が通過するタイミングを記録材検知センサ60であるレジ前センサで計測する。ここでは6枚目がレジ前センサを通過してオフとなってから0.8秒後に加圧ローラ21を除電するためにフィルムバイアスの極性を反転する(ステップS1005)。そして、後続記録材との紙間(搬送間隔)を広げて、フィルムバイアスとして+400(V)を8秒間印加した後(ステップS1006)、+600(V)を12秒間印加する(ステップS1007)。
一方、ステップS1001で、残り印字枚数が7枚未満であった場合には、印字ジョブ中のフィルムバイアスとして−500(V)を連続して印加して(ステップS1008)、印字動作を行い(ステップS1009、S1010)、印刷JOBが終了する。
このように、画像形成中に所定枚数(本実施形態では6枚終了後)通紙した後の紙間時にフィルムバイアスを加圧ローラ21表層穴部が発生していたときに放電しない範囲内で電圧を段階的に値が大きくなるように変化させて印加する除電制御を実施する。
すなわち、図10に示すフローチャートでは、6枚毎に紙間を広げて下記動作1)から4)を実施することになる。
1)フィルムバイアス−成分をOFFする(ステップS1005)。
定着装置を記録材が6枚通過後にフィルムバイアス−成分をOFFする。
2)紙間の際にフィルムバイアス+成分をONする(ステップS1006、ステップS1007)。
フィルムバイアス−成分をOFFした後、フィルムバイアス+成分をONする
フィルムバイアス+成分(+400V)を8秒間印加した後、フィルムバイアス+成分(+600V)を12秒間印加する。
3)フィルムバイアス+成分をOFFする。
フィルムバイアス+成分がOFFされた時点で、給紙許可を行う。
4)フィルムバイアス−成分をONする(ステップS1002)。
本実施形態を実施することで連続して画像形成している際に加圧ローラ表層が負極性に徐々に帯電しても紙間を利用して加圧ローラ表層を放電させることなく除電できる。
なお、本実施形態では6枚終了後の紙間時に加圧ローラ表層の除電を実施しているが、加圧ローラ表層の摩擦帯電量は搬送される搬送速度や記録材の種類等に影響されるので、搬送速度や記録材の種類に応じて画像形成時の紙間除電に入るタイミングの枚数を変更しても良い。
更に印刷ジョブの前及び後に第1実施形態を実施し、合わせてその印刷ジョブ中の紙間に本実施形態を実施しても良い。
<第3実施形態>
本発明の他の実施形態の画像形成装置について説明する。本実施形態では、環境が異なる場合の除電制御に関するものである。尚、本実施形態の基本的構成は、第1実施形態のものと同様であり、重複する説明は省略し、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
図11は抵抗値の異なる紙を連続通紙した場合の加圧ローラ表面の飽和電位の関係を表したグラフである。
例えば紙の電気抵抗(以降は紙抵抗という)が約1×1011Ω程度の場合、加圧ローラ表面電位が−500V程度で飽和するのに対し、紙抵抗が約1×1013Ω程度の場合、加圧ローラ表面電位は−800V程度まで帯電する。このことから紙の抵抗が大きいほど加圧ローラ表面の飽和電位は負極性に帯電することがわかる。
次に、図12は紙抵抗と紙水分量の関係を表したグラフである。
紙水分量が約7%程度の場合、紙抵抗は約1×10Ω程度であるのに対し、紙水分量が約2%程度の場合、紙抵抗は約1×1013Ωとなる。このことから紙水分量が低いほど、紙抵抗が高くなることがいえる。
次に、図13は異なる絶対湿度の環境下に1日放置した場合の紙水分量の関係を示したグラフである。
例えば、絶対湿度が0.001(g/gDA)の環境下では紙水分量が2%程度になるのに対し、絶対湿度が0.019(g/gDA)の環境下では紙水分量が7%程度になる。このことから、絶対湿度が低いほど、紙水分量が低くなることがいえる。
以上説明した理由から、環境(絶対湿度)によって加圧ローラ表面電位に差が生じることがいえる。すなわち、絶対湿度が低いほど、記録材の搬送摺動による加圧ローラ21の表面の電位が低くなる。そのため、本実施形態においては環境に応じて変動する加圧ローラ21の表面の電位に合わせて加圧ローラ21の除電時の定着フィルムバイアスの印加電圧を変えることで、定着フィルムと加圧ローラ表層の穴部間の放電を防止する。本体内の機内昇温の影響を受けない場所で本体の設置環境の環境条件がわかるように温度と相対湿度を検知できる環境センサ(環境検知ユニット)を設置し、温度と相対湿度から絶対湿度を算出させる。この環境センサ及び絶対湿度を算出する算出部は、絶対湿度検出手段を構成する。
絶対湿度の算出結果が例えば0.019(g/gDA)の場合、加圧ローラ表面電位が−500V、絶対湿度の算出結果が例えば0.001(g/gDA)の場合、加圧ローラ表面電位が−800Vまで帯電する可能性がある。図6に示したとおり定着フィルム15と加圧ローラ表面の電位差が約1000Vを超えると定着フィルム15と加圧ローラ表面穴部の間で放電してしまいフィルム表層にダメージを与えてしまうことになる。そのため、通紙時のマイナス極性から通紙終わりのプラス極性への切り替え時の電圧の初期値は絶対湿度の算出結果が例えば0.001(g/gDA)の場合では+200Vであり、絶対湿度の算出結果が例えば0.019(g/gDA)の場合では+500Vである。このように、絶対湿度の算出結果が低いほどプラス極性の初期値を下げ、段階的に出力を上げることで放電を防止してフィルム表層へのダメージを抑えることができる。
図14は、本実施形態のフィルムバイアスの印加動作を示すフローチャートである。このフローチャートの動作は、制御部(制御ユニット)のCPU400が実行する。
絶対湿度を確認し絶対湿度が所定値(例えば0.001(g/gDA))よりも低い場合は(ステップS1305)、加圧ローラ表層の除電のために装置本体を駆動させる(ステップS1306)。その後、フィルムバイアスとして+200Vを加圧ローラ一周分の約400msecを印加する(ステップS1307)。次に、フィルムバイアスとして+300Vを加圧ローラ一周分の約400msecを印加する(ステップS1308)。続いて、フィルムバイアスとして+550Vを加圧ローラ一周分の約400msecを印加する(ステップS1309)。最後に、フィルムバイアスとして+600Vを加圧ローラ一周分の約400msecを印加する(ステップS1310)。このように徐々にフィルムバイアスの正極性の出力を上げていくようにする。
一方、絶対湿度が所定値(例えば0.001(g/gDA))より高い場合は装置本体を駆動させ(ステップS1311)、フィルムバイアスとして+400Vを加圧ローラ一周分の約400msecを印加する(ステップS1312)。その後、フィルムバイアスとして+600Vを加圧ローラ一周分の約400msecを印加して除電動作を終了する(ステップS1313)。その後、フィルムバイアスとして−500V印加し(ステップS1303)、通紙をさせる(ステップS1304)。
通紙後は、絶対湿度の状態を確認する。絶対湿度が所定値(例えば0.001(g/gDA))よりも低い場合は(ステップS1316)、加圧ローラ表層の除電のために装置本体を駆動させ(ステップS1317)、フィルムバイアスとして+200Vを加圧ローラ一周分の約400msecの間印加する(ステップS1318)。その後、フィルムバイアスとして+300Vを加圧ローラ一周分の約400msecの間印加する(ステップS1319)。続いてフィルムバイアスとして+550Vを加圧ローラ一周分の約400msecの間、印加する(ステップS1320)。そして、最後にフィルムバイアスとして+600Vを加圧ローラ一周分の約400msecを印加する(ステップS1321)。このように、徐々にフィルムバイアスの正極性の出力を上げていくようにする。
一方、絶対湿度が所定値(例えば0.001(g/gDA))より高い場合は(ステップS1316)、装置本体を駆動させ(ステップS1322)、フィルムバイアスとして+500Vを加圧ローラ一周分の約400msecの間印加する(ステップS1323)。その後、フィルムバイアスとして+600Vを加圧ローラ一周分の約400msecの間印加し(ステップS1324)、最後にフィルムバイアスの最終印加極性を正極性で保存し(ステップS1315)、JOBを終了させる。
以上、説明したように、定着フィルム15に印加する電圧が、マイナス極性からプラス極性に切り替えられる場合のプラス極性の初期出力値は絶対湿度が低いほど小さくし、徐々にプラス極性の電圧値を大きくするように決定する。このようにすることで加圧ローラ表層の除電と加圧ローラ表層に穴が有る場合の放電による定着フィルムへのダメージ防止の両立を可能にし、静電オフセットと放電による画像汚れの発生を抑制することが出来る。
上述した以上の各実施形態では加圧ローラ21の穴検知機構を有していない。このため穴部の有無に係わらず、製品の使用初期から放電を防止するための印加制御が必要であるが、定着フィルムバイアスを印加したときに加圧ローラ21の芯金に流れる電流値を検出して、その値から穴発生を検知する穴検知機構等を備えておき、穴発生までは定着フィルムバイアスが高くても放電が発生しないので、弱除電を実施することなく、高バイアスをジョブ前またはジョブ後あるいは紙間に印加することで短時間で加圧ローラ21の除電を実施し、穴発生を検知をしてから初めて上述した各実施形態の加圧ローラ21の除電に関するフィルムバイアス印加制御を実施しても良い。
なお、上述した各実施形態では、負極性のトナーを用いた場合について説明したが、正極性のトナーを用いた場合も同様に適用することができる。この場合には、静電オフセット防止のために定着フィルム15に正極性の電圧が印加されるので、電圧の値によっては加圧ローラ21表層は徐々に正極性に帯電していくおそれがある。このため、記録材が定着ニップ部22に無い場合には、負極性の電圧が、絶対値が徐々に高くなるように定着フィルム15に印加されることで加圧ローラ21表層に穴部が有っても放電を防止できる。
また各実施形態では、加熱部材として加熱源を内部に有する定着フィルム15を用いた場合について説明したが、これに限定されず、加圧ローラと定着ニップ部を形成する定着ローラ等の加熱部材を用いても同様の効果を得ることができる。
更に、加圧部材である加圧ローラ表層に穴部が発生している場合について説明したが、これに限定せず、加熱部材として定着ローラ等を使用する定着装置であって、加熱部材である定着ローラの表層を覆う絶縁チューブに穴部が発生して表層下部の導電部材が露出したときも本実施形態を実施することで放電を防止できる。
更にまた各実施形態では、加圧ローラ表層の除電のために印加する電圧を印刷ジョブ後に第1の電圧、印刷ジョブ前に第2の電圧としたがこれに限定せず、各々異なる電圧値を複数回変更して放電を回避しながら加圧ローラ表層の除電を達成しても良い。
また印刷ジョブ終了後に省エネ等のために電源が落とされて印刷ジョブ終了後の弱除電を実施しなかった場合は、その未実施を制御部のRAM402等に記憶しておき、次の印刷ジョブの前にその記憶に基づいて弱除電と本除電を実施するようにしても良い。
なお、各実施形態では、電圧印加ユニットは加熱部材である定着フィルムに除電用のバイアスを印加しているがこれに限定せず、除電用のバイアスを加圧部材である加圧ローラに印加して加圧部材を除電する構成であっても良い。
15…定着フィルム
16…記録材
17…トナー
21…加圧ローラ
22…定着ニップ部
23…ブラシ
24、25…高圧電源

Claims (18)

  1. 記録材に画像を形成する画像形成装置であって、
    トナー画像が転写された記録材を加熱する加熱ユニットと、
    前記加熱ユニットとの間でニップ部を形成し、搬送される記録材を前記ニップ部において前記加熱ユニットに圧接させる加圧ユニットと、
    前記加熱ユニットまたは前記加圧ユニットの表層が所定の状態になった場合でも前記加熱ユニットと前記加圧ユニットとの間に放電が生じない電圧を前記加熱ユニットと前記加圧ユニットの少なくともいずれか一方に印加する制御ユニットと
    を具備することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記放電が生じない電圧とは、前記加熱ユニットまたは前記加圧ユニットの表層から内部の導電部が露出している前記所定の状態にある場合でも放電が発生しない電圧であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記制御ユニットは、前記放電が生じない電圧を記録材が前記ニップ部に存在しないときに印加することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記制御ユニットは、前記放電が生じない電圧として第1の電圧を印加した後に前記第1の電圧と同じ極性であって絶対値が前記第1の電圧より大きい第2の電圧を印加することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の画像形成装置。
  5. 前記制御ユニットは、印刷ジョブの終了動作中に前記第1の電圧を印加し、印刷ジョブ準備動作中に前記第2の電圧を印加することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 前記制御ユニットは、印刷ジョブの実行中の紙間に、前記第1の電圧を印加した後に前記第2の電圧を印加することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  7. 環境条件を検知する環境検知ユニットをさらに有し、
    前記制御ユニットは前記第1の電圧の電圧値を前記環境検知ユニットの検知結果に基づいて決定することを特徴とする請求項4乃至請求項6の何れか一項に記載の画像形成装置。
  8. 前記制御ユニットは、前記放電が生じない電圧を少なくとも所定の時間、印加した後、該印加電圧と同極性であって絶対値が大きくなる電圧を印加することを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  9. 前記所定の時間は、回転体である前記加圧ユニットの少なくとも1回転に相当する時間であることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
  10. 記録材に画像を形成する画像形成装置であって、
    トナー画像が転写された記録材を加熱する加熱ユニットと
    前記加熱ユニットとの間でニップ部を形成し、搬送される記録材を前記ニップ部において前記加熱ユニットに圧接させる加圧ユニットと、
    前記加圧ユニットの表層が所定の状態になった場合でも前記加熱ユニットと前記加圧ユニットとの間に放電が生じない電圧を前記加熱ユニットに印加する制御ユニットと
    を具備することを特徴とする画像形成装置。
  11. 前記放電が生じない電圧とは、前記加圧ユニットの表層から内部の導電部が露出している前記所定の状態にある場合でも放電が発生しない電圧であることを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
  12. 前記制御ユニットは、前記放電が生じない電圧を記録材が前記ニップ部に存在しないときに印加することを特徴とする請求項10又は請求項11に記載の画像形成装置。
  13. 前記制御ユニットは、前記放電が生じない電圧として第1の電圧を印加した後に前記第1の電圧と同じ極性であって絶対値が前記第1の電圧より大きい第2の電圧を印加することを特徴とする請求項10乃至請求項12の何れか一項に記載の画像形成装置。
  14. 前記制御ユニットは、印刷ジョブの終了動作中に前記第1の電圧を印加し、前記印刷ジョブの次の印刷ジョブの準備動作中に前記第2の電圧を印加することを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。
  15. 前記制御ユニットは、印刷ジョブの実行中の紙間に、前記第1の電圧を印加した後に前記第2の電圧を印加することを特徴とする請求項13又は請求項14に記載の画像形成装置。
  16. 環境条件を検知する環境検知ユニットをさらに有し、
    前記制御ユニットは前記第1の電圧の電圧値を前記環境検知ユニットの検知結果に基づいて決定することを特徴とする請求項13乃至請求項15の何れか一項に記載の画像形成装置。
  17. 前記制御ユニットは、前記放電が生じない電圧を少なくとも所定の時間、印加した後、該印加電圧と同極性であって絶対値が大きくなる電圧を印加することを特徴とする請求項10乃至請求項16の何れか一項に記載の画像形成装置。
  18. 前記所定の時間は、回転体である前記加圧ユニットの少なくとも1回転に相当する時間であることを特徴とする請求項10乃至請求項17の何れか一項に記載の画像形成装置。
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