JP2015194353A - 液体噴射装置及び液体噴射装置における異物検出方法 - Google Patents

液体噴射装置及び液体噴射装置における異物検出方法 Download PDF

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崇広 阿部
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Abstract

【課題】異物の存否を判定することができる液体噴射装置及び液体噴射装置における異物検出方法を提供する。
【解決手段】液体噴射装置は、媒体を搬送する搬送部と、搬送部により搬送された媒体に液体を噴射する噴射部と、媒体を支持する媒体支持部と、媒体支持部に設けられ、媒体を撮像する撮像部と、搬送部による媒体の搬送を制御する制御部とを備え、制御部は、この搬送部が搬送中の媒体を撮像部に異なるタイミングで撮像させて複数の画像を取得し、取得した画像中の画素について複数の画像それぞれにおける輝度を取得して複数の画像に対応した各画素の輝度ばらつきを算出し、各画素について輝度ばらつきが閾値以下であるか否かを判定し、判定した結果に基づいて異物の存否を判定する。
【選択図】図13

Description

本発明は、液体噴射装置及び液体噴射装置における異物検出方法に関する。
印刷用紙等の媒体を連続的に撮像し、撮像により得られた画像に基づいて一回の紙送り動作により繰り出される媒体の移動量を算出する液体噴射装置が知られている(例えば、特許文献1)。
この液体噴射装置は、媒体の裏面を撮像する撮像部を有する。撮像部は、媒体が搬送されているときに、媒体の裏面を連続的に撮像する。
液体噴射装置の制御部は、時系列的に前後する2枚の画像のうちの後の画像において、時系列的に前の画像における所定領域のテクスチャー(紙面模様)と一致する部分を検索する。そして、時系列的に前の画像における所定領域の位置と、時系列的に後の画像における所定領域と一致する領域との間の距離(単位移動量)を求める。制御部は、この処理を、媒体の移動開始から移動停止までの期間にわたって実行し、この処理により求めた距離(単位移動量)の総和を媒体の移動量とする。
特開2013−99902号公報
ところで、撮像部の保護透明板上に埃や紙粉等の異物が付着していると、撮像部により撮像された画像に異物像が含まれるようになる。この場合、検索に係る画像から所定のテクスチャーと一致する部分を制御部が検出することができないことがある。また、制御部が本来一致する部分として検出されるべきところとは異なった領域を検出する虞がある。この結果、制御部は、媒体の精確な移動量を算出することができなくなる。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、異物の存否を判定することができる液体噴射装置及び液体噴射装置における異物検出方法を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決する液体噴射装置は、媒体を搬送する搬送部と、前記搬送部により搬送された前記媒体に液体を噴射する噴射部と、前記媒体を支持する媒体支持部と、前記媒体支持部に設けられ、前記媒体を撮像する撮像部と、前記搬送部による前記媒体の搬送を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記搬送部が搬送中の前記媒体を前記撮像部に異なるタイミングで撮像させて複数の画像を取得し、取得した画像中の画素について前記複数の画像それぞれにおける輝度を取得して前記複数の画像に対応した各画素の輝度ばらつきを算出し、前記各画素について輝度ばらつきが閾値以下であるか否かを判定し、判定した結果に基づいて異物の存否を判定する。
搬送中の媒体を異なるタイミングで撮像して得られる画像のテクスチャーはそれぞれ全く異なる。任意の一画素に着目すると、画像それぞれにおけるその画素の輝度は一定でなく、ばらつく。一画素について、画像それぞれにおいてその画素の輝度を取得し、これらの輝度を要素とする母集団を形成してこの母集団のばらつき(輝度ばらつき)を求めたとすると、この輝度ばらつきは「0」よりも大きい値になる。
一方、撮像部と媒体との間に異物が存在すると、異なる撮像タイミングで撮像された各画像は異物像を含むようになる。異物像は、各画像において同じところに位置するため、異物像に対応する画素の輝度ばらつきは、媒体に対応する画素の輝度ばらつきに比べて小さい値になる。
上記構成では、このような現象に基づいて、複数の画像に対応した各画素について輝度ばらつきを算出し、各画素の輝度ばらつきが閾値以下であるか否かを判定する。このため、異物の存否を判定することができる。
上記液体噴射装置において、前記制御部は、前記輝度ばらつきが前記閾値以下である画素の連続個数を求め、前記連続個数が設定個数以上であるとき異物が存在すると判定する。
撮像部の撮像素子内に低感度の画素が存在する場合がある。この画素では、輝度ばらつきが小さくなる。また、媒体と撮像部との間に極小の異物が存在することもある。極小の異物、例えば1画素分に相当する異物であれば、媒体の移動量の算出精度に大きな影響を与えない。このようなことから、異物の存否判定において、異物の大きさを考慮することが好ましい。この点、上記構成によれば、輝度ばらつきが閾値以下である画素の連続個数を求め、連続個数が設定個数以上のとき異物が存在すると判定する。これにより、所定大きさ以上の異物を検出することができる。
上記液体噴射装置において、前記制御部は、前記輝度ばらつきの平均値に基づいて前記閾値を設定する。
植物繊維または化学繊維により形成された繊維紙等の媒体の表面には凹凸があるため、異なるタイミングで撮像された複数の画像において、この媒体が撮像されている部分の各画素の輝度ばらつきは、異物が撮像されている部分の輝度ばらつきに比べて、十分に大きくなる。
一方、合成高分子から形成された合成紙は、表面の凹凸が小さいため、異なるタイミングで撮像された複数の画像において、この媒体が撮像されている部分の各画素の輝度ばらつきが、異物が撮像されている部分の輝度ばらつきに比べて、十分に大きくならない場合がある。この場合、異物の存否を精確に判定することができなくなる虞がある。
この点、上記構成によれば、閾値を一定値とするのではなく、輝度ばらつきの平均値に基づいて閾値を設定するため、媒体の種類に関係なく、異物の存否を精確に判定することができる。
上記液体噴射装置において、前記制御部は、前記媒体が前記媒体支持部に搬送された後であって、且つ、前記媒体に液体が噴射される前に、複数の画像に対応した各画素について前記輝度ばらつきが閾値以下であるか否かを判定すること、判定した結果に基づいて異物の存否を判定すること、及び判定した結果を報知することを行う。
媒体に液体を噴射した後に、異物の存否についての判定結果を報知したとすると、液体または媒体に無駄が生じる場合がある。例えば、異物を除去するために媒体を引き戻した後に液体の噴射(例えば印刷)を遣り直す場合には、液体及び媒体の無駄が生じる。
この点、上記構成によれば、媒体に液体が噴射される前に、複数の画像に対応した各画素について輝度ばらつきが閾値以下であるか否かの判定に基づいて異物の存否を判定し、この判定結果を報知するため、液体及び媒体の無駄を抑制することができる。
上記液体噴射装置において、前記制御部は、異物が存在すると判定するとき、前記媒体を搬送方向と逆方向に搬送し、異物が存在することを報知する。
上記構成では、異物が存在すると判定するときに自動的に媒体を搬送方向とは逆方向に搬送するため、使用者の手間を軽減することができる。
上記課題を解決する異物検出方法は、媒体を搬送する搬送部と、前記搬送部により搬送された前記媒体に液体を噴射する噴射部と、前記媒体を支持する媒体支持部と、前記媒体支持部に設けられ、前記媒体を撮像する撮像部と、前記搬送部による搬送を制御する制御部とを備える液体噴射装置において、前記媒体と前記撮像部との間に存在する異物を検出する異物検出方法であって、前記搬送中の媒体を異なるタイミングで撮像し、複数の画像を取得する工程と、取得した画像中の画素について前記複数の画像それぞれにおける輝度を取得して、前記複数の画像に対応した各画素の輝度ばらつきを算出する工程と、前記各画素について輝度ばらつきが閾値以下であるか否かを判定し、判定した結果に基づいて異物の存否を判定する工程とを含む。
上記構成によれば、複数の画像に対応した各画素について輝度ばらつきを算出し、各画素について前記輝度ばらつきが閾値以下であるか否かを判定するため、異物の存否を判定することができる。
上記異物検出方法において、前記輝度ばらつきが前記閾値以下である画素の連続個数を求め、前記連続個数が設定個数以上であるとき異物が存在すると判定する。
この構成によれば、所定大きさ以上の異物を検出することができる。
上記異物検出方法において、前記輝度ばらつきの平均値に基づいて前記閾値を設定する。この構成によれば、媒体の種類に関係なく、異物の存否を精確に判定することができる。
プリンターの正面図。 プリンターの側面図。 図2における3−3線に沿う一部断面図。 撮像タイミングと画像処理タイミングとの関係を示すタイミングチャートであり、(a)は撮像タイミングを示す図、(b)は画像処理タイミングを示す図。 (a)は、画像におけるテンプレートの領域を示す模式図、(b)はテンプレートのテクスチャーと一致するテクスチャーを検索する様子を示す模式図。 異物が撮像された画像の模式図。 テクスチャー像を構成する一画素について、各画像における輝度を示すグラフ。 異物像を構成する一画素について、各画像における輝度を示すグラフ。 (a)は、画素とその画素の輝度ばらつきとの関係を示す模式図、(b)は、2値化処理された画像の模式図。 2値化処理された画像図。 (a)凹凸性の連続紙について、輝度ばらつきの度数分布と閾値(所定閾値)との関係を示す分布図、(b)非凹凸性の連続紙について、輝度ばらつきの度数分布と閾値(所定閾値)との関係を示す分布図。 (a)凹凸性の連続紙について、輝度ばらつきの度数分布と閾値(相対閾値)との関係を示す分布図、(b)非凹凸性の連続紙について、輝度ばらつきの度数分布と閾値(相対閾値)との関係を示す分布図。 異物検出処理の処理手順を示すフローチャート。 報知装置の模式図。 回復処理の処理手順を示すフローチャート。
液体噴射装置をインクジェット式プリンターに具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
なお、以降の説明では、水平な床面に設置されたインクジェット式プリンター(以下、「プリンター11」)において鉛直方向に沿う方向をプリンター11の上下方向とする。
図1及び図2に示すように、プリンター11は、媒体の一例である連続紙Pを搬送する搬送部12と、連続紙Pを支持する媒体支持部13と、連続紙Pに対してインク(液体の一例)を噴射する噴射部15と、搬送部12及び噴射部15を制御する制御部17を備えている。このプリンター11には、連続紙Pの移動量を求めるための撮像部20が取り付けられている。また、プリンター11には、制御部17から出力される情報を報知する報知装置16が接続されている。
搬送部12は、媒体支持部13の上流側(連続紙Pの移動方向における上流側)に配置される給紙部12aと、媒体支持部13の下流側に配置される排紙部12bと、給紙部12aと排紙部12bとの間に配置される搬送ローラー12cとを備える。
給紙部12aはロータ等により連続紙Pを繰り出す。排紙部12bは、インクが噴射された連続紙Pを排出する。搬送ローラー12cは、印刷時(インクの噴射時)において、紙送り動作により所定の移動量だけ連続紙Pを移動させる。連続紙Pの移動量とは、搬送部12の一回の紙送り動作により繰り出される連続紙Pの移動距離を示す。
噴射部15は、媒体支持部13と対向するように配置されている。噴射部15には、インクを噴射するための複数のノズルが形成されている。また、噴射部15には、インクを貯留するためのタンクが取り付けられている。
媒体支持部13は、中空の箱体として構成されている。
媒体支持部13の上面部は、連続紙Pを支持するプラテン14として機能する。
プラテン14には、連続紙Pをプラテン14側に吸引するための複数の吸引孔14aが形成されている。各吸引孔14aは、媒体支持部13の内部空間13sに連通する。
媒体支持部13の下面部には内部空間13sの空気を吸引にする吸引装置(図示省略)が接続されている。吸引装置としては、例えば吸引ファンが挙げられる。吸引装置は、内部空間13sから空気を吸い出すことにより、連続紙Pをプラテン14に吸着させる。
撮像部20は、プラテン14の下側かつ上流側に配置されている。
撮像部20は、連続紙Pの裏面(非印刷面)を撮像し、制御部17に画像を送信する。撮像部20は、連続紙Pの繊維等による凹凸模様まで撮像可能な分解能を有する。
制御部17は次の制御を実行する。
第1に、制御部17は、噴射部15の移動を制御する。
第2に、制御部17は、噴射部15の圧電素子を制御することにより、ノズルから噴射するインクの噴射量を調整する。
第3に、制御部17は、連続紙Pの供給のために給紙部12aを制御する。
第4に、制御部17は、搬送ローラー12cによる連続紙Pの移動量についてフィードバック制御する。制御部17は、予め設定された移動量(以下、「目標移動量」)だけ連続紙Pが移動するように搬送ローラー12cを制御するが、連続紙Pが搬送ローラー12cに対して僅かに滑る場合があるため、実際の連続紙Pの移動量が目標移動量からずれる場合がある。このずれを補正するために、制御部17は、連続紙Pの移動量についてフィードバック制御する。具体的には、1回の紙送り動作における搬送ローラー12cの回転角度を制御する。
第5に、制御部17は、連続紙Pの移動量のフィードバック制御のために、撮像部20から出力される画像に基づいて連続紙Pの移動量を算出する。
第6に、制御部17は、撮像部20と連続紙Pとの間に異物が存在しないかを判定するための異物検出処理を実行する。
なお、制御部17は、少なくとも上記第1〜第6の制御を実行し、更にこれらの制御に加えて、使用者に対して所定の警告を行ったり、メンテナンスを促したりする報知処理も実行する。また、制御部17は、各種制御を分担して実行する複数の制御部(以下、「部分制御部」という。)で構成されうる。制御部17が、二つの部分制御部で構成される場合は、例えば、一方の部分制御部が第1〜第3の制御を実行し、他方の部分制御部が第4〜第6の制御を実行するように構成される。
図3を参照して、撮像部20を説明する。
撮像部20は、保護透明板21と、発光部22と、対物レンズ23と、投影レンズ24と、撮像素子25と、これらの部品を収容する筐体26とを備える。
保護透明板21は、ガラス等の透明部材により形成される。保護透明板21は、撮像のための窓27aを覆う。これにより、撮像部20内に異物が侵入することを抑制する。
発光部22は、連続紙Pに光を照射する。発光部22は、保護透明板21の斜め下側に配置される。発光部22は、例えば、LED(Light Emitting Diode)等により構成される。
対物レンズ23は、発光部22よりも下方に配置されている。
投影レンズ24は、対物レンズ23よりも下方に配置されている。投影レンズ24は、対物レンズ23を通過した光を集光して、撮像素子25の受光面に結像する。
撮像素子25は、投影レンズ24の下方に配置されている。
撮像素子25は、所定のタイミングで撮像し、撮像により得られた画像を制御部17に出力する。撮像素子25は、例えば、CCDイメージセンサーやCMOSイメージセンサーにより構成される。
筐体26は、鏡筒28と、鏡筒28の上部を覆う蓋体27と、鏡筒28の下部を覆う底部29とを備える。
蓋体27には、連続紙Pを撮像するための窓27aが形成されている。この窓27aには、保護透明板21が取り付けられている。蓋体27において窓27aの周辺には、リブが設けられ、このリブはプラテン14の一部として機能する。
鏡筒28は、対物レンズ23と投影レンズ24とを所定の位置関係に維持する。
底部29は、撮像素子25を支持する支持基板により構成される。支持板には、撮像素子25からの信号を出力するための配線が形成されている。
図4及び図5を参照して、連続紙Pの移動量の算出方法について説明する。
撮像部20は、連続紙Pの移動量の算出のために、1回の紙送り動作において連続紙Pが移動し始める時点(以下、「移動開示時点」という。)から連続紙Pが停止する時点(以下、「移動停止時点」という。)まで連続的に連続紙Pを撮像する。撮像は、略一定の時間間隔で行われる。
制御部17は、時系列的に前後する2時点で得られた2枚の画像に基づいて、2時点間における連続紙Pの移動距離(以下、この距離を「単位移動量」という。)を算出する。また、制御部17は、単位移動量の算出するための画像処理(以下、「移動量算出処理」という。)を、連続紙Pの移動開始時点から連続紙Pの移動停止時点までに得られた全ての画像について行う。
図4を参照して、撮像タイミングと移動量算出処理のタイミングとの関係を説明する。
図4(a)は撮像タイミングを示し、図4(b)は移動量算出処理のタイミングを示す。
制御部17は、時点t1の撮像タイミングで得られた画像と、時点t2の撮像タイミングで得られた画像とに基づいて移動量算出処理を実行し、時点t11において単位移動量Δy1を算出する。
次に、時点t2の撮像タイミングで得られた画像と時点t3の撮像タイミングで得られた画像とに基づいて移動量算出処理を実行し、時点t12において単位移動量Δy2を算出する。このような移動量算出処理を、連続紙Pの移動開始時点から連続紙Pの移動停止時点までに得られた全ての画像について行い、単位移動量Δy1〜ΔyN(Nは整数)を得る。そして、単位移動量Δy1〜ΔyNの全部を合算し、この値を連続紙Pの移動量とする。
なお、移動量算出処理の処理時間は、連続紙Pを撮像する時間間隔Δtよりも短いことが好ましい。これにより、互いに比較される2枚の画像が得られた時点で移動量算出処理を開始することができ、処理待ち状態の発生を抑制すること、すなわち一時的に保存される滞貨データの発生を抑制することができる。処理待ち状態とは、制御部17が移動量算出処理の実行中により、新たに撮像された画像とこの画像の前に撮像された画像とに基づいて行われるべき移動量算出処理が実行されず、両画像が移動量算出処理待ちの状態で一時的に保存されることをいう。
図5を参照して、上記移動量算出処理、すなわち単位移動量の算出するための画像処理について説明する。
図5(a)と図5(b)は、時系列に比較される前後2枚の画像であり、図5(a)は撮像開始からi枚目(但し、iは自然数)の画像F1を示し、図5(b)は撮像開始からi+1枚目の画像F2を示す。各画像F1,F2には連続紙Pの裏面のテクスチャーが撮像されている。
移動量算出処理では、まず、図5(a)に示す画像F1において予め設定された領域(以下、「基準領域BA」)をテンプレートTPとして取得する。次に、画像F2において、画像F1で取得したテンプレートTPのテクスチャーと一致または類似する部分を検索する。例えば、制御部17は、図5(b)の破線で示すように画像F2において比較領域を設定し、この比較領域とテンプレートTPとを比較し、比較領域とテンプレートTPとの類似度を算出する(以下、この算出を「マッチング処理」という。)。制御部17は、一回のマッチング処理が終了する都度または所定のタイミングで、比較領域を所定方向に1画素分ずつシフトさせる。そして、新たな比較領域の設定の都度、マッチング処理を実行する。こうして、画像F2の全領域についてマッチング処理を完了すると、制御部17は、類似度が最大になる比較領域(以下、「マッチング領域MA」)を検出する。そして、マッチング領域MAと基準領域BAとの間の距離(連続紙Pの移動方向に沿う距離)を求める。こうして求めた距離を単位移動量Δyとして記憶する。
ところで、マッチング処理において、テンプレートTPと比較される画像中にテンプレートTPと類似する部分が検索されない場合、または本来検出されるべき領域とは異なる別の領域をマッチング領域MAとして検出する場合がある。例えば、保護透明板21にインクや紙粉等の異物が付着していると、画像に異物の像(以下、「異物像」という。)が含まれるようになるため、適切なマッチング処理ができなくなる。このような場合、連続紙Pの移動量について適切なフィードバック処理を行うことができなくなる。
図6は、異物が撮像された画像の一例を示す。
この画像は、テンプレートTPと最もマッチングしたであろう比較領域(以下、「本来マッチング領域」)に、異物像が存在するものである。このため、この画像において、テンプレートTPのマッチング処理を行うと、本来マッチング領域とは別の領域をマッチング領域MAとして検出することになる。
従って、撮像部20と連続紙Pとの間に異物が存在する場合(例えば、保護透明板21に異物が付着している場合)には、使用者にこれを報知することが好ましい。
このため、制御部17は、撮像部20と連続紙Pとの間に異物が存在しないかを検出するための異物検出処理を実行する。以下、この異物検出処理について説明する。
まず、異物検出処理における異物の検出原理を説明する。
異物検出処理における異物とは、連続紙Pの移動に起因して移動しないものを示す。このような異物の場合、連続紙Pの搬送中に連続紙Pの裏面を連続して撮像すると、全ての画像に異物像が含まれる。連続紙Pは移動する一方、異物は移動しないため、連続して撮像された複数の画像それぞれにおいて、一定の領域に異物像が形成され、異物像以外の領域は各撮像タイミングで得られた連続紙Pの裏面のテクスチャーの像(以下、「テクスチャー像」という。)が形成されるようになる。
異物像は時系列的に変化しないため、異物像を構成する画素の輝度は、撮像タイミングが異なる複数の画像それぞれにおいて変化しない。複数の画像それぞれにおいて異物像を構成する各画素について画像ごとにおける輝度を取得し、複数の画像に対応した各画素についての輝度ばらつきVBを算出したとすると、各画素の輝度ばらつきVB(以下、「異物対応画素の輝度ばらつきVB」という。)は小さい。なお、「複数の画像に対応した画素」とは、一枚の画像における一画素と区別される概念であり、複数枚の画像において同じ位置にある画素の輝度を一画素の輝度変化と見做して、見做し一画素に対応するものであり、この画素は、撮像素子25の一画素に対応する。以降の説明において、「画素の輝度ばらつきVB」というときの「画素」は「複数の画像に対応した画素」を意味する。
一方、テクスチャー像は時系列的に変化するため、テクスチャー像を構成する画素の輝度は、撮像タイミングが異なる複数の画像それぞれにおいて変化する。すなわち、複数の画像それぞれにおいてテクスチャー像を構成する各画素について画像ごとにおける輝度を取得し、複数の画像に対応した各画素についての輝度ばらつきVBを算出したとすると、異物対応画素の輝度ばらつきVBに比べて、各画素の輝度ばらつきVBは大きい。
このように、異物像に対応する画素とテクスチャー像に対応する画像とは、輝度ばらつきVBが異なるため、異物像及びテクスチャー像の各々と対応する各画素について輝度ばらつきVBを取得することにより、異物を検出することができるようになる。更に、異物検出処理について説明する。
図7及び図8に、所定の一画素について、各画像における輝度を示すグラフを示す。
図7及び図8の縦軸は、画素の輝度を示す。図7及び図8の横軸は、各撮像タイミングで得られた画像の番号を示す。n21は、時点t21に得られた画像番号を示す。n22〜n29も同様に定義されている。すなわち、これらグラフは、所定画素について、時点t21〜時点t29で撮像された各画像(n21〜n29の画像)における輝度をプロットしたものである。
図7のグラフは、画像においてテクスチャー像を構成する一画素について、各撮像タイミングの画像における輝度を示す。
図7に示されるように、テクスチャー像を構成する画素では、輝度ばらつきVBが大きい。
図8のグラフに、画像において異物像を構成する一画素について、各撮像タイミングの画像における輝度を示す。
図8に示されるように、異物像を構成する画素では、輝度ばらつきVBは、テクスチャー像を構成する画素の輝度ばらつきVBよりも小さい。
輝度ばらつきVBは、例えば、分散、標準偏差等により計算される。
画像数が9枚であるときは、分散は、[Σ(bi−bav)]/n,(iは1〜9,nは9,biは各画像における輝度,bavはbiの平均値)により表される。標準偏差は、分散の正の平方根をとることにより算出される。
輝度ばらつきVBを算出するための他の式としては、例えば、[Σ(bi−bav)]/n、[Σ(bi−bav)]/n、[Σ|bi−bav|]/n等の式が挙げられる。いずれの式も、各画像の輝度ばらつきと輝度の平均値との差を項として含む。
図9(a)に、各画素と輝度ばらつきVBとの関係を示す。
制御部17は、画素と、輝度ばらつきVBとを関係付けて記憶する。
例えば、制御部17は、画素を、撮像素子25におけるX軸方向の位置と撮像素子25におけるY軸方向の位置とに基づいて(x,y)として定義し、各画素の輝度ばらつきVBをこの画素(x,y)に関係付けてVB(x,y)として保存する。
上記したように、異物の存否は、輝度ばらつきVBの大小により判定することができる。
そこで、制御部17は、各画素について、輝度ばらつきVBを閾値以下であるか否かを判定し、輝度ばらつきVBが閾値以下であるときは、異物が存在すると判定する。輝度ばらつきVBが閾値よりも大きいときは、異物が存在しないと判定する。例えば、制御部17は、輝度ばらつきVBに基づいて各画素を2値化する(以下、「2値化処理」という。)。そして、制御部17は、画素と、この画素の判定結果とを関係付けて記憶する。
例えば、上記のように画素を(x,y)として定義するとき、制御部17は、各画素の判定結果をJB(x,y)として保存する。JB(x,y)は、異物が存在することを示す「0」及び異物が存在しないことを示す「1」のいずれか一方の値を有する。
図9(b)に、2値化処理された画素を示す。
図9(b)では、異物が存在する画素を斜線で塗り潰して表示し、異物が存在する画素を白地で塗り潰して表示している。
ところで、上記では輝度ばらつきVBが閾値よりも小さい場合、異物が存在すると判定するが、実際には、異物が極小のため移動量の算出精度に影響が及ぼさない場合や、異物が存在せず、偶然に輝度ばらつきVBが閾値よりも小さくなった場合、または画素欠陥(低感度の画素)により輝度ばらつきVBが小さくなるといった場合がある。
このため、異物の存否判定において、異物の大きさを考慮することが好ましい。
異物の大きさは、異物が存在するものとして判定された画素(すなわち閾値以下である画素)の連続個数をカウントすることにより、算出される。異物の大きさとは、異物面積、異物のX軸方向の長さLX、異物のY軸方向の長さLY等として定義される。
例えば、2値化処理されたデータをラベリング処理することにより、異物と判定された画素(上記図9(b)では、「0」を有する画素)のうちで上下左右の四方向(また上下左右斜めの八方向)に連続する画素に同一のラベルを付ける。これにより、同一ラベルが付された連続個数(すなわち異物面積),X軸方向の連続個数(すなわち異物のX軸方向の長さLX)、Y軸方向の連続個数(すなわち異物のY軸方向の長さLY)を求めることができる。
図10に、2値化処理された画像を示す。
図10に示すように、異物検出処理によれば、異物が存在する部分と異物が存在しない部分とが明確に判別される。異物像の輪郭部分は、光の回り込みが発生するため、輪郭部分に対応する画素の輝度ばらつきVBが分散する。このため、輪郭部分には、輝度ばらつきVBが小さい画素と、輝度ばらつきVBが大きい画素とが存在する。このため、2値化処理された画像において異物の輪郭に対応する部分は凹凸のある境界となる。
以上のようにして、異物検出処理により異物の存否が判定されるが、連続紙Pの材質等により、異物の存否が正確に判定されない場合がある。
凹凸が大きい連続紙P(以下、「凹凸性の連続紙P」という。)は異物が検出されやすく、凹凸が小さい連続紙P(以下、「非凹凸性の連続紙P」という。)は異物が検出されにくい。
例えば、植物繊維または化学繊維により形成された連続紙Pの表面には凹凸があるため、各画素の輝度ばらつきVBは、異物が撮像されている部分の輝度ばらつきVBに比べて、十分に大きい。このため、閾値を所定の値に設定すれば、異物が高精度に検出される。
一方、合成高分子から形成された連続紙Pは、表面の凹凸が小さいため、各画素の輝度ばらつきVBは、異物が撮像されている部分の輝度ばらつきVBに比べて、十分に大きくならない場合がある。このため、異物を精確に判定することができなくなる場合がある。以下、この点を更に説明する。
図11(a)に、凹凸性の連続紙Pの画像から得られた各画素の輝度ばらつきVBのデータを母集合とする度数分布を示す。
図11(b)に、非凹凸性の連続紙Pの画像から得られた各画素の輝度ばらつきVBのデータを母集合とする度数分布を示す。
図11(a)及び図11(b)に示されるように、輝度ばらつきVBの度数分布には2つの山が形成される。すなわち、データは、輝度ばらつきVBが大きい群GBと、輝度ばらつきVBが小さい群GSとに判別される。輝度ばらつきVBが大きい群GBは、連続紙Pのテクスチャー像に対応する画素の輝度ばらつきVBに対応し、輝度ばらつきVBが小さい群GSは、連続紙Pの異物像に対応する画素の輝度ばらつきVBに対応する。
図11(a)に示されるように、凹凸性の連続紙Pを用いている場合には、輝度ばらつきVBが大きい群GBと、輝度ばらつきVBが小さい群GSとは、互いに大きく離れている。このため、予め設定された閾値(所定閾値)に基づいて、正確に両者を判別することができる。
一方、図11(b)に示されるように、非凹凸性の連続紙Pを用いている場合には、輝度ばらつきVBが大きい群GBと、輝度ばらつきVBが小さい群GSとは、大きく離れていない。このため、予め設定された閾値(所定閾値)に基づいて両者を判別すると、輝度ばらつきVBが大きい群GBに含まれる画素の一部が、輝度ばらつきVBが小さい画素であると判定されうる。
このようなことから、異物の存否を判定するための閾値は、連続紙Pの表面粗さを考慮して設定されることが好ましい。
例えば、連続紙Pの表面粗さを示す指標として、輝度ばらつきVBの平均値VBaveを用いることができる。
そして、閾値は、この平均値VBaveに所定係数(0よりも大きく、1よりも小さい値)を掛けて得られる値として設定される。このような閾値(相対閾値)によれば、連続紙Pの種類に関係なく、一定の精度で、異物を検出することができる。以下、この点について図12(a)及び図12(b)を参照して説明する。
図12(a)に示す分布は、図11(a)に示す分布と同一である。
図12(b)に示す分布は、図11(b)に示す分布と同一である。
図12(a)及び図12(a)に示される閾値は、輝度ばらつきVBの平均値VBaveに所定係数(図12では0.25)を掛けて得られた値として、設定されている。図12(a)及び図12(b)に示すように、非凹凸性の連続紙Pを用いている場合には、凹凸性の連続紙Pを用いている場合に比べて輝度ばらつきVBの平均値VBaveが小さくなるため、閾値は小さい値に設定されるようになる。このようなことから、連続紙Pの種類に関係なく、一定の精度で、輝度ばらつきVBが大きい群GBと輝度ばらつきVBが小さい群GSとが閾値により略正確に、判別される。
図13を参照して、制御部17が実行する異物検出処理のフローについて説明する。
異物検出処理は、例えば、連続紙Pの先端部が印刷待機位置に位置決めされた時点から印刷開示される時点(最初にインクを噴射する時点)までの期間中に自動的に実行される。
ステップS100において、制御部17は、連続紙Pが搬送中であるか否かを判定する。連続紙Pが停止しているときは、このフローを終了する。連続紙Pが搬送されているとき、次のステップを実行する。連続紙Pが搬送中であるか否かについては、制御部17は、搬送部12の駆動状態に基づいて判定する。
ステップS110において、制御部17は、撮像部20に連続撮像させる。これにより、時系列的に連続した画像が得られる。
ステップS120において、ステップS110において得られた画像に基づいて、各画素について輝度ばらつきVBを算出する。
ステップS130において、ステップS120において得られた各画素の輝度ばらつきVBに基づいて、輝度ばらつきVBの平均値VBaveを算出する。
ステップS140において、ステップS130において得られた輝度ばらつきVBの平均値VBaveに基づいて閾値を設定する。例えば、平均値VBaveに所定係数(0よりも大きく、1よりも小さい値)を掛けて得られる値が、閾値に設定される。
ステップS150において、各画素について2値化処理する。すなわち、各画素について、輝度ばらつきVBが閾値以下であるか否かを判定することにより、各画素を2値化(「0」または「1」)する。
ステップS160において、制御部17は、2値化処理された画像データに基づいて、異物面積及び異物長さ(異物のX軸方向の長さLX及び異物のY軸方向の長さLY)を算出する。例えば、2値化処理された画像データをラべリング処理により異物面積及び異物長さを算出する。
ステップS170において、(A)異物面積が設定面積以上であるか、(B)異物のX軸方向の長さLXが設定長さ以上であるか、(C)異物のY軸方向の長さLXが設定長さ以上であるか、を判定する。そして、(A)〜(C)条件のうちのいずれか一つでも満たす場合、異物が存在すると判定する。
異物が存在すると判定したときには、次のステップS180において搬送部12に連続紙Pの搬送を停止させる。更に、制御部17は、次のステップS190において、報知装置16を介して異物が存在していることを報知する。例えば、異物が存在することを示す警告灯を点灯させる。一方、上記(A)〜(C)条件の全部を満たさない場合は、制御部17はこのフローを終了する。
図14に、報知装置16の一例を示す。
報知装置16は、印刷を中断させるための第1ボタン16aと、印刷の中断を解除するための第2ボタン16bと、印刷を中止させるための第3ボタン16cと、印刷を再開させるための第4ボタン16dと、異物の存在を表示する表示部16eとを有する。
異物検出処理は、連続紙Pの搬送中に実行される。このため、異物が存在するとの判定に基づいて連続紙Pが停止したときには、保護透明板21は連続紙Pに覆われた状態になる。保護透明板21から異物を除去するためには、連続紙Pを移動させる必要がある。このため、印刷を一旦中断させることが必要となる。印刷を中断させるための指令ボタンが、第1ボタン16aである。その後、保護透明板21から異物を除去した後、印刷を開始させるときは、印刷中断状態を解除する。この時に用いられるボタンが第2ボタン16bである。
保護透明板21に付着した異物が除去しにくい場合もある。このような場合に、使用者は印刷を中止することもある。印刷を中止させるための指令ボタンが第3ボタン16cである。
異物が存在すると制御部17が判定したとしても、印刷精度に影響がないと使用者が判断する場合がある。または、印刷精度が低くなっても支障がない場合もある。このような場合において印刷を再開させるためのボタンが第4ボタン16dである。
各ボタン16a〜16d及び表示部16eの機能を説明する。
第1ボタン16aは、押圧操作により、印刷を中断するための印刷中断指令を出力する。
第2ボタン16bは、押圧操作により、印刷中断状態を解除させるための中断解除指令を出力する。
第3ボタン16cは、押圧操作により、印刷を中止させるための印刷中止指令を出力する。
第4ボタン16dは、押圧操作により、印刷を再開させるための印刷再開指令を出力する。
表示部16eは、制御部17から出力される異物検出信号(異物が存在することを示す信号)に基づいて点灯する。
なお、第1ボタン16a〜第4ボタン16d及び表示部16eをタッチパネルにより構成することもできる。
図15を参照して、制御部17が実行する回復処理のフローについて説明する。
回復処理は、異物検出処理により異物が存在すると判定されて連続紙Pの搬送が停止したときに実行される。すなわち、制御部17は、異物検出処理においてステップS180及びステップS190を実行したときにおいて、何等かの信号を受信したときに、この回復処理を実行する。
ステップS210において、制御部17は印刷再開指令の受信の有無を判定する。制御部17は、印刷再開指令を受信したとき、搬送部12の停止を解除して、印刷を再開させるための印刷再開処理(ステップS220)を実行する。一方、印刷再開指令を受信しないときは次のステップS230を実行する。
ステップS230において、制御部17は印刷中断指令の受信の有無を判定する。
制御部17は、印刷中断指令を受信したとき、ステップS240〜ステップS270を実行する。
ステップS240において、制御部17は、搬送部12に、連続紙Pを印刷待機位置に引き戻させる。
ステップS250において、制御部17は、指令信号の受信を待つ受信待機状態になる。所定時間の経過後、ステップS260において制御部17は中断解除指令の受信の有無を判定する。中断解除指令を受信しないときは、ステップS250に戻って受信待機状態になる。一方、制御部17は、中断解除指令を受信するとき、ステップS270において印刷を開始する印刷開始処理を実行する。
ステップS230において、制御部17は、印刷中断指令を受信しないとき、次のステップS240を実行する。ステップS280において、制御部17は、印刷中止指令の受信の有無を判定する。このとき、印刷中止指令を受信しないときは、この回復処理のフローを終了する。一方、制御部17は、印刷中止指令を受信するとき、ステップS290において印刷を中止する印刷中止処理を実行する。
以下、本実施形態の効果を説明する。
(1)上記実施形態では、制御部17は、搬送中の連続紙Pを撮像部20に異なるタイミングで撮像させることにより、複数の画像を取得する。そして、制御部17は、各画素について画像それぞれにおける輝度を取得して、各画素の輝度ばらつきVBを算出し、各画素について輝度ばらつきVBが閾値以下であるか否かを判定し、この判定結果に基づいて異物の存否を判定する。
上記構成では、異物像に対応する画素の輝度ばらつきVBが連続紙Pに対応する画素の輝度ばらつきVBに比べて小さい値になるという現象に基づいて、各画素について輝度ばらつきVBを算出し、各画素の輝度ばらつきVBが閾値以下であるか否かを判定する。このため、異物の存否を判定することができる。
(2)上記実施形態において、制御部17は、輝度ばらつきVBが閾値以下である画素の連続個数を求め、連続個数が設定個数以上であるとき異物が存在すると判定する。これにより、所定大きさ以上の異物を検出することができる。
(3)上記実施形態において、制御部17は、輝度ばらつきVBの平均値に基づいて閾値を設定する。
この構成によれば、連続紙Pの種類に関係なく、異物の存否を精確に判定することができる。
(4)上記実施形態において、制御部17は、連続紙Pが媒体支持部13に搬送された後(印刷待機位置への移動後)であって、且つ、連続紙Pにインク(液体)が噴射される前(印刷前)に、上記異物検出処理を実行する。すなわち、印刷待機位置への移動後、かつ印刷前に、各画素について輝度ばらつきVBが閾値以下であるか否かを判定し、この判定結果に基づいて異物の存否を判定し、判定結果を報知する。
連続紙Pにインクを噴射した後に、異物の存否についての判定結果を報知したとすると、インクまたは連続紙Pに無駄が生じる場合がある。この点、上記構成によれば、連続紙Pにインクが噴射される前に、異物検出処理を実行するため、インク及び連続紙Pの無駄を抑制することができる。
ところで、異物の存否を判定することから判定結果を報知するまでの一連の処理を、印刷実行時とは異なる時期に実行させることができる。しかし、この場合、使用者に別の手間を強いることになる。この点、上記構成では、印刷処理の実行中に異物の存否を判定することから、使用者の手間を増大させることもない。
(5)上記実施形態では、制御部17は、異物が存在すると判定するとき、一旦、連続紙Pの搬送を停止し、制御部17は待機状態になるが、この構成に代えて、次のように構成してもよい。
制御部17は、異物が存在すると判定するとき、連続紙Pを搬送方向と逆方向に搬送し(すなわち、連続紙Pを引き戻し)、異物が存在することを報知する。
この構成では、異物が存在すると判定すると、自動的に、連続紙Pを搬送方向とは逆方向に搬送することにより、撮像部20の保護透明板21が視認することができるようにするため、使用者の手間を軽減することができる。
(6)上記実施形態に示す異物検出方法は、少なくとも次の3つの工程を含む。
第1の工程では、搬送中の連続紙Pを異なるタイミングで撮像し、複数の画像を取得する(ステップS110)。
第2の工程では、各画素について画像それぞれにおける輝度を取得して、各画素について輝度ばらつきVBを算出する(ステップS120)。
第3の工程では、各画素について輝度ばらつきVBが閾値以下であるか否かを判定し、この判定結果に基づいて異物の存否を判定する(ステップS150及びステップS160)。
このような異物検出方法によれば、異なるタイミングで撮像された複数の画像に対応した各画素について輝度ばらつきVBを算出し、各画素について輝度ばらつきVBが閾値以下であるか否かを判定するため、異物の存否を判定することができる。
(7)上記実施形態では、異物検出方法において、輝度ばらつきVBが閾値以下である画素の連続個数を求め、連続個数が設定個数以上であるとき異物が存在すると判定する。この構成によれば、所定大きさ以上の異物を検出することができる。
(8)上記実施形態では、異物検出方法において、輝度ばらつきVBの平均値VBaveに基づいて閾値に設定する。
この構成によれば、連続紙Pの種類に関係なく、異物の存否を精確に判定することができる。
(変形例)
なお、実施態様は上記に示した態様に限られるものではなく、これを例えば以下に示すように変更して実施することもできる。
・上記実施形態では、ステップS170において、異物の存否を判定する際に、3つの条件を用いて、少なくとも1つの条件を満たす場合に、異物が存在すると判定するが、異物の判定条件はこれに限定されない。
・例えば、異物の存否を判定する条件として、上記3つの条件のいずれか一つだけを用いて判定してもよい。
また、異物の存否を判定する条件として、上記3つの条件の2つの条件を用いて判定してもよい。この場合、2つの条件のいずれか一方の条件を満たす場合に異物が存在すると判定してもよいし、両条件を満たす場合に異物が存在すると判定してもよい。
・上記実施形態では、異物の存否を判定する際に、異物の大きさに関するパラメータを考慮するが、これ以外のパラメータを考慮してもよい。
保護透明板21において端縁付近に存在する異物は、連続紙Pの移動量の算出の際に殆ど問題とならない。これは次の理由による。
基準領域BAは、画像の幅方向(連続紙Pの移動方向に垂直に交差する方向)の中間に配置されること、及び単位移動量Δyが画像の縦方向長さよりも短くなるように撮像タイミングが設定されていることから、画像の端縁付近に、テンプレートTPと類似する部分が検出される可能性が低い。
そこで、この点を考慮して、次のように異物の存否を判定してもよい。
制御部17は、上記ステップS110〜ステップS170の処理において異物が存在すると判定するとき、この異物が、画像において予め設定された中央部以外の領域に配置されているときは、異物が存在しないと判定する。このような処理によれば、異物に起因する印刷停止の頻度を抑制することができる。
・上記実施形態の報知装置16は上記実施形態に示したものに限定されない。例えば、報知装置16はPC(personal computer)等の情報処理装置により構成されうる。
・上記実施形態では、連続紙Pを媒体として用いるインクジェット式プリンターについて本技術を適用しているが、本技術は、媒体の形態に関係なく適用される。
11…プリンター、12…搬送部、12a…給紙部、12b…排紙部、12c…搬送ローラー、13…媒体支持部、13s…内部空間、14…プラテン、14a…吸引孔、15…噴射部、16…報知装置、16a…第1ボタン、16b…第2ボタン、16c…第3ボタン、16d…第4ボタン、16e…表示部、17…制御部、20…撮像部、21…保護透明板、22…発光部、23…対物レンズ、24…投影レンズ、25…撮像素子、26…筐体、27…蓋体、27a…窓、28…鏡筒、29…底部。

Claims (8)

  1. 媒体を搬送する搬送部と、
    前記搬送部により搬送された前記媒体に液体を噴射する噴射部と、
    前記媒体を支持する媒体支持部と、
    前記媒体支持部に設けられ、前記媒体を撮像する撮像部と、
    前記搬送部による前記媒体の搬送を制御する制御部とを備え、
    前記制御部は、前記搬送部が搬送中の前記媒体を前記撮像部に異なるタイミングで撮像させて複数の画像を取得し、取得した画像中の画素について前記複数の画像それぞれにおける輝度を取得して前記複数の画像に対応した各画素の輝度ばらつきを算出し、前記各画素について輝度ばらつきが閾値以下であるか否かを判定し、判定した結果に基づいて異物の存否を判定する
    液体噴射装置。
  2. 前記制御部は、前記輝度ばらつきが前記閾値以下である画素の連続個数を求め、前記連続個数が設定個数以上であるとき異物が存在すると判定する
    請求項1に記載の液体噴射装置。
  3. 前記制御部は、前記輝度ばらつきの平均値に基づいて前記閾値を設定する
    請求項1または請求項2に記載の液体噴射装置。
  4. 前記制御部は、前記媒体が前記媒体支持部に搬送された後であって、且つ、前記媒体に液体が噴射される前に、複数の画像に対応した各画素について前記輝度ばらつきが閾値以下であるか否かを判定すること、判定した結果に基づいて異物の存否を判定すること、及び判定した結果を報知することを行う
    請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の液体噴射装置。
  5. 上記液体噴射装置において、前記制御部は、異物が存在すると判定するとき、前記媒体を搬送方向と逆方向に搬送し、異物が存在することを報知する
    請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の液体噴射装置。
  6. 媒体を搬送する搬送部と、前記搬送部により搬送された前記媒体に液体を噴射する噴射部と、前記媒体を支持する媒体支持部と、前記媒体支持部に設けられ、前記媒体を撮像する撮像部と、前記搬送部による搬送を制御する制御部とを備える液体噴射装置において、前記媒体と前記撮像部との間に存在する異物を検出する異物検出方法であって、
    搬送中の前記媒体を異なるタイミングで撮像し、複数の画像を取得する工程と、
    取得した画像中の画素について前記複数の画像それぞれにおける輝度を取得して、前記複数の画像に対応した各画素の輝度ばらつきを算出する工程と、
    前記各画素について輝度ばらつきが閾値以下であるか否かを判定し、判定した結果に基づいて異物の存否を判定する工程とを含む
    異物検出方法。
  7. 前記輝度ばらつきが前記閾値以下である画素の連続個数を求め、前記連続個数が設定個数以上であるとき異物が存在すると判定する
    請求項6に記載の異物検出方法。
  8. 上記異物検出方法において、前記輝度ばらつきの平均値に基づいて前記閾値を設定する
    請求項6または請求項7に記載の異物検出方法。
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