JP2015191634A - 積層体、該積層体を用いたタッチパネル及び積層体の製造方法 - Google Patents

積層体、該積層体を用いたタッチパネル及び積層体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】パターニングされた透明導電層に対しさらに熱処理を施した場合において、ウォッシュボードリップルの発生を抑制するとともに、屈曲時等によるクラックの発生を抑制した積層体を提供する。
【解決手段】透明基材(2)の片面又は両面に透明層(3a、3b)を有する基体(5)上に、パターニングされた透明導電層(6’)を有してなる積層体であって、該基体(5)の130℃における貯蔵弾性率Ec(N/m2)と該基体(5)の厚みd(m)を乗じることで得られるEt(N/m)が、4.0×104≦Et≦10.5×104である、積層体。
【選択図】図1

Description

本発明は、積層体、該積層体を用いたタッチパネル及び積層体の製造方法に関する。
タブレット型PCならびにスマートフォンに代表される双方向の通信機能を備え、かつ情報表示ならびに情報入力用の透明タッチパネルを搭載したモバイル型の情報端末機器が、世界中で広く普及してきている。
透明タッチパネルとしては、コスト的に優れた抵抗膜方式があるが、マルチタッチ等のジェスチャー操作、透過率向上による表示デバイスの画質維持が可能である等の点で、情報端末機器の爆発的な普及もトリガーとなり、静電容量方式のタッチパネル、特に、投影型静電容量方式のタッチパネルの需要が拡大してきている。
投影型静電容量方式のタッチパネルの基本構造は、通常、透明なプラスチックのパネル基材上の両面に、マルチタッチ機能(多点検出;複数のタッチ位置を同時検出する)を付与するため、各面の所定の位置に所定のパターン(ライン&スペース等)を有するITO(酸化インジウムスズ)等からなる透明導電層が積層されたものであり、液晶表示デバイス、有機EL表示デバイス等の前面に配置され使用されている。
近年、端末機器のさらなる軽量化ならびに薄型化等に伴う透明基材の厚みの低減化、かつ表示画素の高精細化ならびにタッチ検出精度の高精度化に伴うITO層等の透明導電層のパターンの高精細化ならびに多様化等の要求もでてきている。
このような中、上記タッチパネル等に用いられる透明導電性フィルムの透明導電層には、低消費電力、高速応答性、視認性等の観点から、主として低表面抵抗率、高透明性、色味の抑制等が要求されている。
透明導電性フィルムは、ポリエチレンテレフタレートフィルム等の透明基材及び硬化層等からなる基体上に、ITO層等の透明導電層を有する基本構成からなる。このような透明導電性フィルムは、透明導電層を高温で結晶化する工程や、透明導電層を成膜した後に銀ペースト(取り出し電極)を高温で焼結する工程において、基体と透明導電層との熱膨張率差又は熱収縮率差を起因として、基体から透明導電層が剥がれたり、透明導電層表面に微細なクラック等が生じる場合がある。
特許文献1には、上記問題を解消するために、透明導電層を成膜する前に、ポリエチレンテレフタレートフィルムにあらかじめ加熱処理を施し、該ポリエチレンテレフタレートフィルムの熱収縮率(長手方向MD及び横手方向TDの収縮率)を0.5%程度に低減させておく旨の技術が開示されている。
特開2007−133839号公報 特開2013−89181号公報
特許文献1の実施例では、基体の上に成膜した透明導電層はパターニングせず、ベタ層(膜)を用いて行っており、該透明導電層の表面積と該基体の表面積との比は1:1の関係である。
しかし、近年、タッチパネルの主流が抵抗膜式から静電容量式に切り替わったことに伴い、透明導電層はパターニングされることが多くなり、また、表示素子の高精細化に伴い、透明導電層のパターニングも高精細化しているところ、特許文献1では、このように透明導電層をパターニングした場合に、基体とパターニングされた透明導電層との間で、どのような相互作用(熱応力による歪み等)が生じるのか、全く検討がなされていなかった。
さらに、前述したように、透明基材の厚みの低減化の要求があるなかで、特許文献1のように、たとえポリエチレンテレフタレートフィルムの熱収縮率を0.5%以下に低減させておいたとしても、上述の問題(透明導電層を高温で結晶化する工程や、透明導電層を成膜した後に取り出し電極を高温で焼結する工程において、基体から透明導電層が剥がれたり、透明導電層表面に微細なクラック等が生じる問題)は解消するものの新たな問題が生じた。
上記の新たな問題として、透明導電層をパターニングした直後に透明導電層表面にうねりが生じる現象が挙げられる。
該うねりの問題は、特許文献2のように、透明基材の反対側の面に補強基材を貼り合わせることにより解消し得る。しかし、補強基材を貼り合わせた場合、全体の重量及び厚みが増し、近年求められている軽量化及び薄型化の流れに逆行してしまう。
さらに、上記の新たな問題として、パターニングした透明導電層に対して高温長時間の熱処理(透明導電層の結晶化あるいは取り出し電極の焼成)を行った際に、前述したうねりとは異なる、洗濯板のようなさざ波状の凹凸面(以下、ウォッシュボードリップル又はWBRと称することがある。)が発生する現象が挙げられる。該ウォッシュボードリップルは、特許文献2のように補強基材を貼り合せても解消できない場合がある。そして、該ウォッシュボードリップルは、外観性状の低下はもとより、後の工程において、例えばタッチパネルを構成するカバーガラス等と貼り合わせる際に気泡を巻き込む等の新たな問題を生じてしまう。
また、上述したうねりやウォッシュボードリップルを防止するために、単に基体の強度を高くした場合、屈曲等により容易にクラックを生じてしまう。
本発明は、上記問題点に鑑み、パターニングされた透明導電層に対しさらに高温長時間の熱処理を施した場合において、ウォッシュボードリップルの発生を抑制するとともに、屈曲時等によるクラックの発生を抑制した積層体及びその製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は、以下の[1]〜[11]の積層体、該積層体を用いたタッチパネル及び積層体の製造方法を提供する。
[1]透明基材の片面又は両面に透明層を有する基体上に、パターニングされた透明導電層を有してなる積層体であって、該基体の130℃における貯蔵弾性率Ec(N/m2)と該基体の厚みd(m)を乗じることで得られるEt(N/m)が、4.0×104≦Et≦10.5×104である、積層体。
[2]前記透明層の貯蔵弾性率が、前記透明基材の貯蔵弾性率より大きい、上記[1]に記載の積層体。
[3]前記透明基材の厚みをdS(m)、前記透明層の厚みをdL(m)とした場合、下記の関係を満たす、上記[1]又は[2]に記載の積層体。
0.005≦dL/(dS+dL)≦0.7
[4]前記透明基材の厚みが15〜125μm、前記透明層の総厚みが2.0〜24μmである、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の積層体。
[5]前記基体がさらに光学調整層を有する、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の積層体。
[6]前記基体が、前記透明基材上に前記透明層及び前記光学調整層を有してなり、該光学調整層上に前記パターニングされた透明導電層を有する上記[5]に記載の積層体。
[7]前記光学調整層が高屈折率層と低屈折率層とからなり、該高屈折率層の屈折率が1.55〜1.75であり、該低屈折率層の屈折率が1.30〜1.55である、上記[5]又は[6]に記載の積層体。
[8]前記透明層がハードコート層である、上記[1]〜[7]のいずれかに記載の積層体。
[9]上記[1]〜[8]のいずれかに記載の積層体を構成部材として有するタッチパネル。
[10]前記積層体が、前記透明基材上に前記ハードコート層及び前記光学調整層を有してなり、該光学調整層上に前記パターニングされた透明導電層を有してなる上記[9]に記載のタッチパネル。
[11]透明基材の片面又は両面に透明層を有する基体上に、パターニングされた透明導電層を有してなる積層体を製造する方法であって、
該基体の130℃における貯蔵弾性率Ec(N/m2)と該基体の厚みd(m)を乗じることで得られるEt(N/m)が4.0×104≦Et≦10.5×104となるように、該透明基材上に、該透明層を形成する基体形成工程、該基体上に透明導電層を形成する透明導電層形成工程、該透明導電層をパターニングするパターン形成工程、透明導電層を加熱し結晶化させる結晶化工程を含む、積層体の製造方法。
本発明の積層体及び積層体の製造方法は、パターニングされた透明導電層に対しさらに高温長時間の熱処理を施した場合において、ウォッシュボードリップルの発生を抑制することができる。また、本発明の積層体及び積層体の製造方法は、ウォッシュボードリップルの発生を抑制できるため、タッチパネルを構成するカバーガラス等との貼り合わせ時に気泡の巻き込みがなく、外観性状及び視認性を良好にすることができる。さらに本発明の積層体及び積層体の製造方法は、屈曲時等にクラックが生じることを抑制できる。
本発明の積層体の一例を示し、(a)は積層体の構成を示し、上側が平面図、下側が断面図であり、(b)は透明導電層をパターニングした後の平面図及び断面図であり、(c)は取り出し電極として銀ペーストをパターン印刷した後の平面図及び断面図であり、(d)は銀ペーストを焼成した後の平面図及び断面図である。 本発明に用いる透明導電層のパターンの一例を示す平面図である。
[積層体]
本発明の積層体は、透明基材の片面又は両面に透明層を有する基体上に、パターニングされた透明導電層を有してなる積層体であって、該基体の130℃における貯蔵弾性率Ec(N/m2)と該基体の厚みd(m)を乗じることで得られるEt(N/m)が、4.0×104≦Et≦10.5×104である、積層体である。
上記条件は、積層体を構成する透明基材のMD方向で満たしていることが好ましく、積層体の全方向で満たしていることがより好ましい。なお、MD方向とは透明基材の延伸倍率が最も大きい方向のことを言う。
なお、基体上に成膜した結晶化させていない透明導電層を有する積層体を、以下、積層体前駆体ということがある。
本発明では、基体の130℃における貯蔵弾性率Ec(N/m2)と該基体の厚みd(m)を乗じることで得られるEt(N/m)を特定の範囲に制御することにより、透明基材と、該基体上のパターニングされた透明導電層との、熱処理時の熱応力を含む機械的な相互作用を緩和し、パターニング後の高温長時間の熱処理によるウォッシュボードリップルの発生を抑制することができる。なお、本発明では、透明導電層のパターニング直後のうねりも抑制できる。該うねりが生じる理由は不明であるが、透明導電層のエッチング時のエッチング液による影響や、透明導電層の存在箇所と不存在箇所との応力バランスが崩れることが原因であると考えられる。また、該うねりが生じない場合でもウォッシュボードリップルが発生する場合があり、ウォッシュボードリップルを抑制できる本発明は極めて有用である。
図1において、(a)は積層体前駆体の一例を示し、該積層体前駆体1(透明導電層:パターン無し;ベタ膜)は、透明基材2と、透明基材2の両面に積層される透明層3a、3bと、該透明層3a上に積層される光学調整層4とからなる基体5と、該基体5に透明導電層6とが積層されたものである。また、(d)は本発明の積層体の透明導電層のパターニング後の一例を示し、積層体11(透明導電層:パターン有り)では、透明導電層パターン6’、銀ペースト等により印刷された焼成後の取り出し電極パターン7’及び焼成後の取り出し電極端子部8’が付与された構成となっている。
<基体>
本発明の基体は、透明基材の片面又は両面に透明層を有し、必要に応じて後述する光学調整層等の機能層を含む。
〈透明基材〉
透明基材としては、光透過性、平滑性、耐熱性を備え、機械的強度に優れたものであることが好ましい。このような透明基材としては、ポリエステル、トリアセチルセルロース(TAC)、セルロースジアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセタール、ポリエーテルケトン、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、ポリウレタン及び非晶質オレフィン(Cyclo−Olefin−Polymer:COP)等のプラスチックフィルムが挙げられる。透明基材は、2枚以上のプラスチックフィルムを貼り合わせたものであってもよい。
これらプラスチックフィルムの中でも、延伸加工、特に二軸延伸加工されたポリエステル、例えば、機械特性、寸法安定性、耐薬品性、透明性等の観点からポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレートが好ましい。
なお、ポリエチレンナフタレートは屈折率の異方性が大きいので、延伸により高リタデーションにできる(偏光サングラスへの対応)。また、ポリエチレンテレフタレートは、高い透明性が安定的に得られ、例えば、隣接して積層される透明層の一つであるハードコート層との屈折率差が小さく界面の影響が出にくい等の特徴を有する。
また、透明基材の表面には、接着性向上のために、コロナ放電処理、酸化処理等の物理的な処理の他、アンカー剤又はプライマーと呼ばれる塗料の塗布を予め行ってもよい。
透明基材の製造方法は、特に制限されないが、通常、溶融押し出し法等の公知の方法で製造することができる。耐熱性、透明性、機械的強度、表面の平滑性等の観点から、二軸延伸により製造された透明基材(特にPETフィルム)が好ましい。
二軸延伸の方法としては、未延伸の透明基材を長手方向(流れ方向)あるいは横手方向(流れ方向に対し垂直方向)に延伸し、続いて先のいずれかの延伸方向と直行する方向の延伸を行う逐次二軸延伸や、長手方向、横手方向に一度に延伸する同時二軸延伸があるが、本発明においては、特に制限されず、どちらの二軸延伸で製造された透明基材でも使用することができる。
二軸延伸フィルムは、上述したように、長手方向及び横手方向に延伸され製造されるため、延伸時の残留応力等により、加熱時に大きく収縮してしまう傾向にある。このため、例えば、二軸延伸PETフィルムを基材として使用する際には、予め所定の熱処理を行い、収縮率を0.7%以下に低減して使用することが好ましい。
本発明で用いる透明基材の厚みは、10〜200μmであることが好ましく、より好ましくは15〜125μm、さらに好ましくは20〜70μmである。透明基材が、10μm未満であると、支持体として強度不足となったり、製造時のハンドリング等に支障をきたす場合がある。また、200μmを超えると、材料コストが増大したり、製品として用いた時に、デバイスの薄型化、軽量化に係る効果が薄れてしまう。
また、透明基材が上記のような薄い厚みの範囲にあるものを用いる場合には、前述したように、透明導電層のパターニング後の高温長時間の熱処理時(例えば、125〜160℃で10〜60分間)に、積層体の基体上にパターニングされた透明導電層にウォッシュボードリップルが発生してしまう。しかし、後述する透明基材の貯蔵弾性率より大きな貯蔵弾性率を有する透明層を積層し、得られた基体の130℃における貯蔵弾性率Ec(N/m2)と該基体の厚みd(m)を乗じることで得られるEt(N/m)を本発明の特定の範囲に制御することにより、パターニングされた透明導電層へのウォッシュボードリップルの発生が阻止できる。
さらに、本発明の積層体の製造工程において、透明基材の厚みが薄いと、ロールの巻き径が小さくとも巻き長さが長大となり、透明導電層の成膜(スパッタ)効率があがる観点から、透明基材の厚みは、上記範囲の中で、薄ければ薄いほど好ましい。
上記により、透明基材の材料コストが減少するとともに、例えば、タッチパネル用の電極板等に用いられた時には、デバイスの薄型化、軽量化に大きく貢献する。
〈透明層〉
透明層は、基体のEtを上述した範囲に調整する役割を有する。
透明層の貯蔵弾性率は、透明基材が有する貯蔵弾性率より大きく、また積層体の屈曲性が確保できる範囲内で大きければ特に制限されない。
透明基材中にオリゴマー成分が残存している場合、透明導電層の結晶化や取り出し電極の焼成の加熱処理の際に、透明基材中からオリゴマーが析出し、白濁を生じるなどして視認性に悪影響を及ぼす場合がある。特に、透明基材がPET等のポリエステル系フィルムの場合にオリゴマーの析出は顕著である。したがって、透明層は、オリゴマーの析出を防止できることが好ましい。
オリゴマーの析出を防止するため、透明層はハードコート層であることが好ましい。また、ハードコート層は、基体の機械的特性(耐摩耗性、耐擦傷性、高鉛筆硬度性等)を向上できる点でも好適である。
ハードコート層としては、基体の130℃における貯蔵弾性率Ec(N/m2)と該基体の厚みd(m)を乗じることで得られるEt(N/m)を本発明の特定の範囲とする観点から、電離放射線硬化性樹脂を含む電離放射線硬化性樹脂組成物から形成することが好ましい。
電離放射線硬化性樹脂としては、例えば、一つ又は二つ以上の不飽和結合を有するアクリレート系化合物を挙げることができる。一つの不飽和結合を有する化合物としては、例えば、エチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン等が挙げられる。また、二つ以上の不飽和結合を有する化合物としては、例えば、ポリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等の多官能化合物、その変成物、及び、これらの多官能化合物と(メタ)アクリレート等との反応生成物(例えば、多価アルコールのポリ(メタ)アクリレートエステル)、等を挙げることができる。なお、本明細書において、(メタ)アクリレートは、メタクリレート及びアクリレートを意味するものである。
上記化合物のほかに、不飽和二重結合を有する比較的低分子量のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリブタジエン樹脂等も上記電離放射線硬化性樹脂として使用することができる。
上記の電離放射線硬化性樹脂の中でも、ハードコート層を極端に厚くすることなく、該基体の130℃における貯蔵弾性率Ec(N/m2)、及び該貯蔵弾性率Ec(N/m2)と該基体の厚みd(m)を乗じることで得られるEt(N/m)を本発明の範囲内にしやすいという観点から、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートが好ましい。
上記電離放射線硬化性樹脂は、単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
なお、基体の130℃における貯蔵弾性率Ec(N/m2)、及び貯蔵弾性率Ec(N/m2)と基体の厚みd(m)を乗じることで得られるEt(N/m)が高すぎる場合、電離放射線硬化性組成物にソフト成分を混合して、Ec及びEtを制御できる。なお、ソフト成分の配合は、カールの発生や層の脆さを防止することができる。
ソフト成分としては、例えば、ウレタンアクリレートオリゴマー、アクリルポリマー等が挙げられる。
上記の電離放射線硬化性樹脂組成物を構成する樹脂成分は、各成分をそれぞれ複数併用した樹脂としてもよい。
電離放射線硬化性樹脂組成物の調製に用いる溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、又はエチレングリコール等のアルコール類、アセトン、又はメチルエチルケトン等のケトン類、トルエン、又はキシレン等の芳香族炭化水素、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、カルビトール、又はプロピレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート等の酢酸エステル等を適宜使用することができる。
電離放射線硬化性樹脂が電子線硬化性ではなく光硬化性の場合、電離放射線硬化性樹脂組成物には光重合開始剤を添加する。
光重合開始剤としては、特に限定されないが、例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミノキシムエステル、テトラメチルチウラムモノサルファイド、チオキサントン類等が挙げられる。
光重合開始剤の含有量は特に限定されないが、電離放射線硬化性樹脂組成物中の1〜10質量%が好ましく、3〜7質量%がより好ましい。
ハードコート層は、透明基材の片面に形成されていても、両面に形成されていてもよい。また、ハードコート層が、透明基材の両面に形成される場合、形成材料としては、同じであっても、異なっていてもよい。製造効率、コスト、性能の観点から、同一材料で形成することが好ましい。
ハードコート層に代表される透明層が、透明基材の片面に形成され、透明基材の厚みが15〜125μm(好ましくは20〜70μm)である場合(例えば、図1の(a)における3aのみの場合)、透明層の厚みは、好ましくは2〜12μm、より好ましくは4〜12μm、さらに好ましくは8〜12μmである。透明層の厚みが、2μm以上であれば、Et(N/m)を本発明の範囲に制御しやすくでき、12μm以下であれば、屈曲性の低下によるクラックや剥離の発生を防ぎやすくすることができる。また、透明層の厚みがこの範囲にあれば、基体の130℃における貯蔵弾性率Ec(N/m2)と該基体の厚みd(m)を乗じることで得られるEt(N/m)を本発明の範囲に容易に制御できる。
ハードコート層に代表される透明層が、厚み15〜125μm(好ましくは20〜70μm)の透明基材の両面に形成され、透明層の形成材料が同一の場合(例えば、図1の(a)における3a、3bの場合)、透明層の総厚みは、好ましくは2〜24μm、より好ましくは4〜24μm、さらに好ましくは8〜24μmである。両面に形成される透明層のそれぞれ各面上での厚みは、上記総厚みの範囲内で、積層体のカールの発生の影響が少なく、かつ透明層が有する、透明基材からのオリゴマー成分の析出抑制を確保できる範囲で、適宜調整すればよく、それらの厚みは同じであっても、異なっていてもよい。透明導電層が配置される側の一方の透明基材の面上の透明層の厚みが1〜12μm、かつ透明導電層が配置されない側の他方の透明基材の面上の透明層の厚みが1〜12μmが好ましく、より好ましくは、該一方の透明基材の面上の厚みが2〜12μm、かつ該他方の透明基材の面上の厚みが2〜12μmである。透明層の厚みがこの範囲にあれば、基体の130℃における貯蔵弾性率Ec(N/m2)と該基体の厚みd(m)を乗じることで得られるEt(N/m)を本発明の範囲に容易に制御でき、かつ屈曲性の低下によるクラックや剥離の発生がない。
上記で、透明層の形成材料が両面間で異なる場合は、総厚み及び各面でのそれぞれの厚みを適宜調整することにより、基体の130℃における貯蔵弾性率Ec(N/m2)と該基体の厚みd(m)を乗じることで得られるEt(N/m)を本発明の範囲とすることができる。
透明基材の厚みが本発明の範囲で、かつハードコート層に代表される透明層の厚みが上記の範囲にあれば、透明基材上に透明層を積層して基体とした時に、基体の130℃における貯蔵弾性率Ec(N/m2)と該基体の厚みd(m)を乗じることで得られるEt(N/m)を容易に制御できる。
これにより、パターニングされた透明導電層に高温の熱処理工程を有していても、ウォッシュボードリップルの発生を阻止することができる。
本発明において、基体の130℃における貯蔵弾性率Ec(N/m2)と該基体の厚みd(m)を乗じることで得られるEt(N/m)は、4.0×104≦Et≦10.5×104である。Et(N/m)は4.1×104〜10.3×104が好ましく、6.0×104〜10.2×104がより好ましい。
Etが4.0×104(N/m)未満であると、該基体が塑性変形しやすくなる傾向となり、加熱工程時に発生する応力によって容易に変形し、パターニングされた透明導電層にウォッシュボードリップルが発生する。Etが10.5×104(N/m)を超えると、パターニングされた透明導電層と基体との応力バランスが保ちやすい傾向となり、ウォッシュボードリップルをより抑制できるが、屈曲性が低下するため、タッチパネル等に使用した時には、多数回のタッチ操作により、透明層にクラックが入ったり、剥離しやすくなる。Etが上記の範囲にあると、該基体とパターニングされた透明導電層との熱処理時の熱応力を含む機械的な相互作用が緩和され、パターニングされた透明導電層にウォッシュボードリップルが発生することがなく、同時に屈曲性が保たれる。
基体の貯蔵弾性率Ecは、後述する実施例で記載するが、動的粘弾性測定装置(UBM社製、装置名:Rheogel−E4000)を用いて測定した。
なお、基体の150℃における貯蔵弾性率Ec150(N/m2)と該基体の厚みd(m)を乗じることで得られるEt150(N/m)は、2.5×104〜10.0×104が好ましく、3.0×104〜9.0×104がより好く、4.5×104〜9.0×104がさらに好ましい。
また、本発明の効果を得やすくする観点から、透明層の130℃における貯蔵弾性率Ec(N/m2)と、透明基材の130℃における貯蔵弾性率Ec(N/m2)との比[透明層の130℃における貯蔵弾性率/透明基材の130℃における貯蔵弾性率]は、2.0〜5.0であることが好ましく、2.5〜4.5であることがより好ましい。
透明層のx℃の貯蔵弾性率は、基体が透明基材及び透明層からなる場合、以下の式で近似できる。なお、以下の式の「透明層の厚み」は、透明層が2層の場合は、透明層の合計厚みである。
透明層のx℃貯蔵弾性率=(基体のx℃貯蔵弾性率×基体の厚み−透明基材のx℃貯蔵弾性率×透明基材の厚み)/透明層の厚み
さらに、本発明の効果を得やすくする観点から、透明層の150℃における貯蔵弾性率Ec(N/m2)と、透明層の130℃における貯蔵弾性率Ec(N/m2)との比[透明層の150℃における貯蔵弾性率/透明層の130℃における貯蔵弾性率]は、0.80以上であることが好ましく、0.85以上であることがより好ましい。
基体の透明基材の厚みをdS(m)、前記透明層の厚み(両面に形成する場合は、総厚み)をdL(m)とした場合、0.005≦dL/(dS+dL)≦0.700、を満たすことが好ましい。薄い透明基材であっても、dL/(dS+dL)の値が、0.005以上であると、Etの確保が容易であり、0.700以下であれば、屈曲性が保たれる。dL/(dS+dL)は0.030以上0.500以下であることがより好ましく、0.100以上0.350以下であることがさらに好ましい。
なお、透明層の厚みは、断面を電子顕微鏡(SEM、TEM)等で観察することにより得られた値である。
また、透明層の屈折率は、干渉縞防止の観点から、透明基材、又は透明基材上に必要に応じて形成するプライマー層等との屈折率差を0.15以内とすることが好ましく、0.10以内とすることがより好ましく、0.08以内とすることがさらに好ましい。ただし、透明層の屈折率が前記条件を満たさなくても、透明基材と透明層との界面を凹凸にしたり、透明基材やプライマー層に透明層の成分を浸透したりすることにより、干渉縞を低減することができる。
<機能層>
基体は、さらに機能層を有していてもよい。機能層としては、特に制限されず、積層体の特性を損なうことがない範囲で用いることができ、例えば、光学調整層が挙げられる。なお、機能層は透明基材上に直接設けてもよい。
〈光学調整層〉
光学調整層は、例えば、透明導電層のパターンを見えづらくするために、透明層と透明導電層との間に設けることができる。また、積層体の透明導電層を有さない側の面に、反射防止性のために光学調整層を設けることができる。
上記光学調整層としては、高屈折率層及び低屈折率層の二層構造、高屈折率層、中屈折率層及び低屈折率層の三層構造、あるいは四層以上の多層構造が挙げられるが、費用対効果の観点から、高屈折率層及び低屈折率層の二層構造が好適である。
低屈折率層を形成する手法としては、ウェット法とドライ法とに大別できる。ウェット法は生産効率の点で優れている。
ウェット法としては、金属アルコキシド等を用いてゾルゲル法により形成する手法、フッ素樹脂のような低屈折率のバインダーを塗工して形成する手法、バインダー樹脂に低屈折率粒子を含有させた組成物を塗工して形成する手法が挙げられる。ドライ法としては、後述する低屈折率粒子の中から所望の屈折率を有する粒子を選び、物理気相成長法又は化学気相成長法により形成する手法が挙げられる。
ゾルゲル法に用いる材料としては、金属アルコキシドが挙げられ、該金属アルコキシドを加水分解並びに縮合重合することにより低屈折率層を形成させる。金属アルコキシドとしては、機械的強度や安定性、透明導電層や基材等との密着性に優れている観点から、チタニウムアルコキシド、ジルコニウムアルコキシド又はアルコキシシランが挙げられ、屈折率の観点からアルコキシシランが好ましく用いられる。
バインダー樹脂として用いる材料としては、電離放射線硬化性樹脂又は熱硬化性樹脂が挙げられる。
電離放射線硬化性樹脂としては、前述したハードコート層に用いるものと同様のものが挙げられる。
熱硬化型樹脂としては、ウレタン系熱硬化性樹脂、メラミン系熱硬化性樹脂、フェノキシ系熱硬化性樹脂、エポキシ系熱硬化性樹脂が挙げられる。これらの中でも、ウレタン系熱硬化性樹脂が靭性を上げ易く、耐久性が良好である観点から好ましく用いられる。
バインダーとして本発明において最も好ましいのは、製造効率がよく、物性や後述する低及び高屈折率微粒子の分散性が良好となる電離放射線硬化型樹脂である。
低屈折率粒子としては、金属フッ化物からなるMgF2、LiF、又はSiO2が挙げられ、耐湿熱安定性の観点からSiO2が好ましく用いられる。
低屈折率粒子の一次粒子径は100nm以下のものを用い、5〜60nmであるものが好ましい。上記範囲であれば、塗膜が白化することなく良好な光学干渉層を形成することができる。なお、添加量は、所望の屈折率に合わせ、適宜調整する。
高屈折率層を形成する手法としては、ウェット法とドライ法とに大別できる。ウェット法は生産効率の点で優れている。
ウェット法としては、低屈折率層と同様、金属アルコキシド等を用いてゾルゲル法により形成する手法、バインダー樹脂に高屈折率粒子を含有させた組成物を塗工して形成する手法が挙げられる。ドライ法としては、後述する高屈折率粒子の中から所望の屈折率を有する材料を選び、物理気相成長法又は化学気相成長法により形成する手法が挙げられる。
ゾルゲル法に用いる材料としては、金属アルコキシドが挙げられ、該金属アルコキシドを加水分解並びに縮合重合することにより高屈折率層を形成させる。金属アルコキシドとしては、機械的強度や安定性、透明導電層や基材等との密着性に優れている観点から、チタニウムアルコキシド又はジルコニウムアルコキシドが挙げられる。これらのなかでも、ジルコニウムアルコキシドが、屈折率の観点から好ましく用いられる。
バインダー樹脂として用いる材料としては、電離放射線硬化性樹脂、熱硬化型樹脂が挙げられ、いずれも低屈折率層で用いたものと同様のものを用いることができる。
高屈折率粒子としては、酸化亜鉛(1.90)、酸化チタン(2.3〜2.7)、酸化セリウム(1.95)、スズドープ酸化インジウム(1.95〜2.00)、アンチモンドープ酸化スズ(1.75〜1.85)、酸化イットリウム(1.87)、酸化ジルコニウム(2.10)などが挙げられ、適度に高い屈折率を有し、耐光性などの耐久安定性が高いという観点から酸化ジルコニウムが好ましく用いられる。上記かっこ内は、各粒子の材料の屈折率を示す。
高屈折率粒子の一次粒子径は100nm以下のものを用い、10〜60nmであるものが好ましい。上記範囲であれば、塗膜が白化することなく良好な光学干渉層を形成することができる。なお、添加量は、所望の屈折率に合わせ、適宜調整する。
高屈折率層は、厚みが200nm以下で、屈折率が1.55〜1.75であることが好ましい。低屈折率層は、厚みが200nm以下で、屈折率は高屈折率層の屈折率よりも低く、1.30〜1.55であることが好ましい。高屈折率層の屈折率は1.58〜1.70であることがより好ましく、低屈折率層の屈折率は1.35〜1.51であることがより好ましい。また、透明導電層のパターンをより見えづらくするために、低屈折率層の厚みが3〜100nm、高屈折率層の厚みが10〜100nmであることがより好ましく、低屈折率層の厚みが10〜40nm、高屈折率層の厚みが10〜70nmであることがさらに好ましい。屈折率及び厚みが上記の範囲にあれば、優れた反射防止効果を有すると同時に、不可視化層としての効果を有する。
〈添加剤〉
上述した透明層、光学調整層中には、本発明の効果を阻害しない範囲で、帯電防止剤、防汚剤、ブロッキング防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤を含有してもよい。
上述した基体は、例えば以下の(A)、(B)が挙げられる。透明層としてはハードコート層が好ましい。光学調整層は、高屈折率層及び低屈折率層の2層構造が好ましい。
(A)透明層/透明基材/透明層/光学調整層
(B)光学調整層/透明層/透明基材/透明層/光学調整層
<透明導電層>
本発明に用いる透明導電層は、本発明の基体上に積層される。必要に応じて、光学特性に影響のない範囲で、基体と透明導電層との間にSiO2等からなる無機層を形成し、製造工程で基体から発生又は析出するガス、オリゴマー成分等を封止してもよい。
本発明で用いる透明導電層としては、特に制限されないが、金属酸化物が挙げられる。この中で、スズドープ酸化インジウム(ITO)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、リンドープ酸化スズ(PTO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、インジウムドープ酸化亜鉛(IZO)が挙げられる。この中で、スズドープ酸化インジウム(ITO)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、インジウムドープ酸化亜鉛(IZO)が好まししい。特に、透明性、導電性がともに優れることから、スズドープ酸化インジウム(ITO)が好ましい。
積層体前駆体の150℃30分間加熱後における長手方向(MD)及び横手方向(TD)の熱収縮率は、いずれも0.7%以下であることが好ましく、より好ましくは0.6%以下であり、さらに好ましくは0.5%以下であり、よりさらに好ましくは0.4%以下である。熱収縮率が上記範囲であれば、高温環境下で、透明導電層の剥がれやクラックの発生を抑制できる。
透明導電層の形成方法としては、スパッタ法、真空蒸着法、イオンプレーティング法等の物理気相成長法、又は化学気相成長法、その他印刷法、塗工法等種々あるが、光学特性、電気特性の観点から物理気相成長法、化学気相成長法が好ましく、特に、化学気相成長法に比べ、より低温度で処理できる物理気相成長法がより好ましい。
通常、スパッタ法で成膜したスズドープ酸化インジウム(ITO)は、非結晶であるが、積層体の耐熱温度の範囲内で、例えば、100〜150℃で加熱することにより、結晶化を進めることができ、加熱時間等を適宜調整することにより、50%以上結晶化させることができる。この結晶化により、ITO層の表面抵抗率を低下させることができる。また同時に、密着強度を向上させたり、貯蔵弾性率を増加させたりすることもできる。
透明導電層は、厚み10〜200nm、屈折率1.90〜3.00で、表面抵抗率が300Ω/□以下、好ましくは150Ω/□以下である。厚み、屈折率及び表面抵抗率が上記範囲であれば、タッチパネルとして用いた場合、高い光透過率、低消費電力及び大面積化された場合においても高速応答性が確保できる。
透明導電層は、パターニングにより所定のパターンを形成して用いる。パターンの形状は、例えば、タッチパネルとして使用する際、所定の位置検出機能が付与でき、かつ視認性の低下が可能な限り最小となるような形状及び配置であれば、特に制限されない。
透明導電層のパターンのピッチは5mm以下であることが好ましく、より好ましくは2mm以下である。パターンのピッチがこの範囲であると、表示画素の高精細化ならびにタッチ検出精度の高精度化に対応でき、また基体の130℃における貯蔵弾性率Ec(N/m2)と該基体の厚みd(m)を乗じることで得られるEt(N/m)を本発明の範囲にすることで、結晶化後のパターニングされた透明導電層に対し、さらに熱処理を施してもウォッシュボードリップルの発生がない。
図2に、本発明に用いる透明導電層のパターンの一例を示す。パターン層100は多数の横方向に電気的に連結されたX電極部111〜116と、多数の縦方向に電気的に連結されたY電極部211〜214とが互いに、透明基材、透明層等の絶縁層を介して交差して配置される。例えば、(i)一枚の透明基材の一方の面にX電極部、他方の面にY電極部を形成すること、(ii)一枚の透明基材にX電極部、別の透明基材にY電極部を形成し、両基材を貼り合わせること、により、絶縁体を介してX電極部及びY電極部が交差される。
投影型静電容量式タッチパネルに用いられるパターンとしては、通常、透明導電層からなる複数の直線状の電極Xと複数の直線状の電極Yとが絶縁層(透明基材、ハードコート層等)を介し互いに略直交するよう配置されている。電極X、電極Yのパターンの具体例としては、メッシュ状で、且つ、直線(電極X、電極Yともに所定のピッチで並列に配列)が略直交した形態の直線格子パターン、交差部間の導電部分が少なくとも1つの湾曲を有する波線格子パターン、ダイヤモンド状のパターン(図2と類似したパターン)等が挙げられる。
本発明の積層体は、例えば以下の(A)、(B)が挙げられる。透明層としてはハードコート層が好ましい。光学調整層は、高屈折率層及び低屈折率層の2層構造が好ましい。
(A)透明層/透明基材/透明層/光学調整層/パターニングされた透明導電層
(B)パターニングされた透明導電層/光学調整層/透明層/透明基材/透明層/光学調整層/パターニングされた透明導電層
本発明の積層体は、タッチパネルの構成部材として好適に使用できる。タッチパネルとしては、抵抗膜式タッチパネル、静電容量式タッチパネル等が挙げられ、特に静電容量式タッチパネルの構成部材として好適に使用できる。
タッチパネルに積層体を組み込む場合、積層体は上記(A)及び(B)の構成を有することが好ましい。
タッチパネルのより具体的な構成としては、上記(A)の積層体を2枚用い、粘着剤を介しハードコート層側同士を重ねた構成、又はハードコート層側と透明導電層側とを粘着剤PSAを介し重ねた構成に対して、カバーガラス等の保護板を積層した構成(GFF構成)が挙げられる。
また、透明導電層を有するガラス基板の透明導電層側と、上記(A)の積層体の透明導電層側とを粘着剤を介して積層した構成(G1F構成)が挙げられる。
さらに、上記(B)の積層体を単独で用いる構成(GF2構成)が挙げられる。
[積層体の製造方法]
本発明の積層体の製造方法は、透明基材の片面又は両面に透明層を有する基体上に、パターニングされた透明導電層を有してなる積層体を製造する方法であって、該基体の130℃における貯蔵弾性率Ec(N/m2)と該基体の厚みd(m)を乗じることで得られるEt(N/m)が4.0×104≦Et≦10.5×104となるように、該透明基材上に、該透明層を形成する基体形成工程、該基体上に透明導電層を形成する透明導電層形成工程、該透明導電層をパターニングするパターン形成工程、透明導電層を加熱し結晶化させる結晶化工程を含む、積層体の製造方法である。
(1)基体形成工程
透明基材の片面又は両面に透明層を形成し、基体を形成する工程である。また、該工程において、基体の130℃における貯蔵弾性率Ec(N/m2)と該基体の厚みd(m)を乗じることで得られるEt(N/m)が4.0×104≦Et≦10.5×104となるようにする。図1の(a)においては、透明基材2上に透明層3a及び透明層3bを形成している。
透明層として、前述したハードコート層を用いる場合、透明基材上に、電離放射線硬化性樹脂組成物を塗布して塗膜を形成し、乾燥させた後、塗膜を硬化させることにより形成することができる。
ハードコート層形成用の電離放射線硬化性樹脂組成物を塗布する方法としては、ロールコート法、バーコート法、グラビアコート法等の塗布方法が挙げられる。
塗布後の乾燥条件は、特に限定されないが、通常40〜200℃で20〜120秒間行うとよい。塗膜を硬化させる方法は、特に限定されず、公知の方法であればよい。
なお、トータルの照射量を一定として、照射強度を可変することで、ハードコート層の分子の架橋形態や架橋密度を変えることにより分子の均一性を向上させ、貯蔵弾性率を制御することも可能である。また、貯蔵弾性率は、材料組成によるだけではなく、硬化条件によっても制御できる。例えば、貯蔵弾性率を高めるためには、後述するヒュージョン紫外線ランプ等を使用して、照射光量密度を高め、急激に多量のラジカルを発生させることで架橋密度を上げることが好ましい。又、照射光量密度を低く照射時間を長くすることで、急激なラジカル密度の上昇を押さえ、架橋密度を抑えることで、貯蔵弾性率を抑え、屈曲性を高めることが出来る。
電離放射線を照射する方法としては、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、メタルハライドランプ、ヒュージョンランプ等から発せられる100〜400nm、好ましくは200〜400nmの波長領域の紫外線を照射する。これらのランプの中でも、ヒュージョンランプが好適である。照射量は、積算で通常100〜500mJ/cm2である。また、走査型やカーテン型の電子線加速器から発せられる100nm以下の波長領域の電子線を照射することにより行うことができる。電子線としては、50〜1000eVのエネルギーを持つものが好ましく、より好ましくは100〜300eVである。
なお、透明基材には、接着性向上のために、コロナ放電処理、酸化処理等の表面処理を予め行ってもよい。
(1’)光学調整層形成工程
基体形成工程で形成した透明層上に、さらに、光学調整層を形成する工程を行ってもよい。なお、必要に応じて、透明基材上に、光学調整層等を直接形成してもよい。図1の(a)においては、透明層3a上に光学調整層4を形成している。
光学調整層は、前述したバインダーとして用いる電離放射線硬化型樹脂又は熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物等を用い塗布して塗膜を形成し、乾燥させた後、塗膜を硬化させることにより形成することができる。塗布する方法としては、例えば、マイクログラビヤコート法、ロールコート法、カーテンコート法、スプレーコート法、ダイコート法、ナイフコート法、スピンコート法等が挙げられる。また、金属酸化物、金属フッ化物を用いた場合の形成方法としては、物理気相成長法で行う場合、スパッタ法、真空蒸着法又はイオンプレーティング法等が用いられる。化学気相成長法で行う場合は、比較的低温で処理できるプラズマCVD等が用いられる。なお、光学調整層が複数層の場合は、各層を異なる方法で形成してもよい。
(2)透明導電層形成工程
透明導電層形成工程は、基体上に、金属酸化物等からなる透明導電層を形成する工程である。図1の(a)においては、光学調整層4上に透明導電層5を形成している。
透明導電層の形成方法としては、スパッタ法、真空蒸着法、イオンプレーティング法等の物理気相成長法、又は化学気相成長法、その他印刷法、塗工法等種々あるが、光学特性、電気特性の観点から物理気相成長法、化学気相成長法が好ましく、特に、化学気相成長法に比べ、より低温度で処理できる物理気相成長法が好ましい。
(3)結晶化工程
透明導電層を温度加熱により、結晶化させる工程である。この結晶化工程は、透明導電層形成工程後、又は後述する透明導電層のパターン形成工程後、或いは、後述する取り出し電極形成工程と同時のいずれかのタイミングで行えばよい。使用する金属酸化物のエッチングの容易性、製造効率等の観点から、適宜選択する。
加熱温度は、使用する金属酸化物により異なるが、通常100〜200℃であり、好ましくは120〜160℃である。また、加熱時間は、通常、5分間〜24時間であり、製造効率や結晶化度(機械的特性、表面抵抗率値等に影響を及ぼす)を考慮して適宜調整すればよい。加熱方法は、特に制限されることはなく、公知の方法で行うことができるが、金属酸化物としてITOを用いる場合は、空気中で加熱炉、赤外線ランプヒーター等を用いて行うことが好ましい。
(4)パターン形成工程
パターン形成工程は、透明導電層を所定のパターンにパターニングする工程であり、例えば、図1の(b)に示すようなパターンが並列に配置されたストライプパターンを形成する工程である。パターニングは公知の方法で行うことができ、通常、フォトリソ法で行われる。具体的には、フォトレジストを透明導電層上に塗布し、所定パターンを有するフォトマスクを介して露光を行い、アルカリ溶液等の現像液を用い現像を行い、レジストパターンを形成し、さらにウェット又はドライエッチング法により不要となる透明導電層をエッチングした後、レジストを剥離することにより、所定の透明導電層のパターンを形成することができる。
以上により、本発明の積層体を製造することができる。なお、さらに以下の取り出し電極形成工程を行うことが好ましい。
(5)取り出し電極形成工程
取り出し電極形成工程は、パターン形成工程で得られたパターンを有する透明導電層に、所定のパターンを有する取り出し電極を形成する工程であり、例えば、図1の(c)においては、透明導電層パターン膜6’から所定の取り出し電極パターン(焼成前)7を形成している。
本工程では、銀ペースト等の導電性を有する材料を形成し、配線に係る電極パターンを形成させる。電極パターンの形成方法は、特に制限はなく、公知の手法で行うことができ、通常、スクリーン印刷法で行われる。得られた電極パターンは、使用した溶媒の乾燥を含め、電極パターンの導電性を向上させるために、高温度で焼成(加熱処理による焼結)される(図1の(d)においては、取り出し電極パターン(焼成後)7’)。加熱処理条件は、125〜150℃、10〜60分間である。加熱処理条件がこの範囲であれば、電極パターンの導電性が向上し、かつ本発明によれば、透明導電層パターンにウォッシュボードリップルが発生することもない。加熱方法は、特に制限されることはなく、公知の方法で行うことができる。通常、加熱炉、真空加熱炉、赤外線ランプヒーター等を用いて行われる。
本発明の製造方法によれば、パターニングされた透明導電層に対しさらに熱処理を施した場合においても、ウォッシュボードリップルの発生がなく、例えば、タッチパネルを構成するカバーガラス等との貼り合わせ時に気泡の巻き込みのない、優れた外観性状及び視認性を有する積層体が得られる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、この例によって何ら限定されるものではない。なお、文中、「部」又は「%」とあるのは特に断りのない限り、質量基準である。
実施例及び比較例で得られた基体の貯蔵弾性率の測定、また、パターニングされた透明導電層を有する積層体の表面凹凸(ウォッシュボードリップル)及び屈曲性の評価は、以下の方法で行った。
(1)貯蔵弾性率
透明基材/透明層からなる基体を、試験片として5mm×20mmの大きさに切り出し、130℃及び150℃における(透明基材のMD方向)の貯蔵弾性率(Ec)を、動的粘弾性測定装置(UBM社製、装置名:Rheogel−E4000)を用いて以下の条件で、測定した。
(測定条件)
周波数:10Hz、測定治具:引っ張り、荷重:50g、加振状態:連続加振
歪み制御:10μm、測定温度範囲:25℃〜200℃、昇温速度:2℃/分。
(2)積層体表面凹凸(ウォッシュボードリップル)
積層体表面のパターニングされた透明導電層の凹凸を、蛍光灯の光を用い、蛍光灯の反射像の映りこみ具合を目視観察することにより評価した。評価基準は以下のようにした。
凹凸が全く見えないレベル:◎
凹凸がわずかにしか見えないレベル:○
凹凸が容易に見えるレベル:×
(3)屈曲性
直径6mmの円柱状の棒(マンドレル棒)に、実施例及び比較例で得られた積層体を巻き、ビデオライトの光を照射して、クラックの発生の状況を、以下に示す評価基準で、目視観察することにより評価した。
クラックが発生しない:〇
クラックが発生する:×
(実施例1)
透明基材であるPETフィルム(帝人デュポンフィルム社製、商品名:KEL86W、プライマー層付、厚み:50μm(二軸延伸))の片方の面に、下記透明層塗工液(1)をワイヤーバーを用いて塗工したものを、温度70℃の熱オーブン中で40秒間乾燥し、塗膜中の溶剤を蒸発させ、ヒュージョンランプを用いて紫外線を積算光量が160mJ/cm2になるように照射して、塗膜を硬化させた。同様に、PETフィルムの一方の片面にも、透明層塗工液をワイヤーバーを用いて塗工し、塗膜を硬化させることにより、片面あたり厚みが12μm、両面で厚み24μmの透明層を形成した。
なお、透明層の厚みは、デジマチックマイクロメーター(ミツトヨ社製、型名:MDC−SB)で測定した。
<透明層塗工液の調製>
光重合開始剤(Lamberti社製、Esacure One)を4質量部、希釈溶剤(MIBK/シクロヘキサノン=9/1)を300質量部入れ、溶け残りがなくなるまで撹拌した。ここに光硬化樹脂(日本化薬社製、DPHA)を100質量部入れ撹拌し、溶け残りがなくなるまで撹拌した。最後にレベリング剤(大日精化工業社製、セイカビーム10−28(MB))を0.25質量部入れ撹拌した。
次いで、一方の透明層上に、下記の高屈折率層塗布液を塗布、乾燥、紫外線照射して、高屈折率層(厚み50nm、屈折率1.66)を形成し、さらに高屈折率層上に、スパッタ装置を用いてSiO2を成膜(厚み:30nm、屈折率1.46)し、基体(透明層/透明基材/透明層/高屈折率層/低屈折率層)を得た。得られた基体の130℃における、貯蔵弾性率を測定した。結果を表1に示す。
<高屈折率層塗布液>
・ペンタエリスリトールトリアクリレート 10部
(日本化薬社製、KAYARAD−PET−30)
・光重合開始剤 0.7部
(BASF社製、イルガキュア127)
・シリコーン系レベリング剤 0.3部
(大日精化工業社製、セイカビーム10−28、固形分10%)
・高屈折率粒子(酸化ジルコニウム) 50部
(住友大阪セメント社製、MZ−230X、固形分32.5%)
(平均一次粒子径:25nm)
・メチルイソブチルケトン 500部
・シクロヘキサノン 250部
・メチルエチルケトン 500部
次に、得られた基体の低屈折率層上に、スパッタ装置を用いてスズドープ酸化インジウム(ITO)からなる透明導電層を成膜(厚み:23nm)し、温度150℃のオーブン中で30分間、熱処理することにより、透明導電層を結晶化させた。
さらに、透明導電層上に、ストライプ状パターンのフォトレジストを形成し、塩酸に浸漬してエッチング処理を施した。エッチング処理後、120℃で5分間乾燥して、高さ23nm、幅1.0mm、ピッチ1.0mmのストライプ状にパターニングされた透明導電層を形成し、積層体を得た。その後、さらに熱処理(130℃30分間)を行うことにより、パターニングされた透明導電層を有する積層体を作製した。
得られた積層体のパターニングされた表面凹凸(ウォッシュボードリップル)及び屈曲性を評価した。結果を表1に示す。
(実施例2〜6)
実施例1において、透明層の厚みを、順に10、8.5、4、2、1μmに代えた以外は、実施例1と同様に透明基材と透明層からなる基体を得、さらにパターニングされた透明導電層を有する積層体を作製した。
得られたそれぞれの基体の130℃及び150℃における貯蔵弾性率を測定した。また、積層体のパターニングされた表面凹凸(ウォッシュボードリップル)及び屈曲性を評価した。結果を表1に示す。
(比較例1〜3)
実施例1において、透明層の厚みを、順に0.5、0、15μmに代えた以外は、実施例1と同様に透明基材と透明層からなる基体(正確には比較例2は透明基材のみからなる基体)を作製し、さらにパターニングされた透明導電層を有する積層体を作製した。
得られた基体の130℃における貯蔵弾性率を測定した。また、積層体のパターニングされた表面凹凸(ウォッシュボードリップル)及び屈曲性を評価した。結果を表1に示す。
表1より、本発明の実施例1〜6のパターニングされた透明導電層を有する積層体は、その表面の透明導電層にウォッシュボードリップルの発生がなく、かつ優れた外観性状及び視認性を有することがわかった。
一方、比較例1及び2の積層体表面の透明導電層にはウォッシュボードリップルが発生し、比較例3の積層体は耐屈曲性がなく、クラックが発生した。
なお、実施例1〜6及び比較例1〜3の積層体をガラス基板に貼り合わせたところ、実施例1〜6及び比較例3のものは貼り合わせ時に気泡を巻き込みにくいのに対して、比較例1及び2のものは気泡を巻き込みやすかった。
本発明の積層体は、タッチパネルの構成部材として好適に使用することができ、静電容量式タッチパネルの構成部材として特に好適に使用することができる。
1:積層体前駆体(透明導電層:パターン無し;ベタ膜)
2:透明基材
3a,3b:透明層
4:光学機能層
5:基体
6:透明導電層ベタ膜(パターニング無し)
6’:透明導電層パターン膜
7:取り出し電極パターン(焼成前)
7’:取り出し電極パターン(焼成後)
8:取り出し電極端子部(焼成前)
8’:取り出し電極端子部(焼成後)
11:透明導電性フィルム(透明導電層:パターン有り)
100:パターン層
110:二軸延伸されたポリエステルフィルムの延伸倍率が大きい方向(MD;X電極部用)
111〜116:X電極部(透明導電層パターン)
210:二軸延伸されたポリエステルフィルムの延伸倍率が大きい方向(MD;Y電極部用)
211〜214:Y電極部(透明導電層パターン)

Claims (11)

  1. 透明基材の片面又は両面に透明層を有する基体上に、パターニングされた透明導電層を有してなる積層体であって、該基体の130℃における貯蔵弾性率Ec(N/m2)と該基体の厚みd(m)を乗じることで得られるEt(N/m)が、4.0×104≦Et≦10.5×104である、積層体。
  2. 前記透明層の貯蔵弾性率が、前記透明基材の貯蔵弾性率より大きい、請求項1に記載の積層体。
  3. 前記透明基材の厚みをdS(m)、前記透明層の厚みをdL(m)とした場合、下記の関係を満たす、請求項1又は2に記載の積層体。
    0.005≦dL/(dS+dL)≦0.7
  4. 前記透明基材の厚みが15〜125μm、前記透明層の総厚みが2.0〜24μmである、請求項1〜3のいずれかに記載の積層体。
  5. 前記基体がさらに光学調整層を有する、請求項1〜4のいずれかに記載の積層体。
  6. 前記基体が、前記透明基材上に前記透明層及び前記光学調整層を有してなり、該光学調整層上に前記パターニングされた透明導電層を有する請求項5に記載の積層体。
  7. 前記光学調整層が高屈折率層と低屈折率層とからなり、該高屈折率層の屈折率が1.55〜1.75であり、該低屈折率層の屈折率が1.30〜1.55である、請求項5又は6に記載の積層体。
  8. 前記透明層がハードコート層である、請求項1〜7のいずれかに記載の積層体。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の積層体を構成部材として有するタッチパネル。
  10. 前記積層体が、前記透明基材上に前記ハードコート層及び前記光学調整層を有してなり、該光学調整層上に前記パターニングされた透明導電層を有してなる請求項9に記載のタッチパネル。
  11. 透明基材の片面又は両面に透明層を有する基体上に、パターニングされた透明導電層を有してなる積層体を製造する方法であって、
    該基体の130℃における貯蔵弾性率Ec(N/m2)と該基体の厚みd(m)を乗じることで得られるEt(N/m)が4.0×104≦Et≦10.5×104となるように、該透明基材上に、該透明層を形成する基体形成工程、該基体上に透明導電層を形成する透明導電層形成工程、該透明導電層をパターニングするパターン形成工程、透明導電層を加熱し結晶化させる結晶化工程を含む、積層体の製造方法。
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