本発明の一実施形態に係る現金管理システムを図面を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る現金管理システム1は、金融機関の同一店舗内に設置されるものである。現金管理システム1は、図1に示すように、複数台(図示例は3台)の指示装置200と、これら指示装置200とは別体であってすべての指示装置200とLAN等のネットワークを経由して通信可能に設けられた1台の現金管理装置10とを有している。1台の現金管理装置10には、さらに、この1台の現金管理装置10のみと通信可能に設けられた1台以上(図示例は2台)の補助的現金管理装置10Aを有している。補助的現金管理装置10Aの構成は、現金管理装置10とほぼ同等の構成であるが、詳細については後述する。複数台の指示装置200を指示装置群201と称し、1台の現金管理装置10と1台以上の補助的現金管理装置10Aを管理装置群9と称す。
現金管理装置10は、店舗の係員側スペースに設置されて係員により取り扱われるものであり、より窓口に近い位置で主に小束紙幣および棒金を入庫および出庫可能に収納するものである。
指示装置200は、上記のように現金管理装置10とネットワークを経由して通信可能に接続されるものである。指示装置200は、具体的には、店舗全体の現金類の処理を管理する出納機、窓口に設置され窓口係員により操作されて現金類の処理を管理する窓口端末機、窓口に設置され窓口端末機からの指令に基づいて紙幣および硬貨の出金や入金を行う窓口入出金機、顧客により操作されて高額貨幣から低額貨幣への両替を行う両替機、顧客により操作されて紙幣および硬貨の出金や入金を行う貨幣入出金機等の中から適宜のものを指示装置200として用いることができる。その場合、複数台の指示装置200は、窓口端末機と窓口端末機と窓口端末機というように同種の装置としたり、出納機と窓口端末機と両替機というように異種の装置としたり、窓口端末機と窓口端末機と出納機というように同種と異種とを組み合わせたりすることができる。出納機、窓口端末機および窓口入出金機は、店舗の係員側スペースに設置されて係員により取り扱われるものである。
図2に示すように、指示装置200には、操作者によって操作入力がなされるとともに操作者に対して表示を行う操作表示部205と、データを印字により紙面に表示するプリンタ206と、操作者に対して操作ガイダンスや警告等の音声を出力する音声発生部210とが設けられている。操作表示部205は、操作者に対して操作ガイダンス等の情報やデータ、警告等を表示する液晶モニタ等の表示部207と、操作者のIDカードを走査するカードリーダ208(第1の操作者識別手段)と、操作者により操作される操作キーボード209(第1の操作者識別手段)とを有している。
さらに、指示装置200には、操作表示部205、プリンタ206および音声発生部210等に接続されてこれらを制御する制御部215(第1の操作者識別手段)と、棒金および小束紙幣の数量情報および金種情報や処理関連のデータ等を記憶する記憶部216(第1の操作者識別手段)とが設けられている。
図1に示すように、現金管理装置10は、箱型の現金管理装置本体11と、この現金管理装置本体11に上下方向に複数段具体的には8段設けられた収納庫12とを有している。これら収納庫12は、その左右側壁に設けられたスライドレール13を介して現金管理装置本体11に対して水平方向に沿ってスライド開閉可能となっている。これら収納庫12は、前方に引き出され、後方に押し込まれることになり、このように前後方向にのみ所定範囲で移動可能となるように現金管理装置本体11に連結されている。
複数段の収納庫12のうち、最も上側のものは、予備収納庫12(a)となっており、結束されていないバラ紙幣、包装されていないバラ硬貨、汚損紙幣や汚損硬貨、金券等を収納する。また、残りの収納庫12は、上側4段が小束紙幣を収納する小束収納庫12(b)となっており、下側3段が棒金を収納する棒金収納庫12(c)となっている。勿論、収納庫12の全体の数や、そのうちの小束収納庫12(b)および棒金収納庫12(c)の個々の数等は任意に設定可能であり、例えば、予備収納庫12(a)以外のすべてを、小束収納庫12(b)としたり、棒金収納庫12(c)としたりすることも勿論可能である。
現金管理装置本体11の上部には、操作者によって操作入力がなされるとともに操作者に対して表示を行う操作表示部15と、データを印字により紙面に表示するプリンタ16と、操作者に対して操作ガイダンスや警告等の音声を出力する音声発生部20とが設けられている。操作表示部15は、操作者に対して操作ガイダンス等の情報やデータ、警告等を表示する液晶モニタ等の表示部17と、操作者のIDカードを走査するカードリーダ18(操作者識別手段,第2の操作者識別手段)と、操作者により操作される操作キーボード19(操作手段,操作者識別手段,第2の操作者識別手段)と、を有している。
ここで、前記したように、前記現金管理装置10には、1台以上の補助的現金管理装置10Aが通信可能に接続されている。言い換えると、1台以上の補助的現金管理装置10Aは、前記1台の現金管理装置10のみと通信可能に接続され、前記現金管理装置10の制御によって、管理装置群9のいずれか一つ以上がロック解除可能に制御されることになる。加えて、1台以上の補助的現金管理装置10Aは、現金管理装置10に設けられている操作表示部15、プリンタ16、表示部17、カードリーダ18、操作キーボード19を有していない。さらには、1台以上の補助的現金管理装置10Aは、好ましくは、複数段の収納庫12のすべてが小束収納庫12(b)であったり、または、棒金収納庫12(c)であったりしても良い。
現金管理装置本体11には、複数の収納庫12のそれぞれに対して、収納庫12を閉状態で個別にロックする図3に示すロック機構22が設けられており、図1に示す複数の収納庫12のそれぞれの側方に、ロック機構22のロック解除時のみ点灯する表示灯23が設けられている。さらに、現金管理装置本体11には、図3に示すように、操作表示部15、プリンタ16、音声発生部20、ロック機構22および表示灯23等に接続されてこれらを制御する制御部25(操作者識別手段,第2の操作者識別手段)と、収納している棒金および小束紙幣の数量情報および金種情報や処理関連のデータ等を記憶する記憶部26(操作者識別手段,第2の操作者識別手段)とが設けられている。
収納庫12は、図4に示すように、取っ手30が中央に設けられた前板部31と、前板部31の左右両側から後方に延出する一対の側板部32と、一対の側板部32の後端部同士を連結する後板部33とを有する枠体34を有している。この枠体34は、図4に示す小束収納庫12(b)と図5に示す棒金収納庫12(c)とで共通となっている。
図4に示すように、小束収納庫12(b)は、結束された小束紙幣(収納物)Tを入出庫可能に収納するもので、上記した枠体34内に固定される複数、具体的には前後に5つ左右に2列の合成樹脂製の小束トレイ40を有している。小束紙幣Tは、単一金種の紙幣を所定枚数(100枚)集積し、規定位置に結束テープtを巻回して、この結束テープtを接着することで形成されるものである。
各小束トレイ40は、機体前後方向に対し直交して立設された前壁部41と、機体前後方向に対し直交して立設された後壁部42と、機体左右方向に対し直交して立設された左右一対の側壁部43と、これらで囲まれた部分の下部を閉塞する水平に沿う底部44とを有し、上方に開口し下方に凹む形状をなすトレイ本体45と、トレイ本体45の底部44に、前壁部41および後壁部42と平行を維持しつつ前後移動可能に設けられた札押さえ板46と、札押さえ板46を後壁部42に向けて付勢する図示略の付勢部材とを有している。トレイ本体45の底部44には、札押さえ板46のスライドを案内するスライド溝47と、小束紙幣Tのセット検知用のセンサ溝48とが、前後方向に延在し上下方向に貫通するように形成されている。
各小束トレイ40には、小束紙幣Tが、その長辺方向を左右にし短辺方向を上下にし厚さ方向を前後にした立位状態で、上方から挿入されることになり、小束紙幣Tは、この立位状態のまま、底部44に載置され、後壁部42と札押さえ板46とに挟持されて収納されることになる。小束トレイ40には、小束紙幣Tが1束から10束まで収納可能であり、複数の小束紙幣Tは、上記立位状態のまま前後方向に重ねられて後壁部42と札押さえ板46とに挟持されることになる。つまり、小束トレイ40には、後壁部42と、札押さえ板46と、一対の側壁部43と、底部44とで、下方に凹む上方開口形状の束収納凹部49が形成されることになり、小束紙幣Tは、束収納凹部49にその上部開口を介して上方から挿入されて収納される。
なお、各小束トレイ40は、それぞれ予め設定された単一金種の小束紙幣Tのみが束収納凹部49に収納されるように決められており、よって、小束収納庫12(b)には、小束紙幣Tの収納位置である束収納凹部49が金種毎に規定されている。
各小束トレイ40の束収納凹部49を構成する一対の側壁部43間の幅は、収納対象金種の小束紙幣Tの長さよりも若干広い幅となっている。また、各小束トレイ40の束収納凹部49を構成する底部44の高さは、いずれの小束トレイ40においても収納対象金種の小束紙幣Tを載置した場合にその上端部の小束収納庫12(b)での上端部の高さ位置が一定するように設定されている。つまり、高さ(短辺方向長さ)が低い小束紙幣Tを収納する小束トレイ40は、これが配置された小束収納庫12(b)での底部44の高さ位置が高くなっており、高さが高い小束紙幣Tを収納する小束トレイ40は、これが配置された小束収納庫12(b)での底部44の高さ位置が低くなっている。ただし、各束収納凹部49の底部44までの深さは、収納した小束紙幣Tを取り出し容易とすべく上方に突出させるように設定されている。
小束トレイ40の束収納凹部49には、設定金種以外の長さの長い金種の小束紙幣Tと、設定金種以外の高さの高い金種の小束紙幣Tとは、適正な収納が困難となり、これにより、一部の誤収納を簡易的に規制するようになっている。つまり、設定金種の小束紙幣Tよりも長さの長い小束紙幣Tは、一対の側壁部43間で折れ曲がって収納が困難となり、設定金種の小束紙幣Tよりも高さの高い小束紙幣Tは、直ぐ上にある収納庫12の前板部31に干渉して、この小束紙幣Tが収納された小束収納庫12(b)の現金管理装置本体11への押し込みを阻害する。各束収納凹部49には、それぞれの側壁部43の上面に、収納対象の金種を目視可能に明示する金種明示部50が設けられている。なお、日本国内で流通する紙幣の場合は、全種類、高さが一定であることから、すべての小束トレイ40の小束収納庫12(b)における底部44の高さ位置も一定となる。各小束トレイ40に収納すべき設定金種を示す収納金種データは、予め設定されて記憶部26に記憶されることになる。
図5に示すように、棒金収納庫12(c)は、単一金種の硬貨が所定枚数集積されて包装紙で包装されてなる棒金(収納物)Bを入出庫可能に収納するもので、上記した枠体34内に固定される複数、具体的には、前後に金種径に応じて6つまたは5つ、左右に4列の合成樹脂製の棒金トレイ55を有している。
棒金トレイ55は、棒金Bが中心軸線を上下にした立位状態で収納されるものである。棒金トレイ55は、円筒を一部切り取った形状の湾曲面56を、複数具体的には左側の3カ所と右側の3カ所と前端1カ所と後端1カ所の8カ所に有する鉛直方向に沿う壁部57と、壁部57の下部を閉塞する水平方向に沿う底部58とを有している。壁部57および底部58は、下方に凹む上方開口形状の棒金収納凹部59を構成している。湾曲面56は左側の3カ所が左右方向の位置を合わせており、右側の3カ所も左右方向の位置を合わせている。左右前端の湾曲面56は前後方向の位置を合わせており、中央前端の湾曲面56はこれらよりも前側に配置されている。左右後端の湾曲面56は前後方向の位置を合わせており、中央後端の湾曲面56はこれらよりも後側に配置されている。
これにより、棒金トレイ55の棒金収納凹部59には、左側に3本の棒金Bが左右方向の位置を合わせて前後1列に並べられ、右側に3本の棒金Bが左右方向の位置を合わせて前後1列に並べられ、左右方向の中央に4本の棒金Bが左右方向の位置を合わせて前後1列に並べられ、合計10本の棒金Bが収納されるようになっている。左右の棒金Bは前後方向の位置を互いに合わせており、中央の棒金Bは、これらに対して前後方向の位置をずらしている。棒金Bは、棒金収納凹部59に、その上部開口を介して上方から挿入されることになり、棒金収納凹部59の壁部57および他の棒金Bで支持されて中心軸線を鉛直配置した立位状態に維持される。
底部58には、各湾曲面56と同心をなす8カ所と、これらの内側の前後2カ所とに、各棒金Bを載置させる円筒状の載置台部60が上方に突出するように形成されている。載置台部60の外径は、棒金Bの包装紙の加締部の内径よりも小さくされており、載置台部60の突出高さは加締部の硬貨からの突出高さよりも高くなっている。これにより、載置台部60は、棒金Bの加締部を逃げて硬貨部分を直接支持するようになっている。載置台部60の内側は、棒金Bのセット検知用の、上下に貫通する貫通孔61となっている。載置台部60およびその内側の貫通孔61も、左側の3カ所が左右方向の位置を合わせて前後1列に並べられており、中央の4カ所が左右方向の位置を合わせて前後1列に並べられていて、右側の3カ所が左右方向の位置を合わせて前後1列に並べられている。
なお、各棒金トレイ55の棒金収納凹部59は、それぞれ予め設定された単一金種の棒金Bのみが収納されるように決められている。言い換えれば、棒金収納庫12(c)には、金種毎に棒金Bの収納位置である棒金収納凹部59が規定されている。各棒金トレイ55の棒金収納凹部59の湾曲面56の径は、収納対象金種の棒金Bの外径よりも若干大径となっている。また、載置台部60の外径は、収納対象金種の棒金Bの加締部の内径よりも若干小さくされており、載置台部60の突出高さは収納対象金種の棒金Bの加締部の硬貨からの突出高さよりも若干高くなっている。加えて、載置台部60の高さ位置は、いずれの棒金トレイ55においても収納対象金種の棒金Bを載置した場合にその上端部の棒金収納庫12(c)での高さ位置が一定するように設定されている。つまり、長さが短い棒金Bを収納する棒金トレイ55は、これが配置された棒金収納庫12(c)での載置台部60の高さ位置が高く、長さが長い棒金Bを収納する棒金トレイ55は、これが配置された棒金収納庫12(c)での載置台部60の高さ位置が低くなっている。ただし、各棒金収納凹部59の載置台部60までの深さは、収納した棒金Bを取り出し容易とすべく上方に突出させるように設定されている。
これにより、棒金トレイ55の棒金収納凹部59には、設定金種以外の径の大きい金種の棒金Bと、設定金種以外の高さの高い金種の棒金Bとは、適正な収納が困難となり、これにより、一部の誤収納を簡易的に規制するようになっている。つまり、設定金種の棒金Bよりも径の大きい棒金Bは壁部57あるいは他の棒金Bに干渉して収納が困難となり、設定金種の棒金Bよりも高さの高い棒金Bは、直ぐ上にある収納庫12の前板部31に干渉して、この棒金Bが収納された棒金収納庫12(c)の現金管理装置本体11への押し込みを阻害する。各棒金トレイ55には、それぞれの棒金収納凹部59より外側の上面に、収納対象の金種を目視可能に明示する金種明示部62が設けられている。各棒金トレイ55に収納すべき設定金種を示す収納金種データは、予め設定されて記憶部26に記憶されることになる。
ここで、左右方向における同列に配置されて前後に並ぶ棒金トレイ55は、すべて収納対象金種が同一金種となっており、各列の最も前側の棒金トレイ55は、収納本数が不足した状態でも棒金Bを倒さずに収納可能な端数用となっている。そして、端数用の棒金トレイ55には、図6に示すように、棒金Bの転倒防止用の複数具体的には10本の補助棒63が隣り合う載置台部60の間位置に立設されており、端数用であることを明示する端数明示部64が棒金収納凹部59より外側に形成されている。10本の補助棒63は、棒金収納凹部59の中央の前後の載置台部60を、2本共通でそれぞれを6本が囲むように配置されている。これにより、各湾曲面56の内側に同軸に配置される棒金Bは、湾曲面56とこれに対向する2本あるいは3本の補助棒63とで単独でも立位状態に維持されることになり、棒金収納凹部59の中央位置に配置される棒金Bは、それぞれ6本の補助棒63で単独でも立位状態に維持されることになる。その結果、最も前側の棒金トレイ55の棒金Bは、他の棒金Bがなくても転倒が防止され立位状態に維持されるようになっている。
ここで、最も前側を除く棒金トレイ55には必ず棒金Bを満杯状態つまり10本収納し、棒金Bを満杯状態以外で収納する場合には、最も前側の棒金トレイ55に収納することがルール化されており、係員は、最も前側の棒金トレイ55から棒金Bを必要数だけ取り出し、最も前側の棒金トレイ55が空になり、その後側の棒金トレイ55から棒金Bを取り出す場合には、この後側の棒金トレイ55の残りの端数の棒金Bを、最も前側の棒金トレイ55に移載するようになっている。
図7に示すように、現金管理装置本体11の各小束収納庫12(b)が挿入される小束収納庫挿入空間形成部65の下部の前端部には、図4に示す小束収納庫12(b)の左右2列の小束トレイ40のそれぞれのセンサ溝48の直ぐ下側となる位置に、センサ溝48を介して小束紙幣Tのセット検知を行う光学反射型の小束セット検知センサ66が位置固定で設けられている。なお、各センサ溝48は、束収納凹部49における小束紙幣Tの結束テープtが所定の一側(左側)にあるときの、結束テープtの位置に合わせて形成されており、よって、各小束セット検知センサ66も、図8(A)に示すように、束収納凹部49における小束紙幣Tの結束テープtが所定の一側(左側)にあるときの、結束テープtの位置に合わせて配置されている。なお、センサ溝48は他側である右側にあっても、左右両側にあっても良く、いずれの場合であっても、小束セット検知センサ66はセット検知だけではなく、帯である結束テープtの検出センサの補助としても機能する。例えば、左側に小束セット検知センサ66があったときに、結束テープtも左側にあれば、小束セット検知センサ66がその結束テープtも検出でき、逆に結束テープtが右側であれば、小束セット検知センサ66が左側に結束テープtがないことを検出できる。
また、図7に示すように、現金管理装置本体11の各小束収納庫12(b)が挿入される小束収納庫挿入空間形成部65の上部の前端部には、小束収納庫12(b)の左右2列の小束トレイ40のそれぞれの上方近接位置に、図8(B)にも示すように、小束紙幣Tの左端位置を検出する左端検出ラインセンサ67、小束紙幣Tの左側に結束テープtつまり帯がある場合にこれを検出する左側帯検出ラインセンサ68、小束紙幣Tの右側に結束テープtがある場合にこれを検出する右側帯検出ラインセンサ69および小束紙幣Tの右端位置を検出する右端検出ラインセンサ70の4つのセンサが位置固定で設けられている。左端検出ラインセンサ67、左側帯検出ラインセンサ68、右側帯検出ラインセンサ69および右端検出ラインセンサ70は検出素子を左右方向に並べた光学反射型のラインセンサとなっている。
小束セット検知センサ66は、1つの小束収納庫12(b)に対し左右方向に並べられて2個設けられ、また、左端検出ラインセンサ67、左側帯検出ラインセンサ68、右側帯検出ラインセンサ69および右端検出ラインセンサ70の組が、1つの小束収納庫12(b)に対し左右方向に並べられて2組設けられている。
小束セット検知センサ66は、発光素子が検出方向を上方に向けており、上方に発光した光の上方からの反射光を対応する受光素子で受光するようになっている。その結果、各小束収納庫12(b)のそれぞれの直ぐ下に設けられた小束セット検知センサ66が、これらの直ぐ上で前後にスライドする小束収納庫12(b)の各束収納凹部49に収納された小束紙幣Tの下端部の反射光データである貨幣検出反射データ(貨幣検出情報)をセンサ溝48を介して取得することになる。
左端検出ラインセンサ67、左側帯検出ラインセンサ68、右側帯検出ラインセンサ69および右端検出ラインセンサ70は、各発光素子が検出方向を下方に向けており、下方に発光した光の下方からの反射光を対応する受光素子で受光するようになっている。その結果、各小束収納庫12(b)のそれぞれの直ぐ上に設けられた左端検出ラインセンサ67、左側帯検出ラインセンサ68、右側帯検出ラインセンサ69および右端検出ラインセンサ70が、これらの直ぐ下で前後にスライドする小束収納庫12(b)の各束収納凹部49に収納された小束紙幣Tの上端部の反射光データである貨幣検出反射データ(貨幣検出情報)を取得することになる。
なお、検出対象となる小束収納庫12(b)が最も現金管理装置本体11から引き出されて図示略の前端位置ストッパに当接し停止する前端位置から最も現金管理装置本体11に押し込まれて図示略の後端位置ストッパに当接し停止する後端位置まで移動すると、小束セット検知センサ66、左端検出ラインセンサ67、左側帯検出ラインセンサ68、右側帯検出ラインセンサ69および右端検出ラインセンサ70は、検出対象となる小束収納庫12(b)の各束収納凹部49の前後方向の全範囲を検出できるようになっている。小束セット検知センサ66は、小束収納庫12(b)の開閉に伴って通過する、この小束収納庫12(b)内の小束紙幣Tの下端部から貨幣検出反射データを取得することになり、左端検出ラインセンサ67、左側帯検出ラインセンサ68、右側帯検出ラインセンサ69および右端検出ラインセンサ70は、小束収納庫12(b)の開閉に伴って通過する、この小束収納庫12(b)内の小束紙幣Tの上端部から貨幣検出反射データを取得することになる。
ここで、制御部25は、小束セット検知センサ66の貨幣検出反射データから、反射光量が多いセンサ溝48上の紙幣あるいは結束テープtと、紙幣がなく反射光量が少なくなる他の部分(センサ溝48上の空間、センサ溝48以外の部分)とを区別することで、小束紙幣Tが収納されている範囲を検出する。
また、小束紙幣Tには、一束ずつに結束テープtが巻回されており、この結束テープtが上端部にも存在することから、制御部25は、左側帯検出ラインセンサ68および右側帯検出ラインセンサ69の貨幣検出反射データから、反射光量が多い結束テープtと、結束テープtが巻回されず反射光量が少なくなる紙幣部分と、紙幣がなく反射光量がさらに少なくなる他の部分(束収納凹部49内外の空間)とを区別することになる。
また、制御部25は、左側帯検出ラインセンサ68および右側帯検出ラインセンサ69の貨幣検出反射データから、隣り合う小束紙幣Tの結束テープtと結束テープtとの間の反射光量が少なくなる部分や、隣り合う小束紙幣Tの結束テープtと紙幣との間の反射光量が少なくなる部分を検出することで、隣り合う小束紙幣Tの間部分を検出する。
さらに、制御部25は、左端検出ラインセンサ67および右端検出ラインセンサ70の貨幣検出反射データから、反射光量が多い紙幣部分と、紙幣がなく反射光量が少なくなる他の部分(束収納凹部49内外の空間)とを区別することで、紙幣部分の端部を検出した各受光素子の位置から小束紙幣Tの長さ方向の両端部の位置を検出する。
制御部25は、後述するロータリエンコーダ88で検知ディスク87のスリットを検知する毎に小束セット検知センサ66、左端検出ラインセンサ67、左側帯検出ラインセンサ68、右側帯検出ラインセンサ69および右端検出ラインセンサ70のそれぞれの貨幣検出反射データを取り込むことになり、取り込んだそれぞれの貨幣検出反射データを、後述するロータリエンコーダ88の開閉位相データに基づいて、例えば所定の一定開閉速度での貨幣検出反射データに補正する。
そして、制御部25は、小束セット検知センサ66で小束紙幣Tが検出されている範囲を基準として検出範囲を設定し、この検出範囲における、左側帯検出ラインセンサ68および右側帯検出ラインセンサ69の補正後の貨幣検出反射データと、記憶部26に記憶された小束紙幣T用の数量マスタデータ(数量マスタ情報)とを照合することで、小束収納庫12(b)内の小束紙幣Tの数量である数量検出データ(数量検出情報)を取得する。例えば、補正後の貨幣検出反射データの中で、一つの結束テープtと判断できる、数量マスタデータの結束テープ判断基準光量データ以上の光量があり且つ数量マスタデータの結束テープ判断基準面積データ以上の纏まった面積を有する結束テープ部分を数えて、これを小束紙幣Tの数量である数量検出データとする。勿論、制御部25は、小束セット検知センサ66、左端検出ラインセンサ67、左側帯検出ラインセンサ68、右側帯検出ラインセンサ69および右端検出ラインセンサ70の左側の組と、小束セット検知センサ66、左端検出ラインセンサ67、左側帯検出ラインセンサ68、右側帯検出ラインセンサ69および右端検出ラインセンサ70の右側の組とのそれぞれについて、別々に、小束紙幣Tの数量検出データを取得する。
また、制御部25は、上記検出範囲における、左端検出ラインセンサ67および右端検出ラインセンサ70の補正後の貨幣検出反射データと、記憶部26に記憶された金種マスタデータ(金種マスタ情報)とを照合することで、小束収納庫12(b)内の小束紙幣Tの金種である金種検出データ(金種検出情報)を取得する。例えば、左端検出ラインセンサ67および右端検出ラインセンサ70の補正後の貨幣検出反射データの中で、上記のように検出した結束テープ部分と前後方向位置が同じ部分のデータから、光量が金種マスタデータの紙幣判断基準光量データ以上となる部分と未満となる部分との境界位置を割り出し、左右両側の境界位置間の長さを、金種マスタデータの金種基準長さデータと比較して、許容範囲内で一致する金種基準長さデータに対応する金種を、この結束テープ部分に対応する小束紙幣Tの金種とする金種検出データを取得する金種判断を行う。勿論、制御部25は、小束セット検知センサ66、左端検出ラインセンサ67、左側帯検出ラインセンサ68、右側帯検出ラインセンサ69および右端検出ラインセンサ70の左側の組と、小束セット検知センサ66、左端検出ラインセンサ67、左側帯検出ラインセンサ68、右側帯検出ラインセンサ69および右端検出ラインセンサ70の右側の組とのそれぞれについて、別々に、小束紙幣Tの金種検出データを取得する。
なお、制御部25は、小束収納庫12(b)内のすべての束収納凹部49について、左端検出ラインセンサ67および右端検出ラインセンサ70で検出される規定の金種以外の金種の小束紙幣Tが収納されていること、つまり対応金種の収納位置に収納されていない異金種小束紙幣Tを検出すると、表示部17に警告表示を行わせ、音声発生部20で警告音を発生させる。
図9に示すように、現金管理装置本体11の各棒金収納庫12(c)が挿入される棒金収納庫挿入空間形成部75の下部の前端部には、棒金収納庫12(c)の左右4列の棒金トレイ55のそれぞれの3列の貫通孔61の直ぐ下側となる位置に、左右方向に同列で前後方向に並ぶ貫通孔61を介して棒金Bのセット検知を行う光学反射型の棒金セット検知センサ76が位置固定で設けられている。
また、現金管理装置本体11の各棒金収納庫12(c)が挿入される棒金収納庫挿入空間形成部75の上部の前端部には、棒金収納庫12(c)の左右4列の棒金トレイ55のそれぞれの3列の載置台部60の上方近接位置に、左右方向に同列で前後方向に並ぶ棒金Bの上端部を検出する、検出素子を左右方向に並べた光学反射型の棒金検出ラインセンサ77が、それぞれ位置固定で設けられている。
つまり、棒金セット検知センサ76は、図10(A)にも示すように、1つの棒金収納庫12(c)に対し左右方向に並べられて12カ所設けられ、棒金検出ラインセンサ77は、図10(B)にも示すように、1つの棒金収納庫12(c)に対し左右方向に並べられて12カ所設けられている。
棒金セット検知センサ76は、発光素子が検出方向を上方に向けており、上方に発光した光の上方からの反射光を対応する受光素子で受光するようになっている。その結果、各棒金収納庫12(c)のそれぞれの直ぐ下に設けられた棒金セット検知センサ76が、これらの直ぐ上で前後にスライドする棒金収納庫12(c)の各棒金収納凹部59に収納された棒金Bの下端部の反射光データである貨幣検出反射データ(貨幣検出情報)を貫通孔61を介して取得することになる。
棒金検出ラインセンサ77は、各発光素子が検出方向を下方に向けており、下方に発光した光の下方からの反射光を対応する受光素子で受光するようになっている。その結果、各棒金収納庫12(c)のそれぞれの直ぐ上に設けられた棒金検出ラインセンサ77が、これらの直ぐ下で前後にスライドする棒金収納庫12(c)の各棒金収納凹部59に収納された棒金Bの上端部の反射光データである貨幣検出反射データ(貨幣検出情報)を取得することになる。
なお、検出対象となる棒金収納庫12(c)が最も現金管理装置本体11から引き出されて図示略の前端位置ストッパに当接し停止する前端位置から最も現金管理装置本体11に押し込まれて図示略の後端位置ストッパに当接し停止する後端位置まで移動すると、棒金セット検知センサ76および棒金検出ラインセンサ77は、検出対象となる棒金収納庫12(c)の各棒金収納凹部59の前後方向の全範囲を検出できるようになっている。棒金セット検知センサ76は、棒金収納庫12(c)の開閉に伴って通過する、この棒金収納庫12(c)内の棒金Bの下端部から貨幣検出反射データを取得することになり、棒金検出ラインセンサ77は、棒金収納庫12(c)の開閉に伴って通過する、この棒金収納庫12(c)内の棒金Bの上端部から貨幣検出反射データを取得することになる。
ここで、制御部25は、棒金セット検知センサ76の貨幣検出反射データから、反射光量が多い貫通孔61上の棒金Bと、棒金Bがなく反射光量が少なくなる他の部分(貫通孔61上の空間、貫通孔61以外の部分)とを区別することで、棒金Bが収納されている範囲を検出する。
また、制御部25は、棒金検出ラインセンサ77の貨幣検出反射データから、反射光量が多い棒金Bと、反射光量が少なくなる他の部分(棒金収納凹部59内外の空間)とを区別することになり、棒金Bの他の部分との境界位置である外周部を検出した各受光素子の位置から棒金Bの外周部の位置を検出する。また、棒金Bの反射光量から金種を識別することになり、反射光量が少なくなる他の部分のうち、形状、大きさおよび外周部に対する位置から棒金B内の孔であるか否かを識別することになる。
制御部25は、後述するロータリエンコーダ88で検知ディスク87のスリットを検知する毎に棒金セット検知センサ76および棒金検出ラインセンサ77のそれぞれの貨幣検出反射データを取り込むことになり、取り込んだそれぞれの貨幣検出反射データを、後述するロータリエンコーダ88の開閉位相データに基づいて、例えば所定の一定開閉速度での貨幣検出反射データに補正する。
そして、制御部25は、棒金セット検知センサ76で棒金Bが検出されている範囲を基準として検出範囲を設定し、この検出範囲における、棒金検出ラインセンサ77の補正後の貨幣検出反射データと、記憶部26に記憶された棒金B用の数量マスタデータ(数量マスタ情報)とを照合することで、棒金収納庫12(c)内の棒金Bの数量である数量検出データ(数量検出情報)を取得する。例えば、棒金検出ラインセンサ77の補正後の貨幣検出反射データの中で、一つの棒金Bと判断できる、数量マスタデータの棒金判断基準光量データ以上の光量があり且つ数量マスタデータの棒金判断基準面積データ以上の纏まった面積を有する棒金部分を数えて、これを棒金Bの数量である数量検出データとする。勿論、制御部25は、棒金セット検知センサ76および棒金検出ラインセンサ77の各組それぞれについて、別々に、棒金Bの数量検出データを取得する。
また、制御部25は、上記検出範囲における、棒金検出ラインセンサ77の補正後の貨幣検出反射データと、記憶部26に記憶された金種マスタデータ(金種マスタ情報)とを照合することで、棒金収納庫12(c)内の棒金Bの金種である金種検出データ(金種検出情報)を取得する。例えば、棒金検出ラインセンサ77の補正後の貨幣検出反射データの中で、上記のように検出し棒金部分と前後方向位置が同じ部分のデータから、光量が金種マスタデータの棒金判断基準光量データ以上となる部分と未満となる部分との境界位置を割り出して、棒金Bの外径および孔の有無を求め、これらと棒金部分の貨幣検出反射データの反射光量とを金種マスタデータの金種基準データと比較して、許容範囲内で一致する金種基準データに対応する金種を、この棒金部分に対応する棒金Bの金種とする金種検出データを取得する金種判断を行う。勿論、制御部25は、左右方向の位置が合う棒金セット検知センサ76および棒金検出ラインセンサ77の各組それぞれについて、別々に、棒金Bの金種検出データを取得する。
なお、制御部25は、小束収納庫12(b)内のすべての棒金収納凹部59について、棒金検出ラインセンサ77で検出される規定の金種以外の金種の棒金Bが収納されていること、つまり対応金種の収納位置に収納されていない異金種棒金Bを検出すると、表示部17に警告表示を行わせ、音声発生部20で警告音を発生させる。
現金管理装置本体11には、すべての小束収納庫挿入空間形成部65およびすべての棒金収納庫挿入空間形成部75のそれぞれの前端位置と後端位置とに、図11に示すように、支持軸81,82を介して歯付プーリ83,84が位置固定で回転可能に設けられており、後端の歯付プーリ84の上側にも、支持軸85を介して歯付プーリ86が位置固定で回転可能に設けられている。支持軸85には、所定の等間隔でスリットが形成された検知ディスク87が歯付プーリ86と一体回転するように設けられており、現金管理装置本体11には、検知ディスク87の上側に検知ディスク87の回転を検知するロータリエンコーダ88が位置固定で設けられている。なお、ロータリエンコーダ88は、検知ディスク87のスリットの検知数から検知ディスク87の回転量を検知することになる。
そして、三つの歯付プーリ83,84,86にはタイミングベルト91が巻回されており、このタイミングベルト91には、収納庫12のうちの挿入されたものの後端部が固定されている。これにより、収納庫12が開閉されるとこれに連動してタイミングベルト91が回転して三つの歯付プーリ83,84,86および検知ディスク87を回転させることになり、よって、ロータリエンコーダ88が、検知ディスク87の回転データである個別の収納庫12の開閉位相データ(開閉位相情報)を取得することになる。制御部25は、この開閉位相データから収納庫12の開閉方向およびその位置を割り出すことになる。なお、検知ディスク87と一体回転する歯付プーリ86の前方にはタイミングベルト91の弛みをとるテンションプーリ92が設けられている。
また、現金管理装置本体11には、すべての小束収納庫挿入空間形成部65およびすべての棒金収納庫挿入空間形成部75のそれぞれの後端位置に、収納庫12のうちの挿入されたものの後端部の検知片95を検知することで、この収納庫12が現金管理装置本体11に最も押し込まれた後端位置である全閉位置にあることを示す開閉位相データ(開閉位相情報)を取得する全閉検知センサ96が位置固定で設けられている。現金管理装置本体11には、小束収納庫挿入空間形成部65および棒金収納庫挿入空間形成部75のそれぞれの前端位置に、収納庫12のうちの挿入されたものの後端部の検知片95を検知することで、この収納庫12が現金管理装置本体11から最も引き出された前端位置である全開位置にあることを示す開閉位相データ(開閉位相情報)を取得する全開検知センサ97が位置固定で設けられている。つまり、全閉検知センサ96および全開検知センサ97は、収納庫12の開閉位相情報を取得する。
加えて、現金管理装置本体11には、すべての小束収納庫挿入空間形成部65およびすべての棒金収納庫挿入空間形成部75のそれぞれの前部位置に、図12に示すように、収納庫12のうちの挿入されたものの側板部32から突出する係合ピン101に係合することでこの収納庫12を全閉位置でロックするロック機構22が設けられている。つまり、収納庫12のそれぞれに対して、収納庫12を閉状態で個別にロックするロック機構22が設けられている。
各ロック機構22は、ソレノイド102と、ソレノイド102の駆動で支持軸103を中心に回動する鉤形のロック部材104とを有している。ロック部材104は、前端の爪部105が下降状態にあるとき係合ピン101に係合して収納庫12を引き出し不可にロックする一方、ソレノイド102が電気的に駆動され、爪部105が上昇状態となると係合ピン101への係合つまりロックを解除して収納庫12を引き出し可能とし開作動を許容するロック解除状態となる。このロック解除状態で収納庫12は、棒金および小束紙幣のうちの収納している収納物の機外からの入庫および機外への出庫が可能となる。
また、各ロック機構22は、収納庫12の引き出し後にソレノイド102の駆動が解除されると、ロック部材104は、爪部105が下降状態となり、この状態で、収納庫12が全閉位置の戻されると、係合ピン101が爪部105を押し上げた後に下降させることになり、爪部105が係合ピン101に係合して収納庫12を引き出し不可に自動的かつ機械的にロックする。
加えて、現金管理装置本体11には、すべての小束収納庫挿入空間形成部65およびすべての棒金収納庫挿入空間形成部75のそれぞれの後端位置に、一つの収納庫12が引き出された状態では他のすべての収納庫12の引き出しを規制することで現金管理装置10の転倒を防止する図13に示す転倒防止機構110が設けられている。この転倒防止機構110は、現金管理装置本体11に上下に移動可能に支持された昇降体111と、収納庫12のそれぞれの後端部に設けられた作動ピン112とを有している。昇降体111は、各収納庫12の位置に、前下がりで傾斜する溝部113が形成された規制部材114を有している。
転倒防止機構110は、一つの収納庫12が引き出されると、その作動ピン112が、図13(A)から図13(B)に示すように、溝部113を移動することで溝部113の傾斜により昇降体111を上昇させる。この状態では、図13(B)に示すように、他の収納庫12の作動ピン112の前方に、規制部材114が溝部113の後端を作動ピン112よりも上昇させた状態で配置されることになり、これにより、規制部材114が作動ピン112に当接して収納庫12の引き出しを規制する。
昇降体111は摩擦により下降が規制されるようになっており、図13(B)から図13(A)に示すように、引き出されていた収納庫12が戻されると、その作動ピン112が溝部113を移動することで溝部113の傾斜により昇降体111を下降させる。この状態では、図13(A)に示すように、すべて収納庫12の作動ピン112の前方に、規制部材114が溝部113の後端を作動ピン112と高さを合わせた状態で配置されることになり、これにより、規制部材114が作動ピン112を溝部113に挿入させることが可能となり、すべての収納庫12について択一的な引き出しを許容する状態となる。
そして、本実施形態において、制御部25は、すべての小束収納庫12(b)のそれぞれについて、一の小束収納庫12(b)に対して設けられた全閉検知センサ96および全開検知センサ97の検知結果である開閉位相データからこの一の小束収納庫12(b)が開閉両端位置以外にあり、かつ、この一の小束収納庫12(b)に対して設けられたロータリエンコーダ88の開閉位相データからこの一の小束収納庫12(b)が停止していると判定した状態にあるとき、この一の小束収納庫12(b)に対して設けられた小束セット検知センサ66、左端検出ラインセンサ67、左側帯検出ラインセンサ68、右側帯検出ラインセンサ69および右端検出ラインセンサ70のいずれかの貨幣検出反射データに所定の変化が生じると、不正処理が生じたと判定する。不正処理が生じたと判定すると、制御部25は、その旨のアラーム表示を表示部17に表示させるとともに、アラーム音を音声発生部20に発生させて警告する。
小束セット検知センサ66、左端検出ラインセンサ67、左側帯検出ラインセンサ68、右側帯検出ラインセンサ69および右端検出ラインセンサ70における貨幣検出反射データのこの所定の変化は、数量マスタデータに基づいて変化の有無が判定されるものであり、具体的には、貨幣検出反射データが、数量マスタデータのうち小束紙幣Tが有ることを判定する束有判定基準データ以上である、小束紙幣Tを検出していると判定する状態から、束有判定基準データ未満である、小束紙幣Tを検出していないと判定する状態への変化と、小束紙幣Tを検出していないと判定する状態から、検出していると判定する状態への変化との両方となっている。なお、貨幣検出反射データの上記の所定の変化として、左端検出ラインセンサ67、左側帯検出ラインセンサ68、右側帯検出ラインセンサ69および右端検出ラインセンサ70のいずれかが、指を検出していない状態から指を検出したと判定できる状態への変化を合わせても良い。
また、制御部25は、すべての棒金収納庫12(c)のそれぞれについて、一の棒金収納庫12(c)に対して設けられた全閉検知センサ96および全開検知センサ97の検知結果である開閉位相データからこの一の棒金収納庫12(c)が開閉両端位置以外にあり、かつ、この一の棒金収納庫12(c)に対して設けられたロータリエンコーダ88の開閉位相データからこの一の棒金収納庫12(c)が停止していると判定した状態にあるとき、この一の棒金収納庫12(c)に対して設けられた棒金セット検知センサ76および棒金検出ラインセンサ77のいずれかの貨幣検出反射データに所定の変化が生じると、不正処理が生じたと判定する。不正処理が生じたと判定すると、制御部25は、その旨のアラーム表示を表示部17に表示させるとともに、アラーム音を音声発生部20に発生させて警告する。
棒金セット検知センサ76における貨幣検出反射データのこの所定の変化は、数量マスタデータに基づいて変化の有無が判定されるものであり、具体的には、貨幣検出反射データが、数量マスタデータのうち棒金Bが有ることを判定する棒金有判定基準データ以上である、棒金Bを検出していると判定する状態から、棒金有判定基準データ未満である、棒金Bを検出していないと判定する状態への変化と、棒金Bを検出していないと判定する状態から、検出していると判定する状態への変化との両方となっている。なお、貨幣検出反射データの上記の所定の変化として、棒金検出ラインセンサ77が、指を検出していない状態から指を検出したと判定できる状態への変化を合わせても良い。
以上の構成の本実施形態に係る現金管理システム1に対しては、操作者が、入出金機に補充する等の目的で現金管理装置10から現金を取り出したり、現金管理装置10に現金を補充したりする。つまり、操作者が、現金管理装置10から棒金Bおよび小束紙幣Tのうちの少なくともいずれか一方を手作業で機外に取り出す出庫、現金管理装置10に棒金Bおよび小束紙幣Tのうちの少なくともいずれか一方を機外から手作業で収納する入庫、および入庫と出庫とを同時に行う入庫・出庫のいずれかの入出庫取引を行う。
その際に、まず、入出庫取引の開始にあたって、操作者は、複数の指示装置200のうちの任意の一つを選択して、カードリーダ208にIDカードに記憶されている操作者識別番号データを読み取らせ操作キーボード209に暗証番号データを入力する。なお、現金管理装置10の設定によっては暗証番号の入力を省略することも可能となっている。以下、この入出庫取引を他の入出庫取引と区別するため、第1の入出庫取引と称す。また、この選択された指示装置200を他の指示装置200と区別するため、第1の指示装置200と称す。
第1の指示装置200の制御部215が、入力されたこれらの操作者識別番号データおよび暗証番号データに基づいて操作者を識別する。つまり、第1の指示装置200の制御部215は、入力されたこれらの操作者識別番号データおよび暗証番号データと一致するデータが第1の指示装置200の記憶部216に予め記憶された操作者識別番号のマスタデータおよび暗証番号のマスタデータにあるか否かを判定し、いずれか一方でもマスタデータにない場合、第1の指示装置200の表示部207にその旨の警告を発生させるとともに、第1の指示装置200の音声発生部210にアラーム音を発生させる。
入力された操作者識別番号データおよび暗証番号データと一致する操作者識別番号および暗証番号のマスタデータがある場合、つまり、操作者が適正である場合に、第1の指示装置200の制御部215は、操作者識別番号データに対応づけして第1の指示装置200の記憶部216に記憶されている操作者ランクに応じた操作メニューを第1の指示装置200の表示部207に表示させる。操作者ランクは、すべての指示装置200の記憶部216に予め記憶されている。操作者ランクは、現金管理装置10の入出庫取引の設定入力が許可されている上位のランクと、現金管理装置10の入出庫取引の設定入力が許可されていない下位のランクとがあり、操作者ランクが現金管理装置10の入出庫取引の設定入力が許可されているランクである場合に限り、操作メニューに現金管理装置10の入出庫取引の設定入力の選択メニューが表示される。
操作メニューの表示に基づく第1の指示装置200の操作キーボード209への入力で、入出庫取引の設定入力が選択されると、第1の指示装置200の制御部215は、日時情報を含む第1の入出庫取引の設定識別データを設定するとともに、小束収納庫12(b)に対し入出庫される小束紙幣Tおよび棒金収納庫12(c)に対し入出庫される棒金Bのうちの少なくともいずれか一方について少なくとも一の金種である金種入力データの入力と、入力された金種入力データのそれぞれについての入庫であるか出庫であるかの区別データの入力と、入力された金種入力データのそれぞれについての数量である数量入力データの入力と、を促す表示を、第1の指示装置200の表示部207に表示させる。
操作キーボード209によって、金種入力データ、区別データおよび数量入力データの情報が入力されると、この入力が適正である場合に限り、第1の指示装置200の制御部215は、入力データの設定を確定する確定操作を促す表示を第1の指示装置200の表示部207に表示させて確定操作を許可する。
ここで、上記の入出庫取引の設定入力時に、出庫の限度額を無制限としても良いが、指示装置200の記憶部216に、操作者識別番号データに応じた出庫限度額(出庫限度値)を記憶しておき、金種入力データと数量入力データとから割り出される出庫の合計金額が、操作者識別番号データに対応する出庫限度額を越えている場合には、出庫限度額を越えている旨のアラーム表示を表示させて再入力を待機し、操作者識別番号データに対応する出庫限度額を越えていない場合のみ、確定操作を許可するようにしても良い。このような入出庫取引の設定毎の出庫限度額を設けずに、あるいは入出庫取引の設定毎の出庫限度額に加えて、一日の入出庫取引の合計の出庫限度額を操作者識別番号データ毎に設定しても良い。また、操作者識別番号データ毎に出庫限度額を設定するのではなく、操作者ランク毎に出庫限度額を設定しても良い。
操作者により確定操作が第1の指示装置200の操作キーボード209に入力されると、第1の指示装置200の制御部215は、上記した金種入力データと、区別データと、数量入力データと、これらに基づいて算出される入庫の合計金額および出庫の合計金額とを第1の指示装置200の表示部207に表示させる。それとともに、第1の指示装置200の制御部215は、先に設定した第1の入出庫取引の設定識別データに関連付けて、第1の入出庫取引で入力された操作者識別番号データと、第1の入出庫取引にて入力された上記の金種入力データ、区別データおよび数量入力データとを第1の指示装置200の記憶部216に記憶する。さらに、これらの設定識別データ、操作者識別番号データ、金種入力データ、区別データ、数量入力データを含んだ、入出庫を指示する指示情報を、現金管理装置10にネットワーク経由で送信する。以下、この指示情報を他の指示情報と区別するため、第1の指示情報と称す。
ここで、区別データが入庫であることを示す場合、指示情報には、入庫指示が含まれることになり、区別データが出庫であることを示す場合、指示情報には、出庫指示が含まれることになる。つまり、第1の指示装置200は、棒金および小束紙幣の少なくともいずれか一方からなる収納物の入庫指示および出庫指示の少なくともいずれか一方を含む指示情報を、管理装置群9の現金管理装置10に送信する。
現金管理装置10の制御部25が、上記の第1の指示情報を受信する。すると、現金管理装置10の制御部25は、他と重複しない処理識別番号データ(処理識別情報)を採番し設定する。現金管理装置10の制御部25は、処理識別番号データを、第1の指示情報と関連づけて現金管理装置10の記憶部26に記憶させるとともに、第1の指示装置200に送信する。
処理識別番号データを受信すると、第1の指示装置200の制御部215は、第1の指示情報に含まれる金種入力データ、区別データ、数量入力データから算出される入庫の合計金額と、出庫の合計金額と、受信した処理識別番号データとを、第1の指示装置200の表示部207に表示させるとともに、第1の指示装置200のプリンタ206で紙面に印字して表示させる。以下、この紙面を他の紙面と区別するため、第1の紙面と称す。
上記のように第1の指示装置200にて入出庫取引の設定入力を行った操作者、あるいは別の操作者が、現金管理装置10に行って、そのカードリーダ18にIDカードの操作者識別番号データを読み取らせ、その操作キーボード19に暗証番号データを入力する。すると、現金管理装置10の制御部25が、入力されたこれらの操作者識別番号データおよび暗証番号データと一致するデータが現金管理装置10の記憶部26に予め記憶された操作者識別番号のマスタデータおよび操作者識別番号のマスタデータにあるか否かを判定し、いずれか一方でもマスタデータにない場合、現金管理装置10の表示部17にその旨の警告を発生させるとともに、音声発生部20にアラーム音を発生させる。
入力された操作者識別番号データおよび暗証番号データと一致する操作者識別番号および暗証番号のマスタデータがある場合、つまり、操作者が適正である場合に、現金管理装置10の制御部25は、操作者識別番号データに対応づけして現金管理装置10の記憶部26に記憶されている操作者ランクに応じた操作メニューを現金管理装置10の表示部17に表示させる。操作者ランクは、現金管理装置10の記憶部26に予め記憶されている。操作者ランクは、現金管理装置10の入出庫取引の実行が許可されている上位のランクと、現金管理装置10の入出庫取引の実行が許可されていない下位のランクとがあり、操作者ランクが現金管理装置10の入出庫取引の実行が許可されているランクである場合に限り、操作メニューに現金管理装置10の入出庫取引の実行の選択メニューが表示される。
ここで、指示装置200の記憶部216に記憶されている入出庫取引の設定入力に関する操作者ランクと、現金管理装置10の記憶部26に記憶されている入出庫取引の実行に関する操作者ランクとは、同じとしたり、異ならせたりすることができる。同じとする場合は、指示装置200で上位ランクの操作者識別番号データは、現金管理装置10でも必ず上位ランクとなり、指示装置200で下位ランクの操作者識別番号データは、現金管理装置10でも必ず下位ランクとなる。これに対して、異ならせる場合は、指示装置200および現金管理装置10の両方で上位ランクとなる操作者識別番号データがあり、指示装置200および現金管理装置10の両方で下位ランクとなる操作者識別番号データがあって、その上で、指示装置200では上位ランクで現金管理装置10では下位ランクとなる操作者識別番号データがあることになる。
入力された操作者識別番号データおよび暗証番号データと一致する操作者識別番号および暗証番号のマスタデータがあって、操作者識別番号データが上位のランクである場合、現金管理装置10の制御部25は、現金管理装置10の表示部17に、指示装置200との連携処理である入出庫取引の実行入力の選択を含む操作メニューを表示させる。
操作メニューの表示に基づく現金管理装置10の操作キーボード19への入力で、入出庫取引の実行入力が選択されると、現金管理装置10の制御部25は、現金管理装置10の表示部17に、処理識別番号データの入力を促す画面を表示させるとともに、現金管理装置10の操作キーボード19への処理識別番号データの入力を待機することになる。このとき、現金管理装置10の記憶部26に記憶されている未処理の処理識別番号データを現金管理装置10の表示部17に一覧表示させて、その中から現金管理装置10の操作キーボード19によって所望の処理識別番号データを選択入力させるようにしても良い。
そして、現金管理装置10の制御部25は、処理識別番号データが入力されると、この入力データと一致するものが、現金管理装置10の記憶部26に記憶されている処理識別番号データの未処理の記憶データにあるか否かを判定し、入力データに一致するものが記憶データになければ、現金管理装置10の表示部17にその旨の警告を発生させるとともに、音声発生部20にアラーム音を発生させて、一致するまで待機する。
現金管理装置10の操作キーボード19に入力された処理識別番号データの入力データに一致するものが、現金管理装置10の記憶部26の未処理の記憶データにある場合、現金管理装置10の制御部25は、現金管理装置10の表示部17に、入庫および出庫のそれぞれの合計金額の入力を促す画面を表示させる。
例えば、操作者が第1の紙面に表示された処理識別番号データを現金管理装置10の操作キーボード19に入力し、その結果、入力された処理識別番号データが現金管理装置10の記憶部26に記憶されている未処理の記憶データにある場合、現金管理装置10の制御部25は、現金管理装置10の表示部17に、入庫および出庫のそれぞれの合計金額の入力を促す画面を表示させる。現金管理装置10の制御部25は、それとともに、現金管理装置10の操作キーボード19による入庫および出庫のそれぞれの合計金額(一方が0の場合も含む)の入力を待機することになる。そして、現金管理装置10の制御部25は、入庫および出庫のそれぞれの合計金額が入力されると、処理識別番号データに関連づけて現金管理装置10の記憶部26に記憶されている第1の指示情報に含まれる入庫および出庫のそれぞれの金種入力データと数量入力データから算出される合計金額との一致を確認する。入庫および出庫のそれぞれの合計金額について入力データと記憶データとが一致していなければ、現金管理装置10の表示部17にその旨の警告を発生させるとともに、音声発生部20にアラーム音を発生させて、一致する入力が行われるまで待機する。なお、ここで入力される合計金額については、少なくとも、現金管理装置10からの出庫に関わる合計金額の入力だけを求め、かつ、第1の指示情報に含まれる出庫の金種入力データと数量入力データから算出される合計金額との一致の確認だけを求めるようにしても良い。
入庫および出庫のそれぞれの合計金額について入力データと記憶データとが一致していると、現金管理装置10の制御部25は、日時情報を含む第1の入出庫取引の取引識別データを設定するとともに、処理識別番号データに関連づけて現金管理装置10の記憶部26に記憶されている第1の指示情報から、小束収納庫12(b)に対し入出庫される小束紙幣Tおよび棒金収納庫12(c)に対し入出庫される棒金Bのうちの少なくともいずれか一方について少なくとも一の金種である金種入力データと、入力された金種入力データのそれぞれについての入庫であるか出庫であるかの区別データと、入力された金種入力データのそれぞれについての数量である数量入力データとを現金管理装置10の表示部17に表示させるとともに、入出庫取引の実行操作を促す表示を現金管理装置10の表示部17に表示させて入出庫取引の実行操作を許可する。
ここで、出庫の場合に、限度額を無制限としても良いが、現金管理装置10の記憶部26に、操作者識別番号データに応じた出庫限度額(出庫限度値)を設定記憶しておき、上記のように合計金額の入力データと記憶データとの一致を確認する際に、現金管理装置10の操作キーボード19によって入力された出庫の合計金額が、操作者識別番号データに対応する出庫限度額を越えているか否かを確認し、出庫の合計金額が、操作者識別番号データに対応する出庫限度額を越えている場合には、出庫限度額を越えている旨のアラーム表示を表示させて再入力を待機し、出庫の合計金額が、操作者識別番号データに対応する出庫限度額を越えていなければ、入出庫取引の実行操作を許可するようにしても良い。出庫の合計金額が、操作者識別番号データに対応する出庫限度額を越えている場合に、操作者は、操作者ランクが上の操作者に入出庫取引の実行操作を依頼することになる。つまり、現金管理システム1では、操作者識別番号データに対応する出庫限度額を越えていない場合に限り、現金管理装置10での出庫が可能となる。
操作者により入出庫取引の実行操作が現金管理装置10の操作キーボード19に入力されると、現金管理装置10の制御部25は、第1の指示情報の金種入力データに小束紙幣Tが含まれる場合は、含まれる金種の小束紙幣Tを収納している現金管理装置10の小束収納庫12(b)を、一旦通常の開閉取引としてその開庫を許可し、対応するロック機構22によりロックを解除することによって、第1の指示情報の金種入力データの小束紙幣Tが収納されている小束収納庫12(b)を開作動可能とするとともに、開作動可能な小束収納庫12(b)の表示灯23を点灯させる。また、第1の指示情報の金種入力データに棒金Bが含まれる場合は、含まれる金種の棒金Bを収納している現金管理装置10の棒金収納庫12(c)を、一旦通常の開閉取引としてその開庫を許可し、対応するロック機構22によりロックを解除することによって、第1の指示情報の金種入力データの棒金Bが収納されている棒金収納庫12(c)を開作動可能とするとともに、開作動可能な棒金収納庫12(c)の表示灯23を点灯させる。勿論、小束収納庫12(b)および棒金収納庫12(c)のうち、第1の指示情報の金種入力データの貨幣を収納していないもののロックは解除せず、表示灯23も消灯状態を維持する。なお、複数の収納庫12のロック機構22によるロックが解除されても、転倒防止機構110によって、一つの収納庫12が引き出されると、他の収納庫12の引き出しは規制されることになる。好ましくは、第1の指示情報の金種入力データに小束紙幣Tと棒金Bの両方が含まれる場合は、いずれかのロック解除を先に行って小束紙幣Tまたは棒金Bの入出金取引を行い、すべての収納庫12が閉じられた後に、他方のロック解除を行って、残る他方の入出金取引を行うようにしても良い。
現金管理装置10の制御部25は、例えば、第1の指示情報の金種入力データに、現金管理装置10の一の小束収納庫12(b)に収納されている小束紙幣Tが含まれる場合、この一の小束収納庫12(b)のロック機構22のロックを解除するとともにその表示灯23を点灯させることになり、その後、この一の小束収納庫12(b)の現金管理装置本体11からの引き出しが開始されると、この一の小束収納庫12(b)用の全閉検知センサ96、ロータリエンコーダ88および全開検知センサ97の開閉位相データからこの一の小束収納庫12(b)の開閉位置を検出することになり、これらの開閉位相データからこの一の小束収納庫12(b)が後端位置から前端位置まで移動したか否かを判断する。
つまり、現金管理装置10の制御部25は、この一の小束収納庫12(b)用の全閉検知センサ96、ロータリエンコーダ88および全開検知センサ97の開閉位相データに基づき、ロータリエンコーダ88が検知ディスク87の回転の検知を開始し且つ全閉検知センサ96が検知片95を検知しない状態となった後、ロータリエンコーダ88が検知ディスク87の回転の検知を停止し且つ全開検知センサ97が検知片95を検知する状態となると、この一の小束収納庫12(b)が後端位置から前端位置まで開庫された正常開動作を検出する。
その後、現金管理装置10の制御部25は、ロータリエンコーダ88が検知ディスク87の回転の検知を開始し且つ全開検知センサ97が検知片95を検知しない状態となることで、この一の小束収納庫12(b)の閉方向の移動開始を検出すると、この一の小束収納庫12(b)に対して設けられた小束セット検知センサ66、左端検出ラインセンサ67、左側帯検出ラインセンサ68、右側帯検出ラインセンサ69および右端検出ラインセンサ70の組の左右二組について、これらを駆動して、閉庫時の貨幣検出反射データの取り込みを開始させる。そして、ロータリエンコーダ88が検知ディスク87の回転の検知を停止し且つ全閉検知センサ96が検知片95を検知する状態となることで、この一の小束収納庫12(b)が後端位置に閉庫されたことが検出されると、貨幣検出反射データの取り込みを終了させる。
そして、この一の小束収納庫12(b)の前端位置から後端位置に閉庫された正常開閉動作が検出されると、現金管理装置10の制御部25は、この一の小束収納庫12(b)の表示灯23を消灯し、この一の小束収納庫12(b)に対して設けられた小束セット検知センサ66、左端検出ラインセンサ67、左側帯検出ラインセンサ68、右側帯検出ラインセンサ69および右端検出ラインセンサ70の組の左右二組についての閉庫時の貨幣検出反射データから、上記のようにして、この一の小束収納庫12(b)の各束収納凹部49に収納された小束紙幣Tの数量検出データおよび個々の小束紙幣Tの金種検出データを取得する。取得後、現金管理装置10の制御部25は、現金管理装置10の表示部17に、第1の指示情報の金種入力データ、区別データおよび数量入力データを表示させるとともに、合わせて、この一の小束収納庫12(b)の識別表示と、この一の小束収納庫12(b)について取得した、数量検出データおよび金種検出データを総合した金種別の数量検出データとを関連付けて表示させる。
加えて、現金管理装置10の制御部25は、今回取得した金種別の数量検出データと、前回の入出庫取引時に現金管理装置10の記憶部26に記憶されたこの一の小束収納庫12(b)の金種別の数量検出データとから、この一の小束収納庫12(b)における増減分となる、今回の第1の入出庫取引での、実取引の数量である数量実取引データおよび実取引の金種である金種実取引データを総合した金種別の数量実取引データを割り出す。そして、現金管理装置10の制御部25は、この金種別の数量実取引データを、第1の指示情報の数量入力データと金種入力データとを総合した金種別の数量入力データと照合し、差異が存在したか否かを判定する。つまり、金種別の数量実取引データと、金種別の数量入力データとが一致すれば、差異は存在しないと判定し、それ以外は、差異が発生したと判定する。
差異が存在しなければ、現金管理装置10の制御部25は、今回割り出した金種別の数量実取引データと、今回取得した金種別の数量検出データとを、第1の入出庫取引の取引識別データと関連付けて現金管理装置10の記憶部26に記憶し、この一の小束収納庫12(b)に対する開閉取引が終了したと判断する。
他方、この一の小束収納庫12(b)において、金種別の数量実取引データと金種別の数量入力データとに差異が存在すると、現金管理装置10の制御部25は、現金管理装置10の表示部17に、この一の小束収納庫12(b)の識別表示と、金種別の数量実取引データと金種別の数量入力データとが一致しない旨の差異の種類と、金種別の数量実取引データと金種別の数量入力データとから割り出される、取り出す小束紙幣Tの金種別の数量と装填する小束紙幣Tの金種別の数量とを含む差異の解消方法とを、関連付けて警報として表示させる。そして、警報表示される解消方法を操作者が選択すると、現金管理装置10の制御部25は、通常の開閉取引から、通常以外の開閉取引に移行し、再びこの一の小束収納庫12(b)に対する開庫を許可して、そのロックを対応するロック機構22により解除することにより、この一の小束収納庫12(b)を開作動可能とするとともに、その表示灯23を点灯させる。
そして、差異が解消されると、現金管理装置10の制御部25は、上記と同様に、今回割り出した金種別の数量実取引データと、今回取得した金種別の数量検出データとを、第1の入出庫取引の取引識別データと関連付けて現金管理装置10の記憶部26に記憶し、この一の小束収納庫12(b)に対する開閉取引が終了したと判断する。
なお、第1の入出庫取引にて入力された金種入力データに他の小束収納庫12(b)に収納されている小束紙幣Tの金種が含まれている場合、現金管理装置10の制御部25は、上記した一の小束収納庫12(b)と同様の処理を現金管理装置10の他の小束収納庫12(b)に対して行うことになる。
また、現金管理装置10の制御部25は、第1の指示情報の金種入力データに、一の棒金収納庫12(c)に収納されている棒金Bが含まれる場合、この一の棒金収納庫12(c)のロックを解除するとともにその表示灯23を点灯させることになり、その後、この一の棒金収納庫12(c)の現金管理装置本体11からの引き出しが開始されると、この一の棒金収納庫12(c)用の全閉検知センサ96、ロータリエンコーダ88および全開検知センサ97の開閉位相データからこの一の棒金収納庫12(c)の開閉位置を検出することになり、これらの開閉位相データからこの一の棒金収納庫12(c)が後端位置から前端位置まで移動したか否かを判断する。
つまり、現金管理装置10の制御部25は、この一の棒金収納庫12(c)用の全閉検知センサ96、ロータリエンコーダ88および全開検知センサ97の開閉位相データに基づき、ロータリエンコーダ88が検知ディスク87の回転の検知を開始し且つ全閉検知センサ96が検知片95を検知しない状態となった後、ロータリエンコーダ88が検知ディスク87の回転の検知を停止し且つ全開検知センサ97が検知片95を検知する状態となると、この一の棒金収納庫12(c)が後端位置から前端位置まで開庫された正常開動作を検出する。
その後、現金管理装置10の制御部25は、ロータリエンコーダ88が検知ディスク87の回転の検知を開始し且つ全開検知センサ97が検知片95を検知しない状態となることで、この一の棒金収納庫12(c)の閉方向の移動開始を検出すると、この一の棒金収納庫12(c)に対して設けられたすべての棒金セット検知センサ76およびすべての棒金検出ラインセンサ77を駆動して、閉庫時の貨幣検出反射データの取り込みを開始させる。そして、ロータリエンコーダ88が検知ディスク87の回転の検知を停止し且つ全閉検知センサ96が検知片95を検知する状態となることで、この一の棒金収納庫12(c)が後端位置に閉庫されたことが検出されると、貨幣検出反射データの取り込みを終了させる。
そして、この一の棒金収納庫12(c)の前端位置から後端位置に閉庫された正常開閉動作が検出されると、現金管理装置10の制御部25は、この一の棒金収納庫12(c)の表示灯23を消灯し、この一の棒金収納庫12(c)に対して設けられたすべての棒金セット検知センサ76およびすべての棒金検出ラインセンサ77についての閉庫時の貨幣検出反射データから、上記のようにして、この一の棒金収納庫12(c)の各棒金収納凹部59に収納された棒金Bの数量検出データおよび個々の棒金Bの金種検出データ、より正確には、棒金Bの設定金種に一致するか否かのデータを取得する。取得後、現金管理装置10の制御部25は、現金管理装置10の表示部17に、上記した金種入力データ、区別データおよび数量入力データを表示させるとともに、合わせて、この一の棒金収納庫12(c)の識別表示と、この一の棒金収納庫12(c)について取得した、数量検出データおよび金種検出データを総合した金種別の数量検出データとを関連付けて表示させる。
加えて、現金管理装置10の制御部25は、今回取得した金種別の数量検出データと、前回の入出庫取引時に現金管理装置10の記憶部26に記憶されたこの一の棒金収納庫12(c)の金種別の数量検出データとから、この一の棒金収納庫12(c)における増減分となる、今回の第1の入出庫取引での、実取引の数量である数量実取引データおよび実取引の金種である金種実取引データを総合した金種別の数量実取引データを割り出す。そして、制御部25は、この金種別の数量実取引データを、第1の指示情報の数量入力データと金種入力データとを総合した金種別の数量入力データと照合し、差異が存在したか否かを判定する。つまり、金種別の数量実取引データと、金種別の数量入力データとが一致すれば、差異は存在しないと判定し、それ以外は、差異が発生したと判定する。
差異が存在しなければ、現金管理装置10の制御部25は、今回割り出した金種別の数量実取引データと、今回取得した金種別の数量検出データとを、第1の入出庫取引の取引識別データと関連付けて現金管理装置10の記憶部26に記憶し、この一の棒金収納庫12(c)に対する開閉取引が終了したと判断する。
他方、この一の棒金収納庫12(c)において、金種別の数量実取引データと金種別の数量入力データとに差異が存在すると、現金管理装置10の制御部25は、現金管理装置10の表示部17に、この一の棒金収納庫12(c)の識別表示と、金種別の数量実取引データと金種別の数量入力データとが一致しない旨の差異の種類と、金種別の数量実取引データと金種別の数量入力データとから割り出される、取り出す棒金Bの金種別の数量と装填する棒金Bの金種別の数量とを含む差異の解消方法とを、関連付けて警報として表示させる。そして、警報表示される解消方法を操作者が選択すると、現金管理装置10の制御部25は、通常の開閉取引から、通常以外の開閉取引に移行し、再びこの一の棒金収納庫12(c)に対する開庫を許可して、そのロックを対応するロック機構22により解除することにより、この一の棒金収納庫12(c)を開作動可能とするとともに、その表示灯23を点灯させる。
そして、差異が解消されると、現金管理装置10の制御部25は、上記と同様に、今回割り出した金種別の数量実取引データと、今回取得した金種別の数量検出データとを、第1の入出庫取引の取引識別データと関連付けて現金管理装置10の記憶部26に記憶し、この一の棒金収納庫12(c)に対する開閉取引が終了したと判断する。
なお、第1の入出庫取引にて入力された金種入力データに他の棒金収納庫12(c)に収納されている棒金Bの金種が含まれている場合、現金管理装置10の制御部25は、上記した一の棒金収納庫12(c)と同様の処理を現金管理装置10の他の棒金収納庫12(c)に対して行うことになる。
最後に、現金管理装置10の制御部25は、すべての小束収納庫12(b)およびすべての棒金収納庫12(c)のうち、第1の指示情報の金種入力データの金種を収納しているものすべてについて、開閉取引が終了したと判断すると、第1の入出庫取引が終了したと判断する。
なお、上記の説明においては、現金管理装置10の一の小束収納庫12(b)及びまたは一の棒金収納庫12(c)に対する入出庫取引を例にして説明したが、これに限るものではなく、図1に示したように、現金管理装置10に、さらに、1台以上の補助的現金管理装置10Aが接続されている場合であって、入出庫に関わる小束または棒金を1台以上の補助的現金管理装置10Aに対して行う必要がある場合にも、操作及び表示は現金管理装置10にて行い、小束または棒金の入出庫は指示された、または指示した1台以上の補助的現金管理装置10Aにおいて行われるように制御されることになる。
以上の実施形態においては、指示装置群201の複数台の指示装置200と管理装置群9の1台の現金管理装置10とが通信可能に設けられた現金管理システム1について、1台の指示装置200と1台の現金管理装置10との連携を例にとり説明したが、複数台の指示装置200のそれぞれについて、上記と同様にして、1台の現金管理装置10と連携することができる。
以上により、現金管理装置10は、指示装置群201の複数台の指示装置200と管理装置群9の1台の現金管理装置10とが通信可能に設けられており、複数台の指示装置200は、それぞれが、1台の現金管理装置10に対して指示情報を送信し、1台の現金管理装置10は、複数台の指示装置200のうちの一の指示装置200から一の指示情報を受信すると、他と重複しない処理識別番号データを、前記一の指示情報と関連づけて記憶し前記一の指示装置200に送信して前記一の指示装置200に表示させるとともに、前記処理識別情報が操作キーボード19を介して入力されるとロック解除状態となる。
また、指示装置200は、カードリーダ208、操作キーボード209、制御部215および記憶部216による操作者の識別結果が適正である場合に限り、指示情報を現金管理装置10に送信する。現金管理装置10は、カードリーダ18、操作キーボード19、制御部25および記憶部26による操作者の識別結果が適正である場合に限り、ロック解除状態になる。
また、現金管理装置10は、入庫数および出庫数を検出する検出手段を有しており、処理識別番号データが操作キーボード19を介して入力されてロック解除状態となった後、当該処理識別番号データに関連づけて記憶された指示情報と検出手段の検出結果とが一致するか否かを判定し、一致しない場合にはアラームを発生させる。
さらには、現金管理装置10に、一台以上の補助的現金管理装置が接続されている場合にあっては、現金管理装置10ないし一台以上の補助的現金管理装置のいずれか一以上をロック解除状態となす。
以上に述べた本実施形態に係る現金管理システム1によれば、指示装置200が、収納物の入庫指示および出庫指示の少なくともいずれか一方を含む指示情報を現金管理装置10に送信すると、現金管理装置10は、この指示情報を受信して、他と重複しない処理識別番号データを、指示情報と関連づけて記憶し指示装置200に送信する。すると、この指示装置200がこの処理識別番号データを表示させる。そして、現金管理装置10は、この処理識別番号データが操作キーボード19を介して入力されるとロック解除状態となる。このように、現金管理装置10において他と重複しない処理識別情報を設定して指示装置200と連携することから、多様化したニーズに対応する場合であっても、指示装置200側に必要な変更を少なくできる。したがって、多様化したニーズに容易に対応することができる。
つまり、上記のように、指示装置群201の複数台の指示装置200と管理装置群9の1台の現金管理装置10とが通信可能に設けられる場合に、複数台の指示装置200のうちの一の指示装置200が、収納物の入庫指示および出庫指示の少なくともいずれか一方を含む一の指示情報を、1台の現金管理装置10に送信すると、前記現金管理装置10は、前記一の指示情報を受信して、他と重複しない処理識別情報を、前記一の指示情報と関連づけて記憶し前記一の指示装置200に送信する。すると、前記一の指示装置200が前記処理識別番号データを表示させる。そして、前記現金管理装置10は、前記処理識別情報が操作キーボード19を介して入力されるとロック解除状態となる。これにより、複数台の指示装置200に1台の現金管理装置10を連携させるニーズに容易に対応することができる。
また、図14(A)に示すように1台の指示装置200と1台の現金管理装置10とが通信可能に設けられる場合や、図14(B)に示すように複数台の指示装置200と1台の現金管理装置10とが通信可能に設けられる場合にも、同じ現金管理装置10を用いることができ、指示装置200の改修も少なくなる。これにより、複数のニーズに容易に対応することができる。例えば、図14(B)に示すように複数台の指示装置200と1台の現金管理装置10とが通信可能に設けられる場合には、複数台の指示装置200のうちの一の指示装置200が、収納物の入庫指示および出庫指示の少なくともいずれか一方を含む一の指示情報を現金管理装置10に送信すると、現金管理装置10は、前記一の指示情報を受信して、他と重複しない処理識別情報を、前記一の指示情報と関連づけて記憶し前記一の指示装置200に送信する。すると、前記一の指示装置200が前記処理識別情報を表示させる。そして、現金管理装置10は、前記処理識別情報が操作キーボード19を介して入力されるとロック解除状態となる。これにより、複数台の指示装置200で一台の現金管理装置10を共用化するニーズに容易に対応することができる。
また、複数台の指示装置200が同種の装置である場合には、複数台の同種の指示装置200で一台の現金管理装置10を共用化するニーズに容易に対応することができる。
また、複数台の指示装置200が異種の装置である場合には、複数台の異種の指示装置200で一台の現金管理装置10を共用化するニーズに容易に対応することができる。
また、指示装置200は、カードリーダ208、操作キーボード209、制御部215および記憶部216によって、操作者識別データを識別し、その識別結果が適正である場合に限り、指示情報を現金管理装置10に送信する。このため、すべての指示装置200から指示情報を現金管理装置10に送信することができたり、一部の指示装置200から指示情報を現金管理装置10に送信することができるものの残りの指示装置200からは指示情報を現金管理装置10に送信することができなかったり、すべての指示装置200から指示情報を現金管理装置10に送信することができなかったり等、操作者識別データに応じて、指示情報を現金管理装置10に送信する権限を異ならせることができる。
また、現金管理装置10は、カードリーダ18、操作キーボード19、制御部25および記憶部26によって、操作者識別データを識別し、その識別結果が適正である場合に限り、ロック解除状態となる。このため、権限を有している者に対しては識別結果が適正となって現金管理装置10をロック解除状態とし、権限を有していない者に対しては識別結果が適正とはならず現金管理装置10をロック解除状態にしない等、識別した操作者識別データに応じて、現金管理装置10のロックを解除する権限を異ならせることができる。
また、同じ操作者識別データであれば、指示装置200から指示情報を現金管理装置10に送信することができて現金管理装置10をロック解除状態とすることができるようにしたり、同じ操作者識別データであっても、指示装置200から指示情報を現金管理装置10に送信することができるものの現金管理装置10をロック解除状態とすることができなくしたりすること等ができる。現金管理装置10をロック解除状態とすることができない場合、現金管理装置10をロック解除状態とすることができる操作者識別データが記憶されたIDカードを有する操作者に操作を依頼することになる。
また、現金管理装置10は、カードリーダ18、操作キーボード19、制御部25および記憶部26によって、操作者識別データを識別し、その識別結果に応じて指示情報として設定可能な出庫限度値が設定されている。このため、操作者のランクに応じて出庫限度値を設定できる。例えば、一の操作者識別データに対しては出庫限度値を100万円とし、別の操作者識別データに対しては出庫限度値を500万円とし、さらに別の操作者識別データに対しては出庫限度値を無制限としたりすることができる。現金管理装置10から所望の出庫ができない場合、所望の出庫ができる操作者識別データが記憶されたIDカードを有する操作者に操作を依頼することになる。
以上の実施形態においては、入出庫が許可されたランクの操作者識別番号データが現金管理装置10で得られ、処理識別番号データの入力データと一致する記憶データが存在し、この処理識別番号データを含む指示情報の入庫および出庫のそれぞれの合計金額の記憶データと入力データとが一致するという3つの条件を満足する場合に、現金管理装置10の収納庫12のロックを解除する場合を説明した。これに対し、現金管理装置10において、入力された操作者識別データと同じ操作者識別データを含む指示情報が記憶されているという1つの条件を満足する場合に、この指示情報に基づいて収納庫12のロックを解除しても良い。また、現金管理装置10において、処理識別番号データの入力データと一致する記憶データを含む指示情報が記憶されているという1つの条件を満足すると、この処理識別番号データを含む指示情報に基づいて収納庫12のロックを解除しても良い。また、現金管理装置10において、入庫および出庫のそれぞれの合計金額の入力データと一致する記憶データを含む指示情報が記憶されているという1つの条件を満足すると、この指示情報に基づいて収納庫12のロックを解除しても良い。この場合、指示装置200での設定入力からの時間を見て、時間の経過とともに、上記条件に、処理識別番号データの入力データと記憶データとの一致を見る条件を付加したり、操作者識別データの入力データと記憶データとの一致を見る条件を付加したりしても良い。