以下、本発明に係る貨幣管理システム及び貨幣管理方法の実施の一形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の一形態を示すシステム概略図である。図1に示す貨幣管理システム(貨幣処理システム)300は、相互に通信可能に構成された出納機100と貨幣管理装置200(現金バスとも呼ばれる)とを備えている。出納機100が、貨幣管理本体機(貨幣処理本体機)として機能し、貨幣管理装置200が、貨幣管理端末機(貨幣処理端末機)として機能するようになっている。出納機100及び貨幣管理装置200は、それぞれ、上位の貨幣管理装置(貨幣処理装置)及び下位の貨幣管理装置(貨幣処理装置)、として理解されてもよい。また、1台の出納機100に対して、複数台の貨幣管理装置200が通信可能に設けられてもよい。
図2は、出納機100の外観を示す斜視図である。図3は、出納機100の機能ブロック図である。
図2に示すように、出納機100は、束紙幣を処理する束紙幣処理部P1及びバラ紙幣を処理するバラ紙幣処理部P2からなる紙幣処理装置11と、バラ硬貨を処理するバラ硬貨処理装置12と、包装硬貨を処理する包装硬貨処理装置13と、を備えている。図2において、21は束紙幣を出金する束紙幣出金口、22はバラ紙幣を出金するバラ紙幣出金口、23は包装硬貨を出金する包装硬貨出金口、24はバラ硬貨を出金するバラ硬貨出金口、である。
また、この出納機100は、現金以外の有価証券類を投入する現金外ボックス14、出納機100全体を制御する制御部15、制御部15に各種の指示を与えるキーボード式操作部16、制御部15による指示に従って印字処理を行う外部プリンタ18、を備えている。外部プリンタ18が、レシート発行装置及び/又は認証印字プリンタとして機能するようになっている。本実施の形態では、許可者に対して操作情報を提供するために、操作情報に対応する4桁の数字が伝票に印字されるようになっている。
制御部15は、その一部として、一般行員及び管理者とのインタフェースとしての表示部15aと、一般行員及び管理者が所持するIDカードの内容を読み取るIDカードリーダ15bと、を備えている。本実施の形態においてはIDカードリーダが用いられているが、これに限られず、公知の顔認証端末や、指に流れる静脈を認証するもの等、使用者本人を認証するものであれば何を用いても構わない。
また、図3に示すように、この制御部15は、各種プログラム及びデータを格納したROM15d、プログラムのロード領域やプログラム実行時における作業領域となるRAM15e、フレキシブルディスクに対してデータを読み書きするフレキシブルディスクドライブ15f、各種プログラム及びデータを記憶したハードディスクドライブ15g、ROM15dやハードディスクドライブ15g内に格納されたプログラムを実行等して出納機100全体を制御する制御本体部15c、を備えている。
また、図3に示すように、出納機100は、貨幣管理装置200との間でデータ通信を行う通信インタフェース(通信IF)19を備えている。これにより、出納機100(貨幣管理本体機)と貨幣管理装置200(貨幣管理端末機)とは、相互に通信可能となっている。
図4は、貨幣管理装置200の外観を示す斜視図である。図4に示すように、貨幣管理装置200は、1万円紙幣を収納保管する第1紙幣収納ドロア211と、その他の金種の紙幣を収納保管する第2紙幣収納ドロア212と、100円と10円と1円の硬貨を収納保管する第1硬貨収納ドロア213と、500円と50円と5円の硬貨を収納保管する第2硬貨収納ドロア214と、現金以外の有価証券類も投入することができる予備収納ドロア215と、を有している。
また、この貨幣管理装置200は、貨幣管理装置200の全体を制御する制御装置225(制御手段)と、制御装置225に各種の指示を与えるキーボード式操作部226と、使用者(営業員及び管理者)とのインタフェースとしての表示部227と、収納庫に貨幣を入出金する操作を行う使用者が所持するIDカードの内容を読み取るIDカードリーダ228と、を備えている。
IDカードの内容、即ち、IDカードに記憶されたID情報が、使用者情報の一態様であり、IDカードリーダ228が、使用者情報取得手段の一態様である。図4の例では、接触式のIDカードリーダ228が採用されているが、非接触式のカードリーダが採用されてもよい。また、IDカードリーダの他に、出納機100と同様、顔認証や静脈認証等を利用するための機器が採用されてもよい。
図5は、貨幣管理装置200の第2紙幣収納ドロア212の斜視図である。図5に示すように、第2紙幣収納ドロア212には、3種類の金種の紙幣の束が、規則正しく収納保管される。図5の例では、第2紙幣収納ドロア212の内部に、4つの紙幣保管容器221〜224が配置されており、各容器ごとに、収納保管される紙幣の金種が決められている。また、1束100枚の束紙幣を10束ごとに束ねた大束紙幣が収納保管されるようになっていてもよい。
図6は、貨幣管理装置200の第2硬貨収納ドロア214の斜視図である。図6に示すように、第2硬貨収納ドロア214には、3種類の金種の棒金状態の硬貨が、規則正しく収納保管される。図6の例では、第2硬貨収納ドロア214の内部に、3つの硬貨保管容器241〜243が配置されており、各容器ごとに、収納保管される硬貨の金種が決められている。
硬貨保管容器241の底面には、硬貨保管容器241内に収納保管される硬貨の重量を測定するための測定手段として、ロードセル261が設けられている。ロードセル261の構成の詳細については十分に知られていると思われるので、ここでの説明は省略する。他の硬貨保管容器242、243、並びに、紙幣保管容器221〜224についても、同様にロードセル261が設けられている。このような構成によって、各金種ごとに、収納保管されている貨幣の重量が測定されるようになっている。
その他、図7は、予備収納庫(予備ドロア)215の斜視図である。図7に示すように、予備収納庫215には、硬貨予備収納部251及び紙幣予備収納部252の他に、現金以外の有価証券類を投入することができる空スペース253が設けられている。
続いて、図8は、貨幣管理装置200の制御装置225の機能ブロック図である。制御装置225は、各種プログラム及びデータを格納したROM225d、プログラムのロード領域やプログラム実行時における作業領域となるRAM225e、各種プログラム及びデータを記憶したハードディスクドライブ225g、ROM225dやハードディスクドライブ225g内に格納されたプログラムを実行等して貨幣管理装置200全体を制御する演算制御部225c、を備えている。
演算制御部225c(演算手段)は、各金種ごとに対応して設けられたロードセル261(重量測定手段)に接続されており、ロードセル261の出力値に基づいて、収納保管された貨幣の重量に対応する貨幣の金額を算出できるようになっている。そして、ハードディスクドライブ225gが、演算制御部225c(記憶手段)によって算出された貨幣の金額を記憶するようになっている。
本実施の形態では、ここで、IDカードリーダ228が読み取るID情報(使用者情報)も、算出された貨幣の金額(入出金操作後の収納保管金額)と対応させた態様で、ハードディスクドライブ225gに記憶されるようになっている。
本実施の形態では、更に、キーボード式操作部226(入力手段)において、収納庫に対して入出金される貨幣の金額が入力されるようになっており、演算制御部225cが、精査手段として、ロードセル261の出力値から算出された金額と、キーボード式操作部226で入力された金額と、を精査できるようになっている。
また、図8に示すように、貨幣管理装置200は、出納機100との間でデータ通信を行う通信インタフェース(通信IF)229を備えている。これにより、貨幣管理装置200(貨幣管理端末機)と出納機100(貨幣管理本体機)とは、相互に通信可能となっている。
また、本実施の形態の制御装置225は、ロック制御手段として、各ドロア211〜215に設けられた開閉電磁ロック211m〜215mに接続されていて、各ドロア211〜215を、貨幣の入出金が可能な開状態と貨幣の入出金が不可能なロック状態との間で切替えることができるようになっている。
この切替制御の条件として、本実施の形態では、使用者照合が採用されている。具体的には、例えば、予め許可者として設定された使用者のID情報(使用者情報)が、ハードディスクドライブ225gに記憶されていて、IDカードリーダ228(使用者情報取得手段)が読み取ったID情報が、使用者識別手段としての演算制御部225cによって、許可者のID情報に対して照合されるようになっている。照合の結果がYESである、即ち、IDカードリーダ228が読み取ったID情報が、予め許可者として設定された使用者のID情報に合致する場合にのみ、制御装置225は、開閉電磁ロック211m〜215mを制御して、貨幣の収納/取出が可能な開状態とすることができる。
別の切替制御の条件として、本実施の形態では、使用者照合に加えて、連携情報の照合も採用され得る。連携情報とは、例えば入出金操作ごとに設定される操作情報であり、通常は入出金の金種及び金額のデータであるが、入出金操作の手順に関するデータを含むこともあり得る。連携情報の照合の具体的態様としては、例えば、予め許可操作として設定された連携情報が、出納機100から通信機能を利用して例えばRAM225eに転送記憶され、一方、使用者によって、連携情報に対応する4桁の連携番号が、キーボード式操作部226(連携情報取得手段)で入力され得る。そして、入力された4桁の連携番号の情報が、操作識別手段としての演算制御部225cによって、転送記憶された連携情報に対して照合され得る。この場合、照合の結果がYESである、即ち、入力された4桁の連携番号が、転送記憶された許可操作の連携情報に合致する場合にのみ、制御装置225は、開閉電磁ロック211m〜215mを制御して、貨幣の入出金が可能な開状態とすることができる。この態様においては、好適なことに、入出金操作の具体的内容に即して、開閉電磁ロック211m〜215mを個別に制御することが可能である。具体的には、入出金対象である金種を収納するドロアのみを、開状態に切り替えることができる。更には、複数のドロアが同時には開状態にならないように、各ドロアを順に開状態に切り換えるという制御態様を採用することも可能である。
その他、本実施の形態では、貨幣管理装置200(貨幣管理端末機)と出納機100(貨幣管理本体機)とが相互に通信可能であることを利用して、更に以下のような構成が採用されている。
出納機100(貨幣管理本体機)の制御部15は、通信機能を利用して貨幣管理装置200(貨幣管理端末機)の在高データを確認及び/又は精査するための在高データ遠隔確認部として機能できるように構成されている。具体的には、出納機100(貨幣管理本体機)の制御部15が、通信インタフェース(通信IF)19及び通信インタフェース(通信IF)229を介して、精査手段である演算制御部225cを制御できるようになっている。
その他、各ドロア211〜215の開状態が所定時間以上継続している際に報知信号を出力する報知装置(アラーム装置)280が更に設けられている。
また、図8における鍵検知部290とは、貨幣管理装置200の電源off時にドロアの開閉が行われる際に、そのことを検知するセンサ装置である。これは、少なくとも当該技術分野においては新しい技術であるが、本発明の概念とは直接には関連しないので、ここでの説明は省略する。
次に、以上に説明した貨幣処理システムの動作例について、フローチャートを参照しながら説明する。
図9は、出納機100の側での入出金操作準備プロセスの一例のフローチャートである。まず、IDカードリーダ15bによって、出納機100の操作者のID情報が読み取られる(STEP11)。当該ID情報に基づいて、その操作者が、出納機100の操作許可者であるか否かが識別される(STEP12)。
操作許可者であれば、出納機100の操作メニューが表示部15aに表示される(STEP13)。その表示を見ながら、操作者(操作許可者)は、キーボード式操作部16を用いて処理内容を入力する(STEP14)。ここで、連携取出/収納を選択する。また、本例では、セキュリティの一層の向上のために、暗証番号入力を求める(STEP15)。
暗証番号の照合の後、操作者(操作許可者)は、キーボード式操作部16を用いて、入出金操作の詳細を入力する(STEP16)。具体的には、入出金対象の金種及び束数あるいは本数のデータが入力される。その後、操作者による入力完了キーの操作によって、入力完了が検知される(STEP17)。出納機100は、入力された入出金操作の詳細を含む操作情報としての連携処理情報(連携処理キューとも呼ばれる)を作成し、その連携処理情報に対して、連携処理情報の一部としての連携番号(操作番号と呼ぶこともある)を発行し、当該連携番号と実際の入出金操作の詳細な内容との対応付けを含む連携処理情報をハードディスク15gに記憶するとともに、その連携処理情報の入出金操作が現金管理装置(貨幣管理装置)200における入出金操作を含むものである場合には、担当者が現金管理装置200の操作権限を有するものであれば、通信回線を介してオープン要求(後述)を送信する。これにより、現金管理装置200は、操作入力画面を連携番号入力画面までスキップさせることができる。尚、ここでは、連携処理情報は、現金管理装置200には送信しない(STEP18)。また、レシート発行装置18により、レシート又は取引伝票に当該連携番号を含む認証印字を行ってレシート又は取引伝票を発行する(STEP19)。
図10は、現金管理装置200における入出金操作準備プロセスの一例のフローチャートである。まず、IDカードリーダ228によって、現金管理装置200の操作者のID情報が読み取られる(STEP21)。当該ID情報に基づいて、その操作者が、現金管理装置200の操作許可者であるか否かが識別される(STEP22)。
操作許可者であれば、現金管理装置200の操作メニューが表示部227に表示される(STEP23)。その表示を見ながら、操作者(操作許可者)は、キーボード式操作部226から処理内容を入力する(STEP24)。
まず、出納機100との連携処理が選択される場合について先に説明する。
連携処理が選択されると、本例では、セキュリティの一層の向上のために、暗証番号入力を求める(STEP25)。
暗証番号の照合の後、操作者(操作許可者)は、キーボード式操作部226から出納機100にて発行された連携番号を入力する(STEP26)。
尚、連携番号は、出納機100において操作者のID情報が識別され且つ暗証番号が入力された結果として発行されたものであるので、他の実施の形態として、出納機100の操作者が現金管理装置200の操作権限も有する者である場合には、ここで連携番号の入力のみを要求し、ID情報及び暗証番号の上記入力要求は省略するようにできる。
連携番号の入力に応じて、現金管理装置200は、出納機100に問い合わせを行う。出納機100は、当該連携番号を用いて連携処理情報を検索し、当該連携番号に対応する連携処理情報の内容である取出/収納操作の詳細情報(取出/収納操作対象である金種乃至金額のデータの他、ドロアの開閉手順のデータが含まれ得る)をピックアップして現金管理装置200に送信し(STEP27)、現金管理装置200は、その一部又は全部の情報を操作者の確認のために表示する(STEP28)。確認の後、操作者による入力完了キーの操作によって、取出/収納準備完了が検知される(STEP29)。
その後、連携処理情報に含まれる取出/収納操作の詳細に基づいて貨幣の収納処理又は取出処理が行われ(STEP30)、キーボード式操作部226から当該処理が完了した旨の入力が行われると、当該連携処理情報が更新されてハードディスク225gに更新記憶されるとともに(STEP31)、通信回線を介して当該連携処理情報が出納機100にも送信され、出納機100における当該連携処理情報が処理済として更新される。
次に、現金管理装置200での単体処理、即ち、出納機100から予め受信する連携処理情報に基づかないローカル処理が選択される場合について説明する。
単体処理が選択されると、本例では、セキュリティの一層の向上のために、暗証番号入力を求める(STEP125)。現金管理装置200の単体処理は、出納機100から予め受信する連携処理情報に基づかない処理であって、当該処理に対応する連携処理情報が未作成の処理である。従って、出納機100から受信した連携処理情報に基づく連携処理の場合と異なり、ID情報及び暗証番号の入力要求は省略することができない。
暗証番号の照合の後、操作者(操作許可者)は、キーボード式操作部226から、取出/収納操作の詳細を入力する(STEP126)。具体的には、取出/収納対象の金種及び束数あるいは本数のデータが入力される。その後、操作者による入力完了キーの操作によって、入力完了が検知される(STEP127)。
現金管理装置200は、入力された取出/収納操作の詳細を含む処理情報としてのローカル処理情報(ローカル処理キューとも呼ばれる)を作成し、そのローカル処理情報に対して、ローカル処理情報の一部としてのローカル処理番号を発行し、当該ローカル処理番号と実際の取出/収納操作の詳細な内容との対応付けを含むローカル処理情報をハードディスク225gに記憶するとともに、通信回線を介して当該ローカル処理情報を出納機100に送信する。この時に通信回線が切断された状態であった場合は、貨幣管理装置200に当該ローカル処理情報を保持しておき、その後、通信回線が接続されたときに出納機100に送信する。現金管理装置200での単体処理に関するローカル処理情報の送信前には、出納機100は、当該単体処理に関する情報を何も持っていない状態であるので、単体処理に関するローカル処理情報は例外なく総て出納機100に送信する。
その後、ローカル処理情報に含まれる取出/収納操作の詳細に基づいて貨幣の収納処理又は取出処理が行われ(STEP128)、キーボード式操作部226から、当該処理が完了した旨の入力が行われると、当該ローカル処理情報が更新されてハードディスク225gに更新記憶されるとともに(STEP129)、通信回線を介して当該ローカル処理情報が出納機100にも送信され、出納機100における当該ローカル処理情報が更新される。上記同様、この時に通信回線が切断された状態であった場合は、貨幣管理装置200に当該ローカル処理情報を保持しておき、その後、通信回線が接続されたときに出納機100に送信する。尚、当該ローカル処理情報の作成時に当該ローカル処理情報を出納機100に送信できず未送信であった場合には、取出/収納操作の完了後に更新済みの当該ローカル処理情報のみを送信するようにしてもよい。
図11は、本発明の実施の一形態に係る貨幣管理システム及び貨幣管理方法による在高管理の全体像を模式的に表した説明図である。
本発明の実施の一形態に係る貨幣管理システムは、相互に通信可能に構成された出納機100と貨幣管理装置200とを備えている。出納機100と貨幣管理装置200とは、相互に通信可能に構成されているが、その通信回線は常時接続ではなく、随時、任意に接続を物理的に切断することができる。従って、貨幣管理装置200は、店舗内の任意の場所へ移動して使用することができる。尚、貨幣管理装置200は、単体での在高管理も可能である。
本発明の実施の一形態に係る貨幣管理システム及び貨幣管理方法においては、金融機関店舗内の総ての在高管理は、出納機100によって行われる。出納機100が管理する在高には、在庫在高6、機械在高1、ポスト在高2、手持ち在高3が含まれる。
在庫在高6とは、金融機関店舗内の本金庫内に収納されている貨幣の在高である。機械在高1とは、出納機100内に収納されている貨幣の在高である。ポスト在高2とは、出納機100のポスト、即ち、前述の現金外ボックス14に入金された小切手等の有価証券類や、破損又は汚損した紙幣である損券であって、出金が不可能なものの在高である。手持ち在高3とは、資金移動のために一時的に本金庫又は出納機100から取り出される等して、人手による管理の下に置かれている貨幣の在高であるが、貨幣管理装置200に収納されて移動可能な状態となっている貨幣の在高である貨幣管理装置在高4(4X,4Y)も手持ち在高の一部として管理される。貨幣管理装置在高4は、出納機100において手持ち在高3の一部4Xとして管理されるが、貨幣管理装置200自体においては、貨幣管理装置在高4Yとして管理されるものである。貨幣管理装置200の貨幣管理装置在高4Yは、出納機100により随時問い合わせられる。貨幣管理装置在高4Xと貨幣管理装置在高4Yとは、出納機100と貨幣管理装置200との間で連携処理情報を送受信して双方の在高データを更新することにより一致させられる。
連携処理情報は、出納機100の処理情報管理データベース400に記憶され、必要に応じて随時、更新される。この処理情報管理データベース400は、例えば、出納機100のハードディスクドライブ15gに記憶される。
顧客との間で入出金を行う場合には、機械在高又は手持ち在高に含まれる貨幣を用いて入出金を行う。また、顧客から小切手等の有価証券類が入金された場合や、入金された貨幣の中に損券が含まれていた場合は、それらはポスト入金されてポスト在高として管理されるが、その後、それらの有価証券類や損券が出納機100のポストから回収されると、そのポスト在高は手持ち在高の一部として管理される。
出納機100に収納されている貨幣が不足したり入り切らなくなったりしたときは、本金庫から貨幣を取り出して出納機100に補充したり、出納機100から貨幣を回収して本金庫に収納したりする。その資金移動の際には、当該資金は一時的に手持ち在高として管理される。
貨幣管理装置200に収納されている貨幣が不足したり入り切らなくなったりしたときは、本金庫から貨幣を取り出して貨幣管理装置200に補充したり、手持ち在高の中から貨幣を貨幣管理装置200に装填したり、貨幣管理装置200から貨幣を回収して本金庫に収納したり、あるいは、手許に置いて手持ち在高として管理したりする。
総ての資金移動は、上述のように出納機100によって在高管理が行われるが、特に、貨幣管理装置200における貨幣の収納及び取出を含む入出金操作が行われる場合には、連携番号が付された連携処理情報が出納機100において作成される。貨幣管理装置200の取出/収納操作の実行前に当該連携処理情報が出納機100から貨幣管理装置200へ送信され、かつ、その取出/収納操作の実行後にも当該連携処理情報の更新情報が貨幣管理装置200から出納機100へ送り返されて、出納機100と貨幣管理装置200とにおける当該連携処理情報の整合が図られ、正確な在高管理が維持される。
図12は、本発明の実施の一形態に係る貨幣管理システムにおいて管理される各在高を表示するための選択メニュー表示例である。
図12に示すメニューには、「1 機械在高」、「2 ポスト在高」、「3 手持ち在高」、「4 貨幣管理装置在高」、「5 機械・ポスト・手持ち在高」、「6 在庫在高」が含まれている。
「5 機械・ポスト・手持ち在高」は、機械在高とポスト在高と手持ち在高との合計在高である。機械在高1、ポスト在高2、手持ち在高3、貨幣管理装置在高4、在庫在高6の定義は、上述した通りである。
一方、サブメニューには、機械在高1の詳細な内訳として、「1 機械在高合計」、「2 バラ紙幣入出金部在高」、「3 束整理出金部在高」、「4 新券出金部在高」、「5 バラ硬貨入出金部在高」、「6 包装硬貨出金部在高」、「7 機械在高連続」が含まれている。
「1 機械在高合計」は、「2 バラ紙幣入出金部在高」と「3 束整理出金部在高」と「4 新券出金部在高」と「5 バラ硬貨入出金部在高」と「6 包装硬貨出金部在高」の合計在高であり、メニューの「1 機械在高」と同義である。
「2 バラ紙幣入出金部在高」は、出納機100の一部を構成する紙幣入出金整理機の中のバラ紙幣入出金部11−P2の在高である。「3 束整理出金部在高」は、出納機100の一部を構成する紙幣入出金整理機の中の束整理出金部11−P1、即ち、紙幣を100枚1束に整理して帯封を付して出金する出金部の在高である。「4 新券出金部在高」は、出納機100の一部を構成する紙幣入出金整理機の中の新券出金部、即ち、顧客の要望に応じて紙幣の新券のみを出金する出金部の在高である。
「5 バラ硬貨入出金部在高」は、出納機100の一部を構成する硬貨入出金整理機の中のバラ硬貨入出金部12の在高である。「6 包装硬貨出金部在高」は、出納機100の一部を構成する硬貨入出金整理機の中の包装硬貨出金部13、即ち、硬貨を50枚1本の棒金に包装して出金する出金部の在高である。
「7 機械在高連続」は、「2 バラ紙幣入出金部在高」と「3 束整理出金部在高」と「4 新券出金部在高」と「5 バラ硬貨入出金部在高」と「6 包装硬貨出金部在高」とを個別に連続して表示するためのサブメニュー項目である。
図13は、本発明の実施の一形態に係る貨幣管理システム及び貨幣管理方法において行うことができる運用方法の例を示す説明図である。
最初に、図13に示されている「出納担当者」及び「テラー」について説明する。「出納担当者」とは、本発明の実施の一形態に係る貨幣管理システムを構成する出納機100及び貨幣管理装置200の両方を使用する総ての入出金操作を行う権限を与えられている上位権限者である。一方、「テラー」とは、金融機関店舗の窓口で顧客との直接対応を行う係員(一般行員)であって、出納機100において所定の限度額以内の入出金操作を行う権限を与えられている下位権限者である。
尚、許容される入出金操作の限度額が異なっていても、「出納担当者」及び「テラー」のいずれも、出納機100及び貨幣管理装置200を操作するためには、出納機100及び貨幣管理装置200のそれぞれに自己のID情報と暗証番号又はパスワードを予め登録しておく必要がある。
図13(A)は、出納機100から100万円、貨幣管理装置200から1000万円の合計1100万円の取出操作を同一の出納担当者が行う場合を示している。
出納担当者が自己のID情報と暗証番号又はパスワードを出納機100に入力した上で「出納機100から100万円、貨幣管理装置200から1000万円の合計1100万円の取出操作」の入力を行うと、その取出操作についての連携処理情報が作成されて連携番号が付され、当該連携処理情報は連携番号と共に出納機100のハードディスクドライブ15gに記憶される。また、貨幣管理装置200からの問い合わせに応じて、通信回線を介して当該連携処理情報が貨幣管理装置200に送信され、貨幣管理装置200のハードディスクドライブ225gにも記憶される。
そして、出納機100から100万円を出金する操作を行うと、100万円の束紙幣が出納機100から出金されると共に、入力された出金操作による出金のうちの一部が実行されたことを示す手払いレシートが発行される。この手払いレシートには、当該出金操作についての連携処理情報に対応する連携番号も印刷されている。
次に、出納担当者が貨幣管理装置200に当該連携番号を入力すると、貨幣管理装置200は、当該連携番号に基づいて対応する連携処理情報の送信を出納機100に要求し、出納機100から当該連携処理情報を受信すると、その連携処理情報における操作内容を表示する。尚、ここでは、連携番号が印刷された手払いレシートは、出納担当者のID情報と暗証番号又はパスワードを出納機100に入力した結果として発行されている。貨幣管理装置200では、同一の出納担当者が操作を行うので、連携番号のみ入力し、ID情報と暗証番号又はパスワードの入力は省略できるものとしている。逆に、貨幣管理装置200では、ID情報のみ、又は、ID情報と暗証番号若しくはパスワードを入力するようにして、連携番号の入力を省略可能とし、ID情報の入力に応じて、当該担当者が関係する連携処理情報が一覧表示されるようにして、処理を選択できるようにしてもよい。この場合、手払いレシートを紛失しないように注意したり、連携番号を記憶しておく必要がなく、便利である。但し、より高度のセキュリティを担保したい場合には、貨幣管理装置200でもID情報と暗証番号又はパスワードの入力を要求するようにしてもよい。
上記連携処理情報における操作として、「出納機100から100万円、貨幣管理装置200から1000万円の合計1100万円の取出操作」のうち未実行の貨幣管理装置200から1000万円の取出を実行する操作を行うと、ドロアのロックが解除され、1000万円の大束紙幣が取り出された後に、貨幣管理装置200における自動在高確認動作が行われる。
また、貨幣管理装置200のハードディスクドライブ225gにおける上記連携処理情報について操作が完了した旨の更新記録が行われると共に、更新記録された当該連携処理情報が通信回線を介して出納機100に送信され、出納機100のハードディスクドライブ15gにも記憶される。
以上のような連携処理情報の送受信により、出納機100及び貨幣管理装置200における連携処理情報の整合が図られる。即ち、連携処理情報の同期が取られる。
図13(B)は、テラーが出納機100から100万円、出納担当者が貨幣管理装置200から1000万円の合計1100万円の出金操作を行う場合を示している。
テラーが自己のID情報と暗証番号又はパスワードを出納機100に入力した上で「出納機100から100万円、貨幣管理装置200から1000万円の合計1100万円の取出操作」の入力を行うと、その取出操作についての連携処理情報が作成されて連携番号が付され、当該連携処理情報は連携番号と共に出納機100のハードディスクドライブ15gに記憶される。また、貨幣管理装置200からの問い合わせに応じて、通信回線を介して当該連携処理情報が貨幣管理装置200に送信され、貨幣管理装置200のハードディスクドライブ225gにも記憶される。
ここでは1000万円の取出操作がテラーの権限を越える操作であるものとすると、出納機100での100万円の出金操作はテラー自身が実行可能であるが、貨幣管理装置200からの取出操作は必ず出納担当者が実行すべきことが上記連携処理情報において規定されることもできる。
そして、テラーが出納機100から100万円を出金する操作を行うと、100万円の束紙幣が出納機100から出金されると共に、入力された出金操作による出金のうちの一部が実行されたことを示す手払いレシートが発行される。この手払いレシートには、当該出金操作についての連携処理情報に対応する連携番号も印刷されている。
次に、テラーからの依頼を受けた出納担当者が自己のID情報と暗証番号又はパスワードを貨幣管理装置200に入力した上で、手払いレシートに記載された連携番号を貨幣管理装置200に入力すると、貨幣管理装置200は、当該連携番号に基づいて対応する連携処理情報の送信を出納機100に要求し、出納機100から当該連携処理情報を受信すると、その連携処理情報における操作内容を表示する。尚、ここでは、出納機100からの出金操作を行うテラーと貨幣管理装置200からの取出操作を行う出納担当者とは別個の係員であって、それぞれ個別のID情報と暗証番号又はパスワードとを有しているので、テラー及び出納担当者のいずれも、ID情報と暗証番号又はパスワードの入力を省略することはできない。ID情報を入力したときに、当該担当者が関係する未処理の連携処理(取出/収納操作)のリストを表示させて、連携番号を選択させることは可能である。
上記連携処理情報における操作として、「出納機100から100万円、貨幣管理装置200から1000万円の合計1100万円の取出操作」のうち未実行の貨幣管理装置200から1000万円の取出を実行する操作を行うと、ドロアのロックが解除され、1000万円の大束紙幣が取り出された後、貨幣管理装置200における自動在高確認動作が行われる。
また、貨幣管理装置200のハードディスクドライブ225gにおける上記連携処理情報について操作内容が完了した旨の更新記録が行われると共に、更新記録された当該連携処理情報が通信回線を介して出納機100に送信され、出納機100のハードディスクドライブ15gにも記憶される。
以上のような連携処理情報の送受信により、出納機100及び貨幣管理装置200における連携処理情報の整合が図られる。即ち、連携処理情報の同期が取られる。
図13(C)は、貨幣管理装置200単体の運用を行う場合であって、貨幣管理装置200から1100万円の出金操作を出納担当者が行う場合を示している。
出納担当者が自己のID情報と暗証番号又はパスワードを貨幣管理装置200に入力した上で「貨幣管理装置200からの1100万円の出金操作」を入力すると、その出金操作についてのローカル処理情報が作成されてローカル処理番号が付され、当該ローカル処理情報はローカル処理番号と共に貨幣管理装置200のハードディスクドライブ225gに記憶される一方、その時点で貨幣管理装置200と出納機100とが通信回線を介して接続されていれば、当該ローカル処理情報が出納機100に送信され、出納機100のハードディスクドライブ15gにも記憶される。
そして、貨幣管理装置200から1100万円を取り出すための操作を行うと、1000万円の大束紙幣と100万円の束紙幣とを取り出すことができ、貨幣管理装置200における自動在高確認動作が行われる。
また、貨幣管理装置200のハードディスクドライブ225gにおける上記ローカル処理情報について操作が完了した旨の更新記録が行われる。さらに、貨幣管理装置200と出納機100とが通信回線を介して接続されると、記録された当該ローカル処理情報が通信回線を介して出納機100に送信され、出納機100のハードディスクドライブ15gにも記憶される。ローカル処理情報が作成された時点で貨幣管理装置200と出納機100とが通信回線を介して接続されていなかった場合には、両者が通信回線を介して接続された時に、記録された当該ローカル処理情報が出納機100に送信されて、出納機100のハードディスクドライブ15gに記憶されるものとしてもよい。
以上は、本発明の実施の一形態に係る貨幣管理システム及び貨幣管理方法において行われる連携処理情報の送受信手順の一例であり、後述する連携処理情報の送受信手順の他の例とは一部異なっている。
図14は、貨幣管理装置200での入出金操作時における出納機100と貨幣管理装置200との間のデータ送受信及び動作(操作)手順を模式的に表した説明図である。
入出金操作を行う担当者が自己のID情報を出納機100に入力すると、当該担当者に許可された選択可能な処理が出納機100の表示部15aに一覧表示されるので、当該担当者はその中から実行しようとする入出金操作(処理)を選択して入力し(ステップS500)、次に、当該処理に必要な暗証番号を入力する(ステップS501)。すると、その入出金操作(処理)についての連携処理情報が作成されて連携番号が付され、当該連携処理情報は連携番号と共に出納機100のハードディスクドライブ15gに記憶され、当該連携処理情報に含まれる入出金操作(処理)の実施が可能な状態となる(ステップS502)。
そして、出納機100は、その連携処理情報に、貨幣管理装置200との連携がある、即ち、扱い区分が貨幣管理装置200で、かつ、操作実行担当者が貨幣管理装置200の操作権限を有する入出金操作が含まれるか否かを識別する。
いずれかの条件に該当しない場合には、当該連携処理情報に関する処理を終了させるが(ステップS504)、貨幣管理装置200との連携があり且つ操作実行担当者が貨幣管理装置200の操作権限を有する取出/収納操作が含まれる場合には、出納機100は、貨幣管理装置200に対して、当該連携処理情報に含まれる取出/収納処理を開始すべきことを要求する処理オープン要求を通信回線を介して送信する(ステップS503)。そして、出納機100では、認証印字を行って処理を終了する(ステップS504)。
出納機100からの処理オープン要求に応じて貨幣管理装置200では、担当者ID入力、処理項目選択入力及び暗証番号入力のうち担当者ID入力及び暗証番号入力をスキップ(省略)可能とする(ステップS510)。
貨幣管理装置200において、処理項目選択画面で連携処理情報を選択すると(ステップS511)、連携処理情報の連携番号が入力可能な状態となる。連携番号が対応付けられた連携処理情報は、操作実行担当者が自己のID情報と暗証番号とを出納機100に入力した結果として作成されたものであるので、ここでは、貨幣管理装置200において連携番号のみ入力すれば、操作実行担当者のID情報及び暗証番号の入力は省略することができる。
但し、より高度のセキュリティを担保したい場合には、貨幣管理装置200でも、操作開始時に、操作実行担当者のID情報と暗証番号の入力を要求するようにしてもよい(ステップS510)。この場合は、操作実行担当者が自己のID情報と暗証番号とを貨幣管理装置200に入力して(ステップS510)、処理項目選択画面で連携処理情報を選択すると(ステップS511)、連携処理情報の連携番号が入力可能な状態となる。
逆に、貨幣管理装置200では、ID情報のみ、又は、ID情報と暗証番号若しくはパスワードを入力するようにして、ID情報の入力に応じて、当該担当者が関係する連携処理情報が一覧表示されるようにして、連携番号の入力を省略可能としてもよい。この場合、連携番号が印字されたレシートを紛失しないように注意したり、連携番号を記憶しておく必要がなく、便利である。
操作実行担当者のID情報及び暗証番号の入力後、又は、ID情報及び暗証番号の入力無しで、実行しようとする取出/収納操作の連携処理情報に対応する連携番号を入力すると(ステップS512)、貨幣管理装置200は、当該連携番号に対応する連携処理情報要求を出納機100に対して送信する。出納機100はその連携処理情報要求に応答して当該連携処理情報を貨幣管理装置200に送信する。貨幣管理装置200は、当該連携処理情報を受信して例えばハードディスクドライブ225gに記憶すると共に、その連携処理情報における取出/収納操作内容を表示する。
表示された取出/収納操作の操作実行担当者による選択入力により、その取出/収納操作が実行可能な状態となり、貨幣の収納及び/又は取出処理が行われた後(ステップS513)、貨幣管理装置200における自動精査即ち自動在高確認動作が行われ、入出金後の貨幣管理装置在高に異常がなければ入出金操作は正常に終了する。
そして、貨幣管理装置200に記憶保存された上記連携処理情報について操作内容が完了した旨の更新記録が行われる。また、更新記録された当該連携処理情報が処理結果通知と共に通信回線を介して出納機100に送信され、出納機100において管理されている当該連携処理情報も更新記録される。そして、出納機100が更新記録された当該連携処理情報と処理結果通知とを受信した旨を貨幣管理装置200に対して送信すると、出納機100において当該連携処理情報に処理済のフラグがセットされる。さらに、出納機100からの応答を貨幣管理装置200が受信すると、貨幣管理装置200における処理も終了する(ステップS514)。
出納機100における処理の終了時には、処理結果が認証伝票に認証印字されるものとするとよい。
尚、貨幣管理装置200が出納機100から連携処理情報を受信し、当該連携処理情報の収納及び/又は取出処理が行われて当該連携処理情報の更新記録が行われた後、貨幣管理装置200から出納機100へ更新記録された当該連携処理情報を送信しようとした時点で、貨幣管理装置200と出納機100との間の通信回線が切断されていた場合には、貨幣管理装置200は、更新記録された当該連携処理情報を直ちに送信せずに保持しておき、後に通信回線が接続されたときに送信するようにする。
以上が、本発明の実施の一形態に係る貨幣管理システム及び貨幣管理方法において行われる貨幣管理装置200での取出/収納操作時における出納機100及び貨幣管理装置200での担当者のID及び暗証番号入力等に関する操作手順である。
図15は、本発明の実施の一形態に係る貨幣管理システム及び貨幣管理方法において行われる出納機100及び貨幣管理装置200での連携処理情報を含む各種情報処理の流れを模式的に表した説明図である。
本発明の実施の一形態に係る貨幣管理システム及び貨幣管理方法における連携処理情報は、出納機100の処理情報管理データベース400に登録即ち記憶され、必要に応じて随時、更新される。
例えば、本金庫の在庫から貨幣管理装置200への資金移動を行う場合(ステップS600)、出納機100において、その入出金操作に関する連携処理情報が作成されて処理情報管理データベース400に登録される(ステップS601)。そして、出納機100は、その資金移動に伴う在高管理として、移動資金の金額を本金庫の在庫在高から減算し、手持ち在高の一部としての貨幣管理装置在高に加算する加減算を行う(ステップS602)。また、上記連携処理による資金移動を取引データとしても登録し(ステップS603)、出納機100における処理が終了する(ステップS604)。
当該連携処理情報に基づく入出金操作においては、貨幣管理装置200では入金即ち収納処理が連携処理として行われることになる(ステップS610)。貨幣管理装置200は、出納機100からの前述のオープン要求を受信すると、それに応じて、当該連携処理情報を要求して取得し参照する(ステップS611)。そして、当該連携処理情報に基づいて、本金庫の在庫から移動されてきた資金(貨幣)の収納処理を実施すると(ステップS612)、貨幣管理装置200において、当該連携処理情報について操作内容が完了した旨の更新記録が行われると共に(ステップS613)、更新記録された当該連携処理情報が通信回線を介して出納機100に送信され、出納機100の処理情報管理データベース400上の当該連携処理情報も更新される。貨幣管理装置200における連携処理は、更新記録された当該連携処理情報が出納機100に送信されると、終了する(ステップS614)。
図16及び図17は、本発明の実施の一形態に係る貨幣管理システム及び貨幣管理方法において作成及び更新される連携処理情報の内容の例を示す説明図である。
先ず、図16(A)は、出納機での処理が終了した状態であって貨幣管理装置では未処理の状態を示す連携処理情報の内容の例である。出納機100において、出納機100及び貨幣管理装置200の入出金操作及び取出/収納操作が含まれる連携処理についての連携処理情報が作成及び登録され、かつ、出納機100での入出金操作のみ完了し、貨幣管理装置200での取出/収納操作は未処理の時点における当該連携処理情報の内容の例が示されている。出納機100及び貨幣管理装置200においてそれぞれ入出金操作及び取出/収納操作を行う金種の紙幣束数及び棒金本数が金種ごとに登録されており、出納機100での入出金操作が行われた日時及び担当者番号が示されている。また、上部中央には、収納/取出が行われておらず、「未処理」の状態であることが示されている。
また、図16(B)は、出納機及び貨幣管理装置での連携処理が完了し且つ連携処理情報が更新された状態を示す連携処理情報の内容の例である。連携処理情報に登録された出納機100及び貨幣管理装置200における入出金操作がそれぞれ完了し、それらの入出金操作が行われた日時及び担当者番号が示されている。また、上部中央には、取出/収納処理済みであることが「済」として示されている。
一方、図17は、貨幣管理装置単体での処理、即ち、ローカル処理を実行するために作成された未処理状態のローカル処理情報の内容の例である。貨幣管理装置200において、貨幣管理装置200での取出/収納操作についてのローカル処理情報が作成及び登録され、貨幣管理装置200での当該取出/収納操作のデータが出納機100に送信されていることが表示されている。貨幣管理装置200において取出/収納操作を行う金種の紙幣束数及び棒金本数が金種ごとに登録されており、貨幣管理装置200においてローカル処理が行われた日時及び担当者番号が示されている。また、出納機100における認証印字が終了していないことを、表示中の状態「未処理」が示している。
これらの例を提示した上で、本発明の実施の一形態に係る貨幣管理システム及び貨幣管理方法における連携処理情報の作成及び更新の概略手順について説明する。
実行しようとする入出金操作に出納機100と貨幣管理装置200との連携が必要である場合、手持ち在高として入力した在高データの一部又は全部を貨幣管理装置200扱いの貨幣管理装置在高として貨幣管理装置取引データ、即ち、連携処理情報を、出納機100において作成して登録する。
貨幣の対象金種は、紙幣が万円、5千円、2千円、千円、硬貨が500円、100円、50円、10円、5円、1円とする。
ここでは、貨幣管理装置200においては、束/本、即ち、束紙幣と包装硬貨の棒金とが取扱い対象となり、バラ紙幣及びバラ硬貨は取扱い対象とならないものとし、紙幣の量は100枚単位、硬貨の量は50枚単位で取出/収納操作対象として連携処理情報に登録する。一例として、万円130枚、500円90枚の取出操作を登録する場合は、貨幣管理装置200からの取出操作として万円100枚、500円50枚を登録し、残余の万円30枚、500円40枚は取出操作として登録されない。また、他の例として、5千円60枚、千円50枚の出金操作を登録する場合は、貨幣管理装置200からの取出操作として登録可能な出金操作は「無し」となる。
貨幣管理装置200の操作「可」とされている担当者のみが、手持ち在高操作認証において「手持ち在高操作」又は「貨幣管理装置在高操作」の選択を行うことができるものとするとよい。貨幣管理装置200の操作「不可」とされている担当者は、貨幣管理装置200の操作「可」とされている他の担当者との連携処理として「貨幣管理装置在高操作」の登録を行うことにより、貨幣管理装置200の入出金操作を行うことを可能とするとよい。
出納機100において、貨幣管理装置200の取出/収納操作が含まれる連携処理の操作認証時に発行される認証伝票(レシート)等の連携処理情報印字伝票には、当該連携処理情報に対応する連携番号が印刷される。
連携処理の操作認証時、即ち、連携処理情報の作成及び登録を行う際には、その時点で出納機100に記憶されている貨幣管理装置在高をチェックし、操作認証しようとする入出金操作を行った結果として貨幣管理装置200の容量を超えることがないかどうかを金種ごとに確認する。貨幣管理装置200の容量を超える金種がある場合の取扱いの一例として、容量を超えることとなる金種の入出金操作は除外し、容量以内の金種の入出金操作のみに関して連携処理の操作認証を行い、連携処理情報の作成及び登録を行うとよい。
例えば、貨幣管理装置200の万円紙幣の容量が300束、500円硬貨の棒金の容量が300本である場合に、万円紙幣の入金450束、500円硬貨の棒金の入金100本で連携処理の操作認証を行おうとしたすると、万円紙幣の入金450束は連携処理の操作認証から除外され、500円硬貨の棒金の入金100本のみについて連携処理の操作認証が行われ、連携処理情報の作成及び登録が行われる。
容量を超えるために連携処理の操作認証から除外される金種の収納/取出操作については、連携処理の操作認証の際の確認画面に表示して、他の金種の収納/取出操作のみについて連携処理の操作認証を行ってよいかどうかの確認入力を受け付ける。尚、貨幣管理装置200の容量を超える金種があり、かつ、貨幣管理装置200の操作「不可」とされている担当者によって連携処理の操作認証入力が行われている場合は、確認画面を表示することなく操作認証不可とする処理を続行するものとしてもよい。
図18及び図19は、出納機100及び貨幣管理装置200による連携処理を行う場合における貨幣管理装置200の画面表示例を示す説明図である。
図18(A)は、貨幣管理装置200の表示画面構成を示している。収納等の処理名称、日付・日時、処理通番、担当者番号が表示されており、処理サブエリア、ガイダンス部、エラーメッセージ部、状態表示部が設けられている。
図18(B)は、担当者IDの入力待ち状態を示している。ここで、担当者IDが入力されると、図18(C)に示すように、貨幣管理装置200において実行可能な操作が一覧表示されたメニュー選択画面が表示される。このメニュー選択画面において、ここでは「連携取出/収納」を選択すると、その操作担当者の暗証番号入力を要求する。図18(D)は、暗証番号の入力待ち状態を示している。
正しい暗証番号が入力され、かつ、その操作担当者に「連携取出/収納」の操作処理権限があれば処理が開始され、図18(E)に示すように、連携番号入力待ち状態となる。連携番号が入力されると、貨幣管理装置200は、入力された連携番号に対応する連携処理情報を出納機100の処理情報管理データベース400から取得する。入力された連携番号に対応する連携処理情報が存在しない場合、又は、入力された連携番号に対応する連携処理情報の収納/取出操作が処理済みである場合には、処理は実行しない。
また、連携処理情報を取得した時点での貨幣管理装置在高をチェックし、連携処理情報の入出金操作を行った結果として貨幣管理装置200の容量を超えることがないかどうかを金種ごとに確認する。貨幣管理装置200の容量を超える金種がある場合は、エラーメッセージを表示するが、貨幣管理装置200の容量を超える金種がない場合は、次の動作手順へ進む。
尚、出納機100の操作者が貨幣管理装置200の操作権限を有する者であるならば、出納機100での操作後直ちに貨幣管理装置200の所在場所へ移動して、出納機100からの前述の処理オープン要求を受信済みの操作を実行するであろうから、担当者ID入力、処理選択、暗証番号入力を総て省略して、連携番号入力待ち状態に遷移するものとするとよい。
入力された連携番号に対応する連携処理情報を取得したら、図18(F)及び図18(G)に示すように、当該連携処理情報の取出/収納操作の内容を表示する。図18(F)の表示画面には、貨幣管理装置200に収納する硬貨の棒金の本数が金種ごとに示されており、図18(G)の表示画面には、貨幣管理装置200に収納する束紙幣の束数が金種ごとに示されている。図18(F)の表示画面と図18(G)の表示画面とは、貨幣管理装置200のキーボード式操作部226の「切替」キーを押下するたびに切り替わるものとするとよい。
図18(F)及び図18(G)の表示画面で当該連携処理情報の取出/収納操作の内容を確認したら、ここでは、その確認の入力として「完了」キーを2度押下するものとする。これにより、実行しようとする処理内容が確定する。
処理内容の確定に応じて、貨幣管理装置200は取出/収納操作(ここでは収納処理)を実行することが可能な状態となる。即ち、指定金種の収納部のロックが解除され、図18(G)の表示画面の中央下部には、取出/収納操作を実行可能な状態である旨が表示される。尚、複数の収納部のロックを解除する場合、各ロックの解除には優先順位を設定することができる。
全指定金種の取出/収納操作(ここでは収納処理)が終了すると、図18(H)に示すように、自動精査の実行待ち状態となる。尚、このとき、図18(H)の表示画面の中央下部に示されているように、「その他収納部」に収納するものがある場合は、「訂正」キーを押下することにより「その他収納部」のロックを解除して収納を行うことができる。その後、「実行」キーを押下すると、自動精査が開始される。
自動精査では、各金種の重量測定を行って、金種ごとの束紙幣の束数、棒金の本数を算出し、データ上の貨幣管理装置在高と比較し、一致すれば、正常に処理を終了して、メニュー選択画面又は待機画面の表示状態へ遷移する。尚、図19(A)は、自動精査実行中の画面表示例を示している。
一方、自動精査の結果、在高不一致が発生すると、図19(B)に示すように、各収納部ごとに精査結果の正常(OK)又は異常(NG)を表示する。ここで、「完了」キーを押下すると、図19(C)及び図19(D)に示すように、異常収納部の各金種の在高と重量測定結果とを表示する。図19(C)の表示画面と図19(D)の表示画面とは、「切替」キーを押下するたびに切り替わるものとするとよい。
そして、図19(E)及び図19(F)の表示画面では、精査結果の異常(NG)が検出された各収納部を開けて目視による確認を促す表示を行っている。
最後の図19(G)の表示画面では、強制終了又は自動精査の再実行の選択待ち状態となっている。自動精査の再実行を選択すると、各金種の重量測定による自動精査(図19(A))からの処理を再度行う。一方、キーボード式操作部226を用いて強制終了を選択すると、承認者のID入力及び暗証番号入力を要求し、それらの入力に応じて処理を強制終了し、メニュー選択画面の表示状態へ遷移する。
次に、貨幣管理装置200単体でのローカル処理について説明する。先ず、ローカル処理を実行する前提としてのオープン処理を行う。即ち、担当者ID入力待ち状態となっている貨幣管理装置200に担当者IDを入力すると、貨幣管理装置200において実行可能な操作が一覧表示されたメニュー選択画面に遷移する。
メニュー選択画面において、ここでは「収納」を選択すると、その操作担当者の暗証番号入力を要求する。正しい暗証番号が入力され、かつ、その操作担当者に「収納」の操作処理権限があれば処理が開始される。
先ず、収納しようとする貨幣の合計金額を入力すると共に、金種を選択して、収納しようとする束紙幣の束数、棒金の本数を入力する。そして、その時点での貨幣管理装置在高をチェックし、入力した収納操作を行った結果として貨幣管理装置200の容量を超えることがないかどうかを金種ごとに確認する。貨幣管理装置200の容量を超える金種がある場合は、処理入力を受け付けずに、エラーメッセージを表示する。
貨幣管理装置200の容量を超える金種がない場合は、「完了」キーの押下を要求し、「完了」キーが押下されると、合計金額入力設定時には、設定された合計金額と各金種の束数及び本数の合計金額とが一致するか否かを確認し、不一致の場合は「完了」を受け付けずに、エラーメッセージを表示する。金額が一致する場合は、再度「完了」キーの押下を要求し、「完了」キーが押下されると、処理受付を確定し、次の動作手順へ進む。
処理受付の確定に応じて、貨幣管理装置200は取出/収納操作(ここでは収納処理)を実行することが可能な状態となる。即ち、指定金種の収納部のロックが解除され、表示画面には、取出/収納操作を実行可能な状態である旨が表示される。尚、複数の収納部のロックを解除する場合、各ロックの解除には優先順位を設定することができる。
全指定金種の取出/収納操作(ここでは収納処理)が終了すると、貨幣管理装置200は、自動精査の実行待ち状態となる。尚、このとき、「その他収納部」に収納するものがある場合は、「訂正」キーを押下することにより「その他収納部」のロックを解除して収納を行うことができる。その後、「実行」キーを押下すると、自動精査が開始される。
自動精査では、各金種の重量測定を行って、金種ごとの束紙幣の束数、棒金の本数を算出し、データ上の貨幣管理装置在高と比較し、一致すれば、正常に処理を終了して、メニュー選択画面又は待機画面の表示状態へ遷移する。
一方、自動精査の結果、在高不一致が発生すると、各収納部ごとに精査結果の正常(OK)又は異常(NG)を表示画面に表示する。ここで、「完了」キーを押下すると、異常収納部の各金種の在高と重量測定結果とを表示する。結果表示画面が複数に亘る場合、各表示画面は、「切替」キーを押下するたびに切り替わるものとするとよい。
そして、精査結果の異常(NG)が検出された各収納部を開けて目視による確認を促す表示を行い、最後は、強制終了又は自動精査の再実行の選択待ち状態となる。自動精査の再実行を選択すると、各金種の重量測定による自動精査からの処理を再度行う。一方、強制終了を選択すると、承認者のID入力及び暗証番号入力を要求し、それらの入力に応じて処理を強制終了し、メニュー選択画面の表示状態へ遷移する。
次に、本発明の実施の一形態に係る貨幣管理システム及び貨幣管理方法における違算追跡の手順について説明する。尚、ここでいう違算とは、出納機100で処理の登録を行ったが、貨幣管理装置200では当該処理が終了していないものがあることをいう。
違算追跡では、貨幣管理装置200の簡略合計に基づき、連携処理について貨幣管理装置200での取引集計結果と出納機100での取引集計結果とが整合しているか否か、即ち、未処理の連携処理情報が無いかどうかを確認する。
図20は、貨幣管理装置200のメニュー選択画面表示例を示す説明図である。違算追跡を行う際には、先ず、このメニュー選択画面で「12.貨幣管理装置簡略合計」を選択する。
図21は、貨幣管理装置200から取得した簡略合計のデータ内容の例と出納機が管理している連携処理情報から計算した取引集計結果の内容の例とを示す説明図である。
貨幣管理装置200から取得した簡略合計のデータ内容の例には、連携収納(入金)の合計金額(1)と連携取出(出金)の合計金額(2)とが含まれている。
出納機が管理している連携処理情報から計算した取引集計結果の内容の例には、在庫(本金庫在高)から貨幣管理装置への資金移動の処理済金額(3)と、手持ち資金(手持ち在高)から貨幣管理装置への資金収納の処理済金額(4)と、貨幣管理装置における手入力収納の処理済金額(5)と、貨幣管理装置から在庫(本金庫在高)への資金移動の処理済金額(6)と、貨幣管理装置から手持ち資金(手持ち在高)への資金取出の処理済金額(7)と、貨幣管理装置における手入力取出の処理済金額(8)とが含まれている。
貨幣管理装置200から取得した簡略合計のデータ内容と出納機が管理している連携処理情報から計算した取引集計結果の内容とを比較照合することにより、両者が整合しているか否か、即ち、総ての連携処理が処理済みであるか否かを確認する。
総ての連携処理が処理済みであれば、「(1)=(3)+(4)+(5)」及び「(2)=(6)+(7)+(8)」の両式が成立する。
上記両式の一方又は双方が成立しない場合は、未処理の連携処理が存在することを意味するので、貨幣管理装置200の取引履歴照会により、どの連携番号の連携処理情報の入出金操作が未処理状態であるのかをチェックし、必要に応じて、貨幣管理装置200における入出金操作即ち収納/取出処理を実施する。
図22は、貨幣管理装置200の取引履歴照会により未処理チェックを行う際の画面表示例を示す説明図である。
図22(A)に示すメニュー選択画面で「4.貨幣管理装置取引履歴照会」を選択すると、貨幣管理装置の取引履歴照会が行われ、図22(B)に示す貨幣管理装置の取引履歴照会画面が表示される。
図22(B)の取引履歴照会画面から、「1」の連携番号1234の収納処理は未処理であることが分かる。また、「3」の収納処理も未処理だが、連携番号が付されていない。この「3」の収納処理の処理情報は、貨幣管理装置200単体のローカル処理に関するローカル処理情報であって、収納処理自体は終了しており、ローカル処理情報の出納機100への通知も完了しているが、出納機100における当該ローカル処理情報の認証印字が未完了であることを示している。この「3」の収納処理では、出納機100での認証印字が行われると、未処理が済となる。また、「4」の連携番号459の取出処理も未処理だが、手持ち資金に関する処理であるため、出納機100との間での連携対象ではないことが分かる。また、その他の貨幣移動(取出/収納)処理は、総て処理済みであることが分かる。
従って、貨幣管理装置200において実施しなければならない貨幣移動処理は、「1」の連携番号1234の連携処理であるということが分かるので、当該連携処理を実施すると共に、送受信が未完了であった連携処理情報を出納機100と貨幣管理装置200との間で送受信することにより、違算状態が解消することとなる。
以上に説明したように、本発明の実施の一形態に係る貨幣管理システム及び貨幣管理方法によれば、出納機100と共に貨幣管理システムを構成する貨幣管理装置200は、通信回線を接続解除することにより任意の場所に移動して使用することができ、出納機100及び貨幣管理装置200が関係する入出金操作に関する連携処理情報を、通信回線を接続した際に出納機100と貨幣管理装置200との間で送受信することにより、出納機100は、在庫在高、機械在高及びポスト在高に加えて、貨幣管理装置在高を含む手持ち在高についても正確な在高管理を行うことができ、銀行等の金融機関店舗全体の在高を漏れなく一元的に正確に管理することができる。従って、締め精査時にも手計算の手間を省くことができ、低コストな業務運営を実現することができる。
出納機100と貨幣管理装置200とは、要所要所で通信回線を介して相互に接続し連携処理情報を送受信するので、出納機100はその都度連携処理情報を最新の情報に更新して正確な連携処理状況管理及び関連在高管理を行うことができる。尚、上記実施の一形態では、貨幣管理装置200から送信された連携処理情報は、出納機100のハードディスクドライブ15g等の記憶装置に記憶されるものとしているが、記憶装置に記憶せずに出納機100が貨幣管理装置200に問い合わせを行ったときのみ、貨幣管理装置200が保持している連携処理情報を利用するようにしてもよい。
貨幣管理装置200において、ID情報のみ、又は、ID情報と暗証番号若しくはパスワードを入力するようにして連携番号の入力を省略可能とし、ID情報の入力に応じて、当該担当者が関係する連携処理情報が一覧表示されるようにした場合、連携番号が印字された認証伝票を紛失しないように注意したり、連携番号を記憶しておく必要がなく、便利である。その場合に、貨幣管理装置200におけるいくつかの連携処理が処理待ち状態になっていたり出納機100における処理順序と異なる順序で実行されたりするときでも、IDカードを通す等によりID情報を入力するだけで自己が関係する連携処理情報が一覧表示されるので、操作が簡便である。同一ID情報に対応する複数の連携番号及び連携処理情報がある場合、各連携番号及び連携処理情報の金額表示や出納機100での登録時刻又は処理時刻の表示があれば、処理の選択は容易に行うことができる。
また、出納機100と貨幣管理装置200とにおける対応する貨幣移動処理を連携処理情報により管理することによって、一つの連携処理情報に設定された出納機100における入出金処理と貨幣管理装置200における収納/取出処理とを別個の操作担当者が実行することも可能なので非常に便利であり、出納機100及び貨幣管理装置200における対応する貨幣移動処理の両方を一人の操作担当者が実行する場合と比較して、両方の貨幣移動処理が完了するまでの時間を大幅に短縮することが可能であり、極端な場合、両方の貨幣移動処理をほぼ同時に完了させることもできる。