JP2015191116A - 画像形成装置、およびこれに用いられる画像形成装置本体、定着装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】画像形成装置本体に対して定着装置を着脱する際の操作性が良く、定着装置をガタを抑えて装着することができる画像形成装置、およびこれに用いられる画像形成装置本体、定着装置を提供する。【解決手段】定着装置が着脱方向に直交する長手方向の端部に支軸を備え、装置本体が支軸を挿入する開口部を備え、装置本体に対して定着装置を着脱可能とする画像形成装置であって、開口部は、着脱方向および長手方向に直交する第1の方向への支軸の変位を規制する第1規制部と、第1の方向と逆方向である第2の方向への支軸の変位を規制する第2規制部との間に形成され、装置本体は、第1、第2規制部の一方の奥側に支軸を落し込む穴部を有し、定着装置は、定着装置の着脱に応じて変位し、支軸が穴部から外れる方向の変位を抑制する押え部材を有する。【選択図】図1

Description

本発明はプリンタ、複写機、ファクシミリ等の画像形成装置、およびこれに用いられる画像形成装置本体、定着装置に関する。
プリンタ、複写機、ファクシミリ等の画像形成装置に搭載される定着装置(定着器)として、例えば熱ローラ方式の装置が知られている。このタイプの定着器は、定着ローラと、定着ローラを加熱するヒータと、定着ローラと共に定着ニップ部を形成する加圧ローラなどを有している。そして、未定着トナー画像を担持した記録材は、定着器の定着ニップ部で挟持搬送されつつ加熱され、記録材上のトナー画像が記録材に定着される。
その定着装置は、使用時間及び、通紙枚数が一定量を超えると、画像品質を保つために、定着ローラ及び加圧ローラを交換する必要がある。そのために、画像形成装置本体(装置本体)に対して定着装置を着脱可能とし、交換を容易化することが知られている(特許文献1乃至3)。
特許文献1では、定着装置に備えた軸を装置本体に備えたU溝に装着し、装置本体に別途備えた部材でU溝の開口を塞ぐことにより、定着装置を保持する構成となっている。
特許文献2では、定着装置に備えた突起部を、装置本体の内側側面の一方にある穴に、定着装置を斜めにして挿入した後、そこを支点に逆側端を揺動させて、装置本体の保持部に装着した後に固定する構成となっている。
特許文献3では、定着装置に備えた軸を装置本体に備えたU溝に装着し、U溝の開口部をバネで抑える構成を採っている。
特開平11−212428号公報 特開2000−356938号公報 特開2009−251347号公報
しかしながら、特許文献1、3では、定着装置に備えた軸を装置本体に備えたU溝に装着する構成において、装着後に部品の寸法バラつき等によりガタが生じ、定着処理時に紙に皺ができるなどで画像を乱す可能性がある。また、特許文献2に示すような構成では、定着装置を斜めに装着した後、揺動させてユニットを固定部材に装着させる必要があり、定着装置の着脱が煩雑になり、ユーザーの操作性を損なってしまう。
また、特許文献3のようにバネ部材で定着装置を抑える場合、定着装置の装着後の外れ(特に装置の物流等の移動の振動や衝撃が加わった際)を防止するためにはバネ力を、定着装置の重量や、保持部に加わる力より大きくすることで、確実に保持できるようになる。しかし、定着装置を装着する際には、そのバネ力より強い力で押し上げなくては装着することができず、操作性を損なう(特に、高速機や、A3、LGR以上の幅のあるメディアを扱う画像形成装置における定着装置の場合、定着装置の重量も大きくなる傾向にある)。
本発明の目的は、画像形成装置本体に対して定着装置を着脱する際の操作性が良く、定着装置をガタを抑えて装着することができる画像形成装置、およびこれに用いられる画像形成装置本体、定着装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る画像形成装置は、定着装置が着脱方向に直交する長手方向の端部に支軸を備え、装置本体が前記支軸を挿入する開口部を備え、前記装置本体に対して前記定着装置を着脱可能とする画像形成装置であって、前記開口部は、前記着脱方向および前記長手方向に直交する第1の方向への前記支軸の変位を規制する第1規制部と、前記第1の方向と逆方向である第2の方向への前記支軸の変位を規制する第2規制部との間に形成され、前記装置本体は、前記第1、第2規制部の一方の奥側に前記支軸を落し込む穴部を有し、前記定着装置は、前記定着装置の着脱に応じて変位し、前記支軸が前記穴部から外れる方向の変位を抑制する押え部材を有することを特徴とする。
また、本発明に係る画像形成装置本体は、着脱可能な定着装置にあって着脱方向に直交する長手方向の端部に設けられる支軸(を挿入する開口部を備える画像形成装置本体であって、前記開口部は、前記着脱方向および前記長手方向に直交する第1の方向への前記支軸の変位を規制する第1規制部と、前記第1の方向と逆方向である第2の方向への前記支軸の変位を規制する第2規制部との間に形成され、前記第1、第2規制部の一方の奥側に前記支軸を落し込む穴部を有することを特徴とする。
また、本発明に係る定着装置は、着脱方向に直交する長手方向の端部に設けられる支軸を備え、前記支軸を挿入する開口部と、前記支軸を落し込む穴部と、を備えた装置本体に対し着脱可能な定着装置であって、着脱に応じて変位し、前記支軸が前記穴部から外れる方向の変位を抑制する押え部材を有することを特徴とする。
本発明によれば、画像形成装置本体に対して定着装置を着脱する際の操作性が良く、定着装置をガタを抑えて装着することができる画像形成装置、およびこれに用いられる画像形成装置本体、定着装置を提供することができる。
本発明の第1の実施形態における装置本体に装着前の定着装置と、定着装置を装着する装置本体の本体フレームユニット部を示す斜視図である。 (A)、(B)は、夫々第1の実施形態における定着装置を装置本体へ装着する前後における接続部の状態を示す側面図である。 (A)乃至(C)は、第1の実施形態における定着装置を装置本体へ装着して固定するまでを説明する部分拡大図である。 押え部材が異なる第1の実施形態の変形例を示す部分拡大図である。 (A)乃至(D)は本発明の第2の実施形態における定着装置の装置本体への装着を説明する図である。 第2の実施形態における長手方向の端部を説明する斜視方向の部分拡大図である。 (a)、(b)は本発明の実施形態に係る定着装置の加熱機構を説明する模式図である。 本発明の実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す断面図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について、添付図面に基づいて詳述する。
《第1の実施形態》
(画像形成装置)
図8は、電子写真記録技術を用いた画像形成装置(本実施形態ではフルカラープリンタ)の一例の概略構成を表す断面図である。画像形成装置70は、装置本体70Aに対して後述する定着装置72を着脱可能としている。
画像形成装置70において、記録材Pにトナー画像を形成する画像形成部71は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4つの画像形成ステーションSY、SM、SC、SBkを有する。各画像形成ステーションは、像担持体としての感光体ドラム1と、帯電部材2と、レーザスキャナ3と、現像器4と、感光体ドラム1をクリーニングするクリーナ5を有している。
更に、各画像形成ステーションは、転写部材6と、転写部材6で感光体ドラム1から転写したトナー画像を担持しつつ搬送するベルト7と、ベルト7から記録材Pへトナー画像を転写する二次転写部材8などを有している。以上の画像形成部71の動作は周知であるので、詳細な説明は割愛する。
各画像形成ステーションにおいて、感光体ドラム1と、帯電部材2と、現像器4と、クリーナ5は、画像形成装置本体(以下、装置本体と記す)70Aに取り外し可能に装着するカートリッジとして一体化されている。
装置本体70A内のカセット9に収納された記録材Pは、ローラ10の回転によって1枚ずつ繰り出される。その記録材Pは、ローラ11の回転によって、ベルト7と二次転写部材8とで形成された二次転写ニップ部に搬送される。二次転写ニップ部でトナー画像が転写された記録材Pは、定着部(以下、定着装置と記す)72に送られ、トナー画像は定着部で記録材に加熱定着される。定着装置72を出た記録材Pは、ローラ12の回転によって排出部13へと搬送され、記録材が排出部に排出される。
装置本体70Aに装着された記録材供給部(以下、記録材供給装置と記す)73は、トレイユニット68に載置された記録材Pを給送ローラユニット69によって1枚ずつ送り出すようになっている。給送ローラユニット69で送り出された記録材Pは、ローラ11の回転によって二次転写ニップ部に搬送され、トナー画像が記録材に転写される。トナー画像が定着装置72で加熱定着された記録材Pは、ローラ12の回転によって搬送され排出部13に排出される。
再搬送部74は、記録材Pの2面目を印字面としてトナー画像を形成する場合に用いられるものである。再搬送部74では、1面目を印字面としてトナー画像が形成された記録材Pの後端が分岐部17を抜けたことをセンサー(不図示)で検知してローラ12を逆回転させ、その記録材をスイッチバックさせてローラ11に搬送するようになっている。その記録材Pは、ローラ11の回転によって二次転写ニップ部に搬送され、トナー画像が記録材の2面目に転写される。2面目のトナー画像が定着装置72で加熱定着された記録材Pは、ローラ12の回転によって搬送され排出部13に排出される。
(定着装置)
図7は、定着装置72の要部を表わす模式図である。図7において、(a)は定着装置72の概略構成を表わす断面図、(b)は定着装置72の記録材搬送方向上流側からの概略構成を表わす側面図である。この定着装置72は、記録材Pが担持する未定着トナー画像tをスリーブ33で加熱するタイプの装置である。
定着装置72は、加熱ユニット(加圧部材)30と、加圧ローラユニット(被加圧部材)40と、更に定着装置の枠体をなすフレーム20を備え、加熱ユニット30と、加圧ローラユニット40は、それぞれフレーム20に支持されている。
加熱ユニット30は、ヒータ31と、ヒータを支持するヒーターホルダー32を有する。更に、加熱ユニット30は、ヒーターホルダーの外周にルーズに外嵌された第1の回転体としてのスリーブ(加熱回転体)33と、スリーブの長手方向両端に配設されたフランジ34を有する(図7(b))。これらのヒータ31、ヒーターホルダー32、及びスリーブ33は、何れも記録材搬送方向と直交する方向(以下、長手方向と記す)に長い部材である。
ヒータ31は、細長いセラミック製の基板31a上に、通電により発熱する抵抗発熱体31bと、抵抗発熱体を被覆して保護する保護層31cを備えたものである(図7(a))。フランジ34は、スリーブ33の回転軌道をガイドするガイド部34aと、スリーブの回転動作中のスラスト方向の移動を規制する規制部34bと、ヒーターホルダー32の長手方向両端を支持する支持部34cを有している。
上記の加熱ユニット30は、フランジ34の支持部34cがフレーム20に移動可能に支持され、スリーブ33を加圧ローラユニット24の後述する加圧ローラ41に対し加圧できるようになっている。加圧ローラユニット40は、第2の回転体としての加圧ローラ(加圧回転体)41と、軸受42と、ギア43を有する。長手方向に長い加圧ローラ41は、金属製の芯金41aの長手方向両端の軸部41a1間の外周面にシリコンゴム等からなる弾性層41bを有し、この弾性層の外周面を離型層41cで被覆したものである。
この加圧ローラユニット40は、加圧ローラユニットの加圧ローラ41の外周面(表面)が加熱ユニット30のスリーブ33の外周面(表面)と接触するように、フレーム20に配設されている。そして、加圧ローラ41の芯金41aの長手方向両端の軸部41a1が、軸受42を介してフレーム20に回転可能に支持されていて、一方の軸部41a1にはギア(不図示)が固着されている。
本実施形態の定着装置72は、加熱ユニット30のフランジ34によって、スリーブ33を加圧ローラ41の母線方向と直交する方向に加圧するように構成してある。フランジ34が加圧されることで、ヒータ31は、スリーブ33を介して加圧ローラ41に加圧される。これにより、加圧ローラ41の弾性層41bを弾性変形させ、スリーブ33表面と加圧ローラ表面とで未定着トナー画像の加熱定着に必要な所定幅の定着ニップ部N(図7(a))を形成するようになっている。
図7(a)を参照して、定着装置72の加熱定着処理動作を説明する。装置本体70Aに備えるモータ(不図示)の駆動力が加圧ローラユニット40のギア(不図示)に伝達され、これにより加圧ローラ41は矢印方向に回転駆動される。スリーブ33は、スリーブの内周面(内面)がヒータ31とヒーターホルダー32に摺動しながら、加圧ローラ41の回転に追従して矢印方向に回転する。
ヒータ31の抵抗発熱体31bには通電制御回路(不図示)から電力が供給され、これにより、抵抗発熱体が発熱してヒータは昇温する。通電制御回路は、ヒータ31の温度をモニタする温度検知素子Sの検知温度が定着温度(目標温度)を維持するように、ヒータへ供給する電力を制御する。
未定着トナー画像tを担持する記録材Pは、定着ニップ部Nで挟持搬送されながら未定着トナー画像にヒータ31の熱とニップ部の圧力が印加され、これによりトナー画像は記録材上に加熱定着される。
図1は、定着装置72を保持する装置本体70Aの本体フレームユニット43と、その装置本体70Aから定着装置72を外した状態を示す斜視図である。装置本体70Aの本体フレームユニット43は、図中の前後の側板44、45に定着装置72を保持する穴37、38を備えている。定着装置72は、紙幅方向(長手方向)に伸びる支軸16を備え、支軸16を開口部56(上規制部54、下規制部55で形成)を介して穴部37、38に装着させることで、定着装置72の位置を装置本体70Aに対して規制する。
図1で、紙面内の上下方向が着脱方向、左右方向が上規制部54、下規制部55で夫々支軸16の変位を規制する方向である第1、第2の方向(互いに逆方向)、紙面外(紙面垂直)方向が長手方向である。
定着装置72は、定着装置のボス部18、不図示の穴が装置本体70Aの本体フレームユニット43に備えられた角穴46、軸部39に夫々嵌め合うことで、回転止めされて保持される。そして、本体フレームユニット43は、駆動源であるモータ48を備えた駆動ユニット47を備え、定着装置72には、その駆動力を加圧ローラ41へ駆動を伝達するギア19を備える。また、駆動ユニット47の下側に定着装置72が保持するドロワーコネクター35と接続することで、定着装置72へ電力及び制御信号を伝えるドロワーコネクター36を備えている。
また、定着装置72は、定着装置72を単体で持ち運ぶための上下のハンドル14、66と、装置本体に定着装置を固定する突起部としての左右の押え部材15、67を備えている。そして、ハンドル14は、上下のボス部25、26が定着装置72の枠体をなすフレームの曲げ部23、24にある穴に回転可能に保持されている。
図2は、定着装置72を装置本体70Aの側板44へ装着する際の装着前後の接続部の状態を示しており、ギア19とギア21のかみ合いが分かるように駆動ユニット内の部品を取り外して示している。図2(A)は定着装置が装置本体の側板44に接続する直前を示し、図2(B)は接続後の状態を示している。ギア21は、反時計まわりに回転し、ギア19は、時計周りに回転する。そのため、駆動伝達時に支軸16には、図2(B)の下方向に力が加わるが、その力は装置本体の穴部37が受ける。
図2に示すように、ハンドル部としてのハンドル14には、ハンドル14を固定した状態で直進させて支軸16を穴部37へ装着させる第1段階の機能を備える。更に、ハンドル14には、支軸16の穴部37への装着後、支軸16の固定のためにハンドル14の回動により押え部材15を回動させて開口部56に挿入させる第2段階の機能が備わる。即ち、ハンドル14は、支軸16を開口部56に挿入するときの固定状態と、定着装置の着脱に応じて押え部材15を開口部56に挿入するときの変位する状態(回転変位する状態)を備える。
このように、ハンドル14には、支軸16が穴部37に装着後、支軸16が穴部37から外れないようにするための回動可能な押え部材15を備える。本実施形態では、図3に示すように、押え部材15が回動により変位する軌跡は、第1規制部である上規制部54によって規制される方向(第1の方向)における位置が変わらない軌跡である。
図3は、装置本体の穴部37と、定着装置の支軸16、押え部材15付近を拡大したものである。図3(A)、(B)、(C)の順に、ハンドル14をボス部25、26を中心に回動(回転変位)することで、押え部材15が装置本体70Aの穴部37に挿入されるまでの変化を示している。
押え部材15は、図3(A)に示すように、先端の傾斜部58と、先端の傾斜部58からつながる凸部59と、フラット部60を備える。そして、押え部材15を装置本体70Aの開口部56(上規制部54と対向する下規制部55との間)に挿入する際、下規制部55の奥側に設けられた穴部37に既に装着された支軸16の上面を先端の傾斜部58の傾斜面が接触する。これにより、容易に押え部材15を装着させることができる。そして、押え部材15の装着後には、押え部材15の凸部59が支軸16を乗り越えており、押え部材15が図中の左側へ戻ることが規制されて、ハンドル14の位置が固定される。
本実施形態のように穴部37が下規制部55の奥側に設けられる場合、下規制部55から穴部である丸穴に落し込まれた支軸16の底部(最下点57)までの距離をe、第1規制部から穴部に落し込まれた支軸16の頂き部(最上点53)までの距離をfとする。また、支軸16の頂き部(最上点53)より奥側に挿入される押え部材の先端部の厚さ(上部61と凸部59の距離)をg、支軸の頂き部に対応した押え部材の厚さ(上部61とフラット部60の距離)をhとする。このとき、以下の式(1)を満たしている。
h≦g≦f かつ、f−h<e ・・・(1)
このように、支軸16と上規制板54の隙間であるfより、押え部材15の厚さg、hを大きくしないことで、押え部材15が挿入可能となる。そして、支軸16の落し込み量eを、押え部材15が挿入された際の支軸16と上規制部54の隙間ガタである(f−h)より大きくすることで、支軸16が穴部37から脱落する(外れる)ことが無くなる。
なお、上述した実施形態では、h<gとすることで装着後の押え部材15の戻り(図3(C)の左側への変位)を規制したが、h=gとする場合は、装着後の押え部材15の戻りを規制する機構を別途設ける。例えば、定着装置の着脱時に開閉するドアにおいて、ドアを閉めた際にハンドル14を抑えるなどの抑え機構を設ける。
また、図4に示すように、定着装置72の支軸16を保持する装置本体70Aの穴部は、断面が支軸16と接点27、28を持つV字形状であっても良い。この場合のeの距離は、下規制部56と支軸31の最下端22との距離となる。
《第2の実施形態》
図5は、第1の実施形態で示した定着装置72と画像形成装置70の定着装置保持部に、第2の実施の形態を盛り込んだ部分図である。本実施形態では、第1の実施形態の押え部材15と一部だけが異なる(先端の傾斜部58と凸部59との厚さの差を無くした平面状の上面を用いる)押え部材15’と、ガイド部材65を用いる点が、第1の実施形態と異なる。第1の実施形態では、装着後の戻り抑制を押え部材15の先端の傾斜部58と凸部59との厚さの差を用いて行ったが、本実施形態では装着後の戻り抑制を押え部材15’の下面とガイド部材65との接触摩擦力を用いて行う。
画像形成装置70の画像形成プロセス、及び、定着装置の定着プロセスは、第1の実施形態と同様のため、説明を省略する。第1の実施形態と同様の部位には、同じ符号を付与する。
図5(A)乃至(D)は、装置本体70Aに定着装置72が置かれ、位置を規制する穴部37へ装着されるまでの変化を順に示している。図5(A)は、定着装置72を装着する装置本体70Aの穴部37へ誘導するための下規制部55に定着装置72の支軸16が装着された状態である。
定着装置72を持つためのハンドル14は、ハンドル軸部26を回転中心として、定着装置のフレーム20の曲げ部24の穴に貫通しており、回動及び、上下方向に移動可能に保持されている。ハンドル軸部26には、ハンドルの重さを定着フレームに保持させて下方の位置を規制する下突き当て部29と、上方向の移動を規制する上突き当て部39を備える。
図5(A)の矢印64に示すように、定着装置装着時にハンドル14が押されると、ハンドル14の回動により、その下部に備えられた押え部材15'の先端部49が支軸16に近づき、突き当たる。その突き当たった状態が、図5(B)に示される。このとき、押え部材15'の上面61が、装置本体の側板44にある上規制部先端63によって位置規制されるため、押え部材15'の先端部49を支軸16に正確に突き当てることができる。
図5(C)は、図5(B)の状態から、さらにハンドル14が押され、押え部材15の先端部49が支軸16を押して定着装置72が装置本体の取り付け穴に向かって移動した状態を示す。図5(C)で、押え部材15'の下側にある斜面部50が、側板44のガイド部材65に突き当たっているが、このとき押え部材15'は、上側61が上規制先端63を通過しているため、上側方向の規制が無い状態となっている。
そのため、押え部材15'は、右斜め上方向に移動可能となる。即ち、本実施形態では、押え部材15'が変位する軌跡は、上規制部54によって規制される方向(第1の方向)における位置が変わる軌跡となる。即ち、支軸16が穴部37に落し込まれる前後で、第1の方向において、押え部材15'を支軸16を挿入方向に押す第1位置から上規制部54により近い第2位置へ変位させられる。
また、支軸16は、側板44の下規制部55の終端51を支軸16の中心が通過しており、支軸16の軸中心の移動方向が、穴部37へ落ちる方向に向く。そして、さらに押されると、押え部材15は、斜面部50がガイド部材65によって右斜め上方へガイドされて、ハンドル14と共に移動する一方、支軸16は右斜め下の穴部37へ移動する。このようにして、押え部材15が支軸16と、側板44の上規制部54との間に挿入される。
その後、側板44の上規制部先端63が、押え部材15'の根元部52に突き当たり、定着装置72が装置本体70Aに装着されることが完了する(図5(D))。このとき、下規制部55から穴部37の最下点57の距離をe、上規制面54と支軸37の上端53の距離f、押え部材15'の厚みをhとする。すると、式(1)と同様の以下の式(2)を満たすこととなる。
0≦f−h<e ・・・(2)
即ち、支軸16と上規制板54の隙間fより、押え部材15'の厚さhを大きくしないことで、押え部材15'が挿入可能となる。そして、穴部37の落し込み量eを、押え部材15が挿入された際の支軸16と上規制板54の隙間ガタである(f−h)より大きくすることで、支軸16が穴部37から脱落する(外れる)ことが無くなる。
図6を用いて、この取り付け部分の奥行方向(長手方向)の位置関係を説明する。図6は、図5(B)位置にある場合、押え部材15'と、支軸16と、装置本体の側板44の位置関係を示している。支軸16は、径の大きい大軸部61と、それより先端側で径が小さい小軸部62を備えている。大軸部61は、側板44の下規制部55から穴部37と接触して、定着装置72を装置本体70Aに装着して保持する際の荷重を受ける。
また、小軸部62は、押え部材15の先端部49により押しこみ力を受ける。押え部材15'の先端部49と、側板44の上規制部先端63は、小軸部62の側(図中左側)だけに先端部49による押しこみ力が作用するように突出しており、大軸部61には作用しない位置関係になっている。そのため、定着装置の根元側の太い大軸部61で、定着装置の荷重や、駆動による力を保持することで、軸の撓みによる定着装置の振動等の動きを防止している。そして、先端を小径化して、押え部材15'が支軸16の上部に移動する際の空間として活用することができ、装置の小型化に効果がある。
以上、定着装置を装置本体へ装着する際、定着装置72を持つためのハンドル14をもって、支軸16を下規制部55、穴部37に装着する。そして、装着後に、そのままハンドル部14を押しこむ(回動させる)だけで、押え部材15'により定着装置72を装置本体70Aに固定保持できる。その際、バネ力等の反力を受けることが無いため、容易に装着ができるようになる。
なお、図5(A)の矢印64による押し動作は、直接ユーザー(使用者)がハンドル14を押す場合に限られない。定着装置72の外側で、定着装置72の着脱の際に開閉するカバーや、可動ガイドにハンドル14に対向した押し部を設け、それらを閉める動作によってハンドル14を押すことでも、定着装置72の装着が可能となる。
(変形例)
上述した実施形態では、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明の範囲内で種々の変形が可能である。
(変形例1)
上述した実施形態では、定着装置として、スリーブ(加熱回転体)33をヒータ31で加熱するものを示したが、定着装置は如何なるものであっても良い。例えば、加熱回転体として無端ベルトとしての定着フィルムを用い、定着ニップ部に対応した定着フィルムの内周面をヒータ31で加熱する、あるいは定着フィルムの内側の中心部に設けられるハロゲンヒータで定着フィルムの内周面を加熱するものでも良い。
また、定着装置は、ヒータ加熱方式に限らず、例えば、電磁誘導を用いたIH(誘導加熱方式)ないし、定着フィルムへの通電によって定着フィルムを直接発熱する定着方式のものであっても良い。
また、上述した実施形態では、画像形成装置として、電子写真方式のものを示したが、静電記録方式など如何なるものであっても良い。
(変形例2)
上述した実施形態では、支軸16、開口部56を長手方向の両端部に設けたが、長手方向の一端部だけに設けても良い。
(変形例3)
上述した実施形態では、無端ベルトとしてのスリーブ33を第1の回転体(定着回転体)として設けたが、無端ベルトが第2の回転体(第1の回転体に対向し第1の回転体と共に定着ニップ部を形成する回転体)に設けられても良い。また、無端ベルトが第1の回転体、第2の回転体の双方に設けられても良い。
(変形例4)
上述した実施形態では、第1の回転体(定着回転体)および加圧体としての加圧用回転体が定着回転体を加圧する場合を示した。しかしながら、本発明はこれに限定されず、加圧体としてでなく対向体としての回転体が定着回転体としての無端ベルトから加圧される場合にも同様に適用できる。ここで、対向体とは、定着回転体に対向し、定着回転体と圧接して定着ニップ部を形成し、移動する記録材を定着ニップ部で挟持する部材である。
(変形例5)
上述した実施形態では、加圧体として定着回転体と共に回転する加圧用回転体(加圧ローラ)を示したが、本発明はこれに限られず、加圧体として固定された平板状の加圧パッドを適用することもできる。
(変形例6)
上述した実施形態では、記録材として記録紙を説明したが、本発明における記録材は紙に限定されるものではない。一般に、記録材とは、画像形成装置によってトナー像が形成されるシート状の部材であり、例えば、定型或いは不定型の普通紙、厚紙、薄紙、封筒、葉書、シール、樹脂シート、OHPシート、光沢紙等が含まれる。なお、上述した実施形態では、便宜上、記録材(シート)Pの扱いを、紙幅、紙面などの用語を用いて説明したが、これによって本発明における記録材が紙に限定されるものではない。
(変形例7)
上述した実施形態では、未定着トナー像を記録材に定着する定着装置を例に説明したが、本発明は、これに限らず、画像の光沢を向上させるべく、記録材に仮定着されたトナー像を加熱加圧する装置(この場合も定着装置と呼ぶ)にも同様に適用可能である。
15、15'・・押え部材、16・・支軸、37・・穴部、54・・上規制部、55・・下規制部、56・・開口部、70A・・画像形成装置本体、72・・定着装置

Claims (11)

  1. 定着装置が着脱方向に直交する長手方向の端部に支軸を備え、
    装置本体が前記支軸を挿入する開口部を備え、
    前記装置本体に対して前記定着装置を着脱可能とする画像形成装置であって、
    前記開口部は、前記着脱方向および前記長手方向に直交する第1の方向への前記支軸の変位を規制する第1規制部と、前記第1の方向と逆方向である第2の方向への前記支軸の変位を規制する第2規制部との間に形成され、
    前記装置本体は、前記第1、第2規制部の一方の奥側に前記支軸を落し込む穴部を有し、
    前記定着装置は、前記定着装置の着脱に応じて変位し、前記支軸が前記穴部から外れる方向の変位を抑制する押え部材を有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記穴部が前記第2規制部の奥側に設けられ、
    前記第2規制部から前記穴部に落し込まれた前記支軸の底部までの距離をe、前記第1規制部から前記穴部に落し込まれた前記支軸の頂き部までの距離をf、前記支軸の頂き部より奥側に挿入される前記押え部材の先端部の厚さをg、前記支軸の頂き部に対応した前記押え部材の厚さをhとするとき、以下の式を満たすことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
    h≦g≦f かつ、f−h<e
  3. 前記押え部材が変位する軌跡は、前記第1の方向における位置が変わらない軌跡であることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記押え部材が変位する軌跡は、前記第1の方向における位置が変わる軌跡であって、
    前記支軸が前記穴部に落し込まれる前後で、前記第1の方向において、前記押え部材を前記支軸を挿入方向に押す第1位置から前記第1規制部により近い第2位置へ変位させる斜面を備えたガイド部材を有することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  5. 前記支軸は、前記押え部材が作用する端部で径が小さいことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  6. 前記押え部材が、使用者によって保持されるハンドル部に設けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  7. 前記ハンドル部は、前記支軸を前記開口部に挿入するときの固定状態と、前記押え部材を前記開口部に挿入するときの回転変位する状態を備えることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
  8. 前記押え部材は、回転変位することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  9. 前記支軸、前記開口部は夫々前記長手方向の両端部に設けられることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  10. 着脱可能な定着装置にあって着脱方向に直交する長手方向の端部に設けられる支軸を挿入する開口部を備える画像形成装置本体であって、
    前記開口部は、前記着脱方向および前記長手方向に直交する第1の方向への前記支軸の変位を規制する第1規制部と、前記第1の方向と逆方向である第2の方向への前記支軸の変位を規制する第2規制部との間に形成され、
    前記第1、第2規制部の一方の奥側に前記支軸を落し込む穴部を有することを特徴とする画像形成装置本体。
  11. 着脱方向に直交する長手方向の端部に設けられる支軸を備え、前記支軸を挿入する開口部と、前記支軸を落し込む穴部と、を備えた装置本体に対し着脱可能な定着装置であって、着脱に応じて変位し、前記支軸が前記穴部から外れる方向の変位を抑制する押え部材を有することを特徴とする定着装置。
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