JP2015190598A - 気化ガス再液化設備、及び、気化ガス再液化方法 - Google Patents

気化ガス再液化設備、及び、気化ガス再液化方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高圧縮を可能とする圧縮機を不要とし、あるいは、圧縮機を併用する場合であっても小容量の圧縮機で十分としながら、気化ガスを効率よく冷却することができる気化ガス再液化設備、及び、気化ガス再液化方法を提供する。【解決手段】液化ガスの収容設備から前記液化ガスが送液される送液流路に、前記液化ガスから生じた気化ガスを吸引するエジェクタを備える気化ガス再液化設備。【選択図】図1

Description

本発明は、液化天然ガス(以下「LNG」とも云う。)などの液化ガスの収容設備において発生する、ボイルオフガス(以下「BOG」とも云う。)などの気化ガスを冷却して再液化する気化ガス再液化設備、及び、気化ガス再液化方法に関する。
液化天然ガスはマイナス160℃の極低温状態で扱われるため、その貯蔵設備(収容設備)であるLNG貯槽では、外部からの自然入熱等によるLNGのガス化が避けられない。
このように発生したBOG(ボイルオフガス)を液化するために、特許文献1では、図2にモデル的に示すように、LNG貯槽105より発生するBOGをBOG圧縮機107により圧縮した後に気泡発生器111へ、貯槽内の第一の送液ポンプ109により送出された低温のLNG105(BOGを冷却させるための冷媒として使用される)とともに、導入し、BOGを冷却して再液化し、その後、第二の送液ポンプ(セカンダリーポンプ)113によって所定の圧力まで昇圧して、都市ガス設備や発電所の燃料系統等に送出するBOG再液化装置100が提案されている。BOG再液化装置100は、このような構成により、BOGを細かい気泡とすることができるので、高い熱交換性能が得られ、その結果、効果的にBOGを再液化でき、再液化装置をコンパクトなものとすることができるとされている。
しかし、この技術では、高圧縮を可能とする高性能の圧縮機が必要となるが、その設備コストとその運転のための電力とが必要となる上に、高圧縮の入熱によりBOGの温度が高くなり、その液化のための、冷媒であるLNGの必要量が多くなる、すなわち、BOGの冷却が非効率となる場合があった。
特開2013−155879号公報 特開2009−189984号公報
本発明は、上記の問題点を改善する、すなわち、高圧縮を可能とする圧縮機を不要とし、あるいは、圧縮機を併用する場合であっても小容量の圧縮機で十分としながら、気化ガスを効率よく冷却することができる気化ガス再液化設備、及び、気化ガス再液化方法を提供することを目的とする。
本発明の気化ガス再液化設備は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の通り、液化ガスの収容設備から前記液化ガスが送液される送液流路に、前記液化ガスから生じた気化ガスを吸引するエジェクタを備えることを特徴とする。
本発明の気化ガス再液化設備は、上記構成に加え、前記エジェクタの前記液化ガス送液方向下流側に、気液分離機を備えることができる。
本発明の気化ガス再液化設備は、前記気液分離機として、本体容器と、前記本体容器に収容される前記液化ガスの液面である本体容器液面位置より上の位置で前記本体容器に接続する、前記本体容器液面位置より上の空間に存在する気化ガスを前記収容設備へ送出する送気ラインと、前記本体容器液面位置より下の部分に設けられた、前記エジェクタからの前記液化ガスを前記本体容器に導入する導入口と、前記導入口より下の位置で前記本体容器に接続する、前記本体容器内部に収容される前記液化ガスを前記液化ガスの需要設備へ向けて送出する送液ラインと、を備える気液分離機を有することができる。
本発明の気化ガス再液化方法は、請求項4に記載の通り、液化ガスの収容設備から前記液化ガスが送液される流路を備えた液化ガス設備において、当該流路に設けられたエジェクタにより、前記液化ガスから生じた気化ガスを吸引させ、前記液化ガスと前記気化ガスとを接触させて前記気化ガスを再液化することを特徴とする。
本発明の気化ガス再液化方法は、上記構成に加え、前記エジェクタの前記液化ガス送液方向下流側に設けられた気液分離機により、前記エジェクタから送出される液化ガス内に残留する気化ガスを分離させることができる。
本発明の気化ガス再液化設備によれば、液化ガスの収容設備から前記液化ガスが送液される送液流路に、前記液化ガスから生じた気化ガスを吸引するエジェクタを備える。このような構成によって、気化ガスを、動力や電力を必要としないエジェクタにより冷却することができる。そして、このように、エジェクタを有することにより、高圧縮を可能とする高価な圧縮機が不要となり、あるいは、圧縮機を併用する場合であっても小容量の圧縮機で十分となり、高圧縮による気化ガスの大きな温度上昇が生じないので、液化ガスの使用量がより少ない気化ガスの冷却が可能となる。さらに、このように冷却効率が高いので設備の小規模化も可能となる。
本発明の気化ガス再液化設備では、上記構成に加え、前記エジェクタの前記液化ガス送液方向下流側に、気液分離機を備えることができ、このとき、前記エジェクタから送出される液化ガス内に気化ガスが残留していた場合であっても、その気化ガスを液化ガスから分離させるので、液化ガス中の気化ガスの残留のおそれを少なくすることができる。
本発明の気化ガス再液化設備では、上記気液分離機として、本体容器と、前記本体容器に収容される前記液化ガスの液面である本体容器液面位置より上の位置で前記本体容器に接続する、前記本体容器液面位置より上の空間に存在する気化ガスを前記収容設備へ送出する送気ラインと、前記本体容器液面位置より下の部分に設けられた、前記エジェクタからの前記液化ガスを前記本体容器に導入する導入口と、前記導入口より下の位置で前記本体容器に接続する、前記本体容器内部に収容される前記液化ガスを前記液化ガスの需要設備へ送出する送液ラインと、を備える気液分離機を有していることで、液化ガス中の気化ガスの残留のおそれを少なくすることができる。
本発明の気化ガス再液化方法によれば、液化ガスの収容設備から前記液化ガスが送液される流路を備えた液化ガス設備において、当該流路に設けられたエジェクタに前記液化ガスから生じた気化ガスを吸引させ、前記液化ガスと前記気化ガスとを接触させる。このような構成によって、気化ガスを、動力や電力を必要としないエジェクタにより冷却することができる。そして、このように、エジェクタを用いることにより、高圧縮を可能とする高性能の圧縮機が不要となり、あるいは、圧縮機を併用する場合であっても小容量の圧縮機で十分となり、高圧縮による気化ガスの大きな温度上昇が生じないので、液化ガスの使用量がより少ない気化ガスの冷却が可能となる。さらに、このように冷却効率が高いので設備の小規模化も可能となる。
さらに、本発明の気化ガス再液化方法では、エジェクタの液化ガス送液方向下流側に設けられた気液分離機により、前記エジェクタから送出される液化ガス内に気化ガスが残留していた場合であっても、その気化ガスを液化ガスから分離させるので、液化ガス中の気化ガスの残留のおそれをより少なくすることができる。
図1は本発明の気化ガス再液化設備の一例を示す説明図である。 図2は従来の気化ガス再液化設備の一例を示す説明図である。
本発明の気化ガス再液化設備の一例を図1に示す。
液化ガスであるLNG1はその収容設備である貯槽Vに貯蔵されている。貯槽V内のLNG1の液面である収容設備液面1bの上の空間Vaには、貯槽Vの外部からの熱流入によりLNG1から発生したボイルオフガス1aが存在している。
この収容設備液面1b下に設けられた第一の送液ポンプ5により、貯槽V内のLNG1は貯槽V外に設置された第二の送液ポンプ(セカンダリーポンプ)6へ送液流路G4Lを経由して送られ、この第二の送液ポンプ6により所定の圧力で都市ガス設備や発電所の燃料系統等の、LNGを需要する、需要設備へ向けて送液流路G5Lを経由して送出される。
さらに、この貯槽Vの収容設備液面1b下に設けられた第三の送液ポンプ2により送液流路G1Lを経由してエジェクタ3にLNG1が送液される。このエジェクタ3には貯槽Vの収容設備液面1bの空間Vaに接続された送気流路G3Lが接続されている。送液流路G1L内を送液されるLNGはエジェクタ3より減圧され、この減圧により空間Vaのボイルオフガス1aが吸引され、これらボイルオフガスとLNGとは互いに接触した状態で送液流路G2L内を送液される。
このエジェクタ3及び送液流路G2L内で、上記のようにボイルオフガスとLNGとは接触し、ボイルオフガスは冷却される。この冷却によりボイルオフガスは、エジェクタ3及び送液流路G2L内で再液化する。ボイルオフガスが送液流路G2L内で完全に再液化する場合には、送液流路G2L内の液化ガスを後述する送液流路G4L内を流れる液化ガスに合流させて、第2のポンプ6へ送液することができる。しかし、再液化設備のコンパクト化等の要求により送液流路G2Lを十分には長くできない場合等、送液流路G2L内でLNG中にボイルオフガスが残留する(以下、このようなボイルオフガスを「残留ガス」とも云う。)懸念がある場合には、必要に応じて、例えば、次のように気液分離機を併用することができる。
図1に示した例では、送液流路G2Lの一方の端であるエジェクタ3側端とは他方の端には、気液分離機4が接続されている。この気液分離機4は、本体容器4aと、本体容器4aに収容される液化ガス1の液面である本体容器液面位置1cより上の位置で本体容器4aに接続する、本体容器液面位置1cより上の空間に存在するボイルオフガス1aを収容設備である貯槽Vの液面1bより上の空間Vaへ送出する送気ラインG7Lと、本体容器液面位置1cより下の部分に設けられた、エジェクタ3からの液化ガスを本体容器4aに導入する導入口としてのノズル4b(この例では複数個設けられている)と、ノズル4bより下の位置(低い位置)で本体容器4aに接続する、本体容器4a内部に収容されるLNG1を液化ガスの需要設備へ向けて送出する送液ラインG6Lと、を備える。
ノズル4bとしては、送液流路G2Lを経て気液分離機4に導入されるLNG内に残留ガスが存在する場合、その残留ガスを微細な気泡とするものであることが好ましい。なお、ノズル4は、例えば、特許文献2に記載された微細気泡発生ノズルとすることができる。
気液分離機4の本体容器4aは、この例では縦長の断熱容器であり、その内部にLNG1が蓄えられている。そして、上記の導入口としてのノズル4bよりも下の位置である、本体容器4aの底部に接続された送液流路G6Lは上記の送液流路G4Lに合流しており、気液分離機4内のLNG1は送液流路G4L内を流れるLNGとともに第二の送液ポンプ6へ送られたのち、液化ガスの需要設備に送られる。
一方、本体容器4aのLNG1の液面である本体容器液面位置1cより上の空間4cには、他方の端が貯槽VのLNG液面上に接続されている送気流路G7Lが接続されている。
これらの構成により、送液流路G2Lを経て気液分離機4に送出されるLNG内にボイルオフガスが残留していた場合であっても、このボイルオフガスはエジェクタ3によってLNGと混合されているのでLNGにより冷却されている。そして、このボイルオフガスはノズル4bにより、微細な気泡とされた後に、本体容器4a内のLNG1に接触するので、この残留ガスは容易に再液化されて気液分離機4内のLNG1と一体となる。
さらに、この残留ガスが、本体容器4a内で再液化されなかった場合であっても、その残留ガスは本体容器4a内のLNG1の液面より上の空間である空間4cに上昇し、そこの液化ガス1aと一体となるので、ノズル4bよりも下の位置で本体容器4aに接続されている送液流路G6Lから第二の送液ポンプ6へ送出されるLNG1内への残留ガスの混入は防止される。このため、LNG中の残留ガスによる第二の送液ポンプ6での異常振動の発生やそのような振動による第二の送液ポンプ6の故障発生を未然に防ぐことができ、液化ガスの需要設備へ送液ラインG5Lを経由して安定してLNGを送ることができる。
このような気液分離機4は重力式の気液分離機であり、動力や電力を用いることなく、気液分離機4に導入されるLNG中のボイルオフガスを、LNGから分離させることができる。
一方、この気液分離機4によりLNG1から分離された、本体容器4a内のLNG1液面上のボイルオフガス1aは、送気流路G7Lにより貯槽VのLNG1液面である収容設備液面1bより上の空間Vaに送出され、空間Va内のボイルオフガス1aと一体となり、上述のプロセスを繰り返して再度、冷却され、再液化される。
なお、上記の例では設けなかったが、必要に応じ、熱交換器や圧縮機を設けることができるが、この場合であっても、小容量のものや、低出力のものの設置で十分であり、装置コストや運転コストの上昇、及び、圧縮によるボイルオフガスの温度上昇は従来技術よりも遙かに小さい。
以上、本発明について、好ましい実施形態を挙げて説明したが、本発明の気化ガス再液化設備、及び、気化ガス再液化方法は、上記実施形態の構成に限定されるものではない。
当業者は、従来公知の知見に従い、本発明の気化ガス再液化設備、及び、気化ガス再液化方法を適宜改変することができる。このような改変によってもなお本発明の気化ガス再液化設備、及び、気化ガス再液化方法を具備する限り、もちろん、本発明の範疇に含まれるものである。
V 貯槽
Va、4c 空間
1 LNG
1b 収容設備液面
1a ボイルオフガス
2 第三の送液ポンプ
3 エジェクタ
4 気液分離機
4b ノズル
5 第一の送液ポンプ
6 第二の送液ポンプ
G1L、G2L、G4L、G5L、G6L 送液流路
G3L、G7L 送気流路

Claims (5)

  1. 液化ガスの収容設備から前記液化ガスが送液される送液流路に、前記液化ガスから生じた気化ガスを吸引するエジェクタを備えることを特徴とする気化ガス再液化設備。
  2. 前記エジェクタの前記液化ガス送液方向下流側に、気液分離機を備えることを特徴とする請求項1に記載の気化ガス再液化設備。
  3. 前記気液分離機が、
    本体容器と、
    前記本体容器に収容される前記液化ガスの液面である本体容器液面位置より上の位置で前記本体容器に接続する、前記本体容器液面位置より上の空間に存在する気化ガスを前記収容設備へ送出する送気ラインと、
    前記本体容器液面位置より下の部分に設けられた、前記エジェクタからの前記液化ガスを前記本体容器に導入する導入口と、
    前記導入口より下の位置で前記本体容器に接続する、前記本体容器内部に収容される前記液化ガスを前記液化ガスの需要設備へ向けて送出する送液ラインと、を備えることを特徴とする請求項2に記載の気化ガス再液化設備。
  4. 液化ガスの収容設備から前記液化ガスが送液される流路を備えた液化ガス設備において、当該流路に設けられたエジェクタに前記液化ガスから生じた気化ガスを吸引させ、前記液化ガスと前記気化ガスとを接触させて前記気化ガスを再液化することを特徴とする気化ガス再液化方法。
  5. 前記エジェクタの前記液化ガス送液方向下流側に設けられた気液分離機により、前記エジェクタから送出される液化ガス内に残留する前記気化ガスを前記液化ガスから分離させることを特徴とする請求項4に記載の気化ガス再液化方法。
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