JP2015190398A - ターニング装置及びターニング装置の運転方法 - Google Patents
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また、下記の特許文献1には、主装置としての交流電動機と、補助装置としての直流電動機とを備えたタービンのターニング装置が開示されている。この場合、交流電動機及び直流電動機を水平方向で直列に連結し、交流電動機側に取り付けたモータ歯車からチェーンを介して出力する構造や、交流電動機及び直流電動機を並列に配置し、伝達歯車群の間に切替装置を設けていずれか一方の電動機を選択可能とした構造のターニング装置が示されている。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、交流電動機及び直流電動機を併用するターニング装置において、水平方向の電動機設置スペースを最小限に抑え、しかも、交流電動機に不具合を生じた場合の対応が容易になるターニング装置及びターニング装置の運転方法を提供することにある。
本発明に係るターニング装置は、タービンロータを回転させてターニングを行う駆動源として、交流電動機と直流電動機とを備え、鉛直方向で上段側に前記交流電動機を配置し、下段側に前記直流電動機を配置し、前記交流電動機及び前記直流電動機の出力軸が、上下方向にカップリングで直列に接続されていることを特徴とするものである。
また、交流電動機及び直流電動機の出力軸は、通常カップリングを介して接続されるため、上段側の交流電動機に不具合を生じた場合には、カップリングを切り離すだけの簡単な作業により、下段側に設置した直流電動機の単独運転が可能になる。
この場合、前記補助具連結部に取り付けた前記ハンドターニング補助具を支持して前記出力軸の周方向への回転移動を助けるハンドターニング補助機構を備え、該ハンドターニング補助機構に、前記ハンドターニング補助具を支持して前記出力軸の半径方向に移動可能とする補助具着脱補助機構を設けることにより、重量のあるハンドターニング補助具の着脱及び回転移動の作業が容易になる。
図2及び図3に示す蒸気タービン発電装置1は、発電機2の駆動源として蒸気タービン3を用いている。なお、図示の構成例では、直列に配置した低圧蒸気タービン3L及び高中圧蒸気タービン3Hを備えた蒸気タービン3を採用しているが、以下に説明する実施形態は、例えば複数の低圧タービン3Lを備えた構成等にも適用可能であり、特に限定されるものではない。
カップリング4の外周面には、後述するターニング装置10の減速機構15(図1参照)を構成する最終段の出力歯車15eと噛合するカップリングスペーサギア4aが全周にわたって形成されている。
以降の説明で、上下とは鉛直方向の上下方向を示す。交流電動機11及び直流電動機12は、交流電動機11を上段側にして上下方向に配置されている。すなわち、同じ容量(KW)の電動機であれば、直流電動機12の外径が交流電動機11より大きくなることが一般的であるため、外形が大きな直流電動機12を下段側に配置して外形が小さな交流電動機11を上段側に配置したほうが安定して収まりがよい。
そして、直流電動機12から下方へ延びるモータ軸12aの外周には、モータ軸12aと一体に回転するねじ歯車(ウォーム)14が設けられている。このねじ歯車14は、減速機構15を構成する歯車群の第1段歯車となるはす歯歯車(ウォームホイール)15aと噛合することにより、いわゆるウォームギア機構を構成している。
なお、図1〜3において、図中の符号Fはタービン建屋のフロア、Sは軸受台、Smは電動機架台である。
このため、電源トラブル等の対策として、常用の交流電動機11及び非常用の直流電動機12が設置された構成となり、2台設置した電動機のいずれか一方を使用してターニングを確実に実施できるようになる。
また、交流電動機11及び直流電動機12のいずれか一方が故障した場合でも、故障していない他方の電動機を使用してターニングさせることができる。
第1の利点として、交流電動機11及び直流電動機12を上下方向の直列・同軸に結合したので、常用の交流電動機11に焼き付き等の不具合を生じて使用不可となった場合、非常用の直流電動機12に切り替えて使用するためには、すなわちタービンロータ軸3aを回転させるために、減速機構15の歯車やチェーン等の接続を切り替えるといった特別な操作を必要としない。
このような場合、本実施形態のターニング装置10は、下段側に設置した直流電動機12を単独運転してターニングを行うためには、交流電動機11の出力軸11aと直流電動機12の出力軸12aとを接続しているモータカップリング13を切り離し、交流電動機11を直流電動機12から分離させるという簡単な作業を行うだけでよい。
具体的に説明すると、ターニング装置10は、停止状態にあるタービンロータを回転させるターニング起動時において、タービンロータが安定した回転をする通常のターニング運転時よりも大きな起動時トルクを必要とする。このため、ターニング起動時には、常用の交流電動機11に加えて、非常用の直流電動機12を同時に使用して必要な起動時トルクを確保する運転方法が可能となる。
なお、タービンロータのターニング回転が安定した後には、起動時アシスト運転モードを終了して通常のターニング運転に移行するため、直流電動機12は、通電を停止してフリーで連れ回りする運転状態となる。
なお、交流電動機11及び直流電動機12を同軸で運用すると、直流電動機12の励磁ロータの慣性力を利用して約1000〜1200rpmで回転するモータ軸11a,12aの回転が安定するので、各モータ支持軸受部分(不図示)の負担が軽減し、軸受寿命が向上するという利点もある。
図4に示すハンドターニング機構20は、交流電動機11の出力軸11aと直流電動機12の出力軸12aとを接続するモータカップリング13の側面である外周面の少なくとも一部に設けられ、後述するハンドターニングレバー(ハンドターニング補助具)30の連結ピン32を挿入して取り付けるための複数の取付穴13aを備えている。この場合、複数の取付穴13aが補助具連結部となり、この取付穴13aがモータカップリング13側面の外周面の少なくとも一部にわたって連結ピン32と等ピッチに設けられている。
なお、上述した周方向ガイドレール22は、モータカップリング13の全周もしくはハンドターニングレバー30を周方向へ押す回転動作を行う範囲を取り囲むように同心に設置されたリング状部材もしくは部分的リング状部材であり、モータ軸11a,12aと直交する水平面上に設置されている。
図示の補助具着脱補助機構25は、スライダ23の上面に設けられた半径方向のガイドレール26と、このガイドレール26に沿って半径方向に移動可能なスライドテーブル27とを備えている。この場合、ガイドレール26とスライドテーブル27との間にも、移動を容易にする周知の装置が設けられている。また、ハンドターニングを行う際の手押移動が円周軌道上の一部区域分のみ可能な場合においては、連結ピン32と取付穴13aとの連結及び取り外し作業を繰り返すこととなるため、補助具着脱補助機構25の有用性が高まることとなる。また、スライドテーブル27の上面には、後述するハンドターニングレバー30の先端部本体31を係合させる凹部27aが形成されている。
この作業では、最初に先端部本体31をスライドテーブル27の凹部27aに係合させて載置する。この結果、ハンドターニングレバー30の重量は、スライドテーブル27及びスライダ23を介して周方向ガイドレール22に支持される。なお、周方向ガイドレール22、スライダ23、スライドテーブル27及び凹部27aは、この状態において連結ピン32と取付穴13aとが同一レベルとなるように設置されている。
また、連結ピン32の周方向位置が取付穴13aからずれている場合には、ハンドターニング補助機構21を利用することにより、周方向ガイドレール22に沿ってスライダ23を移動させれば、重量のあるハンドターニングレバー30を容易に位置合わせすることができる。
なお、手動のターニングが終了した後には、補助具着脱補助機構25を利用して重量のあるハンドターニングレバー30を容易に取り外すことができる。
また、ハンドターニングバー30を取り付けるモータカップリング13の取付穴13aを設ける位置は、図4に示すモータカップリング13の上部に限定されるものではなく、必要に応じて下部に設けてもよい。
このハンドターニングスパナ(ハンドターニング補助具)40は、人力によるターニングに使用される入力側の部材である。そして、ハンドターニングスパナ40は、レバー41の先端部に設けたスパナ部42を備えている。このスパナ部42は、モータカップリング13の側面の少なくとも一部に補助具連結部として設けたナット部13bと係合する部分である。なお、図示のナット部13bは六角としたが、例えば八角にするなど特に限定されることはない。
なお、ハンドターニングスパナ40を使用する場合においても、スライダ23Aに上述した補助具着脱補助機構25を設けてもよい。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、たとえばガスタービンのタービンロータにも適用可能であるなど、その要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
2 発電機
3 蒸気タービン
4 カップリング
4a カップリングスペーサギア
10 ターニング装置
11 交流発電機
11a,12a モータ軸(出力軸)
12 直流発電機
13 モータカップリング
13a 取付穴(補助具連結部)
13b ナット部(補助具連結部)
14 ねじ歯車(ウォーム)
15 減速機構
15a はす歯歯車(ウォームホイール)
15e 出力歯車
20 ハンドターニング機構
21 ハンドターニング補助機構
22 周方向ガイドレール
23 スライダ
25 補助具着脱補助機構
26 ガイドレール
27 スライドテーブル
27a 凹部
30 ハンドターニングレバー(ハンドターニング補助具)
40 ハンドターニングスパナ(ハンドターニング補助具)
Claims (4)
- タービンロータを回転させてターニングを行う駆動源として、交流電動機と直流電動機とを備え、鉛直方向で上段側に前記交流電動機を配置し、下段側に前記直流電動機を配置し、前記交流電動機及び前記直流電動機の出力軸が、上下方向にカップリングで直列に接続されていることを特徴とするターニング装置。
- 前記カップリングが、手動でターニングを行うハンドターニング補助具を取り付けるための補助具連結部を少なくとも一部に備えていることを特徴とする請求項1に記載のターニング装置。
- 前記補助具連結部に取り付けた前記ハンドターニング補助具を支持して前記出力軸の周方向への回転移動を助けるハンドターニング補助機構を備え、該ハンドターニング補助機構に、前記ハンドターニング補助具を支持して前記出力軸の半径方向に移動可能とする補助具着脱補助機構を設けたことを特徴とする請求項2に記載のターニング装置。
- 請求項1から3のいずれか1項に記載のターニング装置の運転方法であって、
交流電動機を常用とし、かつ、直流電動機を非常用としてターニングの駆動源に使用するとともに、
前記ターニングの起動開始から回転が安定するまでの間、前記交流電動機及び前記直流電動機を同時使用する起動時アシスト運転モードを備えていることを特徴とするターニング装置の運転方法。
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