JP2015190393A - エンジンの点火制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】気筒における着火性を改善できるエンジンの点火制御装置を提供する。【解決手段】1次巻線51a及び2次巻線51bを備え、1次巻線51aの1次電流を遮断することにより2次巻線51bに点火エネルギが発生される点火コイル51と、対向電極41,42間のギャップGに点火エネルギにより火花放電を発生させ、エンジンの燃焼室11a内で燃料を着火する点火プラグ40と、を備える点火システムに適用される点火制御ECUは、1次電流の遮断後における火花放電の放電波形を示す放電パラメータを取得し、取得した放電パラメータに基づいて、点火コイル51の1次巻線51aの通電時間を設定するとともに、設定された通電時間で1次巻線51aを通電して点火エネルギを制御する。【選択図】 図9

Description

本発明は、エンジンの点火制御装置に関する。
エンジンでは、気筒の燃焼室内に設けられた対向電極(中心電極と接地電極)のギャップに点火エネルギにより火花放電を形成させて燃料と空気の混合気を燃焼させている。ギャップに発生する火花放電により着火された混合気は、プラグ電極により冷損作用で着火エネルギが低下する。なお、電極の冷損作用で低下するエネルギ量は、燃焼室内の気流が弱い(遅い)場合に増加する傾向がある。また燃焼室内の気流が強い(速い)場合にも電極の方向により電極の冷損作用によるエネルギ量の影響は多くなり、着火性のばらつきが拡大する傾向がある。
また近年、理論空燃比よりも希薄(リーン)な空燃比で燃料を燃焼する希薄燃焼を実施できるエンジンが登場している。かかる希薄燃焼においては、火花放電(火炎核)の成長を促して着火性を向上させるために、燃焼室内にタンブル(縦渦)やスワール(横渦)といった気流の流れを発生させたり、エンジンの吸気管等に過給器を搭載したりすることで、燃焼室内の気流の流速を高めている。
ところで、気流の流速を高めることによりエンジンサイクル間または気筒間の気流速のばらつきが大きくなる傾向がある。またエンジンに対する点火プラグの取り付け姿勢によっては、接地電極によって気流の流れが妨げられてしまうことがある。特にギャップ付近での気流が停滞し、火花放電の成長が阻害されてしまうと、着火性が低下してしまう。そこで、点火プラグに、燃焼室内の気流をギャップに導くための突起部を設けることで、エンジンに対する点火プラグの取り付け姿勢の違いに起因する着火性の低下を改善する技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。
特開2013−38063号公報
しかし突起部を追加した構成では、突起部による冷却損失が増加することになり、着火性を低下させてしまうおそれがある。一方、これを補うために火花エネルギを一様に増加させることは、燃費向上を図る上での制約となる。したがって、燃費向上を図りつつ着火性の低下を抑えることには改善の余地があるといえる。
本発明は、上記実情を鑑み、気筒における着火性を改善できるエンジンの点火制御装置を提供することを主たる目的とするものである。
本発明は、1次巻線及び2次巻線を備え、1次巻線の1次電流を遮断することにより2次巻線に点火エネルギを発生させる点火コイルと、対向電極間のギャップに前記点火エネルギにより火花放電を形成し、エンジンの燃焼室内で混合気を着火する点火プラグと、を備える点火システムに適用され、1次電流の遮断後における火花放電の放電波形を示す放電パラメータを取得する放電パラメータ取得手段と、放電パラメータに基づいて、点火コイルの1次巻線の通電時間を設定する通電時間設定手段と、通電時間設定手段により設定された通電時間で1次巻線を通電して点火エネルギを制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
上記発明において、燃焼室内の気流の流速が弱い弱気流の場合、対向電極間のギャップに発生する火花放電の成長が不十分となり着火性が低下してしまう。そこで1次電流の遮断後に発生する火花放電の放電波形を示す放電パラメータを取得し、放電パラメータに基づいて、1次巻線の通電時間を設定する。これにより気筒の火花放電の状態に応じて2次巻線に点火エネルギを発生させることができ、燃焼室内の気流が弱気流の場合における気筒の着火性を改善することができる。
気筒の周辺を示す概略図。 点火プラグの構成図。 点火プラグの回路図。 気筒の燃焼状態の説明図。 気筒の燃焼状態の説明図。 ギャップに誘導される放電電圧・電流の関係の説明図。 ギャップに誘導される放電電圧・電流の関係の説明図。 点火制御のフローチャート。 通電時間の補正処理のフローチャート。
以下、本発明にかかるエンジンの点火制御装置について説明する。図1はエンジンに搭載された気筒の周辺を示す概略図である。なお、エンジンは自動車などの車両の動力源に用いられる火花点火式エンジンであり、本実施形態では1サイクル4行程で駆動される複数気筒(例えば3気筒)のエンジンを想定している。
図1に示されるように、エンジンに搭載される各気筒11は、エンジンシステムの本体部を構成するエンジンブロックに形成される。エンジンブロック上部のシリンダヘッドには、吸気ポート13及び排気ポート14が、気筒11の燃焼室11aと連通可能に形成されている。またシリンダヘッドには、カム軸の回転に伴い開閉駆動される吸気弁15と排気弁16とが装着されている。
またエンジンブロックには、気筒11の燃焼室11aに突出するように、インジェクタ18と点火プラグ40とが取り付けられている。インジェクタ18から噴射された燃料は、点火プラグ40の火花放電で燃焼される。これにより図示しないクランクシャフトが回転されて、エンジンの回転速度が上昇する。
図2において、点火プラグ40は、対向電極として、略円柱状の中心電極41と略L字型の接地電極42とを有しており、これらの電極41,42は燃焼室11aに突出させた状態でエンジンのシリンダヘッドHに取り付けられている。中心電極41は絶縁碍子43によって保持されており、接地電極42は中心電極41と対向する位置に配置されてハウジング44に溶接固定されている。ハウジング44は金属体よりなり、点火プラグ40がシリンダヘッドHに固定された状態で、中心電極41と接地電極42の間にギャップGを形成している。なおハウジング44及び接地電極42の電位が接地電位であり、中心電極41と接地電極42との間は絶縁碍子43で絶縁されている。
図3において、点火コイル51は、1次巻線51aと、1次巻線51aに磁気結合された2次巻線51bとを備えている。2次巻線51bの両端のうち一端は、低圧側経路L1を介してバッテリ52の正極側、すなわち基準となる電位を有する部材に接続されている。2次巻線51bの他端は、接続経路L2を介して中心電極41に接続されている。バッテリ52は例えば12Vの鉛電池でありその負極側は接地されている。
1次巻線51aの両端のうち一端は、バッテリ52の正極側に接続され、他端は電子制御式の開閉手段であるスイッチング素子53の入出力端子を介して接地されている。なお、スイッチング素子53としては、トランジスタや、MOSFETなどが用いられる。
以上の構成を備える点火プラグ40の点火動作は、ECU50によって制御される。ECU50は、CPU,ROM、RAM,書き換え可能なフラッシュメモリ等を備えた周知のマイクロコンピュータとして構成されている。ECU50は、上記の各種センサの出力信号に加え、図示を略すエンジンの運転状態を検出する各種センサ(例えば、クランク角度センサ、バッテリ電圧センサ、A/Fセンサ、O2センサ、水温センサ、車速センサ等)からの出力信号に基づき取得されるエンジンの運転状態(エンジンパラメータ)に応じて各種制御を行う。
例えば、ECU50は点火制御として、エンジンパラメータに基づき点火信号IGtを生成するとともに、点火プラグ40に火花放電を生じさせるべく、スイッチング素子53の開閉制御端子(ゲートやベース)に対して点火信号IGtを出力する。
またECU50は、スイッチング素子53の開閉制御端子に入力される点火信号IGtがオン点火信号とされることでスイッチング素子53をオン状態にする。これにより、バッテリ52による1次巻線51aへの通電が開始され、点火コイル51に磁気エネルギが蓄積される。なお1次巻線51aの通電時間(基本通電時間)は、エンジン回転速度と、バッテリ電圧とに基づき算出される。
図3において、1次巻線51aへの所定の通電時間での通電が完了され、点火信号IGtがオフ点火信号とされると、スイッチング素子53はオフ状態となり、これにより2次巻線51bの両端の極性が反転して、2次巻線51bに点火エネルギが発生する。この点火エネルギによって、点火プラグ40のギャップGに高電圧(絶縁破壊電圧)が発生し、これにより絶縁破壊が引き起こされると、ギャップGに火花放電を形成する。火花放電が発生する場合、ギャップGに放電電流(2次電流I2)が流れて火炎核が発生する。そしてこの火炎核が周囲の混合気に伝搬することで燃焼が発生する。なお、絶縁破壊が引き起こされた後、ギャップGには誘導放電による比較的になだらかな2次電圧V2が発生し、この2次電圧V2(放電維持電圧)によって火花放電が維持される。
ところで近年、理論空燃比よりも希薄(リーン)な空燃比で混合気を燃焼する(希薄燃焼をする)エンジンが登場している。かかる希薄燃焼においては、火花放電の成長を促して着火性が向上されるように、燃焼室11a内にタンブル(縦渦)やスワール(横渦)といった気流を発生させたり、エンジンの吸気管などに過給器を搭載したりにしている。
しかし、気流速が速いエンジンでは気流速のサイクルまたは気筒間のばらつきが大きくなり、複数気筒のエンジンにおいては、気筒11ごとの劣化や吸気特性等の違いによって、気筒11ごとの気流に差が生じると、気流の流速が不足する気筒11において着火性が低下してしまう。そして複数の気筒11のうち、着火性の低い気筒11があると、エンジン出力の変動が生じ、ドライバビリティを向上させる上で不利となってしまう。
また、エンジンに対する点火プラグ40の取り付け姿勢によっては、接地電極によって気流の流れが妨げられ、ギャップ付近の気流が停滞してしまうことで、火花放電の成長が阻害され、着火性が低下することがある。
ここで、図4〜図7を用いて燃焼室11a内の気流の流速と着火性との関係について説明する。図4,5はギャップGに発生する火花放電の放電波形の例であり、図6,7は、燃焼室11a内の気流Fの流速と、ギャップGに誘起される2次電圧V2と2次電流I2との関係の説明図である。なお、図4,6は気流Fが強い場合(以下、強気流の場合)に対応しており、図5,7は気流Fが弱い場合(以下、弱気流の場合)に対応している。なお図6において、図7の2次電圧V2と2次電流I2とを比較のために点線で示している。
気流が強気流の場合、図6に示されるように、点火信号IGtがオフ点火信号となり、時刻t1で1次電流が遮断されると、ギャップGに発生した火花放電は、気流Fによって燃焼室11aの下流側に向けてその放電距離を拡大しながら流される。そのため、図4に示されるように、ギャップGよりも外側に略円弧状の比較的に大きな火花放電軌跡SDが生成され、これに伴い対向電極から比較的に離れた位置に火炎核が生成される。この場合、火花放電に対する電極の冷損作用は働きにくく、図6に示されるように、2次電流I2が流れる期間P1(放電継続期間P)は比較的に短くなるとともに、火花放電の維持に必要となる電圧Q1(放電維持電圧Q)は比較的に高くなる。
一方、気流が弱気流の場合、図7に示されるように、時刻t1で1次電流が遮断されると、ギャップGに発生した火花放電は気流Fによって流され難いため、ギャップGの付近に比較的に小さな火花放電軌跡SDが生成され、ギャップGの付近に火炎核が生成される。この場合、火花放電に対する電極の冷損作用は働きやすく、図7に示されるように、2次電流I2が流れる期間P2(放電継続期間P)は比較的に長くなり、火花放電の維持に必要となる電圧Q2(放電維持電圧Q)は比較的に低い値となる。すなわち、放電継続期間PはP1>P2,放電維持電圧QはQ1<Q2となる。
つまり、燃焼室11a内の気流が弱気流の場合には、その気筒11における着火性を維持することが困難となりやすい。そこで本実施形態では、燃焼室11a内の気流が弱気流であり、着火性が比較的に低い場合に、当該気筒11の2次巻線51bに発生される点火エネルギを増大させて、当該気筒11の着火性を改善する。
すなわち、上述したように、燃焼室11a内の気流速と火花放電の放電波形とが相関を持つことを利用して、火花放電の成長が弱く火花放電の伸びが短い場合に(つまり、放電継続期間Pが長く、放電維持電圧Qが低い場合に)、1次巻線51aの通電時間を所定の変動幅で変更する。これにより、当該気筒11の点火プラグ40に投入する点火エネルギが補正され、着火性の低い気筒11の着火性が改善される。なお、多気筒エンジンにおいては、全ての気筒11における1次巻線51aの通電時間を増加させる場合と比べて、燃費の向上を図りつつ、エンジン全体としての着火性を改善できる。
例えば、本実施形態では、火花放電の放電波形を示す放電パラメータとして放電継続期間Pを使用する。この場合、2次電流I2を検出するために接地電極42に周知の電流検出回路42aを設ける。ECU50は、1次電流の遮断後であって、ギャップGに火花放電が発生する放電時期に2次電流I2を検出(モニタ)する。そして、放電時期において2次電流I2が発生してから、2次電流I2の電流値が所定未満(又はゼロ)となるまでの期間を放電継続期間Pとして取得する。
そしてECU50は、放電継続期間Pが所定以上の場合、すなわち気流が弱気流であり放電継続期間Pが長くなる場合に、1次巻線51aの通電時間を所定の変動幅で変動させる。これにより、2次巻線51bに発生される点火エネルギが変わり、気流が弱気流の場合における気筒11の着火性を改善できる。
次にECU50による点火制御及び放電特性の取得処理を説明する。図8は点火制御のフローチャートである。図9は通電時間の補正処理のフローチャートである。なお図8,図9の処理はエンジンの運転状態において、気筒ごとに所定周期で繰り返し実施する。
まずステップS11で、エンジンの運転状態を取得する。すなわち、エンジン回転速度やバッテリ電圧等を取得する。ステップS12では、1次巻線51aの基本通電時間を算出する。基本通電時間は、エンジン回転速度およびバッテリ電圧に基づき算出する。
ステップS13では、補正実施フラグがオンであるか否かを判定する。なお補正実施フラグは、図9のフローチャートにおいて気筒11における通電時間の補正を実施すると判定した際にオンとされる。
ステップS14では、エンジン負荷が所定以上であるか否かを判定する。エンジン負荷は図示を略すアクセルセンサによる検出結果から求める。エンジン負荷が小さい場合、燃焼室11aに吸入される空気量自体が少なくなるため、点火エネルギを増加させた際の着火性改善の効果は小さくなる。そこで、本実施形態では、補正実施フラグがオンでも、エンジン負荷が所定未満の場合には、通電時間の補正が行われないようにしている。
ステップS14で肯定判定した場合、ステップS15で、基本通電時間に対して所定の変動幅で通電時間の補正量を加算することにより、補正後の通電時間を得る。これにより同一の気筒において、前回の燃焼サイクルで設定された通電時間の前回値に対して、今回の燃焼サイクルにおける通電時間が所定の変動幅で変更(増加)されることになる。なおステップS13,S14で否定判定した場合には処理を終了する。
次に図9の処理を説明する。まずステップS21で、放電が開始したか否かを判定する。例えば1次電流の遮断された後、2次電流I2が所定以上となった際に、放電が開始したと判定する。肯定判定した場合にはステップS22で、放電が終了したかを判定する。例えば2次電流I2が所定未満(例えばゼロ)に減少した際に、放電が終了したと判定する。
肯定判定した場合には、ステップS23で火花放電の放電波形を示す放電パラメータAを取得する。ここでは放電パラメータAとして、放電継続期間Pを取得する。例えば、放電継続期間Pは、2次電流I2が発生してから、2次電流I2の電流値がゼロとなるまでの期間として算出する。続くステップS24では、放電パラメータAと第1閾値とを比較する。なお第1閾値は、通電時間の補正が必要となる放電継続期間Pの閾値を予め求めることにより設定されている。
なお取得した放電パラメータAを用いて、同一の気筒11における過去の履歴値に基づいて、放電パラメータAの平均値を算出し、その放電パラメータAの平均値と第1閾値との比較により、補正の実施の有無が判定されてもよい。
ステップS25では、通電時間の補正を実施するか否かを判定する。ここでは、放電継続期間Pが第1閾値以上の場合に、通電時間の補正を実施すると判定し、放電継続期間Pが第1閾値未満の場合に、通電時間の補正を実施しないと判定する。
ステップS25で、補正を実施しないと判定した場合にはステップS27に進み、補正実施フラグをオフとする。一方、ステップS25で、補正を実施すると判定した場合には、ステップS26に進み、補正実施フラグをオンにする。なおステップS21で否定判定した場合には本処理を終了する。
以上の処理が気筒11ごとに繰り返し実施されることで、気筒11の気流が弱気流の場合に、当該気筒11における1次巻線51aの通電時間が所定の変動幅で次第に増加され、これに伴い2次巻線51bに誘起される点火エネルギのエネルギ量が次第に増加するため、その気筒11おける着火性を改善することができる。また気流の弱い気筒11における着火性が改善されることで、複数の気筒11における着火性のばらつきが改善され、ひいてはエンジン全体の着火性が改善される。
上記によれば以下の優れた効果を奏する。
(1)燃焼室11a内の気流の流速が弱い弱気流の場合、中心電極41と接地電極42間のギャップGに発生する火花放電の成長が不十分となり着火性が低下してしまう。そこで1次電流の遮断後に発生する火花放電の放電波形を示す放電パラメータAを取得し、放電パラメータAに基づいて、1次巻線51aの通電時間を設定する。これにより気筒11の火花放電の状態に応じて2次巻線51bに点火エネルギを発生させることができ、燃焼室11a内の気流が弱気流の場合における気筒11の着火性を改善することができる。
(2)気流が弱気流であるためにギャップGの火花放電の成長が不十分となり、気筒11における着火性が低下してしまう場合には、ギャップGに放電電流が流れる期間が短くなる。そこで1次電流の遮断後にギャップGに放電電流が流れる放電継続期間Pを取得する。そして、放電継続期間Pが長い場合には、1次巻線51aの通電時間を増量し、2次巻線51bに発生される点火エネルギのエネルギ量が増量されるようにする。これにより気筒11における着火性を改善することができる。
(3)気流が弱気流であるためにギャップGの火花放電の成長が不十分となり、気筒11における着火性が低下してしまう場合には、火花放電の維持に必要となる放電維持電圧Qは低くなる。そこで、放電維持電圧Qが低い場合に、1次巻線51aの通電時間を増量して2次巻線51bに発生される点火エネルギのエネルギ量が増量されるようにすることで、気筒11における着火性を改善できる。
(4)気流が弱気流であり火花放電の成長が不十分となることで、放電継続期間Pが短くなる場合又は放電維持電圧Qが低くなる場合には、気筒11における着火性が低下してしまう。一方、気筒11におけるエネルギ量を一様に増加させれば着火性を改善できるが、燃費を向上させる際や希薄燃焼におけるリーン限界を拡大させる際の制約となる。そこで、火花放電の成長が不十分であり着火性の改善が必要となる条件下において、エンジンの運転状態に応じて決定される基本通電時間に対して、通電時間を増量させる処理を行うことにより、気筒11の着火性を改善しつつ、燃費向上及び希薄燃焼におけるリーン限界の拡大を図ることができる。
(5)エンジンの運転負荷が大きい場合には、燃焼室11aに吸入される空気量が増加するため、1次巻線51aの通電時間を増量することによる着火性の改善効果が大きくなることが期待される。一方、エンジンの運転負荷が小さい場合には、燃焼室11aに吸入される空気量自体が少なくなるため、通電時間の増量に対する着火性の改善の効果は小さくなることが予測される。そこでエンジンの運転負荷が所定以上に大きい場合に、1次巻線51aの通電時間を増量させ、エンジンの運転負荷が所定未満に小さい場合には、1次巻線51a通電時間を増量する処理を実施しないことで、気筒11の着火性を好適に改善できる。
(6)多気筒エンジンの場合には、気筒11ごとの劣化や吸気特性の違い等に起因して、気筒11ごとの気流の流速に差が生じることで、着火性にばらつきが生じてしまう。そこで着火性が低い気筒11における着火性を改善することで、複数の気筒11における着火性のばらつきを改善できる。
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、次のように実施されてもよい。
・上記では、放電パラメータAとして放電継続期間Pを用いる例を示した。これ以外にも放電パラメータAとして放電維持電圧Qを使用してもよい(図6,7参照)。上述したように、燃焼室11aの気流が弱気流の場合、点火エネルギのうち2次電流I2しての消費量が増加し、放電維持電圧Qが低くなる。これを利用して、例えば、ギャップG間に誘導される2次電圧V2のピーク値を検出する周知のピークホールド回路を設ける。そして、ECU50は、例えば1次電流が遮断されてから所定時間が経過した際(誘導放電の発生時期)の2次電圧V2を放電維持電圧Qとして検出する。そして、放電維持電圧Qのピーク値が所定の第2閾値以下であるか否かを判定する。なお第2閾値は通電時間の増量補正が必要となる放電維持電圧Qを予め求めることで設定されている。そして、放電維持電圧Qが第2閾値以下であると判定された場合に、1次巻線51aの通電時間を所定の変動幅で変更(増加)させる処理を実施することで、気筒11の気流が弱気流の場合における着火性を改善でき、ひいては複数の気筒11における着火性のばらつきを改善できる。
・1次巻線51aの通電時間の変動幅は可変であってもよい。例えば、放電パラメータAと第1閾値との差分に応じて、通電時間を増加する変動幅を決定してもよい。例えば、差分と通電時間の変動幅とのマップを用いて、通電時間の変動幅を決定する。この場合、気流Fの状態に応じて2次巻線51bに発生される点火エネルギを増加させることができ、気筒11の着火性を改善するとともに、複数の気筒11の着火性のばらつきを改善する効果を高めることができる。
・上記において、ステップS25で通電時間の補正を実施すると判定した回数(判定回数)を求め、その判定回数が所定回数以上の場合に、ステップS26で補正実施フラグがオンにされるようにしてもよい。この場合、気筒11における放電波形の波形パラメータのばらつきの影響を抑えることができる。
・上記では、エンジンが複数の気筒11を備える場合において、気筒11ごとの着火性のばらつきを改善する例を示したが、エンジンが単気筒の場合においても、当該気筒11の気流が弱気流の場合には着火性が低下してしまう。そこでエンジンが単気筒の場合においても上記の図8,9の処理が実施されることで、当該気筒11における着火性の水準を所定以上に維持することができるようになる。
・エンジンが、通常燃焼(ストイキ燃焼)と希薄燃焼とを実施する場合において、希薄燃焼が実施される場合に上記処理を実施し、通常燃焼が実施される際に上記処理が実施されないようにしてもよい。
・放電パラメータとして、放電継続期間Pと放電維持電圧Qの両方が取得されてもよい。
・上記では、放電パラメータと閾値との比較により通電時間の補正を実施するか否かを判定する例を示した。これ以外にも、多気筒エンジンにおいては、気筒11ごとの放電パラメータを相互に比較して、各気筒11における1次巻線51aの通電時間を増加させるか否かを判定してもよい。例えば、気筒11の放電継続期間Pが第1時間であり、他の気筒11の放電継続期間Pが第1時間よりも短い第2時間である場合には、前記放電継続期間Pが第1時間である気筒11における通電時間が増量されるようにする。同様に、ある気筒11の放電維持電圧Qが第1電圧であり、他の気筒11の放電維持電圧Qが第1電圧よりも大きい第2電圧である場合において、放電維持電圧Qが第1電圧の気筒11における通電時間が増量補正されるようにしてもよい。
40…点火プラグ、41…中心電極、42…接地電極、51…点火コイル、51a…1次巻線、51b…2次巻線、G…ギャップ。

Claims (6)

  1. 1次巻線(51a)及び2次巻線(51b)を備え、前記1次巻線の1次電流を遮断することにより前記2次巻線に点火エネルギを発生させる点火コイル(51)と、
    対向電極(41,42)間のギャップ(G)に前記点火エネルギにより火花放電を形成し、エンジンの燃焼室(11a)内で燃料と空気の混合気を着火する点火プラグ(40)と、を備える点火システムに適用され、
    前記1次電流の遮断後における前記火花放電の放電波形を示す放電パラメータを取得する放電パラメータ取得手段と、
    前記放電パラメータに基づいて、前記点火コイルの前記1次巻線に通電時間を設定する通電時間設定手段と、
    前記通電時間設定手段により設定された通電時間で前記1次巻線を通電して点火エネルギを制御する制御手段と、
    を備えることを特徴とするエンジンの点火制御装置。
  2. 前記放電パラメータ取得手段は、前記放電パラメータとして、前記1次電流の遮断後に前記ギャップに放電電流が流れる期間である放電継続期間を取得し、
    前記通電時間設定手段は、前記放電継続期間が第1時間である場合に、それよりも短い第2時間である場合に比べて前記通電時間を増量する請求項1に記載のエンジンの点火制御装置。
  3. 前記放電パラメータ取得手段は、前記放電パラメータとして、前記1次電流の遮断後に前記火花放電を維持するための電圧である放電維持電圧を取得し、
    前記通電時間設定手段は、前記放電維持電圧が第1電圧である場合に、それよりも大きい第2電圧である場合に比べて前記通電時間を増量する請求項1又は2に記載のエンジンの点火制御装置。
  4. 前記通電時間設定手段は、前記1次電流の遮断後に前記ギャップに放電電流が流れる期間である放電継続期間が所定の第1閾値以上の場合又は火花放電を維持するための電圧である放電維持電圧が所定の第2閾値以下の場合には、エンジンの運転状態に応じて決定される1次巻線の基本通電時間に対して通電時間を所定の変動幅で増量する請求項2又は3に記載のエンジンの点火制御装置。
  5. 前記エンジンの運転負荷を検出する運転負荷検出手段を備え、
    前記通電時間設定手段は、前記エンジンの運転負荷が所定以上の際に、前記1次巻線の通電時間を増量する請求項4に記載のエンジンの点火制御装置。
  6. 前記エンジンは、複数の気筒を備える多気筒エンジンであり、
    前記放電パラメータ取得手段は、気筒ごとに前記放電パラメータを取得し、
    前記通電時間設定手段は、気筒ごとの前記放電パラメータに基づいて、気筒ごとの前記1次巻線の通電時間を設定する請求項1乃至5のいずれか1項に記載のエンジンの点火制御装置。
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