JP2015190262A - クリーンルーム構造及びクリーンルーム構築方法 - Google Patents

クリーンルーム構造及びクリーンルーム構築方法 Download PDF

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Abstract

【課題】既存の床構造体の補強等を簡素化し又は省略可能にするとともに、防火区画の設置に伴うクリーンルームの各種ダクト及び配線・配管等の経路の自由度を向上し且つその点検及び維持・管理を容易にする。【解決手段】増築構造体(10)は、既存の床構造体(F1)と上階の横架材(B1)とに柱脚部及び柱頭部を夫々接合した鋼構造の柱(11)と、柱の中間レベルに接合した鋼構造の梁(12)と、梁に懸吊され且つ梁の下側に延在する耐火構造の天井構造体(20)と、床構造体上に建込まれた耐火構造の壁構造体(30)とを有する。壁構造体及び天井構造体は、互いに連接してクリーンルーム(50)を画成するとともに、上階の床構造体(F2)から離間した防火区画を形成する。【選択図】図4

Description

本発明は、クリーンルーム構造及びクリーンルーム構築方法に関するものであり、より詳細には、5m以上の階高又は天井高を有する既設建築物の屋内大空間に増築構造体を構築し、壁面及び天井面によって画成されたクリーンルームを屋内大空間に形成するクリーンルーム構造及びクリーンルーム構築方法に関するものである。
過去に建設された比較的大規模な工場、倉庫等の既設建築物においては、近年の経済事情又は需要の変化や、技術の進歩又は変化等により遊休化したものも少なくなく、このような既設建築物を改修して有効活用する方策又は技術が、近年殊に重視されている。この種の事例として、例えば、大規模な遊休工場等の既設建築物を精密機器、電子機器、電子デバイス、燃料電池、太陽光パネル等の製造工場又は生産工場として有効活用すべく、クリーンルームを既設建築物の屋内大空間に構築する既設建築物の改修工事が挙げられる。
このようなクリーンルームの構築に応用可能な技術として、本出願人は、建物内の大空間クリーンルーム内に区画ユニットを構築し、この区画ユニットによって比較的小規模のクリーンルームを大空間クリーンルーム内に構築するクリーンルーム構築方法を特開2011−257018号公報及び特開2011−257019号公報において提案している。同公報に記載されたクリーンルーム構築方法においては、大空間クリーンルーム内に複数の小規模クリーンルームが構築され、小規模クリーンルームの上側に形成された連続空間が空調空気流動域として用いられる。このような複式又は複合的クリーンルームの構成によれば、天井裏給気プレナムチャンバ及び床下還気チャンバを省略し、これにより、建物の階高を低減する建築設計を採用することが可能となる。
特開2011−257018号公報 特開2011−257019号公報
比較的小規模のクリーンルーム構造体を既設建築物の屋内空間に構築する場合、上記区画ユニットの構成を応用して既設建築物の屋内空間にクリーンルームを構築することが可能であると考えられる。しかし、精密機器等の製造工場又は生産工場として使用されるクリーンルームは、一般に、比較的大規模の連続空間を要するので、床面積が大きい大規模クリーンルームを既設建築物の屋内空間に構築しなければならない。このような大規模クリーンルームを既設建築物の大規模屋内空間に構築する場合、クリーンルームの天井構造体は、その水平支点間距離又は水平支持間隔が増大するので、比較的高剛性又は重厚な鋼構造骨組を既設建築物の屋内空間に構築する必要が生じる。
このような鋼構造骨組を有する比較的大規模なクリーンルームにおいては、柱のスパンが比較的大スパン(例えば、10m以上のスパン)に設定される結果、梁及び柱の構造断面が大形化し、従って、梁及び柱の自重が増大するので、地震時に比較的大きな曲げモーメントや鉛直反力が柱の柱脚部に作用する。このような柱脚部の曲げモーメントを補償すべく、既存の床構造体を補強し、或いは、既存の床構造体に基礎を新設又は増設する必要が生じるが、軽微な床構造体の補強や小形基礎の新設又は増設で足りる場合を除き、既存の床構造体の補強や基礎の新設又は増設は、極めて困難である。
また、所定の床面積、例えば、1500m以上の床面積の大規模なクリーンルームを既設建築物内に構築する場合、クリーンルーム構造体を囲む既設建築物の既存部分に対してクリーンルームを防火区画する必要が生じる。しかし、工場や倉庫等の如く階高が高い既設建築物(例えば、階高5m以上の既設建築物)においてクリーンルーム構造体を防火区画する場合、極めて大きな高さの防火区画壁(例えば、高さ5m以上の防火区画壁)を新設しなければならない。
しかし、このような壁体は、その自重が大きく、壁体を支持する鋼構造骨組の断面及び自重が増大する結果、地震時に比較的大きな曲げモーメントや鉛直反力が柱の柱脚部に作用する。これも又、既存の床構造体の補強、或いは、既存の床構造体に基礎を新設又は増設する必要性を生じさせるが、前述の如く、軽微な床構造体の補強や小形基礎の新設又は増設を除き、既存の床構造体の補強や基礎の新設又は増設は、極めて困難である。
更に、クリーンルームの空調設備又は排煙設備を構成する空調ダクト、換気ダクト、局所排気ダクト、排煙ダクト等の各種ダクトや、電気・計装設備又は給排水設備等を構成する配線・配管は、上記防火区画を形成する壁体(防火区画壁)を貫通する。ダクト及び配線・配管の防火区画壁貫通部には、防火ダンパ、排煙・防火ダンパ等が設けられ、或いは、適切な防火区画貫通部の防・耐火処理が施される。しかし、上記の如く高さが高い壁構造体によって防火区画した場合、防火ダンパ等の可動部や、配管・配線等の防火処理部が必然的に屋内上部域に配置されるので、階高が高い既設建築物においては、防火ダンパ等の点検及び維持管理が極めて困難である。
しかも、このような防火区画壁によって各クリーンルーム毎、或いは、一群のクリーンルーム毎に防火区画を形成した場合、屋内空間が比較的多くの防火区画壁によって区画されるので、殊に複数のクリーンルーム又はクリーンルーム群に跨がって延びる各種ダクト、配線、配管等については、防火区画貫通部毎に防火ダンパ等の設備を設け又は防・耐火処理を施す必要が生じ、或いは、防火区画壁の位置を避けるようにダクト及び配線・配管の経路を設定する必要が生じる。加えて、屋内空間全域に亘ってダクト、配線、配管等の状態を視覚的(又は映像的)且つ一元的に点検又は管理することも困難となる。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、5m以上の階高又は天井高を有する既設建築物の屋内大空間に比較的大規模なクリーンルームを構築するクリーンルーム構造体及びクリーンルーム構築方法において、既存の床構造体の補強等を簡素化し又は省略可能にするとともに、クリーンルームの各種ダクト及び配線・配管等の施工性又は設計自由度を向上し且つその点検及び維持・管理を容易にするクリーンルーム構造及びクリーンルーム構築方法を提供することにある。
上記目的を達成すべく、本発明は、5m以上の階高又は天井高を有する既設建築物の屋内大空間に構築された増築構造体からなり、壁面及び天井面によって画成されたクリーンルームを屋内大空間に形成するクリーンルーム構造において、
前記増築構造体は、該構造体を構築すべき床構造体と、上階の床構造体又は屋根構造体を構成する横架材とに柱脚部及び柱頭部を夫々接合した鋼構造の柱と、前記柱の中間レベルに接合した鋼構造の梁と、前記梁に懸吊され、該梁の下側に延在し且つ所定の耐火時間の耐火性能を有する耐火構造の天井構造体と、前記床構造体上に建込まれ且つ所定の耐火時間の耐火性能を有する耐火構造の壁構造体とを有し、
前記壁構造体及び天井構造体は、互いに連接してクリーンルームを画成するとともに、上階の床構造体又は屋根構造体から離間した防火区画を形成することを特徴とするクリーンルーム構造を提供する。
本発明は又、5m以上の階高又は天井高を有する既設建築物の屋内大空間に増築構造体を構築し、壁面及び天井面によって画成されたクリーンルームを屋内大空間に形成するクリーンルーム構築方法において、
前記増築構造体を構築すべき床構造体と、上階の床構造体又は屋根構造体を構成する横架材とに鋼構造の柱の柱脚部及び柱頭部を夫々接合するとともに、前記柱の中間レベルに鋼構造の梁を接合し、
所定の耐火時間の耐火性能を有する耐火構造の天井構造体を前記梁に懸吊して、該梁の下側に延在する天井構造体を形成するとともに、所定の耐火時間の耐火性能を有する耐火構造の壁構造体を前記床構造体上に建込み、
前記壁構造体及び天井構造体によってクリーンルームを画成するとともに、上階の床構造体又は屋根構造体から離間した防火区画を前記壁構造体及び天井構造体によって形成することを特徴とするクリーンルーム構築方法を提供する。
本発明の上記構成によれば、増設構造体に作用する地震荷重(地震力)は、各階の中間レベルにおいて増設構造体の柱に作用し、増築構造体を構築すべき床構造体と、上階の床構造体又は屋根構造体とに分散する。従って、増築構造体の地震荷重により柱の柱脚部に作用する曲げモーメント等が低減するので、大掛りな既存の床構造体の補強や、大規模な基礎の増設又は新設等を行うことなく、柱の柱脚部を既存の床構造体によって支持することができる。また、増設構造体の天井構造体によってクリーンルームが防火区画されるので、天井構造体と上階の床構造体又は屋根構造体との間に形成された屋内上部空間が、既存の屋内空間に開放される。このため、各種ダクト及び配線・配管等の施工性又は設計自由度が向上するとともに、天井構造体を貫通する各種ダクト及び配線・配管等を既存の屋内空間の側から比較的容易に点検し又は維持・管理することが可能となる。
好ましくは、上記柱の下端部(柱脚部)は、ピン接合構造又は半固定接合構造によって床構造体に係留され、上記柱の上端部は、ピン接合構造によって上階の床梁又は屋根梁に連結される。このような構成によれば、地震荷重により柱脚部に作用する曲げモーメントを実質的に無視し又は大幅に軽減し得るので、既存の床構造体によって柱脚部を容易に支持することができる。なお、半固定接合構造は、回転バネの構造を柱脚部に仮定して柱脚部の回転剛性を設定することにより、柱脚部の設計を安全側に設計する構造設計法である。このような柱脚部の回転剛性の設定は既に知られているので、半固定接合構造を柱脚部に適用した構造設計法に関する更なる詳細な説明は、省略する。
更に好ましくは、上記梁と上記柱とは、ピン接合構造によって接合される。このような構成によれば、地震荷重に応答した曲げ応力が実質的に梁に作用せず、従って、梁を軽量化し、鋼構造骨組に作用する地震荷重を更に低減することができる。
本発明のクリーンルーム構造及びクリーンルーム構築方法によれば、5m以上の階高又は天井高を有する既設建築物の屋内大空間に比較的大規模なクリーンルームを構築するクリーンルーム構造体及びクリーンルーム構築方法において、既存の床構造体の補強等を簡素化し又は省略可能にするとともに、クリーンルームの各種ダクト及び配線・配管等の施工性又は設計自由度を向上し且つその点検及び維持・管理を容易にすることができる。
図1(A)及び図1(B)は、既設建設物の構成を示す断面図及び部分平面図である。 図2は、本発明の好適な実施形態に係るクリーンルーム構造を示す断面図であり、クリーンルームを構成する複数の増設構造体を既設建設物内に構築した状態が示されている。 図3は、図2に示す既設建設物の部分平面図である。 図4は、図2及び図3に示す増設構造体の構成を示す断面図である。 図5は、増設構造体の部分拡大断面図である。 図6は、天井構造体の構成を示す部分斜視図である。 図7は、増設構造体の柱及び梁に作用する地震荷重及び反力を示す構造概念上の線図であり、柱の柱脚部の構造は、ピン接合構造として構造的に示されている。 図8は、増設構造体の柱及び梁に作用する地震荷重及び反力を示す線図であり、柱の柱脚部の構造は、半固定接合構造として構造的に示されている。
本発明の好適な実施形態によれば、天井構造体(20)と上階の床構造体又は屋根構造体(F2,R)との間に形成された屋内上部空間(S3,S4)は、複数の増築構造体(10)の上方域に跨がって延びる。
本発明の更に好適な実施形態においては、上記梁(12)は、階高(H1,H2)×0.3〜0.7の範囲内、好ましくは、階高(H1,H2)×0.4〜0.6の範囲内の高さ位置(h1,h2)において柱(11)に接合される。好ましくは、設備点検等のための高所通路(15)が上記梁(12)と上階の床構造体又は屋根構造体(F2,R)との間に配置される。所望により、高所通路(15)は、複数の増設構造体(10)の上方域に跨がって配置される。
好適には、上記天井構造体(20)は、上記梁(12)に懸吊した鋼製下地(21-26)に面材(27,28)を固定した構成を有し、上記壁構造体(30)は、床(F1,F2)上に建込んだ鋼製下地(31-33)に面材(34,34)を固定した構成を有し、天井構造体(20)の面材(27,28)は、壁構造体(30)の面材(34,34)に連接する。好ましくは、2層に積層した板厚15mmの強化石膏ボードが天井構造体の鋼製下地の下面に取付けられ、2層に積層した板厚12.5mmの強化石膏ボードが、壁構造体(30)の鋼製下地(31-33)の室内側面及び室側側面に取付けられる。
壁構造体又は天井構造体(20,30)を貫通する空調・換気ダクト、局所排気ダクト、排煙ダクト及び配管・配線等(D,E)の貫通部には、防火ダンパ等の防火設備(Da)が設置され、或いは、防・耐火処理(Ea)が施される。好ましくは、各増設構造体(10)は、増築構造体内のクリーンルームの環境(温湿度、清浄度等)を調整する空調機(40)を有する。空調機(40)の給気口及び還気口(41-44)は、壁構造体又は天井構造体(20,30)に配置され、防火ダンパ等の防火設備が給気口及び還気口(41-44)に設けられる。
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
図1(A)及び図1(B)は、既設建設物の構成を示す断面図及び部分平面図であり、図2及び図3は、クリーンルームを構成する複数の増設構造体を既設建設物内に構築した状態を示す断面図及び部分平面図である。なお、図2及び図3において、図1に示す既設建築物は、縮尺を拡大して示されている。
図1に示す既設建築物Aは、地盤G上に過去に建設された鉄骨構造・2階建ての建物であり、機械部品等の製造工場、或いは、機械部品等の塗装工場等の用途で過去に使用され、その後、遊休化した建物である。既設建築物Aは、鉄骨構造の既存骨組を構成する梁B1、B2及び柱C1、C2と、各階の床構造体F1、F2及び外壁W1、W2とを有する。2階の床構造体F2及び屋根Rを支持する梁B1、梁B2は、トラス構造の鉄骨梁であり、1階の床構造体F1は、土間コンクリートからなり、2階の床構造体F2は、梁B1上に敷設したデッキプレート上に所定厚のコンクリートを施工した構造を有する。床構造体F1、F2上には、セメントモルタル等の床仕上げ材が施工されている。
柱C1、C2は、角形鋼管からなり、柱C1、C2の梁間方向のスパンは、15〜20m、例えば、18mであり、柱C1、C2の桁行方向のスパンは、10〜15m、例えば、12mである。各階の階高H1、H2は、8〜10m、例えば、H1=10m、H2=8mである。既設建築物Aの各階屋内空間S1、S2は、大容積の連続空間であるので、既設建築物Aを精密機器等の製造工場又は生産工場として有効活用すべく、クリーンルーム施設を既設建築物Aの屋内空間S1、S2に構築する既設建築物Aの改修が可能である。
図2には、既設建築物Aの屋内空間S1、S2に複数の増設構造体10を構築した状態が示されている。増設構造体10は、互いに離間した独立の構造体である。各増設構造体10は、角形鋼管の柱11と、柱11の間に架設されたH形鋼の梁12とから構成された鋼構造骨組を有する。柱11の上端部は、梁B1、B2の下弦材に接合され、柱11の下端部は、床構造体F1、F2に支持される。柱11の上端部及び下端部と、梁B1、B2及び床構造体F1、F2との接合は、構造的には、ピン接合構造である。柱11の下端部と床構造体F1、F2との接合を半固定接合構造として設計することも可能である。他方、梁12の端部は、柱11の中間高さ部分(高さh1、h2)に接合される。梁12の端部と柱11との接合も又、ピン接合構造である。
各階の床構造体F1、F2に対する梁12の高さh1、h2(梁芯位置)は、3〜5mの範囲に設定され、梁12と梁B1、B2との間には、開放空間S3、S4が形成される。開放空間S3、S4は、換気ダクト、排気ダクト、排煙ダクト等の各種ダクト、電気・計装配線等の各種配線、給水管、ガス管、蒸気管等の各種配管を配置するための建築設備空間として使用される。設備点検等のための鋼構造の高所通路(キャットウォーク)15が空間S3、S4の適所に配置される。
各増設構造体10は、軽量鉄骨製天井下地材を含む天井構造体20と、軽量鉄骨製スタッドを含む壁構造体30とによって室50を区画した構成を有する。室50内には、施設の製品製造目的に相応した多数の製造装置又は製造機器M(図2及び図3に破線で示す)が配置される。
図4は、増設構造体10の構成を示す断面図である。天井構造体20は、各梁12の下側に懸吊され、壁構造体30は、床構造体F1、F2上に建込まれる。壁構造体30に隣接して空調機40が配置される。空調機40は、HEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルタ等の高性能フィルタ、送風機、冷却コイル、加熱コイル等の空調設備機器を内蔵する。空調機40の給気ダクト41が、壁構造体30に配置された給気口42に接続される。空調機40の還気ダクト43が、壁構造体30に配置された還気口44に接続される。空調機40の調整空気は、室50の室内空間を循環する。空調機40によって空調された室50の室内環境は、所定の清浄度(例えば、クラス100000、或いは、クラス10000)を有するクリーンルームを構成する。
このような増設構造体10によれば、後述するように柱11の柱脚部の曲げモーメント及び鉛直反力(地震時)が低減するので、構造的に有利である。他方、室50を含む増設構造体10は、増設構造体10の床面積等の特定の条件に基づいて各階の全体空間から防火区画する必要が生じる。しかし、1階の壁構造体30の上端部と、水平区画(防火区画)を構成する床構造体F2との間には開放空間S3が存在するので、1階の壁構造体30によって1階の室50を防火区画することができない。同様に、2階の壁構造体30の上端部と屋根Rとの間にも空間S4(図2)が存在するので、2階の壁構造体30によっても2階の室50を防火区画することができない。このため、増設構造体10は、各階の中間レベルにおいて水平区画を形成すべく、耐火構造(耐火時間1時間)の天井構造体20を有し、天井構造体20及び壁構造体30によって防火区画される。このように天井構造体20によって各階の中間レベルにおいて水平区画を形成する防火区画の概念は、従来考慮されていなかった形態又は方式のものである。このような防火区画の概念によれば、防火区画のために壁構造体30を上階床レベル又は屋根レベルまで延在せしめる必要がなくなるので、階高が高い既設建築物Aの改修においては、極めて有利である。
図5は、天井構造体20及び壁構造体30の構造を示す増設構造体10の部分拡大断面図である。図6は、天井構造体20の構成を示す部分斜視図である。
図5及び図6には、1階の床構造体F1上に構築された増設構造体10の天井構造体20が示されている。天井構造体20は、2層の面材を鋼製下地の下面に固定した構造を有する。鋼製下地は、軽量鉄骨製の野縁21、クリップ22、野縁受け23及びハンガー24を有する。ハンガー24は、鋼製吊りボルト25及び鋼製フック26によって鋼製横架材13に懸吊される。野縁21は、約450mm〜約600mm間隔を隔てて配置される。鋼製横架材13は、チャンネル形鋼、溝形鋼等の形鋼からなり、梁12の下面に固定された棒鋼、鋼製バー材等の鋼製支持具14を介して梁12の下側に固定される。所望により、振れ止め材等の金属部材(図示せず)が鋼製下地の適所に配置される。
2層の面材として、下張り面材27及び上張り面材28がビス、ステープル、接着剤等の係留具又は固定手段によって野縁21の下面に固定される。面材27、28として、板厚15mmの強化石膏ボードを好適に使用し得る。
図5には、1階の床構造体F1上に構築された壁構造体30が示されている。壁構造体30は、2層の面材を床鋼製下地の両側面に固定した中空壁構造を有する。図5に示す如く、鋼製下地は、床構造体F1上に配置された軽量鉄骨製の下部ランナ31と、天井構造体20の縁部に固定された軽量鉄骨製の上部ランナ32と、上下のランナ31、32の間に垂直に建込まれた軽量鉄骨製のスタッド33とから構成される。スタッド33は、約450mm〜約600mmの間隔を隔てて配置される。所望により、スペーサ、振れ止め材等の金属部材(図示せず)が鋼製下地の適所に配置される。
下張り面材34及び上張り面材35がビス、ステープル、接着剤等の係留具又は固定手段によってスタッド33の室内側面及び室外側面に固定される。面材34、35として、板厚12.5mmの強化石膏ボードを好適に使用し得る。面材34、35の下端部は、床面に近接又は当接し、面材34、35の上端部は、天井構造体20の面材下面に近接又は当接する。
室内側に配置された面材28、35の表面には、防塵クロス、防塵塗装等の室内仕上げ材41、42が施工される。床構造体F1のセメントモルタル下地43を有し、下地43の上面には、樹脂系塗り床材、床用樹脂シート材等の床仕上げ材44が施工される。所望により、天井面及び壁面の取合い部には、天井見切り縁等の上部見切り材(図示せず)が取付けられ、壁面及び床面の取合い部には、巾木材等の下部見切り材(図示せず)が取付けられる。
室50の天井高h4は、例えば、約3mに設定され、横架材13の下面と天井面との間の距離h5は、例えば、約350mmに設定される。高さh5の領域は、図5に破線で示すダクト(換気ダクト、排気ダクト、排煙ダクト等)Dや、各種配線・配管(電気・計装配線、給水配管等)Eを水平方向に配置又は配列可能な建築設備空間として使用される。
天井構造体20及び壁構造体30は、1時間耐火の耐火性能を有する。室50に入退室し又は機器・資材を室50に搬入・搬出するための出入り口には、防火ドア又は防火扉(図示せず)が設置される。ダクトDが天井構造体20(又は壁構造体30)を貫通するダクト貫通部又は給排気口には、防火ダンパ又は排煙・防火ダンパ等の防火設備Daが設置される。また、配線・配管Eが天井構造体20(又は壁構造体30)を貫通する配管・配線貫通部Eaには、所定の防・耐火処理が施される。かくして、増設構造体10は、天井構造体20及び壁構造体30によって防火区画される。
図4には、柱11の頂部を梁B1の下弦材に連結する連結部の構造が示されている。柱11の頂部には、略T形の鋼製ブラケット11aが固定され、梁12の下弦材の下面にも又、略T形の鋼製ブラケット11bが固定される。ブラケット11a、11bの各フランジ部に形成されたボルト挿通孔(図示せず)には、高力ボルト11cが挿通され、締付けられる。
図5には、柱11の柱脚部の構造が示されている。柱11の下端面には、ベースプレート11dが固定される。ベースプレート11dは、柱下均しモルタル11eを介して床構造体F1上に設置される。ケミカルアンカー17が、ベースプレート11dのボルト挿通孔に挿通され、床構造体F1の土間コンクリートに埋め込まれる。かくして、柱11は、支点間距離h3の支点で両端を支持してなる鉛直支柱を構成する。
また、図5には、梁12の端部と柱11との連結部の構造が示されている。図5に示す如く、鋼製ブラケット12aが柱11の中間高さ部分(高さh1、h2)に固定される。高力ボルト12bが、ブラケット12a及び梁12に形成された複数のボルト挿通孔(図示せず)に挿通され、締付けられる。
図7は、柱11及び梁12に作用する地震荷重(地震力)及び反力を示す構造概念上の線図である。図7において、柱11の柱脚部は、ピン接合構造として構造的に把握されている。なお、図7には、柱11に作用する曲げ応力Mが模式的に示されている。
前述の如く両端部を梁B1及び床構造体F1に連結した鉛直な柱11は、支点間距離h3の支点により支持された垂直な線形構造材として図7に示されている。柱11の上端及び下端の接合部は、ピン接合構造として構造的に把握し得るので、短期水平荷重として増設構造体10の軸組に作用する地震荷重FGに応答して柱11の柱頭部及び柱脚部に働く曲げモーメントは、実質的に無視することができる。地震荷重FGは、梁12の高さh1に作用し、地震荷重FGに対して各柱11の柱脚部及び柱頭部に働く水平反力RF1、RF2は、RF1=FG×(h3−h1)/h3、RF2=FG×h1/h3である。梁12は、階高H1×0.3〜0.7、好ましくは、階高H1×0.4〜0.6の範囲内の高さh1において柱11に接合される。梁12の各端部と柱11との接合部は、ピン接合構造として構造的に把握されるので、梁12には、曲げモーメントが作用しない。柱11の中間高さ位置に生じる最大曲げ応力も、各接合箇所を剛接した従来のラーメン構造骨組に比べ、大きく低減する。
例えば、増設構造体10の天井構造体20の荷重を120kg/m2、壁構造体30の荷重を見付面積当たり70kg/m2とし、1階の全増設構造体10の荷重を340ton、1階の全増設構造体10に作用する地震荷重FG(地震加速度=1.0)を340tonとすると、h3=9750mm、h1=4000mmであるとき、RF1≒140ton、RF2≒200tonである。1階及び2階の各床面積を4800m2とすると、RF1≒200tonに相当する1階の単位床面積当たりの鉛直荷重は、約40kg/m2であり、RF2≒140tonに相当する2階の単位床面積当たりの鉛直荷重は、約30kg/m2である。このような値の単位荷重は、各階に配置される製造装置又は製造機器Mの重量、台数等を制限し、各階の積載荷重を軽減することにより比較的容易に吸収し得る程度の荷重であるにすぎず、従って、既設建築物Aの耐震補強等を省略し得るので、増設構造体10を既設建築物Aに構築する改修工事において、極めて有利である。
また、前述のとおり、ピン接合構造を有する柱11の柱脚部に働く曲げモーメントは、実質的に無視し得る程度のものであるにすぎない。しかも、地震荷重FGに応答して柱11の柱脚部に作用する鉛直反力は、鉛直反力RV=0である。従って、柱11ベースプレート11dを後施工のケミカルアンカー17によって床構造体F1の土間コンクリートに埋め込むことにより、柱11の柱脚部を床構造体F1によって容易に支持することができる。これは、床構造体F1の補強を省略し又は簡略化し、或いは、既存の床構造体に大形基礎を新設又は増設する必要性をなくすので、増設構造体10を既設建築物Aに新設する改修工事において、極めて有利である。
更に、上記構成の増設構造体10によれば、柱11を両端ピン接合の単純梁として把握し得ることから、地震荷重FGに応答して柱11の構造断面に作用する応力を低減し、増設構造体10を構成する鋼製骨組の構造断面を縮小することができるので、増設構造体10の荷重(自重)が低減し、この結果、増設構造体10に作用する地震荷重FGが低減する。これは、増設構造体10を既設建築物Aに構築する上で極めて有利である。
しかも、上記構造の架構によれば、梁12の両端部がピン接合構造により柱11に接合されるので、地震荷重FGに応答する曲げ応力が梁12の構造断面に作用せず、従って、梁12の構造断面を縮小し、増設構造体10の荷重(自重)を更に低減することができる。これは、増設構造体10に作用する地震荷重FGが更に低減することを意味するので、構造的に極めて有利である。
図8は、柱11及び梁12に作用する地震荷重(地震力)及び反力を示す構造概念上の他の線図である。図8において、柱11の下端の接合部は、半固定接合構造として構造的に把握されている。なお、図8には、柱11に作用する曲げ応力Mが模式的に示されている。
前述の構造概念(図7)においては、柱11の下端接合部をピン接合構造として構造的に把握されているが、柱11の柱脚部を半固定接合構造として構造的に把握することも可能である。柱11の柱脚部を半固定接合構造として把握する構造設計法は、回転バネを柱脚部に仮定して柱脚部の回転剛性を評価する設計法であり、図8に示す如く、地震荷重に応答した曲げ応力M'が柱11の柱脚部に作用する。しかしながら、このような設計法により構造設計する場合においても、柱11の柱脚部に働く曲げモーメントは、比較的小さい値のものであり、従って、柱11のベースプレート11dを後施工のケミカルアンカー17によって床構造体F1の土間コンクリートに埋め込むことにより、柱11の柱脚部を床構造体F1によって容易に支持することができるので、増設構造体10を既設建築物Aに新設する改修工事においては、極めて有利である。
以上説明した構造上の優位性は、2階部分に新築される増設構造体10についても同様である。即ち、2階の増設構造体10全体に作用する地震荷重FGは、2階及び屋根の積載荷重を低減することにより十分に吸収し得る程度の剪断力であり、これは、2階に配置される製造装置又は製造機器Mの重量、台数等を制限し、或いは、屋根の荷重と関連した既存構造体の余剰耐力や、既存構造体の軽微な補強により十分に補償し得る程度のものであるにすぎない。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内において種々の変更又は変形が可能であり、かかる変更又は変形例も又、本発明の範囲内に含まれるものであることはいうまでもない。
例えば、図2において2階部分の構成として例示する如く、梁12の一端部を既存の柱C2(又は柱C1)に接合し、梁12の荷重を部分的に既存の柱C2(又は柱C1)によって支持するように増設構造体10を構成しても良い。
また、増設構造体10の柱11及び梁12をトラス構造又はラチス構造等の横架材として設計することも可能である。
更に、1階の柱11の柱脚部を支持する小形の基礎を床構造体F1に構築し、小形基礎によって1階の柱11を支持することも可能である。
また、増設構造体10の防火区画を構成する面材及び下地材の素材、材質、板厚、施工方法、目地構造等は、耐火構造としての機能を確保し得る限り、適当に設計変更することが可能である。
本発明は、比較的高い階高を有する既設建築物の屋内大空間に比較的大規模なクリーンルームを新たに構築するためのクリーンルーム構造及びクリーンルーム構築方法に適用される。本発明によれば、既存の床構造体の補強等が簡素化し又は省略可能となり、しかも、クリーンルームの各種ダクト及び配線・配管等の施工性又は設計自由度を向上し且つその点検及び維持・管理を容易にすることができるので、その実用的価値は、顕著である。
10 増設構造体
11 柱
12 梁
15 高所通路
20 天井構造体
30 壁構造体
40 空調機
50 室(クリーンルーム)
A 既設建築物
B1、B2 梁(既存)
C1、C2 柱(既存)
F1、F2 床構造体(既存)
W1、W2 外壁(既存)
S1、S2 屋内空間
S3、S4 開放空間
H1、H2 階高
h1、h2 梁の高さ
更に好ましくは、上記梁と上記柱とは、ピン接合構造によって接合される。このような構成によれば、地震荷重に応答した曲げ応力が実質的に梁に作用せず、従って、梁を軽量化し、鋼構造骨組に作用する地震荷重を更に低減することができる。
このような構造的観点より、本発明は、5m以上の階高又は天井高を有する既設建築物の屋内大空間に構築された増築構造体からなり、壁面及び天井面によって画成されたクリーンルームを屋内大空間に形成するクリーンルーム構造において、
前記増築構造体は、該構造体を構築すべき床構造体と、上階の床構造体又は屋根構造体を構成する横架材とに柱脚部及び柱頭部を夫々接合した鋼構造の柱と、前記柱の中間レベルに接合した鋼構造の梁と、前記梁に懸吊され、該梁の下側に延在する天井構造体と、前記床構造体上に建込まれた壁構造体とを有し、
前記壁構造体及び天井構造体は、互いに連接してクリーンルームを画成し、
前記柱の柱脚部は、ピン接合構造又は半固定接合構造によって床構造体に係留され、前記柱の柱頭部は、ピン接合構造によって前記横架材に連結され、前記梁と前記柱とは、ピン接合構造によって接合されることを特徴とするクリーンルーム構造を提供する。
本発明は又、5m以上の階高又は天井高を有する既設建築物の屋内大空間に増築構造体を構築し、壁面及び天井面によって画成されたクリーンルームを屋内大空間に形成するクリーンルーム構築方法において、
前記増築構造体を構築すべき床構造体に対し、鋼構造の柱の柱脚部をピン接合構造又は半固定接合構造によって係留するとともに、上階の床構造体又は屋根構造体を構成する横架材に対し、前記柱の柱頭部をピン接合構造によって接合し
前記柱の中間レベルに鋼構造の梁を配置し、該梁の端部と前記柱とをピン接合構造によって接合し、
天井構造体を前記梁に懸吊して、該梁の下側に延在する天井構造体を形成するとともに、壁構造体を前記床構造体上に建込んでクリーンルームを画成し、上階の床構造体又は屋根構造体から離間したクリーンルーム構造体を前記壁構造体及び天井構造体によって形成することを特徴とするクリーンルーム構築方法を提供する
本発明のクリーンルーム構造及びクリーンルーム構築方法によれば、5m以上の階高又は天井高を有する既設建築物の屋内大空間に比較的大規模なクリーンルームを構築するクリーンルーム構造体及びクリーンルーム構築方法において、既存の床構造体の補強等を簡素化し又は省略可能にするとともに、クリーンルームの各種ダクト及び配線・配管等の施工性又は設計自由度を向上し且つその点検及び維持・管理を容易にすることができる。
また、柱の柱脚部をピン接合構造又は半固定接合構造によって床構造体に係留し、柱の柱頭部をピン接合構造によって横架材に連結し、梁と柱とをピン接合構造によって接合した本発明の上記構成によれば、既存の床構造体の補強等を簡素化し又は省略し得るばかりでなく、地震荷重に応答して柱及び梁の構造断面に作用する応力を低減し、これにより、鋼製骨組の構造断面を縮小し、鋼製骨組を軽量化することが可能となる
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、5m以上の階高又は天井高を有する既設建築物の屋内大空間に比較的大規模なクリーンルームを構築するクリーンルーム構造及びクリーンルーム構築方法において、既存の床構造体の補強等を簡素化し又は省略可能にするとともに、クリーンルームの各種ダクト及び配線・配管等の施工性又は設計自由度を向上し且つその点検及び維持・管理を容易にするクリーンルーム構造及びクリーンルーム構築方法を提供することにある。
本発明は又、5m以上の階高又は天井高を有する既設建築物の屋内大空間に比較的大規模なクリーンルームを構築するクリーンルーム構造及びクリーンルーム構築方法において、既存の床構造体の補強等を簡素化し又は省略可能にするとともに、地震荷重に応答して柱及び梁の構造断面に作用する応力を低減し、これにより、鋼製骨組の構造断面を縮小し、鋼製骨組を軽量化することができるクリーンルーム構造及びクリーンルーム構築方法を提供することを目的とする。

Claims (10)

  1. 5m以上の階高又は天井高を有する既設建築物の屋内大空間に構築された増築構造体からなり、壁面及び天井面によって画成されたクリーンルームを屋内大空間に形成するクリーンルーム構造において、
    前記増築構造体は、該構造体を構築すべき床構造体と、上階の床構造体又は屋根構造体を構成する横架材とに柱脚部及び柱頭部を夫々接合した鋼構造の柱と、前記柱の中間レベルに接合した鋼構造の梁と、前記梁に懸吊され、該梁の下側に延在し且つ所定の耐火時間の耐火性能を有する耐火構造の天井構造体と、前記床構造体上に建込まれ且つ所定の耐火時間の耐火性能を有する耐火構造の壁構造体とを有し、
    前記壁構造体及び天井構造体は、互いに連接してクリーンルームを画成するとともに、上階の床構造体又は屋根構造体から離間した防火区画を形成することを特徴とするクリーンルーム構造。
  2. 前記柱の柱脚部は、ピン接合構造又は半固定接合構造によって床構造体に係留され、前記柱の柱頭部は、ピン接合構造によって前記横架材に連結され、前記梁と前記柱とは、ピン接合構造によって接合されることを特徴とする請求項1に記載のクリーンルーム構造。
  3. 前記梁は、階高(H1,H2)×0.3〜0.7の範囲内の高さ位置(h1,h2)において前記柱に接合されることを特徴とする請求項1又は2に記載のクリーンルーム構造。
  4. 点検又は維持・管理用の高所通路が前記梁と前記横架材との間に配置されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のクリーンルーム構造。
  5. 前記天井構造体と前記横架材との間には、複数の増築構造体の上方域に跨がって延びる屋内上部空間が形成されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のクリーンルーム構造。
  6. 5m以上の階高又は天井高を有する既設建築物の屋内大空間に増築構造体を構築し、壁面及び天井面によって画成されたクリーンルームを屋内大空間に形成するクリーンルーム構築方法において、
    前記増築構造体を構築すべき床構造体と、上階の床構造体又は屋根構造体を構成する横架材とに鋼構造の柱の柱脚部及び柱頭部を夫々接合するとともに、前記柱の中間レベルに鋼構造の梁を接合し、
    所定の耐火時間の耐火性能を有する耐火構造の天井構造体を前記梁に懸吊して、該梁の下側に延在する天井構造体を形成するとともに、所定の耐火時間の耐火性能を有する耐火構造の壁構造体を前記床構造体上に建込み、
    前記壁構造体及び天井構造体によってクリーンルームを画成するとともに、上階の床構造体又は屋根構造体から離間した防火区画を前記壁構造体及び天井構造体によって形成することを特徴とするクリーンルーム構築方法。
  7. 前記柱の柱脚部をピン接合構造又は半固定接合構造によって床構造体に係留し、前記柱の柱頭部をピン接合構造によって前記横架材に連結するとともに、前記梁と前記柱とをピン接合構造によって接合することを特徴とする請求項6に記載のクリーンルーム構築方法。
  8. 前記梁を階高(H1,H2)×0.3〜0.7の範囲内の高さ位置(h1,h2)において前記柱に接合することを特徴とする請求項6又は7に記載のクリーンルーム構築方法。
  9. 点検又は維持・管理用の高所通路を前記梁と前記横架材との間に配置することを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載のクリーンルーム構築方法。
  10. 複数の増築構造体の上方域に跨がって延びる屋内上部空間を前天井構造体と前記横架材との間に形成することを特徴とする請求項6乃至9のいずれか1項に記載のクリーンルーム構築方法。
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